JPH119875A - ミシンの給油装置 - Google Patents

ミシンの給油装置

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Publication number
JPH119875A
JPH119875A JP17264597A JP17264597A JPH119875A JP H119875 A JPH119875 A JP H119875A JP 17264597 A JP17264597 A JP 17264597A JP 17264597 A JP17264597 A JP 17264597A JP H119875 A JPH119875 A JP H119875A
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JP
Japan
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oil
sewing machine
tank
refueling
air
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Application number
JP17264597A
Other languages
English (en)
Inventor
Takayuki Shiina
隆行 椎名
Toshiaki Kasuga
俊明 春日
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Juki Corp
Original Assignee
Juki Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストで簡単に設置することができ、ミシ
ン本体の動作とは独立して給油を行うことが可能で、高
い給油能力を容易に得ることができるミシンの給油装置
を提供する。 【解決手段】 給油タンク21a内に、コンプレッサー
からエアーパイプ31a、31bおよび調節バルブ34
を通じて空気を送り込むことによって、弁50が閉鎖さ
れ、給油タンク21a内が加圧される。これによって、
油40が給油タンク21aから押し出され、給油パイプ
41a、41bを通って油溜り120に給油が行われ、
さらに油芯125…によって、油溜り120からミシン
の各部に給油が行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ミシンに給油を行
う給油装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ミシンの機構には、動作の激しい部分
等、潤滑油を必要とする部分が数多くあり、潤滑油が不
足すると焼き付き等の異常が発生する。このため、これ
らの部分に絶えず給油が行われるように、多くのミシン
は給油機構を備えている。一般に、ミシン各部へ給油を
行う給油機構は、図8に示すように油溜り120と油芯
125,125,…によって構成される。油溜り120
にはミシン各部に給油するための油が貯蔵される。油芯
125,125,…は、フェルト等の素材によってな
り、一端を油溜り120内の油に浸されているので、油
溜り120内の油が油芯125,125,…の先端まで
浸透する。油芯125,125,…は途中で分岐しなが
らミシン各部に伸び、その先端はミシン頭部130の針
棒、前軸受け180、ミシン後部の後軸受け140、ミ
シン下部の駆動部や釜150,150等、給油を必要と
する箇所に達し、油芯125,125,…の先端から油
が染み出すことによって、ミシン各部に給油が行われ
る。ミシン各部で消費される油の量は少量であるが、油
芯125,125…からは常に油が染み出しているた
め、余分な油が次第にミシンの各部から下に落ちる。こ
の流下した油はミシンのケーシング160の底部161
に集められ、底部161に設けられたドレン110から
排出されて、油回収タンク112に回収される。油回収
タンク112内の油は、ひどい汚れや品質の劣化などの
問題があれば廃棄され、再度の使用が可能であれば、油
溜り120に給油される。
【0003】以上のように、油溜り120に貯められた
油は特に動力を与えなくてもミシン各部に給油されるの
で、ミシンに絶えず給油を行うためには、油溜り120
内に油を補給する作業を行えば良い。従来は手差し給
油、つまり油溜り120に手作業で油を補給することが
多かったが、手差し給油の場合、給油をすると手が汚れ
て縫製作業に支障をきたすなど不便な点が多い。このた
め、油溜り120に自動的に給油を行う給油装置が用い
られるようになった。
【0004】これまで用いられてきた給油装置として
は、例えばプランジャポンプ等のポンプを設け、ミシン
の主軸の回転によってこのポンプを駆動して、ミシンの
下方に設けられたタンク(図示省略)から油を吸引する
などして汲み上げて、油溜り120に給油するものがあ
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
給油装置は、ミシンの主軸が回転することでポンプが駆
動されるため、ポンプの動作がミシンの主軸の回転数や
回転の仕方に影響され、給油される油の量が安定しない
という問題があった。即ち、ミシンの主軸の回転に伴っ
てポンプが動くため、例えば、ミシンの主軸が高速回転
を続ける場合と、低速で短時間の回転を繰り返す場合と
では給油される油の量が異なるという問題があった。ま
た、ミシンの主軸が回転しているとき、即ちミシンの使
用中しか給油ができないという問題があった。例えば、
長期間使用されていないミシンは、油が下に落ちてしま
い、各部の機構で潤滑油が不足している。従って、この
ミシンを作動させる際は、まず給油を行ってから作動さ
せることが望ましいが、ポンプを動かすためには主軸を
回転させる必要があるので、先に給油を行うことはでき
