JPH1199631A - インキ供給装置 - Google Patents

インキ供給装置

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Publication number
JPH1199631A
JPH1199631A JP9279444A JP27944497A JPH1199631A JP H1199631 A JPH1199631 A JP H1199631A JP 9279444 A JP9279444 A JP 9279444A JP 27944497 A JP27944497 A JP 27944497A JP H1199631 A JPH1199631 A JP H1199631A
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JP
Japan
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ink
fulcrum
printing
plate
roller
Prior art date
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Pending
Application number
JP9279444A
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English (en)
Inventor
Kuniharu Okuda
邦治 奥田
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Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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  • Inking, Control Or Cleaning Of Printing Machines (AREA)
  • Transmission Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インキ練りローラの往復移動量を調整可能と
することにより、インキの供給ムラを解消することがで
きるインキ供給装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 インキ練りローラ296の端部に配設さ
れた溝カム358と、インキ練りローラ296と共に回
転する揺動溝カム362との間には、支点ピン369を
中心に揺動する揺動レバー364が配設されている。こ
の揺動レバー364の一端に付設されたベアリング38
5は溝カム358の円周溝内に配置されており、揺動レ
バー364の他端に付設されたベアリング386は揺動
溝カム362の円周溝内に配置されている。また、揺動
レバー364の支点としての支点ピン369は、この支
点ピン369の位置を移動させることによりインキ練り
ローラの往復移動量を調整するための支点位置調整機構
363と連結されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、印刷機における
インキ供給装置に関し、特に、インキ練りローラをその
軸線方向に往復移動させてインキ練りを行うインキ供給
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】このようなインキ供給装置は、例えば特
公平6−43125号公報に記載されている。この特公
平6−43125号公報に記載されたインキ供給装置に
おいては、その周面に軸線方向の位置が傾斜により順次
変化する円周溝がその周面に形成された揺動溝カムを、
インキ練りローラと同期して回転させる。また、その中
央部付近に配設された支点を中心に揺動可能な揺動レバ
ーの一方の端部を前記揺動溝カムにおける円周溝と係合
させると共に、その他方の端部をインキ練りローラの端
部に配設された溝カムにおける円周溝と係合させる。そ
して、揺動溝カムの回転に伴う揺動レバーの揺動動作に
より、インキ練りローラをその軸線方向に往復移動させ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のインキ
供給装置においては、インキ練りローラにおける軸線方
向の往復移動量は一定となっている。このため、インキ
練りローラの往復移動に起因するインキの供給ムラが生
じた場合に、このインキの供給ムラを解消することが困
難となる。
【0004】特に、印刷版を装着した版胴の回転速度と
同期させて、インキ練りローラをその軸線方向に往復移
動させる構成をとる場合においては、インキ練りローラ
の往復移動量が一定であることから、インキ練りローラ
の往復移動速度と印刷速度との関係も常に一定となって
おり、インキ練りローラの往復移動速度と印刷速度との
関係から生ずるインキの供給ムラを解消させることはで
きないことになる。
【0005】この発明は上記課題を解決するためになさ
れたものであり、インキ練りローラの往復移動量を調整
可能とすることにより、インキの供給ムラを解消するこ
とができるインキ供給装置を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、インキ練りローラの端部を支点を中心に揺動する揺
動レバーの一端に連結することにより、前記インキ練り
ローラをその軸線方向に往復移動させてインキ練りを行
うインキ供給装置において、前記揺動レバーにおける支
点の位置を前記揺動レバーの長手方向に沿って移動させ
る支点位置調整機構を備えたことを特徴とする。
【0007】請求項2に記載の発明は、インキ練りロー
ラをその軸線方向に往復移動させてインキ練りを行うイ
ンキ供給装置において、回転駆動軸に配設され、当該回
転駆動軸に対する軸線方向の位置が順次変化する円周溝
がその周面に形成さた揺動溝カムと、その一方の端部が
前記揺動溝カムにおける円周溝と係合される共に、その
他方の端部が前記インキ練りローラの端部に連結され、
その中央部付近に配設された支点を中心に揺動する揺動
レバーと、前記支点の位置を、前記揺動レバーにおける
いずれか一方の端部に近接する方向に移動させる支点位
置調整機構とを備えたことを特徴とする。
【0008】請求項3に記載の発明は、複数のインキ練
りローラをその軸線方向に往復移動させてインキ練りを
行うインキ供給装置において、回転駆動軸に配設され、
当該回転駆動軸に対する軸線方向の位置が順次変化する
円周溝がその周面に形成さた揺動溝カムと、円周溝がそ
の周面に形成された溝カムがその端部に配設された第
1、第2のインキ練りローラと、その一方の端部が前記
揺動溝カムにおける円周溝と係合される共に、その他方
の端部が前記第1のインキ練りローラの端部に配設され
た溝カムにおける円周溝と係合され、その中央部付近に
配設された支点を中心に揺動する第1の揺動レバーと、
その一方の端部が前記第1のインキ練りローラの端部に
配設された溝カムにおける円周溝と係合される共に、そ
の他方の端部が前記第2のインキ練りローラの端部に配
