JPS5819113A - 火災に対する防護カバ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、火災から物体を防護するための防護カバに関
し特に、架空配線された通信ケーブルの防護に適したカ
バに関するものである。

架空配線された通信ケーブルを火災による被害から守る
ために従来から種々の工夫がなされてきた。その代表的
なものは難燃性素材よりなる筒体を、ケーブル及びメツ
センジャワイヤに遊嵌し、この筒体による遮熱、筒体と
ケーブルとの間の空気による断熱を図らんとするもので
あり、相応の効果が得られている。而して前記筒体とし
ては例えばＦＲＰパイプ等が用いられるが、離燃性素材
を用いているとは言え、ある程度以上の温度に曝される
とその燃焼は不可避であり、筒体は焼損散逸し、また溶
融滴下してケーブルが火災に曝されるところとなって短
時間のうちに通信不能になり、成用焼損断線してしまう
という問題が残されている。

本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであって、火
焔にあぶられても溶融滴下することがなく、燃焼後にお
いても断熱作用を営み、比較的長時間に亘ってケーブル
などを保護することができる防護カバを提供することを
目的とする。

以下本発明をその実施例を示す図面に基いて詳述する。

第１図は本発明に係る防護カバを通信ケーブルの防護に
適用した状態を表わす斜視図であるこのカバはケーブル
】１、ハンガ！２によってケーブル１１を支持するメツ
センジャワイヤ＋３の組合せ体を余裕をもって収納し得
る内径の円筒状をなし、半円よりも長円弧の断面を有す
る樋状の主体１４と、その開口部を覆うべく主体１４よ
り稍々大径に構成された半円よりも′短円弧の断面を有
する蓋体１５とからなり、両者は使用現場にて円筒を形
成すべく夫々の端部を重ね合せるようにして筒状に一体
化される。

さて本発明のカバはこれら主体１４、蓋体１５を構成し
ている材料とその表層の構成に特徴を有している。以下
これにつき詳しく説明する。

このカバは所謂ＦＲＰに分類され得るものであって、耐
熱性繊維を補強材とし、これを骨格として樹脂成形した
ものである。

まず耐熱性繊維と金属製網状体について説明する。まず
耐熱性繊維の材質としてはガラスウール、アスベスト、
カーボンファイバ、ロックウール、セラミツフラー、ル
及びフェノール樹脂繊維（例えばカイノール：商品名）
等の中から適宜選択すればよいが、ガラスファイバ、フ
ェノール樹脂繊維が好適である。形態としては長繊維を
用いてなる織布、不織布でも、長さ３〜１５１１ｆｆの
短繊維でもよく、前者による場合は厚さＯＩ〜１．０１
１１の繊維層を複数（２〜６枚）重ねた積層構造とし、
後者による場合は後述する成形用樹脂中に分散混在せし
める構造とする。

次に金属製網状体の材質はステンレス、銅、黄銅、鉄、
アルミニウム、次に金属網状体の材質としては、ステン
レス、銅、黄銅、鉄、アルミニウム、等からなり、線径
００５ｆｆ〜２Ｍで、５〜２００メツシユの目開きのも
のが使用できる。屋外での耐腐性からステンレス、アル
ミニウムの材質が良い。

いずれにしても高温雰囲気下にである程度の時間に亘っ
てカバが変形することのないように支持でき、また後述
する発泡炭化層を散逸させることなく支持する機能を果
たせるものであればよく、建物等の可燃物と、架空位置
との距離等に基いて想定される耐用温度、経済性、使用
樹脂との適合性その他により適切な材質、形態更には置
を決定すればよい。

次に成形用樹脂について説明する。この樹脂は補強材の
接合、成形を主目的とする成形主剤つまり本来のバイン
ダ樹脂（１００重量部）と発泡炭化層形成剤（１００〜
ＳＯＯ重置部）と必要に応じて加えられる難燃剤、可塑
剤、充填剤、老化訪止剤、着色剤等の添加剤（合計で１
００重量部未満）とからなる。

成形主剤たる熱可塑性プラスチック、ゴムとしては、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、ポリ
エステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエ
チレン、などの熱可塑性プラスチック類、クロロプレン
ゴム、塩素化ポリエチレンゴム、クロロスルホン化ポリ
エチレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、臭素化ポリエ
チレンなどの含ハロゲン系ゴム類、エチレン−プロピレ
ンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、天然ゴム
、アクリロ−ニトリルゴム、ウレタンゴム、スチレン−
ブタジェンゴムなどの非含ハロゲン系ゴム類が好ましく
、特に含ハロゲン系のものが好ましい。