なかった。
【0006】ここで、ポンプの駆動源をミシンから独立
させて、例えばモーター等を新たに設けてポンプを駆動
する構成とすれば、上記の問題の解決が可能である。し
かしながら、ポンプの駆動源を独立して設けるとコスト
が非常に高くなってしまうという欠点があった。また、
上記の給油装置はポンプ等で油を上方に汲み上げるの
で、油の粘度によって給油される量が異なるという欠点
があった。つまり、同じようにポンプが回転しても、粘
性の高い油に比べて粘性の低い油は多量に汲み上げられ
てしまい、給油される量が安定しなかった。
【0007】この発明は、上記実状に鑑みてなされたも
ので、低コストで簡単に設置することができ、ミシン本
体の動作とは独立して給油を行うことが可能で、容易に
高い給油能力を得ることができるミシンの給油装置を提
供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1記載の発明は、油を貯蔵するタンク部と、
このタンク部内に空気を送入して加圧する圧縮装置と、
前記タンク部から油を送出する流路とを備え、前記タン
ク部内の加圧により、油を前記ミシンの給油箇所に給油
することを特徴とする構成とした。
【0009】この請求項1記載の発明によれば、油を貯
蔵するタンク部に圧縮装置により空気を送入して加圧す
ることで、油が上記流路を通ってミシンの給油箇所まで
圧送されて、液状の油がミシンの給油箇所に給油され
る。即ち、ミシンへの給油が圧縮装置の送入により行わ
れ、ミシンの駆動とは独立して行われる。従って、ミシ
ンの駆動と連動して給油を行っていた従来のミシンの給
油装置にあった、給油される油の量がミシンの主軸の回
転の影響を受けるといった問題や、ミシンが停止してい
る状態で給油を行うことができないといった問題が解消
され、さらに、給油される油の量は、圧縮装置によって
タンク部に送入される空気の量にほぼ対応し、油の粘度
に影響されずに安定した給油ができるといった効果が得
られる。また、本発明のミシンの給油装置は、簡単な構
造で実現可能であり、低コストで設置することができ
る。さらに、ミシンの駆動と独立して給油を行わせる場
合、例えば、ミシンの駆動系と独立した別の駆動装置
(モータやプランジャポンプ等)を設けて行うことも考
えられるが、本発明では、給油を行う駆動系として圧縮
装置による空気送入を用いているので、製造・開発コス
トの低減、駆動制御の容易さ等を図ることができる。な
お、工業用ミシン等では布押えの上げ下げや布の移動な
どの駆動系に圧縮装置による空気送入を用いていること
が多く、このような圧縮装置を用いたミシンに本発明を
適用すれば、圧縮装置を兼用することができるので、確
実に製造コストや駆動制御の容易さを図ることができ
る。
【0010】ここで、ミシンの給油箇所とは、例えば、
ミシンの各部の機構そのものであっても良いし、或い
は、ミシンの各部に伸びる油芯を備えた油溜りの様なも
のであっても良い。
【0011】請求項2記載の発明は、請求項1に記載の
ミシンの給油装置であって、前記タンク部の内側から外
側に通じる貫通孔と、この貫通孔を開閉可能な弁とを備
え、前記弁は、前記タンク部に空気が送入されていない
ときに開放され、空気が送入されたときに閉鎖されるこ
とを特徴とする構成とした。
【0012】この請求項2記載の発明によれば、タンク
部に設けられた貫通孔に、開閉可能な弁が設けられてい
るので、例えばタンク部内の空気が膨張あるいは収縮す
るような場合にも、弁を通してタンク部内外の空気が出
入りするので、タンク部の内圧が変化することがなく、
安定した給油を行うことができる。さらに、この弁は、
圧縮装置によってタンク部内に空気が送り込まれている
間は閉鎖され、空気が送り込まれていないときには開放
される構成であるので、弁の開放、閉鎖の切り換え作業
をしなくてもよい。
【0013】請求項3記載の発明は、請求項1または2
に記載のミシンの給油装置であって、前記タンク部内に
は、前記タンク部内の油に浮かぶ浮き子と、前記流路と
連通し前記流路に油を送出する送出孔とを備え、前記タ
ンク部内の油が少なくなった場合に、前記浮き子が前記
送出孔を塞ぐことを特徴とする構成とした。
【0014】この請求項3記載の発明によれば、油面に
浮かぶ浮き子と、浮き子によって閉鎖される送出孔を備
えているので、タンク部内の油が減って残り少なくなる
と、浮き子が送出孔を閉鎖して、給油を停止することが
できる。一般に、タンク部内の油が非常に少ない状態で
タンク部内に空気が送入されると、空気と油が混ざった
状態で給油が行われ、タンク部内や流路内等で油が泡立
ち、霧状あるいは煙状の油が発生する。すると、ミシン
本体の隙間から霧状あるいは煙状の油が漏れてミシン周
辺や布地を汚す恐れがある。このため、作業者がタンク
部内の油の残量に注意する必要があるが、タンク部内の
油が少なくなった時点で自動的に給油が停止されれば、
霧状あるいは煙状の油の発生を防ぎ、油の飛散によるミ
シン周辺部や布地の汚損を防止することができる。
【0015】また、例えばミシン本体の上部に油溜りを
設け、流路としてパイプを用い、流路の先端が油溜りに
向かって開口している場合には、タンク部内から油と空
気が混ざった状態で給油が行われると、流路の先端部か
ら油が勢いよく吹き出して、ミシン内部およびミシン周
辺部に油が飛散し、さらに油溜りから油が溢れる恐れが
ある。しかし、タンク部内の油が残り少なくなった時点
で給油を停止すれば、これを防止することができる。
【0016】例えば、浮き子の下部に突起を備え、送出
孔に突起がはめ込まれるような形状とすれば、油の減少
とともに浮き子が下方に移動する。ここで、油が少なく
なった場合とは、突起が送出孔に十分嵌入する程度に油
が減少した場合を指す。
【0017】また、例えば、浮き子の形状は球形であっ
ても良いし、送出孔がタンク部の底面に設けられていて
も、或いはタンク部の側面に設けられていても良い。