設された溝カムにおける円周溝と係合され、その中央部
付近に配設された支点を中心に揺動する第2の揺動レバ
ーと、前記第1の揺動レバーの支点の位置を、前記第1
の揺動レバーにおけるいずれか一方の端部に近接する方
向に移動させる支点位置調整機構とを備えたことを特徴
とする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。図1はこの発明に係るインキ供
給装置を適用する印刷装置の側面概要図である。
【0010】この印刷装置は、第1、第2の版胴11、
12に保持された画像が記録されていない印刷版に画像
を記録して製版した後、この印刷版に供給されたインキ
を第1、第2のブランケット胴13、14を介して圧胴
15に保持された印刷用紙に転写することにより印刷を
行うものである。
【0011】この印刷装置は、図1において実線で示す
第1の印刷位置と二点鎖線で示す画像記録位置との間を
移動可能な第1の版胴11と、図1において実線で示す
第2の印刷位置と上記画像記録位置との間を移動可能な
第2の版胴12とを有する。
【0012】第1の印刷位置に移動した第1の版胴11
の周囲には、印刷版に例えばブラック(K)のインキを
供給するためのインキ供給装置20aと、印刷版に例え
ばマゼンタ(M)のインキを供給するためのインキ供給
装置20bと、印刷版に湿し水を供給するための湿し水
供給装置21a、21bとが配置されている。また、第
2の印刷位置に移動した第2の版胴12の周囲には、印
刷版に例えばシアン(C)のインキを供給するためのイ
ンキ供給装置20cと、印刷版に例えばイエロー(Y)
のインキを供給するためのインキ供給装置20dと、印
刷版に湿し水を供給するための湿し水供給装置21c、
21dとが配置されている。さらに、画像記録位置に移
動した第1の版胴11または第2の版胴12の周囲に
は、給版部23と、排版部24と、画像記録装置25
と、現像処理装置26とが配置されている。
【0013】また、この印刷装置は、第1の版胴11と
当接可能に設けられた第1のブランケット胴13と、第
2の版胴12と当接可能に設けられた第2のブランケッ
ト胴14と、第1、第2のブランケット胴13、14に
対して互いに異なる位置で当接可能に設けられた圧胴1
5と、給紙部27から供給された印刷用紙を圧胴15に
渡すための給紙胴16と、圧胴15から受け取った印刷
済の印刷用紙を排紙部28に排出するためのチェーン1
9を巻回した排紙胴17と、ブランケット洗浄装置29
とを有する。
【0014】上記第1、第2の版胴11、12は、それ
ぞれ図示しない版胴移動機構と連結されており、この版
胴移動機構の駆動により、上述した第1または第2の印
刷位置と画像記録位置との間を往復移動する。また、第
1の版胴11は、第1の印刷位置において第1のブラン
ケット胴13と同期して回転し、第2の版胴12は、第
2の印刷位置において第2のブランケット胴14と同期
して回転するよう構成されている。さらに、画像記録位
置近傍には、図示しない版胴回転機構が配設されてお
り、第1、第2の版胴11、12は、いずれも、画像記
録位置に移動した状態において、この版胴回転機構の駆
動により回転するよう構成されている。
【0015】画像記録位置に移動した第1の版胴11ま
たは第2の版胴12の周囲には、給版部23と排版部2
4とが配置されている。
【0016】給版部23には、画像が記録されていない
長尺ロール状の印刷版を光密な状態で収納する供給カセ
ット63と、この供給カセット63から引き出した印刷
版の先端部を第1の版胴11または第2の版胴12の表
面に案内するためのガイド部材64およびガイドローラ
65と、長尺の印刷版を切断してシート状の印刷版とす
るためのカッター66とが配設されている。また、第
1、第2の版胴11、12には、給版部23より供給さ
れた印刷版の先端部と後端部とをくわえるための図示し
ない一対のくわえ爪が配設されている。
【0017】排版部24は、印刷完了後に第1の版胴1
1または第2の版胴12上に保持された印刷版を剥がす
ための爪機構73と、爪機構73の作用により剥がされ
た印刷版を排出カセット68に搬送するためのコンベア
機構69と、この発明に係る印刷版収納装置としての排
出カセット68を有する。
【0018】給版部23における供給カセット63から
引き出された印刷版の先端部は、ガイドローラ65およ
びガイド部材64により案内され、第1の版胴11また
は第2の版胴12の一方のくわえ爪にくわえられる。そ
して、第1の版胴11または第2の版胴12が版胴回転
機構30の駆動により回転し、印刷版が第1の版胴11
または第2の版胴12の外周部に巻き付けられる。そし
て、カッター66で切断された印刷版の後端部は、他方
のくわえ爪によりくわえられる。この状態において、第
1の版胴11または第2の版胴12を低速で回転させな
がら、画像記録装置25により第1の版胴11または第
2の版胴12の外周部に保持された印刷版の表面に変調
されたレーザビームを照射し、画像を記録する。
【0019】なお、第1の版胴11の外周部に装着され
た印刷版Pには、画像記録装置25により、図2(a)
に示すように、ブラックのインキで印刷を行うための画
像領域67aと、マゼンタのインキで印刷を行うための
画像領域67bとが記録される。また、第2の版胴12
の外周部に装着された印刷版Pには、画像記録装置25
により、図2(b)に示すように、シアンのインキで印
刷を行うための画像領域67cと、イエローのインキで
印刷を行うための画像領域67dとが記録される。画像
領域67aと画像領域67bとは、第1の版胴11の外
周部に装着された状態において、均等に振り分けられた
状態(すなわち互いに180度離隔した状態)となる位
置に記録される。同様に、画像領域67cと画像領域6
7dとは、第2の版胴12の外周部に装着された状態に
おいて、均等に振り分けられた状態(すなわち互いに1
80度離隔した状態)となる位置に記録される。
【0020】再度図1を参照して、上述したように、第
1の印刷位置に移動した第1の版胴11の周囲には、イ
ンキ供給装置20aとインキ供給装置20bとが、ま
た、第2の印刷位置に移動した第2の版胴12の周囲に
は、インキ供給装置20cとインキ供給装置20dとが
配置されている。これらのインキ供給装置20a、20
b、20cおよび20d(これらを総称する場合には
「インキ供給装置20」という)は、各々、複数のイン
キローラ71とインキつぼ72とを有する。
【0021】インキ供給装置20a、20bのインキロ
ーラ71は、後述するカム241等の作用で揺動動作を
行う。そして、この揺動動作により、第1の版胴11の
外周部に保持した印刷版Pに形成された2個の画像領域
67a、67bのうちの画像領域67aにインキ供給装
置20aのインキローラ71が、また、画像領域67b
にインキ供給装置20bのインキローラ71が各々接触
することにより、各画像領域67a、67bにインキを
供給しうる構成となっている。また、同様に、インキ供
給装置20c、20dのインキローラ71も、後述する
カム241等の作用で揺動動作を行う。そして、この揺
動動作により、第2の版胴12の外周部に保持した印刷
