JPS5811300B2 - 縦型鋳造機の溶湯充填方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は複数の製品キャビティ内に溶湯を充填する縦型
鋳造機の溶湯充填方法に関するものである。

複数の製品キャビティを有する縦型成形機において各キ
ャビティ内に溶湯を分配するさい次の如き問題がある。

即ち、従来にあっては、スリーブ内に注湯した溶湯を上
部のプランジャと下部のカウンタとの間で加圧しつつ各
キャビティのランチ開口部に溶湯を運び、キャビティ内
に溶湯を加圧充填するのであるが、スリーブ内に溶湯を
注湯してから充填するまでの間にスリーブ内に貯溜され
た溶湯の周りに凝固膜が形成される。

そして、この凝固膜は略カップ状の形状をなし、下部の
部分はどその厚さが厚くなる傾向にある。

−勇者キャビテイのランナ開口部はカウンタ近傍にある
ため、つまりランナ開口部はスリーブ内に貯溜された溶
湯の下部に位置するためランナ開口部は充填に際し厚い
凝固膜で覆われるため、溶湯の自重によって破壊するこ
とはできず、そのため上記の如く溶湯を加圧し凝固膜を
破壊するようにしている。

しかしながら下部の凝固膜は単に厚いだけでなく、その
厚みが部分的に異なっているうこのため各ランナ開口部
に臨む凝固膜は同時に破壊されず、脆弱なものから破壊
され、各キャビティへの溶湯の注入に順番ができてしま
い、同時に各キャビティへの溶湯の充填が行えない。

従って予じめ設定条件、例えば射出速度とタイミング等
を満足させることができず、鋳造された製品の品質にバ
ラつきが発生するとともに、鋳造欠陥が発生する等の不
都合がある。

本発明者等はかかる不都合を改善すべく本発明をなした
もので、複数のランナの夫々と溶湯充填時に連通ずる分
配溝を下位のカウンタに設け、該分配溝を介して溶湯を
各キャビティに分配供給し、充填する如くシ、複数のキ
ャビティ内に均一に、同時に溶湯を分配充填することを
可能とし、品質の向上、均一な製品を鋳造し得る如くし
た縦型鋳造機の溶湯充填方法を提供するにある。

次に本発明の好適一実施例を添付図面に従って詳述する
。

第１図は縦型鋳造機１の縦断面図を、第２図は同２−２
線に沿った断面図を示している。

鋳造機１は上型２及び下型３からなり、上・下型２，３
の中央部には縦に射出スリーブ４が縦設され、スリーブ
４の下位にはカウンタ５が、又上位にはプランジャ６が
対向する如く嵌装されている。

スリーブ４の上部の一部には注湯ロアが設けられ、注湯
口Ｉは受口８に接続されている。

上・下型２，３の型合せ面２ａ、３ａには凹部２ｂ、突
部３ｂ等からなる製品キャビティ９が設けられ、キャビ
ティ９は第２図の如くスリーブ４の周りに放射状に複数
個配設される。

スリーブ４の上・下型の中間部には上記キャビティ９…
の夫夫と対応する開口部１０…が設けられ、開口部１０
…は各キャビティ９…とランナ１１…を介して接続され
てりる。

カウンタ５の中間部乃至上部の外周には放射状に分配溝
１２…が縦設され、分配溝１２…はカウンタ外周部にあ
って上方に開放１２ａさへ底１２ｂは半径方向外方に湾
曲して外径部に端部が合流している。

この分配溝１２…は開口部１０…と対応するように設け
られている。

以上において、スリーブ４内のカウンタ５は開口部１０
…より上位にあって、カウンタ５の下半部外周５ａで開
口１０を閉じ、プランジャ６は注湯ロアより上位にあり
受口８、注湯ロアを介してカウンタ５上のスリーブ４内
に溶湯を供給する。

溶湯Ｍはカウンタ５上に貯溜保持さへその一部は分配溝
１２…に侵入貯溜される。

これを第１図で示した。

この貯溜状態ではスリーブ４内の溶湯Ｍにはカップ状の
凝固膜は形成されず、分配溝１２のスリーブ４内径部と
接する部分には薄い凝固膜が形成されることとなる。

カウンタ５を降下動させ、分配溝１２…を開口部１０と
合致させ、底１２ｂを開口１０の底と合致させた位置で
停止せしめる。

これと併せてプランジャ６を降下動させ、溶湯Ｍの上面
を加圧し、カウンタ５間で挾んで溶湯Ｍを分配溝１２…
、開口１０…、ランナ１１…を介して各キャビティ９…
内に充填せしめる。

この場合分配溝１２…が開口１０…と合致した後にプラ
ンジャ６による射出を行う。

従って分配溝１２…と開口１０…とが合致した時点では
溶湯Ｍには圧力が殆んど働かない。

しかしながら前記した如く、分配溝１２のスリーブ４内
径部と接する部分には分配溝１２はカウンタ５上方のス
リーブ内の体積よりも極めて小さい等の理由から薄い凝
固膜しか形成されていないので、溶湯Ｍは自然重力によ
って各開口１０．ランナ１１に同時に流出することとな
る。

したがって各キャビティには溶湯が均等に分配されるこ
ととなる。

この状態を第３図で示した。プランジャ６の降下動でキ
ャビティ４内の溶湯をカウンタ５との間で加圧し、溶湯
Ｍを各キャビティ９…内に加圧充填し、この状態を第４
図で示した。

以上図示実施例について詳述したが、キャビティの数や
形状、分配溝の具体的形状等は任意である。

以上で明らかな如く本発明に従えば、複数の製品キャビ
ティ内に均一に、同時に溶湯を分配供給し、充填するこ
とが可能となり、同一条件下で複数の製品を均質に、品
質良好に、鋳造欠陥を少なくして鋳造することができ、
又以上をカウンタに分配溝を設けるだけで達成でき、簡
易に所期の目的を達成し得る等の多大の利点を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すもので、第１図は縦型鋳
造機の縦断面図、第２図は第１図２−２線断面図、第３
図及び第４図は溶湯の充填経過状態を説明する縦断面図
である。 尚図面中１……鋳造機、４……スリーブ、５……カウン
タ、６……プランジヤ、９……キヤビテイ、１０……ラ
ンナ、１２……分配溝である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ スリーブ内にあって下部に溶湯を保持するカウンタ
   と、上部に溶湯充填時に圧力を加えるプランジャとを備
   え、この間の溶湯を複数のキャビティ内にランナを介し
   て分配供給するようにした縦型鋳造機において、前記カ
   ウンタに各ランチとスリーブ内とを繋ぐ上下方向の分配
   溝を各ランナに対応する如く設け、前記プランジャとカ
   ウンタとを下降させ、該カウンタの分配溝とランナとが
   合致した後肢分配溝を介して溶湯を各キャビティ内に分
   配供給して充填するようにした縦型鋳造機の溶湯充填方
   法。