JPS5810458B2 - 遠心鋳造ライニング用耐食耐摩耗性複合材 - Google Patents

遠心鋳造ライニング用耐食耐摩耗性複合材

Info

Publication number
JPS5810458B2
JPS5810458B2 JP13727678A JP13727678A JPS5810458B2 JP S5810458 B2 JPS5810458 B2 JP S5810458B2 JP 13727678 A JP13727678 A JP 13727678A JP 13727678 A JP13727678 A JP 13727678A JP S5810458 B2 JPS5810458 B2 JP S5810458B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
lining
matrix
resistant
wear
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP13727678A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS5565342A (en
Inventor
井手恒幸
近藤嘉一
荒木田豊
三浦毅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Kohan Co Ltd
Original Assignee
Toyo Kohan Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Kohan Co Ltd filed Critical Toyo Kohan Co Ltd
Priority to JP13727678A priority Critical patent/JPS5810458B2/ja
Publication of JPS5565342A publication Critical patent/JPS5565342A/ja
Publication of JPS5810458B2 publication Critical patent/JPS5810458B2/ja
Expired legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Alloys Or Alloy Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、樹脂加工機械(押出機、射出成形機等)、ス
ラリポンプ、圧縮機械等のシリンダ、あるいは、スラリ
輸送用パイプライン等のパイプの摩耗及び腐食部分の遠
心鋳造ライニングとして適している耐食耐摩耗性複合材
に関するものである。
近時、摩耗性のある固体を含む流体を加工及び輸送する
機器類の需要が増大しつつある。
例えば、ガラス繊維、炭素繊維、アスベストや酸化鉄等
を含む樹脂を加工する樹脂加工機械、鉱石や石炭等を流
体輸送するスラリポンプ、スラリ輸送用パイプライン等
の需要が増大しつつある。
特に、樹脂加工機械用シリンダにおいては、加工中に樹
脂、樹脂に加えた添加剤又は樹脂と充てん剤との界面の
接着性を向上させるための表面処理剤等による腐食を防
止するため並びに樹脂に加えた補強材又は充てん剤等に
よる摩耗を防止するために、耐食性と耐摩耗性とを兼ね
備えた金属材料の要求が激増している。
また、資源の有効利用に伴う充てん材の高摩耗性化及び
米国の安全規制強化に伴うUL規格の強化実施による樹
脂の難燃化等によって、樹脂加工機械用シリンダ材に対
する耐食及び耐摩耗性の要求が一層激しくなっているの
が現状である。
従来知られている樹脂加工機械用シリンダは、鉄を高含
有した(85重量%以上)合金、ニツケル・コバルト基
合金あるいはコバルト基合金をシリンダ内面にライニン
グしたものであった。
しかし、前者はライニング状態で室温のビッカース硬さ
く以下uHvJと呼ぶ)が800〜1000であるが、
耐食性に欠ける欠点があり、後2者は、耐食性は良好で
