JPS5820628Y2 - スラブ等の反転移送用吊具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、オーバーヘッドクレーンやホイスト等のフッ
クに掛吊してスラブ等の重量物を搬送し、又空間にて所
要の反転を行なうことができる吊具に関するものである
。

製鉄工場において、スラブの搬送等を目的として設備さ
れる吊具は、被吊上物が大形重量物であることからこれ
に対応して犬がかりなものとなる。

しかし工場建屋の空間に制限があるので、吊具の高さを
可及的低くしかつ被吊上げ物を挟着・解離する機構の動
きが小さいこと、又搬送作業の開始に当り、被吊上げ物
に対する挟着爪の対応が常に適確でありかつ吊上げた状
態では自動締付力が作用して事故の皆無を期すること、
更に吊上げた状態で所要の反転動作が行なえること等が
要求される。

本考案はこれらの諸要件を満足した吊具を提供するもの
であり、以下その一実施例を示す図面に基づいて説明す
る。

１は主水平ビームであり、その中間部には軸受板２が、
一体的に固定され、これに一対の開閉アーム３がビン４
をもって開閉自在に装着されている。

なお５は上記開閉アーム３を結ぶ連結杆であり、開閉ア
ーム３の動作を等しく均衡させる役目をはたしている。

６は上記主水平ビーム１の中間部上位にあるスプリング
ケースであり、このスプリングケース６内へ上記主水平
ビーム１に下端を固定した複数本（例えば４本）のねじ
棒１を貫通せしめ、この各ねじ棒７に支持されるスプリ
ング８を収設し、各スプリング８の弾撥力はナンド９の
進退によって調節されるようになっている。

１０は上記スプリングケース６の中央に固定した吊環で
あり、これにクレーンフックが係着されるのである。

１１は上記スプリングケース６内に設けた軸受１２と上
記開閉アーム３の各頂端を連結する作動リンクであり、
夫々ビンを介するヒンジ構造をもって連結されている。

１３は左右一対をなす補助ビームであり、その一方上位
は揺動リンク１４を介して主水平ビーム１の先端へ、又
他方内側端は開閉アーム３の各下端に連結され、この各
連結点は何れもビンを介するヒンジ構造をもって連結さ
れている。

なお上記補助ビーム１３にはそれぞれ挟持アーム１５が
摺動自在に嵌装垂下されている。

すなわちこの挾持アーム１５は上記補助ビーム１３内に
収設されたねじ棒１６の回転による推進力で左右に摺動
し得るようになっており、上記ねじ棒１６を回転させる
ための電動機１Ｔおよびこれの回転を伝えるスプロケツ
ト１８およびチェノ１９が設けられている。

つまり挾持アーム１５は上記ねじ棒１６の回転によって
前後移動を行ないその下端内側に設けた爪２０の相間距
離の調節すなわち爪の開閉を行なうものである。

なお上記相対向する爪２０の締付力はオートカントトル
クリミタ−により必要とされる一部トルクにて停止する
ような配慮がなされている。

ところで本考案は上記爪２０によって挾持され、吊上げ
られたスラブ等に所要の反転動作を与えることもその目
的の１つであり、したがって上記爪２０の一方又は両方
に下記のような配慮が加えられている。

すなわち爪２０の左右２個とし、この２個の爪２０を設
けた爪板２１を挾持アーム１５に対して回転自在に軸支
し、この支持軸２２に回転を伝える歯車機構２３および
電動機２４を設けている。

したがって上記爪板２１は左右何れの方向に回転でき、
スラブ等の反転方向が選択できるのである。

なお先に説明した挾持アーム１５の摺動動作および爪板
２１の回転動作つまり所要の運転操作はクレーン運転室
内又はペンダント形押釦を用いた遠隔操作によって行な
うものである。

本考案吊具は以上その実施例について説明したような構
造であり、まず準備操作として吊環にクレーンフックを
係着して吊具全体を吊上げ、各スプリング８の弾撥力を
調整し、無負荷状態にて主水平ビーム１の上面がスプリ
ングケース６に接触する程度の関係を保たしめておく。

そして吊具な所要の部所へ移動し、爪２０が最大限に開
いた状態で被吊上げ物Ａに向って降下し、爪２０の各先
端が被吊上げ物Ａの中心に対応したところで電動機１Ｔ
を起動し、ねじ棒１６を回転させることによって両挾持
アーム１５を前進動動せしめ被吊上げ物Ａを挟着する。

なおこのとき爪板２１に設けた２つの爪２０は水平状態
に保持しておくものとする。

ここにおいて吊具を吊上げると被吊上げ物の重量が吊具
に作用するので、作動リンク１１により開閉アーム３の
頂端が引上げられ、その下端は反対側つまり内側へ回動
しようとする。

この動きは補助ビーム１３を介して挟持アーム１５に伝
わり、被吊上げ物Ａは自らの重量によってより強力な挟
着力を吊具に誘起させることになる。

そして電動機２４を起動しその回転を歯車機構２３およ
び軸２２を介して爪板２１に伝えることにより、被吊上
げ物Ａに所要の反転動作を与えることができるのであっ
て、吊上げた適当な空間で上記反転操作を行ない、目的
の場所に降下して定置し、爪開き動作を行って１サイク
ルの作業を完了するのである。

本考案によれば、被吊上げ物の挟着、解離を行なうため
の機構全体の上下動が小さいので、限られた空間での適
用が有利であり、又被吊上げ物の自重による挟着作用が
適確に働くので、吊上げたままで停電しても落下事故が
発生するおそれもない。

また遠隔操作による吊上げ物の空中反転機能を備えてお
り、反転のための地上スペースが不要となり、加えて搬
送中に反転操作を行なうことができるので時間を有効に
利用し作業時間を大幅に短縮することができる。

更に被吊上げ物の慣性モーメントで反転させるので従来
の定置式反転機に比較して反転のための動力をほとんど
必要としない。

また更に基礎工事等が全く不要となり、かつ大動力も必
要としないので投資金額の節減が期待できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図は一部を
破断して示した正面図、第２図は側面図である。 １は主水平ビーム、２は軸受板、３は開閉アーム、６は
スプリングケース ７はねじ棒、８はスプリング、１０
は吊環、１１は作動リンク、１２は軸受、１３は補助ビ
ーム、１４は揺動リンク、１５は挾持アーム、１６はね
じ棒、１７は電動機、２０は川、２１は爪板、２２は軸
、２４は電動機。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中央部に突設した軸受板を介して開閉自在に装着された
   一対の開閉アームを具備する主水平ビーム、該主水平ビ
   ームに立設した複数本のねじ棒とこれに支持されるスプ
   リングを介して装着され吊環を突設してなるスプリング
   ケース、該スプリングケースの軸受部と上記開閉アーム
   の頂端を連結する作動リンク、上記主水平ビームに対し
   て揺動リンクを介して懸吊されかつ開閉アームの下端に
   それぞれ連結してなる左右一対の補助ビーム、該補助ビ
   ームに遊嵌保持されかつ電動機によって回転駆動される
   ねじ棒の推進作用を受けて進退動作しかつ電動機の回転
   を伝受して任意量回転し被吊上げ物に反転動作を付与す
   る機能をもつ爪を備えた一対の挟持アームによって構成
   されていることを特徴とするスラブ等の反転移送用吊具
   。