JPH119153A - 魚釣り用スピニングリールのスプール着脱機構 - Google Patents

魚釣り用スピニングリールのスプール着脱機構

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JPH119153A
JPH119153A JP16898297A JP16898297A JPH119153A JP H119153 A JPH119153 A JP H119153A JP 16898297 A JP16898297 A JP 16898297A JP 16898297 A JP16898297 A JP 16898297A JP H119153 A JPH119153 A JP H119153A
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spool
drag
shaft
spool shaft
cylinder
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JP16898297A
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Akihiko Sato
昭彦 佐藤
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Ryobi Ltd
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Ryobi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 釣糸の繰出し又は巻取り操作時に不用意にス
プールが脱落することを防止し、スプールの着脱を容易
且つ確実に行なうことが可能な魚釣り用スピニングリー
ルのスプール着脱機構を提供する。 【解決手段】 スプール2の軸心部に対してスプール軸
7を挿入可能な貫通孔又はスプール軸7の前部に回動不
能且つ摺動不能に固着された筒体1を挿入可能な貫通孔
2dが形成されている。更に、スプール2とスプール軸
7又は筒体1との間に、スプール軸7又は筒体1に対し
てスプール2を釣り糸捲回方向に所定角度回動すること
によってスプール2をスプール軸7又は筒体1に回動不
能且つ摺動不能に位置決め保持する位置決め手段3が設
けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、魚釣り用スピニン
グリールのスプール着脱機構に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、魚釣り用スピニングリールは、
スプールの交換や内部へのグリースの注入等を考慮し
て、スプールをスプール軸側に着脱可能に取り付けるた
めのスプール着脱機構を有している。
【0003】特開平7−213201号公報(以下、
「先行技術1」という)に開示された魚釣り用スピニン
グリールにおいては、回転不能に維持され且つ前後方向
に往復摺動可能なスプール軸に、制動筒を回動可能に取
り付け、この制動筒に前方へ抜き取り可能にスプールを
回り止め保持するようになっている。そして、スプール
軸の前部分には雄ネジを設けてこれに押圧体を螺合さ
せ、該押圧体と制動筒との間に制動要素を介在させ、制
動要素と制動筒とを押圧体とスプール軸上のストッパー
とで挟んでいる。また、スプール軸の回りに押圧体を回
すためのドラッグノブを回動可能に設けている。さら
に、スプール軸の先端にはリング状バネからなる係止具
を着脱自在に取り付け、この係止具と制動筒との間でド
ラッグノブとスプールとを前後から挟んでいる。これに
より、ドラッグノブを回動操作すれば、押圧体を回して
制動要素の制動筒に対する制動力を加減することができ
る。
【0004】また、先行技術1のスプール着脱機構に関
しては、上記係止具にはスプール軸の先端に被せられた
キャップ状の摘みの先端が当たるように構成されてい
る。係止具のバネ力に抗して摘みを押し込めば、摘みの
先端により係止具が押し広げられスプール軸から離れ
る。これにより、スプールはスプール軸から抜き取り可
能になる。
【0005】又、特開平9−119号公報(以下、「先
行技術2」という)に開示された魚釣り用スピニングリ
ールにおいては、メインシャフトの外周に固定ドラッグ
体を嵌装すると共に、この固定ドラッグ体の嵌装部の外
周に回転ドラッグ体を回転自在に嵌装し、これらドラッ
グ体の抵抗板同士の間にドラッグワッシャーを挟入し、
回転ドラッグ体とドラッグノブとの間に弾性体を弾装
し、スプールを上記回転ドラッグ体の外周に嵌装して螺
合締付けしている。即ち、先行技術2においては、スプ
ール着脱機構として、スプールと回転ドラッグ体との螺
合構造が採用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、先行技
術1のスプール着脱機構においては、係止具をスプール
軸やスプール受けから外す操作は単に摘みを押し込むこ
とによってのみなされる。このため、釣糸の繰出し又は
巻取り操作時にスプールを把持した手が誤って摘みに当
たる等すると、スプール、ドラッグノブ等がスプール軸
から脱落するおそれがある。
【0007】又、先行技術2のスプール着脱機構におい
ては、スプールと回転ドラッグ体との螺合構造が採用さ
れているため、大型の魚の引きや根掛かり等に起因し
て、ラインに大きなテンションがかかり、これによって
スプールが回転ドラッグ体に必要以上に強固に締め付け
られ、その結果、スプールを回転ドラッグ体から取り外
すことが困難になるおそれがある。このような問題は、
スプールと回転ドラッグ体との螺合部分に砂や海水等が
浸入した際に悪化する傾向にあり、特に、スプール及び
