JPH1196960A - イオン注入装置 - Google Patents

イオン注入装置

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JPH1196960A
JPH1196960A JP25740797A JP25740797A JPH1196960A JP H1196960 A JPH1196960 A JP H1196960A JP 25740797 A JP25740797 A JP 25740797A JP 25740797 A JP25740797 A JP 25740797A JP H1196960 A JPH1196960 A JP H1196960A
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JP
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ion
wafer
ion implantation
ion beam
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JP25740797A
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Shinichi Sugimura
伸一 杉村
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ドーズ量の再現性及びウエハ面内均一性の両
方を許容範囲内にしてウエハにイオン注入するイオン注
入装置を提供する。 【解決手段】 イオン注入装置50のイオン注入部54
は、配設体62を有するビーム電流分布計測器56と、
スキャン速度制御部52とを備えている。配設体62
は、複数個のファラデーカップからなるファラデーカッ
プ群64を有し、イオンビーム・スキャン機構51のビ
ーム出射口22とウエハ保持台32との間に自在に介在
することが可能である。スキャン速度制御部52は、配
設体62のファラデーカップ群64とビーム電流分布計
測器52とに電気的に接続され、イオンビーム電流分布
を許容範囲内の変動にするようにイオンビーム・スキャ
ン機構51をフィードバック制御するようにされてい
る。イオン注入装置50を用いることにより、ウエハ全
面にわたり、均一にしかも再現性良くイオン注入するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イオン注入装置に
関し、更に詳しくは、ウエハ毎のドーズ量の再現性及び
均一性の両方を許容範囲内にしてウエハにイオン注入す
るようにしたイオン注入装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】イオン注入装置は、ハロゲン化物や水素
化物等の物質から放電などによりイオンを生成して、イ
オンビームとして導出し、ウエハに不純物として注入す
る装置である。図6は、従来の枚葉式のイオン注入装置
の概念的構成図である。従来のイオン注入装置10は、
一般に、イオンを生成するイオンソース部12と、イオ
ンをイオンビームとして導出する引き出し電極14と、
イオン種を選別する質量分析部16と、イオンビームを
加速する加速管20と、イオンビームをスキャンするイ
オンビーム・スキャン機構24と、イオンビーム・スキ
ャン機構24のビーム出射口22に接続され、ウエハを
保持するウエハ保持台(図7参照)を有するイオン注入
部26とを備えている。イオンビームがイオンソース部
12から導出されてウエハに入射するまでの空間は、通
常、真空状態にされている。
【0003】イオン注入装置のイオンビーム・スキャン
機構は、イオンビームでX−Y平面(図8参照)をX、
Y両方向にスキャンする静電型スキャン機構と、電場又
は磁場によりイオンビームを一方向、例えばX方向にス
キャンし、かつ、その方向に直交する、例えばY方向に
ウエハ保持台をメカニカルに往復動させるハイブリッド
型スキャン機構との2種類に大別される。
【0004】以下、添付した図面を参照し、従来のイオ
ン注入装置の静電型スキャン機構及びイオン注入部を例
を挙げて詳しく説明する。図7は、従来の静電型スキャ
ン機構及びイオン注入部の構成の一例を示す側面図であ
り、図8は、矢視I−Iから見た図である。静電型スキ
ャン機構24は、電場を発生させ、例えばイオンビーム
が軌跡27を描くようにしてウエハ全面にわたりイオン
ビームをスキャンさせる一対の走査電極29と、走査電
