JPH0121222B2 - - Google Patents
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- JPH0121222B2 JPH0121222B2 JP19458981A JP19458981A JPH0121222B2 JP H0121222 B2 JPH0121222 B2 JP H0121222B2 JP 19458981 A JP19458981 A JP 19458981A JP 19458981 A JP19458981 A JP 19458981A JP H0121222 B2 JPH0121222 B2 JP H0121222B2
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Landscapes
- Powder Metallurgy (AREA)
Description
軸受その他の摺動部材に用いられる焼結合金の
材質は一般に銅錫系と鉄銅系に大別され、後者は
安価な反面錆び易く、また相手部材たとえば軸を
摩耗させ易いことが短所となつている。 摩耗対策としては銅の増量があるが、銅単味の
軟質相が増えると摺動面の表層が塑性変形し易く
なり、その結果、摺動面に開口する含油孔が閉塞
されて給油不足を来たすことになる。 このため銅を合金化して硬化させ、摺動に伴う
塑性変形を減少させる目的で亜鉛の添加が行なわ
れるが、鉄粉、銅粉に亜鉛粉を混合して焼結する
従来の方式にはつぎのような問題がある。即ち、
銅への亜鉛の拡散が不充分な場合は摩耗に有害な
β′相を生じる。他方、亜鉛を充分に拡散させてこ
れを防止しようとすると、焼結時間が必然的に長
くなつて製造コストが上昇し、また亜鉛の蒸発量
が多くなるが、これは品質管理および作業環境の
面で好ましくないことである。 このような事情に鑑み、さきに本件発明者らは
亜鉛の配合を10〜40%亜鉛の黄銅粉末によること
を骨子とする特願昭55−103181号、およびこれに
ホウ素を追加して耐摩耗性の改善を図つた特願昭
56−54525号(特公昭61−11308号)を提示した。 なお、市販の黄銅粉には10%亜鉛(丹銅)〜40
%亜鉛(四六黄銅)の数種の規格があるが、使い
易いのは四六黄銅である。 この発明は、上記先願発明の組成にさらに錫を
添加し、低温焼結を可能にして亜鉛の蒸発を抑え
るとともに基地を強化し、もつてその摺動特性を
より一層向上させたものである。 以下この発明を実施例により詳細に説明する。 先ず、焼結合金成分の配合源として下記の粒度
(メツシユ)および組成(合金の場合)の単味粉
および合金粉を用意した。 鉄 …100以下の還元鉄粉 亜鉛…200以下のCu―40Zn黄銅粉 〃 …200以下のCu―10Zn黄銅粉 ホウ素…200以下のFe―20B 合金粉 黒鉛…200以下の天然黒鉛粉 錫 …250以下、 鉛…200以下 次に、この原料粉を第1表に示す各試料所定の
組成になるよう配合し、潤滑剤としてステアリン
酸亜鉛0.3%を添加混合して密度が6.0g/cm3、内
径10mm、外径16mm、長さ15mmの円筒形に成形後、
分解アンモニア雰囲気炉中で20分間、試料1〜4
は850℃、錫を含有する試料5以下は700℃の温度
で焼結して軸受素材を作成し、それぞれに同一の
条件で内径のサイジングおよび2号タービン油の
含浸を行なつて摺動試験に供した。 なおスペースの関係から、第1表には第一成分
である鉄(残部)の欄を省いてある。 ここに試料6〜9がこの発明の代表的実施例で
40Zn黄銅粉を25%配合したグループ、試料10〜
21は鉄―銅―亜鉛間の組成範囲の限界に相当する
実施例で試料10〜12は40Zn黄銅粉を10%配合し
たグループ、試料13〜15は60%配合したグルー
プ;試料16〜18は10Zn黄銅粉を10%配合したグ
ループ、試料19〜21は60%配合したグループであ
り、試料5は試料6からホウ素を除いた比較例、
