JPH1190251A - 高Mn鋳鋼よりなる耐摩耗部材 - Google Patents

高Mn鋳鋼よりなる耐摩耗部材

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JPH1190251A
JPH1190251A JP27509397A JP27509397A JPH1190251A JP H1190251 A JPH1190251 A JP H1190251A JP 27509397 A JP27509397 A JP 27509397A JP 27509397 A JP27509397 A JP 27509397A JP H1190251 A JPH1190251 A JP H1190251A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高Mn鋳鋼の製品は有効な水靱作用の限界の
ため大型化に制約がある。 【解決手段】 水靱面に基準とすれば、耐摩耗部材内の
いかなる部分においても最短距離が100mmを超えな
いように凹部を形成し、該凹部の最大差し渡し長さが凹
部と凹部との間を形成する肉厚、または凹部底面と部材
表裏面との間で形成する肉厚の何れよりも大きく設定し
た形状で鋳造した母材1と、該凹部11へ嵌合係止する
同形の嵌合材2とを一体的に組合わせて前記の課題を解
決した。この凹部によって形成する開口部を通じて、冷
却水の流動を活発に入れ替えるように図ったから、冷却
水が局部的に過熱、沸騰して水靱作用の製品深部への進
行を妨げる要因を排除した。この作用は凹部底面と部材
の表、裏面間で形成する肉厚に対しても同様であり、水
靱作用の限界に基づく従来の製品肉厚の制限を大幅にア
ップする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は代表的な耐摩耗部材
の一つである高Mn鋳鋼の製造技術の改善に係る。
【0002】
【従来の技術】高Mn鋳鋼の歴史は古くハッドフィール
ド鋼とも呼ばれ、基本的にはC:1.0〜1.3%,M
n:12%(重量%、以下同じ)を成分ベースとし、M
o,Crなどの他の成分を数%含んで特定の性質を強化
する場合もあるが、鋳放しでA1変態を起こすことなく
ほぼオーステナイト相のままで常温に達することが最大
の特徴である。しかし、鋳放しの状態ではオーステナイ
ト粒界に多くの炭化物(Fe,Mn)3Cが生じている
からこのままでは脆くて使用できない。そのため127
0〜1370°K(1000〜1100℃)に一旦加熱
し、オーステナイト内に炭素を十分固溶させた後、水中
に焼き入れる、いわゆる水靱処理を行なう。これによっ
てオーステナイト単一組織となり、高Mn鋳鋼特有の靱
性と優れた加工硬化性能が得られる。
【0003】水靱処理を十分に施した高Mn鋳鋼は、最
大の利点として製品表面を擦過(アブレッシーブ)する
ことによってオーステナイト結晶格子に歪みが生じて強
力な加工硬化作用が発現し、容易に摩耗することなくそ
の部分が摩耗によって退入すれば、次ぎに表面として現
われた新たな露出部分に同様な加工硬化が繰り返し起こ
り、深部に至るまで常にアブレッシーブな摩耗に対抗し
て、高耐摩耗部材として理想的な経過を辿る材質として
高い評価が定着している。
【0004】この特性を活かし比較的低いコストで優れ
た耐摩耗部材として古くから多岐に亘って重用され、ロ
ール間に被砕物を噛み込んで破砕するロールタイプとし
てロール、タイヤ、テーブルライナー、また旋動破砕機
としてマントル、バウルライナー、コーンケーブリング
など、衝撃式破砕機のハンマー、反撥板や、ジョウクラ
ッシャーの動歯、不動歯、さらには大型カーシュレッダ
ーのグレートバーなど広い範囲の各現場において盛んに
使用されている。
【0005】高Mn鋳鋼は前述のように鋳放しまでオー
ステナイト組織を維持するが、粒界に析出した炭化物を
固溶するためにオーステナイト領域の高温まで加熱し、
その後、全体が同一の高温度となるように肉厚に基ずい
て保持時間を決め、水中へ投入しこの水靱作用によって
炭化物の析出を分解して高靱性、高耐摩耗性の材質に改
質する。この場合、高Mn鋳鋼の熱膨張係数は表1のよ
うに各温度において他の合金鋼に比べて遥かに大きい
が、表2のように各温度における熱伝導率は遥かに小さ
く、このことを十分に考慮した上で水靱処理を施さなけ
れば割れなどの不良発生の原因となり、特に製品が大型
化すると共に、その組織改質の困難さは飛躍的に急増す
る。
【0006】
【表1】
【表2】
【0007】水靱処理のための加熱は当然、緩い昇温速
度を採り、たとえば表2に示すように高Mn鋳鋼の場
合、873K(600℃)までの比較的低温域の熱伝導
率は悪くて合金鋼の30〜70%であるため、この温度
までの昇温速度は、一般に50〜80K/hのゆっくり
した速度を適用することが望ましく、973K(700
℃)以上になれば、100〜150K/hの昇温速度を
適用しても差し支えはない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】高Mn鋳鋼の水靱で特
に課題となり、これが製品サイズの限界として制約を課
す段階は本質的に冷却の能力に係る。すなわち高Mn鋳
鋼は保持温度の低下と共にAcm線に沿ってオーステナ
イト相の中への炭素の固溶限が下がってくるため、出炉
後、水中に浸漬するまでの時間が長くなり鋳鋼品の温度
が下がってくると、炭素量の多い鋼種では粒界に炭化物
が析出して水靱処理後の靱性が劣化せざるを得ない。図
18に13%Mn鋼の炭素の固溶限を示すが、これによ
り900℃ではオーステナイト中への炭素固溶限が1.