【0018】請求項4記載の発明は、請求項1から3の
いずれかに記載のミシンの給油装置であって、前記タン
ク部内に送入する空気の量を調整する空気量調整手段を
備えることを特徴とする構成とした。
【0019】この請求項4記載の発明によれば、タンク
部に送入される空気の量を調節できる空気量調節手段を
備えているので、給油する油の量、給油の速度を調節す
ることが可能であり、様々なミシンの機構や、圧縮装置
の種類が変更されても、適応が可能で、さらに必要量の
油を正確かつ容易に給油することができる。
【0020】ここで、空気量調節手段とは、手動によっ
て調節が行われる構成が挙げられるが、他の動力源によ
って調節が行われても良く、或いは、何らかの制御手段
によって制御される構成としても良い。
【0021】請求項5記載の発明は、請求項2から4の
いずれかに記載のミシンの給油装置であって、一旦給油
された油がミシンの各部から流下して収集される油受け
部と、この油受け部に収集された油を前記貫通孔に輸送
する輸送路とを備え、前記油受け部に収集された油が、
前記輸送路と前記貫通孔を通って前記タンク部内に回収
されることを特徴とする構成とした。
【0022】この請求項5記載の発明によれば、ミシン
各部に給油され、流下した油がタンク部に回収されるの
で、ミシン各部から流下した油はそのまま再度利用され
る。これによって、タンク部に油を補給する作業が減少
し、作業者の負担を軽減することができる。さらに、回
収された油は弁を通ってタンク部に回収されるので、タ
ンク部の一部を開閉する作業をしなくても油が回収さ
れ、圧縮装置から空気が送られればそのまま給油を行う
ことができる。
【0023】ここで、油受け部としては、例えばミシン
の底部に平板状部材を備えても良いし、ミシンのケーシ
ングの底部を油受け部としても良い。或いは、複数の油
受け部を、油が流下するミシンの各部の下方にそれぞれ
設けても良い。
【0024】請求項6記載の発明は、請求項1から5の
いずれかに記載のミシンの給油装置であって、ミシンの
針数をカウントする針数カウント手段、或いは、ミシン
の稼働時間を計時する計時手段の少なくとも一方と、前
記ミシンの針数、或いは、前記ミシンの稼働時間の少な
くともいずれか一方に基づいて前記タンク部への空気の
送入制御を行う制御手段と、を備えたことを特徴とする
構成とした。
【0025】この請求項6記載の発明によれば、ミシン
の針数またはミシンの稼働時間の少なくとも一方に基づ
いて空気の送入を制御するので、給油を必要とする時期
を自動的に判断し、給油を行うことができる。このた
め、給油を行う時期について作業者が注意を払う必要が
なく、作業者の負担を大きく軽減することができる。
【0026】ここで、針数カウント手段とは、例えば、
ミシンの主軸に溝を設けて、この溝の有無を光センサ等
で感知することによって、主軸の回転を検知し、それに
基づいて針数をカウントするものである。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて、図1〜図7の図面を参照しながら説明する。
【0028】[第1の実施の形態]図1は、この発明の
第1の実施の形態であるミシンの給油装置1の構成を示
す斜視図であり、図2は、ミシンの給油装置1の各構成
部を分離させた分解斜視図である。図3は、ミシンの給
油装置1が、ミシンに設置された状態を示すミシンの概
略斜視図である。
【0029】図1から図3中において、1はこの実施の
形態のミシンの給油装置、21aはタンク部としての給
油タンク、22aは蓋部、23は油回収部、29は輸送
路としての油回収パイプ、31a、31bはエアパイ
プ、32はエアジョイント、33は空気通過穴、34は
空気量調節手段としての調節バルブ、34aは調節つま
み、41a、41bは給油パイプ、50は弁、54は貫
通孔としての油穴である。また、42a、42bは給油
ジョイント、43、43はパッキン、44aは送出孔と
しての給油穴であり、給油パイプ41a、41bとあわ
せて流路を構成する。また、弁50の構成として、55
はテーパ部、56はボール、57は受け部であり、さら
に受け部57において、57a…はボール受け、57b
…は切欠である。また、110はドレン、120は給油
箇所としての油溜り、125は油芯、130はミシン頭
部、140は後軸受け、150は釜、160はミシンの
ケーシング、170は主軸、180は前軸受けである。
161は、油受け部としてのケーシング160の底部で
ある。さらに、このミシンの給油装置1は、圧縮装置と
してのコンプレッサー(図示省略)に接続されていて、
ミシンの給油装置1とコンプレッサー(図示省略)との
間には、後述する制御回路60によって制御可能な給油
バルブ68(図4参照)を備えている。
【0030】ミシンの給油装置1は、図1および図2に
示すように、主に、給油タンク21aと蓋部22aとか
ら構成されている。給油タンク21aは、上面が開口し
た円筒形の中空部材であり、内部の空間には油が貯蔵で
きるようになっている。蓋部22aは円柱形部材であ
り、その底面を給油タンク21aの開口部に合わせるよ
うに給油タンク21aと結合される。蓋部22aの上面
においては、周縁部が高くなっていて、内側に液体を貯
めることが可能な油回収部23を構成している。また、
蓋部22aの内部には、蓋部22aを貫通する空気通過
穴33と、給油穴44aおよび油穴54が設けられてい
る。
【0031】空気通過穴33は蓋部22aの内部をL字
形に貫通し、蓋部22aの側面と、底面に向かって開口
していて、側面の開口部にはエアージョイント32が接
続され、さらにエアージョイント32の先にはエアーパ
イプ31bが接続されている。エアージョイント32と
エアーパイプ31bは連通し、内部を空気が通過できる
ようになっている。エアーパイプ31bの先端は、調節
バルブ34の一方側に接続されていて、調節バルブ34
