JPS5811309B2 - フエライト系ステンレス鋼の溶接方法 - Google Patents
フエライト系ステンレス鋼の溶接方法Info
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- JPS5811309B2 JPS5811309B2 JP1685177A JP1685177A JPS5811309B2 JP S5811309 B2 JPS5811309 B2 JP S5811309B2 JP 1685177 A JP1685177 A JP 1685177A JP 1685177 A JP1685177 A JP 1685177A JP S5811309 B2 JPS5811309 B2 JP S5811309B2
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- Japan
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- stainless steel
- gas
- ferritic stainless
- welding
- arc welding
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Description
【発明の詳細な説明】
本発明は、非消耗電極式アーク溶接方法によるフェライ
ト系ステンレス鋼の溶接方法に係り、非消耗電極式アー
ク溶接方法に用いられるシールドガス中にCO2ガスを
混合させることにより溶接後の継手部の機械的性質の改
善を図ろうとするものである。
ト系ステンレス鋼の溶接方法に係り、非消耗電極式アー
ク溶接方法に用いられるシールドガス中にCO2ガスを
混合させることにより溶接後の継手部の機械的性質の改
善を図ろうとするものである。
一般にJISに規格されているSUS 430鋼に代表
されるフェライト系ステンレス鋼をTIG溶接法もしく
はプラズマアーク溶接法等の非消耗電極式アーク溶接方
法を用いて溶接すると、フェライト組織を呈する鋼に共
通の特徴である溶接金属部および溶接熱影響部の結晶粒
の粗大化が著しく、そのため継手部の機械的性質のうち
、特に伸び、曲げ特性、衝撃特性等が劣化するいわゆる
粗粒化脆化と称される脆性を示す欠点があった。
されるフェライト系ステンレス鋼をTIG溶接法もしく
はプラズマアーク溶接法等の非消耗電極式アーク溶接方
法を用いて溶接すると、フェライト組織を呈する鋼に共
通の特徴である溶接金属部および溶接熱影響部の結晶粒
の粗大化が著しく、そのため継手部の機械的性質のうち
、特に伸び、曲げ特性、衝撃特性等が劣化するいわゆる
粗粒化脆化と称される脆性を示す欠点があった。
このフェライト系ステンレス鋼溶接部の粗粒化脆化の現
象は溶融溶接法を用いる限り避けられないが、溶接部の
うち溶接金属部に比べて粗粒化の程度の比較的小さい溶
接熱影響部の脆化は、熱処理を施すことにより結晶粒界
の組織を改善すればある程度の延性等の回復が可能であ
るが、粗大な樹枝状晶が析出した溶接金属部は脆化が著
しいため熱処理によってその機械的性質を改善すること
は殆ど不可能である。
象は溶融溶接法を用いる限り避けられないが、溶接部の
うち溶接金属部に比べて粗粒化の程度の比較的小さい溶
接熱影響部の脆化は、熱処理を施すことにより結晶粒界
の組織を改善すればある程度の延性等の回復が可能であ
るが、粗大な樹枝状晶が析出した溶接金属部は脆化が著
しいため熱処理によってその機械的性質を改善すること
は殆ど不可能である。
従来、このような脆性を有するフェライト系ステンレス
鋼を溶接する方法としては、第1図に示すように、被溶
接材たるフェライト系ステンレス鋼とは異質の金属を溶
加材として用い、溶接金属部の組成および組織を調整し
、溶接部の機械的性質の改善を図る方法が知られている
。
鋼を溶接する方法としては、第1図に示すように、被溶
接材たるフェライト系ステンレス鋼とは異質の金属を溶
加材として用い、溶接金属部の組成および組織を調整し
、溶接部の機械的性質の改善を図る方法が知られている
。
すなわち第1図において、被溶接材たるフェライト系ス
テンレス鋼1と非消耗電極式アーク溶接装置のトーチ2
の間に発生するアーク3の熱により溶加材4と被溶接材
1が溶融され、溶接金属部5を形成する。
テンレス鋼1と非消耗電極式アーク溶接装置のトーチ2
の間に発生するアーク3の熱により溶加材4と被溶接材
1が溶融され、溶接金属部5を形成する。
溶加材4としては一般にオーステナイト系ステンレス鋼
や純ニッケルが用いられ、溶接金属組織は、延性に富む
オーステナイト組織に変化しその結果、溶接金属の機械
的性質は改良される。
や純ニッケルが用いられ、溶接金属組織は、延性に富む
オーステナイト組織に変化しその結果、溶接金属の機械
的性質は改良される。
しかるに、上述の従来方法によれば溶接部の機械的性質
に改良されるものの、必然的に高価なオーステナイト系
ステンレス鋼や純ニッケルよりなる溶加材を用いなけれ
ばならず、溶接装置も複雑になる上、溶加材を用いずと
も完全な溶接が可能であるという非消耗電極式アーク溶
接方法の特長を十分生かすことができないという欠点が
あった。
に改良されるものの、必然的に高価なオーステナイト系
