JPS5812043B2 - 中空糸の洗浄方法 - Google Patents

中空糸の洗浄方法

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JPS5812043B2
JPS5812043B2 JP51036384A JP3638476A JPS5812043B2 JP S5812043 B2 JPS5812043 B2 JP S5812043B2 JP 51036384 A JP51036384 A JP 51036384A JP 3638476 A JP3638476 A JP 3638476A JP S5812043 B2 JPS5812043 B2 JP S5812043B2
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靖 城
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は中空糸の洗浄方法に関し、更に詳細に説明すれ
ば、半透性の中空糸を透析装置のケース内に多数束ねて
装填した装置において、セルローズ製中空糸の内部(即
ち中空糸の壁膜内部及び内側壁面)に存在する液体を洗
浄除去するのに好適な方法を提供するものである。
従来、血液等の透析に用いられる中空糸の素材としては
、セルローズ系の天然高分子化合物や酢酸セルローズの
ような天然高分子化合物の誘導体、或いは、ポリスルホ
ン、ポリアクリロニトリル又はポリメチルメタクリレー
ト等の合成高分子化合物が採用されている。
そして現在量も広く用いられている半透性膜はセルロー
ズ系のセロハン又はカプロファンからなるものであるが
、これらは湿潤状態で十分な強度を有していて透析性に
おいて優れている。
透析に用いられる中空糸の横断面は真円に近い方が種々
の面から好ましい。
殊に血液透析を行なうときには、中空糸の横断面の形状
が重要であり、真円の形状がくずれて偏平になればたち
まち血液の凝固を引起こし、透析不能となってしまう。
中空糸を製造するには、通常は環状のオリフィスから重
合体の溶液又は重合体の溶融物を押出し、この押出しと
同時に中空糸の内側(即ち中空部分)に気体又は液体を
吐出させる。
こうして紡糸された中空糸は凝固、洗浄、可塑化及び乾
燥等の諸工程を通過するが、この際糸条の方向転換を多
数回行なう必要があり、この方向転換のたびにガイドに
対し糸条が押圧されることになる。
この場合の圧力によって中空糸の横断面が真円から偏平
に変形する可能性がある。
ところが、中空糸の内側に上述の気体を存在せしめると
しても断面が著しく変形してしまうので、これはあまり
好ましくない。
しかし、中空糸の内側が成る種の液体で充たされている
場合には中空糸の横断面が偏平化することが少なくなり
、はゞ真円に保たれるために、中空糸の紡糸に際しては
上述の重合体の溶液又は重合体の溶融物を環状オリフィ
スより押出すと同時に中空糸の内側にも別の液状物を吐
出させるようにするのが最も望ましい。
この液状物は中空糸の紡糸後も中空糸の内部に内蔵され
るので、中空糸を透析装置に用いる場合には、中空糸を
装置内に装填して固定した後に洗浄処理を行ない、これ
によって上記液状物を中空糸から除去しなければならな
い。
何故ならば、血液透析装置に用いる場合上記液状物が中
空糸の内部に存在すれば、それがたとえ毒性の少ないも
のであっても中空糸の内側を流れる血液等が汚染される
可能性があるからである。
従って上記液状物の洗浄除去は極めて重要である。
現在市販されているセルロース系のカプロファンからな
る中空糸の内部には上記液体物であるオクチルアルコー
ル又はイソプロピルミリスチン酸等が存在している。
これらはいずれも人体に有毒であると考えられるので洗
浄除去することが必要であるが、この方法は極めて難か
しい。
血液透析装置においては、血液が中空糸と直接接触する
ため、中空糸の壁膜内に有害物質が僅かでも残存すると
大変なことになる。
この有害物質の洗浄除去を有効に行なうためには、中空
糸の壁膜の組織を膨潤させることが望ましい。
しかし最も膨潤作用の強い水を用いると確かに組織は膨
潤するが、水は中空糸の壁膜内に実際に存在するオクチ
ルアルコールやイソプロピルミリスチン酸の如き物質を
殆んど溶かさないので。
これらの有機物質の相当量が残存してしまい、これを成
る程度以上に減少させることは出来ない。
また、エタノールを大量に用い、長時間かけて洗浄を繰
