JPS581690Y2 - 高周波加熱装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、扉体のロック機構を改良した高周波加熱装置
に関する。

高周波加熱装置、たとえば電子レンジにおいては、被調
理物の加熱調理中に扉体が容易に開放しないようロック
機構が設けられる。

そして、このロック機構は、電子レンジ本体に設けられ
るドアスイッチと関連動作し、扉体を確実に閉成したと
きのみドアスイッチを付勢してマグネトロンの発振を可
能としている。

ロック機構をなお説明すれば、これは扉体に突設される
回動自在なフックと、電子レンジ本体に設けられ上記フ
ックが掛合する掛止具とからなり、この近傍にはドアス
イッチ付勢用のアームが配置される。

そしてフックが掛止具に確実に掛止したとき、フックの
先端部はアームを変位させ、ドアスイッチを付勢できる
。

したがって、ロック機構の取付がずれるとアームを変位
させることができず、組立には神経を要する。

しかるに、掛止具のフック掛止部分はフックの横方向の
ずれを規制するためのガイドがある。

このためフックがどのような状態で掛合しているかを直
接目視することはできず、フックと掛止具との位置を種
々変えては確実な掛合およびドアスイッチを付勢できる
最適な位置を求めていた。

したがって組立ては神経を要し、非常に手間がかかる。

本考案は上記事情にもとづきなされたものであり、その
目的とするところは、掛止具に覗窓を設けることにより
、新たな部品を追加せず、容易に組立可能とした高周波
加熱装置を提供しようとするものである。

以下本考案の一実施例を図面にもとづいて説明する。

図中１は高周波加熱装置であるところの電子レンジの本
体である。

この本体１内には前面に開口部を有するオーブン２が設
けられ、照明灯２ａと図示しないマグネトロン、スタラ
ファンが取付けられている。

本体１の前面側には後述する扉体３が開閉自在に枢着さ
れるとともに操作盤４が並設される。

この操作盤４には加熱時間設定用のタイマ摘み５、電源
兼調理スイッチ６および電源ランプ６ａが設けられてい
る。

つぎに上記扉体３について説明すると、これは上下方向
−側端を図示しない蝶番を介して本体１に枢着され横開
き状となっている。

扉体３の中央部にはパンチングメタル７が設けられ、オ
ーブン２を透視できるようになっている。

この自由端側にはロック機構８を構成するフック９の爪
部９ａが突出する。

すなわちフック９は、第２図に示すように扉体３に設け
られる枢支ピン９ｂを介して回動自在に枢支される。

爪部９ａ側の片部には掛止舌片１９が突設され、これに
は一端部を扉体３に固定される引張りばね１１の他端部
が掛止する。

したがってフック９の爪部９ａは常に下方向に付勢され
る。

なお扉体６の前面側にはハンドル３ａが回動自在に設け
られ、これにフック９を回動する図示しないカムが設け
られる。

ロック機構８は、このフック９と、第３図および第４図
に示す掛止具１３とから構成される。

掛止具１２は、取付ねじ挿通用の長孔１３，１３が穿設
され、本体１に螺着する取付片部１４と、掛合部１５と
が一体成形されてなる。

掛合部１５は略箱状に構成されていて、詳しくは、本体
１の前面側、すなわち、上記フック９に相対向する位置
にはフック９が挿通できる案内孔１６が設けられ、また
その案内孔１６の両側にはフック９の横方向のずれを規
制する側部壁２８，２８（一方は取付片部１４を共用）
が設けられる。

そして、さらに背面側には案内孔１６に対する背面を閉
塞する背面壁２９が設けられ、下面にフック９と掛合で
きる掛止孔１７を開口させてなる。

背面側の下端部にはガイド片１８が延長されている。

そして掛合部１５の一側面、すなわち反収付片部１４側
の側部壁２８には略矩形形状の覗窓２０が穿設され、こ
れらの組立時に掛合部１５内が目視できるようになって
いる。

このようにして構成されるロック機構８の掛止部１５下
方には、第４図および第５図に示すようにアーム２１が
設けられる。

アーム２１は、垂直方向に延長する立上り片２２と、こ
の立上り片２２の上端部に水平方向に分岐するスイッチ
作動片２３および立上り片２２の下端部に水平方向に折
曲形成され上記電源兼調理スイッチ６の背面側まで延出
する水平片２４とからなる。

このアーム２１は、押上げばね２５によって引上げられ
るよう付勢され、立上り片２２の上端部は常に上記掛止
孔１７に近接し、かつ水平片２４の端部は上記電源兼調
理スイッチ６の背面側に設けられる復帰防止具２６の上
方にある。

スイッチ６を説明すれば、図示しない圧縮ばねにより操
作盤４から前面に突出するよう付勢され、これを押圧す
ることにより電源が入り、マグネトロンを励磁できるよ
うになっている。