極29に電圧を供給する電源30と、電源30の印加電
圧を制御することによりビームスキャン速度分布を制御
するスキャン速度制御部31とを備えている。イオン注
入部26は、平板状のウエハ保持台32(プラテンとも
言われる)と、イオンビーム33のビーム電流を計測す
るファラデー系と、イオン注入部26の入口に設けら
れ、ウエハ36の被イオン注入面積を調整するための円
形の開口を有するマスク38とを備えている。ファラデ
ー系は、ウエハの総イオン注入量を測定するために設け
てあって、入口開口40をビーム出射口22に向け、ウ
エハ保持台32の周囲を囲う導電体からなる円筒状のカ
ップ42と、カップ42の入口開口位置に設けられ、カ
ップ42の入口開口40を自在に開閉する導電体からな
るビーム電流流入板(セットアップフラッグとも言われ
る)44と、ドーズカウンタ48とを備えている。カッ
プ42は、イオンビームによりウエハ又はウエハ保持台
32から放出された2次電子を捕捉するために設けられ
ている。ドーズカウンタ48は、ウエハ保持台32及び
カップ42とビーム電流流入板44との何れか一方に切
換式で電気接続してビーム電流を計測する電流計46を
有している。尚、ファラデー系は、更に、カップ42か
ら飛び出した2次電子をカップ内に戻すためにバイアス
電圧を印加するバイアス電極49を開口40の近傍に備
えている。
【0005】一方、ハイブリッド型スキャン機構は、図
7及び図8に示した静電型スキャン機構及びイオン注入
部で、イオン注入部のウエハ保持台がY方向に往復動可
能であり、イオンビームをX方向にのみスキャンするよ
うにされている機構である。ハイブリッド型スキャン機
構では、スキャン方向が一方向であるため、イオン注入
前に、予め、一スキャンあたりのウエハ面上でのスキャ
ン速度分布を以下に記載するようにして調整している。
先ず、例えば一定の角速度でスキャンしつつ、ウエハ保
持台のうちのウエハ保持領域内で、径の小さいファラデ
ーカップをビームスキャン方向の所定位置に順次移動し
て停止し、各停止位置でのビーム電流を計測することに
より、イオンビーム電流分布を計測する。更に、イオン
ビーム電流分布が許容範囲内の変動であるようなイオン
ビームのスキャン速度分布をスキャン速度制御部により
算出し、続いて、このスキャン速度分布に従ってスキャ
ンする。これにより、ウエハ面内のドーズ量のばらつき
を抑えている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】静電型スキャン機構で
は、ウエハ1枚あたりの総イオン注入量を測定するファ
ラデー系を備え、ウエハ毎に総イオン注入量を確認する
ことができるので、ドーズ量の再現性の点では優れてい
るが、ウエハ面内のドーズ量分布の均一性(以下、簡単
のため単に均一性という)は良くない。この理由を以下
に詳しく説明する。静電型スキャン機構ではX、Y両方
向にスキャンするため、ハイブリッド型スキャン機構の
ようにスキャン速度分布を調整する機構を有していな
い。一方、イオンソース部内のイオンの分布状態や、イ
オンビームが導出されてから注入されるまでの空間の真
空度が、通常、時間的に変化する。従って、静電型スキ
ャン機構のイオン注入装置で出射されるイオンビーム
は、この変化の影響を大きく受け、ビーム電流が不安定
に変動し易い。また、ドーズカウンタ48によりウエハ
への総イオン注入量を算出することは可能であるが、ウ
エハ面内のドーズ量分布を算出することはできない。こ
のため、静電型スキャン機構のイオン注入装置で均一性
を上げるには、装置の購入時での立ち上げの際に行う装
置調整や、引き出し電極14の位置の調整などの使用者
の経験で諸パラメータを設定することが一般的であり、
従って、均一性を上げることは困難である。これに対
し、ハイブリッド型スキャン機構では、静電型スキャン
機構に比べ、ウエハ面内のドーズ量の均一性の点で優れ
ているが、ウエハの総イオン注入量を点検する計器を備
えていないので、ウエハ毎のドーズ量の再現性の点で劣
る。また、ウエハ保持台を往復動させる機構が必要であ
り、装置構成が複雑である。
【0007】ところで、MOS型の半導体デバイス、例
えばトランジスタでは、しきい値電圧のばらつきの許容
幅が、近年、益々狭くなりつつあり、このため、ドーズ
量の再現性及び均一性に対する要求は、益々高度になっ
てきている。均一性については、シート抵抗法による抵
抗値の均一性が一つの指標にされており、ウエハと同じ
寸法のベアあるいはSiO2 膜付きのシート状の基板を