返すようにしても、エタノールによっては中空糸が殆ん
ど膨潤しないので、効率良く洗浄することが出来ない。
本発明は上述の如き欠陥を是正すべく発明されたもので
あって、本発明は、洗浄されるべき複数のセルローズ製
中空糸を束ね、この中空糸束の両端部を固化性材料によ
って固定し、これらの固定部分を切断してこれらの切断
面において前記中空糸の両端をそれぞれ開口させ、この
状態において、メタノール、含水メタノール、含水エタ
ノール、メタノールとエタノールとの混合物からなる群
より選ばれた少なくとも1種を前記両端開口の一方から
前記中空糸の壁膜の内側に流して他方から流出させる洗
浄液の流れを少くとも形成し、これによって前記中空糸
の内部に存在する物質(特に液状の有害物質)を洗浄除
去するようにしたものである。
このように構成することによって、極めて短時間内に中
空糸の内部に存在する物質を殆んど完全に除去すること
が出来、また中空糸束の両端部を固化性材料によって固
定した後に洗浄除去を行っているので、この洗浄除去後
の中空糸を使用した装置の製造工程中に中空糸が再び汚
染される恐れがないと共にこの中空糸を使用した装置の
製造工程をも簡略化することが出来る。
本発明による洗浄方法の原理を説明すれば、例えば含水
エタノールを洗浄液として用いる場合、エタノールに含
まれている水による膨潤作用のために中空糸の壁膜組織
が膨潤し、この膨潤作用とエタノールによる物質溶解作
用との相乗効果によって、極めて短時間内に中空糸の内
部の有機物質を殆んど完全に除去することが出来るので
ある。
またメタノールは単独でもセルロースに対してかなりの
膨潤作用を有しており、かつまた有機物質の溶解作用も
あるから、メタノール単独でも充分有効な洗浄を行なう
ことが出来る。
しかし含水メタノールを用いれば、水による膨潤作用が
あるために更に洗浄力を向上させることが可能である。
メタノールは人体に有害であるから、メタノール又は含
水メタノールを洗浄液として用いた後に、エタノール又
はエタノールを主成分とする溶媒(例えば含水エタノー
ル、グリセリンを含むエタノール)を用いて洗浄すると
、メタノールが極めて容易にエタノールで置換されるこ
とも見出された。
グリセリンを含むエタノールで置換した場合、グリセリ
ンにより中空糸を可塑化することが出来るので、次工程
の乾燥において中空糸の好ましくない構造の変化が防止
される。
また、エタノールとメタノールとの混合溶媒を洗浄液と
して用いても洗浄効果が良好である。
即ちエタノール及びメタノールによる上述の作用が同時
に発輝されるからである。
なお本発明による上述の洗浄液は1種類だけ用いても良
いし、2種以上混合して用いてもよい。
そして本発明でいう含水メタノール又は含水エタノール
は、水を殆んど含有しない純メタノール又は純エタノー
ルと区別されるべきものである。
本発明による方法を実施するに際しては、含水エタノー
ルの含水量は5〜95%(容積%:以下同様)であれば
よく、10〜90%のものが通常用いられ、このうち2
0〜80%が好ましく、30〜70%であるのが更に好
ましい。
含水量が5%未満ででは水による膨潤作用が弱くなり、
95%を越えると逆にエタノールによる溶解作用が弱く
なる。
中空糸内部に残存するオクチルアルコールを洗浄除去す
るときには含水エタノールの含水量は50%程度である
のが極めて有効でありイソプロピルミリスチン酸の洗浄
除去にはその含水量は30〜40%であるのが極めて有
効であるまた含水メタノールの含水量は通常90%以下
のものが用いられるが、上述の如くメタノール単独でも
膨潤作用があるので純メタノールを使用しても洗浄効果
を充分発輝する。
なお本発明で用いられるエタノール及びメタノールは他
の少量の有機化合物を含有していても差支えないことは
本発明による方法の上述した原理に照らしても明らかで
ある。
例えば上述したメタノールとエタノールとの混合物をは
じめ、石油、ピリジン等をエタノールに添加してなる変
性エタノールを用いることが出来る。
メタノールとエタノールとの混合物を用いる場合、メタ
ノール含量は5〜95%であってよく、10〜90%で
あるのが好ましく、30〜70%であるのが更に好まし
い。
本発明による方法を実施するに際しては、まず洗浄され
るべき多数(例えば1万本)の中空糸を束ね、この中空
糸束をケース内に挿入又は収納する。
そして例えば本出願人が既に提案した特願昭50−53
