JPS58124840A - 重ね板ばね - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、自動車等の車輛の重ね板ばねに“関する。

一般に自動車等の車輛においてその軽量化が望まれてい
る。本発明は車輛の重ね板ばねを軽量化して車輛全体の
軽量化を意図したもので、その主たる目的は、摩耗が少
なく重ね板ばねの機能を損うことのない繊維強化樹脂（
ＦＲＰ）製の重ね板ばねを提供することにある。

そしてその要旨は、ＦＲＰ製の重ね板ばね又はこれと金
属製板ばねから構成された重ね板ばねであって、他の板
ばねと接触するＦＲＰ製板ばねの表面強化繊維層のマ）
　＋１ツクス樹脂に滑材粒子が分散されていることを特
徴とするものである。

一般に、例えばエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェ
ノール樹脂等のマトリックス樹脂℃炭素繊維、芳香族ポ
リアミド繊維、ガラス繊維、シリコンカーバイド繊維、
ボロン繊維等のフィラメントとを素材とするＦＲＰにつ
いては、各繊維の配列方向や数種類の繊維を組み合わせ
て用いることにより、適宜の強度並びに剛性を有するも
のが得られる。このため、ＦＲＰを用いた場合でも板ば
ねに要求される十分な強度並びに剛性特性を有し且つ金
属製のもの′に比し軽量な板ばねを得ることができる。

板ばねは用途によっては、重ね板ばねとしてではなく、
一体物の一枚の板ばねとして設計することができる。し
かしながら、一般にトラック等の重量が大である車輛に
関しては、板ばねは、要求される剛性、強度、重量を満
足させるため重ね板ばねとして用いられることになる。

前述のとおり、ＦＲＰからなる板ばねは、自体優れた強
度、剛性を有し、また軽量でもあるので、車輛用板ばね
としては好適である。

しかしながら、重ね板ばねとして用いる場合、ＦＲＰ材
が鋼材と比べて摩耗し易いため何らかの摩耗防止手段を
施すことが必要である。

本発明は、こうしたＦＲＰ製板ばねを含む重ね板ばねの
接触面においてＦＲＰ製板げねの摩耗が大である問題を
解決すべく、他の板ばねと接触するＦＲＰ板ばねの接触
面に優れた摺動性を付与し、鋼材と比べて遜色のない耐
摩耗の度合を示すＦＲＰ製板ばねを提供するものである
。その特徴は、他の板ばねと接触するＦＲＰ板ばねのマ
トリックス樹脂に滑材粒子が分散されている点にある。

本発明において滑材粒子とは、ＰＴＦＥ（ポリテトラフ
ルオロエチレン）粒子、二硫化モリブデン粒子、黒鉛粒
子等である。ＰＴＦＥ粒子としては、例えばダイキン工
業（株）製ポリフロン■ファインパウダーや同じくルブ
ロン■Ｌ等を挙げることができる。

本発明におけるＦＲＰ板ばねは、所定の設計に従い種々
の強化繊維、配向角度、形態からなるプリプレグを積層
した後、その外表面にマトリックス樹脂と滑材粒子を混
練して得た未硬化の樹脂フィルムを積層し、ホットプレ
ス成形法やオートクレーブ成形法にて製造することがで
きる。またプリプレグの強化繊維の表面に滑材粒子を振
りかけ、滑材粒子がマトリックス樹脂に十分に含浸され
友プリプレグを用いて成形することもできる。これらの
方法によれば、すでに成形されたＦＲＰ板ばね表面に後
からＰＴＦＥを被膜する場合と異なり、滑材粒子がマト
リックス樹脂によく分散された状態でＦＲＰ材と同時に
成形されるため、例えばＰＴＦＥ被膜法の場合のように
、得られた板ばねは、ＰＴＦＥ膜が剥離し易いこともな
く、良好な耐久性を有し、且つ表面に露呈した滑材粒子
により優れた摺動特性を発揮することができる。

また、プリプレグの強化繊維の表面に滑材粒子が分散さ
れ、マトリックス樹脂に十分に含浸されたプリプレグを
製造する方法として次の様な方法が挙げられる。すなわ
ち、マトリックス樹脂と滑材粒子を混練させた後、フィ
ルム状に展延しこれに強化縁゛維を重ね加圧してプリプ
レグを得る方法や、溶媒により溶解させたマトリックス
樹脂に滑材粒子を混合し、強化繊維上に滑材粒子が均一
に分散するよう、マトリックス樹脂を塗り加熱すること
により、溶媒を除去し所定のプリプレグを得る方法であ
る。いずれの方法においても、滑材粒子は強化繊維によ
り濾過作用を受けるので、実質上プリプレグの片面にの
み滑材粒子を有するプリプレグを得ることができ、この
ものは、本発明のＦＲＰ製板ばねを成形するのに好都合
である。

従来、ＦＲＰ製重ね板ばねの接触面の摩耗防止手段とし
てＦＲＰ板ばねの接触面に鋼材を介在させる方法（特開
昭５５−８６９３５号）が知られているが、この方法で
は後記第１表に掲げた如＜ＦＲＰ材（ＰＴＦＥ不含）と
鋼材を摺動させた場合のＦＲＰ材の摩耗量が鋼材と比べ
ると大であり、また部品も増し、コストアップとなって
不都合である。