試料1〜4は前述した先願に係る比較例である。 次に各々の試料(軸受)を軸受試験機にかけて 軸の材質…S45C、焼なまし材 摺動速度…120m/min 面 圧…9Kg/cm2 環境温度…60℃ の条件で各所定の時間に達するまで連続運転し、
摺動後の軸受、軸それぞれの摩耗量を測り、また
面粗さ計により軸の表面状態(150時間後)を調
べた。その結果は第2表および第1図、第2図の
グラフに示す通りである。ただし、グラフには繁
雑を避けるため、実施例は試料6〜9のデータの
み示してある。 先ずグラフをみると、各材質間の優劣は、軸受
自身についてはごく短時間の試験で現われるのに
対して、相手部材の軸については40時間以上の試
験によつて漸く明らかになつている。しかし、そ
の優劣の序列は軸受の場合も軸の場合も同一であ
り、今回の供試材は全て、摺動材料としてつり合
いのとれた耐摩耗性を持つことを示している。 次に添加成分の影響をみると、鉄と黄銅だけの
試料1に比較して→これにホウ素を添加した試料
4→さらに錫を併用した試料6とその耐摩耗性が
著しく向上し、とくにこの発明に係る試料6では
軸の表面が試験前よりも平滑化するなど、その優
れた効果を表わしている。 なお試料1および試料4と試料5との比較に明
らかなように、錫単味の添加は有効ではあるが、
ホウ素単味よりはその効果が劣つている。 また鉛、黒鉛など固体潤滑剤の添加は試料1と
試料2、試料3との比較に明らかなように耐摩耗
性のレベルが低い場合は顕著な効果を現わすが、
試料6と試料7〜試料9とが殆ど等しいことから
わかるように、基材のレベルが充分高い場合には
有意差を示さない。しかし、より過酷な摺動条件
下に使用される場合には当然に有用である。 前述の如く、この発明は前掲先願発明から一貫
して、銅と亜鉛を予め最適の状態に合金化させた
黄銅粉の形で用いることを骨子とし、これに逐次
他の有効成分を添加することにより、その特性を
さらに向上させたものである。 黄銅粉の組成については、亜鉛が10%未満の場
合は銅相の塑性変形を阻止する効果が少なく、ま
た40%より多い場合は耐摩耗性を害するβ′相を生
じることから、亜鉛の範囲を10〜40%と定めた。
なおこの範囲は、前述のように容易に入手できる
市販黄銅粉とほぼ一致している。 次に黄銅粉の添加量は、それが10%未満では軟
質の相手材に対する焼き付き防止の効果が少な
く、一方、60%を超えると鉄相の強固な骨格が形
成されず、鉄系本来の耐荷重性が低下するためそ
の範囲を10〜60%と定めた。 このように定めた黄銅粉中の亜鉛の組成範囲、
および鉄粉への黄銅粉の配合量の範囲から導かれ
る鉄―銅―亜鉛の組成範囲は、亜鉛を例にとれば
その下限は10Zn黄銅粉を10%配合した場合の1
%、上限は40Zn黄銅粉を60%配合した場合の24
%となる。これを図示すれば第3図の如くであつ
て、点A、B、CおよびDの囲む範囲がこの発明
の骨格をなす焼結合金の組成を示し、これに他の
成分が添加置換されるわけである。 ホウ素の添加は軸受自身の耐摩耗性を高めると
ともに、相手部材である回転軸の摩耗を著しく低
減するが、添加量0.03%未満では有意差が認めら
れず、一方、1%を超えると材質が過度に硬化し
て軸の摩耗が再び増加することから、その範囲を
0.03〜1%とした。 錫は0.5%以上の添加によつて低温での焼結を
可能にして亜鉛の蒸発を抑えるとともに、黄銅中
に拡散して基材の強度を高める。しかし、その量
が3%を超えると鉄中にも拡散して硬く脆い相を
生じ、相手部材に悪影響を及ぼすことから、その
範囲を0.5〜3%とした。 鉛と黒鉛はともに固体潤滑作用により相手部材
の摩耗を低減するので、摺動条件が厳しい場合に
とくに有用である。しかしその量が4%を超える
と基材の強度が低下するので、最大4%(併用の
場合は両者合計で4%)に止めるべきである。 以上詳述したように、この発明に係る摺動材料
はそれ自身および相手部材双方の耐摩耗性を向上
