JPS5811502B2 - 耐摩耗性鉄系焼結摺動部材 - Google Patents
耐摩耗性鉄系焼結摺動部材Info
- Publication number
- JPS5811502B2 JPS5811502B2 JP9639079A JP9639079A JPS5811502B2 JP S5811502 B2 JPS5811502 B2 JP S5811502B2 JP 9639079 A JP9639079 A JP 9639079A JP 9639079 A JP9639079 A JP 9639079A JP S5811502 B2 JPS5811502 B2 JP S5811502B2
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- Japan
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- iron
- wear
- sample
- molybdenum
- based sintered
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Description
【発明の詳細な説明】
本発明は、高負荷で使用される摺動部材に好適な耐摩耗
性鉄系焼結材料に関するものである。
性鉄系焼結材料に関するものである。
近時耐摩耗性材料の分野において、金属のマトリックス
中にそれよりも硬い相を分散させたいわゆる分散硬化型
合金が注目されている。
中にそれよりも硬い相を分散させたいわゆる分散硬化型
合金が注目されている。
本発明はとくに高負荷での使用に耐える摺動部材用とし
て改良されたものであり、その組成は重量比で炭素が1
〜2.5%、銅が4.5〜18%、錫が0.5〜2%、
リンが0.2〜1.5%、モリブデンが2.5〜10%
、残部が鉄よりなる焼結合金で、パーライトの基地中に
それよりも硬い鉄炭化物、鉄−モリブデン炭化物、鉄−
リン化合物の3種の相が分散した組織を呈することを特
徴とするものである。
て改良されたものであり、その組成は重量比で炭素が1
〜2.5%、銅が4.5〜18%、錫が0.5〜2%、
リンが0.2〜1.5%、モリブデンが2.5〜10%
、残部が鉄よりなる焼結合金で、パーライトの基地中に
それよりも硬い鉄炭化物、鉄−モリブデン炭化物、鉄−
リン化合物の3種の相が分散した組織を呈することを特
徴とするものである。
以下、本発明に係る合金の組成について詳細に説明する
。
。
炭素ニ一般に天然黒鉛の形で添加されるが、本発明にお
いてはその一部で鉄およびモリブデンとの炭化物を生成
させ、一部は遊離黒鉛として残存させてその固定潤滑作
用を利用するため、通常の鉄系焼結合金よりも多い1〜
2.5%を添加する。
いてはその一部で鉄およびモリブデンとの炭化物を生成
させ、一部は遊離黒鉛として残存させてその固定潤滑作
用を利用するため、通常の鉄系焼結合金よりも多い1〜
2.5%を添加する。
添加量がこれより少ない場合は基地がフェライトになっ
て強度が著しく低下し、逆に2.5%以上の場合は混合
粉の偏析や見掛は密度の低下、成形性の劣化などの悪影
響を生じる。
て強度が著しく低下し、逆に2.5%以上の場合は混合
粉の偏析や見掛は密度の低下、成形性の劣化などの悪影
響を生じる。
なおこの様な組織を得るためには、後述する条件下に焼
結を行なうことが必要である。
結を行なうことが必要である。
銅および錫:共に鉄に拡散してその強度を向上させる効
果があり、且つ銅には基材の摺動特性を向上させる特徴
があるので、銅4.5〜18%、錫0.5〜2%と、通
常より過剰に添加する。
果があり、且つ銅には基材の摺動特性を向上させる特徴
があるので、銅4.5〜18%、錫0.5〜2%と、通
常より過剰に添加する。
配合に際しては単味の粉末を用いてもよいが、銅と錫の
液相生成温度が異なるため不均質になりやすいので、上
記の配合比となるように調合した合金粉を用いることが
望ましい。
液相生成温度が異なるため不均質になりやすいので、上
記の配合比となるように調合した合金粉を用いることが
望ましい。
なお添加量が過剰になると、液相の生成量もそれだけ多
くなり、焼結時の寸法変化率が大きくなる。
くなり、焼結時の寸法変化率が大きくなる。
そこで製品所定の寸法精度を維持できるよう上限を定め
た。
た。
リン:0.2〜1.5%添加するものであるが、鉄と反