あるが、ライニングが状態で室温の硬さがHv550〜
750であり、耐摩耗性に欠ける欠点があった。
また、これらの欠点を改善したニッケル基あるいはコバ
ルト基合金中に炭化タングステン粒子を分散させた複合
材のライニングがあり、これの耐食性及び耐摩耗性は良
好であるが、次ぎのような欠点があった。
すなわち、ニッケル基あるいはコバルト基合金のマトリ
ックスの比重よりも、強化材である炭化タングステンの
それが約2倍大きいので、ライニング時において、それ
らの比重差に基づく遠心力の差によって炭化タングステ
ン粒子がライニング母材側に押し付けられ、炭化タング
ステン粒子が密集した層(ライニング母材側)と、炭化
タングステン粒子がほとんどない、あるいは、全くない
層(ライニング母材から離れた側、すなわち、ライニン
グシリンダ内周面側)とに分離される。
従って、シリンダ内周面に、ニッケル基あるいはコバル
ト基合金マトリックスに強化材の炭化タングステン粒子
を分散させることによって得られる耐食耐摩耗性複合材
を得るためには、ライニングシリンダ内周面側にある炭
化タングステン粒子がほとんどない、あるいは、全くな
い余分な層を除去しなければならないという欠点があっ
た。
また、炭化タングステン粒子を含む層と、含まない層と
の境界を所定寸法のシリンダ内周面近傍に制御するには
、ライニング処理条件を非常に厳しくする必要があると
いう欠点があった。
更に、ライニング母材とライニング層との境界面に炭化
タングステン粒子が密集するので、ライニング母材とラ
イニング層との密着力が低下し、ライニング層がはく離
しやすいという欠点があった。
また、炭化タングステン粒子を含む層は、それ自体の耐
摩耗性は良好であるが、これと接触する相手金属材料(
この場合には、スクリュのフライト頂面)を摩耗させや
すいという欠点があった。
加えて、タングステンは資源的に乏しく且つ偏在するた
めに、炭化タングステンを強化材とすることは、原料価
格が高くなり、入手性が悪くなるという欠点もあった。
本発明は、従来のものにおける上記のような欠点を有す
ることの無い遠心鋳造ライニング用耐食耐摩耗複合材を
得ることを、その目的とするものである。
本発明は、この目的を達成するために、耐食性を有する
金属をマトリックスとし、この中に硬さは炭化タングス
テンとほぼ同一であるが、比重はマトリックスのそれよ
りも小さい耐摩耗性を有する強化材の粒子を分散させた
組成から成る複合材を特徴とするものである。
更に詳細には、本発明においては、耐食性を有するマド
Jツクス金属として、耐食性のあるニッケル基あるいは
コバルト基合金を使用し、強化材として炭化タングステ
ンとほぼ同一の硬さを有し、比重がマトリックスのそれ
よりも小さく、炭化タングステンのそれの1/3〜1/
2であり、主成分がクロムホウ化物、鉄ホウ化物又は複
ホウ化物を使用するもので、この複合材をライニングす
ることによって、シリンダ等の寿命、ひいては、機器そ
のものの寿命を著しく延ばすことができるようになるも
のである。
以下、本発明をその実施例等に基づいて詳細に説明する
本発明は、クロムホウ化物又は鉄ホウ化物若しくは鉄ホ
ウ化物の一部を非鉄元素のホウ化物あるいは非鉄元素の
複ホウ化物によって置き換えた20〜85重量%、好ま
しくは、30〜84重量%の鉄元素を含む複ホウ化物を
強化材とし、BO15〜4.0重量%、Si1.0〜5
.0重量%、CO,2〜1.0重量%、Cr0.5〜1
6重量%、Fe012〜4重量%、残部Niから成るN
i基合金あるいはBO15〜4.0重量%、Si1.0
〜5.0重量%、W4.0〜12重量%、C0,2〜1
.0重量%。
Cr0.5〜16重量%、Ni0.2〜12重量%、残
部Coから成るCo基合金をマトリックスとし、このマ
トリックスに重量比で20〜50%、好ましくは、30
〜45重量%の強化材を含ませた複合材を特徴とするも
のである。
更に詳細に説明すると、強化材としては、クロムホウ化
物、鉄ホウ化物、鉄−クロム複ホウ化物、鉄−クロム−
X−ホウ素(ここに、Xは、鉄、クロム、ホウ素以外の