の他方側にはエアーパイプ31aが接続されている。調
節バルブ34は、後述するコンプレッサー(図示省略)
から、エアーパイプ31a、31bを通って給油タンク
21a内に送られる空気の流量を調節する部材である。
この調節は、調節つまみ34aを手動で回転させること
によって行うことができる。さらに、エアーパイプ31
aの先端には、給油バルブ68(図4参照)を介して、
圧縮装置としてのコンプレッサー(図示省略)が接続さ
れている。給油バルブ68は、後述する制御回路60に
よって制御され、コンプレッサーから送られる空気の遮
断または送出を切り換えることができるバルブである。
【0032】給油穴44aは、蓋部22aの上面から底
面に貫通していて、蓋部22aの底面の開口部にはパッ
キン43と給油ジョイント42aが接続され、給油ジョ
イント42aには、さらに給油タンク21a内に伸びる
給油パイプ41aが接続されている。給油パイプ41a
は、給油タンク21a内に貯蔵される油40の中に十分
な深さで浸るように、ほぼ給油タンク21aの底部に達
する程度の長さを有している。給油穴44aの、蓋部2
2aの上面側の開口部にも、パッキン43と給油ジョイ
ント42bを介して給油パイプ41bが接続されてい
る。給油パイプ41bの先端は、図3に示す油溜り12
0に達している。従って、給油タンク21a内に貯蔵さ
れる油40は、給油タンク21aから給油パイプ41a
に押し出されると、給油穴44、給油パイプ41b等を
通って油溜り120に給油される。
【0033】油穴54は、蓋部22aの上面から底面に
貫通し、蓋部22aの上面側の開口部は底面側の開口部
に比べて小さく開口している。油穴54の、蓋部22a
の厚み方向中央付近にはテーパ部55が設けられて、大
きさの異なる2つの開口部をつなぐ構造をなしている。
また、テーパ部55の横断面は常に円形である。油穴5
4内にはボール56が、テーパ部55の下方に位置する
ように、受け部57に下方を支持されて入っている。ボ
ール56は、油穴54の、蓋部22aの上面側に設けら
れた開口部よりも大きい球体であって、油穴54の、蓋
部22aの底面側に設けられた開口部に入っている。前
述の通り、テーパ部55の横断面は円形であるので、ボ
ール56が上方に移動してテーパ部55に密着すると油
穴54を密閉することができる。ボール56を支持する
受け部57は、円盤状部材の上に4個の爪状のボール受
け57aが立設されてなる部材であり、ボール受け57
aの間に4箇所の切欠57b…を備えた形状である。給
油が行われていないときには、ボール56の上部とテー
パ部55の間には空間があり、ボール56はテーパ部5
5に密着しないように受け部57によって支持されてい
るので、油穴54内を空気や液体が通過することが可能
である。
【0034】図3の通り、以上の構成によってなるミシ
ンの給油装置1は、ミシン本体の下方に設置される。ミ
シンの上部中央付近には、給油箇所としての油溜り12
0が設けられている。ミシンの給油装置1の給油パイプ
41bは、給油タンク21aから上方に伸びて、一端が
油溜り120内に達している。従って、給油タンク21
aから給油パイプ41b内を上昇した油は、油溜り12
0内に流れ込む。油溜り120の中にはミシン各部に給
油される油が貯蔵され、油芯125…の一端は油溜り1
20内の油に浸されていて、他端はミシン頭部130、
後軸受け140、釜150,150、前軸受け180等
の給油を必要とする箇所に伸びている。油芯125…は
フェルト等の素材によってなり、油が浸透しやすいた
め、油溜り120内の油は油芯125…内に染み込ん
で、油芯125…の先端に達する。さらに油芯125…
の先端から油が染み出すことによってミシンの各部に給
油が行われる。また、油受け部としての、ミシンのケー
シング160の底部161は、平板状の部分を有し、ミ
シンの各部から流下する油を受け、貯蔵できるようにな
っている。底部161の中央にはドレン110が設けら
れ、油を排出するための開口部となっていて、ドレン1
10には、下方に向かって伸びる油回収パイプ29が接
続されている。油回収パイプ29はパイプ状部材であ
り、一端をドレン110に接続され、他端はミシンの給
油装置1に設けられた油回収部23の真上に開口してい
て、ドレン110から排出された油は油回収部23に流
れ込むようになっている。
【0035】次に、ミシンの給油装置1による給油につ
いて説明する。給油バルブ68が開放の状態に切り換え
られ、図1において符号Aで矢示する方向に、コンプレ
ッサー(図示省略)から空気が送られて来ると、給油タ
ンク21a内から受け部57の切欠57b内に空気が流
れる。はじめ、この空気は、切欠57bから、ボール5
6とテーパ部55との間の空間を通って油穴54内を通
過する。しかし、ボール56とテーパ部55との間の空
間は非常に小さく、コンプレッサー(図示省略)から送
られる空気の量が一定以上の量に達すると、切欠57b
を通過する空気の速度が増す。このため、ボール56の
上部の表面付近を流れる空気の速度は非常に速くなる
が、ボール56の最上端部分の表面には、空気の流れが
殆ど無い部分が生じる。この部分、即ちボール56の最
上端部分の表面に負圧が生じ、ボール56が持ち上げら
れてテーパ部55に密着する。ボール56とテーパ部5
5が密着すると、空気が給油タンク21aから流出しな
くなるので給油タンク21a内の圧力が上昇し、油40
が給油パイプ41a内に押し上げられる。油40は、そ
のまま給油穴44a、給油パイプ41b内を通過して油
溜り120内に達し、ミシンの各部に給油が行われる。
なお、給油が行われている間、給油タンク21a内の圧
力は一定以上であるので、ボール56はテーパ部55に
密着した状態を保つ。
【0036】その後、制御回路60によって給油バルブ
68が閉鎖の状態に切り換えられ、コンプレッサー(図
示省略)から給油タンク21a内に空気が送られなくな
