JPH1191945A - 基板支持装置 - Google Patents

基板支持装置

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JPH1191945A
JPH1191945A JP27348697A JP27348697A JPH1191945A JP H1191945 A JPH1191945 A JP H1191945A JP 27348697 A JP27348697 A JP 27348697A JP 27348697 A JP27348697 A JP 27348697A JP H1191945 A JPH1191945 A JP H1191945A
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Giyoujiyu Kurita
行樹 栗田
Yoshiro Hasegawa
善郎 長谷川
Naoyuki Nozawa
直之 野沢
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 支持爪の存在が原因で処理の特性が局所的に
変化することのない均質な基板処理が行えるようにす
る。 【解決手段】 垂直な姿勢のベース板11に設けられた
切り欠きの縁に取り付けられた複数の支持爪141,1
42,143のうちの一つは、基板2の縁に当接したり
縁から離れたりすることが可能な可動支持爪143であ
り、基板2の装着時には基板2の周囲の空間はベース板
11又はベース板11に取り付けられた部材によって埋
められた状態となる。すべての支持爪141,142,
143の周方向の前後の位置では他の周方向の位置より
も基板2の周囲に形成される隙間が狭く、7mm以下で
ある。垂直に支持された基板2を臨む空間にプラズマが
形成されて基板2が処理されるが、支持爪141,14
2,143の前後の部分は隙間が狭いのでプラズマが進
入せず、処理特性の局所的な変化は生じない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願の発明は、基板の表面に
所定の処理を施す基板処理装置等において基板を支持す
る目的で使用される基板支持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】基板の表面に所定の処理を施すことは、
LSI(大規模集積回路)、LCD(液晶ディスプレ
イ)、情報記録ディスク等の製作において盛んに行われ
ている。このうち、ハードディスク等の情報記録ディス
クの製作の分野では、中央に開口を有する基板を垂直に
支持する基板支持装置が使用される場合がある。
【0003】図6は従来の基板支持装置の構成を示す正
面概略図、図7は図6に示す基板支持装置の動作を説明
する斜視概略図である。図6及び図7に示す基板支持装
置は、垂直に立てて配置されたベース板11と、このベ
ース板11に設けられた固定支持爪12及び可動支持爪
13によって主に構成されている。
【0004】図6及び図7に示すように、ベース板11
は、方形の板部材に「J」の字の形状の切り欠きを設け
たような形状のものである。そして、その「J」の字の
切り欠きの曲線部分(以下、曲線部)に四つの固定支持
爪12が設けられている。四つの固定支持爪12は、図
6及び図7に示すように、「J」の字の最下点を通る垂
直な線(以下、中心軸線10)に対して線対称となる位
置関係で配置されている。
【0005】各々の固定支持爪12は、短い帯板状の部
材を曲げてL字状にしたような形状の部材である。ベー
ス板11の切り欠き部分には、段差が設けられており、
この段差に係止させるようにして各固定支持爪12が配
置され、ネジ止め等の方法によってベース板11に対し
て固定されている。そして、各固定支持爪12の先端
は、曲線部の曲率の中心点に向かっており、その先端部
分は、図7に示すようなV字状の凹部が形成されてい
る。
【0006】一方、可動支持爪13はベース板11の上
面に固定されている。可動支持爪13は、帯板状の部材
の先端をL字状に曲げた形状を有する。可動支持爪13
の後端はベース板11の上端面にネジ止め等によって固
定されており、L字状の先端部分はちょうど中心軸線1
0上に位置して下方に向いている。そして、下方に向い
た先端部分には、固定支持爪12と同様にV字状の凹部
が形成されている。
【0007】上記従来の基板支持装置の動作について説
明する。上記基板支持装置は、ハードディスク用の基板
のような円形の板状で中央に開口20を有する基板2を
支持するよう構成され、基板2を保持する基板ピックア
ップ3を備えた搬送機構4によって基板2が着脱される
ようになっている。
【0008】また、図7に示すように、基板支持装置1
の付近には、基板支持装置1の可動支持爪13を開閉す
る開閉装置5が設けられる。上述した可動支持爪13は