0%まで下がっていることがわかる。高Mn鋳鋼の場合
炭化物の析出ノーズ温度は580〜730℃であり、1
〜2分で析出を開始する。
【0009】このため肉厚の大きい鋳鋼品の場合は鋳物
内部までオーステナイト単一相にすることは難しく、1
00mm以上の肉厚の高Mn鋳鋼では理想的な水靱処理
を行なったとしても、内部には結晶粒界に多くの炭化物
が生成し、高Mn鋳鋼の引張り強さや靱性を劣化させて
使用中に割れや破断の原因となる。
【0010】米国における耐熱性材の資料(STEEL
FOUNDERS’SOCIETY OF AMER
ICA刊行STEEL CASTING HANDBO
OK、頁16−11〜16−15)によれば、表3に示
す標準成分、Cr配合、Mo配合、同特許合金(lea
n alloy),高抗圧高張材(特許合金)、可削材
(特許合金)について、肉厚を1インチ(25mm)と
6インチ(150mm)の両試験片を採取して両者の差
を図19(引張りテストにおける伸び%)、図20(ア
イゾット衝撃値ft−lb),あるいは図21(実用引
張り強度ksiまたはMpa)、図22(抗圧力ksi
またはMpa)によって比較している。
【0011】
【表3】
【0012】結果からも明らかなように、抗圧力を除い
て肉厚による各物性値の落ち込みは甚だしく、このテス
トから見ても前記の定説として成立している製品肉厚が
100mmが限界であることを示唆している。
【0013】このように高Mn鋳鋼のオーステナイト自
体の特性と水靱作用の及ぶ冷却能力の限界から、100
mm以上の肉厚製品は健全で均一な内部組織が得難く、
前記の各分野における使用が粉砕実効率の向上を求めて
耐用期間の延長を要請し、肉厚を増加して有効摩耗消費
量の実質的な増加を求めても、肉厚上の限界からこの要
望には対応し難く、この技術分野における大きな課題と
して立ち塞がっている。
【0014】一方、母材金属に異種のより高度な耐摩耗
部材を嵌合した複合材料として耐用期間の延長を図る方
式も従来から多く試みられ実施に供されている。たとえ
ば、特開昭62−244449号公報による従来技術で
は、高炉スラグ、クリンカ、石炭粉砕用のローラ、セグ
メントを対象に限定し、金属の基地にセラミックス製の
ピンを多数粉砕面に埋設したことにより耐摩耗性の強化
を図っている。ピンの埋設は粉砕面に所定の深さまで孔
を明け、ピンを埋設してエポキシ系樹脂の接着剤で固定
したものである。
【0015】特開平7−51585号公報に係る従来技
術ではミルローラ、コーンクラッシャー型の粉砕機に限
定し、図23に例示するように表層が耐摩耗性の低い母
材金属101、多数の凹部が規則的に形成され、各凹部
にキャスティングにより深さ方向に連続形成された高耐
摩耗性金属102が充填されている。しかし、この充填
とは、具体的には耐摩耗性金属を下向き自動溶接による
多層肉盛溶接によっていたため多大の時間を必要とした
課題を、エレクトロガスまたはノンガスの大入熱を用い
た縦向き単層肉盛溶接によってキャスティングして解決
したと謳っている。
【0016】実公昭56−31322号公報による従来
技術では、ジョークラッシャーの歯板の耐摩耗性の向上
を目指し、歯の頂部を波形歯板の山の形状に合わせて成
形するとともに、台板に埋め込まれる部分を垂直または
末広がりにした断面をほぼ蒲鉾形に成形した高硬度ブロ
ックを鋳型内にセットして母材金属を注湯し、鋳包んで
溶着させるか、または該ブロックを接着剤で接着して固
定する構成を提示している。またブロック嵌合の安定性
を求めた改良技術と見られる実公昭57−31950号
や実公昭57−13162号、特公昭57−23542
号公報などの関連技術もある。
【0017】しかし、これらの従来技術はすべて耐摩耗
性の向上を目的の主体として掲げ、異種材料で成形した
ブロックを嵌合したり、またはキャスティングと呼んで
いるが、実質的には肉盛溶接によって異種金属層を規則
的に形成することに発想の原点があり、高Mn鋳鋼の水