614号に係る本発明によって、中空糸束の端部を固化
性液体に浸漬させ、この際この浸漬部分に隣接する部分
を中空糸に対して固化性液体よりも濡れ易い液体(例え
ば水、ジオキサン)に接触させる。
こうして毛細管現象による固化性液体の這い上り(ウィ
ッキング)を効果的に防止して中空糸束の端部をケース
に固定出来るが、この方法に代えてやはり本出願人が既
に提案した特願昭51−27832号(特開昭52−1
11472号公報参照)に係る発明を適用してよい。
即ち、中空糸束の端部を固化性液体に浸漬する工程と同
時若しくはその前後に、浸漬部分の隣接部分に気体状ア
ンモニア、気体状の第1級アミン及び気体状の第2級ア
ミンの少なくとも1種からなる極性ガスを接触させるよ
うにしてもよい。
この場合は、ウィッキングが効果的に防止されると共に
、ガスを用いることから操作が極めて容易となる。
こうして、中空糸束の両端部の所定部分をケースに固定
(ポツティング)することが出来る。
次いでこの固定部分を例えばウォータージェット等で切
断することにより、この切断面に中空糸を開口させる。
この状態では中空糸束がケースの両端部に固定され、か
つ中空糸の両端がケースの外方に開口している。
従って、上述したメタノール、含水メタノール、含水エ
タノール、メタノールとエタノールとの混合物からなる
群より選ばれた少なくとも1種を中空糸の一端の上記開
口からこの中空糸の壁膜の内側(中空部分)を通じて他
端の上記開口方向へ流し、同時に中空糸の壁膜の外側と
ケースの内側との間にも流すようにする。
これによって洗浄液を中空糸の壁膜の内側及び外側に充
分に接触させた状態で、その壁膜内部に残存している有
害物質を有効に洗浄除去することが出来る。
即ち、上述のように中空糸の両端部を開口させ、中空糸
の壁膜の内側及び外側に洗浄液を接触させれば、単に中
空糸束を洗浄液に浸漬する場合に比べて中空糸の壁膜の
内側からも有害物質を洗浄除去することが出来る。
この洗浄に際しては、中空糸の壁膜の内側と外側との圧
力に差を設けるようにすれば洗浄効果が良好となる。
例えば前者を後者に比べて陽圧又は陰圧にする。
この結果、上述した洗浄液が限外濾過の原理によって中
空糸の壁膜を通じて一方の側から他方の側へと流れて洗
浄作用を捉進し、洗浄時間を短縮することが可能となる
この場合上記圧力差は通常10〜1000100Oであ
り、30〜700mmHgであるのが好ましい。
また場合によっては、中空糸の壁膜の内側のみに上記洗
浄液を流しても一定の洗浄効果はある。
本発明によれば、中空糸を装填した選択透過装置、例え
ば人工腎臓用の血液透析装置を組立てる一連の過程にて
中空糸を洗浄することが可能である。
即ち、上述の如くにしてケースの両端部に中空糸束を固
定し、この固定部分を切断した後に洗浄し、装置を完成
させる。
従って装置の組立て時に中空糸を洗浄出来るから、組立
作業とは別個に中空糸を洗浄する場合に比べて全体とし
て作業がスムースとなり、簡略化される。
本発明による方法で洗浄した血液透析装置を慢性の腎不
全患者の臨床に用いた結果、患者の発熱けいれん、その
他のトラブルは一切発生せず、長期透析患者にも身体的
不調は現われなかった。
なお本発明は血液透析に限らず、ジュースの濃縮やビー
ル工業における酵母の除去等のように食品工業にも重要
であり、適用可能である。
以下、本発明の実施例を比較例と共に更に詳述するが、
これら実施例は本発明を限定するものではなく、更に変
形が可能であることが理解されよう。
なお本発明の以下の実施例では2−エチルヘキサノール
、ミリスチン酸イソプロピルの除去について説明するが
、本発明は例えばクロルベンゼン、ジクロルエタンの如
き水に難溶性の他種の有害物質を除く場合にも同様に適
用出来る。
実施例1及び比較例1 壁膜の内側に2−エチルヘキサノール(オクチルアルコ
ール)を充満させた内径215μ、膜厚16μのセルロ
ーズ製の中空糸を束ねて全膜面積0.95mの中空糸束
となし、これを円筒状の透析ケースに装填した。
しかる後に中空糸束の両端部をポリウレタンでケースに
固定し、そしてポリウレタン部分を切断し、この切断面
の中空糸を開口せしめた。
次いで下記の条件で実験を行なった。まず中空糸の壁膜
の内側に100m1のアルコールを流して中空糸の壁膜
の内側に存在しているオクチルアルコールを流し出し、
次いで空気を吹き込んだ。
この操作によって中空糸の壁膜の内側壁面のオクチルア