版Pに形成された2個の画像領域67c、67dのうち
の画像領域67cにインキ供給装置20cのインキロー
ラ71が、また、画像領域67dにインキ供給装置20
dのインキローラ71が各々接触することにより、各画
像領域67c、67dにインキを供給しうる構成となっ
ている。
【0022】なお、インキ供給装置20の構成について
は、後程詳細に説明する。
【0023】湿し水供給装置21a、21b、21cお
よび21d(これらを総称する場合には「湿し水供給装
置21」という)は、上記インキ供給装置20により印
刷版Pにインキを供給する前に、印刷版Pに湿し水を供
給するものである。これらの湿し水装置21のうち、湿
し水供給装置21aは印刷版Pにおける画像領域67a
に、湿し水供給装置21bは印刷版Pにおける画像領域
67bに、湿し水供給装置21cは印刷版Pにおける画
像領域67cに、また、湿し水供給装置21dは印刷版
Pにおける画像領域67dに、各々湿し水を供給する。
【0024】画像記録位置に移動した第1の版胴11ま
たは第2の版胴12の下方には、現像処理装置26が配
設されている。この現像処理装置26は、現像部、定着
部および絞り部を有し、図1において二点鎖線で示す待
機位置と実線で示す現像処理位置との間を昇降可能に構
成されている。
【0025】この現像処理装置26によって画像記録装
置25により画像が記録された印刷版Pを現像処理する
場合においては、第1の版胴11または第2の版胴とと
もに回転する印刷版Pに対して、現像部、定着部および
絞り部を順次接触させる。
【0026】第1、第2の版胴11、12と当接可能に
設けられた第1、第2のブランケット胴13、14は、
第1、第2の版胴11、12と同一の直径を有し、その
外周部にはインキ転写用のブランケットが装着されてい
る。そして、この第1、第2のブランケット胴13、1
4は、第1、第2の版胴11、12および圧胴15に対
し、図示しない胴入れ機構により接離自在な構成となっ
ている。
【0027】第1、第2のブランケット胴13、14の
間に配設されたブランケット洗浄装置29は、巻き出し
ロールから複数の圧接ローラを介して巻き取りロールに
至る経路に貼張された長尺の洗浄布に洗浄液を供給し、
この洗浄布を第1、第2のブランケット胴13、14に
対して当接させた上、摺動させることにより、第1、第
2のブランケット胴13、14の表面を洗浄するもので
ある。
【0028】第1、第2のブランケット胴13、14と
当接可能に設けられた圧胴15は、第1、第2の版胴1
1、12および第1、第2のブランケット胴13、14
の直径の1/2の直径を有する。また、圧胴15は、印
刷用紙の先端を保持して搬送するための図示しないグリ
ッパを有する。
【0029】また、圧胴15に隣接して配設された給紙
胴16は、圧胴15と同一の直径を有する。この給紙胴
16は、往復移動する吸着盤74により給紙部27から
1枚ずつ供給された印刷用紙の先端部を図示しないグリ
ッパにより保持して搬送する。グリッパにより保持され
た印刷用紙の先端部は、給紙胴16から圧胴15への印
刷用紙の受け渡し時に、圧胴15のグリッパにより保持
される。
【0030】また、圧胴15に隣接して配設された排紙
胴17は、圧胴15と同一の直径を有する。この排紙胴
17は、その両端部に一対のチェーン19を巻回した構
造を有し、この一対のチェーン19を連結する図示しな
い連結部材上に、各々グリッパが配設されている。圧胴
15のグリッパにより保持された印刷用紙の先端部は、
圧胴15から排紙胴17への印刷用紙の受け渡し時に、
排紙胴17のいずれかのグリッパにより保持される。そ
して、この印刷用紙は、チェーン19の移動に伴って排
紙部28上に搬送されて排出される。
【0031】前記給紙胴16は、図示しないベルトを介
して駆動モータと連結されている。そして、給紙胴1
6、圧胴15、排紙胴17、第1、第2のブランケット
胴13、14は、各々その端部に付設された歯車により
連結されている。さらに、第1のブランケット胴13と
第1の印刷位置に移動した第1の版胴11、および、第
2のブランケット胴14と第2の印刷位置に移動した第
2の版胴12とは、その端部に付設された歯車により各
々連結されている。従って、図示しない駆動モータの駆
動により、これらの給紙胴16、圧胴15、排紙胴1
7、第1、第2のブランケット胴13、14、第1、第
2の版胴11、12は、互いに同期して回転する。
【0032】図3は、この印刷装置の主要な電気的構成
を示すブロック図である。この印刷装置は、装置の制御
に必要な動作プログラムが格納されたROM141と、
制御時にデータ等が一時的にストアされるRAM142
と、論理演算を実行するCPU143とからなる制御部
140を備える。この制御部は140は、インタフェー
ス144を介して、インキ供給装置20、画像記録装置
25、現像処理装置26、ブランケット洗浄装置29、
第1、第2のブランケット胴13、14の胴入れ機構等
における駆動部等の駆動信号を発生させる駆動回路14
5と接続されている。印刷装置はこの制御部140によ
り制御され、後述する製版動作および印刷動作を実行す
る。
【0033】次に、この発明に係るインキ供給装置20
aの構成について説明する。図4はインキ供給装置20
aを正面側からみた概要図であり、図5はインキ供給装
置20aを背面側からみた概要図である。なお、図5に
おいては、インキローラ71等の図示を省略している。
【0034】このインキ供給装置20aは、インキつぼ
72を構成するインキ元ローラ290と、第1の版胴1
1に装着された印刷版Pと当接することにより印刷版P
にインキを供給する3本のインキ着けローラ291、2
92、293と、その軸線方向に往復移動する揺動動作
によりインキ練りを行う3本のインキ練りローラ29
4、295、296と、インキ元ローラ290上のイン
キをインキ練りローラ296に転移させるためのインキ
呼び出しローラ297と、2本のインキ移しローラ29
8、299とを有する。なお、この明細書および図1に
おいて、これらのローラ290、291、292、29
3、294、295、296、297、298、299
を総称する場合には「インキローラ71」という。
【0035】上記インキローラ71およびインキつぼ7
2等を含むインキ供給装置20aは、左右一対の側板3
15に直接、または、間接的に支持されている。そし
て、この左右一対の側板315は、左右一対のエアシリ
ンダ316の駆動により、軸251を中心に図4および
図5において実線で示す位置と二点差線で示す位置との
間を揺動可能に構成されている。従って、インキ供給装
置20a全体が、左右一対のエアシリンダ316の駆動
により揺動することになる。
【0036】上述したインキローラ71のうち、インキ
着けローラ291は、軸301を中心に揺動する左右一
対のアーム302に軸支されている。また、このアーム
302は、左右一対のバネ303により、インキ着けロ
ーラ291が第1の版胴11に当接する方向(図4にお
ける反時計方向)に付勢されている。さらに、このアー
ム302には、後述するアーム揺動機構の解除カム30