ホウ化物形成元素)のような多元系複ホウ化物及びこれ
らを主成分とする合金を用いるものである。
ここに、鉄−クロム−X−ホウ素のような多元系複ホウ
化物とは、鉄、クロムの他に、Mo。
W、Ti、V、Nb、Ta、Hf、Zr、Co。
Niのようなホウ化物形成元素が1種以上台まれた複ホ
ウ化物をいうものである。
このような硬化材の硬さは、Hv1300〜2000で
あって、炭化タングステンのそれとほぼ同等であるが、
その比重は5.6〜7.5程度であって炭化タングステ
ンのそれの約1/3〜1/2である。
また、本発明の複合材のマトリックスは、N1−Cr−
B−8i系自溶性合金あるいはCo−N1−Cr−W−
B−8i系自溶性合金であり、いずれのマトリックスも
、Ni、Crあるいはcoを高含有していて耐食性に優
れているのに加えて、ホウ化物及び炭化物を析出するの
で硬く、Hv450〜800の硬さを有し、耐摩耗性に
おいても優れている。
なお、これらのマトリックスの比重は8〜9程度であっ
て、強化材のそれよりも大きい。
また、本発明の強化材の融点は、マトリックスのそれよ
りも高い。
従って、ライニング温度の950°〜1250℃におい
ては、強化材は、その一部が溶融するか又は全く溶融し
ない。
しかし、この強化材は、マトリックスと強化材とがそれ
らの界面において反応し、界面の近傍がわずかに溶融す
る。
それ故、マトリックスと強化材との密着性が向上し、複
合材の一般的な欠点である(炭化タングステン入り複合
材においてもそうである)マトリックスと強化材との界
面の密着力が弱いことに基づく強化材の脱落、マトリッ
クスと強化材との界面に沿っての割れの伝播等に対し、
本発明の複合材は改善されている。
本発明の複合材を遠心鋳造法によってシリンダ内周面に
ライニングすると、次ぎのようになる。
すなわち、マトリックスよりも軽い強化材が、それらの
比重差に基づく遠心力の差によって、ライニング母材よ
りも遠くに離れたライニング層の表面(シリンダ内周面
)近傍に密集し、逆に、ライニング母材近傍には、強化
材がほとんど、あるいは、全くなく、強化材がライニン
グ層の厚さ方向に分布密度こう配を持ってマトリックス
中に分散する。
この分散の仕方は、複合材の組成、ライニング条件(温
度、遠心力等)によって異なる。
このように、本発明による複合材を遠心鋳造ライニング
したものは、シリンダの特性として必要な部分、すなわ
ち、シリンダ内周面に、非常に硬く、耐摩耗性のある強
化材が密集しているので、耐食耐摩耗性のあるライニン
グシリンダを得ることができる。
これに対して、炭化タングステン入り複合材ライニング
シリンダの場合には、強化材である炭化タングステンの
比重がマトリックスのそれよりも太きいために、ライニ
ング層の表面近傍に炭化タングステンのない層ができ、
耐食耐摩耗性のあるシリンダ内周面を得るためには、こ
の炭化タングステンのない余分な層を除去する必要があ
ったが、本発明による複合材ライニングシリンダは、こ
の除去の必要はない。
また、炭化タングステン入り複合材ライニングシリンダ
においては、ライニング母材とライニング層との境界に
炭化タングステン粒子が密集するので、ライニング母材
とライニング層との密着性が低下し、時として境界面か
らライニング層がはく離することがあるが、本発明によ
る複合材のライニングシリンダにおいては、その境界面
には強化材がほとんど、あるいは、全くないので、ライ
ニング母材とライニング層との密着性は著しく良好であ
る。
なお、本発明の複合材の強化材の主成分は、Cr及び(
あるいは)Feを含むホウ化物であり、それらの元素は
資源的に豊富であるので、炭化タングステンを強化材と
する複合材よりも、容易に且つ安価に製造することがで
きる。
また、後に説明する摩耗試験結果(表2参照)にも見ら
れるように、本発明の複合材は、それ自体の耐摩耗性に
優れているのに加えて、しゆう動摩耗において、相手材
を摩耗させにくい特性をも有している。
ここで、本発明の複合材中における強化材の配合比を上
述のように、20〜50重量%、好ましくは、30〜4