板ばねになっており、開閉装置5は、可動支持爪13の
先端を上方に変位させて可動支持爪13を撓ませる開閉
ピン51と、開閉ピン51を水平方向及び垂直方向に移
動させる移動機構52とから構成されている。
【0009】まず、上記基板支持装置1に基板2を装着
する場合について説明する。基板ピックアップ3は基板
2の中央の開口20に先端を挿入させて基板2を保持し
ながら、基板2を基板支持装置1の近傍まで水平に搬送
する。この際、開閉装置5の開閉ピン51は移動機構5
2によって予め水平に移動して基板支持装置1の可動支
持爪13の下方に進入し、さらに所定距離上方に移動し
て図6に点線で示すように可動支持爪13を撓ませて可
動支持爪13が開いた状態にしている。
【0010】基板ピックアップ3は、基板支持装置1の
ベース板11の位置まで基板2を移動させ、可動支持爪
13と固定支持爪12との間の位置に基板2を位置させ
る。そして、搬送機構4が基板ピックアップ3を少し下
降させ、基板2が固定支持爪12の上に載って支持され
るようにする。
【0011】次に、開閉装置5の移動機構52が開閉ピ
ン51を所定距離下降させ、可動支持爪13の撓みを解
消させて可動支持爪13がほぼ水平な姿勢になるように
する。この結果、可動支持爪13の先端部分が基板2の
上縁に当接し、基板2を上から抑える状態となる。その
後、基板ピックアップ3は後退し、別の基板2の保持等
のため、搬送機構4によって所定の位置まで送られる。
また、開閉ピン51も後退して所定の退避位置に退避す
る。
【0012】基板2を基板支持装置1から取り外す場合
は上記の手順と逆であり、まず開閉装置5の移動機構5
2が開閉ピン51を水平移動させて可動支持爪13の下
方に進入させ、所定距離上昇させて可動支持爪13を撓
ませる。そして、搬送機構4が基板ピックアップ3を駆
動し、基板ピックアップ3の先端を基板2の中央の開口
20に挿入させる。この状態で基板ピックアップ3が少
し上昇して基板2を保持して持ち上げ、基板ピックアッ
プ3が後退して基板2を基板支持装置1から引き抜くこ
とで取り外しが完了する。
【0013】次に、上述したような基板支持装置1を使
用した基板処理装置について説明する。図8は、図6及
び図7に示す基板支持装置を使用した基板処理装置の例
の概略構成を示す平面図である。図8に示す基板処理装
置は、基板着脱チャンバー61と処理チャンバー62と
をゲートバルブ66を介在させて隣接して配置した構造
である。処理される基板2は基板着脱チャンバー61で
基板支持装置1に装着され、基板支持装置1ごと処理チ
ャンバー62に送られる。そして、処理チャンバー62
で処理を行った後、再び基板着脱チャンバー61に戻さ
れ、基板支持装置1から取り外される。
【0014】図8には、基板処理装置の一例として、磁
性薄膜を作成するスパッタリング装置が示されている。
即ち、処理チャンバー62内には、スパッタリングカソ
ード63が設けられている。スパッタリングカソード6
3は、スパッタされるターゲット631と、ターゲット
631の背後に設けられた磁石機構633とから構成さ
れている。また、ターゲット631にターゲット所定の
電圧を印加するスパッタ電源632が設けられている。
【0015】磁石機構633は、中央に設けられた柱状
の中心磁石634と中心磁石634を取り囲むリング状
の周辺磁石635とからなる構成であり、ターゲット6
31を貫くアーチ状の磁力線636を設定するようにな
っている。この磁力線636によってマグネトロンスパ
ッタリングが可能となり、高効率の成膜が行える。
【0016】処理チャンバー62は、排気系64や内部
に所定のガスを導入するガス導入手段65を備えてい
る。処理チャンバー62内を所定のガスを導入しなが
ら、スパッタ電源632を動作させると、ターゲット6
33を臨む空間にスパッタ放電が生じ、プラズマPが形
成される。
【0017】図8に示すように、スパッタリングカソー
ド63は、基板支持装置1に支持された基板2の両側に
位置するように一対設けられている。従って、プラズマ
Pは基板2の両側に形成され、基板2の両側の面に対し
て同時に成膜できるようになっている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の基板支
持装置が使用される基板処理装置では、基板の表面に対
して隅々まで良質な処理が行えることが要請されてい
る。例えば、情報記録媒体用の基板に対する磁性薄膜の
作成処理においては、一枚の基板への記録容量を大きく
するため、なるべく基板の周縁に近い領域まで良質な磁
性薄膜を作成することが要請されている。発明者の研究
によると、上述した構成の基板支持装置を使用した場
合、基板の中央部分では良質な磁性薄膜が作成できる
が、基板の周辺部特に基板の周縁に近い部分では、局所
的に異常な性質の薄膜が作成されてしまう問題があるこ
とが判明した。