4に当接する左右一対の当たり部材306が付設されて
いる。
【0037】また、インキ着けローラ292は、軸30
7を中心に揺動する左右一対のアーム308に軸支され
ている。また、このアーム308は、左右一対のバネ3
09により、インキ着けローラ292が第1の版胴11
に当接する方向(図4における反時計方向)に付勢され
ている。さらに、このアーム308には、後述するアー
ム揺動機構の解除カム305に当接する左右一対の当た
り部材311が付設されている。
【0038】さらに、インキ着けローラ293は、軸3
07を中心に揺動する左右一対のアーム312に軸支さ
れている。また、このアーム312は、左右一対のバネ
313により、インキ着けローラ293が第1の版胴1
1に当接する方向(図4における時計方向)に付勢され
ている。さらに、このアーム312には、後述するアー
ム揺動機構の解除カム305に当接する左右一対の当た
り部材314が付設されている。
【0039】前記インキ元ローラ290の軸317にお
ける背面側には、図5に示すように、モータに連結され
たギヤ318と噛合するギヤ319が付設されている。
このため、インキ元ローラ290は、モータの駆動を受
け回転する。また、インキ元ローラ290の軸317に
おける正面側には、ギヤ321が付設されている。
【0040】前記インキ呼び出しローラ297は、軸3
22を中心に揺動可能な略Y字状のアーム323に軸支
されている。このアーム323には、カムフォロワー3
25が付設されている。一方、インキ元ローラ290に
付設されたギヤ321に噛合することによりインキ元ロ
ーラ290と同期して回転するギヤ326の軸327に
は、カム328が付設されている。そして、アーム32
3は、バネ324により、カムフォロワー325がカム
328と当接する方向(図4に示す時計方向)に付勢さ
れている。このため、インキ呼び出しローラ297は、
インキ元ローラ290の回転に伴って、インキ元ローラ
290と当接する位置と、インキ練りローラ296に当
接する位置との間を往復移動する。
【0041】前記インキ練りローラ294、295、2
96は、その軸線方向に往復移動することによりインキ
練りを行うためのものである。これらのインキ練りロー
ラ294、295、296の背面側には、図5に示すよ
うに、ギヤ331、332、333が各々配設されてい
る。これらのギヤ331、332、333は、駆動伝達
ギヤ334、335、336を介して、軸251と同芯
状のギヤ249と連結されている。そして、このギヤ2
49は、図示しない駆動伝達ギヤを介して第1の版胴1
1の側面に配設されたギヤ51と連結されている。従っ
て、インキ練りローラ294、295、296は、これ
らのギヤ331、332、333、334、335、3
36および249により、第1の版胴11と同期して回
転するよう構成されている。
【0042】なお、インキ練りローラ294、295、
296を往復移動させるためのインキ練りローラ移動機
構については、後程詳細に説明する。
【0043】このインキ供給装置20aにおいては、イ
ンキつぼ72に貯留されたインキは、インキ元ローラ2
90からインキ呼び出しローラ297によってインキ練
りローラ296に転移され、インキ練りローラ294、
295、296およびインキ移しローラ298、299
により練られた後、インキ着けローラ291、292、
293を介して第1の版胴11に装着された印刷版Pに
供給される。
【0044】次に、インキ供給装置20aにおけるアー
ム揺動機構について説明する。図6および図7は、アー
ム揺動機構によるアーム302、308、312の揺動
動作を示す説明図であり、図8および図9はアーム揺動
機構の要部平面図である。
【0045】これらの図に示すように、前述した当たり
部材306に当接する解除カム304は軸337に固設
されており、当たり部材311および314に当接する
解除カム305は軸338に固設されている。これらの
軸337、338は、図6および図7に示す左右一対の
側板315に、回転自在に支持されている。また、軸3
37には、その先端に第1の版胴11に付設されたカム
241と当接するカムフォロワー341を有するアーム
342が固設されており、軸338には、その先端にカ
ム241と当接するカムフォロワー343を有するアー
ム344が固設されている。なお、図8および図9にお
いては、説明の便宜上、カムフォロワー341および3
43の奥側に配置されるべきカム241を、カムフォロ
ワー343の側方に図示している。
【0046】図10は、第1の版胴11に付設されたカ
ム241を示す側面図である。図10において実線で示
すカム241は、図2(a)に示すブラックのインキで
印刷を行うための画像領域67aと対応する角度位置と
は逆の、マゼンタのインキで印刷を行うための画像領域
67bと対応する角度位置において、第1の版胴11の
正面側に付設されている。
【0047】軸337および338の一端には、各々ベ
アリング345が配設されており、このベアリング34
5はエアシリンダ346に接続する連結部材347によ
り互いに連結されている。このため、軸337および3
38は、エアシリンダ346の駆動を受け、図8に示す
カムフォロワー341および343とカム241とが当
接可能な当接位置と、図9に示すカムフォロワー341
および343とカム241とが当接不可能な退避位置と
の間を、その軸線方向に同期して往復移動する。
【0048】また、軸337および338の他端には、
レバー351の両端部と係合可能な一対のストッパー3
48が配設されている。このレバー351は、図5に示
すように、ソレノイド352と連結部材353を介して
接続されており、ソレノイド352の駆動により軸34
9を中心に揺動可能となっている。
【0049】このような構成において、図6に示すよう
に、第1の版胴11に配設されたカム241とカムフォ
ロワー341および343とが当接していない状態にお
いては、上述した各アーム302、308、312は、
バネ303、309、313に付勢されて、そこに配設
された各インキ着けローラ291、292、293が第
1の版胴11の外周部に装着された印刷版Pの表面に当
接するインキ供給位置に配置されている。
【0050】この状態から第1の版胴11が回転し、第
1の版胴11に配設されたカム241がカムフォロワー
341と当接すれば、軸337に固設されたアーム34
2が、この軸337と共に回転する。この軸337の回
転に伴い、軸337に固設された解除カム304も軸3
37を中心として、図6に示す時計方向に回転する。そ
して、この解除カム304の回転により、アーム302
に付設された当たり部材306が解除カム304により
押圧され、アーム302は、そこに配設されたインキ着
けローラ291が印刷版の表面に当接するインキ供給位
置から、図7に示すように、第1の版胴11に装着され
た印刷版Pの表面から離隔した退避位置まで移動する。
【0051】この状態からさらに第1の版胴11が回転
し、第1の版胴11に配設されたカム241がカムフォ
ロワー343とも当接すれば、軸338に固設されたア
ーム344が、この軸338と共に回転する。この軸3