5重量%と限定した理由を説明すると、次ぎのとおりで
ある。
強化材が20重量%未満では硬さが不足し、50重量%
を超えると、マドJツクスがその中に強化材を分散保持
することができなくなるか、あるいは、マトリックスが
溶融せず、ライニング層を形成することができなくなる
からである。
才た、強化材のホウ化物中の鉄元素の含有量を20重量
%以上、好ましくは、30重量%以上と限定した理由は
、鉄を含有する複ホウ化物が十分に高い硬さを示し、C
r等を適量添加することによってステンレス鋼と同様の
優れた耐食性と耐熱性とを示し、また、鉄を主としたホ
ウ化物粉末は工業的に容易に作ることができ、鉄は資源
的に豊富であり且つ最も安価であることによるものであ
る。
一方、ホウ化物中の鉄元素の含有量を85重量%、好ま
しくは84重量%以下と限定した理由は、85重量%を
超えると十分に高い硬さを得ることができない。
次ぎに、マトリックスの組成を上述のように選定した理
由は、このような組成のものは、ライニング温度におい
て強化材と反応し、それらの界面近傍がわずかに溶融す
ることによってマトリックスと強化材との密着力が著し
く向上すること及び耐食性、耐摩耗性に優れていること
にある。
また、マトリックスとなる組成の限定理由は、次ぎのと
おりである。
まず、N1−Cr−B−8i系自溶性合金マトリックス
において、B、Siは共にマトリックス合金に自溶性を
付与させるために添加するが、BO,5,Si1.0重
量%未満の範囲では自溶性を発揮することができない。
なお、ここでいう「自溶性」とは、合金等を加熱又は溶
融した時に発生する酸化物が、次ぎの事項を満足するこ
とを意味するものである。
■酸化物が低融点であること、■薄くて強固な保護皮膜
を形成し、溶融した合金等の過度の酸化を防止すること
、■溶融した合金等からの分離が良好であること、など
である。
そして、本発明において、マトリックス合金に自溶性を
付与させる必要性は、次ぎのことにある。
すなわち、本発明の複合材をシリンダに装入し、溶融ラ
イニングする際に、小物シリンダであれば高価なものと
はなるが、真空中あるいは不活性ガス中において処理し
、溶融金属を酸化させないように溶融し、ライニングす
ることができるが、大物シリンダの場合には、そのよう
な酸化防止雰囲気中において溶融ライニングすることは
非常に困難であり且つ非常に高価なものになるので、大
気中において溶融ライニングするのが通常である。
従って、本発明においては、その複合材を大気中で溶融
ライニングするために使用する場合を考慮して。
ライニング合金に自溶性を付与させる必要がある。
一方、Bが4.0.Siが5.0重量%を超えると。
ライニング合金のぜい性が犬となって機械的性質を低下
させ、ライニング層が割れたり、はく離したりし、ライ
ニングシリンダの特性を著しく阻害する。
従って、BO15〜4.0.Si1.0〜5.0重量%
の範囲に限定する。
なお、上記の範囲内において、Bはマトリックス合金の
融点を低下させ、ライニングの作業性を容易にし、しか
も、ホウ化物や共晶物を生成させて硬さを高めるのに効
果があり、また、Siは、マトリックス合金の溶融時の
流動性を改善し、しかも、機械的性質を改善する効果も
ある。
Crは、マトリックス合金に耐食性を付与させ、ホウ化
物及び炭化物を生成し、耐摩耗性を付与させるために添
加する。
このCrは0.5重量%未満であると、ホウ化物及び炭
化物の生成による耐摩耗性付与の効果が低下するので、
0.5重量%以上とする。
一方、Crは、マトリックス合金の融点を高め、ライニ
ング作業を困難にするので、Crの含有量の上限を16
重量%とした。
それ故、Crは0.5〜16重量%とした。
鉄はマトリックス合金に耐食性を付与させるために添加
する。
この鉄は、0.2重量%未満であると、耐食性付与の効
果が低下するので0.2重量%以上とする。
一方鉄は、硬さの低いFe−Ni固溶体を生成し、マト
リックス合金の硬さが低下するので、鉄の含有量の上限
を4重量%とした。
それ故、鉄は0.2〜4重量%とした。