させ、これら機械部品の寿命を延長させる効果を
奏するものである。また、その製造に際し従来材
より低温で焼結できるので亜鉛の蒸発が少なく、
良好な品質および作業環境を保つことができる。
材質は一般に銅錫系と鉄銅系に大別され、後者は
安価な反面錆び易く、また相手部材たとえば軸を
摩耗させ易いことが短所となつている。 摩耗対策としては銅の増量があるが、銅単味の
軟質相が増えると摺動面の表層が塑性変形し易く
なり、その結果、摺動面に開口する含油孔が閉塞
されて給油不足を来たすことになる。 このため銅を合金化して硬化させ、摺動に伴う
塑性変形を減少させる目的で亜鉛の添加が行なわ
れるが、鉄粉、銅粉に亜鉛粉を混合して焼結する
従来の方式にはつぎのような問題がある。即ち、
銅への亜鉛の拡散が不充分な場合は摩耗に有害な
β′相を生じる。他方、亜鉛を充分に拡散させてこ
れを防止しようとすると、焼結時間が必然的に長
くなつて製造コストが上昇し、また亜鉛の蒸発量
が多くなるが、これは品質管理および作業環境の
面で好ましくないことである。 このような事情に鑑み、さきに本件発明者らは
亜鉛の配合を10〜40%亜鉛の黄銅粉末によること
を骨子とする特願昭55−103181号、およびこれに
ホウ素を追加して耐摩耗性の改善を図つた特願昭
56−54525号(特公昭61−11308号)を提示した。 なお、市販の黄銅粉には10%亜鉛(丹銅)〜40
%亜鉛(四六黄銅)の数種の規格があるが、使い
易いのは四六黄銅である。 この発明は、上記先願発明の組成にさらに錫を
添加し、低温焼結を可能にして亜鉛の蒸発を抑え
るとともに基地を強化し、もつてその摺動特性を
より一層向上させたものである。 以下この発明を実施例により詳細に説明する。 先ず、焼結合金成分の配合源として下記の粒度
(メツシユ)および組成(合金の場合)の単味粉
および合金粉を用意した。 鉄 …100以下の還元鉄粉 亜鉛…200以下のCu―40Zn黄銅粉 〃 …200以下のCu―10Zn黄銅粉 ホウ素…200以下のFe―20B 合金粉 黒鉛…200以下の天然黒鉛粉 錫 …250以下、 鉛…200以下 次に、この原料粉を第1表に示す各試料所定の
組成になるよう配合し、潤滑剤としてステアリン
酸亜鉛0.3%を添加混合して密度が6.0g/cm3、内
径10mm、外径16mm、長さ15mmの円筒形に成形後、
分解アンモニア雰囲気炉中で20分間、試料1〜4
は850℃、錫を含有する試料5以下は700℃の温度
で焼結して軸受素材を作成し、それぞれに同一の
条件で内径のサイジングおよび2号タービン油の
含浸を行なつて摺動試験に供した。 なおスペースの関係から、第1表には第一成分
である鉄(残部)の欄を省いてある。 ここに試料6〜9がこの発明の代表的実施例で
40Zn黄銅粉を25%配合したグループ、試料10〜
21は鉄―銅―亜鉛間の組成範囲の限界に相当する
実施例で試料10〜12は40Zn黄銅粉を10%配合し
たグループ、試料13〜15は60%配合したグルー
プ;試料16〜18は10Zn黄銅粉を10%配合したグ
ループ、試料19〜21は60%配合したグループであ
り、試料5は試料6からホウ素を除いた比較例、
試料1〜4は前述した先願に係る比較例である。 次に各々の試料(軸受)を軸受試験機にかけて 軸の材質…S45C、焼なまし材 摺動速度…120m/min 面 圧…9Kg/cm2 環境温度…60℃ の条件で各所定の時間に達するまで連続運転し、
摺動後の軸受、軸それぞれの摩耗量を測り、また
面粗さ計により軸の表面状態(150時間後)を調
べた。その結果は第2表および第1図、第2図の
グラフに示す通りである。ただし、グラフには繁
雑を避けるため、実施例は試料6〜9のデータの
み示してある。 先ずグラフをみると、各材質間の優劣は、軸受
自身についてはごく短時間の試験で現われるのに
対して、相手部材の軸については40時間以上の試
験によつて漸く明らかになつている。しかし、そ
の優劣の序列は軸受の場合も軸の場合も同一であ