回転ドラッグ体の少なくとも一方が金属製の場合には、
スプールと回転ドラッグ体との螺合部分に錆が発生し、
これにより、スプールの回転ドラッグ体からの取り外し
が一層困難になる。
【0008】本発明は、釣糸の繰出し又は巻取り操作時
に不用意にスプールが脱落することを防止し、スプール
の着脱を容易且つ確実に行なうことが可能な魚釣り用ス
ピニングリールのスプール着脱機構を提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の本発明のスプ
ール着脱機構は、ハンドル駆動により回転可能にリール
本体(R)の前部に支承された回転体(6)と、前記ハ
ンドル駆動により前後方向に摺動可能に前記リール本体
(R)に支承されたスプール軸(7)と、該スプール軸
(7)の前部に取り付けられたスプール(2)とからな
り、前記回転体(6)の回転により前後方向に摺動する
スプール(2)に釣り糸を捲着する魚釣り用スピニング
リールにおいて、前記スプール(2)の軸心部に対して
前記スプール軸(7)を挿入可能な貫通孔(2f)又は
該スプール軸(7)の前部に回動不能且つ摺動不能に固
着された筒体(1)を挿入可能な貫通孔(2d)を形成
し、該スプール(2)と前記スプール軸(7)又は筒体
(1)との間に、前記スプール軸(7)又は筒体(1)
に対して前記スプール(2)を釣り糸捲回方向に所定角
度回動することによって前記スプール(2)を前記スプ
ール軸(7)又は筒体(1)に回動不能且つ摺動不能に
位置決め保持する位置決め手段(3)を設けたことを特
徴としている。
【0010】請求項2の本発明は、請求項1のスプール
着脱機構において、前記筒体(1)が前記スプール軸
(7)に回動可能に取り付けられ、前記筒体(1)と前
記スプール軸(7)との間に、前記筒体(1)と一体的
に回動可能な抵抗板(即ち、筒体用ワッシャ)(13
b)と、前記スプール軸(7)と一体的に回動可能な抵
抗板(即ち、スプール軸用ワッシャ)(13a)と、両
抵抗板(13a)、(13b)間に挟持された摩擦部材
(14)とからなるドラッグ体(D)を設け、該ドラッ
グ体(D)を押圧して摩擦制動力を調整するドラッグ調
整摘み(8)をスプール軸(7)に螺合したことを特徴
としている。
【0011】請求項3の本発明は、請求項2のスプール
着脱機構において、前記ドラッグ調整摘み(8)が、前
記ドラッグ体(D)を押圧可能にスプール軸(7)に螺
合されるドラッグナット(16)と、該ドラッグナット
(16)に、これと一体的に回転可能に且つ摺動可能に
嵌合されると共に、スプール軸(7)に回動可能且つ着
脱自在に取り付けられる摘み(9)とからなることを特
徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施形態に
かかる魚釣り用スピニングリールのスプール着脱機構
を、図1乃至図4を参照して説明する。
【0013】図1は、本発明の第1の実施形態にかかる
スプール着脱機構が組み込まれた魚釣り用スピニングリ
ールの全体構成を示している。このスピニングリール
は、回転体6と、スプール軸7と、スプール2とからな
る基本構成を有している。回転体6は、ハンドルHの駆
動により回転可能にリール本体Rの前部に支承されてい
る。スプール軸7は、ハンドルHの駆動により前後方向
に摺動可能にリール本体Rに支承されている。スプール
2は、上記スプール軸7の前部に取り付けられている。
上述した基本構成を有するスピニングリールにおいて
は、回転体6の回転により前後方向に摺動するスプール
2に釣り糸が捲着される。
【0014】上述したスプール軸7の前部には、図4
(d)から明らかなように、筒体1が回動可能且つ摺動
不能に取り付けられている。即ち、スプール軸7の前部
には、スプール受け10が嵌合されている。このスプー
ル受け10は、ディスク10aと、このディスク10a
から前方に突出するボス部10bとからなっており、こ
のボス部10bはネジ11によってスプール軸7に固定
されている。このようにスプール軸7に固定されたスプ
ール受け10には、ベアリング12を介して筒体1が回
動可能に取り付けられている。
【0015】筒体1は、上記スプール受け10のディス
ク10aに接触するディスク状部分1aと、このディス
ク状部分1aから後方に突出し、回転体6の前方部分を
収容可能な大径の円筒状部分1cと、このディスク状部
分1aから前方に突出し、後述するドラッグ体Dを収容
可能な小径の円筒状部分1dとからなっている。ディス
ク状部分1aの前面において、小径の円筒状部分1d寄
りの位置には、スプール2に設けられた後述するクリッ
ク機構17の接触子17aを受け入れるための凹部1b
が形成されている。
【0016】ドラッグ体Dは、図4(d)に示すよう
に、スプール受け10のボス10bに、これと一体回転
するように嵌合された抵抗板としての複数枚のスプール
軸用ワッシャ13a、13aと、これ等ワッシャ13
a、13aと交互に位置するようにスプール受け10の
ボス10bに嵌合され、上記筒体1と一体回転する抵抗
板としての複数枚の筒体用ワッシャ13b、13bと、
スプール受け用ワッシャ13a、13a及び筒体用ワッ
シャ13b、13bの間にそれぞれ位置するようにスプ
ール受け10のボス10bに嵌合された複数枚の摩擦部
材14、14とからなっている。
【0017】上記スプール受け10のボス10bの先端
には、後述するドラッグ調整摘み8の構成要素の1つで
あるドラッグナット16が螺合されており、このドラッ
グナット16及びスプール受け用ワッシャ13a間に
は、ドラッグバネ15が配置されている。
【0018】上述した構造を有するドラッグ体Dにおい
ては、ドラッグナット16の螺合量を調節することによ
って、ドラッグバネ15による押圧力が調節され、その