Cは炭化物を生成し、耐摩耗性を付与させるために添加
する。
このCが0°2重量%未満であると、炭化物の生成が不
十分で耐摩耗性が悪くなる。
一方、1.0重量%を超えると、マトリックス合金の耐
食性が悪くなる。
それ故、Cは0.2〜1.0重量%とした。
Siはマトリックス合金に耐食性を付与させるために残
量重量%とした。
次ぎに、Co−N1−Cr−W−B−8i系自溶性合金
マトリックスの各成分の範囲の限度理由を述べると、B
、Si、Cr及びCについての限定理由は、先に述べた
N1−Cr−B−8i系自溶性合金におけるそれらの理
由と同じである。
Wはホウ化物及び炭化物を生成し、マトリックス合金の
耐摩耗性と耐熱性とを付与させるために添加する。
このWの含有量が4.0重量%以下では、それらの特性
を付与させることができない。
一方、12重量%を超えると、初晶炭化物を粗大にさせ
、しゆう動接触する相手材を著しく研摩耗させる。
それ故、Wは4.0〜12重量%とした。
Niはマトリックス合金に耐食性を付与させるために添
加する。
このNiは、0.2重量%未満であると耐食性付与の効
果が低下するので、0.2重量%以上とする。
一方、Niは、マトリックス合金の硬さを著しく低下さ
せる傾向を示すので、その含有量の上限を12重量%と
した。
それ故、Niは0.2〜12重量%とした。
CoはCr及びBと化合してマトリックス合金に高硬度
特性と耐食性とを付与させるために、残量重量%とした
次ぎに、本発明の複合材の製造方法及びそれによるライ
ニングシリンダの製造方法を説明すると、例えば、次ぎ
のようである。
まず、ライニングシリンダの軸長手方向における強化材
の分散を均一にするために、マトリックス材及び強化材
は、室温においてそれぞれ粉末状態で混合する。
なお、これらの材料は、次ぎのようにして粉末化される
すなわち、マトリックス材及び強化材粉末は、所望の元
素を含有させた溶融合金を細孔から流下させ、ノズルか
ら噴出する高圧の水流又はアルゴンガスや窒素ガス流に
よって粉砕微粒化する、いわゆる、水アトマイズ法又は
ガスアトマイズ法によって作られる。
その理由は、これらの方法が工業的に有利であるからで
ある。
しかし、その他の粉末製造方法を利用して粉末を製造し
ても良い。
次ぎに、この混合された粉末をライニングすべきシリン
ダに所望の厚さを得るのに必要な量を装入し、シリンダ
の両端をふたによって封じた後、沢中においてマトリッ
クスが溶融する温度よりもいくらか高い約9500〜1
250℃の温度に加熱し、その後、P中から引き出し、
遠心的に複合材ライニングを形成するために回転しつつ
冷却し、ライニング材が凝固し融着した後に、炉中ある
いはケイソウ土中で徐冷する。
完全に冷却した後にシリンダの両端からふたを取りはず
し、必要なシリンダ内径寸法に仕上げる。
この場合、シリンダ内周面近傍には非常に硬い強化材が
密集しているので、通常の工具によっては切削及び研削
することは不可能であるが、立方晶系窒化ホウ素を主成
分とする工具を用いれば、切削及び研削をすることがで
きる。
以下に、本発明をシリンダライニングに適用した実施例
について説明する。
なお、以下に説明する実施例に示した強化材(7種類)
及びマトリックス材(4種類)は、いずれも、それぞれ
黒鉛ルツボ内において本発明による合金組成物を混合し
、高周波電気沖によって溶解した溶湯を水アトマイズ法
によって粉砕し、100〜400メツシユの粉末を作成
した。
それらの分析結果を表1に示す。
なお、以下の実施例の説明には、表1中に記載された記
号をもって各材料を示しである。
実施例 1 強化材(R−1)粉末と、マトリックス(M−1)粉末
とを30ニア0の重量%で配合し、それらの粉末を十分
に混合し、ライニングすべき外径88mm、内径47m
mのSCM4製シリフシリンダ片肉厚1.5mmのライ
ニングを行なうための必要量を装入し、シリンダ両端i
seM4製のふたによって封じた後、約1100℃に保
持した炉内で40分間加熱し、シリンダを炉から引き出
し、直ちに遠心機に組込み、シリンダに173゜r、p
、mの回転を与えた。