り、今回の供試材は全て、摺動材料としてつり合
いのとれた耐摩耗性を持つことを示している。 次に添加成分の影響をみると、鉄と黄銅だけの
試料1に比較して→これにホウ素を添加した試料
4→さらに錫を併用した試料6とその耐摩耗性が
著しく向上し、とくにこの発明に係る試料6では
軸の表面が試験前よりも平滑化するなど、その優
れた効果を表わしている。 なお試料1および試料4と試料5との比較に明
らかなように、錫単味の添加は有効ではあるが、
ホウ素単味よりはその効果が劣つている。 また鉛、黒鉛など固体潤滑剤の添加は試料1と
試料2、試料3との比較に明らかなように耐摩耗
性のレベルが低い場合は顕著な効果を現わすが、
試料6と試料7〜試料9とが殆ど等しいことから
わかるように、基材のレベルが充分高い場合には
有意差を示さない。しかし、より過酷な摺動条件
下に使用される場合には当然に有用である。 前述の如く、この発明は前掲先願発明から一貫
して、銅と亜鉛を予め最適の状態に合金化させた
黄銅粉の形で用いることを骨子とし、これに逐次
他の有効成分を添加することにより、その特性を
さらに向上させたものである。 黄銅粉の組成については、亜鉛が10%未満の場
合は銅相の塑性変形を阻止する効果が少なく、ま
た40%より多い場合は耐摩耗性を害するβ′相を生
じることから、亜鉛の範囲を10〜40%と定めた。
なおこの範囲は、前述のように容易に入手できる
市販黄銅粉とほぼ一致している。 次に黄銅粉の添加量は、それが10%未満では軟
質の相手材に対する焼き付き防止の効果が少な
く、一方、60%を超えると鉄相の強固な骨格が形
成されず、鉄系本来の耐荷重性が低下するためそ
の範囲を10〜60%と定めた。 このように定めた黄銅粉中の亜鉛の組成範囲、
および鉄粉への黄銅粉の配合量の範囲から導かれ
る鉄―銅―亜鉛の組成範囲は、亜鉛を例にとれば
その下限は10Zn黄銅粉を10%配合した場合の1
%、上限は40Zn黄銅粉を60%配合した場合の24
%となる。これを図示すれば第3図の如くであつ
て、点A、B、CおよびDの囲む範囲がこの発明
の骨格をなす焼結合金の組成を示し、これに他の
成分が添加置換されるわけである。 ホウ素の添加は軸受自身の耐摩耗性を高めると
ともに、相手部材である回転軸の摩耗を著しく低
減するが、添加量0.03%未満では有意差が認めら
れず、一方、1%を超えると材質が過度に硬化し
て軸の摩耗が再び増加することから、その範囲を
0.03〜1%とした。 錫は0.5%以上の添加によつて低温での焼結を
可能にして亜鉛の蒸発を抑えるとともに、黄銅中
に拡散して基材の強度を高める。しかし、その量
が3%を超えると鉄中にも拡散して硬く脆い相を
生じ、相手部材に悪影響を及ぼすことから、その
範囲を0.5〜3%とした。 鉛と黒鉛はともに固体潤滑作用により相手部材
の摩耗を低減するので、摺動条件が厳しい場合に
とくに有用である。しかしその量が4%を超える
と基材の強度が低下するので、最大4%(併用の
場合は両者合計で4%)に止めるべきである。 以上詳述したように、この発明に係る摺動材料
はそれ自身および相手部材双方の耐摩耗性を向上
させ、これら機械部品の寿命を延長させる効果を
奏するものである。また、その製造に際し従来材
より低温で焼結できるので亜鉛の蒸発が少なく、
良好な品質および作業環境を保つことができる。
【表】
【表】
第1図はこの発明に係る合金を軸受に適用した
実施例(試料6〜試料9)および従来材による比
較例(試料1〜試料5)の軸受試験における軸受
の摩耗を示すグラフ、第2図は同じ試験における
軸の摩耗を示すグラフ、第3図はこの発明に係る
合金の成分中鉄、銅、亜鉛三者の組成範囲を示す
グラフである。
実施例(試料6〜試料9)および従来材による比
較例(試料1〜試料5)の軸受試験における軸受
の摩耗を示すグラフ、第2図は同じ試験における
軸の摩耗を示すグラフ、第3図はこの発明に係る
合金の成分中鉄、銅、亜鉛三者の組成範囲を示す
