JPH1191123A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JPH1191123A
JPH1191123A JP25528997A JP25528997A JPH1191123A JP H1191123 A JPH1191123 A JP H1191123A JP 25528997 A JP25528997 A JP 25528997A JP 25528997 A JP25528997 A JP 25528997A JP H1191123 A JPH1191123 A JP H1191123A
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JP
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ink
jet recording
ink jet
control valve
recording apparatus
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JP25528997A
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Hideo Yasutomi
英雄 保富
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Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境温度の変化に伴ってインクの粘度が変化
した場合であっても印字速度を低下させることなく良好
な画像を形成する。 【解決手段】 インクジェット記録ヘッドに設けられた
複数のノズル孔から吐出したインク滴を記録媒体に付着
させて画像を形成するインクジェット記録装置3であっ
て、ノズル孔に連通するインク供給路83に対してイン
クを供給するためのインクカートリッジ60の大気連通
孔99に圧力調節弁67を設け、圧力調節弁67は温度
変化に応じて変形する材料で形成され、温度変化に対応
して大気連通孔99の開口面積を増減してインクカート
リッジ60内の圧力を調節できるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録装置に関し、詳しくは、インクジェット記録装置にイ
ンクを供給するためのインクカートリッジの大気連通孔
及びインク供給路に弁機構を設けたインクジェット記録
装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、インクキャビティの内部、又はその近傍に圧電部材
を配置し、この圧電部材の変形に基づいて上記キャビテ
ィ内のインクを加圧することで、このキャビティに連通
するノズルからインクを吐出させて記録媒体に画像を形
成するインクジェット記録装置が提案されている。
【0003】また、別のインクジェット記録装置とし
て、圧電部材のインク加圧力を段階的に切り換えてイン
クの吐出量を調節することで、形成される画像の階調を
細かく制御するものが知られている。
【0004】加圧手段の駆動力とインクの吐出量の関係
は、インクの粘度が一定である場合に相関関係として成
立するが、環境温度が変化するとインクの粘度が変化し
てキャビティに流入するインク量が変化するため、これ
らインクジェット記録装置では、環境温度が変化した場
合、加圧手段による所定の駆動力に対するインクの吐出
量が増減して所望の階調性が得られないという問題点が
ある。また、特に5〜10°C以下の低温下では、イン
クの粘度が急激に上昇するためにインクの補給性能が極
端に低下して、必要な印字速度が得られないという問題
点が発生する。
【0005】上記問題点を解消するために、インクジェ
ット記録装置のインク流路にソレノイドを駆動源とする
電磁弁を設け、測定された環境温度に応じて上記電磁弁
を開閉することで、インクの粘度に拘わらずキャビティ
に流入するインク量を一定に保ち、所望のインク吐出量
を得るようにしたインクジェット記録装置がある。ま
た、インクジェット記録ヘッドをヒータにより加熱して
インクの温度を所定温度以上に保ち、所望の印字速度が
得られるようにしたインクジェット記録装置がある。
