JPH1189598A - 蛍光標識プローブ及びハイブリダイゼーション検出方法 - Google Patents

蛍光標識プローブ及びハイブリダイゼーション検出方法

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JPH1189598A
JPH1189598A JP9253463A JP25346397A JPH1189598A JP H1189598 A JPH1189598 A JP H1189598A JP 9253463 A JP9253463 A JP 9253463A JP 25346397 A JP25346397 A JP 25346397A JP H1189598 A JPH1189598 A JP H1189598A
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JP
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probe
fluorescent substance
labeled
dna
partial
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JP9253463A
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Kenji Yamamoto
顕次 山本
Naganori Nasu
永典 奈須
Hitoshi Fujimiya
仁 藤宮
Yoriko Yurino
以子 百合野
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Hitachi Software Engineering Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Software Engineering Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6813Hybridisation assays
    • C12Q1/6816Hybridisation assays characterised by the detection means
    • C12Q1/6818Hybridisation assays characterised by the detection means involving interaction of two or more labels, e.g. resonant energy transfer

Abstract

(57)【要約】 【課題】 試料には処理を施さずにS/Nを向上させて
高感度でハイブリダイゼーションを検出する。 【解決手段】 1つのプローブ12を複数個の部分プロ
ーブ12a,12bに分割し、分割した部分プローブに
各々異なる蛍光物質14a,14bを標識させた分割構
成のプローブを用いる。プローブとサンプルDNA11
がハイブリダイズすると、分割した部分プローブ12
a、12bが1つのプローブを構成する。蛍光励起光1
9として断続光線を用い、蛍光物質14aを励起したと
き蛍光物質14bが発光する多段階励起蛍光18を光照
射されていない期間に検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サンプルDNAと
プローブDNAとのハイブリダイゼーションを利用して
サンプルDNAに目的とするDNA配列が存在するか否
かを分析するハイブリダイゼーション検出法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、生体内の分子を同定・分画す
るために、特に目的DNAの検出、あるいは遺伝子DN
Aの有無検出などのために、既知の配列をもつ核酸や蛋
白質をプローブとしてハイブリダイズする方法が多く用
いられてきた。しかし、生化学実験で用いられる試料の
多くは微量なため、その分析には非常に高い検出感度が
要求される。従って、従来はプローブを放射性同位体で
標識し、試料とハイブリダイズさせた後にX線フィルム
などに露光してハイブリダイゼーションを検出し、試料
の同定を行っていた。
【0003】しかし、放射性同位体は危険であり、取り
扱いを厳重に管理しなくてはならない。そのため、近年
では、放射性同位体に代わって蛍光や化学発光を用いた
高感度検出方法が開発されている。特に蛍光法は、化学
発光法に比べて平面上の発光パターンをイメージとして
読み取りやすいため、平面上の試料の検出によく利用さ
れている。この方法では、蛍光標識した試料にレーザ光
を照射して蛍光物質を励起し、その蛍光物質から発する
蛍光の強度分布を測定することで試料の同定を行う。発
光パターンを読み取る装置の例は、特公平8−3481
号公報に記載されている。
【0004】また、試料とプローブを異なる蛍光物質で
標識し、ハイブリダイズを行った後に多段階励起でハイ
ブリダイゼーションを検出する方法も知られている。図
2は、この方法の原理を説明する図である。図2(a)
に示すようにサンプルDNA11を蛍光物質13で標識
するとともに、図2(b)に示すようにプローブDNA
12を蛍光物質14で標識する。蛍光物質13と蛍光物
質14は異なる励起波長及び異なる蛍光波長を有するも