【0019】図9は、この従来の基板支持装置の問題を
説明した図である。より具体的には、図9は、図6及び
図7に示す基板支持装置を使用して作成した磁性薄膜の
モジュレーション特性を示したものである。モジュレー
ション特性とは、モジュレーション即ち出力信号の異常
な変動がないかどうかの特性を意味し、ここでは、基板
に作成された磁性薄膜の磁気特性が周方向での均一であ
るかどうかを意味している。具体的には、図9は、基板
の周方向での保持力及び残留磁束の大きさを電気信号に
置き換えて表したものである。
【0020】図9には、直径95mmの基板のモジュレ
ーション特性が示されている。このうち、図9(A)は
中心から半径40mmの位置でもモジュレーション特性
を、図9(B)は中心から半径46.5mmの位置での
モジュレーション特性を示している。図9から分かる通
り、中心から半径40mmの位置では、周方向での磁気
特性は均一であり、モジュレーションは生じていない
が、半径46.5mmの位置では、局所的に磁気特性な
急激を示すピークが五カ所観察されており、モジュレー
ションが生じている。このようなモジュレーションが生
ずると、磁気記録の際にエラーになり易く、不良セクタ
の原因になり易い。
【0021】発明者がこのピークの原因について鋭意検
討を加えた結果、このピークの位置は、図6に示す支持
爪の位置に対応していることを発見した。即ち、ピーク
の周方向の位置は、成膜の際に支持爪が位置していた周
方向の位置と一致していた。このようなことから、ピー
クの原因は、支持爪の存在が原因していると考えられ
た。
【0022】発明者の更なる研究によると、支持爪の存
在による磁気特性のピークの発生は、成膜の際に形成す
るプラズマの挙動に関連していることが分かってきた。
即ち、図6に示すような従来の基板支持装置では、ベー
ス板の切り欠きの縁と基板の周縁の間の空間にもプラズ
マは進入してくる。特に、基板に0〜−400V程度の
負のバイアス電圧を印加したときのプラズマの進入が問
題となっている。
【0023】この場合、基板の周囲の空間の電気的条件
を考えると、支持爪は通常ステンレス等の金属で形成さ
れているので、支持爪が例えば接地電位に維持される場
合、プラズマから電子やイオンが盛んに支持爪を通って
接地部に流れる。このため、支持爪の存在している場所
だけプラズマの状態が局所的に変化していると考えられ
る。このような原因で、図9(B)に示すような磁気特
性の局所的な変化が生じてしまうものと考えられる。
【0024】また、基板に対して負のバイアス電圧を与
えてプラズマ中から正イオンを引き出して処理に利用す
ることも検討されている。この場合、支持爪は負のバイ
アス電圧を与える電極としても兼用される。このような
場合、基板とベース板との間の隙間にプラズマが進入す
ると、支持爪の存在によってプラズマの空間的条件が大
きく変化し、図9(B)に示すような磁気特性の局所的
な変化がさらにひどくなると予想される。
【0025】本願発明は、かかる課題を解決するために
なされたものである。即ち、支持爪の存在が原因で、処
理の特性が局所的に変化することのない均質な基板処理
が行える基板支持装置を提供することを目的としてい
る。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本願の請求項1記載の発明は、基板を臨む空間にプ
ラズマを形成しながら基板に所定の処理を施す基板処理
装置において基板を垂直に支持するために使用される基
板支持装置であって、ベース板と、基板の周縁に当接し
て基板を垂直に支持するようベース板に取り付けられた
複数の支持爪とを備え、これら複数の支持爪の少なくと
も一つは、基板の周縁に当接したり周縁から離れたりす
ることが可能な可動支持爪であり、基板が装着された
際、基板の周囲の空間はベース板又はベース板に取り付
けられた部材によって埋められた状態となるとともに、
すべての前記支持爪の周方向の前後の位置では他の周方
向の位置よりも基板の周囲に形成される隙間が狭くなっ
ているという構成を有する。また、上記課題を解決する
ため、請求項2記載の発明は、上記請求項1の構成にお
いて、すべての前記支持爪の周方向の前後の位置では基
板とベース板又はベース板に取り付けられた部材との隙
間が7mm以下であるという構成を有する。また、上記
課題を解決するため、請求項3の発明は、請求項1又は
2記載の構成において、前記可動支持爪は、ベース板に
軸支された開閉アームに取り付けられており、この開閉
アームは、基板の周縁の一部分に沿って等距離を保って
延びる形状を有する。また、上記課題を解決するため、
請求項4の発明は、請求項3記載の構成において、前記
開閉アームは、前記基板の周縁の一部分との距離が7m
m以下であるという構成を有する。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施の形態につ