38の回転に伴い、軸338に固設された解除カム30
5も軸338を中心として、図6に示す時計方向に回転
する。そして、この解除カム305の回転により、アー
ム308および312に付設された当たり部材311お
よび314が順次解除カム304により押圧され、アー
ム308および312は、そこに配設されたインキ着け
ローラ292および293が印刷版Pの表面に当接する
インキ供給位置から、図7に示すように、印刷版Pの表
面から離隔した退避位置まで順次移動する。
【0052】一方、さらに第1の版胴11が回転し、第
1の版胴11に配設されたカム241とカムフォロワー
341および343との当接状態が順次解除されれば、
上記とは逆の動作により、各アーム302、308、3
12は、そこに配設されたインキ着けローラ291、2
92、293が印刷版Pの表面に当接するインキ供給位
置まで順次移動する。
【0053】ここで、上述したように、カム241は、
図2(a)に示すブラックのインキで印刷を行うための
画像領域67aと対応する角度位置とは逆の、マゼンタ
のインキで印刷を行うための画像領域67bと対応する
角度位置に配置されている。従って、各インキ着けロー
ラ291、292、293は、上述したアーム揺動機構
によるアーム302、308、312の揺動動作によ
り、ブラックのインキで印刷を行うための画像領域67
aの始端部付近において印刷版Pの表面上に降下し、こ
の画像領域67aの終端部付近において印刷版Pの表面
上から上昇する。
【0054】従って、上述した構成によれば、3本のイ
ンキ着けローラ291、292、293を印刷版Pの上
面に順次当接させてインキを供給することから、印刷版
Pにおける画像領域67aに、インキをムラなく十分に
供給することができ、また、ローラ等の昇降に伴う振動
により印刷精度を劣化することを防止することが可能と
なる。
【0055】なお、この印刷装置において、例えばブラ
ックのインキのみによる単色印刷を行う場合において
は、上述したインキ供給装置20aにより、図2(a)
に示す画像領域67aと67bとの両方にブラックのイ
ンキを供給する必要がある。この場合においては、エア
シリンダ346の作用により、図8に示すカムフォロワ
ー341および343とカム241とが当接可能な当接
位置から図9に示すカムフォロワー341および343
とカム241とが当接不可能な退避位置まで、軸337
および338をその軸線方向に移動させておく。
【0056】軸337および338が図9に示す位置に
配置された状態においては、図9に示すように、カムフ
ォロワー341および343とカム241との位相がず
れ、第1の版胴11の回転に伴うカム241の回転にか
かわらず、カムフォロワー341および343とカム2
41とは当接しない。従って、前記各アーム302、3
08、312は、各インキ着けローラ291、292、
293が印刷版Pの表面に当接するインキ供給位置に固
定されることになる。このため、このインキ供給装置2
0aのインキ着けローラ291、292、293によ
り、画像領域67aと67bとの両方にブラックのイン
キを供給することが可能となる。
【0057】また、この印刷装置において、上記とは逆
に、例えばマゼンタのインキのみによる単色印刷を行う
場合においては、上述したインキ供給装置20bによ
り、図2(a)に示す画像領域67aと67bとの両方
にマゼンタのインキを供給することになる。この場合に
おいては、第1の版胴11の回転に伴うカム241の回
転にかかわらず、インキ供給装置20aの各インキ着け
ローラ291、292、293を印刷版Pの表面から離
隔させておく必要がある。
【0058】この場合においては、上述したレバー35
1をソレノイド352の駆動により揺動させ、レバー3
51の両端部を軸337、338に固設されたストッパ
ー348に係合させる。このような状態においては、第
1の版胴11の回転に伴ってカムフォロワー341およ
び343がカム241から離隔することにより、軸33
7および338がもとの角度位置に復帰しようとして
も、これらの軸337および338に固設された一対の
ストッパー348がレバー351により固定されている
ことから、軸337および338の回転は防止される。
従って、各アーム302、308、312は退避位置に
固定されたままとなり、第1の版胴11の回転に伴うカ
ム241の回転にかかわらず、各インキ着けローラ29
1、292、293は印刷版Pの表面から離隔すること
になる。
【0059】従って、例えばマゼンタのインキのみによ
る単色印刷を行う場合において、インキ供給装置20a
の各インキ着けローラ291、292、293と図2
(a)に示す画像領域67aと67bとの当接を防止
し、画像領域67a、67bの両方にインキ供給装置2
0aからマゼンタのインキのみを供給することが可能と
なる。
【0060】次に、上述したインキ練りローラ294、
295、296を往復移動させるためのインキ練りロー
ラ移動機構の構成について説明する。図11はインキ供
給装置20aにおけるインキ練りローラ移動機構を正面
側から見た概要図であり、図12はその軸展開図であ
る。
【0061】これらの図に示すように、各インキ練りロ
ーラ294、295、296は、各々の軸301、30
7、359をその軸線方向(図12における左右方向)
に移動可能な状態で、側板315に支持されている。ま
た、各インキ練りローラ294、295、296におけ
る軸301、307、359の端部には、円周溝がその
周面に形成された溝カム356、357、358が配設
されている。さらに、インキ練りローラ296の軸35
9には、ギヤ355が付設されている。
【0062】また、側板315に配設された軸361に
は、ギヤ355と噛合するギヤ354が付設されてい
る。また、この軸361には、揺動溝カム362が配設
されている。この揺動溝カム362の周面には、軸36
1に対する軸線方向の位置が順次変化する円周溝、すな
わち、軸361と直行する平面に対して傾斜する領域を
有するループ状の溝が形成されている。
【0063】溝カム356と溝カム357との間には、
側板315上に配設された支点としての支点ピン367
を中心に揺動する揺動レバー366が配設されている。
この揺動レバー366の一端に付設されたベアリング3
81は、溝カム356の円周溝内に配置されており、揺
動レバー366の他端に付設されたベアリング382
は、溝カム357の円周溝内に配置されている。
【0064】また、溝カム357と溝カム358との間
には、側板315上に配設された支点としての支点ピン
368を中心に揺動する揺動レバー365が配設されて
いる。この揺動レバー365の一端に付設されたベアリ
ング383は、溝カム357の円周溝内に配置されてお
り、揺動レバー365の他端に付設されたベアリング3
84は、溝カム358の円周溝内に配置されている。
【0065】さらに、溝カム358と揺動溝カム362
との間には、側板315上に配設された支点としての支
点ピン369を中心に揺動する揺動レバー364が配設
されている。この揺動レバー364の一端に付設された
ベアリング385は、溝カム358の円周溝内に配置さ
