JPS5815045B2 - 自動車用カルマン渦流量計 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ン 本発明は、自動車用の渦流量計に適用して効果的な
シグナルコンディショナーを備えたカルマン渦流量計に
関するものである。

この種の渦流量計の渦発生装置及び検出方法については
、特許公告昭５１−１３４２８に詳しく１記載されてお
り、シグナルコンディショナーについては、特開昭４９
−７１９６１に詳しく記載されている。

従来のこの種の渦流量計を、例えば自動車エンジンの吸
入空気量の測定に用いた場合、自動車のン吸入空気量の
変化範囲が約４０倍である為に、小流量時あるいは大流
量時に渦信号の出力に、渦の生成数の信号以外のノイズ
信号が含まれてしまう。

これらのノイズは、被測定流体の流量に対応したもので
ある。

さらに、流量には関係なく、機関の１運転状況に左右さ
れるノイズ、例えば４サイクルエンジンの脈動によろう
ずの乱れによるノイズ信号が存在する事が問題となって
きた。

後者のノイズ信号は特に、特定の運転状況ではげしく、
場合によっては、渦の生成の規則性をも乱してしまう１
程のノイズとなり、従来のシグナルコンディショナー回
路の様に渦信号をもとにして、ノイズ処理を行なってい
たのでは、渦周波数に無関係なノイズ信号である為に除
去出来ない欠点があった。

この発明は上記の様な従来のものの欠点を除去する為に
なされたものであり、例えば機関の吸入空気量の様に、
変化範囲が非常に大きく、かつ機関の運転状況に特有な
ノイズ信号を含んだ渦信号からも安定なうず周波数を得
る事の出来る自動車用カルマン渦流量計を提供すること
を目的としている。

以下図の実施例に基づいて説明する。

第１図は、本発明の一実施例を示す流量計の構成図であ
り、図において１はうず発生体の外箱、２はうず発生体
、３は超音波発振子、４は超音波受信子、５はエンジン
、あるいはエンジンのエアクリーナへつながるダクト、
６はエンジン、Ｉはエンジンの運転状況を示す情報回路
、８は超音波受信波を受ける為のプリアンプ、９は超音
波振動子を駆動する為の発振回路、１０は発振波と受信
波から、うすによる変調成分を検出する為のビート検波
回路であり、８，９，１０で渦信号を増巾するアンプを
構成している。

１１は周波数可変フィルター回路で、１２はシュミット
回路である。

上記の様に構成された流量計において、第１図Ｖ１点に
表われるうす波形の流量あるいはエンジンの運転状況に
よって変化するうす波形を第２図に示す。

第２図ａは低流量時のうず信号波形で、うず信号周波数
以外に不規則な高周波ノイズが含まれている。

第２図すは、大流量時のうず信号波形で、うず信号周波
数より低い周波数のゆらぎのノイズが含まれている。

第２図Ｃはエンジンの特定の運転状況において見られる
うず信号波形で、規則的なうず周波数が、エンジンのピ
ストン運転による脈動によって決まる周期で乱されたり
、消失させられたりする。

この乱れは、流量には無関係で、うず周波数と、脈動周
波数が近づく番こつれて、はげしい乱れ方となる。

この特定の運転状態は、例えば次の様にして検知する事
が出来る。

第１に、スロットルバルブの開度で検知する事が出来る
。

エンジンの脈動による影響は、スロットルバルブの開度
が大きい時に、スロットルバルブによって絞られずにう
すの生成に悪影響を及ぼす。

第２に吸気管の負圧で検知する事が出来る。

吸気管負圧の値は、上述のスロットルバルブの開度と密
接な関係があり負圧値が大きい時には、スロットルバル
ブで絞られている時であり、負圧値が小さい時には絞ら
れずに、うすの生成に悪影響を及ぼす。

第３にエンジン回転数により検知する事が出来る。

脈動の周期は、エンジン回転数とエンジンの気筒数とで
決まり、脈動の周波数がうすの発生周波数に近づいた時
に、うすの発生が乱されやすい。

ところで第１図の実施例においては、うず信号の検出部
に超音波を用いている。

この場合にはうずの発生周波数が高ければ高い程出力信
号が大きくなってゆき、Ｓ／Ｎ比の高い高感度の検出が
行なえる特長がある為、流量当りのうず周波数を高く設
計しておけば、脈動周波数を消せる様なバイパスフィル
タ回路で、脈動によるノイズをカットする事が出来る。

しかし、この様なフィルター回路はうず周波数自身が低
い場合には、逆にうず信号を消してしまうために不用で
あるし、もちろん脈動による影響が無い時には不用であ
る。

また、脈動によるノイズ周波数は、その時のエンジンの
運転状況によって決まるもので、流量、つまりうず周波
数には関係しない。

この為に、ノイズ除去の為のフィルター回路のオン・オ
フの切換、あるいはカットオフ周波数の切換を、エンジ
ンの運転状況を示す情報により制御する様にすれば、有
効である。

さらに、例えば自動車エンジンの吸入空気量の場合、エ
ンジン回転数・吸気管負圧、スロットル開度等の情報で
、概略の流量つまりうず周波数も逆算出来る為に、流量
に応じて変化するノイズ信号除去の為のフィルター回路
のオン・オフ、通過帯域の切換・可変等の代用も出来る
。

