JPS5815031A - 高純度二酸化チタンの製造方法 - Google Patents

高純度二酸化チタンの製造方法

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JPS5815031A
JPS5815031A JP11015281A JP11015281A JPS5815031A JP S5815031 A JPS5815031 A JP S5815031A JP 11015281 A JP11015281 A JP 11015281A JP 11015281 A JP11015281 A JP 11015281A JP S5815031 A JPS5815031 A JP S5815031A
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Taijiro Okabe
泰二郎 岡部
Eiichi Narita
成田 栄一
Hitoshi Ichikawa
均 市川
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、チタン含有原料の塩酸分解−溶媒抽出法によ
る高純度二酸化チタンの製造方法に関するものである。
さらに詳しくは、チタン含有原料を塩酸水溶液と反応さ
せることによってチタンをはじめ鉄、アルミニウム、マ
ンガン、クロム、マグネシウムを塩化物として水溶液中
に溶解させ、得られた遊離塩酸濃度3〜7mol/lの
金属塩化物水溶液をエーテル類(エチルエーテル、ブチ
ルエーテルなど)、アルコール類(ヘキサノール、デカ
ノールなど)、ケトン類(メチル−iso−ブチルケト
ン、シクロヘキサノンなど)などの炭素数4〜10個の
含酸素炭化水素系抽出剤もしくはリン酸トリブチルやリ
ン酸トリオクチルのような炭素数4〜8個のアルキル基
を有する有機リン酸エステルと接触させて、まず塩化鉄
を選択的に有機相に抽出し、ついで抽残水相に塩化水素
を加え、塩酸濃度を8mol/l以上にあげた後、新た
に用意した炭素数4〜8個のアルキル基を有する有機リ
ン酸エステルと再び接触させて塩化チタニルを選択的に
有機相に抽出し、この有機相に3〜7mol/lの塩酸
水溶液を接触させて逆抽出により得られたチタン含有塩
酸水溶液を高温熱分解または加水分解させて白色高純度
の二酸化チタンを得ることを特徴とする高純度二酸化チ
タンの製造方法に係るものである。また、塩化鉄抽出後
の抽残水相の塩酸濃度を6mol/l以上に調整した後
、有機リン酸エステルの代りに炭素数4〜8個のアルキ
ル基を有する有機酸化リンと接触させて塩化−チタニル
を選択的に有機相に抽出する方法も本発明に含まれる。
本発明においては、チタン含有原料の塩酸による分解を
行なっているが、硫酸の代りに塩酸を用いることは古く
から実施されており、公知である。
本発明において塩酸を選んだ理由は、塩酸分解によって
塩化物水溶液が得られ、これが次の本発明の特徴とする
溶媒抽出法による金属の分離精製工程にきわめて有利に
働くこと、および酸の回収、再利用が容易なことからで
ある。塩化鉄および塩化チタニル抽出後の水相は、Mg
Cl2、AlCl3、MnCl2、CrCl3などを含
む塩酸水溶液であるが、これは噴霧バイ焼炉を用いる熱
分解あるいは硫酸添加後の加熱によって含有金属成分と
塩酸の回収が可能である。チタン含有原料の分解に用い
る酸は最終製品である二酸化チタンに付加されないので
、酸の回収・再利用は省資源および環境保全の立場から
重要課題となっているが、従来の硫酸法では廃酸からの
硫酸の回収が困難であり、大きな問題となっている。こ
れに対して、本発明ではチタン含有原料の分解に塩酸を
用いており、酸の回収を容易にするという点においても
優れている。