る。油40が流出するにつれて給油タンク21a内の圧
力が低下するので、ボール56が下方の受け部57上に
落下して、ボール56とテーパ部55との密着が解かれ
る。これによって給油タンク21aの内部と外部が連通
し、給油タンク21a内の圧力は外気圧とほぼ等しくな
るので、油40の上昇が止まって給油が終了する。
【0037】図3に示すように、ミシンの各部において
は、油芯125…から油が染み出すことによって常に給
油が行われている。このため、ミシンの各部からは、次
第に余分な油が下に流れ始める。下方に流れた油は、ミ
シン内部の他の部材やミシンのケーシング160を伝っ
て下に移動して、ミシンのケーシングの底部161上に
落ちる。底部161上に流下した油は、ドレン110を
通ってミシンの本体外に排出され、下方に伸びる油回収
パイプ29内を伝って油回収部23上に貯められる。前
述のように、油回収部23には油穴54が設けられ、給
油バルブ68が閉鎖されている時には油穴54は開いて
いるので、油回収部23上に集められた油は油穴54を
通って給油タンク21a内に回収される。
【0038】この第1の実施の形態であるミシンの給油
装置1は、上記のように給油を行うが、給油の開始およ
び停止は、図4に示す制御回路60によって給油バルブ
68を開放および閉鎖することによって制御される。
【0039】図4は、ミシンの給油装置1を制御する制
御回路60の回路構成を示すブロック図である。制御回
路60は、CPU(Central Processing Unit)61、
タイマ63、ROM(Read Only Memory)64、RAM
(Random Access Memory)65、EEPROM(Electr
onic Erasable and Programmable Read Only Memory)
66等から構成され、CPU61には、油量センサ62
や、針数カウント手段(図示省略)等が接続されてい
る。この制御回路60は、ROM64に書き込まれてい
る制御プログラムや制御データに従って、給油バルブ駆
動回路67によって給油バルブ68の開閉を制御する。
EEPROM66には、ミシンの電源がOFFにされる
際に、その時点までのミシンの稼働時間の合計、即ちミ
シントータル稼働時間がその都度記録される。また、油
量センサ62は、例えば油溜り120内に設置されて、
油溜り120内の油量を計測し、給油が必要かどうかを
判断するために用いられる。
【0040】図5は、制御回路60によって、ミシント
ータル稼働時間に基づいて行われる給油の制御を示すフ
ローチャートであり、図6はミシンの稼働時間とミシン
の針数の双方に基づいて行われる制御を示すフローチャ
ートである。
【0041】図5のフローチャートに従って、ミシンの
トータル稼働時間に基づいた給油の制御について説明す
る。ステップS11においてミシン本体の電源がONに
され、ミシンが稼働すると、直ちにステップS12に移
行して、ミシントータル稼働時間がEEPROM66か
らCPU61に読み込まれ、ステップS13に移行す
る。ステップS13では、タイマ63からの信号受信処
理を行い、例えば1秒経過を示す信号が入力された場合
に、ミシントータル稼働時間に「1」インクリメントす
る処理を行い、ステップS14に移行する。ステップS
14では、ミシントータル稼働時間が、予め決められた
一定時間以上かどうかを判定する。ミシントータル稼働
時間が一定時間を上回っていればステップS15に移行
し、一定時間に満たなければ再びステップS13の処理
を繰り返す。すなわち、ミシンの稼働時間が一定時間経
過する毎に給油バルブ68が開放され、給油が行われ
る。
【0042】ステップS15では、給油バルブ駆動回路
57をON(開放)にして、給油バルブ68を開放し、
ステップS16に移行する。ステップS16ではONタ
イマを0にして、次いでステップS17において、タイ
マ63からの信号受信処理を行い、例えば1秒経過を示
す信号が入力された場合に、ONタイマに「1」インク
リメントする処理を行い、ステップS18に移行する。
ステップS18では、ONタイマの値が一定以上である
か、即ち、給油が開始されてから一定の時間が経過した
かどうかを判断する。もし、ONタイマの値が一定以上
であれば、ステップS19に移行し、一定時間に満たな
ければステップS17の処理を行う。ステップS19で
は、給油バルブ駆動回路67をOFF(閉鎖)にして、
給油バルブ68を閉鎖する処理を行い、コンプレッサー
(図示省略)から給油タンク21aへの空気の送入を停
止する。つまり、給油バルブ68が開放されてから一定
時間が経過すると、給油バルブ68は自動的に閉鎖され
る。この制御回路60は、さらにステップS13にジャ
ンプすることによって、制御を繰り返すことができる。
【0043】次に、図6のフローチャートに従って、ミ
シンの針数と稼働時間に基づいた給油の制御について説
明する。ステップS31において、ミシン本体の電源が
ONにされ、ミシンが稼働するとともに、直ちにステッ
プS32に移行する。ステップS32では、給油バルブ
駆動回路67をON(開放)に切り換えることで給油バ
ルブ68が開放され、給油が開始されて、ステップS3
3に移行する。続いて、図示はしないが、図5のフロー
チャートにおけるステップS17〜S18と同様の処理
によって、ステップS33において、給油バルブが開放
されてから一定以上の時間が経過したかどうかを判断す
る。一定以上の時間が経過していれば、ステップS34
に移行し、一定時間に満たなければステップS33(ス
テップS17〜S18と同様)の処理を繰り返す。ステ
ップS34では、給油バルブ駆動回路67をOFF(閉
鎖)に切り換えて給油バルブ68を閉鎖し、ステップS
35に移行する。すなわち、ステップS32〜S33で
は、給油バルブ68を開放して、一定時間が経過した後
に給油を終了する制御を行う。つまり、このステップS