いて説明する。図1は、本願発明の実施形態の基板支持
装置の概略構成を示す正面図である。このうち、図1
(A)は、基板が基板支持装置に装着された状態を示
し、図1(B)は、基板支持装置への基板の着脱の際に
基板が上昇位置に位置した一時的な状態を示している。
図1に示す基板支持装置は、ベース板11と、基板2の
周縁に当接して基板2を垂直に支持するようベース板1
1に取り付けられた複数の支持爪141,142,14
3とを備えている。
【0028】ベース板11は、全体がほぼ方形の板状で
ある。ベース板11の下部には、不図示の搬送キャリア
に取り付ける取り付け部110が形成されている。搬送
キャリアは、基板2を支持した基板支持装置を水平方向
に搬送させる機構である。ベース板11のほぼ中央の位
置には、図1に示すように、ほぼ円周の一部を成す切り
欠きが形成されている。この円周の中心は、基板2が装
着された際に基板2の中心が位置する点(以下、支持中
心)に一致している。
【0029】図1上、時計の針の進む向きに従って円周
角で表すと、83度から147度程度までの部分111
では、切り欠きの縁は円周の一部を成している(以下、
第一円周部111)。また、233度から277度程度
までの部分112でも、切り欠きの縁は円周の一部を成
している(以下、第二円周部112)。
【0030】第一円周部111と第二円周部112と
は、同一半径の円周の一部である。そして、この半径
は、基板2の半径よりも3mm程度大きくなっている。
つまり、図1(A)に示すように基板2が装着された状
態では、第一円周部111及び第二円周部112では、
基板2の縁とベース板11の縁が同一の3mmの間隔
(以下、円周離間間隔と呼ぶ)を隔てて向かい合う状態
となる。尚、図1(A)に示すように、第一円周部11
1と第二円周部112との間の部分では、円周上よりも
えぐられた形状となっている。これは、後述するよう
に、基板2を保持した基板ピックアップの待避位置を確
保するためである。
【0031】そして、時計の針の進む向きを前、逆を後
ろとすると、第一円周部111の前側の端部の少し後ろ
よりの位置には、円周に対して垂直な方向(円の径方
向)に沿って細長い第一の隘路151が形成されてい
る。そして、この隘路151内には、第一の支持爪14
1が配置されている。第一の支持爪141は、図1に示
すようなL字状の部材である。即ち、帯状の板を図1に
示すようにL字状に折り曲げた形状である。一方、第一
の隘路151の終端には、第一の爪固定用開口152が
形成されている。第一の爪固定用開口152の縁には、
第一の支持爪141を固定する第一の固定部153が設
けられている。第一の支持爪141の終端は、この第一
の固定部153にネジ止めによって固定されている。
【0032】図2を使用して、第一の支持爪141の先
端の形状及び第一の支持爪141の突出長さについて説
明する。図2は、第一の支持爪141の先端の形状及び
第一の支持爪141の突出長さについて説明する斜視概
略図である。図2に示すように、第一の支持爪141の
先端は、浅いV字状に形成されている。V字の深さは
0.5mm程度である。従って、第一の支持爪141の
先端から第一円周部111の成す円周までの距離(突出
長さ)は、円周離間間隔dよりも僅かに大きく、3.5
mm程度である。但し、この突出長さは、図6に示す従
来の基板支持装置において、切り欠きの縁から固定支持
爪12が突出する長さ(例えば10mm程度)より遙か
に小さい。尚、V字の深さを2mm程度に深くして突出
長さを5mm程度にすると、基板2の支持は安定する。
しかし、V字の深さをあまり深くすると、支持爪141
の先端部分が影になって基板2の周縁に近い領域での処
理が阻害されるというシャドー効果の問題が大きくなる
欠点がある。
【0033】また、図1に戻り、第二円周部112の後
ろよりの端部から少し前よりの位置には、第二の隘路1
54が形成されている。この隘路154も、円周に対し
て垂直な方向に沿って長いものである。そして、この第
二の隘路154に、第二の支持爪142が配置されてい
る。第二の支持爪142も、図1に示すようなL字状の
部材である。そして、第二の隘路154の終端には、第
二の爪固定用開口155が形成され、第二の爪固定用開
口155の縁には、第二の支持爪142を固定する第二
の固定部156が設けられている。第二の支持爪142
の終端は、この第二の固定部156にネジ止めによって
固定されている。そして、第二の支持爪142の先端
も、図2に示す第一の支持爪141の先端と同じ形状で
あり、第一の支持爪141の場合と同じ突出長さで第二
円周部112から支持中心に向けて突出している。
【0034】第一円周部111の後ろ側の部分の切り欠
きの縁も、円周の一部を成すようになっている。この部
分を第三円周部113と呼ぶが、この第三円周部113