本発明で用いられるチタン含有原料としては、TiO2
分を少なくても20重量%以上含むものが好ましく、イ
ルメナイト鉱、チタン磁鉄鉱もしくはルチル鉱が用いら
れる。また、イルメナイト鉱を少量のマグネシアやシリ
カとともに電気炉で還元して鉄の大部分を金属として除
去した高チタン鉄滓およびイルメナイト鉱を塩酸水溶液
により加圧分解して鉄の大部分を塩化鉄として除去した
合成ルチル鉱はチタン分を多く含み、酸との反応性も良
好であるので本発明の方法を適用することができる。チ
タン含有原料と塩酸との反応は古くから実施されており
、60〜100℃の間の温度で行なうのが良く、70〜
85℃の間の温度が最も好ましい。温度が高くなるにし
たがって反応は早くなるが、一方では水溶液中に溶解し
たチタン分が一部加水分解を起こして二酸化チタン水和
物として沈殿し、チタン分の溶解率が低下するので好適
反応温度には上限がある。60℃以下の温度では、チタ
ン含有原料と塩酸との反応速度がきわめて遅くなり、経
済的でない。塩酸の濃度は高いほど良く、少なくとも反
応開始時において9mol/l以上が好ましい。チタン
含有原料と塩酸との量的関係については、塩酸の量が少
ないとチタン分と鉄分の濃厚な水溶液が得られるが、反
応速度が低下したり、生成水溶液の粘度が増大するので
、理論量の1〜4倍量の塩酸が用いられる。この場合、
本発明の特徴とする溶媒抽出法による分離精製工程を考
慮し、分解反応後遊離塩酸濃度が3〜7mol/lにな
るように塩酸の使用量を調節することが好ましい。
チタン含有原料を塩酸で分解することによって得られる
水溶液中には、塩化チタニルと塩化鉄が主に含まれてお
り、このほかチタン含有原料に随伴して混入するマグネ
シウム、アルミニウム、マンガン、クロムなどの塩化物
が少量含まれている。
このうち鉄は2価と3価のイオンとして含まれている。
次の本発明の特徴とする溶媒抽出工程においてはFe2
+の除去も可能であるが、Fe3+の方がFe2+に比
べてより選択的に抽出され易い。そこで、チタン含有原
料の分解時もしくは分解後に空気、酸素もしくは塩素ガ
スを吹き込むか、またはその他の酸化方法によって分解
液中のFe2+をFe3+に酸化しておくことが好まし
い。
本発明者らはこのようにして得られたFe3+とTi4
+を主に含む塩酸水溶液を、塩酸濃度を変えながらエー
テル、アルコール、ケトンなどの含酸素炭化水素系抽出
剤、有機リン酸エステルもしくは有機酸化リンと接触さ
せることにより、Fe3+とTi4+をそれぞれ選択的
に有機相に移行できることを見い出した。代表的な含酸
素炭化水素系抽出剤であるエチルエーテルと有機リン酸
エステルであるリン酸トリ−n−ブチルによりFe3+
とTi4+含有塩酸水溶液からの金属イオンの抽出挙動
を第1図に示した。エチルエーテルについては、塩酸濃
度が高くなるにしたがってFe3+の抽出率は上昇し、
4〜6mol/lの塩酸濃度においてはほとんど完全に
有機相に抽出された。さらに塩酸濃度が高くなるとFe
3+の抽出率は低下するが、この結果から3〜7mol
/lの塩酸濃度においてFe3+の抽出分離が可能であ
ることがわかる。一方、Ti4+の抽出率は3〜7mo
l/lの塩酸濃度において1%以下である。リン酸トリ
−n−ブチルについては、3〜7mol/lの塩酸濃度
においてFe3+はほとんど完全に抽出され、一方Ti
4+はほとんど抽出されないことがわかる。これはTi
4+の塩析効果によるものであり、Fe3+の抽出率は
Fe3+単独の水溶液の場合に比べてはるかに上昇し、
逆にTi4+の抽出率はTi4+単独の水溶液の場合に
比べて低下した。このため両者の分離性は著しく向上し
た。この塩析効果はエチルエーテルをはじめ他の含酸素
炭化水素系抽出剤の場合にも認められたが、有機リン酸
