JPS5813790B2 - 耐蝕二重管継手製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 開示技術は油井管等の腐蝕性流体輸送二重管の耐蝕継手
の製造技術に属する。

而して、この発明は外管と耐蝕内管から成る二重管を接
合する対応部と該対応部の基部にアンダーハング部形成
用内向環状フランジ部を有する筒状継手材を素材とし、
該対応部に外向拡人テーパ螺合部のメネジを形成させる
と共に該フランジ部にアンダーハング部の逆テーパ部を
形成するようにした筒状継手製造方法に関する発明であ
り、特に、該素材継手材を耐圧、耐熱材等とし、上記内
向フランジ部内面に軸方向設定角度を成すテーパ面を形
成させておき、一方、耐蝕材から成る中空筒材の外側面
を上記テーパ面に対応するテーパ面を形成させておき、
両者を相対当接し摩擦圧接させて耐蝕材を内張リし、最
後にメネジ部及びアンダーハング部の逆テーパ部を形成
させるようにした耐蝕二重管継手製造方法に係る発明で
ある。

周知の様に油井管、ガス井管、油送管等の耐蝕性流体輸
送用管体に於では外的条件として耐圧、耐熱、耐機械的
強度を要するだめの外管と耐蝕性を備えるクラツド管、
或は、自緊管等のライニング管、二重管等が採用される
ようになり、新規なものが研究開発されるようになって
来ている。

さりながら、製造上の制約、輸送、現地据付の条件等か
ら二重管のユニット長には制限があり、したがって、設
定長の配管を行うには当然のことながら継手が必要とさ
れる。

而して、該継手は又管体と同じく外的耐圧性等は勿論の
こと繁結性に加えて、接合部の内面耐蝕性が求められる
。

これに対処するにこれまで最も有効な継手としては第１
図に示す様にカップリングタイプのものがあり、内張耐
蝕内管１をライニングした外管２を有する二重管３に対
して短筒状継手４がテーバ螺合部５として前者のオネジ
部６に対して左右１対のメネジ７，７を形成され、それ
らの基部にはアンダーハング部８を有し前者の突出部９
に対して逆テーパ部１０を形成させスラスト緊締力を与
え、シール性も良好にしている。

さりながら、該継手４は前記の如く耐蝕性を具備するこ
とを必須とし、これまで該継手４全体を、例えば、ステ
ンレス材等の耐蝕材で形成させるようにしているため、
耐蝕性は充分に満足されるものの、第１に極めて高価に
なる不利点があり、その上、強度的にも不充分であり、
又、肉厚を大きくすると重量増となったり、他の配管機
器との干渉を生じたりする欠点があった。

この発明の目的は上記従来技術に基づく全耐蝕材製二重
管用継手の問題点を解決すべき技術的課題とし、耐蝕二
重管継手において、応中集中部のアンダーハング部の人
熱量を少くし、母材々質の変化を極力小さくし、得られ
る継手の割れが生じないようにするべく強度材に対する
耐蝕フランジの接合による継手形成の最適手段に摩擦圧
接を用いるようにして各種産業における耐蝕管利用分野
に益し得る優れた耐蝕二重管継手製造方法を提供せんと
するものである。

上述目的に沿い先述特許請求の範囲を要旨とするこの発
明の構成はカップリング部を大強度の材料で形成し、接
合アンダーハング部は耐蝕材で形成してテーパ螺合部と
アンダーハング部を有する継手を形成するにカップリン
グ部継手材を強度材として、二重管接合螺合部とその基
部の内向フランジ部を有するものとし、該内向フランジ
部の内面に軸方向設定角度のテーパ面を形成しておき、
一方、耐蝕材製の中空筒材の外側面を該テーパ面に対応
するテーパ面に形成させておき、両者を相対回転近接さ
せて摩擦圧接を行い内向フランジ部に耐蝕材ライニング
を行い、最後にテーパ螺合部にメネジ部を、内向フラン
ジ部にアンダーハング部に逆テーパ部を形成させて二重
管のオネジ部と突出部に緊結可能であるようにした技術
的手段を講じたものである。

次にこの発明の１実施例を第２ａ図以下の図面に従って
説明すれば以下の通りである。

尚、第１図と同一態様部分については同一符号を用いて
説明するものとする。

まず、第２ａ図に示す様に高張力炭素鋼材製円筒から両
端より対向設定角の二重管接合部としてのテーパ部１１
，１１を有すると共に中央部に内向の環状フランジ部１
２を形成し、該内向フランジ部１２内面に軸方向設定角
を有するテーパ面１３を形成するように適宜機械加工を
行って円筒状の継手材４’を成形しておく。

一方、第２ｂ図に示す様にステンレス製の短円筒から内
面１４が設定径であると共に外面が上記テーパ面１３に
対応させてやや小さい角のテーパ面１３を成すように機
械加工して筒体としてのフランジ材１５を成形しておく
。

而して、両素材４’，１５において、第２ｂ図に示す様
にフランジ材１５の内面１３に対して適宜クランプ１６
を緊当支持させて回転軸１７により図示しない回転押進
装置に接続し、設定回転を与えると共に両素材４’，１
５を相対近接させ、内向フランジ１２のテーパ面１３と
テーパ面１３’とを対応させ第３図の様に摩擦圧接１８
を行う。