結果、スプール軸7及びスプール受け10と一体回転可
能なスプール軸用ワッシャ13a、13a、筒体1と一
体回転可能な筒体用ワッシャ13b、13b及び摩擦部
材14、14の相互間における押圧力が調節され、従っ
て、スプール受け10に対する筒体1の制動力、換言す
れば、ドラッグ設定値が調節される。
【0019】スプール2の軸心部には、図4(c)に示
すように、上述した筒体1の前部を挿入可能な貫通孔2
dが形成されている。このスプール2は、後端に、上記
筒体1の後部における円筒状部分1cと略同一の外形を
有する円筒状部分2bを有しており、先端にスプールリ
ングネジ2cによってスプールリング2aが取り付けら
れている。
【0020】更に、スプール2には、接触子17a及び
コイルスプリング17bからなるクリック機構17が設
けられている。即ち、スプール2には、その後方に向け
て開放された穴2eが形成されており、この穴2e内
に、接触子17aがその先端を出没可能に配置されてい
る。この接触子17aには、その先端部がスプール2の
後方側に突出して、上述した筒体1の凹部1bに弾発的
に係合するように、穴2e内に配置されたコイルスプリ
ング17bによって弾発力が付勢されている。スプール
2と筒体1との間には、筒体1に対してスプール2を釣
り糸捲回方向に所定角度回動することによってスプール
2を筒体1に回動不能に且つ摺動不能に位置決め保持す
る位置決め手段3が後述するように設けられるが、この
クリック機構17によれば、筒体1に対してスプール2
が所定角度回動した時に、接触子17aが筒体1の凹部
1bに弾発的に係合して、スプール2の筒体1に対する
位置決めが確実に保持され、その際にクリック音を発生
する。このクリック音によって、釣り人は、スプール2
が筒体1に対して所定位置に位置決め保持されたことを
確認することができる。
【0021】位置決め手段3は、図3並びに図4(c)
及び図4(d)に示すように、スプール2の円筒状部分
2bにおいて相互に対向する位置に形成された一対の略
L型の5、5と、この5、5に係合可能なように、上記
筒体1の大径の円筒状部分1cの先端部寄りの外周に外
側に向かって突出する一対のストッパピン4、4とから
なっている。
【0022】即ち、このように構成された位置決め手段
3によれば、筒体1の一対のストッパピン4、4をスプ
ール2の一対の5、5の開口部にそれぞれ挿入し、この
ような状態で、スプール2を釣り糸捲回方向に、即ち、
図3において、スプール2を、その上部が手前側に移動
するように回動させると、上述したクリック機構17の
接触子17aが筒体1の凹部1bに弾発的に係合して、
スプール2の筒体1に対する位置決めが確実に保持され
る。クリック機構17のコイルスプリング17bに抗し
て、スプール2を釣り糸捲回方向と逆方向に、即ち、図
3において、スプール2を、その下部が手前側に移動す
るように回動させると、クリック機構17の接触子17
aと筒体1の凹部1bとの係合が解除され、スプール2
は筒体1から容易に取り外される。上述したストッパピ
ン4及び5は、それぞれ一対設けられるものとして説明
したが、これに限定されるものではなく、3つ以上設け
てもよい。
【0023】上述したように、筒体1には、位置決め手
段3によって筒体1に着脱可能に取り付けられるが、ス
プール軸7の先端には、図4(b)に示すように、上述
したドラッグ体Dを押圧して摩擦制動力を調整するため
の、周囲にOリング22が嵌合されたドラッグ調整摘み
8が取り付けられる。
【0024】ドラッグ調整摘み8は、ドラッグ体Dを押
圧可能にスプール軸7側、即ち、スプール軸7に固定さ
れたスプール受け10のボス10bの先端に螺合される
上述したドラッグナット16と、このドラッグナット1
6に、これと一体的に回転可能に且つ摺動可能に嵌合さ
れると共に、スプール軸7に回動可能且つ着脱自在に取
り付けられる後述する摘み、即ち、ドラッグ係止摘み9
とからなっている。ドラッグ調整摘み8の中央には、ス
プール軸7の先端を挿通可能な貫通孔8aが形成されて
おり、その裏面には、ディスク20がドラッグ調整摘み
8に対して回転可能に配置されている。このディスク2
0は、スプール軸7の先端における平坦面7aを有する
非円形部分に合致する平坦面20aを有する非円形状の
貫通孔を有している。勿論、ディスク20の中心は、ド
ラッグ調整摘み8の貫通孔8aの中心と一致している。
ディスク20の裏面には複数個の凹部20b、20b…
が円周方向に所定間隔をあけて形成されている。
【0025】上述したディスク20は、ドラッグ調整摘
み8の裏面にネジ19によって固定された調整摘みカバ
ー18によってドラッグ調整摘み8に対して回転可能に
保持されている。この調整摘みカバー18の後端には、
上述したドラッグ体Dのドラッグナット16と一体回転
可能なように、これを受け入れるためのナット受け18
aを有している。調整摘みカバー18には、更に、クリ
ック機構21が配置されている。即ち、調整摘みカバー
18の上方部分には、その前方に向けて開放された穴2
1cが形成されており、この穴21c内に、接触子21
aがその先端を出没可能に配置されている。この接触子
21aには、その先端部が調整摘みカバー18の前方側
に突出して、上述したディスク20の凹部20b、20
b…の何れか1つに弾発的に係合するように、穴21c
内に配置されたコイルスプリング21bによって弾発力
が付勢されている。
【0026】上述したドラッグ調整摘み8、ディスク2
0及び調整摘みカバー18からなる組立体は、ディスク
20の平坦面20aを有する非円形状の貫通孔に、スプ
ール軸7の先端における平坦面7aを有する非円形部分
を挿入すると共に、ドラッグナット16を調整摘みカバ
ー18のナット受け18aに嵌め込むようにして、スプ