エステルの場合特に顕著であった。Fe3+とTi4+
含有塩酸水溶液からの金属イオンの抽出におよぼすリン
酸トリ−n−ブチルの濃度の影響を第2図に示した。こ
の結果から、有機相中のリン酸トリ−n−ブチル濃度を
調整することにより、Ti4+の共抽出を著しく抑えな
がらFe3+を抽出できることがわかる。
このFe3+とTi4+の高い分離性は、Fe3+の純
度と回収率を向上させ、かつTi4+の損失を防ぐとい
う意味で本発明の大きな長所の一つである。
代表的な有機リン酸エステルであるリン酸トリ−n−ブ
チルと有機酸化リンである酸化トリ−n−オクチルホス
フィンによるTi4+含有塩酸水溶液からのTi4+の
抽出挙動を第3図に示した。リン酸トリ−n−ブチルに
ついては8mol/l以上の塩酸濃度において、塩酸濃
度の増加とともに急激に上昇した。また、酸化トリ−n
−オクチルホスフィンについては、6mol/l以上の
塩酸濃度において、同様に急激に上昇した。これらTi
4+の抽出の際、広範囲の塩酸濃度領域において、Mg
Cl2、AlCl3、MnCl2、CrCl3などは有
機相に抽出されず、水溶液中に残る。これら第3成分の
金属イオンのうち最も抽出され易いMn2+についても
、リン酸トリ−n−ブチルによる抽出挙動を第4図に示
した。この結果から、Ti4+が抽出される条件下でM
n2+はほとんど抽出されないことがわかる。したがっ
て、Fe3+を除去した抽残水相の塩酸濃度を増し、こ
れを有機リン酸エステルまたは有機酸化リンと接触させ
ることにより、Ti4+を選択的に有機相に移行させる
ことができる。このようにTi4+だけを選択的に分離
できることは本発明の最大の長所である。
以上の結果をもとに、チタン含有原料の塩酸分解−溶媒
抽出法のフローシートの一例を第5図に示した。すなわ
ち、この方法はチタン含有原料の塩酸水溶液による分解
によって遊離塩酸濃度3〜7mol/lの分解液を得、
これに空気、酸素もしくは塩素ガスを吹き込むか、また
は他の酸化方法により含有Fe2+をFe3+に酸化し
た後、含酸素炭化水素系抽出剤もしくは有機リン酸エス
テルと接触させることによりFe3+のみを有機相に抽
出し、ついで抽残水相に塩化水素ガスを吹き込んだ後、
再び新たな有機リン酸エステルもしくは有機酸化リンと
接触させることによりTi4+のみを有機相に抽出し、
Fe3+とTi4+をそれぞれ選択的に分離回収する方
法である。二酸化チタンは、Ti4+を含む有機相に塩
酸水溶液を接触させて塩化チタニル水溶液を得、この水
溶液を高温熱分解または加水分解することにより容易に
得ることができる。逆抽出水相の塩酸濃度は、有機リン
酸エステルを用いた場合には3〜7mol/l、有機酸
化リンを用いた場合には3〜5mol/lが適当である
。一方、Fe3+を含む有機相を水もしくは2mol/
l以下の塩酸水溶液と接触させることにより純度の高い
塩化第二鉄水溶液が得られるので、この水溶液から各種
の処理方法により高純度の塩化鉄、酸化鉄、金属鉄を得
ることが出来る。
溶媒抽出法により酸水溶液からFe3+を分離回収する
試みは近年いくつか提案され、一部工業化もされている
。また、チタン含有原料を塩酸水溶液で処理して得た分
解液に対して溶媒抽出法を試みた例は過去において二、
三ある。例えば、D.A.Ellis(■.S.Pat
ent3、104、950)はリン酸トリブチルのよう
な有機リン酸エステル類またはトリオクチルアミンのよ
うな有機アミン類によって分解液からFe3+のみを除
去し、Ti4+を含む抽残水相を加熱して加水分解によ
り二酸化チタンを得ている。また、山村ら(特公昭47
−49995)は炭素数4〜10個の有機ケトン類によ
って分解液からFe3+のみを除去し、前記の特許と同
様の操作により抽残水相から二酸化チタンを得ている.