グラフである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 重量比にてホウ素0.03〜1%、錫0.5〜3%、
銅5.7〜53.7%、亜鉛0.9〜23.9%および鉄残部か
らなり、且つ、鉄、銅、亜鉛3者間の割合が第3
図に示す 点A(Fe90%、Cu9%、Zn1%)、 点B(Fe90%、Cu6%、Zn4%)、 点C(Fe40%、Cu54%、Zn6%)、 点D(Fe40%、Cu36%、Zn24%) を結ぶ四辺形内の組成範囲にあることを特徴とす
る低摩耗焼結含油摺動材料。 2 重量比にてホウ素0.03〜1%、錫0.5〜3%、
鉛および黒鉛の少なくとも一方4%以下(併用の
場合は両者合計4%以下)、銅5.5〜53.7%、亜鉛
0.9〜23.9%および鉄残部からなり、且つ、鉄、
銅、亜鉛3者間の割合が第3図に示す 点A(Fe90%、Cu9%、Zn1%)、 点B(Fe90%、Cu6%、Zn4%)、 点C(Fe40%、Cu54%、Zn6%)、 点D(Fe40%、Cu36%、Zn24%) を結ぶ四辺形内の組成範囲にあることを特徴とす
る低摩耗焼結含油摺動材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19458981A JPS5896850A (ja) | 1981-12-04 | 1981-12-04 | 低摩耗焼結含油摺動材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19458981A JPS5896850A (ja) | 1981-12-04 | 1981-12-04 | 低摩耗焼結含油摺動材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5896850A JPS5896850A (ja) | 1983-06-09 |
JPH0121222B2 true JPH0121222B2 (ja) | 1989-04-20 |
Family
ID=16327052
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19458981A Granted JPS5896850A (ja) | 1981-12-04 | 1981-12-04 | 低摩耗焼結含油摺動材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5896850A (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59229462A (ja) * | 1983-06-10 | 1984-12-22 | Ntn Toyo Bearing Co Ltd | 耐摩材料 |
JPS63186851A (ja) * | 1987-01-29 | 1988-08-02 | Isamu Kikuchi | 圧粉成形焼結合金およびその製造法 |
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JPH03199348A (ja) * | 1989-12-28 | 1991-08-30 | Isamu Kikuchi | 焼結合金軸受 |
-
1981
- 1981-12-04 JP JP19458981A patent/JPS5896850A/ja active Granted
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Publication number | Publication date |
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JPS5896850A (ja) | 1983-06-09 |
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