ール軸7の先端に取り付けられる。
【0027】このようにして取り付けられたドラッグ調
整摘み8は、ドラッグナット16と一体的に回転するの
で、ドラッグ調整摘み8を回転させることによって、ド
ラッグナット16の螺合量が調節され、これによって、
ドラッグバネ15による押圧力が調節され、その結果、
スプール軸7及びスプール受け10と一体回転可能なス
プール軸用ワッシャ13a、13a、筒体1と一体回転
可能な筒体用ワッシャ13b、13b及び摩擦部材1
4、14の相互間における押圧力が調節され、従って、
スプール受け10に対する筒体1の制動力、換言すれ
ば、ドラッグ設定値が調節される。
【0028】ディスク20の平坦面20aを有する非円
形状の貫通孔に、スプール軸7の先端における平坦面7
aを有する非円形部分が挿入されているために、ドラッ
グ調整摘み8を上述したように回転させても、ディスク
20はスプール軸7と共に不動に保持される。従って、
ドラッグ調整摘み8を回転させると、クリック機構21
の接触子21aがディスク20の複数個の凹部20b、
20b…の1つに順次弾発的に係合して、クリック音を
発生する。このクリック音によって、釣り人は、ドラッ
グ調整摘み8によるドラッグの調整の度合いを確認する
ことができる。
【0029】勿論、上述したようにスプール軸7の先端
に取り付けられたドラッグ調整摘み8の周囲に嵌合され
たOリング22は、スプールリングネジ2cの内周面と
接触することによって、ドラッグ体D側への水や埃の浸
入を防止している。
【0030】更に、スプール軸7の先端には、図1に示
すように、ドラッグ調整摘み8の構成要素の1つである
ドラッグ係止摘み9が着脱可能に取り付けられている。
即ち、ドラッグ係止摘み9は、図4(a)に示されるよ
うにキャップ状に形成され、スプール軸7の先端に回動
可能に被せられている。スプール軸7の先端が入り込む
ドラッグ係止摘み9の空洞の内周には、スプール軸7の
長さ方向と交差する向きに伸び該ドラッグ係止摘み9の
後端に開口する二本の案内溝9aが形成されている。案
内溝9aはドラッグ係止摘み9の内周を旋回する如く伸
びており、各々の終端には円形状の切欠き9cが形成さ
れている。案内溝9aは一本であってもよいし三本以上
であってもよい。また、ドラッグ係止摘み9の空洞の奥
にはゴム、バネ等で出来た弾性体9bが収納されている
(図1参照)。
【0031】一方、スプール軸7の外周には上記案内溝
9aに嵌まり込み上記ドラッグ係止摘み9の回動に伴っ
て案内溝9a内を相対移動する突起7bが固着されてい
る。この突起7bは、スプール軸7の先端にその直径方
向に形成された貫通孔に圧入され、その両端がスプール
軸7の外周面から突出したストッパピンによって形成さ
れる。突起7bの個数は上記案内溝9aの本数に対応し
ている。
【0032】上記ドラッグ係止摘み9の後端にはその外
周からリング23が嵌め込まれている。このリング23
は、ドラッグ係止摘み9を補強し、またドラッグ係止摘
み9のスプール軸7の先端からの抜け出しを阻止してい
る。
【0033】上述のように構成されたドラッグ係止摘み
9をスプール軸7の先端に被せ、その案内溝9aの開口
にスプール軸7の突起7bを挿入しつつ、スプール軸7
の回りに捩じるようにすると、突起7bと案内溝9aと
の相対移動によりドラッグ係止摘み9スプール軸7に被
さる。突起7bが案内溝9aの奥まで入り込むと弾性体
9bはスプール軸7の先端により押されて弾性変形し、
突起7bを案内溝9aの切欠き9c内に押し込める。こ
れにより、ドラッグ係止摘み9はスプール軸7の先端に
固定保持され、その後端とスプール受け10のディスク
10aとの間に、スプール2及びドラッグ調整摘み8を
保持する。
【0034】次に、本発明の第1の実施形態にかかるス
プール着脱機構が組み込まれた魚釣り用スピニングリー
ルにおけるスプールの取外し作業について説明する。
【0035】スプール2の交換のために、スプール2を
取り外す場合には、先ず、ドラッグ係止摘み9をその取
付け方向と反対方向に回転させて、これをスプール軸7
の先端から取り外す。
【0036】次いで、ドラッグ調整摘み8、ディスク2
0及び調整摘みカバー18からなる組立体を、スプール
軸7の軸線方向に真っ直ぐ引き抜くことによって、この
組立体をスプール軸7から取り外す。
【0037】次いで、スプール2に設けられたクリック
機構17のコイルスプリング17bに抗して、スプール
2を釣り糸捲回方向と逆方向に、即ち、図3において、
スプール2を、その下部が手前側に移動するように回動
させると、クリック機構17の接触子17aと筒体1の
凹部1bとの係合が解除され、スプール2は筒体1から
容易に取り外される。
【0038】取り外されたスプール2をリール本体Rに
再び取り付けるには、スプール2の上述した取外し作業
と逆の作業、組立体の上述した取外し作業と逆の作業及
びドラッグ係止摘み9の上述した取外し作業と逆の作業
を行なう。
【0039】本発明の上述した第1の実施形態にかかる
魚釣り用スピニングリールのスプール着脱機構において
は、筒体1がスプール軸7の前部に回動可能且つ摺動不
能に取り付けられているものとして説明したが、この実
施形態の変形例として、筒体1をスプール軸7の前部に
回動不能且つ摺動不能に取り付けることも可能である。
【0040】次に、本発明の第2の実施形態にかかる魚
釣り用スピニングリールのスプール着脱機構を、図5乃
至図8を参照して説明する。
【0041】本発明の第2の実施形態にかかるスプール
着脱機構は、位置決め手段3が、筒体1に設けられた複
数個の突起24と、これに係合可能なように、スプール
2に設けられた複数個の突起25とからなっていること
を除き、本発明の上述した第1の実施形態にかかるスプ