ウエハ保持台に保持し、イオン注入した後、熱処理して
単位面積の正方形状に切断してなる各シートのシート抵
抗値の分布の変動範囲が、益々小さい範囲であるように
要求されてきている。更に詳しく説明すると、特に中電
流のイオン注入装置で拡散領域形成のためのイオン注入
工程を行う際、D=(シート抵抗値の標準偏差/シート
抵抗値の平均値)×100が、従来要求されていた1%
以下よりも更に小さい0.5%以下であるようなイオン
注入工程を行うことが要求されている。再現性について
も同様にDの値の変動が0.5%以下であるように要求
されている。
【0008】しかし、ウエハ毎のドーズ量の再現性及び
均一性の両者を満たすイオン注入装置は、実現されてい
ないのが現状であり、例えば、上記のD値は、静電型ス
キャン機構を有するイオン注入装置では、0.6%程度
にまでしか下げることができない。このため、ドーズ量
の再現性及び均一性の両方を許容範囲内にしてウエハに
イオン注入することはできないという問題が生じてい
た。以上のような事情に照らして、本発明の目的は、ウ
エハ毎のドーズ量の再現性及び均一性の両方を許容範囲
内にしてウエハにイオン注入するようにしたイオン注入
装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、1枚又は数枚のウエハにイオン注入する毎に、上記
のシート抵抗値の分布を求めてイオンビーム電流分布の
変動を許容範囲内に抑えるようにスキャン速度分布を調
整することは、必要となる工数が多く、現実的でない。
そこで、本発明者は、ハイブリッド型スキャン機構での
再現性を上げることを検討した。しかし、ハイブリッド
型スキャン機構の構造を大きく変更する必要があり、種
々の困難を伴うことが判った。そこで、本発明者は、静
電型スキャン機構で、ハイブリッド型スキャン機構と同
様、X−Y両方向のイオンビームのスキャン速度分布を
調整することを鋭意検討し、本発明を完成するに至っ
た。
【0010】上記目的を達成するために、本発明に係る
イオン注入装置は、ビーム出射口から出射されたイオン
ビームでウエハのX−Y平面をX、Y両方向にスキャン
するイオンビーム・スキャン機構と、ウエハの被イオン
注入面をイオンビームに向けてウエハを保持するウエハ
保持部とを備えているイオン注入装置において、ウエハ
保持部に保持されるウエハの被イオン注入面に平行で、
かつビーム出射口に向くように位置決めされるファラデ
ーカップ配設面を有する配設体と、配設体のファラデー
カップ配設面に分散、配設された複数個のファラデーカ
ップとを有し、ウエハ保持部とビーム出射口との間に配
設体を自在に介在させてウエハの被イオン注入面のX、
Y両方向のビーム電流分布をファラデーカップにより計
測するビーム電流分布計測器を備えていることを特徴と
している。
【0011】イオン注入装置は、通常、枚葉式である。
複数個とは、例えば8インチウエハに対して50個から
100個の範囲内である。また、本明細書で、配設体を
自在に介在させるとは、イオンビームが配設体のファラ
デーカップに入射されるように配設体を配置すること、
及び、イオンビームがウエハに注入されるように配設体
を前記配置位置から移動させることを自在に切り換える
ことを意味する。本発明により、ウエハ毎に、又は、イ
オン注入中にウエハ面内のイオンビーム電流分布を計測
することができる。よって、イオンビーム電流分布が大
きく変動して許容範囲外の分布になったとき、イオン注
入を一時停止して許容範囲内の分布になるまで待機す
る、などの対策を行うことが可能になる。
【0012】好適には、複数個のファラデーカップは、
例えば、ファラデーカップ配設面上に一様な分布で配設
されている。これにより、イオンビーム電流分布を一層
容易に計測することができる。配設体の一例としては、
ウエハの被イオン注入面に平行に進退自在であって、所
定位置に位置決めされて停止するように設けられてい
る。また、別の一例としては、配設体縁部でウエハの被
イオン注入面に平行な回転軸又は直交する回転軸の周り
に回動自在であって、所定位置に位置決めされて停止す
るように設けられている。所定位置とは、イオンビーム
電流分布を計測することができる位置である。これによ
り、イオンビーム電流分布の計測、及び、ウエハへのイ
オン注入を容易に短時間で切換えることができる。
【0013】また、好適には、イオン注入装置は、ウエ
ハ保持台の周囲に、ウエハの被イオン注入面から外側に
オーバースキャンされたイオンビームが入射されるファ
ラデーカップを備えている。ファラデーカップは、例え