【0006】しかしながら、上記電磁弁を有するインク
ジェット記録装置、及びヒータを備えたインクジェット
記録装置は、いずれも付加された構成が複雑であること
から、製造コストの上昇を招くとともに、装置の大型化
を招来するという問題点がある。
【0007】また、環境温度が低下すると、インクジェ
ット記録ヘッドにインクを供給するインクカートリッジ
の内部の圧力が低下するため、インクカートリッジから
排出されるインク量が減少し、印字速度の低下を招来す
るという問題点がある。
【0008】
【課題を解決すべき手段】そこで本発明は、上記問題点
を解決すべくなされたものであって、請求項1に記載の
インクジェット記録装置では、インクジェット記録ヘッ
ドに設けられたノズル孔から吐出したインク滴を記録媒
体に付着させて画像を形成するインクジェット記録装置
であって、上記ノズル孔に連通するインク供給路に対し
てインクを供給するためのインクカートリッジの大気連
通孔に圧力調節弁を設け、該圧力調節弁は温度変化に応
じて変形する材料で形成され、温度変化に対応して上記
大気連通孔の開口面積を増減してインクカートリッジ内
の圧力を調節できるようにしたことを特徴としている。
【0009】また、請求項2に記載のインクジェット記
録装置では、インクジェット記録ヘッドに設けられたノ
ズル孔から吐出したインク滴を記録媒体に付着させて画
像を形成するインクジェット記録装置であって、上記ノ
ズル孔に連通するインク供給路に流量調節弁を設け、該
流量調節弁は温度変化に応じて変形する材料で形成さ
れ、温度変化に対応して上記インク供給路の断面積を増
減してインク流量を調節できるようにしたことを特徴と
している。
【0010】さらに、請求項3に記載のインクジェット
記録装置では、上記ノズル孔に連通するインク供給路に
対してインクを供給するためのインクカートリッジの大
気連通孔に上記圧力調節弁を設けるとともに、上記ノズ
ル孔に連通するインク供給路に上記流量調節弁を設けた
ことを特徴としている。
【0011】
【発明の作用及び効果】請求項1に記載のインクジェッ
ト記録装置では、環境温度の変化に応じてインクカート
リッジの大気連通孔の開口面積が増減し、インクカート
リッジ内の圧力が一定に保たれる。したがって、環境温
度の変化に拘わらずインクカートリッジからインク供給
路に排出されるインクの量が一定になるので所望の印字
速度で印字が行える。また、圧力調節弁は、その構造が
単純であり、インクカートリッジの大気連通孔に設けて
あることから、インクジェット記録装置のコスト上昇、
大型化を招来することがない。
【0012】上記請求項2に記載のインクジェット記録
装置では、環境温度の変化に応じてインク供給路の断面
積が増減する。したがって、環境温度の変化に伴ってイ
ンクの粘度が変化した場合であってもその環境温度変化
に応じてインク供給路を流れるインク流量を一定に保
ち、ノズルから吐出するインク量を所望のものとするこ
とができるので、環境温度の変化に拘わらず、所望の印
字速度で印字が行えるとともに、画像の階調性を細かく
制御できる。また、流量調節弁は、その構造が単純であ
り、インク供給路に設けてあることから、インクジェッ
ト記録装置のコスト上昇、大型化を招来することがな
い。
【0013】さらに、請求項3に記載のインクジェット
記録装置では、請求項1に記載の圧力調節弁と請求項2
に記載の流量調節弁を備えているため、環境温度が大き
く変化した場合であっても所望の印字速度で印字を行う
ことができ、画像の階調性を細かく制御することができ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態を説明する。図1は、本発明に係るインク
ジェット記録装置3を示している。インクジェット記録
装置3は、記録媒体である用紙5をy方向に送り出すた
めの送り出し機構7と、インクジェット記録ヘッド10
が取り付けられたキャリッジ12をx方向に移動させる
ための移動機構9とを備えている。
【0015】図2、図3にそれぞれインクジェット記録
ヘッド10の正面、図2のIII−III断面を示す。
これらの図に示すように、インクジェット記録ヘッド1
0は第1記録ヘッド部26と、第2記録ヘッド部28か
らなり、天板30、隔壁32、振動板34、ベースプレ