ール着脱機構と同一である。従って、これ等の同一の構
成要素に同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0042】図5乃至図8から明らかなように、複数個
の突起24は、筒体1のディスク状部分1aの周囲にお
いて、その周方向に所定間隔をあけた複数個所から外側
に延長してそれぞれ突出している。この突起24は、こ
れを筒体1の円周方向に切断した断面において、図8に
示すように、テーパ部分24aと、これに連続する平坦
部分24bと、この平坦部分24bの端部に形成された
ストッパ24cとを有している。
【0043】一方、複数個の突起25は、スプール2の
後端に設けられた円筒状部分2bの内側周囲における所
定間隔をあけた複数箇所から内側に延長してそれぞれ突
出している。スプール2にこのように設けられた複数個
の突起25は、上述した筒体1に設けられた複数個の突
起24と係合可能なように、スプール2及び筒体1の軸
線方向に相互に偏位している(図8参照)。
【0044】従って、スプール2を筒体1に対して釣り
糸捲回方向に、即ち、図7において矢印A方向に所定角
度回動することによって、スプール2に設けられた複数
個の突起25は、筒体1に設けられた複数個の突起24
と係合する。即ち、スプール2を筒体1に対して上述し
たように回動すると、スプール2に設けられた突起25
は、先ず、筒体1に設けられた突起24のテーパ面24
aに接触して、これに案内されながら、突起24の平坦
部分24b上を摺動し、最後に、ストッパ24cに当接
する。
【0045】本発明の第2の実施形態にかかるスプール
着脱機構は、本発明の上述した第1の実施形態にかかる
スプール着脱機構におけると同一のクリック機構17を
備えているが(図5(a)参照)、このクリック機構1
7によれば、筒体1に対してスプール2が所定角度回動
して、上述したように、スプール2に設けられた突起2
5が筒体1に設けられた突起24のストッパ24cに当
接した時に、クリック機構17の接触子17aが筒体1
の凹部1bに弾発的に係合して、スプール2の筒体1に
対する位置決めが確実に保持され、その際にクリック音
を発生する。このクリック音によって、釣り人は、スプ
ール2が筒体1に対して所定位置に位置決め保持された
ことを確認することができる。
【0046】スプール2を筒体1から取り外す場合に
は、スプール2に設けられたクリック機構17のコイル
スプリング17bに抗して、スプール2を釣り糸捲回方
向と逆方向に、即ち、図7において矢印B方向に回動さ
せると、クリック機構17の接触子17aと筒体1の凹
部1bとの係合が解除され、スプール2は筒体1から容
易に取り外される。
【0047】ドラッグ係止摘み9、及び、ドラッグ調整
摘み8と、ディスク20と、調整摘みカバー18とから
なる組立体の着脱方法は、本発明の上述した第1の実施
形態におけるそれ等の着脱方法と同一であるため、その
説明を省略する。
【0048】尚、本発明の上述した第2の実施形態にか
かるスプール着脱機構において、複数個の突起24及び
25は、筒体1及びスプール2にそれぞれ4個ずつ設け
られているものとして、図6に示したが、それ等の数は
これに限定されるものではなく、3個以下でも、又、5
個以上であってもよい。
【0049】本発明の上述した第2の実施形態にかかる
魚釣り用スピニングリールのスプール着脱機構において
は、本発明の第1の実施形態にかかる魚釣り用スピニン
グリールのスプール着脱機構におけると同様に、筒体1
がスプール軸7の前部に回動可能且つ摺動不能に取り付
けられるが、この実施形態の変形例として、筒体1をス
プール軸7の前部に回動不能且つ摺動不能に取り付ける
ことも可能である。
【0050】次に、本発明の第3の実施形態にかかる魚
釣り用スピニングリールのスプール着脱機構を、図9乃
至図11を参照して説明する。
【0051】本発明の第3の実施形態にかかるスプール
着脱機構は、位置決め手段3が、筒体1に設けられた複
数個の係合穴26、これに係合可能なように、スプール
2に設けられた複数個の突起27とからなっていること
を除き、本発明の上述した第1の実施形態にかかるスプ
ール着脱機構と同一である。従って、これ等の同一の構
成要素に同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0052】図9乃至図11から明らかなように、複数
個の係合穴26は、筒体1のディスク状部分1aの周縁
付近において、その周方向に所定間隔をあけた位置にそ
れぞれ形成されている。各係合穴26は、図11に示す
ように、筒体1のディスク状部分1aと同心円の円周方
向に伸びる長穴26aと、長穴26aの一端に形成さ
れ、且つ、その幅よりも大きな直径を有する丸穴26b
とからなっている。
【0053】一方、複数個の突起27は、上述した複数
個の係合穴26にそれぞれ係合可能なように、スプール
2の後端側部分に後方に向けて突出している。図11に
示すように、複数個の突起27の各々は、上述した係合
穴26の長穴26aの幅よりも若干小さい直径を有する
シャンク部27aと、その一端に設けられ、上述した係
合穴26の長穴26aの幅よりも大きく、且つ、その丸
穴26bの直径よりも僅かに小さい直径を有する頭部2
7bとを有している。
【0054】従って、突起27を係合穴26の丸穴26
bに挿入するようにして、スプール2を筒体1の前方部
分に被せ、このような状態で、スプール2を筒体1に対
して釣り糸捲回方向に、即ち、図11において矢印A方
向に所定角度回動することによって、スプール2に設け
られた突起27は、筒体1に設けられた係合穴26の長
穴26a内を摺動し、その端部に到達する。
【0055】本発明の第3の実施形態にかかるスプール
着脱機構は、本発明の上述した第1の実施形態にかかる