ステンレス鋼や純ニッケルよりなる溶加材を用いなけれ
ばならず、溶接装置も複雑になる上、溶加材を用いずと
も完全な溶接が可能であるという非消耗電極式アーク溶
接方法の特長を十分生かすことができないという欠点が
あった。
この発明は上記のような従来法の欠点を解消するために
なされたもので、非消耗電極式アーク濡接方法において
不活性ガス中に5%から50係の範囲でCO2ガスを混
合したシールドガスを用いることにより、CO2ガスと
溶融金属の冶金反応を利用し、溶加材を用いることなし
に溶接金属部の掃械的性質を改善できるフェライト系ス
テンレス鋼の溶接方法を提供することを目的としている
。
なされたもので、非消耗電極式アーク濡接方法において
不活性ガス中に5%から50係の範囲でCO2ガスを混
合したシールドガスを用いることにより、CO2ガスと
溶融金属の冶金反応を利用し、溶加材を用いることなし
に溶接金属部の掃械的性質を改善できるフェライト系ス
テンレス鋼の溶接方法を提供することを目的としている
。
この発明を実施するにあたり非消耗電極式アーク溶接装
置としてプラズマアーク溶接装置を採片することが効果
的であるため、以下の説明ではプラズマアーク溶接装置
を採用した場合に限り説明するが勿論これに限られるわ
けではない。
置としてプラズマアーク溶接装置を採片することが効果
的であるため、以下の説明ではプラズマアーク溶接装置
を採用した場合に限り説明するが勿論これに限られるわ
けではない。
以下、この発明の一実施例を図について説明する。
第2図において1は被溶接材たるフェライト系ステンレ
ス鋼、3はプラズマアーク、6〜10はプラズマアーク
溶接装置チを構成する構成要素であり、それぞれ6は非
消耗電極、7は保護ノズル、8c′;lシールドノズル
、9は不活性ガスよりなるプラヌマ動作ガス、10は不
活性ガスとCO2ガスの混合ガスよりなるシールドガス
である。
ス鋼、3はプラズマアーク、6〜10はプラズマアーク
溶接装置チを構成する構成要素であり、それぞれ6は非
消耗電極、7は保護ノズル、8c′;lシールドノズル
、9は不活性ガスよりなるプラヌマ動作ガス、10は不
活性ガスとCO2ガスの混合ガスよりなるシールドガス
である。
通常、ステンレス鋼を溶接する場合、溶融金属を外気か
ら探訪する目的でシールドガスとしてArなどの不活性
ガスが用いられ、高温において酸化性を有するCO2ガ
スは用いられていない。
ら探訪する目的でシールドガスとしてArなどの不活性
ガスが用いられ、高温において酸化性を有するCO2ガ
スは用いられていない。
本発明の方法においては、ステンレス鋼の溶接の場合シ
ールドガスとして前記の如〈従来用いられていないCO
2ガスを5%から50%の限られた割合だけ不活性ガス
に混合したガスを用い、プラズマアーク3により溶融し
た溶融金属とCO2ガスを反応させ溶接金属の結晶粒界
を強化すると同時に結晶粒を微細化し前記フェライト系
ステンレス鋼の溶接金属の粗粒化脆化を防止したもので
ある。
ールドガスとして前記の如〈従来用いられていないCO
2ガスを5%から50%の限られた割合だけ不活性ガス
に混合したガスを用い、プラズマアーク3により溶融し
た溶融金属とCO2ガスを反応させ溶接金属の結晶粒界
を強化すると同時に結晶粒を微細化し前記フェライト系
ステンレス鋼の溶接金属の粗粒化脆化を防止したもので
ある。
本発明の方法の効果の検証結果を第3図に示す図の横軸
はシールドガス中のCO2量を示し、縦軸は曲げ半径7
5mmの繰返し曲げ試験の割れ発生までの曲げ回数であ
り、溶接後焼鈍を行なってはいない。
はシールドガス中のCO2量を示し、縦軸は曲げ半径7
5mmの繰返し曲げ試験の割れ発生までの曲げ回数であ
り、溶接後焼鈍を行なってはいない。
シールドガスとしてAr単独ガスを用いた場合の曲げ回
数(平均1回)に比べ、シールドガス中にCO2ガスを
5%から50%の範囲で混合は割れ発生までの回数が月
4回から17回となり機械的性質は著しく改善され、本
発明の方法の効果は明白である。
数(平均1回)に比べ、シールドガス中にCO2ガスを
5%から50%の範囲で混合は割れ発生までの回数が月
4回から17回となり機械的性質は著しく改善され、本
発明の方法の効果は明白である。
一方、50%以上CO2ガスを混合したシールドガスを
用いると溶接金属部は著しく酸化されると同時に、CO
2ガスの解離によりC含有量が増加し、曲げ特性は再び
劣化する。
用いると溶接金属部は著しく酸化されると同時に、CO
2ガスの解離によりC含有量が増加し、曲げ特性は再び
劣化する。
従って、本発明の方法に用いるシールドガスとしては不
活性ガス中にCO2ガスを5%から50%混合したガス
を用いることが最適である。
活性ガス中にCO2ガスを5%から50%混合したガス
を用いることが最適である。
以上のように、本発明の方法によると従来の非消耗電極
式アーク溶接方法を用いたフェライト系ステンレス鋼の
溶接に際し、溶接金属部がフェライト組織が呈しその結
晶粒が粗大化して著しく機械的性質を劣化し、後熱処理
によっても機械的性質の改善が殆ど不可能であった欠点
を排除し、非消耗電極式アーク溶接法のシールドガスと
してCO2ガスを5%から50%の範囲で不活性ガス中
に混合した混合ガスを用いることによりこの不活性ガス