本発明で用いる発泡炭化層形成剤は燃焼によって形成さ
れる炭化層を発泡状態とする、即ち小空洞を有する炭化
層を多数層状に形成するものであり、それ自体は公知の
ものであって、例えば本願出願人の提案に係る成形加工
用の発泡性耐火組成物（特公昭５３−２４２１５号）を
構成する（ａ）炭化水素系多価アルコールと、（ｂ）発
泡剤と、（Ｃ）難燃性脱水剤の３成分よりなる組成物等
が拳げられ、これに限定されるものではないが、上述し
た炭化水素系多価アルコール、気泡を生成せしめる発泡
剤、及び炭化に寄与する難燃性脱水剤を含むものが好ま
しく　（ａ）　（ｂｌ　（ｃｌ各成分の量比及び上記し
た熱可塑性プラスチック、ゴムに対する配合量は、上記
特許公報に示された量と賀じでよい。

使用炭化水素系多価アルコールとしては微粉末状のモノ
ペンタエリストールが特に好ましい。

もちろんジペンタエリストール、トリペンタエリストー
ル、トリエチレングリコール等信の多価アルコールであ
ってもよい。

発泡剤は熱分解にて窒素ガス、−酸化炭素、炭酸ガス、
アンモニアガス等を放出するものであればよく緻密な均
一発泡を生起せしめる。Ｌで微粉末状をなすものが好ま
しく、メラミン、尿素ホルムアルデヒド、アミノ酢酸等
の有機アミン類、ジシアンジアミド、ブチルウレア、ポ
リアミド樹脂等の有機アミド類、塩素化パラフィン、パ
ラクロロメタキシレノール、テトラクロロフタル酸樹脂
等のハロゲン化有機化合物等の中から適宜選択すればよ
いが、メラミン、トリメチロールメラミン、ヘキサメチ
ロールメラミン、ジシアンジアミド等が好適である。

難燃性脱水剤は炭化水素系多価アルコールに含まれるヒ
ドロキシル基と反応して炭化層を生成する機能を果すも
のであり、これも微粉末状のものが均質混線の点から好
ましい。そしてモノアンモニウムホスフェート、ジアン
モニウムホスフェート、アンモニウムポリフォスフェー
ト、硫酸アンモニウム等のアンモニウム塩、メラミンモ
ノフォスフェート、メラミンホスフェート等のリン酸ア
ミン類、グアニルウレアホスフェート、ウレアフォスフ
ェート等のリン酸アミド類、更には硫酸水素バラニトロ
アニリン等の硫酸アミン類等の中から適宜選択すればよ
いが、アンモニウムポリフォスフェートが最も好適であ
る。

なお発泡炭化層形成剤としては上述のものに限らず多価
アルコールに替えて澱粉等の炭水化物を含むものであっ
てもよく、また生成発泡炭化層の機械的強度向上に寄与
するハロゲン含有ポリマー等、他の成分を含んでもよい
。そしてこの発泡炭化層形成剤としては、それ自体に炭
化層を形成する成分を有せず前記成形主剤、添加剤の炭
化の際にこれを発泡状態番こせしめるものであってもよ
く、成形主剤、添加剤によっては上述の発泡剤のみであ
っても十分な効果を奏する。

上述の成形主剤は補強材、発泡炭化層形成剤その他の添
加剤を含んだ状態において架橋されていてもよい。

本発明のカバのいま一つの′特徴は少くとも外周側表層
に遮水層を形成している点にある。

この遮水層を設ける理由は、前記発泡炭化層形成剤、特
に炭化水素系多価アルコールの雨水被冠による溶出散逸
を防止して、長期に亘りその機能を維持せしめるにある
。この遮水層は、前述の補強材並びに成形主剤、発泡炭
化層形成剤更には所要添加剤からなる成形用樹脂を用い
て前記主体］４、蓋体１５の形状に成形又は成形架橋し
た後において、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン
樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、等の熱硬化状樹゛脂
の塗料を外周側表面番こ塗布するか、或は、この塗料の
収容槽中に浸漬する（この場合は内外両面に形成される
）ことによって形成する。もちろん他の樹脂により遣水
層を形成することとしてもよく、耐水性の有機ポリマー
たとえばポリ塩化ビニルの粘着テープを巻回することよ
り形成してもよい。

また本発明のカバは、ケーブルへの装着時の便宜上、円
筒状にするよりも前述のように主体＋１４蓋体Ｉ５の２
つ割り構造にすることが一般あると考えられる。

従って主体、蓋体の一体化が必要である。これにはボル
ト、ナツトによる連結、接着剤による接着連結等が可能
であるが、後者の場合には遮水層が接着を妨げることの
ないように遮水層接着剤を選択する必要がある。以上の
点を勘案すると、成形主剤、遮水層及び接着剤のいずれ
をもエポキシ樹脂とするのは良い選択である。