ば、互いに対向する位置に2個、又は、互いの間隔が均
等になる位置に4個設けられてる。これにより、ウエハ
への総イオン注入量を点検することができ、従って、ド
ーズ量の再現性が担保される。
【0014】また、ビーム電流分布計測器により計測さ
れたイオンビーム電流分布に基づき、イオンビーム電流
分布を許容範囲内の変動にするよう被イオン注入面内の
スキャン速度分布を算出して、そのスキャン速度分布に
従ってイオンビームをスキャンするようにイオンビーム
・スキャン機構を制御するスキャン速度制御部を更に備
えていることが好ましい。スキャン速度制御部は、例え
ば、イオンビーム電流分布の標準偏差を算出する機能を
有し、標準偏差が所定範囲内になるようにスキャン速度
分布を設定するようにされている。標準偏差の所定範囲
内とは、例えば、前述したD値を0.5%以下にする範
囲内である。これにより、ビーム電流の相対的に高い位
置ではスキャン速度が速く、低い位置ではスキャン速度
が遅いようなスキャン速度分布を算出し、そのスキャン
速度分布に従ってイオン注入することにより、ドーズ量
の再現性及び均一性の両方が許容範囲内になるようにし
てウエハにイオン注入することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、実施形態例を挙げ、添付
図面を参照して、本発明の実施の形態を具体的かつより
詳細に説明する。実施形態例 本実施形態例は、本発明に係るイオン注入装置の一実施
形態例である。図1は、本実施形態例のイオン注入装置
のイオンビーム・スキャン機構(静電型スキャン機構)
及びイオン注入部の構成の一例を示す側面図であり、図
2及び図3は、それぞれ、矢視II−II、及び、矢視
III−IIIから見た図である。本実施形態例のイオ
ン注入装置50は、従来のイオン注入装置10に比べ
て、イオン注入部の構成、作用が異なり、イオンビーム
・スキャン機構(静電型スキャン機構)51が、スキャ
ン速度制御部52をスキャン速度制御部31に代えて備
えている。図1から図3では、図5及び図6と同じもの
には同じ符号を付してその説明を省略する。
【0016】イオン注入装置50のイオン注入部54
は、図1に示すように、従来と同じウエハ保持台32
と、イオンビームのX、Y両方向のビーム電流分布を計
測するビーム電流分布計測器56とを備えている。ウエ
ハ保持台32はアース接続されている。ビーム電流分布
計測器56は、ウエハ保持台32に保持されるウエハ5
8に平行で、かつビーム出射口22に向くように位置決
めされるファラデーカップ配設面60を有する配設体6
2と、配設体62の配設面60に分散、配設された複数
個のファラデーカップからなるファラデーカップ群64
とを有する。配設体62は、配設体端部でウエハ面に平
行な軸66の周りに回動自在であり(図4参照)、ウエ
ハ面に平行又は直交することによりウエハ保持台32と
ビーム出射口22との間に自在に介在するようにされて
いる。尚、配設体62は、ウエハ面に平行に進退自在で
あってもよい。また、ファラデーカップ群64は、ファ
ラデーカップ配設面60内に一様に配設されている(図
3参照)。各ファラデーカップの径は例えば5mmφで
あり、イオンビーム径は例えば6mmφ〜20mmφ程
度である。イオン注入部54は、更に、ウエハ保持台3
2と配設体62との間に、被イオン注入面積を調整する
ための開口65(図2参照)を有するマスク67を備え
ている。また、イオン注入部54は、ファラデーカップ
68A、Bをマスク67のうちウエハ保持台32の周囲
で互いに対向する位置に有しており、オーバースキャン
されたイオンビームのビーム電流を計測するようにして
いる。マスク67には、ファラデーカップ68A〜Dに
イオンビームが入射可能なように開口70A〜Dが形成
されており、ファラデーカップ68A〜Dは、何れもド
ーズカウンタ48に電気的に接続されている。
【0017】スキャン速度制御部52は、ビーム電流分
布計測器56により計測されたイオンビーム電流分布に
基づき、イオンビーム電流分布を許容範囲内の変動にす
るような被イオン注入面内のスキャン速度分布を算出し
て、そのスキャン速度分布に従ってイオンビームをスキ
ャンするようにされている。また、スキャン速度制御部
52は、イオンビーム電流分布の標準偏差を算出する機
能を有している。イオンビーム電流分布の許容範囲内の
変動とは、例えば、標準偏差によって算出されるD値が
0.5%以内になるような変動である。
【0018】図5は、イオン注入装置50を用いてウエ