の中心は、図1(B)に示すように基板2が着脱の際に
一時的に位置する上昇位置(以下、単に上昇位置とい
う)に位置した際の基板2の中心の点(以下、上昇中心
という)に一致している。そして、上昇位置に位置した
基板2の周縁と第三円周部113の縁との距離は、第一
円周部111等と同様に3mm程度である。また、第二
円周部112の前側の部分114の切り欠きの縁も、上
昇中心と同心の円周の一部を成している。この部分を第
四円周部114と呼ぶと、この第四円周部114と症状
位置の基板2の周縁との距離も、同様に3mm程度であ
る。
【0035】このようなベース板11の上辺部分には、
開閉アーム16が設けられている。開閉アーム16は、
図1に示すように、一端がベース板11の左側の上端部
に軸支されている。即ち、開閉アーム16は、上端部に
設けられた回転軸161の回りに所定角度の範囲内で回
転可能となっている。
【0036】開閉アーム16は、図1に示すように、上
側に位置する直線状部162と、直線状部162の下側
に位置する円周状部163と、直線状部162と円周状
部163とをつなぐ三つの中継部164とからなる形状
である。そして、円周状部163の下側の縁は、装着さ
れた基板2の上側の一部分に沿って等距離を保って延び
る形状となっている。以下、この部分の開閉アーム16
の縁を第五円周部115と呼ぶ。
【0037】即ち、図1(A)に示す通り、基板2が装
着された状態では、340度(−20度)から43度程
度の周方向の位置において、基板2の周縁と第五円周部
115が等距離を保って延びる状態となっている。そし
て、ここでも、基板2の周縁と第五円周部115との間
の円周離間間隔は3mmに設定されている。
【0038】尚、第五円周部115の周方向後ろ側にお
いても、開閉アーム16の縁は円周状となっている(以
下、第六円周部116)。この第六円周部116は、第
三円周部113や第四円周部114と同じく、図1
(B)に示すように上昇中心と同心上に円周状の形状に
なっている。
【0039】このよな開閉アーム16の長さ方向の真ん
中より少し先端側の位置には、図1に示すように可動支
持爪143が設けられている。開閉アーム16は、直線
状部162と円周状部163とを繋ぐ三つの中継部16
4によって左右に二つの中空が設けられている。そし
て、左側の中空の部分から周方向前側の端から円周状部
163を貫通して第三の隘路157が形成されている。
【0040】可動支持爪143は、帯板状の部材をL字
状に折り曲げた形状であり、折り曲げた先端側の部分が
第三の隘路157に挿通されている。可動支持爪143
の後端側の部分は、開閉アーム16の左側の中空内に位
置し、直線状部162の下面に固定されている。
【0041】可動支持爪143の先端は、第五円周状部
163の円周の方向に対して垂直に突出している。そし
て、この可動支持爪143の先端の形状寸法も第一の支
持爪141の同じであり、先端の突出長さも第一の支持
爪141と同様に3.5mmである。尚、図1(A)に
示すように、基板2が装着された際には、可動支持爪1
43の先端側の部分は、支持中心を結ぶ線上に位置す
る。
【0042】また一方、開閉アーム16の先端には、コ
イルスプリング17の一端171が係止されている。こ
のコイルスプリング17の他端172は、ベース板11
の右側の上端部に係止されている。開閉アーム16が回
転軸161を支点として回転した際、コイルスプリング
17は、他端172を支点にして所定角度範囲で回転す
るようになっている。
【0043】このコイルスプリング17は、図1(A)
にすように基板22が装着された際、開閉アーム16を
下側に回転させる弾性力を発生させて基板2を下方に押
し付け、基板2の支持を安定化させる作用を持つもので
ある。即ち、図1(A)に示すように、第一第二の支持
爪141,142の上に載せられて基板2が装着された
状態で、基板2が何らかの弾みで第一第二の支持爪14
1,142から跳ね上がろうとすると、基板2は可動支
持爪143を押して開閉アーム16を上方に(反時計回
りに)向けて回転させるようにする。
【0044】しかしながら、開閉アーム16がこの向き
に回転すると、コイルスプリング17は、開閉アーム1
6の先端に固定されたコイルスプリング17の一端17
1とベース板11に固定された他端172との間隔が狭
まりながら他端172を中心にして上方に(反時計回り
に)回転する。コイルスプリング17の一端171と他
端172との間隔が狭まると、コイルスプリング17の
弾性力はそれに逆らうように作用するから、開閉アーム
16の上方への回転を抑えるよう作用する。このため、
基板2が第一第二の支持爪141,142から跳ね上が
るのが抑えられる。しかしながら、開閉アーム16が上
方にさらに回転して、ある位置を越えてしまうと、今度
はコイルスプリング17の一端171と他端172が遠
ざかる動きになり、コイルスプリング17の弾性力は、