応してFeP、Fe3P等の化合物を生成して硬化相を
形成子る。
応してFeP、Fe3P等の化合物を生成して硬化相を
形成子る。
0.2%以下の添加量では前記化合物の生成量が少なく
、且つ1.5%以上の添加は基地を脆(する結果となる
ので上記範囲を定めたものである。
、且つ1.5%以上の添加は基地を脆(する結果となる
ので上記範囲を定めたものである。
これも鉄−リン母合金粉の形で添加するのが望ましいも
のである。
のである。
モリブデン:基地の強化ならびに鉄−モリブデン炭化物
による硬化相を形成して部材の耐摩耗性を向上させるが
、添加量が2.5%以下では所要の効果が得られず、一
方10%以上添加してもその効果がほぼ飽和して差が生
じないうえ、モリブデンが高価なので上限を10%とす
る。
による硬化相を形成して部材の耐摩耗性を向上させるが
、添加量が2.5%以下では所要の効果が得られず、一
方10%以上添加してもその効果がほぼ飽和して差が生
じないうえ、モリブデンが高価なので上限を10%とす
る。
これもリンの場合と同様に鉄−モリブテン母合金粉の形
で添加するのが望ましい。
で添加するのが望ましい。
前述した組織の焼結合金を得るためには、例えば水素、
分解アンモニアガスなどの還元性雰囲気中で1030〜
1130℃の温度範囲内で焼結を行なう。
分解アンモニアガスなどの還元性雰囲気中で1030〜
1130℃の温度範囲内で焼結を行なう。
この条件で焼結することによって基地との固着性の良い
鉄炭化物、鉄−リン化合物および鉄−モリブデン炭化物
が生成され、且つ、これらがパーライト地に分散した理
想的な組織となる。
鉄炭化物、鉄−リン化合物および鉄−モリブデン炭化物
が生成され、且つ、これらがパーライト地に分散した理
想的な組織となる。
1030℃以下の温度では炭素の拡散が不安定で基地が
フェライトになりやす(、強度が不足する恐れがある。
フェライトになりやす(、強度が不足する恐れがある。
一方1130℃より高い場合は各添加成分の拡散が進行
して遊離黒鉛が残らず、且つ硬化相の硬さと基地のそれ
とのレベルが均一に近くなり、前述した分散硬化による
効果を失うことになる。
して遊離黒鉛が残らず、且つ硬化相の硬さと基地のそれ
とのレベルが均一に近くなり、前述した分散硬化による
効果を失うことになる。
実施例
先ずFe−25P合金粉2.5%(P単味に換算して0
.63%)、FeFe−6O合金粉10%(Mo換算6
%)、天然黒鉛2%、Cu−10Sn合金粉15%(C
u換算13.5%、Sn換算1.5%)残部はアトマイ
ズ鉄粉からなる混合物床に潤滑剤としてステアリン酸亜
鉛0.8%を添加して6t/cm2の圧力で摩耗試験片
の所定の形状に成形し、分解アンモニアガス雰囲気中1
060℃で20分間の焼結を行ない、得られた試験片(
焼結密度ニア、1グ/c、t)を試料■とした。
.63%)、FeFe−6O合金粉10%(Mo換算6
%)、天然黒鉛2%、Cu−10Sn合金粉15%(C
u換算13.5%、Sn換算1.5%)残部はアトマイ
ズ鉄粉からなる混合物床に潤滑剤としてステアリン酸亜
鉛0.8%を添加して6t/cm2の圧力で摩耗試験片
の所定の形状に成形し、分解アンモニアガス雰囲気中1
060℃で20分間の焼結を行ない、得られた試験片(
焼結密度ニア、1グ/c、t)を試料■とした。
第1図は本発明に係る上記試料■の組織を示す顕微鏡写
真(X200)である。
真(X200)である。
Aで示す白く大きな部分は鉄−モリブデン炭化物、Bで
示す白(細長い部分は鉄炭化物(セメンタイト)Fe3
Cまたは鉄−リン化合物、Cで示す丸みを帯びた白い部
分は銅−錫今金相で、これらがパーライト地に分散して
いる状態がよ(わかる。
示す白(細長い部分は鉄炭化物(セメンタイト)Fe3
Cまたは鉄−リン化合物、Cで示す丸みを帯びた白い部
分は銅−錫今金相で、これらがパーライト地に分散して
いる状態がよ(わかる。
なお、Dで示す大きな黒い部分は、空孔または遊離黒鉛
である。
である。
次に、これと比較のため、摺動部材に通常用いられてい
るチルド鋳鉄の試験片を作って試料■とし、また既存の
焼結合金Fe−1,5Cu−0,8C(焼結密度:6.
9?/cni)の試験片を作って試料■として耐摩耗性
の比較試験を行ない、その結果を第2図に示した。
るチルド鋳鉄の試験片を作って試料■とし、また既存の
焼結合金Fe−1,5Cu−0,8C(焼結密度:6.