ルコールの大部分を除去したが、中空糸の壁膜内部には
相当量のオクチルアルコールが存在していた。
そしてこのサンプルにおいて、洗浄液として(5)、エ
タノール:比較例1 (B)、含水エタノール(含水量50%、但しエタノー
ルとしては市販の変性アルコールを使用):実施例1 を夫々500m1ずつ用い、中空糸の壁膜の内側及び外
側を200m1/minの速さで循環させた。
この場合、中空糸の壁膜の内側と外側との圧力差は12
0mmHg(内側が陽圧)とした。
上記(A)及び(B)の各洗浄液についての実験結果を
第1図及び第2図に示した。
これらの図において、横軸は洗浄液の循環時間、縦軸は
中空糸の壁膜の内側又は外側に流した洗浄液中に抽出さ
れたオクチアルコールの濃度を夫々表わす。
第1図は洗浄液としてエタノールのみを用いた比較例1
の結果であるが、この場合、 (1)、中空糸の壁膜の内側を流した洗浄液中に抽出さ
れるオクチルアルコールの濃度が最高になるまでに要す
る時間が240分もかかること。
(2)、中空糸の壁膜の外側を流した洗浄液中に抽出さ
れるオクチルアルコールの濃度が殆んど増加しないこと
(3)、長期間洗浄しても、中空糸の壁膜の両側に抽出
されるオクチルアルコールの最高量の合計はせいぜい1
65+0=165ppm程度にしかならないこと。
が夫々分る。
従ってエタノールを単独で用いた場合、 (1)、洗浄速度が極めて遅いこと。
(2)、中空糸の壁膜の内部に存在するオクチルアルコ
ールは実際には除去されていないこと。
(3)、オクチルアルコールの全抽出量が少ないこと。
といった欠点がある。
一方、第2図に示すように、本発明による含水エタノー
ルを洗浄液として用いた場合には、第1図に示す結果と
反応させてみると、 (1)、中空糸の壁膜の内側を流した洗浄液中に抽出さ
れるオクチルアルコールの濃度が急激に高くなり、続い
て平衡に達するのに僅か40分程度しか要しないこと。
(2)、中空糸の壁膜の外側を流した洗浄液中に抽出さ
れるオクチルアルコールの濃度も高くなり、平衡に達す
るのにやはり40分程度しか要しないこと。
(3)、中空糸の壁膜の両側に抽出されるオクチルアル
コールの最高量の合計が125+125=250ppm
と非常に多いこと。
が夫々分かる。
従って本発明による含水エタノールを用いることにより
、 (1)、中空糸の壁膜の内側に抽出されるオクチルアル
コールの量が急激に増加するのは壁膜表面に付着してい
るオクチルアルコールがまず抽出されると共に、壁膜内
部のオクチルアルコールが急激に抽出されること。
(2)、これに続いて40分程度で平衡に達することは
、この条件下では中空糸の壁膜を通じてこの内側及び外
側に洗浄液が極めてスムースに拡散して有効な洗浄が壁
膜内部において行なわれるのに基づくこと。
(3)、これはオクチルアルコールの全抽出量が多いこ
と、中空糸の壁膜の内側及び外側に抽出されるオクチル
アルコールの抽出量の平衡値が同じであることに裏付け
られること。
という非常に優れた作用効果が得られた。
実施例2〜8及び比較例2 本実施例では、セルローズ製の中空糸の内側にミリスチ
ン酸イソプロピル(IPM)が充填されていること、中
空糸の内側及び外側の圧力差が600mmHg(内側が
陽圧)であること以外は前記実施例1と同じ装置及び条
件で洗浄実験を行なった。
使用した洗浄液は下記の通りであった。(1)、エタノ
ール−水(容積比7:3):実施例2(2)、エタノー
ル−水(容積比1:1):実施例3(3)、エタノール
−水(容積比3ニア):実施例4(4)、エタノール−
水(容積比1:9):実施例5(5)、エタノール−水
(容積比9:1):実施例6(6)、エタノール−水(
容積比95:5):実施例(7)、エタノール−水(容
積比5:95):実施例また比較のため下記の洗浄液を
用いた。
(8)、無水アルコール:比較例2 これらの実験結果を第3図に示したが、この図において
、横軸は洗浄時間、縦軸はIPMの全抽出量を示す。
この図から明らかなように、無水アルコールを用いると
洗浄速度は極めて悪く、いつまでたっても平衡値に達せ
ず、IPMは長時間洗浄しても洗浄除去されないことが
分る。
これに反し、本発明による含水エタノールを用いると、
IPMは急速に洗浄抽出され、別の実験で確かめられた
抽出理論平衡値260ppmに近づく。
殊にエタノール−水が7:3ではその洗浄効果が著しい
ことが分る。
またエタノールと水との量が夫々上限又は下限の値であ