32〜S33の処理により、電源投入時に、所定量の給
油が油溜り120に行われる。
【0044】ステップS35では、針数カウント値に0
を入力し、さらにステップS36では、タイマ値に0を
入力し、ステップS37に移行する。ステップS37で
は、タイマを起動させて、ステップS38に移行し、縫
製が行われる。従って、ステップS35〜S37では、
針数カウントおよびタイマ値を一旦0にして、針数およ
びタイマ値に基づく制御を開始する。
【0045】ステップS38では、縫製が開始され、続
いてステップS39では、例えばミシンの主軸の回転数
を検知するセンサからの信号受信処理を行うことで針数
カウント手段からの信号を受信し、入力された針数カウ
ントに、予め定められた定数αを乗じて、得られた値を
「消費量A」として記憶する。ステップS40では、タ
イマ63からの信号を受信して入力されたタイマ値に、
予め定められた定数βを乗じ、得られた値を「消費量
B」として記憶する。ステップS41では、さきにステ
ップS39〜S40で算出された「消費量A」、「消費
量B」を合計して、この時点での「総消費量」を算出
し、ステップS42に移行する。即ち、ステップS39
〜S41では、ミシンの針数と稼働時間の双方から、ミ
シンの各部において消費された油の量を算出する。
【0046】続いて、ステップS42では、ステップS
41で算出された「総消費量」が、予め定められた一定
量以上であるかどうかを判断し、一定量以上であればス
テップS43に移行し、一定量に満たなければ、ステッ
プS38〜S41の処理を繰り返す。ステップS43で
は、給油バルブ駆動回路をON(開放)に切り換えるこ
とで給油バルブ68を開放し、コンプレッサー(図示省
略)から給油タンク21aへの空気の送入を開始して、
ステップS44へ移行する。ステップS44では、ステ
ップS43で給油バルブをON(開放)してから一定以
上の時間が経過したかどうかを判断し、一定時間以上経
過していればステップS45に移行し、一定時間に満た
ない場合には再度ステップS44の処理を行って時間の
経過を待つ。ステップS45では、給油バルブ駆動回路
67をOFF(閉鎖)に切り換えて給油バルブ68を閉
鎖する。ここでステップS35にジャンプすることによ
って、続けて制御を行うことができる。つまり、上記の
ステップS43〜S45の処理により、油溜り120の
油が一定量消費された場合に、所定量の油が油溜り12
0に継ぎ足されるようになっている。
【0047】以上のように、本発明の第1の実施の形態
であるミシンの給油装置1によれば、コンプレッサー
(図示省略)から給油タンク21a内に空気を送り込ん
で加圧することによって給油を行うので、駆動源がミシ
ン本体から独立した構成を低コストで実現することが可
能である。これにより、ミシンの本体の動作の状況に影
響されずに給油を行うことが可能で、例えばミシンが停
止した状態であっても給油を行うことができ、また、安
定した給油を行うことができる。また、油穴54におい
て弁50を備え、弁50は、コンプレッサー(図示省
略)から給油タンク21a内に空気が送り込まれている
ときにのみ閉鎖される構成としたため、給油タンク21
aの内圧が勝手に上昇して給油が行われることがなく、
安定した給油を行うことができる。そして、調節バルブ
54を備える構成としたので、給油を行う油の量や給油
の速度を調節することが可能であり、様々なミシンの機
構や圧縮装置の種類が変更されても、適応が可能で、さ
らに必要量の油を正確かつ容易に給油することができ
る。また、ミシンの各部に給油され、流下した油が底部
161に受けられ、油回収パイプ29と油穴54を通っ
て給油タンク21a内に回収される構成としたので、ミ
シンの各部から流下した油はそのまま再度利用される。
これによって、給油タンク21aに油を回収する作業が
減少し、さらに、給油タンク21aの開閉作業を行わな
くても給油タンク21a内に油が回収される。そして、
制御回路60によって給油バルブ駆動回路67を制御す
ることで、給油タンク21aへの空気の送入制御を行う
構成としたので、給油を必要とする時期を、針数や稼働
時間に基づいて自動的に判断し、給油を行うことができ
る。
【0048】なお、上記第1の実施の形態においては、
ミシンの給油装置1から油溜り120に給油を行うもの
としたが、油溜り120を備えないで、ミシンの給油装
置1からミシンの各部の機構に直接給油を行う構成とし
ても良い。さらに、ミシンの各部から流下する余分な油
を、底部61に受ける構成としたが、例えば、ミシンの
ケーシング内に平板状の油受け等を設置しても良いし、
或いは、複数の油受けを、ミシンの各部の機構の下方に
備えても良い。また、調節バルブ34において、調節つ
まみ34aを手動で回転させて調節を行う構成とした
が、他の何等かの駆動手段によって調節つまみ34aを
動かす構成としても良い。そして、図5および図6にお
いては、ミシンの稼働時間およびミシンの針数に基づい
て給油バルブ57の制御を行う構成としたが、何れか一
方に基づく制御を行っても良いし、また、油量センサ6
2から入力される信号に基づいて制御を行っても良い。
この場合、油量センサ62は、油溜り120に設けても
良いし、全油量がわかっている場合には、給油タンク2
1a内に設けても良い。その他、細部の構成についても
本発明の趣旨を損なうことのない範囲で適宜変更可能で
ある。
【0049】[第2の実施の形態]図7を用いて、この
発明の第2の実施の形態であるミシンの給油装置2の説
明を行う。図7は、ミシンの給油装置2の各構成部を分
離させた分解斜視図である。この第2の実施の形態であ
るミシンの給油装置2は、給油タンク21b内に浮き子
28を備えている点、および給油パイプ41cに連結さ
れる開口部45が給油タンク21bの底部に設けられて
いる点で、第1の実施の形態としてのミシンの給油装置
1と異なる。
【0050】以下、ミシンの給油装置2の構成につい