9?/cni)の試験片を作って試料■として耐摩耗性
の比較試験を行ない、その結果を第2図に示した。
摩擦摩耗試験番計雌滑状態で行なった。
その方式は第3図に概略を示すように、駆動軸3によっ
て矢印のように回転する特殊合金チルド鋳鉄製のディス
ク4(厚さ:5mm、直径:30mm)が密閉容器1中
に垂直に支承され、その一部は潤滑油2(白スピンドル
油)中に浸漬されている。
て矢印のように回転する特殊合金チルド鋳鉄製のディス
ク4(厚さ:5mm、直径:30mm)が密閉容器1中
に垂直に支承され、その一部は潤滑油2(白スピンドル
油)中に浸漬されている。
そして試験片5(被試験試料)を所定の荷重Pで押し付
けながらディスク4を回転させ、試験片に生じる耗耗痕
の面積によって試料の耐摩耗性を評価するわけである。
けながらディスク4を回転させ、試験片に生じる耗耗痕
の面積によって試料の耐摩耗性を評価するわけである。
試験の条件は、荷重Pを32.4kg、ディスクの回転
数を3370rpmとした。
数を3370rpmとした。
第2図のグラフから明らかなように、本発明に係る焼結
部材(試料■)は試験開始後1時間で約5mmの摩耗痕
を生じているが、この初期摩耗期を過ぎた後は、摩耗に
対して極めて安定した状態にあることを示している。
部材(試料■)は試験開始後1時間で約5mmの摩耗痕
を生じているが、この初期摩耗期を過ぎた後は、摩耗に
対して極めて安定した状態にあることを示している。
これに対して、チルド鋳鉄(試料■)は30分で16−
−2.1時間で約20−−2という大きな摩耗痕を生じ
、それ以後は比較的安定しているものの、耐摩耗性が試
料■よりも劣ることを示している。
−2.1時間で約20−−2という大きな摩耗痕を生じ
、それ以後は比較的安定しているものの、耐摩耗性が試
料■よりも劣ることを示している。
一方、従来の焼結部材(試料■)は、■および■とは比
較にならないほど大きな摩耗を生じ、試験を1時間で中
断せざるを得なかった。
較にならないほど大きな摩耗を生じ、試験を1時間で中
断せざるを得なかった。
次に、試料■における各成分の割合と耐摩耗性との関係
を第1表に示す。
を第1表に示す。
試験は大越式摩耗試験機を用い、周速1m7秒で回転す
る30φ×3のローター(材質SCM420)に荷重6
.3に9で試料を押し付け、無潤滑で100m摩擦後の
摩耗量を求めたもので、前記の下限値以下では摩耗が急
増することを示している。
る30φ×3のローター(材質SCM420)に荷重6
.3に9で試料を押し付け、無潤滑で100m摩擦後の
摩耗量を求めたもので、前記の下限値以下では摩耗が急
増することを示している。
以上の結果が示すように本発明に係る焼結摺動部材は極
めて優れた耐摩耗性を備えているので、例えば自動車の
ロッカーアーム用タペット、その他苛酷な条件下に用い
られる摺動部材に適用することができる。
めて優れた耐摩耗性を備えているので、例えば自動車の
ロッカーアーム用タペット、その他苛酷な条件下に用い
られる摺動部材に適用することができる。
第1図は本発明に係る焼結摺動部材(試料■)の組織を
示す顕微鏡写真、第2図は本発明に係る焼結摺動部材と
、従来の部材(試料■、■)との耐摩耗性を比較したグ
ラフ、第3図は耐摩耗性の試験方式を説明する概略図で
ある。 1・・・・・・密閉容器、2・・・・・・潤滑油、3・
・・・・・駆動軸、4・・・・・・ディスク、5・・・
・・・試験片(被試験試料)。
示す顕微鏡写真、第2図は本発明に係る焼結摺動部材と
、従来の部材(試料■、■)との耐摩耗性を比較したグ
ラフ、第3図は耐摩耗性の試験方式を説明する概略図で
ある。 1・・・・・・密閉容器、2・・・・・・潤滑油、3・
・・・・・駆動軸、4・・・・・・ディスク、5・・・
・・・試験片(被試験試料)。
Claims (1)
- 1 重量比で炭素が1〜2.5%、銅が4.5〜18%
、錫が0.5〜2%、リンが0.2〜1.5%、モリブ
デンが2.5〜10%、残部が鉄よりなる焼結合金で、
鉄を主成分とする基地中にそれよりも硬い鉄炭化物、鉄
−モリブデン炭化物、鉄−リン化合物の3種の相が分散
して組織を呈することを特徴とする耐摩耗性に優れた焼
結摺動部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9639079A JPS5811502B2 (ja) | 1979-07-28 | 1979-07-28 | 耐摩耗性鉄系焼結摺動部材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9639079A JPS5811502B2 (ja) | 1979-07-28 | 1979-07-28 | 耐摩耗性鉄系焼結摺動部材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5620144A JPS5620144A (en) | 1981-02-25 |
JPS5811502B2 true JPS5811502B2 (ja) | 1983-03-03 |
Family
ID=14163622
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9639079A Expired JPS5811502B2 (ja) | 1979-07-28 | 1979-07-28 | 耐摩耗性鉄系焼結摺動部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5811502B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60110508U (ja) * | 1983-12-29 | 1985-07-26 | 日高 修一 | 外壁端部取付用笠木部材 |
WO2020141542A1 (en) * | 2019-01-02 | 2020-07-09 | Tvs Motor Company Limited | Separate wire harness arrangement for high and low voltage. |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5525986B2 (ja) | 2009-12-21 | 2014-06-18 | 日立粉末冶金株式会社 | 焼結バルブガイドおよびその製造方法 |
-
1979
- 1979-07-28 JP JP9639079A patent/JPS5811502B2/ja not_active Expired
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60110508U (ja) * | 1983-12-29 | 1985-07-26 | 日高 修一 | 外壁端部取付用笠木部材 |
WO2020141542A1 (en) * | 2019-01-02 | 2020-07-09 | Tvs Motor Company Limited | Separate wire harness arrangement for high and low voltage. |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5620144A (en) | 1981-02-25 |
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