スプール着脱機構におけると同一のクリック機構17を
備えているが(図9(a)参照)、このクリック機構1
7によれば、筒体1に対してスプール2が所定角度回動
して、上述したように、スプール2に設けられた突起2
7が筒体1に設けられた係合穴26における長穴26a
の端部に到達した時に、クリック機構17の接触子17
aが筒体1の凹部1bに弾発的に係合して、スプール2
の筒体1に対する位置決めが確実に保持され、その際に
クリック音を発生する。このクリック音によって、釣り
人は、スプール2が筒体1に対して所定位置に位置決め
保持されたことを確認することができる。
【0056】スプール2を筒体1から取り外す場合に
は、スプール2に設けられたクリック機構17のコイル
スプリング17bに抗して、スプール2を釣り糸捲回方
向と逆方向に、即ち、図11において矢印B方向に回動
させると、クリック機構17の接触子17aと筒体1の
凹部1bとの係合が解除され、次いで、突起27が係合
穴26の丸穴26b内に位置した状態で、スプール2を
筒体1から軸線方向に引き離すことによって、スプール
2は筒体1から容易に取り外される。
【0057】ドラッグ係止摘み9、及び、ドラッグ調整
摘み8と、ディスク20と、調整摘みカバー18とから
なる組立体の着脱方法は、本発明の上述した第1の実施
形態におけるそれ等の着脱方法と同一であるため、その
説明を省略する。
【0058】尚、本発明の上述した第3の実施形態にか
かるスプール着脱機構において、複数個の係合穴26及
び複数個の突起27は、筒体1及びスプール2にそれぞ
れ4個ずつ設けられているものとして、図10に示した
が、それ等の数はこれに限定されるものではなく、3個
以下でも、又、5個以上であってもよい。
【0059】本発明の上述した第3の実施形態にかかる
魚釣り用スピニングリールのスプール着脱機構において
は、本発明の第1の実施形態にかかる魚釣り用スピニン
グリールのスプール着脱機構におけると同様に、筒体1
がスプール軸7の前部に回動可能且つ摺動不能に取り付
けられるが、この実施形態の変形例として、筒体1をス
プール軸7の前部に回動不能且つ摺動不能に取り付ける
ことも可能である。
【0060】本発明の上述した第1乃至第3の実施形態
にかかるスプール着脱機構においては、ドラッグ調整摘
み8は、スプール2の貫通孔2dの内径よりも大きい外
形を有しているが、このドラッグ調整摘み8を図12及
び図13に示すように、変形することが可能である。
【0061】即ち、図12及び図13に示されたドラッ
グ調整摘み8’は、スプール2の貫通孔2dの内径より
も僅かに小さい外形を有しており、その軸線方向にスプ
ール軸7の先端部を挿入可能な穴35が形成されてい
る。又、ドラッグ調整摘み8’の後端部には、ドラッグ
ナット16を受け入れるためのナット受け37が形成さ
れている。更に、ドラッグ調整摘み8’には、上述した
穴35と直交するネジ孔36が形成され、このネジ孔3
6に止めネジ28が螺合される。
【0062】一方、上記ドラッグ調整摘み8’の穴35
内に挿入されるスプール軸7の先端には、上記止めネジ
28の先端を受け入れるためのリング溝7cが形成され
ている。
【0063】従って、ドラッグ調整摘み8’は、そのナ
ット受け37内にドラッグナット16を受け入れると共
に、その穴35内にスプール軸7の先端部を挿入するよ
うにして、スプール軸7に装着される。次いで、止めネ
ジ28をドラッグ調整摘み8’のネジ孔36に螺合し
て、止めネジ28の先端をスプール軸7のリング溝7c
内に収める。
【0064】従って、止めネジ28は、ドラッグ調整摘
み8’がスプール軸7から抜け出ることを防止すると共
に、スプール軸7に対するドラッグ調整摘み8’の回転
を許容する。勿論、ドラッグ調整摘み8’を回転させれ
ば、これと共にドラッグナット16が回転し、これによ
ってドラッグ設定値が調節される。
【0065】図12に示すように、本発明の第1の実施
形態にかかるスプール着脱機構におけるドラッグ調整摘
み8の代わりに上述したドラッグ調整摘み8’を使用す
れば、ドラッグ調整摘み8’を取り外すことなく、位置
決め手段3によるスプール2の筒体1に対する保持状態
を解除することのみによって、スプール2を筒体1から
極めて容易に取り外すことができる。
【0066】勿論、本発明の第2及び第3の実施形態に
かかるスプール着脱機構におけるドラッグ調整摘み8の
代わりに上述したドラッグ調整摘み8’を使用しても、
上述と同一の効果がもたらされる。
【0067】又、上述したドラッグ調整摘み8’を、本
発明の第1乃至第3の実施形態にかかるスプール着脱機
構におけるドラッグ調整摘み8と同様に、ディスク20
及び調整摘みカバー18と組み合わせて使用し、この調
整摘みカバー18にクリック機構21を設けることも可
能である。勿論、この場合には、ディスク20及び調整
摘みカバー18の各々は、スプール2の貫通孔2dの内
径よりも僅かに小さい外形を有するように構成され、
又、スプール軸7には、本発明の第1乃至第3の実施形
態におけると同様に、ディスク20の平坦面20aを有
する非円形状の貫通孔に合致する平坦面7aを有する非
円形部分が形成される。又、ドラッグ調整摘み8’の外
周に、これとスプール2との間の密閉性を確保するため
のOリングを取り付けてもよい。
【0068】次に、本発明の第4の実施形態にかかる魚
釣り用スピニングリールのスプール着脱機構を、図14
を参照して説明する。
【0069】本発明の第1乃至第3の実施形態にかかる
スプール着脱機構が適用される魚釣り用スピニングリー
ルは、筒体1を有しており、スプール2の軸心部に、筒
体1の前部を挿入可能な貫通孔2dが形成されている
が、本発明の第4の実施形態にかかるスプール着脱機構