上記復帰防止具２６は段部２６ ａを有し、これに水平
片２４の端部が掛合すれば、スイッチ６の復帰が妨げら
れ所定の動作が継続することとなる。

一方、上記スイッチ作動片２３の下方部位にはドアスイ
ッチ２７が配置され、水平片２４が上記段部２６ Ｈに
掛合するとともにスイッチ作動片２３に付勢される。

このドアスイッチ２７は、ＯＦＦ状態にあるかぎり電源
兼調理スイッチ６をＯＮしてもマグネトロンの励磁を妨
げるものである。

しかして、このようにして構成される電子レンジの特に
ロック機構８の組立ての際は、フック９および掛止具１
２を取付けた後扉体３を閉放して爪部９ａを掛合部１５
に掛止させる。

爪部９ａは案内孔１６から挿入し、両側壁をガイドとし
て掛止孔１７に掛合する。

そしてこれらの側部から掛合状態を見る。

すなわちフック９は覗窓２０から直接目視でき、たとえ
ば第６図Ａに示すごとき掛合不良の状態であれば、これ
を見ながら第６図Ｂに示すごとき正規の掛合状態になる
ようフック９もしくは掛止具１２の位置を調整する。

なおこの時、図示しないが掛止部の暫定的チヂメを容易
にするため、掛止部の取付板にチヂメ用ガイド（周囲に
数点のボス部を形成する）を設けるか、あるいは掛止部
に尖状の突起を取付け、取付板には取付位置を表示する
三角印を付けるなどの方法をとっても良い。

なお、電子レンジの作用を説明すれば、被調理物をオー
ブン２に収容して扉体３を閉成することにより、フック
９の爪部９ａは案内孔１６を介して掛止孔１７から突出
する。

上記爪部９ａは、アーム２１の立上り片２２上端部に当
接してこれを付勢する。

そして、タイマ摘み５を所定の加熱時間に設定し電源兼
調理スイッチ６を押す。

復帰防止具２６はスライドしてこの段部２６ ａにアー
ム２１の水平片２４が落込む。

このためスイッチ６の復帰は防止される。

同時にスイッチ作動片２３によりドアスイッチ２７が付
勢され、マグネトロンおよびその他の電気部品に通電し
て上記被調理物を加熱調理できる。

また当然のことながら、フック９の掛止部１５に対する
掛合状態が不良であれば、扉体３を完全に閉成すること
ができないとともにアーム２１を介してスイッチ６およ
び２７に対して所定の作動を行えないこと勿論である。

加熱調理後は、ハンドル３ａを回動することによりカム
がフック９を持上げ、これを掛合部１５から解放し、ア
ーｌ、２１は押上げばね２５に付勢される。

したがってドアスイッチ２７および電源兼調理スイッチ
６はＯＦＦとなる。

またこの扉体３の開放時においては、掛止具１２の背面
壁２８で本体１の内側が遮蔽されていることから、案内
孔１６を通しての異物の侵入があっても異物でドアスイ
ッチ２７が作動しないとともに、本体１の内方への侵入
が阻止され、安全であるといった利点をもつ。

以上説明したように本考案によれば、扉体にフックを突
設し、本体に掛止具を設けてフックを掛合し、掛止具に
フックの掛合状態の観察可能な覗窓を設けたから、従来
の部品のまま組立ておよび調整が簡単となり工数低下が
図れるとともに品質向上を得るなどの効果がある。

しかも、掛止具を側部壁、背面壁で略箱体に構成したか
ら、案内孔を通じて異物の侵入があっても、背面壁でそ
の侵入を阻止してドアスイッチの不用意な作動、さらに
は本体内の各種機器に対する干渉を未然に防止すること
ができ、安全性に優れる利点をもつ。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は高周波加熱装
置である電子レンジの斜視図、第２図は扉体の一部切欠
した斜視図、第３図は掛止具の斜視図、第４図はロック
機構の側面図、第５図は要部の側面図、第６図Ａはフッ
クの掛合不良状態を示す側面図、第６図Ｂはその掛合良
状態を示す側面図である。 ２・・・・・・オーブン、１・・・・・・本体、３・・
・・・・扉体、９・・・・・・フック、１２・・・・・
・掛止具、２０・・・・・・覗窓。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前面に開口部を有するオーブンを備えた本体と、この本
   体の上記オーブンの開口部に開閉自在に枢着される扉体
   と、この扉体に突設されるフックと、このフックと掛合
   する上記本体に設けられる掛止具とを具備した高周波加
   熱装置において、上記掛止具は、上記フックが挿通する
   案内孔と、この案内孔の両側に位置して設けられた上記
   フックの横方向の動きを規制する側部壁と、上記案内孔
   に対向して設けられ案内孔に対向する背面側を閉塞する
   背面壁とを設けて、下面側に上記フックと掛合できる掛
   止孔を形成して略箱状に構成してなり、上記側部壁にフ
   ックの掛合状態が観察可能な覗窓を設けてなることを特
   徴とする高周波加熱装置。