れており、揺動レバー364の他端に付設されたベアリ
ング386は、揺動溝カム362の円周溝内に配置され
ている。また、揺動レバー364の支点としての支点ピ
ン369は、この支点ピン369の位置を移動させるた
めの支点位置調整機構363と連結されている。
【0066】図13は、この支点位置調節機構363付
近を拡大して示す概要図である。
【0067】上述した揺動レバー364の支点としての
支点ピン369は、支点ピンガイド387に付設された
揺動軸受388により回転自在に支持された状態で、揺
動レバー364に穿設された長穴391を貫通してい
る。また、この支点ピンガイド387は、そこに穿設さ
れた長穴392を貫通する一対のネジ389により揺動
レバー364に固定されている。このため、一対のネジ
389を緩めた状態においては、支点ピン369は、長
穴391内において、支点ピンガイド387および揺動
軸受388と共に、揺動レバー364の長手方向に移動
可能となっている。
【0068】図12に示すように、上記揺動軸受388
には、取り付け板393が付設されている。この取り付
け板393は、調整ネジ394を介して側板315に固
定された調整ブロック395と連結されている。このた
め、調整ネジ394を回転することにより、揺動軸受3
88を微動させることが可能となる。
【0069】次に、上述したインキ供給装置20aにお
けるインキ練り動作について説明する。
【0070】上述したように、インキ練りローラ29
4、295、296の背面側には、図5に示すように、
ギヤ331、332、333が各々配設されており、こ
れらのギヤ331、332、333は、駆動伝達ギヤ3
34、335、336を介して、軸251と同芯状のギ
ヤ249と連結されている。そして、このギヤ249
は、図示しない駆動伝達ギヤを介して第1の版胴11の
側面に配設されたギヤ51と連結されている。従って、
インキ練りローラ294、295、296は、これらの
ギヤ331、332、333、334、335、336
および249により、第1の版胴11と同期して回転す
る。
【0071】このインキ練りローラ296の回転が、図
4および図12に示すギヤ355および354を介して
軸361に伝達されることにより、揺動溝カム362も
インキ練りローラ296と同期して回転する。この揺動
溝カム362の回転により、その一端に付設されたベア
リング386が揺動溝カム362の円周溝内に配置され
た揺動レバー364は、支点ピン369を中心として揺
動する。
【0072】揺動レバー364の揺動に伴い、揺動レバ
ー364の他端に付設されたベアリング385をその円
周溝内に配置された溝カム358は、ベアリング385
により押圧される。これにより、インキ練りローラ29
6は、溝カム358と共に、その軸線方向に往復移動す
ることとなる。
【0073】なお、インキ練りローラ296の往復移動
に伴い、インキ練りローラ296の軸359に付設され
たギヤ355も往復移動する。この場合においても、こ
の往復移動のストロークはギヤ355の歯幅より小さく
なっている。このため、ギヤ355の往復移動時におい
ても、ギヤ355とギヤ354との噛合関係が解除され
ることはない。これは、後述するインキ練りローラ29
4、295におけるギヤ331、332についても同様
である。
【0074】上述した溝カム358の往復移動により、
その一端に付設されたベアリング384が揺動溝カム3
58の円周溝内に配置された揺動レバー365は、支点
ピン368を中心として揺動する。この揺動レバー36
5の揺動に伴い、揺動レバー365の他端に付設された
ベアリング383をその円周溝内に配置された溝カム3
57は、ベアリング383により押圧される。これによ
り、インキ練りローラ295は、溝カム357と共に、
その軸線方向に往復移動する。なお、インキ練りローラ
295の移動方向は、インキ練りローラ296の移動方
向と常に逆方向となる。
【0075】さらに、上述した溝カム357の往復移動
により、その一端に付設されたベアリング382が揺動
溝カム357の円周溝内に配置された揺動レバー366
は、支点ピン367を中心として揺動する。この揺動レ
バー366の揺動に伴い、揺動レバー366の他端に付
設されたベアリング381をその円周溝内に配置された
溝カム356は、ベアリング381により押圧される。
これにより、インキ練りローラ294は、溝カム356
と共に、その軸線方向に往復移動する。なお、インキ練
りローラ294の移動方向は、インキ練りローラ295
の移動方向と常に逆方向となる。
【0076】従って、各インキ練りローラ294、29
5、296は、第1の版胴11の回転と同期して、回転
しながらその軸線方向に往復移動する。このため、イン
キ呼び出しローラによってインキ練りローラ296に転
移されたインキは、インキ練りローラ294、295、
296とインキ移しローラ298、299およびインキ
着けローラ291、292、293との間で練られた
後、インキ着けローラ291、292、293を介して
第1の版胴11に装着された印刷版Pに供給される。
【0077】このようなインキ供給装置20aにおい
て、例えばインキ練りローラ294、295、296の
往復移動に起因にするインキの供給ムラが発生した場合
においては、各インキ練りローラ294、295、29
6の軸線方向の往復移動量を調整する。この往復移動量
の調整は、以下のようにして行われる。
【0078】すなわち、支点ピンガイド387における
一対のネジ389を緩めた状態で、調整ネジ394を回
転することにより、支点ピン369を支点ピンガイド3
87および揺動軸受388と共に、揺動レバー364の
長手方向に微動させた後、一対のネジ389を再度締め
付ける。これにより、揺動レバー364における長穴3
91内で支点ピン369が移動し、揺動レバー364に
対して、その支点としての支点ピン369の位置が移動
することになる。
【0079】揺動レバー364の支点としての支点ピン
369の位置が移動すれば、揺動レバー364の両端部
の移動量が変化する。より具体的には、支点ピン369
をベアリング385に近接する方向に移動させた場合に
おいては、揺動レバー364の揺動に伴い、揺動レバー
364の一端に付設されたベアリング385の往復移動
量は小さくなり、他端に付設されたベアリング386の
揺動量は大きくなる。また、支点ピン369をベアリン
グ386に近接する方向に移動させた場合においては、
揺動レバー364の揺動に伴い、揺動レバー364の一
端に付設されたベアリング385の往復移動量は大きく
なり、揺動レバー364の他端に付設されたベアリング
386の往復移動量は小さくなる。
【0080】このため、揺動レバー364の支点として
の支点ピン369をベアリング385に近接する方向に
移動させた場合においては、インキ練りローラ296の
軸線方向の往復移動量は小さくなる。これに伴って、こ
のインキ練りローラ296と揺動レバー365、366
等を介して連結されたインキ練りローラ294、295
の往復移動量も小さくなる。一方、揺動レバー364の
支点としての支点ピン369をベアリング386に近接