て、特に第1の実施の形態であるミシンの給油装置1と
は異なる点について詳細に説明する。なお、第1の実施
の形態と同様の構成については、同符号を付して説明を
省略する。給油タンク21bにおいて、底部には給油タ
ンク21bの内部と外部に開口し、給油タンク21bの
内外に連通する送出孔としての開口部45が設けられて
いる。開口部45の給油タンク21bの内側の開口部
は、すり鉢状のテーパ部46が設けられている。また、
開口部45の給油タンク21bの外側に開口する部分に
は、パッキン43と給油ジョイント42cを介して給油
パイプ41cが接続されている。給油タンク21b内に
は浮き子28が備えられている。浮き子28は非常に軽
い素材、例えば合成樹脂等によってなり、給油タンク2
1b内に貯蔵される油の油面に浮かぶようになってい
る。浮き子28は、円盤状の部分と、この円盤状部分の
下面のほぼ中心に設けられた半球状の突起部28aから
なり、突起部28aは、給油タンク21bの下部に設け
られた開口部45の開口部のテーパ部46に嵌入し、突
起部28aの表面と開口部のテーパ部46が密着するよ
うになっている。従って、突起部28aによって開口部
45を閉鎖することができる。また、第1の実施の形態
であるミシンの給油装置1とは異なり、蓋部22bに
は、油穴54および空気通過穴33のみが貫通して設け
られ、給油穴は設けられていない。
【0051】なお、第2の実施の形態であるミシンの給
油装置2において、エアパイプ31、エアジョイント3
2、空気通過穴33、油穴54、ボール56、受け部5
7、油受け部23は、図1から図3に示す第1の実施の
形態であるミシンの給油装置1と同様の部材である。ま
た、ミシンの本体に対する位置およびミシンの本体への
設置の状態は、ミシンの給油装置1と同様である。
【0052】以上のように構成されるミシンの給油装置
2は、以下の通り給油を行う。コンプレッサー(図示省
略)から、エアーパイプ31、エアージョイント32、
空気通過穴33を通って給油タンク21bに空気が送り
込まれると、受け部57の切欠57bを通って空気が給
油タンク21bの外部に向かって流出する。給油タンク
21b内に送り込まれる空気の量が多くなるにつれて、
ボール56の最上端部分の上方には負圧が生じ、ボール
56は持ち上げられてテーパ部55に密着する。このた
め給油タンク21b内の圧力が上昇し、給油タンク内の
油が開口部45から押し出され、ミシンに給油が行われ
る。
【0053】給油が行われると、給油タンク21b内の
油が減少し、油面の下降にともなって浮き子28が下降
する。給油タンク21b内の油が非常に少なくなって、
さらに給油が続けられると、給油タンク21b底部に設
けられた開口部45の付近まで突起部28aが下降し、
やがてテーパ部46と突起部28aとが密着して、開口
部45が閉鎖される。この時点で給油タンク21bから
給油パイプ41cへの給油は遮断され、給油が終了す
る。
【0054】以上のように、本発明の第2の実施の形態
であるミシンの給油装置2によれば、給油タンク21b
内に浮き子28を備える構成としたため、給油タンク2
1b内の油が少なくなると、浮き子28によって開口部
45が閉鎖され、自動的に給油を終了することができ
る。これによって、給油タンク21b内の油が少ない状
態で給油が行われることを防止できるので、霧状、或い
は、煙状の油の発生を防止し、ミシン周辺や布地の汚損
を防止することができる。
【0055】なお、上記第2の実施の形態においては、
浮き子28を、円盤状部材に突起部を備えた構成とした
が、もちろんこれに限定されるものではなく、例えば球
形であっても良いし、他の形状であっても良い。その他
の細部の構成についても、本発明の趣旨を損なうことの
ない範囲において、適宜変更可能である。
【0056】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明によ
れば、油を貯蔵するタンク部に圧縮装置により空気を送
入して加圧することで、油が上記流路を通ってミシンの
給油箇所まで圧送されて、液状の油がミシンの給油箇所
に給油される。即ち、ミシンへの給油が圧縮装置の送入
により行われ、ミシンの駆動とは独立して行われる。従
って、ミシンの駆動と連動して給油を行っていた従来の
ミシンのミシンの給油装置にあった、給油される油の量
がミシンの主軸の回転の影響を受けるといった問題や、
ミシンが停止している状態で給油を行うことができない
といった問題が解消され、さらに、給油される油の量
は、圧縮装置によってタンク部に送入される空気の量に
ほぼ対応し、油の粘度に影響されずに安定した給油がで
きるといった効果が得られる。また、本発明のミシンの
ミシンの給油装置は、簡単な構造で実現可能であり、低
コストで設置することができる。さらに、ミシンの駆動
と独立して給油を行う駆動系として、圧縮装置による空
気送入を用いているので、製造・開発コストの低減、駆
動制御の容易さ等を図ることができる。なお、工業用ミ
シン等では布押えの上げ下げや布の移動などの駆動系に
圧縮装置による空気送入を用いていることが多く、この
ような圧縮装置を用いたミシンに本発明を適用すれば、
圧縮装置を兼用することができるので、確実に製造コス
トや駆動制御の容易さを図ることができる。
【0057】また、請求項2記載の発明によれば、タン
ク部に設けられた貫通孔に、開閉可能な弁が設けられて
いるので、例えばタンク部内の空気が膨張あるいは収縮
するような場合にも、弁を通してタンク部内外の空気が
出入りするので、タンク部の内圧が変化することがな
く、安定した給油を行うことができる。
【0058】そして、請求項3記載の発明によれば、油
面に浮かぶ浮き子と、浮き子によって閉鎖される送出孔
を備えているので、タンク部内の油が減って残り少なく
なると、浮き子が送出孔を閉鎖して、給油を停止するこ
とができる。さらに、タンク部内の油が残り少ない状態