開閉アーム16を上方に弾き出すように作用する。
【0045】このコイルスプリング17の作用が変化す
る臨界点は、コイルスプリング17の一端171と他端
172との距離が最も接近した地点である。この地点
は、開閉アーム16の回転中心(回転軸)とコイルスプ
リング17の一端171と他端172とが一直線上にな
る状態であり、デッドポイントと呼ばれる。デッドポイ
ントを越えて開閉アーム16が反時計回りに回転する
と、コイルスプリング17の弾性力は、開閉アーム16
を下方に抑える向きから上々に弾き出す向きに変化す
る。但し、現実のデッドポイントは、開閉アーム16の
自重や回転軸161の部分での摩擦等から上記地点から
僅かに下方の地点になる。
【0046】尚、基板2の装着状態、即ち、基板2が第
一第二の支持爪141,142に支持されその上に可動
支持爪143が載っている状態では、コイルスプリング
17の一端171と他端172との間隔は、自由状態
(外から力が加わらない状態)の間隔よりも少し狭い間
隔になっている。即ち、基板2が装着された状態では、
コイルスプリング17の弾性力は基板2を下方に僅かに
抑えるよう作用する。但し、基板2が装着された状態で
コイルスプリング17の一端171と他端172の間隔
が丁度自由状態の間隔になるよう構成してもよい。
【0047】一方、開閉アーム16の右側の中空部分に
は、基板着脱装置の基板ピックアップが備える開閉棒3
8が挿通され、開閉アーム16が開閉されるようになっ
ている。図3を使用してこの開閉棒38による開閉アー
ム16の開閉動作を説明する。図3は、図1に示す基板
支持装置への基板2の着脱の際に使用される基板着脱装
置の基板ピックアップの斜視概略図である。
【0048】この基板ピックアップ3は、基板2の中央
の開口の縁を支持する垂直な姿勢の第一の支持板31
と、第一の支持板31を先端に固定した第一の水平板3
2と、基板2の下縁を支持する垂直な姿勢の第二の支持
板33と、第二の支持板33を先端に固定した第二の水
平板34と、第一の水平板32と第二の水平板34とを
一体に保持した垂直な姿勢の保持板35と、保持板35
に先端が固定された駆動ロッド36と、保持板35の上
端から側方に延びる取り付け板37と、取り付け板37
から前方に延びるように固定した開閉棒38とから主に
構成されている。尚、駆動ロッド36には、基板ピック
アップ3全体を水平方向及び垂直方向に移動させる不図
示の移動機構が設けられている。
【0049】図1(A)、図1(B)及び図3を使用し
て、本実施形態の基板支持装置への基板2の着脱動作に
ついて説明する。最初に、基板支持装置に基板2を装着
する動作について説明する。まず、図3に示すように基
板2が基板ピックアップ3に支持され、不図示の移動機
構が基板ピックアップ3を移動させ、基板2を図1
(B)に示す位置に位置させる。即ち、基板2をベース
板11の切り欠き内に位置させるとともに、基板2の中
心が上昇中心の位置に一致した状態とする。この状態で
は、開閉アーム16は、図1(B)に示すように、直線
状部162がほぼ水平な状態にある。この状態は、開閉
アーム16が開いた状態である。そして、上記のように
基板ピックアップ3が基板2を上昇位置に位置させるよ
うに移動して停止すると、基板ピックアップ3に備えら
れた開閉棒38の先端が、開閉アーム16の右側の中空
内に挿通された状態となる。
【0050】この状態で不図示の移動機構が、基板ピッ
クアップ3を所定のストロークで下降させる。この結
果、基板2が下降して第一の支持爪141及び第二の支
持爪142の上に載り、基板2の中心が支持中心に一致
した状態即ち装着状態となる。この下降動作の際には、
開閉棒38も同時に下降し、開閉アーム16を下方に
(時計回りに)押し下げる。そして、開閉アーム16に
設けられた可動支持爪143が、図1(A)に示すよう
に基板2の上縁に当接する。また、開閉アーム16の下
方への回転に伴い、コイルスプリング17は上述したよ
うにデッドポイントを越えて反時計回りに回転し、開閉
アーム16を下方に押し下げるよう弾性力を作用させ
る。このため、装着された基板2の跳ね上がりが防止さ
れる。
【0051】尚、装着動作が終了した際、基板ピックア
ップ3の第二の支持板33は、ベース板11の第一円周
部111と第二円周部112との間のえぐられた部分に
位置する。また、装着動作が終了した際、基板ピックア
ップ3の第一第二の支持板31,33は、それらの上縁
が基板2から僅かに離間した位置(以下、装着終了位
置)にある。不図示の移動機構は、基板ピックアップ3
をこの装着終了位置から水平方向に移動させて後退さ
せ、所定の待機位置に位置させる。
【0052】基板2の取り外し動作は、上記基板2の装
着動作とは逆の手順で行われる。即ち、所定の待機位置
にある基板ピックアップ3を移動させ、上記装着終了位