が適用される魚釣り用スピニングリールは、筒体1に対
応する構成要素を有しておらず、スプール2の軸心部
に、スプール軸2を挿入可能な貫通孔2fが形成されて
いる。
【0070】位置決め手段3は、スプール軸7をその直
径方向に貫通して両端がその周面から突出したピン29
と、このピン29を弾発的に受け入れることができるよ
うに、先端部が湾曲しており、スプール2の裏面にネジ
31、31を介して取り付けられた一対の板バネ30、
30とからなっている。この一対の板バネ30、30
は、スプール2を釣り糸捲回方向に、即ち、図14にお
いて、スプール2を、その上部が手前側に移動するよう
に回動させたときに、一対の板バネ30、30の先端部
にピン29の両端が弾発的に係合するように、相互に逆
向きに配置されている。
【0071】従って、スプール軸7の先端部をスプール
2の貫通孔2f内に挿入し、この状態で、スプール2を
上述した釣り糸捲回方向に回動させれば、スプール2に
固定された一対の板バネ30、30の先端部に、スプー
ル軸7に固定されたピン29の両端が弾発的に係合し、
これによって、スプール2はスプール軸7に回動不能且
つ摺動不能に位置決め保持される。
【0072】スプール2をスプール軸7から取り外す場
合には、スプール2を釣り糸捲回方向と逆方向に、即
ち、図14において、スプール2を、その下部が手前側
に移動するように回動させれば、スプール2に固定され
た一対の板バネ30、30と、スプール軸7に固定され
たピン29の両端との係合が解除され、従って、スプー
ル2はスプール軸7から極めて容易に取り外される。
【0073】本発明の第4の実施形態にかかる魚釣り用
スピニングリールのスプール着脱機構において、本発明
の上述した第1乃至第3の実施形態におけるクリック機
構17と同一のクリック機構を設けることも可能であ
る。
【0074】次に、本発明の第5の実施形態にかかる魚
釣り用スピニングリールのスプール着脱機構を、図15
及び図16を参照して説明する。
【0075】本発明の第5の実施形態にかかるスプール
着脱機構が適用される魚釣り用スピニングリールは、本
発明の上述した第4の実施形態にかかるスプール着脱機
構が適用される魚釣り用スピニングリールと同様に、筒
体1に対応する構成要素を有しておらず、スプール2の
軸心部に、スプール軸2を挿入可能な貫通孔2fが形成
されている。
【0076】位置決め手段3は、スプール軸7に取り付
けられ、一対の係合穴33、33を有する円形状の固定
板32と、これ等係合穴33、33に係合可能なよう
に、スプール2の裏面に突出した一対の突起34、34
とからなっている。
【0077】即ち、固定板32は、スプール軸7に圧
入、接着等の手段によって不動に取り付けられており、
図16に示すように、固定板32の中心に関して点対称
の位置に一対の係合穴33、33が形成されている。各
係合穴33は、固定板32と同心円の円周方向に伸びる
長穴33aと、長穴33aの一端に形成され、且つ、そ
の幅よりも大きな直径を有する丸穴33bとからなって
いる。
【0078】一方、一対の突起34、34は、上述した
一対の係合穴33、33にそれぞれ係合可能なように、
スプール2の後端側部分に後方に向けて突出している。
図16に示すように、一対の突起34、34の各々は、
上述した係合穴33の長穴33aの幅よりも若干小さい
直径を有するシャンク部34aと、その一端に設けら
れ、上述した係合穴33の長穴33aの幅よりも大き
く、且つ、その丸穴33bの直径よりも僅かに小さい直
径を有する頭部34bとを有している。
【0079】従って、突起34、34を係合穴33、3
3の丸穴33b、33bに挿入するようにして、スプー
ル2をスプール軸7の先端部分に被せ、このような状態
で、スプール2をスプール軸7に対して釣り糸捲回方向
に、即ち、図16において矢印A方向に所定角度回動す
ることによって、スプール2に設けられた突起34、3
4は、固定板32に設けられた係合穴33、33の長穴
33a、33a内を摺動し、その端部に到達する。
【0080】スプール2をスプール軸7から取り外す場
合には、スプール2を釣り糸捲回方向と逆方向に、即
ち、図16において矢印B方向に所定角度回動させれ
ば、スプール2に設けられた突起34、34が固定板3
2に設けられた係合穴33、33の丸穴33b、33b
内に位置し、このような状態で、スプール2をスプール
軸7から軸線方向に引き離すことによって、スプール2
はスプール軸7から極めて容易に取り外される。
【0081】本発明の第5の実施形態にかかる魚釣り用
スピニングリールのスプール着脱機構において、本発明
の上述した第1乃至第3の実施形態におけるクリック機
構17と同一のクリック機構を設けることも可能であ
る。
【0082】
【発明の効果】以上詳述した本発明によれば、請求項1
に記載されたように、スプールの軸心部に対してスプー
ル軸を挿入可能な貫通孔又は該スプール軸の前部に回動
不能且つ摺動不能に固着された筒体を挿入可能な貫通孔
を形成し、該スプールと前記スプール軸又は筒体との間
に、前記スプール軸又は筒体に対して前記スプールを釣
り糸捲回方向に所定角度回動することによって前記スプ
ールを前記スプール軸又は筒体に回動不能且つ摺動不能
に位置決め保持する位置決め手段を設けているので、釣
糸の繰出し又は巻取り操作時に不用意にスプールが脱落
することが防止され、スプールの着脱を容易且つ確実に
行なうことができる。又、スプールと筒体との組合せを
採用すれば、釣り糸捲回能力を変更することなく、スプ
ール全体の大きさを従来のスプールよりも小型化するこ
とができ、その保管を容易にすることができる。
【0083】又、請求項2に記載されたように、前記筒
体が前記スプール軸に回動可能に取り付けられ、前記筒
体と前記スプール軸との間に、前記筒体と一体的に回動