ート36を一体的に組み合わせて構成されている。本実
施の形態においては、第1記録ヘッド部26と第2記録
ヘッド部28はインクジェット記録ヘッド10の移動方
向に並んでおり、中央の一点鎖線38に関して左右対称
な構成をしている。
【0016】天板30は、用紙5と対向する面であるそ
の表面側がフッ素系の撥水剤を塗布することで撥水処理
されている。また、天板30は、隔壁32との対向面を
電鋳あるいはフォトリソグラフィー等の方法により微細
加工して複数の凹部を形成し、第1記録ヘッド部26、
第2記録ヘッド部28のそれぞれにインクを収容する複
数のキャビティ40と、補給用のインクを収容するイン
ク供給室42と、各キャビティ40をインク供給室42
に連結するインクインレット44が形成されている。
【0017】第1記録ヘッド部26と第2記録ヘッド部
28のキャビティ40は、これらの記録ヘッド部26、
28が対向する方向に向かって伸びる長溝状に且つ平行
に形成されている。また、天板30には、キャビティ4
0のインクインレット44と反対側にキャビティ40に
連通するノズル46がキャビティ40の長手方向に直交
する1つの直線上に所定の間隔を置いて複数形成されて
いる。ノズル46は外側に向かって細くなるテーパ状を
しており、吐出側の内径が25μmとしてある。
【0018】隔壁32は導電材からなる薄肉フィルムが
用いられており、天板30と振動板34との間に固定さ
れている。なお、この隔壁は後述する圧電部材48の変
形を阻害するものでなく、圧電部材48の変形に応じて
変形する。
【0019】振動板34は、セラミックス材料からなる
板材の上面及び下面に金属を蒸着して導電層を形成した
もので、ベースプレート36に導電性の接着剤で固定し
た後、ダイシング加工により縦横に切断して、キャビテ
ィ40に対向する圧電部材48と各圧電部材48を囲む
壁50とに分離し、各圧電部材48は高温下において高
圧を印加して分極処理してある。
【0020】ベースプレート36は振動板34との対向
面に複数の導電リード部(図示せず)を備えており、各
導電リード部は圧電部材48に対向している。
【0021】上記構成からなるインクジェット記録装置
3では、各記録ヘッド部26、28のインク供給室42
にに対して、後述するインクカートリッジ60からイン
クが供給されると、インク供給室42のインクは、イン
クインレット44を介して各キャビティ40に分配され
る。この際、圧電部材48に所定の電圧(印字信号)を
印加して圧電部材48をキャビティ40に向かって変形
させて、その変形を隔壁32に伝え、キャビティ40内
のインクを加圧することでノズル46からインク滴を吐
出させる。また、インク滴が吐出する際にインクジェッ
ト記録ヘッド10をx方向に往復移動させるとともに、
用紙5をy方向に移動させることで所望の画像が用紙5
に形成される。
【0022】なお、インクジェット記録ヘッド10の構
成は、第1記録ヘッド部26と、第2記録ヘッド部28
から構成するものに限らず、第1ヘッド部26のみで構
成してもよい。また、第1記録ヘッド部26と第2記録
ヘッド部28のノズル46は、2列に平行に形成するも
のに限定するものではなく、例えば、千鳥状に配置する
ように形成してもよいし、複数列であってもよい。
【0023】次に、本発明の特徴部分であるインクカー
トリッジ60に設けられた圧力調節弁67及び上記イン
クカートリッジ60の周辺構造について説明する。
【0024】図4(a)に示すように、キャリッジ12
にはインクカートリッジ60を収容する収容空間61が
形成されている。キャリッジ12には開閉可能な蓋62
が設けてあり、収容空間61にインクカートリッジ60
を収容し、蓋62を閉じた状態で蓋62に設けられた係
合爪63がキャリッジ12の本体に設けられた被係合部
64と係合するようになっている。また、蓋62がキャ
リッジ12の本体に密着するように、蓋62の内側周縁
にはゴムパッド65が取り付けてある。
【0025】図5に示すように、収容空間61の底面に
は、インクカートリッジ60のインク供給口66が接続
されるインクカートリッジ接続部70が設けてある。こ
のインクカートリッジ接続部70は、上記インク供給口
66が収容される凹部71と、該凹部71の中央に立設
した押圧部材73とからなっている。上記凹部71の縁