このようにして内向フランジ部１２とフランジ材１５を
溶接固定した後第４図に示す様に前記テーパ部１１，１
１にメネジ７，７を所定に機械加工してテーパ螺合部５
を形成させると共に内向フランジ部１２とフランジ材１
５の両側端に対して逆テーパ部１０，１０を機械加工し
てアンダーハング部８を形成させ、耐蝕二重管継手４″
を得る。

一方、第５図に示す様にステンレス材製の内張耐蝕内管
１と高張力炭素鋼製外管２とから成る耐蝕二重管３の連
結管端部外側には上記継手４″のテーパ螺合部５のメネ
ジ７に合致する螺合部としてのオネジ部６が刻設され、
又、先端には突出部９が形成されるがこれは第１図在来
態様と同じである。

したがって、一方の管端に継手４″を螺合緊結し、次い
で、他方の管端を該継手４″に螺合緊結させると、該第
５図に示す様に両管３，３と継手４”は緊締連結され、
両管３，３の内管１の流体流過面と継手４０アンダーハ
ング部８の内面１４は面一にされ、腐蝕性流体、例えば
、原油等を流過させても全域に亘って外管２、継手材の
高張力炭素鋼材に触れることはないため腐蝕は生じない
。

勿論、連結部に於ける外部に対する耐圧性等の強度は該
高張力鋼継手材４′により充分保障される。

尚、この発明の実施態様は上述実施例に限るものでない
ことは勿論であり、例えば、二重管接合部はテーパ状に
代えてストレート状でも良く、又、アンダーハングの１
部を内向フランジ部に先行加工形成させておく等種々の
態様が採用可能であり、そして、対象二重管も自緊二重
管の外にクラツド鋼管等も含まれ、用途も油井管、ガス
丼管、油送管等さまざ捷なものが含まれる。

前述の如きこの発明によれば、テーパ螺合部とその基部
にアンダーハング部を有する耐蝕二重管継手製造方法に
おいて、強度材にて二重管接合部と内面軸方向テーパ面
を有する内向７ランジ部を形成させておき、一方、耐蝕
円筒材の外側面を該テーパ面に対応するテーパ面に形成
して画材を摩擦圧接するようにして一体化し、続いて該
摩擦圧接部に逆テーパ部を形成させてアンダーハング部
を形成させる様にしたことにより、基本的に継手の耐圧
強度等を受持つテーパ螺合部に対して耐蝕性アンダーハ
ングを別材にして溶接一体化出来、しかも、摩擦圧接特
有の溶接面広さを自由に選択出来るだめ、アンダーハン
グ部の設計が容易に出来、しかも、溶接強度、精度が良
好に得られる優れた効果を奏する。

したがって、結果的には、耐蝕性材を少く用い、代りに
強度材の肉厚を大きくする等、材料の選択も出来、継手
の設計の自由度が大きくなるメリットがある。

そして、カップリング等の継手においてアンダーハング
部の形成に摩擦圧接を用いたことにより、人熱量が小さ
く、母材変化がほとんどなく、継手ゴの固さが大きくな
ることが避けられ、したがって、アンダーハング部に管
締結時に大きな応力が集中しても割れが発生しないとい
う継手特有の優れた効果が奏される。

、又、継手に対して固相接合であるため材質の変化が少
く、しかも短時間で作業が出来るため、能率が向上する
効果もある。

更に、摩擦圧接後に少くともアンダーハング部の加工を
行うため、溶接端の成形も併せて行うことが出来、二重
管端部の突出部との緊結性、シール性を良くすることも
出来る効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来技術に基づく耐蝕二重管継手説明図、第２
ａ図以下はこの発明の１実施例の説明図であり、第２ａ
図は継手材説明図、第２ｂ図は中空耐蝕筒体説明図、第
３図は摩擦圧接終了説明図、第４図は加工終了説明図、
第５図は継手連結説明図である。 ３・・・耐蝕二重管、１２・・・内向フランジ部、４′
・・・継手材、５・・・テーパ螺合部、８・・・アンダ
ーハング部、１０・・・逆テーパ部、１３・・・内面（
テーパ面）、１３’・・・テーパ面、１５・・・中空耐
蝕筒体、１８・・・摩擦圧接。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 内側に耐蝕二重管接合螺合部と該接合螺合部の基部
   に環状内向フランジ部を一体に有する円筒状の継手材に
   対し内面両側にテーパ螺合部と該テーハ螺合部の基部に
   アンダーハング状の逆テーパ部を形成する継手製造方法
   において、上記継手材の内向フランジ部内面を軸方向の
   テーパ面とした後該軸方向テーパ面に対応させたテーパ
   面を外側に有する中空耐蝕筒体を該継手材に対し上記双
   方のテーパ面を合致させて摩擦圧接させ、その後前記テ
   ーパ螺合部とアンダーハング部の逆テーパ部とを形成さ
   せることを特徴とする耐蝕二重管継手製造方法。