る上記(6)又は(7)のエタノール−水混合液でも無
水アルコールに比べると洗浄効果が優れていることが分
る。
比較例 3 前記実施例(2)〜(6)と同じ実験において水を洗浄
液として用いて洗浄した結果を第4図に示した。
この図から明らかなように、水を用いて洗浄すると曲線
の立上りは初期に起こり、中空糸の壁膜組織が膨潤して
壁膜内部のIPMが押出されてくることが分るが、水に
対するIPMの溶解性が殆んどないので抽出理論平衡値
260ppmに達せず、完全な洗浄を行なえないことが
分る。
実施例9〜12及び比較例4〜5 前記実施例2と同様の実験において、洗浄液として下記
のものを用いた。
(1)、メタノール:実施例9 (2)、メタノール−水(容積比9:1):実施例10
(3)、メタノール−水(容積比1:1):実施例11
(4)、メタノール−水(容積比3ニア):実施例12
(5)、アセトン:比較例4 (6)、クロロホルム:比較例5 上記(1)〜(6)の各洗浄液についての実験結果を第
5図に示したが、本発明によるメタノール、含水メタノ
ールは共に極めて洗浄効果がよく、短時間で理論的限界
まで洗浄作用があることが理解される。
また洗浄液としてアセトン又はクロロホルムを用いた場
合には共に洗浄効果が極めて悪いことが分る。
実施例 13 前記実施例9〜12においてメタノール洗浄した中空糸
を引続いてエタノールで洗浄した。
この場合エタノールは再循環して使用せず、いわゆるシ
ングルパスとして流し、使用後は廃棄した。
この結果、僅か5〜10分間のエタノール洗浄により中
空糸の壁膜内のメタノールは完全に除去されることが分
析で確かめられた。
なおこの洗浄に、10%の水を含むエタノールを用いて
も結果は同様であった。
また20%のグリセリンを含むエタノールで洗浄しても
同様の結果が得られた。
実施例14〜20及び比較例6 前記実施例2と同じ装置を用いたが、本実施例では内部
にオクチルアルコールを有するセルロース製の中空糸を
用いた。
洗浄に使用した洗浄液はエタノール−メタノールの混合
物であり、下記の混合容積比のものを用いた。
(1)、エタノール−メタノール(容積比1:99):
実施例14 (2)、エタノール−メタノール(容積比5:95):
実施例15 (3)、エタノール−メタノール(容積比10:90)
:実施例16 (4)、エタノール−メタノール(容積比30ニア0)
:実施例17 (5)、エタノール−メタノール(容積比50:50)
:実施例18 (6)、エタノール−メタノール(容積比80:20)
:実施例19 (7)、エタノール−メタノール(容積比90:10)
:実施例20 (8)、エタノール:比較例6 なおこの実験では中空糸の内側及び外側の圧力差は70
0mmHg(内側が陽圧)とした。
上記(1)〜(8)の各洗浄液についての実験結果を第
6図に示した。
この図から、本発明によるエタノール−メタノール混合
液は極めて有効な洗浄効果を有していることが分り、ま
たエタノール単独の洗浄液よりも大巾に洗浄効果に優れ
ていることが分る。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明による方法を説明するためのものであって
、第1図及び第2図は洗浄液の循環時間と洗浄液中のオ
クチルアルコールの濃度との関係を示す曲線図、第3図
〜第5図は洗浄時間とミリスチン酸イソプロピル(IP
M)の全抽出量との関係を示す曲線図、第6図は洗浄時
間とオクチルアルコールの全抽出量との関係を示す曲線
図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 洗浄されるべき複数のセルローズ製中空糸を束ね、
    この中空糸束の両端部を固化性材料によって固定し、こ
    れらの固定部分を切断してこれらの切断面において前記
    中空糸の両端をそれぞれ開口させ、この状態において、
    メタノール、含水メタノール、含水エタノール、メタノ
    ールとエタノールとの混合物からなる群より選ばれた少
    なくとも1種を前記両端開口の一方から前記中空糸の壁
    膜の内側に流して他方から流出させる洗浄液の流れを少
    くとも形成し、これによって前記中空糸の内部に存在す
    る物質を洗浄除去するたうにしたことを特徴とする中空
    糸の洗浄方法。
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