靱処理に伴って直面する前記の固有の課題、すなわち有
効摩耗消費量の増加による耐用期間の延長、実質的には
製品サイズの限界という課題を解決するものではない。
【0018】本発明はあくまで高Mn鋳鋼で製造する各
種耐摩耗部材の製品肉厚(一般的に100mmが定説)
を大幅に超え、耐摩耗面として有効に機能する容量をア
ップすることによって、全体としての耐用期間の延長を
図り、結果的に作業効率の抜本的な向上を図ることを発
想の原点に捉えたものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明に係る高Mn鋳鋼
よりなる耐摩耗部材は、水靱作用が発現する水靱面に基
準とすれば、耐摩耗部材内のいかなる部分においても何
れかの水靱面からの最短距離が100mmを超えないよ
うに凹部を形成し、該凹部の最大差し渡し長さが凹部と
凹部との間を形成する肉厚、または凹部底面と部材表裏
面との間で形成する肉厚の何れよりも大きく設定した形
状で鋳造した母材1と、該凹部11へ嵌合係止する同形
の高Mn鋳鋼の嵌合材2とを一体的に組合わせてなるこ
とによって前記の課題を解決した。
【0020】このように限定された構造において、とく
に凹部を形成して水靱作用が発現する表面からの再短距
離が、健全な組織として許容限度内の物性値を保証し得
る100mmの距離以内に含まれるように形状を設定
し、とくに凹部と凹部間の母材肉厚の距離を凹部の最大
差し渡し長さ(凹部が円柱形ならば直径、角形ならば対
角線の長さ)より小さく採り、この広い開口面を通じて
冷却水の流動を活発に入れ替えるように図ったから、冷
却水が局部的に過熱、沸騰して水靱作用の製品深部への
進行を妨げる要因を排除した。この関係は凹部底面と部
材の表、裏面間で形成する肉厚に対しても同様に形状決
定上の要件としたから、同一作用が得られる。
【0021】このように製造した母材1と、母材の凹部
へ嵌合係止する同形の嵌合材2とを別個に製造し、別個
に水靱処理を施した後、両部材を嵌合することによっ
て、結果的に従来技術を超える肉厚の高Mn鋳鋼製耐摩
耗部材が得られて課題を解決する。
【0022】請求項2に係る形態は嵌合材を別種の耐摩
耗部材、たとえば高Cr鋳鉄で置き換えたものである。
耐摩耗部材の母材に他の材質の嵌合材を一体的に複合化
すること自体は既に述べたように公知であり、また本発
明の主目的でもないが、本発明の目的(製品肉厚増に伴
う耐用期間の延長)にこの公知思想を併用すれば、相乗
作用が発揮されることも事実であり、謂わば副次的な作
用によってさらに効果を助長する利点が挙げられる。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の基本思想は母材を高Mn
鋳鋼に限定し、水靱が有効に働く限界を大幅にレベルア
ップする点にあるから、従来、高Mn鋳鋼で製造してい
るすべての耐摩耗部材に例外なく適用することが可能で
ある。しかし、その主旨からいえば、製品の大型化、特
に有効摩耗消費量の増大を求める場合に利点が顕われる
から、肉厚増強が稼働効率に直結する部材に対象を絞る
ことが本来の目的に叶うことはいうまでもない。以下、
各実施形態はその点に着目して実施が最適と認められる
ケースを列挙したものである。
【0024】図1は本発明の第1実施形態であってダブ
ルロールクラッシャーのロールに適用した場合の平面図
(A)、正面図(B)、断面図(C)および斜視図
(D)を示している。2個の円筒形ロールを軸線を並行
に並べた間隙内へ被砕物を装入してロール摩耗面間で挾
圧して破砕する。母材1Aへ嵌合する嵌合材2Aは円柱
形で形成する。
【0025】図2は第2実施形態でレイモンドミルのブ
ルリングに適用した場合であり、図3はこのブルリング
の内周に沿って転動するローラの例である。何れも平面
図(A)、正面図(B)、断面図(C)および斜視図
(D)で示すように、母材1B,1Cへ円柱形の嵌合材
2B,2Cを嵌合するが、ブルリングの摩耗面である内