シリンダを830℃まで冷却させた後に回転を中止し、
ケイソウ土中において72時間徐冷した。
その後、シリンダ両端のSCM4製のふたを除去し、ラ
イニング層の状態を調査した。
その結果、ライニング層は片肉厚1.5mmの厚さでS
CM4製シリフシリフシリンダ溶着しており、ライニン
グ層表面近傍には強化材粒子が密集し、ライニング母材
近傍には強化材粒子がほとんど分散しておらず、ライニ
ング表面の硬さはHv850〜1000であった。
実施例 2 強化材(R−1)粉末とマトリックス(M−1゜粉末と
を35:65の重量%で配合し、実施例1と全と同様に
してライニングしたものを調査した結果、ライニング層
は、片肉厚1.5mmの厚さで、SCMJ製シリフシリ
フシリンダ溶着しており、ライニング層表面近傍には強
化材粒子が密集し、ライニング母材近傍には強化材粒子
がほとんど分散しておらず、ライニング表面の硬さはH
v950〜1200であった。
実施例 3 強化材(R−i)粉末とマトリックス(M−1゜粉末と
を45:55の重量%で配合し、実施例1と全く同様に
してライニングしたものを調査した結果、ライニング層
は片肉厚1.5mmの厚さでSCMJ製シリフシリフシ
リンダ溶着しており、ライニング層表面近傍には強化材
粒子が密集し、ライニング母材近傍には強化材粒子がほ
とんど分散しておらず、ライニング表面の硬さはHv1
000〜1400であった。
実施例 4 強化材(R−2)粉末とマトリックス(M−1粉末とを
35:65の重量%で配合し、実施例1と全く同様にし
てライニングしたものを調査した結果、ライニング層は
片肉厚1.5mmの厚さで、SCMJ製シリフシリフシ
リンダ溶着しており、ライニング層表面近傍には強化材
粒子が密集し、ライニング母材近傍には強化材粒子がほ
とんど分散しておらず、ライニング表面の硬さはHv1
000〜1450であった。
実施例 5 強化材(R−1)粉末とマトリックス(M−2)粉末と
を35:65の重量%で配合し、シリンダ加熱炉の温度
が約1050℃である他は実施例1と全く同様にしてラ
イニングしたものを調査した結果、ライニング層は片肉
厚1.5rtの厚さでSCM4製シリフシリフシリンダ
溶着しており、ライニング層表面近傍には強化材粒子が
密集し、ライニング母材近傍には強化材粒子がほとんど
分散しておらず、ライニング表面の硬さはHv980〜
1190であった。
実施例 6 強化材(R−1)粉末とマトリックス(M−3)粉末と
を35:65の重量%で配合し、実施例5と全く同様に
してライニングしたものを調査した結果、ライニング層
は片肉厚1.5mmの厚さでSCM4製シリフシリフシ
リンダしており、ライニング層表面近傍には強化材粒子
が密集し、ライニング母材近傍には強化材粒子がほとん
ど分散しておらず、ライニング表面の硬さはHv930
〜1150であった。
実施例 7 強化材(R−1)粉末とマトリックス(M−4)粉末と
を35:65の重量%で配合し、実施例1と全く同様に
してライニングしたものを調査した結果、ライニング層
は片肉厚1.5mmの厚さでSCM4製シリフシリフシ
リンダ溶着しており、強化材粒子がライニング層の表面
近傍には密集し、ライニング母材近傍にはほとんど分散
しておらず、ライニング表面の硬さはHv800〜10
50であった。
実施例 8 強化材(R−2)粉末と、強化材(R−6)粉末と、マ
トリックス(M−2)粉末とを15:20:65の重量
%で配合し、実施例1と全く同様にしてライニングした
ものを調査した結果、ライニング層は片肉厚1.5mm
でSCM−4製シリンダの内壁に拡散溶着しており、強
化材粒子がライニッケルの表面近傍に密集し、ライニン
グ母材近傍にはほとんど分散しておらず、ライニング表
面の硬さはHv800〜1050であった。
またライニング層をX線回折法によって分析した結果、
CrB2.FeBが存在することが確認された。
実施例 9 強化材(R−5)粉末とマトリックス(M−2:粉末と
を35:65の重量%で配合し、実施例1と全く同様に
してライニングした第2表中の試料番号12を調査した