置に位置させる。この際、図1(A)に示すように、基
板ピックアップ3に備えられた開閉棒38は、閉じた状
態である開閉アーム16の右側の中空内に挿通される。
【0053】この状態で、移動機構は基板ピックアップ
3を所定のストロークで上昇させる。この結果、図3に
示すように基板2が第一の支持板31及び第二の支持板
33によって支持された状態となる。移動機構は、基板
ピックアップ3をさらに上昇させ、基板2を上昇位置に
位置させる。この動作の際、開閉棒38が開閉アーム1
6に引っ掛かって開閉アーム16を上方に押し上げる。
この結果、コイルスプリング17はデッドポイントを越
え、図1(B)に示すように開閉アーム16は開いた状
態となる。尚、ベース板11の右側の上端部にはストッ
パ18が設けられており、開閉アーム16の先端は、こ
のストッパ18に当たってそれ以上は開かないようにな
っている。
【0054】このようにして基板2を上昇位置に位置さ
せた後、移動機構は基板ピックアップ3を水平に後退さ
せる。これによって、基板2が基板支持装置から引き抜
かれて取り外される。その後、移動機構は、所定の場所
まで基板ピックアップ3を移動させて基板2を搬送す
る。
【0055】さて、上記構成及び動作に係る本実施形態
の基板支持装置においては、図1の図示状態及び上述し
た説明から分かるように、三つの支持爪141,14
2,143の周方向前後においては、他の周方向の位置
よりも基板2の周囲に形成される隙間が狭くなってい
る。これは、前述したプラズマの挙動に関する発明者の
研究に基づいている。即ち、図6に示す従来の基板支持
装置のように、基板2の周縁とベース板11(又はベー
ス板11に固定された他の部材)との間に形成される隙
間が広い場合や、隙間ではなくで外側に開いた空間等で
ある場合、プラズマはその隙間や空間を埋めるように進
入してくる。しかしながら、ある限度以上に狭い空間に
ついてはプラズマは一般にそこに進入してくることはな
い。
【0056】本実施形態で、支持爪141,142,1
43の前後の隙間を狭くしているのは、このような理由
に基づいている。即ち、支持爪141,142,143
の前後の隙間を狭くしておくと、少なくともこの部分に
はプラズマは進入してこない。従って、支持爪141,
142,143の存在によってプラズマの空間的条件が
変化することはなく、磁気特性の局所的な変化を抑制す
ることができる。
【0057】図4は、上記支持爪141,142,14
3の前後の隙間を狭くすることによる磁気特性の改善の
効果を確認した実験の結果を示すものである。この図4
は、本実施形態の基板支持装置を使用してスパッタリン
グにより磁性薄膜を作成した基板2の磁性薄膜のモジュ
レーション特性を示したものである。図4の(A)
(B)は、図9の(A)(B)と同様であり、(A)は
中心から半径40mmの位置でもモジュレーション特性
を、図9(B)は中心から半径46.5mmの位置での
モジュレーション特性を示している。
【0058】図4から分かる通り、本実施形態の基板支
持装置を使用して磁性薄膜を作成した基板2では、図9
(B)に見られたようなモジュレーションは全く観察さ
れていない。これは、支持爪の存在によってモジュレー
ション特性に影響を与えるようなプラズマの空間的条件
の変化が生じていないことを示している。
【0059】次に、基板2の周囲の隙間とモジュレーシ
ョン特性との関係について検討を加えた結果について説
明する。図5は、基板2の周囲の隙間とモジュレーショ
ンの大きさとの関係を示す図である。上述した通り、隙
間が狭くなるとプラズマが進入しにくくなるのでモジュ
レーションは小さくなるが、どの程度まで隙間が狭くな
るとプラズマの進入が無くなるかは、プラズマの条件に
よって若干異なってくる。最も大きな影響を与える因子
は圧力である。この図5には、圧力5mTorrでアル
ゴンガスのプラズマを形成し、支持爪141,142,
143の前後の空間の隙間即ち支持爪141,142,
143の突出長さを変化させた実験を結果を示してい
る。尚、図5において、モジュレーションの大きさは、
図9(B)に示すピークの相対的な高さ((a/b)×
100(%))を示している。
【0060】図5に示すように、圧力5mTorrの条
件では、隙間が3mmぐらいまではモジュレーションの
大きさは3%以下に抑えられ、実用上殆ど問題とならな
い。また、隙間が7mmより大きくなると、モジュレー
ションの大きさは5%を越えるようになり、実用上の問
題が発生してくる。一般に、圧力が低くなると、より狭
い隙間でもプラズマは進入し易くなる。しかしながら、
発明者の研究によると、隙間が3mm以下である場合、
モジュレーションはいずれの圧力条件でも殆ど問題とな
らない大きさになる。また、隙間が7mm以下である場
合でも、基板処理で採用されるであろう多くの圧力条件
においてはモジュレーションは実用上問題とならない大