にはOリング75が取り付けてあり、インク供給口66
と凹部71とが隙間無く接続されるようになっている。
【0026】上記押圧部材73は丸棒の先端部分77を
半球状に加工し、内部を切削加工してインク流路79を
形成するとともに、該インク流路79に連通する楕円形
状からなる複数のインク流入口81を先端部分77に形
成してある(図4b参照)。上記インク流路79は、キ
ャリッジ12に形成されたインク流路83を介してイン
クジェット記録ヘッド10のインク供給室42に連通す
るインク流路85に連通してある。
【0027】インクカートリッジ60は本体が箱体から
なっており、その内部は底面側の連通部87を除いて、
仕切り板89によってインク収容室91と充填剤収容室
93とに仕切られている。充填剤収容室93にはスポン
ジで形成された充填剤95が収容されており、この充填
剤95は充填剤収容室93の内部天井部に設けられたリ
ブ97によって固定されている。充填剤収容室93の天
井部には大気連通孔99が形成され、床部分にはインク
供給口66が形成されている。
【0028】上記インク供給口66はインクが流出する
開口部100と、該開口部の外側に設けられた円筒形状
からなる押圧部挿入部101とで構成されている。
【0029】また、上記大気連通孔99にはバイメタル
材からなる略円筒形状の圧力調節弁67が取り付けてあ
る(図6(a)、(b)参照)。上記圧力調節弁67は
インクカートリッジ60の内部に向かって径が細くなる
ように形成され、また、細径側の端部の円周方向に等間
隔に4カ所、細径側の端部からインクカートリッジ60
の外側に位置する他端側の端部に向かって所定長さに切
り込むことで4枚の弁部材68が形成されている。ま
た、この弁部材68は、上記のようにバイメタル材で形
成され、環境温度の変化に応じて細径側の端部の内径
(断面積)69が増減するように材料設計がされてお
り、上記内径69が増減することによってインクカート
リッジ60の内部の圧力が一定に保たれるようになって
いる。具体的には、環境温度が低温側に変化した場合、
図6(a)の破線で示す状態から実線で示す状態に弁部
材68が変形して細径側の端部の内径69が広がるよう
になっている。なお、圧力調節弁67を大型化すること
により、圧力調節を広範囲にわたって行うことができ
る。
【0030】大気連通孔99の直径は、インクカートリ
ッジ60の容積が例えば、5〜50cc(ml)である
場合、0.15〜1.5mmに形成され、圧力調節弁6
7は上記大気連通孔99の径を100〜50%の大きさ
に調整するように設けられている。なお、大気連通孔9
9の直径及び調節された後の孔径は、上記の値に限定さ
れるものではなく、インクカートリッジ60の内部の圧
力が一定に保たれる値であればよい。
【0031】上記圧力調節弁67を構成するバイメタル
材は青銅(Cu:70〜90%、Sn:30〜10%)
とアンバー(C:0.2%、Mn:0.7%、Ni:3
6%)からなる合金が使用される。また、バイメタル材
は上記青銅とアンバーの合金に限らず、Ni−Fe合金
であってもよい。また、圧力調節弁67はバイメタル材
で構成されるものに限らず、Ni−Ti合金、Cu−Z
n−Al合金からなる形状記憶合金、ポリノリボルネ
ン、トランスポリイソプレン、スチレン・ブタジエン共
重合体、ポリウレタンからなる形状記憶ポリマーであっ
てもよい。
【0032】上記構成のインクカートリッジ60をキャ
リッジ12の収容空間61に収容した後、キャリッジ1
2の蓋62を閉じると、インク供給口66がインクカー
トリッジ接続部70の凹部71に接続される。これによ
り、押圧部材73が押圧部挿入部101から充填材収容
室93の内部に挿入され、充填材95に浸透しているイ
ンクが押圧部材73のインク流入口81からインク流路
79に流入する。インク流路79に流入したインクはイ
ンク流路83を介してインクジェット記録ヘッド10の
インク供給室42に連通するインク流路85に流入す
る。
【0033】また、インクカートリッジ60の大気連通
孔99に設けられた圧力調節弁67により、インクカー
トッリジ60内部の圧力が環境温度の変化に拘わらず一
定に保持されるのでインクカートリッジ60から排出さ
れるインク量が一定に保たれる。したがって、インクが
