JPS5813877B2 - 使用済核燃料輸送容器の洗浄方法

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【発明の詳細な説明】本発明は使用済核燃料輸送容器（以下キャスクという。

）の洗浄方法に関するものである。キャスクは、使用済
核燃料をその内部に格納して輸送するためのものである
。

キャスク内部へ使用済核燃料を格納する作業は、被爆防
止の観点から、キャスク及び使用済核燃料を水槽に浸漬
した状態で行なわれる。

このためキャスク外表面には燃料プールの汚染水が付着
することになる。

したがってキャスクを燃料プールから取り出した後輸送
前に、該キャスク外表面を除染する必要がある。

本発明は前記除染を効率良く行ない得、しかもこの除染
に伴なって汚染される器物の処理を容易ならしめるキャ
スク洗浄方法を提案するものであり、以下その実施例を
図面に基づき説明する。

１は合成樹脂製のシートで構成された可燃性のプールで
あり、このプール１は図外の燃料プールの近傍に設けて
おくのが望ましい。

プール１には洗浄水２が貯留されている。

３はキャスクであり、このキャスク３は、燃料プール中
で使用済核燃料がその内部に格納され、密封されている
。

そしてキャスク３の外表面には、この格納作業前に、グ
リセリン、油類、シリコン、表面活性剤などの表面処理
剤が塗布されている。

使用済核燃料の格納作業中にキャスク１の外表面は燃料
プールの汚染水と接触するため、格納作業終了後に該キ
ャスク３を燃料プール外方へ取り出したとき、その外表
面は汚染されている。

かかるキャスク３を除染するために、前記ブール１の洗
浄水２中へ浸漬する。

プール１内にはあらかじめ超音波発生装置５を設けてあ
り、前記キャスク３を洗浄水２中に浸漬後、この超音波
発生装置５を起動させて、洗浄水に超音波を発生せしめ
る。

これによってキャスク３の外表面の表面処理剤に付着し
ている汚染物は、超音波によって表面処理剤にコーティ
ングされた状態でキャスク３の外表面から剥離する。

この場合、キャスク３を矢印Ａのように、その軸心周り
で回転させ、また仮想線で示したように超音波発生装置
５をキャスク３の外表面に沿って昇降させるものとする
。

なお４はキャスク３を吊り上げておくための吊具である
。

キャスク３の洗浄完了後は該キャスク３をプール１中か
ら取り出し乾燥する。

この乾燥は自然乾燥を行なってもよいし、また強制的な
ものであってもよい。

一方除染により汚染された洗浄水２は汚染物を分離後再
利用し、また汚染されているブール１は焼却処理する。

以上述べたごとく本発明の使用済核燃料輸送容器の洗浄
方法によれば、超音波発生装置によって洗浄水に超音波
振動を与えて洗浄するものであって、キャスクを振動さ
せるものではないから、大きな駆動力を必要としない。

またキャスクを、そのキャスクの軸心まわりで回転させ
、同時に超音波発生装置をキャスクの外表面に沿って昇
降させているので、極めて、少数の超音波発生装置で、
キャスク外表面の全体に対し超音波振動を与えて洗浄す
ることができるものである。

また少数の超音波発生装置で、キャスク外表面の全体に
対し超音波振動を与えることから、自然に、洗浄水に強
弱の振動が与えられ、キャスクの外表面処理剤に付着し
ている汚染物の剥離が促進され、効率よく洗浄される。

さらにプール内の洗浄水を排出した後、該プールを焼却
するものであるから、汚染されているプールを灰にして
その体積を小さくすることができ、汚染廃棄物の量が少
なくなって処理が容易である。

しかも前記除染により汚染されるプールは焼却により容
易に処理することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を説明するための説明図である。１……プール、２……洗浄水、３……キャスク、５……
超音波発生装置。

【特許請求の範囲】