で、空気をタンク部内に送入しても、自動的に給油が停
止されるので、霧状あるいは煙状の油の発生を防止し、
ミシン周辺や布地の汚損を防止することができる。
【0059】また、請求項4記載の発明によれば、タン
ク部に送入される空気の量を調節できる空気量調節手段
を備えているので、給油する油の量、給油の速度を調節
することが可能であり、様々なミシンの機構や、圧縮装
置の種類が変更されても、適応が可能で、さらに必要量
の油を正確かつ容易に給油することができる。
【0060】そして、請求項5記載の発明によれば、ミ
シン各部に給油され、流下した油がタンク部に回収され
るので、ミシン各部から流下した油はそのまま再度利用
される。これによって、タンク部に油を補給する作業が
減少し、作業者の負担を軽減することができる。さら
に、回収された油は弁を通ってタンク部に回収されるの
で、タンク部の一部を開閉する作業をしなくても油が回
収され、圧縮装置から空気が送られればそのまま給油を
行うことができる。
【0061】請求項6記載の発明によれば、ミシンの針
数またはミシンの稼働時間の少なくとも一方に基づいて
空気の送入を制御するので、給油を必要とする時期を自
動的に判断し、給油を行うことができる。このため、給
油を行う時期について作業者が注意を払う必要がなく、
作業者の負担を大きく軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用した第1の実施の形態であるミ
シンの給油装置の構成を示す斜視図である。
【図2】 図1のミシンの給油装置の各構成部を分離さ
せた分解斜視図である。
【図3】 図1のミシンの給油装置が、ミシンに設置さ
れた状態を示すミシンの概略斜視図である。
【図4】 図1のミシンの給油装置による給油を制御す
る制御回路の構成を示すブロック図である。
【図5】 図4の制御回路による制御の一例を示すフロ
ーチャートである。
【図6】 図4の制御回路による制御の一例を示すフロ
ーチャートである。
【図7】 本発明を適用した第2の実施の形態としての
ミシンの給油装置の各構成部を分離させた分解斜視図で
ある。
【図8】 従来のミシンの給油装置による給油の様子を
説明するために、ミシンの給油機構を示す概略斜視図で
ある。
【符号の説明】
21a、21b 給油タンク(タンク部) 22a、22b 蓋部 23 油回収部 28 浮き子 28a 突起部 29 油回収パイプ(輸送路) 31a、31b エアーパイプ 34 調節バルブ(空気量調節手
段) 41a、41b、41c 給油パイプ 45 開口部(送出孔) 46 テーパ部 50 弁 54 油穴(貫通孔) 55 テーパ部 56 ボール 57 受け部 57a ボール受け 57b 切欠 68 給油バルブ 110 ドレン 120 油溜り(給油箇所) 161 底部(油受け部)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油を貯蔵するタンク部と、 このタンク部内に空気を送入して加圧する圧縮装置と、 前記タンク部から油を送出する流路とを備え、 前記タンク部内の加圧により、油を前記ミシンの給油箇
    所に給油することを特徴とするミシンの給油装置。
  2. 【請求項2】 前記タンク部の内側から外側に通じる貫
    通孔と、 この貫通孔を開閉可能な弁とを備え、 前記弁は、前記タンク部に空気が送入されていないとき
    に開放され、空気が送入されたときに閉鎖されることを
    特徴とする請求項1記載のミシンの給油装置。
  3. 【請求項3】 前記タンク部内には、 前記タンク部内の油に浮かぶ浮き子と、 前記流路と連通し前記流路に油を送出する送出孔とを備
    え、 前記タンク部内の油が少なくなった場合に、前記浮き子
    が前記送出孔を塞ぐことを特徴とする請求項1又は2記
    載のミシンの給油装置。
  4. 【請求項4】 前記タンク部内に送入する空気の量を調
    整する空気量調整手段を備えることを特徴とする請求項
    1から3のいずれかに記載のミシンの給油装置。
  5. 【請求項5】 一旦給油された油がミシンの各部から流
    下して収集される油受け部と、 この油受け部に収集された油を前記貫通孔に輸送する輸
    送路とを備え、 前記油受け部に収集された油が、前記輸送路と前記貫通
    孔を通って前記タンク部内に回収されることを特徴とす
    る請求項2から4のいずれかに記載のミシンの給油装
    置。
  6. 【請求項6】 ミシンの針数をカウントする針数カウン
    ト手段、或いは、ミシンの稼働時間を計時する計時手段
    の少なくとも一方と、 前記ミシンの針数、或いは、前記ミシンの稼働時間の少
    なくともいずれか一方に基づいて前記タンク部への空気
    の送入制御を行う制御手段と、 を備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに
    記載のミシンの給油装置。
JP17264597A 1997-06-27 1997-06-27 ミシンの給油装置 Pending JPH119875A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6798100B2 (en) 1999-12-24 2004-09-28 Tomy Company, Ltd. Motor and attachment structure

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6798100B2 (en) 1999-12-24 2004-09-28 Tomy Company, Ltd. Motor and attachment structure

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