のである。蛍光物質13,14で標識したこれらのサン
プルDNA11及びプローブDNA12を、ハイブリダ
イゼーション溶液15中に混合する。ハイブリダイゼー
ション溶液は、ホルムアルデヒド、SSC(NaCl, tris
odium citrate)、SDS(sodium dodecyl sulfat
e)、EDTA(ethylenediamidetetraacetic acid)、
蒸留水などからなる混合液であり、混合比率は使用する
DNAの性質により異なる。
【0005】このとき、サンプルDNA11とプローブ
DNA12が相補鎖DNAであれば、図2(c)に示す
ように、両者はハイブリダイゼーションして二重らせん
構造で結合する。一方、両者が相補鎖DNAでなけれ
ば、図2(d)に示すように非結合のままである。サン
プルDNAとプローブDNAのハイブリダイゼーション
を検出するために、すなわち両DNAが結合しているか
否かを検出するために、連続光源から蛍光物質13を発
光させるが蛍光物質14を発光させることのできない励
起光16を照射する。サンプルDNA11とプローブD
NA12がハイブリダイゼーションしていれば、図2
(e)に示すように、蛍光物質13の近傍に蛍光物質1
4が存在するため蛍光物質13の励起エネルギー17が
蛍光物質14に移行し、蛍光物質14から蛍光18が発
せられる。一方、サンプルDNA11とプローブDNA
12がハイブリダイゼーションしていなければ、図2
(f)に示すように、サンプルDNA11に標識された
蛍光物質13とプローブDNA12に標識された蛍光物
質14の間の距離が離れているため、蛍光物質13のエ
ネルギーが蛍光物質14に移ることができず蛍光物質1
4は蛍光を発しない。このようにして、試料から放出さ
れる蛍光波長を観察することにより、サンプルDNA1
1とプローブDNA12のハイブリダイゼーションを検
出することができる。
【0006】
【本発明が解決しようとする課題】蛍光プローブは、取
り扱いが簡便であるが、標識蛍光物質から発せられる蛍
光強度が微弱であり、また蛍光波長が励起波長からそれ
ほど離れていないため検出器の前に励起光遮断フィルタ
ーを配置しても励起光を完全にカットすることができ
ず、高感度な検出を行うことができなかった。
【0007】多段階励起プローブを用いると励起波長と
蛍光波長の間を離すことが可能であり蛍光を励起光から
波長分離して検出する上では有利になるが、サンプルD
NAそのものを蛍光物質で標識しなければならない。サ
ンプルDNAに蛍光物質を標識するなど人的加工を施す
場合、サンプルDNAの加工工程でミスが発生すると分
析の信頼性は全く失われ、それが貴重な試料の場合には
取り返しのつかないことになる。また、蛍光測定時、励
起光の一部も同時に検出器に入射するためS/Nを高め
るのが困難であった。
【0008】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みなされたもので、試料には処理を施さずにS/Nを
向上させて高感度でハイブリダイゼーションを検出する
ことのできる方法及びその検出方法に適したプローブを
提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明では、1本のプローブを複数に分割し、それ
ぞれ異なる蛍光物質を結合させたプローブを用い、これ
らの蛍光物質を多段階励起することで従来より強い蛍光
が発せられることを利用している。また、励起光として
断続光を照射し、試料に励起光が照射されていない期間
に蛍光検出を行うことによりS/N比を高くしている。
【0010】すなわち、本発明の蛍光標識プローブは、
DNAの連続する複数の部位に各々ハイブリダイズする
複数の部分プローブからなり、各部分プローブは前記D
NAの連続する複数の部位にハイブリダイズしたとき互
いに近接する位置にそれぞれ異なる蛍光物質で標識され
ていることを特徴とする。
【0011】また、本発明の蛍光標識プローブは、DN
Aの特定の部位にハイブリダイズするプローブを複数個
の部分プローブに分割し、前記DNAの特定の部位にハ
イブリダイズしたとき互いに近接する各部分プローブの
位置にそれぞれ異なる蛍光物質で標識したことを特徴と
する。DNAの特定の部位にハイブリダイズする1本の
プローブを複数の部分プローブに分割する際には、1本
のプローブDNAの中央付近で分割するのが好ましい。
【0012】前記各部分プローブに標識されている蛍光
物質は、1つの部分プローブに標識されている蛍光物質
を励起したとき多段階励起によって他の部分プローブに
標識されている蛍光物質から蛍光を発生することができ
るものが選択される。
【0013】また、本発明のハイブリダイゼーション検
出方法は、DNAの特定の部位にプローブがハイブリダ
イズしてなる複合体に含まれる複数の標識蛍光物質を断
続光線によって多段階励起し、光照射されていない期間
に多段階励起蛍光を検出することを特徴とする。
【0014】また、本発明のハイブリダイゼーション検
出方法は、DNAの連続する複数の部位に各々ハイブリ
ダイズする複数の蛍光標識プローブを用い、サンプルD
NAにハイブリダイズしている1つのプローブに標識さ
れている蛍光物質を励起したとき該プローブに隣接して
サンプルDNAにハイブリダイズしている他のプローブ
の蛍光物質が発光する多段階励起蛍光を検出することを