遮水層を除く成形品部分は０．５〜８１１Ｍの厚さ望ま
しくは１０〜５ｆｌ程度の厚さとするが、遮水Ｍｉｉ；
ｔＯ，＋〜２ｆｌ、好ましくは０３〜０．８　ＭＭとす
る。

次に本発明の効果を明らかにするために行った耐火試験
の結果について説明する。第１表に供試カバの仕様を示
す。

（以下余白） 上述の試料を被保護ケーブル〔導体径０．６５　ｔｍ１
００対、クラフト紙、ＬＡＰテープ、ポリエチレン被覆
の絶縁層（０，１５ＭＭ厚）を存し外径２５ｆｆの中継
ＰＥＦ−ＬＡＰケーブル〕及びメツセンジャーワイヤに
外嵌し、これを耐火試験炉に装入して、第２図に示すＪ
ＩＳ　Ａｌ３０１の屋外２級のパターン及びＪＩＳＡＩ
３０４の耐火曲線のパターンに倣う加熱に供した。

耐熱性の評価は１００対の素線を１００本ずつ２群に分
け、この両群間の絶縁抵抗（Ｄ、　Ｃ，５ｏｏｖによる
）を経時測定し、ＩＭΩにまで底下した時点をもって伝
送機能喪失と看做した。

第２表は試料数３についての平均値を示している。

第　　２　　表 比較例としては前述の被保護ケーブルを露出させたまま
の試料と、従来品〔試料１．２と略同寸法のＦＲＰ　（
ガラス繊維積層エポキシ樹脂成形品）パイプ〕を被保護
ケーブルに外嵌したものを用いた。この結果から明らか
な伸く本発明品は極めて優れた耐熱保護性能を示す。

この様に優れた耐熱効果を示すのはカバ燃焼後に発泡炭
化層が形成され、これが補強剤にて堅固に保持され、そ
の気泡が断熱作用を営み、内部のケーブルの絶縁層の熱
劣化、熱破壊を遅らせることに依るものと思われる。

以上のように本発明に係るケーブル用耐熱カバは耐熱性
繊維又は金属製網状体を補強材とし、加熱反応により発
泡炭化層を形成し、又は形成せしめる発泡炭化層形成剤
を成形用樹脂中に含む樹脂成形剤を用いてなり、少くと
も外周側表層番こは遣水層を設けであるものであるから
、その燃焼後においてもケーブルを高熱、火災から暫時
保護すること−ができ、緊急連絡可能時間の延長等に実
益があり、またこのような耐熱保護性能を長期に亘って
維持することができる。そして前述の実施例の如く２つ
割りの構造とする場合は既設ケーブルヘの装着か容易で
あり、主体と蓋体とをその長手方向位置をずらせるよう
にして配する場合は複数本のカバを連ねて長大な部分の
保護をすることも容易となるなど、本発明は優れた効果
を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明品の使用状態を表す外観斜視図第２図は
耐火試験の加熱パターン図である。 １４・・・主体　　１５・・・蓋体 特許出願人 大日日本電線株式会社 代表者代表取締役　青山幸雄 ／／ 第１図 第　２　図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、耐熱性繊維又は金属製網状体を補強材とし、加熱反
   応により発泡炭化層を形成し、又は形成せしめる発泡炭
   化層形成剤を熱可塑性プラスチック、ゴム中に含む樹脂
   成形材を用いてなり、 少くとも外周側表層には遮水層を設けであることを特徴
   とする火災に対する防護カバ。 ２、前記耐熱性繊維は長繊維からなる織布又は不織布で
   あり、前記樹脂成形材中に積層されている特許請求の範
   囲第１項記載のケーブル用耐熱カバ。 ３、前記金属製網状体は外径０．２〜２Ｈの線からなる
   ５〜２００メツシユのものであり、前記樹脂成形材中番
   こ積層されている特許請求の範囲第１項記載のケーブル
   用耐熱カバ。 ４、前記耐熱性繊維は短繊維であり、ｌ＋ｉｌ記樹脂成
   形材中の分散混在せしめられている特許請求の範囲第１
   項記載のケーブル用耐熱カバ。 ５、前記発泡炭化層形成剤は炭化水素系多価アルコール
   、有機発泡剤及び難燃性脱水剤を含む特許請求の範囲第
   １項記載の耐熱保護カバ。 ６、前記遮水層は成形用樹脂中に含まれる成分からなる
   特許請求の範囲第１項記載のケーブル用耐熱カバ。