ハにイオン注入する手順を示すフローチャート図であ
る。イオン注入装置50を用いてウエハにイオン注入す
るには、先ず、ウエハ58をウエハ保持台32で保持
し、配設体62をウエハ面に平行にし(図1参照)、イ
オンビーム電流分布を計測可能な状態にする(ステップ
S1)。次いで、イオンビーム33により、所定の速度
分布、例えば一定の角速度で配設体62のファラデーカ
ップ配設面60をスキャンしてイオンビーム電流分布を
計測する(ステップS2)。尚、スキャンの軌道は、仮
に配設面60がない場合、イオンビームがファラデーカ
ップ68A〜Dに入射するような軌道である。次いで、
スキャン速度制御部52が、計測したイオンビーム電流
分布に基づき、イオンビーム電流分布を許容範囲内の変
動にするように、ビーム電流の相対的に高い位置ではス
キャン速度が速く、低い位置ではスキャン速度が遅いよ
うなスキャン速度分布をシュミレーション計算により算
出する。算出したスキャン速度分布は、例えば図3に示
すようにイオンビームが軌跡72を描くようなスキャン
速度分布であり、軌跡72で、実線はスキャン速度が速
く、破線はスキャン速度が遅いことを示す。そして、こ
のスキャン速度分布をスキャン速度制御部自身に設定す
る(ステップS3)。次いで、設定したスキャン速度分
布に従って、イオンビームでファラデーカップ配設面6
0をスキャンする。この結果、イオンビーム電流分布が
ファラデーカップ群64により新たに計測される(ステ
ップS4)。新たに計測されたイオンビーム電流分布が
許容範囲外であれば、ステップS3にフィードバック
し、ステップS4で計測されたイオンビーム電流分布に
基づいてスキャン速度分布の再算出及び再設定を行い、
更にステップS4と同じことを行う(ステップS5)。
新たに計測されたイオンビーム電流分布が許容範囲内で
あれば、配設体62をウエハ面に直交するように倒し
(図4参照)、イオンビームでウエハ58の被イオン注
入面をスキャンしてイオン注入する(ステップS6)。
【0019】ウエハ58のドーズ量を算出するには、ウ
エハ面にイオン注入する際、オーバースキャンによりフ
ァラデーカップ68A〜Dに入射したイオンビームのビ
ーム電流を計測し、総イオン注入量を点検してドーズ量
に換算することにより行う。
【0020】本実施形態例では、注入されるイオンビー
ム電流分布は許容範囲内であるので、ドーズ量の再現性
及び均一性の両方を許容範囲内にしてウエハ58にイオ
ン注入することができる。これにより、製造される半導
体デバイスの歩留まりを上げることができる。また、半
導体デバイスの設計では、ドーズ量が多少ばらついても
半導体デバイスが所定の性能を有するように、設計範囲
を厳しくしてマージンを少なくしていることが多い。本
実施形態例では、ドーズ量のばらつきを抑えることがで
きるので、従来に比べてマージンを大きくすることがで
きる。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、イオン注入装置は、イ
オンビームのX、Y両方向のビーム電流分布をファラデ
ーカップにより計測するビーム電流分布計測器を備えて
いる。ビーム電流分布計測器は、ファラデーカップ配設
面を有し、ウエハ保持部とビーム出射口との間に自在に
介在させることの可能な配設体と、配設体の配設面に分
散、配設された複数個のファラデーカップとを有する。
これにより、1枚のウエハを処理する毎に、又は、イオ
ン注入中に、イオンビーム電流分布をモニタすることが
できる。従って、イオン注入装置の故障のためにイオン
ビーム電流分布の変動が大きい場合、装置の故障を従来
に比べて早期に検出することができる。
【0022】好適には、ビーム電流分布計測器により計
測されたイオンビーム電流分布に基づき、イオンビーム
電流分布を許容範囲内の変動にするような被イオン注入
面内のスキャン速度分布を算出して、そのスキャン速度
分布に従ってイオンビームをスキャンするようにイオン
ビーム・スキャン機構を制御するスキャン速度制御部を
更に備えている。これにより、イオンビーム電流分布の
変動を許容範囲内に抑えてイオン注入することができる
ので、ドーズ量の再現性及び均一性の両方を許容範囲内
にしてウエハ58にイオン注入することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例のイオン注入装置のイオンビーム・
スキャン機構(静電型スキャン機構)及びイオン注入部
の構成を示す側面図である。
【図2】矢視II−IIから見た図である。