これらの方法では、いずれも溶媒抽出によってFe3+
を除去するにとどまっており、抽残水相の加熱加水分解
によって生成する二酸化チタンは抽残水相に共存してい
るMg2+、Al3+、Mn2+、Cr3+などを含有
するので、純度の高いものは得難い。また、これら不純
物は生成二酸化チタンの白色度、結晶形、粒子的にも悪
影響をおよぼす.これに対して、本発明では目的成分で
あるTi4+を高い選択性をもって有機相に抽出分離さ
せることができるので、これから得られる二酸化チタン
は純度がきわめて高いという特徴を有している。
本発明において用いられる抽出剤としては、塩化鉄の場
合、炭素数4〜10の含酸素炭化水素抽出剤もしくは炭
素数4〜8個のアルキル基を有する有機リン酸エステル
であれば、いずれも好適であるが、特に塩化鉄の軸出能
力および選択性においてリン酸トリブチルが優れている
。一方、塩化チタニルの場合、炭素数4〜8個のアルキ
ル基を有する有機リン酸エステルもしくは有機酸化リン
であればいずれも好適であるが、塩化チタニルの抽出能
力、選択性および取り扱いの点でリン酸トリブチルと酸
化トリオクチルホスフィンが優れている。また、有機リ
ン酸エステルと有機酸化リンについては、抽出剤を単独
で用いるほかに、ベンゼン、トルエン、その他の芳香族
炭化水素水素、ケロシン、四塩化炭素などにより希釈し
て使用しても同様に良好な結果が得られ、水相と有機相
の分液性および取り扱いの点においてはより一層向上す
る。得に炭素数の多いアルキル基を有する抽出剤は固体
であるので、適当な溶媒により希釈して用いるのが普通
である。これら希釈剤によって希釈した有機リン化合物
系抽出剤の使用濃度は0.3〜3.5mol/l、好ま
しくは1.5〜3.5mol/lである。また、抽出剤
の抽出能力、選択性を低下させることもなく調節剤を加
え、溶媒抽出の操業性を向上させることは好ましい。
本発明の方法では、以上のようにして得られたTi4+
含有有機相を、有機リン酸エステルを用いた場合には3
〜7mol/lの塩酸水溶液と、有機酸化リンを用いた
場合には3〜5mol/lの塩酸水溶液とそれぞれ接触
させて塩化チタニルを水溶液側に逆抽出し、この水溶液
を噴霧バイ焼炉を用いる熱分解あるいは加熱やアルカリ
添加による加水分解によって二酸化チタン水和物を沈殿
として生成させる。従来の硫酸法においては加熱加水分
解が行なわれているが、この方法を該水溶液に対して適
用することも十分可能であり、むしろ不純物の量がきわ
めて少ないので、硫酸法より容易である。
以上のようにして生成した二酸化チタン水和物を加熱炉
によって600℃以上の温度に加熱すると、アナターゼ
型もしくはルチル型の結晶構造を持つ二酸化チタンが得
られる。本発明の方法では不純物の量がきわめて少ない
塩化チタニル溶液が得られるので、これから生成した二
酸化チタンは純度が高く、顔料用あるいは化繊用として
優れた性質を有するものである。
以下に本発明の実施例を示す。
実 施 例 1 平均粒子径150〜200メッシュ程度に粉砕したオー
ストラリア産のイルメナイト鉱(Ti32.2%、Fe
29.2%、Mn3.1%、Cr0.04%)50gに
12mol/l塩酸を400ml加え、80℃の温度に
加熱しながら5時間分解反応を行なった。この分解液中
の未溶解の残渣を■別した後、空気を吹き込み、ついで
塩素を吹き込んで鉄イオンを2価から3価に酸化したと
ころ、水溶液中にはTi41g/l、Fe40g/lが
含まれており、遊離の塩酸濃度は約5mol/lであっ
た。
この分解液250mlをとり、これに50%−リン酸ト
リ−n−ブチルのベンゼン溶液250mlを加えて振り
混ぜたところ水溶液中の水相Fe3+はすべて有機相に
移行したが、Ti4+はほとんどに残留した。この尾液