結果、ライニング層は片肉厚1.5mmでSCM−4製
シリンダの内壁に拡散密着しており、強化材粒子がライ
ニング層の表面近傍に密集し、ライニング母材近傍には
ほとんど分散しておらず、ライニング表面の硬さはHv
940〜1100であった。
また、ライニング層tX線回折法によって分析した結果
、Fe2B。
MO2FeB2.TtB2.CrBが確認された。
また、各実施例の硬さ、耐摩耗性及び耐食性と従来公知
の遠心鋳造ライニングシリンダのそれらとの比較した結
果を表2に示しである。
なお、第1表及び2表中には、Cr、Mo、WTi、V
、Nb、Ni%を含む強化材を使用した場合の実施例も
示しである。
この他に、本発明においては、Zr、Hf、Ta、Co
を含む強化材を使用するが、これらについての実m例が
同表こ記載されていないのは、Zr、Hfについては、
周期律表においてこれらの元素はIVa族元素であり、
同族のTiが、同表には、これらの代表例として示して
あり、周期律表において、同族の元素は物性的に共通し
た特性を有することは、良く知られているところである
からである。
同様にして、Va族のTaについては、その代表例とし
て、同族のV、Nbの実施例がこれを示してあり、更に
、鉄族のCoについては、同族のNi、Feの実施例に
よってこれを示しである。
なお、摩耗試験は、次ぎのようにして行なったものであ
る。
すなわち、回転する円筒(直径30mmX巾3mm、5
US4400.Hv600)に平板の試験片を押し付け
しゆう動させた。
相手材の円筒の摩耗量は、試験前後の重量差から体積に
換算して求め、平板試験片のそれは、しゆう動面に生じ
た摩耗傷の巾から幾何学的に求めた。
なお、摩耗条件は、しゆう動速度が0.46m/see
、Iゆう動距離が200m、押し付は荷重が18.9k
g、室温、無潤滑であった。
また、腐食試験は、次ぎ。のようにして行なった。
1010X20X1の平板の試験片を室温、大気圧の5
0容積%の塩酸中に100時間浸漬し、試験片の試験前
後の重量差から腐食量を求めた。
表2に示されているように、本発明のライニング層は、
従来公知の鉄高含有合金、ニッケル・コバルト基合金及
びコバルト基合金のライニング層に比べて、硬さ、耐摩
耗性及び耐食性が著しく優れていることが明らかである
また、炭化タングステン入り複合材ライニング層と比較
しても、硬さ、耐摩耗性及び耐食性が同等若しくは幾分
優れており、摩耗試験の結果に見られるように、本発明
のライニング層は相手材を摩耗させにくいという特質を
有していることが分かる。
以上のように、本発明による耐食耐摩耗性複合材は、優
秀な耐摩耗性及び耐食性を有しており、特に、その組成
の一つである強化材は他の組成であるマトリックスのN
i基又はCo基合金の比重よりも小さい比重を有してい
るので、本発明による複合材は遠心鋳造ライニング用と
して好適なものであり、また、しゆう動摩耗において、
相手材を摩耗させにくいという特性も有している。
なお、価格も従来公知の炭化タングステンを強化材とし
たものよりも低く、鋳造作業も容易である等の効果も有
している。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 マトリックス中に比重5.6〜7.5.硬度Hv1
    .300〜2,000の耐摩耗性強化材の粒子を重量比
    で20〜50%分散させた組成から成り、前記マトリッ
    クスがNi基及びCo基の自溶性合金のいずれか一方で
    あり、前記耐摩耗性強化材がクロムホウ化物、鉄ホウ化
    物、及び鉄を20〜85重量%含んだ鉄−クロム−ホウ
    素あるいは鉄−クロム−X−ホウ素から成るホウ化物あ
    るいは複ホウ化物(ここに、Xは、Mo、W、Ti、V
    。 Nb、Ta、Hf、Zr、Co、Niの内の少なくとも
    1種以上の元素)の内の少なくとも1種以上から成るこ
    とを特徴とする遠心鋳造ライニング用耐食耐摩耗性複合
    材。 2 マトリックスがBo、5〜4.0重量%、Si1.