第３図は、本発明の一実施例のフィルター回路部を示す
為の図で、図において、２１は増巾回路、２２、２３
。

２５．２７，２８，３３，３４は抵抗、２４はダイオー
ド、２６，２９，３０，３２，３６はコンデンサ、３１
，３５，３７は増巾器、３８は切換スイッチ、３９は制
御回路、４０はスロットル開度検出器、４ｉｓＪマニホ
ールドブーストのブーストスイッチ、４２はエンジンの
回転数スイッチである。

図の様に構成された渦流量計において、振動子３は発振
回路９により増巾回路２を経て駆動される。

受信子４の信号はプリアンプ８により増巾される。

送受信波間のうすによる変調成分は、抵抗２２．２３，
２５、ダイオード２４、コンデンサ２６によるビート検
波回路で復調され、抵抗２７゜２８コンデンサ２９，３
０、増巾器３１からなるフィルター回路で、ビート成分
のみがうず信号として出力される。

コンテ゛ンサ３２と抵抗３３゜３４、切換スイッチ３８
、増巾器３５からなる可変フィルター回路の通過帯域は
、切換スイッチ３８のオンオフにより切換わり、切換ス
イッチ３８の切換えは、４０，４１，４２等のエンジン
の運転状況の情報により、制御回路３９が判断し制御す
る。

第３図の構成は、うず周波数が脈動周波数より高い場合
の実施例で、スイッチ３８がオンするとバイパスフィル
ター回路の通過周波数が高周波側へ切り換り、うず信号
を特に強調して、脈動による影響を低減すると同時に、
高流量時のゆらぎも減少させる。

なお、前記実施例では、フィルタ回路に１段切換のバイ
パスフィルタ回路を用いたがうず周波数と脈動周波数の
相関あるいは脈動の強弱を、エンジン情報回路できめ細
やかに判断する様して、多段あるいは連続可変のバンド
パスフィルターとすれば、さらに出力を安定化させる事
が出来る。

又、前記実施例では、うず信号が、脈動により、第２図
Ｃの様に弱められる場合に、うず周波数を強調して取り
出そうとするものであるが、不規則に乱された場合には
逆に乱れ成分までカウントしてしまう危険性がある。

第４図は、脈動周波数と、うず周波数が比較的接近して
いる場合のうず信号波形ａと、その時の平均流量ｂ（た
とえば、ラミナーフローメータの出力）を示す。

第４図すの様な脈動で流量低下している場合、本来のう
ず信号出力は、うず信号の周期が脈動に同期して変化す
べきであるが、うず信号の位相と、脈動の位相によって
は、第４図ａに示す様に波形の乱れを伴なう事がある。

この様な場合には乱れをカウントしない様にうず信号を
電気的パルス回路に変換する為のシュミット回路１２の
トリギーレベルまたはヒステリシスを、エンジンの運転
状況Ｏこ応じて切換えると効果がある。

なお、上記実施例ではエンジンの吸入空気量の測定につ
いて説明したが、排出ガスの測定、ＥＧＲ量の測定等の
エンジン関連流量の測定、さらには多サイクル機関をポ
ンプとして用いた各種流体の流量測定に利用出来る事は
云うまでもない。

また、流量に応じて渦周波数を発生するものについて説
明したが流速ζこ応じて渦周波数を発生するものについ
ても同じ効果がある。

以上の様に、本発明は機関の運転状況に応じて生ずるカ
ルマン渦信号の乱れを、機関の運転状況を示す各種情報
によりフィルタ回路の通過帯域を制御して除去する様に
した事により、所望のうず信号だけを正確に選択出来る
自動車用カルマン渦流量計を得る事が出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す流量計の構成図であり
、第２図は第１図■０点のうず信号波形図を示す。 第３図は本発明の他の実施例を示す電気回路図である。 第４図は、脈動周波数とうす周波数が比較的に接近して
いる場合のうず信号波形図である。 図において８はプリアンプ、９は発振回路、１０はビー
ト検波回路、１１は可変フィルター回路、１２はシュミ
ット回路、７はエンジン情報回路、４０はスロットル開
度検出器、４１はブーストスイッチ、４２は回転数スイ
ッチである。 なお、図中同一符号は同−又は相当部分を示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 機関の運転状況に応じて変化する被測定流体の流速
   （または流量）により生ずる渦信号を増巾するアンプ、
   このアンプの出力を受ける周波数可変フィルタ回路、機
   関の運転状況を示す情報回路を備え、機関の運転状況を
   示す情報に対応して前記周波数可変フィルター回路の通
   過帯域を制御する事を特徴とする自動車用カルマン渦流
   量計。 ２ 被測定流体は機関の吸入空気量であり、機関の運転
   状況を示す情報回路に吸気スロットルバルブの開度の情
   報を用いた事を特徴とする特許請求の範囲第１項記載の
   自動車用カルマン渦流量計。 ３ 被測定流体は機関の吸入空気量であり、機関の運転
   状況を示す情報回路に吸気管負圧の情報を用いた事を特
   徴とする特許請求の範囲第１項記載の自動車用カルマン
   渦流量計。 ４ 被測定流体は機関の吸入空気量であり、機関の運転
   状況を示す情報回路ζこ、機関の回転数清報を用いた事
   を特徴とする特許請求の範囲第１項記載の自動車用カル
   マン渦流量計。 ５ 機関の運転状況に応じて変化する被測定流体の流速
   （または流量）により生ずる渦信号を増巾するアンプ、
   渦信号を電気的パルス信号に変換する為のシュミット回
   路、機関の運転状況を示す情報回路を備え、機関の運転
   状況を示す情報に対応して前記シュミット回路のトリガ
   ーレベルあるいはヒステリシス幅を変化させる様にした
   事を特徴とする自動車用カルマン渦流量計。