の塩化水素ガスを吹き込み、遊離塩酸濃度を9mol/
lまで上昇させた後、再び新たな50%−リン酸トリ−
n−ブチルのベンゼン溶液250mlを加えて振り混ぜ
たところTi4+は85%有機相に移行した。この操作
を2回繰り返すことによりTi4+の抽出分離は完全と
なった。有機相のFe3+については0.5mol/l
の塩酸水溶液500mlを用いて、Ti4+については
4mol/lの塩酸水溶液500mlを用いてそれぞれ
逆抽出することにより、高純度の塩化物水溶液として回
収できた。Ti4+を含む塩酸水溶液を常圧において1
時間加熱沸騰させたところ、二酸化チタン水和物の沈殿
が生成した。この沈殿を■別水洗後、850℃で3時間
電気炉中で焼成することにより、日本標準規格の頻料用
および化繊用二酸化チタンを十分上まわる純度99%以
上の白色高純度二酸化チタンが17g得られた。
実 施 例 2 実施例1と同様の操作で得られたイルメナイト鉱の塩酸
分解液250mlをとり、50%のリン酸トリ−n−オ
クチルのベンゼン溶液500mlを加えて振り混ぜたと
ころ、水溶液中のFe3+はすべて有機相に移行したが
、Ti4+はほとんど水相に残留した。この尾液に塩化
水素ガスを吹き込み、遊離塩酸濃度を10mol/lま
で上昇させた後、再び新たな50%−リン酸トリ−n−
オクチルのベンゼン溶液250mlを加えて振り混ぜた
ところTi4+は85%有機相に移行した。この操作を
2回繰り返すことによりTi4+の抽出分離は完全とな
った。この有機相に対して4mol/lの塩酸水溶液を
用いて逆抽出し、得られたTi4+を含む塩酸水溶液を
常圧において1時間加熱沸騰させたところ二酸化チタン
水和物の沈殿が生成した。
この沈殿を■過水洗後800℃で5時間電気炉中で焼成
することにより、実施例1で得られたものと同様の白色
高純度二酸化チタンが17g得られた。
実 施 例 3 実施例1と同様の操作で得られたイルメナイト鉱の塩酸
分解液250mlをとり、エチルエーテル250mlを
加えて振り混ぜたところ、水溶液中のFe3+はすべて
エチルエーテル中に移行したが、Ti4+はほとんど水
相に残留した。この尾液について実施例1と同様に50
%−リン酸トリ−n−ブチルのベンゼン溶液250ml
を用い、同様に処理したところ、実施例1で得られたも
のと同様の白色高純度二酸化チタンが17g得られた。
実 施 例 4 実施例1と同様の操作で得られたイルメナイト鉱の塩酸
分解液250mlをとり、実施例1と同じく50%−リ
ン酸トリ−n−ブチルのベンゼン溶液250mlを加え
て振り混ぜることにより、水溶液中のFe3+をすべて
有機相に移行した。この尾液に塩化水素ガスを吹き込み
、遊離塩酸濃度を7mol/lまで上昇させた後、50
%−酸化トリ−n−オクチルホスフィンのトルエン溶液
250mlを加えて振り混ぜたところTi4+は85%
有機相に移行した。この有機相に対して4mol/lの
塩酸水溶液を用いて逆抽出し、得られたTi4+を含む
塩酸水溶液を常圧において1時間加熱沸騰させたところ
二酸化チタン水和物の沈殿が生成した。この沈殿を■過
水洗後、850℃で3時間電気炉中で焼成することによ
り、実施例1で得られたものと同様の白色高純度二酸化
チタンが15.5g得られた。
実 施 例 5 平均粒子径150メッシュ程度に粉砕した高チタン鉱滓
(Ti42.2%、Fe10.6%、Mn0.15%、
Cr0.14%)50gに12mol/l塩酸を400
ml加え、85℃の温度に加熱しながら3時間分解反応
を行なった。この分解液中の未溶解の残渣を■別した後
、空気を吹き込み、ついで塩素を吹き込んで鉄イオンを
2価から3価に酸化したところ、水溶液中にはTi53
.5g/l、Fe14.3g/lが含まれており、遊離
の塩酸濃度は約5mol/lであった。