一方、本発明の重ね板ばねにおいては、滑材を表面に配
したＦＲＰ材相互の摺動によるＦＲＰ材の摩耗や、滑材
粒子を摺動表面に配したＦＲＰ材と鋼材との摺動による
ＦＲＰ材の摩耗は、いずれも鋼材の摩耗量と比べて同程
度であり、また本発明における板ばねは、前記の如き方
法で一体に成形できるので安価でもあり工業上優れたも
のである。

下記第１表は、各試料を摺動させて得た摩料量の測定値
である。測定値は、摺動距離５朔、繰返し速度２００回
毎分、面圧７，５〜／ｄの条件で１０万回の往復運動を
行い、同一寸法形状の試料の測定前後の厚みを調べて得
られたものである。

第　　１　　表 表中のＧＦＲＰとはガラス繊維を強化材としたＦＲＰ材
、ＣＦＲＰとは炭素繊維を強化材としたＦＲＰ材を示し
、ＰＴＦＥ含有ＦＲＰは本発明の場合である。

第１表かられかるように、摺動表面に滑材粒子層を有さ
ないＦＲＰ材と５１．を摺動させた場合や、該ＦＲＰ材
を相手材として鋼材と摺動させた場合、いずれもＦＲＰ
材の摩耗は、鋼材どうしを摺動させた場合と比べて犬で
あるが、本発明によるＰＴＦＥ粒子層を表面に有するｐ
ｕｐ；ｉに関しては、鋼材どうしを摺動させたときと同
程度の摩耗量であり、またＰＴＦＥ粒子層がＦＲＰ材か
ら剥離することもなかった。この実験結果より本発明に
おけるＰＴＦＥ粒子層にょる摺動性付与の効果がきわめ
て優れていることがわかる。ＰＴＦＥ粒子に代えて、二
硫化モリブデンや黒鉛の如き滑材粒子を用いた場合にも
同様の優れた効果が得られた。

以下、本発明を図示の実施例について説明する。第１図
は本発明のＦＲＰ製重ね板ばねにおける子板ばねの断面
図であり、強調するため滑材粒子層を拡大して模式的に
図示している。両面が他の板ばねと接触する場合′には
第１図の如＜ＦＲＰ層１の両面に滑材粒子層２が積層さ
れている。

第２図、第３図は本発明のＦＲＰ製重ね板ばねにおける
子板ばねの正面概略図である。

ＰＴＦＥ粒子層２は第２図の如く子板ばねと接触する面
の全面にわたって積層してもよく、また第３図の如く板
ばねが接触する部分のみ積層してもよい。片面のみが他
の板ばねと接触する場合はその接触面にのみ滑材粒子を
配せばよい。

第４図は重ね板ばね装置３の正面概略図であり、親板げ
ね４と複数個（図では２つ）の子板ばね５．６を備えて
いる。構成する板ばねは軽量化の観点からするとＦＲＰ
製であることが好ましいが、場合によっては親板ばねの
み鋼製のものを用いることもある。いずれの場合でもＦ
ＲＰ製板ばねが他の板ばねと接触する面には第２図の如
く全面に滑材粒子層が積層されるか、又は第３図の如く
他の板ばねと接触する部分に滑材粒子層が積層されてい
る。

本発明における板ばねのＰＴＦＥ粒子層を成形するにあ
たり、マトリックス１ｔｌｌとｐＴＦＥ粒子を混練して
得た未硬化のフィルムを゛未硬化のＦＲＰ本体に積層し
た後同時に硬化する方法や、未硬化のＦＲＰ本体にＰＴ
ＦＥ粒子を振りかけ硬化過程において溶融するマ）　Ｉ
Ｉノックス脂により含浸させ同様の成形物を得る方法に
ついては、すでに述べたが、その他種々の成形法が採用
可能なことはいうまでもない。

以上説明したように、本発明の重ね板ばねは、鋼製の重
ね板ばねに比べても耐摩耗性において遜色がなく、しか
も軽量であるから、極めて有用なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のＦＲＰ製子板ばねの断面の模式図、第
２図、第３図は本発明のＦＲＰ製子板ばねの正面概略図
、第４図は本発明のＦＲＰ製重ね板ばね装置の正面概略
図である。 １・・・−ＦＲＰ層　　　２・・・滑材粒子層３・・・
重ね板ばね　　４・・・親板ばね５・・・子板ばね　　
　６・・・子板ばね特許出願人　　東邦ベスロン株式会
社 代理人　弁理士　　　土　　　居　　　三　　　部連１
１力 第２図 ど 第３（２） 第４図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 繊維強化樹脂（Ｆ　’ＲＰ　）製板ばね又はこれと金属
   製板ばねから構成された重ね板ばねであって、ＦＲＰ製
   板ばねの相互の接触面及びＦＲＰ製板ばねと金属製板げ
   ねとの接触面においてＦＲＰ製板ばねの表面部分のマト
   リックス樹脂に滑材粒子が含まれていることを特徴とす
   る重ね板ばね。