と溶融金属の冶金反応を利用して溶接金属組織を細粒化
すると同時に結晶粒界を強化し、後熱処理を施さずとも
その溶接部の機械的性質を著しく改善できる効果は大き
く、従って本発明によって従来溶接性の悪い材料とされ
ていたフェライト系ステンレス鋼を能率よく溶接ができ
、しかも機械的性質の良好な溶接継手を得ることができ
る。
式アーク溶接方法を用いたフェライト系ステンレス鋼の
溶接に際し、溶接金属部がフェライト組織が呈しその結
晶粒が粗大化して著しく機械的性質を劣化し、後熱処理
によっても機械的性質の改善が殆ど不可能であった欠点
を排除し、非消耗電極式アーク溶接法のシールドガスと
してCO2ガスを5%から50%の範囲で不活性ガス中
に混合した混合ガスを用いることによりこの不活性ガス
と溶融金属の冶金反応を利用して溶接金属組織を細粒化
すると同時に結晶粒界を強化し、後熱処理を施さずとも
その溶接部の機械的性質を著しく改善できる効果は大き
く、従って本発明によって従来溶接性の悪い材料とされ
ていたフェライト系ステンレス鋼を能率よく溶接ができ
、しかも機械的性質の良好な溶接継手を得ることができ
る。
第1図は、従来のフェライト系ステンレス鋼の溶接方法
を示す説明断面図、第2図は、本発明の一実施例を示す
説明断面図、第3図は、本発明の詳細な説明するための
説明図である。 図において、1は被溶接材であるフェライト系ステンレ
ス鋼、3はアーク、5は溶接金属である。 図中、同一符号は、同−又は相当部分を示す。
を示す説明断面図、第2図は、本発明の一実施例を示す
説明断面図、第3図は、本発明の詳細な説明するための
説明図である。 図において、1は被溶接材であるフェライト系ステンレ
ス鋼、3はアーク、5は溶接金属である。 図中、同一符号は、同−又は相当部分を示す。
Claims (1)
- 1 非消耗電極式アーク溶接装置を用いてフェライト系
ステンレス鋼の溶接を行なう方法において上記非消耗電
極式アーク溶接装置の不活性ガスよりなるシールドガス
中にCO2ガスを5%から50係の範囲で混合し、上記
CO2ガスと溶接金属との冶金反応により溶接後の継手
部の機械的性質の改善を図るようにしたことを特徴とす
るフェライト系ステンレス鋼の溶接方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1685177A JPS5811309B2 (ja) | 1977-02-17 | 1977-02-17 | フエライト系ステンレス鋼の溶接方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1685177A JPS5811309B2 (ja) | 1977-02-17 | 1977-02-17 | フエライト系ステンレス鋼の溶接方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS53102239A JPS53102239A (en) | 1978-09-06 |
JPS5811309B2 true JPS5811309B2 (ja) | 1983-03-02 |
Family
ID=11927707
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1685177A Expired JPS5811309B2 (ja) | 1977-02-17 | 1977-02-17 | フエライト系ステンレス鋼の溶接方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5811309B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5656797A (en) * | 1979-10-12 | 1981-05-18 | Jgc Corp | Welding method of high purity ferrite stainless steel |
JPS61283465A (ja) * | 1985-06-10 | 1986-12-13 | Nippon Kokan Kk <Nkk> | 高能率溶接法 |
JP4959937B2 (ja) | 2004-12-27 | 2012-06-27 | 株式会社日立産機システム | 腐食診断部品を設けてなる配電用変圧器 |
JP4917137B2 (ja) * | 2009-09-29 | 2012-04-18 | 株式会社日立産機システム | 配電用変圧器 |
US20120261459A1 (en) * | 2011-04-12 | 2012-10-18 | Bruck Gerald J | Laser metalworking using reactive gas |
-
1977
- 1977-02-17 JP JP1685177A patent/JPS5811309B2/ja not_active Expired
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS53102239A (en) | 1978-09-06 |
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