この分解液250mlをとり、実施例1とまったく同様
に処理したところ、実施例1で得られたものと同様の白
色高純度二酸化チタンが20.5g得られた。
【図面の簡単な説明】
第1図は種々の塩酸濃度におけるリン酸トリ−n−ブチ
ルおよびエチルエーテルによるFe3+とTi4+の抽
出挙動を示した曲線図である。曲線1はFe3+濃度0
.293mol/l、Ti4+濃度0.540mol/
lの混合溶液を50%−リン酸トリ−n−ブチルのベン
ゼン溶液と一緒に、相比1、温度25℃、時間10分の
条件で振とうした時に得られたFe3+の抽出曲線であ
る。曲線2は同時に得られたTi4+の抽出曲線である
。また、曲線3はエチルエーテルを用い、上記と同様の
振とう条件で振とうした時に得られたFe3+の抽出曲
線であり、曲線4は同時に得られたTi4+の抽出曲線
である。 第2図は混合溶液からFe3+とTi4+の抽出挙動に
およぼすリン酸トリ−n−ブチルの濃度の影響を示した
曲線図である。各金属濃度と振とう条件は第1図と同じ
である。曲線1は塩酸濃度6.0mol/lの時に得ら
れたFe3+の抽出曲線であり、曲線2は同時に得られ
たTi4+の抽出曲線である。 曲線3は塩酸濃度4.2mol/lの時に得られたFe
3+の抽出曲線であり、曲線4は同時に得られたTi4
+の抽出曲線である。 第3図は種々の塩酸濃度におけるリン酸トリ−n−ブチ
ルおよび酸化トリ−n−オクチルホスフィンによるTi
4+の抽出挙動を示した曲線図である。曲線1はTi4
+濃度0.540mol/lの単独溶液を50%−リン
酸トリ−n−ブチルのベンゼン溶液と一緒に、第1図と
同様の振とう条件で振とうした時に得られたTi4+の
抽出曲線である。 曲線2は50%−酸化トリ−n−オクチルホスフィンの
ベンゼン溶液を用い、同様の処理によって得られたTi
4+の抽出曲線である。 第4図はTi4+またはMn2+含有の単独溶液を塩酸
濃度9.6mol/l、振とう条件を第1図と同じにし
て、50%−リン酸トリ−n−ブチルのベンゼン溶液と
一緒に振とうした時の抽出平衡図である。曲線1はTi
4+の抽出平衡曲線、曲線2はMn2+の抽出平衡曲線
である。 第5図はチタン含有原料の塩酸分解とこれに続く溶媒抽
出によるFe3+とTi4+の分解回収およびTi4+
含有水溶液から高純度二酸化チタンを得るまでの一例を
示したフローシートである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. チタン含有原料を濃塩酸により分解し、この分解液につ
    いて、7mol/l以下の遊離塩酸濃度の条件で炭素数
    4〜10個のエーテル、アルコール、ケトンなどの含酸
    素炭化水素系抽出剤もしくは炭素数4〜8個の有機リン
    酸エステルの有機相と接触させることにより、まず塩化
    鉄を選択的に有機相に抽出し、ついでこの抽残水相に塩
    化水素を加え、8mol/l以上の遊離塩酸濃度の条件
    で炭素数4〜8個の有機リン酸エステルの有機相と接触
    させることにより、あるいは6mol/l以上の遊離塩
    酸濃度の条件で炭素数4〜8個の有機酸化リンの有機相
    と接触させることにより、塩化チタニルを選択的に有機
    相に抽出し、このチタン含有有機相を有機リン酸エステ
    ルを用いた場合には3〜7mol/lの塩酸水溶液と、
    有機酸化リンを用いた場合には3〜4mol/lの塩酸
    水溶液とそれぞれ接触させることにより塩化チタニルを
    水相に逆抽出し、得られたチタン含有塩酸水溶液から白
    色高純度の二酸化チタンを得ることを特徴とする高純度
    二酸化チタンの製造方法。
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