周側とローラの摩耗面である外周側へそれぞれ嵌合して
いる。図4は竪型ミルのローラに適用した平面図
(A)、正面図(B)、断面図(C)および斜視図
(D)であって、円柱形の嵌合材2Dを母材1Dの摩耗
面である外周側のテーパー面へ規則的に嵌合する。
【0026】図5はセメントクリンカーなど微粉砕用の
ロッドミルやボールミルの横向き円筒形の粉砕本体の内
周面へ内張りする保護ライナーに適用した場合であり、
平面図(A)、正面図(B)、断面図(C)および斜視
図(D)によって示すように粉砕空間に直面する母材1
Eの内周面側へ円柱形の嵌合材2Eを嵌合する。
【0027】図6、図7は砕石などの三次破砕に使用す
るハンマークラッシャーやセメント原料(石灰石)を破
砕するクリンカークラッシャーなど衝撃式破砕機に使用
するハンマーに適用した場合を示し、また、図8は廃車
の破砕など重衝撃破砕用シュレッダーミルに使用するハ
ンマーであって、何れも母材1F,1G,1Hに嵌合す
る嵌合材2F,2G,2Hを円柱形で形成する。またカ
ーシュレッダーミルにおける別の耐摩耗部材として、破
砕室の底面に並列して所望サイズに破砕された被砕物片
のみを選択的に排出するグレートバーの存在も見逃せな
いが、図9にこのグレートバーに適用した態様を示し、
母材1Iに円柱形の嵌合材2Iを嵌合したものである。
【0028】コーンクラッシャーやジョークラッシャー
について適用すれば、図10のマントル、図11のバウ
ルライナの実施形態が好適である。これらの型式の破砕
機は本体(ケーシング)内に固定したバウルライナの中
で偏心したマントルが旋動し、バウルライナの内周面と
マントルの外周面間で被砕物を圧潰する原理に立つか
ら、それぞれの摩耗面に嵌合した円柱形の嵌合材2J、
2Kによって健全な製品肉厚を大幅に増大して耐用期間
を延長する。
【0029】図12から図15まではそれぞれ大型竪型
ミルの分割型テーブルに適用した実施形態を示し、図1
2は断面が曲面の摩耗面へ円柱形の嵌合材2Lを、図1
3は断面が平面の摩耗面へ円柱形の嵌合材2Mを、図1
4は断面が平面の摩耗面へ角柱形の嵌合材2Nを、さら
に図15では断面が平面の摩耗面へ八角柱形の嵌合材2
Oをそれぞれ嵌合した態様を示す。また、図16は該分
割型テーブル上で斜めに吊支されてテーブル面との間へ
被砕物を挾圧して粉砕するローラの例であり、円柱形の
嵌合材2Pを嵌合して肉厚増加を図った態様を示す。
【0030】嵌合材2を母材1へ嵌合する方法について
はとくに限定するものではなく、公知である従来技術の
中から適宜選択すれば足りる。たとえば図17(A)
(B)(C)に示す嵌合方法は出願人自身が提示した実
公平06−34824号公報に係る従来技術を準用した
ものであり、嵌合材2に頸部21を設け、その底面に部
分的な突条22を突設したものである。一方、母材1に
は円孔11を穿孔するが、この円孔に沿った縦溝12と
その底面に連通する横溝13を設け、前記突条22を縦
溝12に嵌入してから水平方向に回動して固定する方式
であり、ワンタッチに近い簡単な作業で確実な嵌合を果
す。嵌合材が円柱形以外の場合は強力な接着剤を使用し
て固定するのが一般的である。
【0031】
【発明の効果】本発明は以上に述べた通り最も一般的、
かつ経済的な耐摩耗部材として最も広範囲の分野で使用
される高Mn鋳鋼が、装置の大型化が求められるにも拘
らず、有効摩耗消費量が材質特有の炭素固溶限度によっ
て一定の肉厚制限を余儀なく強いられ、100mm以上
の肉厚に対しては事実上、健全な機能を保証できなかっ
た課題を克服し、大幅な製品サイズ、とくに摩耗面の有
効消費量を大幅に向上して耐用期間を延長する顕著な効
果がある。本発明の実施によって従来の最大の課題であ
った肉厚制限から開放され、部材取り替えのための操業
中断、そのための装置全体の生産性の低下や取り替え工
事の頻度の減小に伴うメンテナンス費用の軽減など、も
たらす利点は枚挙に暇がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す平面図(A)、正