    0〜5.0重量%、CO,2〜1.0重量%、Cr00
    5〜16重量%、FeO,2〜4重量%、残部Niから
    成るNi基自溶性合金である特許請求の範囲第1項記載
    の遠心鋳造ライニング用耐食耐摩耗性複合材。 3 マトリックスがBO05〜4.0重量%、Si1.
    0〜5.0重量%、W4.0〜12重量%、C0,2〜
    1.0重量%、CrO,5〜16重量%、NiO,2〜
    12重量%、残部Coから成るCo基自溶性合金である
    特許請求の範囲第1項記載の遠心鋳造ライニング用耐食
    耐摩耗性複合材。
JP13727678A 1978-11-09 1978-11-09 遠心鋳造ライニング用耐食耐摩耗性複合材 Expired JPS5810458B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13727678A JPS5810458B2 (ja) 1978-11-09 1978-11-09 遠心鋳造ライニング用耐食耐摩耗性複合材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13727678A JPS5810458B2 (ja) 1978-11-09 1978-11-09 遠心鋳造ライニング用耐食耐摩耗性複合材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS5565342A JPS5565342A (en) 1980-05-16
JPS5810458B2 true JPS5810458B2 (ja) 1983-02-25

Family

ID=15194883

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13727678A Expired JPS5810458B2 (ja) 1978-11-09 1978-11-09 遠心鋳造ライニング用耐食耐摩耗性複合材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS5810458B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6035768A (ja) * 1983-08-06 1985-02-23 Canon Inc 定着装置

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006219311A (ja) * 2005-02-08 2006-08-24 Inax Corp 装飾タイル及びその製造方法
CN100392248C (zh) * 2005-12-13 2008-06-04 赵克中 一种泥浆泵缸套及其制备方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6035768A (ja) * 1983-08-06 1985-02-23 Canon Inc 定着装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPS5565342A (en) 1980-05-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4472619A (en) Method of welding for hard surfacing
EP0769568B1 (en) Advanced Mo-based composite powders for thermal spray applications
US4725508A (en) Composite hard chromium compounds for thermal spraying
CN113122841B (zh) 一种具有梯度组合结构的耐蚀耐磨涂层及其制备方法
CN86107901A (zh) 含钼、铜和硼的铁合金
CN110438487A (zh) 一种微纳米颗粒增强耐磨损耐腐蚀激光熔覆层及其制备方法
CN108817730B (zh) 一种基于超低碳高硼的高温耐磨堆焊合金材料及其制备方法和应用
CN104858423A (zh) 一种刮板机溜槽用复合固体自润滑合金粉末及其制备方法
US4427446A (en) Corrosion-resistant and abrasive wear-resistant composite material for centrifugally cast linings
CN108642434A (zh) 一种NiCrBSi-Zr耐磨耐蚀涂层的制备方法
CN115976390B (zh) 镍基碳化钨复合合金粉及其应用以及镍基碳化钨复合涂层的制备方法
JPS5810458B2 (ja) 遠心鋳造ライニング用耐食耐摩耗性複合材
CN114393346B (zh) 一种Fe2B-VB联合增强高硼铁基耐磨堆焊合金层及其制备方法
CN105803335A (zh) 一种高耐热刹车片用合金钢材料
JPS6326295A (ja) 耐食耐摩耗合金及びその複合シリンダ
JPS59215456A (ja) 高耐アブレ−シブ摩耗,耐食,耐熱複合材料
Zhudra Tungsten carbide based cladding materials
JPH0860278A (ja) 耐キャビテーションエロージョン性に優れた耐食耐摩耗性材料
CN108342731A (zh) 一种镍铬硼硅和氮化钛耐磨涂层的制备方法
CN108393605A (zh) 高温耐磨焊条及其生产方法
JPH10130748A (ja) 耐食・耐摩耗性に優れた合金の製造方法および合金製造用材料
CN114574852B (zh) 一种高温梯度耐磨涂层及其制备和应用
Yaz In situ formation of square shaped Fe2B borides in coated surface produced by GTAW
JPH08319530A (ja) 高耐摩耗耐食性複合材料
JPS638179B2 (ja)