きさとなる。従って、隙間は理想的には3mm以下であ
るが、実用的には隙間は7mm以下であることが好まし
い。
【0061】上述した本実施形態の基板支持装置では、
基板ピックアップ3の上下動に連動して開閉アーム16
が開閉されるようになっている。この構成は、基板2の
着脱動作に要する時間を短縮できるメリットがあるが、
本願発明の構成はこれに限定されるものではない。即
ち、基板ピックアップ3とは別に開閉アーム16の開閉
機構を設けるようにしても良い。開閉機構は、例えば開
閉アーム16の右側の中空に進入する開閉ピンと、開閉
ピンを水平方向及び垂直方向に移動させる機構とによっ
て構成できる。
【0062】また、上述した基板支持装置は、図8に示
すような薄膜作成装置に採用されるが、これ以外にも、
エッチング装置や表面改質装置等の処理装置に採用する
ことが可能である。さらに、基板2は円形であるものの
みが説明されたが、液晶基板のような方形の基板2であ
っても差し支えない。
【0063】
【発明の効果】以上説明した通り、本願発明によれば、
基板の周囲に形成される隙間が支持爪の前後で狭くなっ
ているので、支持爪の存在が原因で基板処理の特性に影
響が出ることがなく、均質な処理が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施形態の基板支持装置の概略構成
を示す正面図であり、(A)は基板が基板支持装置に装
着された状態、(B)は基板が基板支持装置への基板の
着脱の際に基板が上昇位置に位置した一時的な状態を示
している。
【図2】第一の支持爪141の先端の形状及び第一の支
持爪141の突出長さについて説明する斜視概略図であ
る。
【図3】図1に示す基板支持装置への基板2の着脱の際
に使用される基板着脱装置の基板ピックアップの斜視概
略図である。
【図4】支持爪141,142,143の前後の隙間を
狭くすることによる磁気特性の改善の効果を確認した実
験の結果を示すものである。
【図5】基板2の周囲の隙間とモジュレーションの大き
さとの関係を示す図である。
【図6】従来の基板支持装置の構成を示す正面概略図で
ある。
【図7】図6に示す基板支持装置の動作を説明する斜視
概略図である。
【図8】図6及び図7に示す基板支持装置を採用した薄
膜作成装置の例の概略構成を示す正面図である。
【図9】従来の基板支持装置の問題を説明した図であ
り、図6及び図7に示す基板支持装置を使用して作成し
た磁性薄膜のモジュレーション特性を示したものであ
る。
【符号の説明】
1 基板支持装置 11 ベース板 111 第一円周部 112 第二円周部 115 第五円周部 141 第一の支持爪 142 第二の支持爪 143 可動支持爪 16 開閉アーム 162 円周状部 17 コイルスプリング 2 基板 3 基板ピックアップ 38 開閉棒
【手続補正書】
【提出日】平成10年3月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図 1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板を臨む空間にプラズマを形成しなが
    ら基板に所定の処理を施す基板処理装置において基板を
    垂直に支持するために使用される基板支持装置であっ
    て、 ベース板と、基板の周縁に当接して基板を垂直に支持す
    るようベース板に取り付けられた複数の支持爪とを備
    え、これら複数の支持爪の少なくとも一つは、基板の周
    縁に当接したり周縁から離れたりすることが可能な可動
    支持爪であり、 基板が装着された際、基板の周囲の空間はベース板又は
    ベース板に取り付けられた部材によって埋められた状態
    となるとともに、すべての前記支持爪の周方向の前後の
    位置では他の周方向の位置よりも基板の周囲に形成され
    る隙間が狭くなっていることを特徴とする基板支持装
    置。
  2. 【請求項2】 すべての前記支持爪の周方向の前後の位
    置では基板とベース板又はベース板に取り付けられた部
    材との隙間が7mm以下であることを特徴とする基板支
    持装置。
  3. 【請求項3】 前記可動支持爪は、ベース板に軸支され
    た開閉アームに取り付けられており、この開閉アーム
    は、基板の周縁の一部分に沿って等距離を保って延びる
    形状を有することを特徴とする請求項1又は2の基板支
    持装置。
  4. 【請求項4】 前記開閉アームは、前記基板の周縁の一
    部分との距離が7mm以下であることを特徴とする請求
    項3記載の基板支持装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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