可能な抵抗板と、前記スプール軸と一体的に回動可能な
抵抗板と、両抵抗板間に挟持された摩擦部材とからなる
ドラッグ体を設け、該ドラッグ体を押圧して摩擦制動力
を調整するドラッグ調整摘みをスプール軸に螺合してい
るので、ドラッグ体による制動力の設定を適切に且つ確
実に行なうことができ、しかも、調整されたドラッグ設
定値を変更することなく、スプールを筒体から極めて容
易に取り外すことができ、特に、ドラッグ調整摘みの外
径を、スプールに形成された上記貫通孔の直径よりも小
さくすれば、ドラッグ調整摘みを外すことなく、スプー
ルの着脱を極めて容易に行なうことができる。
【0084】又、請求項3に記載されたように、前記ド
ラッグ調整摘みが、前記ドラッグ体を押圧可能にスプー
ル軸に螺合されるドラッグナットと、該ドラッグナット
に、これと一体的に回転可能に且つ摺動可能に嵌合され
ると共に、スプール軸に回動可能且つ着脱自在に取り付
けられる摘みとからなっているので、この摘みを操作す
ることによって、ドラッグナットを容易且つ確実に回転
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかるスプール着脱
機構が組み込まれたスピニングリールの全体構成を示す
一部を破断した正面図。
【図2】図1のスピニングリールのスプールを示す側面
図。
【図3】図1のスピニングリールのスプールを示す正面
図。
【図4】図1のスピニングリールの筒体、スプール、ド
ラッグ調整摘み及びドラッグ係止摘みを示す分解断面
図。
【図5】本発明の第2の実施形態にかかるスプール着脱
機構が組み込まれたスピニングリールの筒体及びスプー
ルを示す分解断面図。
【図6】図5のスプール着脱機構の説明図。
【図7】図6のスプール着脱機構の部分拡大図。
【図8】図7のVIII−VIII線断面図。
【図9】本発明の第3の実施形態にかかるスプール着脱
機構が組み込まれたスピニングリールの筒体及びスプー
ルを示す分解断面図。。
【図10】図9のスプール着脱機構の説明図。
【図11】図10のスプール着脱機構の部分拡大図
【図12】変形例にかかるドラッグ調整摘みを備えたス
ピニングリールの全体構成を示す一部を破断した正面
図。
【図13】図12の変形例にかかるドラッグ調整摘みの
部分拡大断面図。
【図14】本発明の第4の実施形態にかかるスプール着
脱機構を備えたスプール示す一部を切り欠いた正面図。
【図15】本発明の第5の実施形態にかかるスプール着
脱機構を備えたスプール示す断面図。
【図16】図15のスプールの右側面図。
【符号の説明】
R:リール本体 D:ドラッグ体 H:ハンドル 1:筒体 2:スプール 2d、2f:貫通孔 3:位置決め手段 6:回転体 7:スプール軸 8:ドラッグ調整摘み 13a、13b:抵抗板 14:摩擦部材 16:ドラッグナット

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハンドル駆動により回転可能にリール本
    体の前部に支承された回転体と、 前記ハンドル駆動により前後方向に摺動可能に前記リー
    ル本体に支承されたスプール軸と、 該スプール軸の前部に取り付けられたスプールとからな
    り、 前記回転体の回転により前後方向に摺動するスプールに
    釣り糸を捲着する魚釣り用スピニングリールにおいて、 前記スプールの軸心部に対して前記スプール軸を挿入可
    能な貫通孔又は該スプール軸の前部に回動不能且つ摺動
    不能に固着された筒体を挿入可能な貫通孔を形成し、 該スプールと前記スプール軸又は筒体との間に、前記ス
    プール軸又は筒体に対して前記スプールを釣り糸捲回方
    向に所定角度回動することによって前記スプールを前記
    スプール軸又は筒体に回動不能且つ摺動不能に位置決め
    保持する位置決め手段を設けたことを特徴とする魚釣り
    用スピニングリールのスプール着脱機構。
  2. 【請求項2】 前記筒体が前記スプール軸に回動可能に
    取り付けられ、 前記筒体と前記スプール軸との間に、前記筒体と一体的
    に回動可能な抵抗板と、前記スプール軸と一体的に回動
    可能な抵抗板と、両抵抗板間に挟持された摩擦部材とか
    らなるドラッグ体を設け、 該ドラッグ体を押圧して摩擦制動力を調整するドラッグ
    調整摘みをスプール軸に螺合したことを特徴とする請求
    項1に記載の魚釣り用スピニングリールのスプール着脱
    機構。
  3. 【請求項3】 前記ドラッグ調整摘みが、前記ドラッグ
    体を押圧可能にスプール軸に螺合されるドラッグナット
    と、該ドラッグナットに、これと一体的に回転可能に且
    つ摺動可能に嵌合されると共に、スプール軸に回動可能
    且つ着脱自在に取り付けられる摘みとからなることを特
    徴とする請求項2に記載の魚釣り用スピニングリールの
    スプール着脱機構。
JP16898297A 1997-06-25 1997-06-25 魚釣り用スピニングリールのスプール着脱機構 Pending JPH119153A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030019261A (ko) * 2001-08-31 2003-03-06 다이와 세이꼬 가부시끼가이샤 낚시용 스피닝 릴

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030019261A (ko) * 2001-08-31 2003-03-06 다이와 세이꼬 가부시끼가이샤 낚시용 스피닝 릴

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