面図(B)、断面図(C)および斜視図(D)である。
【図2】本発明の第2実施形態を示す平面図(A)、正
面図(B)、断面図(C)および斜視図(D)である。
【図3】本発明の第3実施形態を示す平面図(A)、正
面図(B)、断面図(C)および斜視図(D)である。
【図4】本発明の第4実施形態を示す平面図(A)、正
面図(B)、断面図(C)および斜視図(D)である。
【図5】本発明の第5実施形態を示す平面図(A)、正
面図(B)、断面図(C)および斜視図(D)である。
【図6】本発明の第6実施形態を示す平面図(A)、正
面図(B)、断面図(C)および斜視図(D)である。
【図7】本発明の第7実施形態を示す平面図(A)、正
面図(B)、断面図(C)および斜視図(D)である。
【図8】本発明の第8実施形態を示す平面図(A)、正
面図(B)、断面図(C)および斜視図(D)である。
【図9】本発明の第9実施形態を示す平面図(A)、正
面図(B)、断面図(C)および斜視図(D)である。
【図10】本発明の第10実施形態を示す平面図
(A)、正面図(B)、断面図(C)および斜視図
(D)である。
【図11】本発明の第11実施形態を示す平面図
(A)、正面図(B)、断面図(C)および斜視図
(D)である。
【図12】本発明の第12実施形態を示す平面図
(A)、正面図(B)、断面図(C)および斜視図
(D)並びに全体図(E)である。
【図13】本発明の第13実施形態を示す平面図
(A)、正面図(B)、断面図(C)および斜視図
(D)並びに全体図(E)である。
【図14】本発明の第14実施形態を示す平面図
(A)、正面図(B)、断面図(C)および斜視図
(D)並びに全体図(E)である。
【図15】本発明の第15実施形態を示す平面図
(A)、正面図(B)、断面図(C)および斜視図
(D)並びに全体図(E)である。
【図16】本発明の第16実施形態を示す平面図
(A)、正面図(B)、断面図(C)および斜視図
(D)である。
【図17】本発明の嵌合材の嵌合方法の一態様を示す正
面図(A)と嵌合材の正面図(B)、平面図(C)であ
る。
【図18】オーステナイト13%高Mn鋳鋼の炭素の固
溶限と温度の関係をプロットした図表である。
【図19】各種高Mn鋳鋼材における肉厚差(1インチ
と6インチ)に伴う伸び%の劣化を示した図表である。
【図20】各種高Mn鋳鋼材における肉厚差(1インチ
と6インチ)に伴うアイゾット衝撃値の劣化を示した図
表である。
【図21】各種高Mn鋳鋼材における肉厚差(1インチ
と6インチ)に伴う実用引張り強度の劣化を示した図表
である。
【図22】各種高Mn鋳鋼材における肉厚差(1インチ
と6インチ)に伴う抗圧力の劣化を示した図表である。
【図23】従来技術を示す斜視図である。
【符号の説明】 1 母材(高Mn鋳鋼材) 2 嵌合材(高Mn鋳鋼材、または他の耐摩耗部材)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高Mn鋳鋼よりなる耐摩耗部材におい
    て、水靱作用が発現する水靱面に基準とすれば、耐摩耗
    部材内のいかなる部分においても何れかの水靱面からの
    最短距離が100mmを超えないように凹部を形成し、
    該凹部の最大差し渡し長さが凹部と凹部との間を形成す
    る肉厚、または凹部底面と部材表裏面との間で形成する
    肉厚の何れよりも大きく設定した形状で鋳造した母材1
    と、該凹部11へ嵌合係止する同型の高Mn鋳鋼の嵌合
    材2とを一体的に組合わせてなることを特徴とする高M
    n鋳鋼よりなる耐摩耗部材。
  2. 【請求項2】 請求項1において嵌合材2を高Mn鋳鋼
    以外の材質で形成することを特徴とする高Mn鋳鋼より
    なる耐摩耗部材。
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