【図3】矢視III−IIIから見た図である。
【図4】実施形態例のイオン注入装置で、ウエハにイオ
ン注入する状態を示す側面図である。
【図5】実施形態例で、イオン注入装置を用いてウエハ
にイオン注入する手順を示すフローチャート図である。
【図6】従来のイオン注入装置の概念的構成図である。
【図7】従来のイオンビーム・スキャン機構(静電型ス
キャン機構)及びイオン注入部の構成の一例を示す側面
図である。
【図8】矢視I−Iから見た図である。
【符号の説明】
10……イオン注入装置、12……イオンソース部、1
4……引き出し電極、16……質量分析部、20……加
速管、22……ビーム出射口、24……イオンビーム・
スキャン機構(静電型スキャン機構)、26……イオン
注入部、27……軌跡、29……走査電極、30……電
源、31……スキャン速度制御部、32……ウエハ保持
台、33……イオンビーム、36……ウエハ、38……
マスク、40……入口開口、42……カップ、44……
ビーム電流流入板、46……電流計、48……ドーズカ
ウンタ、49……バイアス電極、50……イオン注入装
置、51……イオンビーム・スキャン機構(静電型スキ
ャン機構)、52……スキャン速度制御部、54……イ
オン注入部、56……ビーム電流分布計測器、58……
ウエハ、60……ファラデーカップ配設面、62……配
設体、64……ファラデーカップ群、65……開口、6
6……軸、67……マスク、68A〜D……ファラデー
カップ、70A〜D……開口、72……軌跡。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビーム出射口から出射されたイオンビー
    ムでウエハのX−Y平面をX、Y両方向にスキャンする
    イオンビーム・スキャン機構と、ウエハの被イオン注入
    面をイオンビームに向けてウエハを保持するウエハ保持
    部とを備えているイオン注入装置において、 ウエハ保持部に保持されるウエハの被イオン注入面に平
    行で、かつビーム出射口に向くように位置決めされるフ
    ァラデーカップ配設面を有する配設体と、 配設体のファラデーカップ配設面に分散、配設された複
    数個のファラデーカップとを有し、ウエハ保持部とビー
    ム出射口との間に配設体を自在に介在させてウエハの被
    イオン注入面のX、Y両方向のビーム電流分布をファラ
    デーカップにより計測するビーム電流分布計測器を備え
    ていることを特徴とするイオン注入装置。
  2. 【請求項2】 複数個のファラデーカップは、ファラデ
    ーカップ配設面上に一様な分布で配設されていることを
    特徴とする請求項1に記載のイオン注入装置。
  3. 【請求項3】 配設体が、ウエハの被イオン注入面に平
    行に進退自在であって、所定位置に位置決めされて停止
    するように設けられていることを特徴とする請求項1又
    は2に記載のイオン注入装置。
  4. 【請求項4】 配設体が、配設体縁部でウエハの被イオ
    ン注入面に平行な回転軸又は直交する回転軸の周りに回
    動自在であって、所定位置に位置決めされて停止するよ
    うに設けられていることを特徴とする請求項1又は2に
    記載のイオン注入装置。
  5. 【請求項5】 ウエハ保持台の周囲に、ウエハの被イオ
    ン注入面から外側にオーバースキャンされたイオンビー
    ムが入射されるファラデーカップを備えていることを特
    徴とする請求項1から4のうち何れか1項に記載のイオ
    ン注入装置。
  6. 【請求項6】 ビーム電流分布計測器により計測された
    イオンビーム電流分布に基づき、イオンビーム電流分布
    を許容範囲内の変動にするような被イオン注入面内のス
    キャン速度分布を算出して、そのスキャン速度分布に従
    ってイオンビームをスキャンするようにイオンビーム・
    スキャン機構を制御するスキャン速度制御部を更に備え
    ていることを特徴とする請求項1から5のうち何れか1
    項に記載のイオン注入装置。
  7. 【請求項7】 スキャン速度制御部は、イオンビーム電
    流分布の標準偏差を算出する機能を有し、標準偏差が所
    定範囲内になるようにスキャン速度分布を設定するよう
    にされていることを特徴とする請求項6に記載のイオン
    注入装置。
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