不足することにより発生する印字速度の低下が防止でき
る。
【0034】圧力調節弁67は、ソレノイドを使用した
電磁弁に比較してその構成が単純であって、製造コスト
を安価に抑えることができる。また、圧力調節弁67
は、小型で大気連通孔99に設けることができるのでイ
ンクジェット記録装置3の大型化を招来することがな
い。
【0035】図7に示す図表は、本発明に係るインクジ
ェット記録装置3、及び上記圧力調節弁67が設けられ
ていないインクジェット記録装置による印字テストの結
果を示している。上記印字テストは、環境温度の変化に
対するインク滴の吐出性能(周波数応答性)の変化を測
定することで、印字速度の違いを評価したものである。
上記テストでは、5〜45°Cの温度範囲内において印
字動作を行い、インク滴を高速カメラで撮影した中で最
も飛翔距離の大きいインク滴の飛翔応答性を測定結果と
した。測定された周波数特性が5KHz以上である場合
には良好な画像を高速で印字することができるため、上
記印字テストにおいては周波数特性が5KHz以上であ
る場合を良好な結果であると評価した。
【0036】上記図7に示される印字テスト結果から明
らかなように、テスト結果が「●」で示される圧力調節
弁67を備えたインクジェット記録装置3では、上記温
度範囲内おいて、周波数特性が全て5KHzを越えてお
り、良好な画像を高速で印字することが確認できた。
【0037】一方、テスト結果が「〇」で示される上記
圧力調節弁67が設けられていないインクジェット記録
装置では、15°C以下の低温下においては、周波数特
性が5KHzに満たないので高速で印字することができ
ないことが確認された。
【0038】なお、以上の説明から明らかなように、上
記インクジェット記録装置3では、インクカートリッジ
60の大気連通孔99に圧力調節弁67を設け、インク
カートリッジ60の内部圧力を一定に保持することでイ
ンクカートリッジ60から排出されるインクの量を一定
に保持し、印字速度の低下を防止するとともにノズル4
6から吐出するインク滴を所望の大きさに制御している
が、インクカートリッジ60から供給されたインクが通
過するインク流路83に弁を設け、該弁によって環境温
度の変化によって粘度が変化したインクの流量を調節す
ることで、印字速度の低下を防止するとともにノズル4
6から吐出するインク滴を所望の大きさに制御するよう
にしてもよい。
【0039】具体的には、図8に示すようにインク流路
83に流量調節弁110を設ければよい。上記流量調節
弁110は上記圧力調節弁67と同一材料のバイメタル
材により形成された板状部材であって、環境温度が低下
するにしたがって流量調節弁110の板状部材の自由端
111がインクの流れを遮蔽する位置(図中点線で示さ
れる位置)からインクの流れを遮蔽しない位置(図中実
線で示される位置)に移動するように設ける。このよう
に、環境温度が低下した場合、自由端111がインクの
流れを遮蔽しない位置に移動し、インク供給路83の断
面積が大きくなるので、環境温度の低下に伴って発生す
るインク粘度の増大によるインクの流れ性の低下が補わ
れてノズル46から吐出するインク滴を所望の大きさに
制御できる。したがって、形成される画像は、その階調
性が細かく制御されるので良好なものとなる。なお、上
記流量調節弁110の材料はバイメタル材に限らず、上
述した形状記憶合金等であってもよい。
【0040】また、流量調節弁110はその構造が単純
で、製造コストが安価であるため、流量調節弁110を
備えることによって、インクジェット記録装置3は大幅
な製造コストの上昇を招来することがない。さらに、流
量調節弁110はインク流路83に設けてあり、その設
置スペースを新たに設ける必要が無いので、インクジェ
ット記録装置3が大型化することがない。
【0041】また、インクジェット記録装置3に圧力調
節弁67及び流量調節弁110の両方を設けるようにし
てもよい。例えば、これらの弁67、110を互いに異
なる材料で形成すれば、両者の変形する環境温度の違い
により、広範囲の環境温度の変化に対応して、ノズル4
6から吐出するインク滴を所望のものに制御できる。な
お、上記弁67、110の形状は、略円筒体形状及び板
状に限るものではなく、インクカートリッジ60内部の