する方向に移動させた場合においては、インキ練りロー
ラ296の軸線方向の往復移動量は大きくなる。これに
伴って、このインキ練りローラ296と揺動レバー36
5、366等を介して連結されたインキ練りローラ29
4、295の往復移動量も大きくなる。
【0081】従って、揺動レバー364の支点としての
支点ピン369の位置を調整することで、インキ練りロ
ーラ294、295、296の往復移動量を変化させる
ことができ、インキ練りローラの往復移動に起因にする
インキの供給ムラが発生した場合に、各インキ練りロー
ラ294、295、296の軸線方向の往復移動量を調
整してこのインキの供給ムラを解消することが可能とな
る。
【0082】なお、上述した実施の形態においては、そ
の一端に付設されたベアリング386を揺動溝カム36
2の円周溝内に配置した揺動レバー364に対し、その
支点としての支点ピン369の位置を移動させる支点位
置調整機構363を配設している。このため、単一の支
点位置調整機構363により複数のインキ練りローラ2
94、295、296の往復移動量を変更することがで
きる。しかしながら、この支点位置調整機構363を、
揺動レバー365または366に対して配設してもよ
い。また、全ての揺動レバー364、365、366に
対してこの支点位置調整機構363を配設することによ
り、各インキ練りローラ294、295、296の往復
移動量を個別に調整しうるようにしてもよい。
【0083】また、上述した実施の形態においては、各
揺動レバー364、365、366の端部と各インキ練
りローラ294、295、296の端部とを係合するた
めに、円周溝がその周面に形成された溝カム356、3
57、358を使用している。しかしながら、各揺動レ
バー364、365、366の端部と各インキ練りロー
ラ294、295、296の端部とを、各インキ練りロ
ーラ294、295、296が回転かつ往復移動可能に
係合しうる機構であれば、例えばユニバーサルジョイン
ト等の、その他の係合機構を使用してもよい。
【0084】さらに、上述した実施の形態においては、
揺動溝カム362の駆動をインキ練りローラ296から
得ているが、他の駆動源により揺動溝カム362を回転
させる構成としてもよい。
【0085】次に、上述した印刷装置による製版および
印刷動作について説明する。図14は、この印刷装置に
よる製版および印刷動作の概要を示すフローチャートで
ある。なお、この印刷および製版動作は、印刷用紙にイ
エロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のインキで
多色印刷を行う場合のものである。
【0086】まず、第1、第2の版胴11、12上にお
いて印刷版Pに画像を記録し、現像処理を行う製版工程
を実行する(ステップS1)。この製版工程は、サブル
ーチンとしての図15のフローチャートに示す工程に従
って実行される。
【0087】すなわち、最初に第1の版胴11を、図1
において二点鎖線で示す画像記録位置に移動させる(ス
テップS11)。
【0088】次に、第1の版胴11の外周に印刷版Pを
供給する(ステップS12)。この印刷版Pの供給は、
供給カセット63から引き出した印刷版Pの先頭部とカ
ッター66で切断された印刷版Pの後端部とを図示しな
い一対のくわえ爪でくわえることにより実行される。
【0089】続いて、第1の版胴11の外周に保持され
た印刷版Pに画像を記録する(ステップS13)。この
画像の記録は、第1の版胴11を低速で回転させるとと
もに、画像記録装置25から第1の版胴11の外周に保
持された印刷版Pに変調されたレーザビームを照射する
ことにより実行される。
【0090】次に、画像が記録された印刷版Pを現像処
理する(ステップS14)。この現像処理は、現像処理
装置26を図1において二点鎖線で示す待機位置から実
線で示す現像処理位置まで上昇させた後、第1の版胴1
1とともに回転する印刷版Pに対して、現像部、定着部
および絞り部を順次接触させることにより実行される。
【0091】上記現像処理が終了すれば、第1の版胴1
1を図1において実線で示す第1の印刷位置まで移動さ
せる(ステップS15)。
【0092】続いて、上記ステップS11〜15と同様
の動作により、第2の版胴12の外周に保持される印刷
版Pに対する製版工程を実行する(ステップS16〜2
0)。 そして、第1、第2の版胴11、12の外周に
保持される印刷版Pへの製版が終了すれば、製版工程を
終了する。
【0093】再度図14を参照して、製版工程が完了す
れば、第1、第2の版胴11、12上の印刷版Pを用い
て印刷用紙に印刷を行う印刷工程を実行する(ステップ
S2)。この印刷工程は、次のようにして実行される。
【0094】すなわち、先ず、各湿し水供給装置21お
よび各インキ供給装置20を第1、第2の版胴11、1
2上に保持された印刷版Pのうちの対応する画像領域と
のみ当接させる。これにより、各画像領域67a、67
b、67c、67dには対応する各湿し水供給装置21
および各インキ供給装置20から湿し水とインキとが供
給される。そして、印刷版Pに供給されたインキは、第
1、第2のブランケット胴13、14の対応する領域に
転写される。
【0095】そして、印刷用紙を給紙胴16に供給す
る。この印刷用紙は、給紙胴16から圧胴15に渡され
る。この状態で、圧胴15が回転を続けると、圧胴15
は、第1、第2の版胴11、12および第1、第2のブ
ランケット胴13、14の1/2の直径を有することか
ら、圧胴15の外周部に保持された印刷用紙には、その
1回転目においてブラックとシアンのインキが、また、
その2回転目においてマゼンタとイエローのインキが転
写される。
【0096】このようにして、4色の印刷が終了した印
刷用紙の先端部は、圧胴15から排紙胴17に渡され
る。そして、4色の印刷が終了した印刷用紙は、一対の
チェーン19の駆動により、排紙胴17のグリッパとと
もに排紙部28上まで搬送されて排出される。
【0097】印刷工程が終了すれば、印刷に使用した印
刷版Pを排出する(ステップS3)。この印刷版Pの排
出を行うためには、最初に第1の版胴11を、図1にお
いて二点鎖線で示す画像記録位置に移動させる。そし
て、第1の版胴11を反時計回りに回転させるととも
に、第1の版胴11上に保持された印刷版Pの端部を爪
機構73により剥がした後、この印刷版Pをコンベア機
構69により案内して、排出カセット68内に排出す
る。そして、第1の版胴11を第1の印刷位置に復帰さ
せた後、第2の版胴12を第2の印刷位置から画像記録
位置に移動させ、上記同様の動作を実行することによ
り、第2の版胴12上に保持された印刷版Pを排出カセ
ット68内に排出する。
【0098】印刷版Pの排出工程が完了すれば、ブラン
ケット胴洗浄装置29により第1、第2のブランケット
胴13、14を洗浄する(ステップS4)。
【0099】第1、第2のブランケット胴13、14の
洗浄が終了すれば、さらに別の印刷物の印刷作業を行う
か否かを確認する(ステップS5)。他の印刷作業を行
う場合には、ステップ1〜4の動作を繰り返す。
【0100】印刷作業が終了した場合には、インキの洗
浄を行う(ステップS6)。このインキの洗浄は、各イ
ンキ供給装置20に配設された図示しないインキ洗浄装
置により、各インキ供給装置20におけるインキローラ
71やインキつぼ72に付着するインキを除去および洗
浄することにより実行される。
【0101】インキの洗浄工程が終了すれば、全ての工
程を完了する。
【0102】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、揺動レ
バーにおける支点の位置を揺動レバーの長手方向に沿っ
て移動させる支点位置調整機構を備えたことから、イン
キ練りローラの往復移動量を調整することが可能とな
る。このため、インキ練りローラの往復移動に起因する
インキの供給ムラが生じた場合には、インキ練りローラ
の往復移動量を調整することにより、このインキの供給
ムラを解消することが可能となる。
【0103】請求項2に記載の発明によれば、揺動溝カ
ムにより揺動する揺動レバーの支点の位置を、揺動レバ
ーにおけるいずれか一方の端部に近接する方向に移動さ
せる支点位置調整機構を備えたことから、インキ練りロ
ーラの往復移動量を調整することが可能となる。このた
め、インキ練りローラの往復移動に起因するインキの供
給ムラが生じた場合には、インキ練りローラの往復移動
量を調整することにより、このインキの供給ムラを解消
することが可能となる。
【0104】請求項3に記載の発明によれば、一方の端
部が揺動溝カムと係合される共に他方の端部が第1のイ
ンキ練りローラの端部に配設された溝カムと係合された
第1の揺動レバーと、一方の端部が第1のインキ練りロ
ーラの端部に配設された溝カムと係合される共にその他
方の端部が第2のインキ練りローラの端部に配設された
溝カムと係合され第2の揺動レバーと、第1の揺動レバ
ーの支点の位置を第1の揺動レバーにおけるいずれか一
方の端部に近接する方向に移動させる支点位置調整機構
とを備えたことから、第1の揺動レバーの支点の位置を
調整するのみで、第1のインキ練りローラと第2のイン
キ練りローラとの往復移動量を一度に調整することが可
能となる。このため、これらのインキ練りローラの往復
移動に起因するインキの供給ムラが生じた場合には、こ
れらのインキ練りローラの往復移動量を調整することに
より、このインキの供給ムラを解消することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るインキ供給装置を適用する印刷
装置の側面概要図である。
【図2】印刷版P上における画像領域67の配置を示す
説明図である。
【図3】印刷装置の主要な電気的構成を示すブロック図
である。
【図4】インキ供給装置20aを正面側からみた概要図
である。
【図5】インキ供給装置20aを背面側からみた概要図
である。
【図6】アーム揺動機構によるアーム302、308、
312の揺動動作を示す説明図である。
【図7】アーム揺動機構によるアーム302、308、
312の揺動動作を示す説明図である。
【図8】アーム揺動機構の要部平面図である。
【図9】アーム揺動機構の要部平面図である。
【図10】第1の版胴11に付設されたカム241を示
す側面図である。
【図11】インキ供給装置20aにおけるインキ練りロ
ーラ移動機構を正面側から見た概要図である。
【図12】図11の軸展開図である。
【図13】支点位置調節機構363付近を拡大して示す
概要図である。
【図14】印刷装置による製版および印刷動作の概要を
示すフローチャートである。
【図15】製版工程を示すフローチャートである。
【符号の説明】
11 第1の版胴 12 第2の版胴 13 第1のブランケット胴 14 第2のブランケット胴 15 圧胴 16 給紙胴 17 排紙胴 20 インキ供給装置 21 湿し水供給装置 23 給版部 24 排版部 25 画像記録装置 26 現像処理装置 27 給紙部 28 排紙部 71 インキローラ 290 インキ元ローラ 291 インキ着けローラ 292 インキ着けローラ 293 インキ着けローラ 294 インキ練りローラ 295 インキ練りローラ 296 インキ練りローラ 297 インキ呼び出しローラ 298 インキ移しローラ 299 インキ移しローラ 356 溝カム 357 溝カム 358 溝カム 362 揺動溝カム 363 支点位置調整機構 364 揺動アーム 365 揺動アーム 366 揺動アーム 367 支点ピン 368 支点ピン 369 支点ピン 387 支点ピンガイド 388 揺動軸受 P 印刷版 S 印刷用紙

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インキ練りローラの端部を支点を中心に
    揺動する揺動レバーの一端に連結することにより、前記
    インキ練りローラをその軸線方向に往復移動させてイン
    キ練りを行うインキ供給装置において、 前記揺動レバーにおける支点の位置を前記揺動レバーの
    長手方向に沿って移動させる支点位置調整機構を備えた
    ことを特徴とするインキ供給装置。
  2. 【請求項2】 インキ練りローラをその軸線方向に往復
    移動させてインキ練りを行うインキ供給装置において、 回転駆動軸に配設され、当該回転駆動軸に対する軸線方
    向の位置が順次変化する円周溝がその周面に形成さた揺
    動溝カムと、 その一方の端部が前記揺動溝カムにおける円周溝と係合
    される共に、その他方の端部が前記インキ練りローラの
    端部に連結され、その中央部付近に配設された支点を中
    心に揺動する揺動レバーと、 前記支点の位置を、前記揺動レバーにおけるいずれか一
    方の端部に近接する方向に移動させる支点位置調整機構
    と、 を備えたことを特徴とするインキ供給装置。
  3. 【請求項3】 複数のインキ練りローラをその軸線方向
    に往復移動させてインキ練りを行うインキ供給装置にお
    いて、 回転駆動軸に配設され、当該回転駆動軸に対する軸線方
    向の位置が順次変化する円周溝がその周面に形成さた揺
    動溝カムと、 円周溝がその周面に形成された溝カムがその端部に配設
    された第1、第2のインキ練りローラと、 その一方の端部が前記揺動溝カムにおける円周溝と係合
    される共に、その他方の端部が前記第1のインキ練りロ
    ーラの端部に配設された溝カムにおける円周溝と係合さ
    れ、その中央部付近に配設された支点を中心に揺動する
    第1の揺動レバーと、 その一方の端部が前記第1のインキ練りローラの端部に
    配設された溝カムにおける円周溝と係合される共に、そ
    の他方の端部が前記第2のインキ練りローラの端部に配
    設された溝カムにおける円周溝と係合され、その中央部
    付近に配設された支点を中心に揺動する第2の揺動レバ
    ーと、 前記第1の揺動レバーの支点の位置を、前記第1の揺動
    レバーにおけるいずれか一方の端部に近接する方向に移
    動させる支点位置調整機構と、 を備えたことを特徴とするインキ供給装置。
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