圧力及びインク流路83のインク流量を制御できる形状
であればよい。また、上記インクジェット記録装置3
は、インクジェット記録ヘッド10のノズル48を下方
に向けたいわゆる垂直印字タイプのものであるが、ノズ
ル48を水平方向に向けた水平印字タイプのインクジェ
ット記録装置に上記弁67または110もしくは両方を
設けるようにしてもよい。
【0042】さらに、圧力調節弁67と流量調節弁11
0は、ラインヘッド型インクジェット記録ヘッドに設け
るようにしてもよい。図9に示すラインヘッド型インク
ジェット記録ヘッド130は、用紙5の幅と略同一幅を
有し、用紙5をy方向に移動させる際にx方向に設けた
複数のノズル131からインク滴を吐出して所望の画像
を形成するもので、天板132に設けられた複数のイン
ク供給口133に連通するインク供給路134に、上記
圧力調節弁67と同一形状の流量調節弁135が設けら
れている。これにより、環境温度の変化にともなってイ
ンクの粘度が変化した場合、粘度変化によるインク流量
の増減が補われたインクがインク供給口133に供給さ
れ、所望の大きさのインク滴をノズル131から吐出さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るインクジェット記録装置のイン
クカートリッジ接続構造を備えたインクジェットプリン
タの部分斜視図である。
【図2】 インクジェット記録ヘッドの平面図である。
【図3】 図2に示すインクジェット記録ヘッドのIII
−III線断面図である。
【図4】 (a)はキャリッジにインクカートリッジを
収容する状態を示す斜視図であり、(b)は押圧部材の
部分拡大斜視図である。
【図5】 インクカートリッジをキャリッジに収容する
状態を示す部分断面図である。
【図6】 (a)はインクカートリッジに設けられた圧
力調節弁の断面図であり、(b)は圧力調節弁の斜視図
である。
【図7】 本発明に係るインクジェット記録装置の印字
テストの結果を示す図表である。
【図8】 流量調節弁をインク流路に設けた状態を示す
断面図である。
【図9】 ラインヘッド型インクジェット記録ヘッドの
斜視図である。
【符号の説明】
3…インクジェット記録装置、12…キャリッジ、60
…インクカートリッジ、67…圧力調節弁、99…大気
連通孔。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクジェット記録ヘッドに設けられた
    ノズル孔から吐出したインク滴を記録媒体に付着させて
    画像を形成するインクジェット記録装置であって、 上記ノズル孔に連通するインク供給路に対してインクを
    供給するためのインクカートリッジの大気連通孔に圧力
    調節弁を設け、該圧力調節弁は温度変化に応じて変形す
    る材料で形成され、温度変化に対応して上記大気連通孔
    の開口面積を増減してインクカートリッジ内の圧力を調
    節できるようにしたことを特徴とするインクジェット記
    録装置。
  2. 【請求項2】 インクジェット記録ヘッドに設けられた
    ノズル孔から吐出したインク滴を記録媒体に付着させて
    画像を形成するインクジェット記録装置であって、 上記ノズル孔に連通するインク供給路に流量調節弁を設
    け、該流量調節弁は温度変化に応じて変形する材料で形
    成され、温度変化に対応して上記インク供給路の断面積
    を増減してインク流量を調節できるようにしたことを特
    徴とするインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 上記ノズル孔に連通するインク供給路に
    対してインクを供給するためのインクカートリッジの大
    気連通孔に上記圧力調節弁を設けたことを特徴とする請
    求項2に記載のインクジェット記録装置。
JP25528997A 1997-09-19 1997-09-19 インクジェット記録装置 Pending JPH1191123A (ja)

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Cited By (6)

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