特徴とする。
【0015】また、本発明のハイブリダイゼーション検
出方法は、1つのプローブを複数個の部分プローブに分
割し、分割した各部分プローブに各々異なる蛍光物質を
標識させた分割構成のプローブとサンプルDNAをハイ
ブリダイズさせ、サンプルDNAと結合することで分割
した前記部分プローブが1つのプローブを構成し、1つ
の部分プローブに標識されている蛍光物質を励起したと
き他の部分プローブの蛍光物質が発光する多段階励起蛍
光を検出することを特徴とする。蛍光励起光として断続
光線を用い、光照射されていない期間に蛍光検出を行う
のがS/N比向上の上で有効である。
【0016】本発明によると、機器で自動的に生成でき
るプローブDNAだけに蛍光標識をつけることで、検体
のサンプルDNAなどに処置を施すことなく、多段階励
起蛍光によってハイブリダイゼーションの検出を行うこ
とができ、人的ミスの発生を抑制することができる。ま
た、蛍光標識はプローブDNAだけにつければよいた
め、蛍光標識を付けたプローブを試薬キットとして予め
用意しておくことが可能となり、ハイブリダイゼーショ
ン検出のための処理時間を短縮することができる。
【0017】また、蛍光の多段階励起に断続光源を使用
し、試料に励起光が照射されていない期間に蛍光検出を
行うことで、蛍光に比べて著しく強度の強い励起光に妨
害されることなく蛍光検出を行うことができる。従っ
て、蛍光検出のS/N比を向上することができ、ハイブ
リダイゼーションの検出感度が高くなる。なお、プロー
ブDNAに手を加えたくないときは、サンプルDNAを
分割して蛍光物質を標識し、サンプルDNAとプローブ
DNAの関係を逆にして処理することも可能である。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。図1は、本発明の原理を説明する図であ
る。図1(a)に示すように、血液などから抽出される
サンプルDNA11には蛍光物質標識の処置を施さず、
合成機で作成することのできるプローブDNAに処理を
施して複数に分割する。すなわち、図1(b)に示すよ
うに、DNAの特定の部位にハイブリダイズすることの
できる1本のプローブDNA12を合成機で作成し、そ
れを複数の部分プローブDNA12a,12bに分割
し、部分プローブDNA12aに蛍光物質14aを標識
し、部分プローブDNA12bには蛍光物質14bを標
識する。
【0019】1本のプローブDNA12の分割は、特定
配列の部分で切断する制限酵素でDNAを切断すること
によって行うことができ、分割箇所としてはプローブD
NA12の中央付近を選択するのが好ましい。また、蛍
光物質14a,14bには多段階励起に適したものを励
起光の波長に応じて選択する。すなわち、蛍光物質14
aを光励起したとき、その励起エネルギーが他方の蛍光
物質14bに移って蛍光物質14bが発光する組み合わ
せのものを用いる。例えば励起光としてアルゴンレーザ
の490nmを用いる場合、蛍光物質14aにイソチオ
シアン酸フルオレセイン(FITC)を用い、蛍光物質
14bにテキサスレッドを用いる。このとき490nm
のレーザ光で励起されたFITCは520nmの励起光
を発する。次に、この520nmの光によってテキサス
レッドが励起され、615nmの蛍光を発する。
【0020】蛍光物質14a,14bの標識箇所は、部
分プローブDNA12aと部分プローブDNA12bと
がDNAの特定部位に隣接して同時にハイブリダイズし
たとき蛍光物質14aの発光エネルギーが蛍光物質14
bを励起できる距離となるようにする。蛍光物質14
a,14bの標識箇所は、典型的には1本のプローブ1
2を分割したその分割箇所に相当する箇所とすればよい
が、2本鎖DNAが立体構造を有することを考慮すると
必ずしも1本のプローブの分割箇所に相当する箇所とす
る必要はない。要は、2本の部分プローブ12a,12
bがサンプルDNAの特定部位に並んでハイブリダイズ
したとき、蛍光物質14aと蛍光物質14bの間の空間
的距離が両者間でエネルギーの授受が可能な距離になっ
ていればよい。
【0021】次に、サンプルDNA11と蛍光物質14
a,14bで標識した部分プローブDNA12a,12
bを、ハイブリダイゼーション溶液15中に混合する。
ハイブリダイゼーション溶液は、ホルムアルデヒド、S
SC、SDS、EDTA、蒸留水などからなる混合液で
あり、混合比率は使用するDNAの性質により異なる。
このとき、サンプルDNA11ともとのプローブDNA
12が相補鎖DNAであれば、図1(c)に示すよう
に、サンプルDNA11と部分プローブDNA12a,
12bとはハイブリダイゼーションして二重らせん構造
で結合する。一方、サンプルDNA11と分割する前の
プローブDNA12が相補鎖DNAでなければ、図1
(d)に示すようにサンプルDNA11と部分プローブ
DNA12a,12bとは非結合のままである。
【0022】サンプルDNA11と部分プローブDNA
12a,12bのハイブリダイゼーションを検出するた
めに、励起光源から蛍光物質14aを発光させることが
できるが蛍光物質14bを発光させることのできない波
長の励起光を断続光19として照射する。断続励起光1
9は、励起光源としてパルスレーザを用いることで、あ
るいは連続光源から発生された光線をシャッタなどの光
断続手段で断続することによって発生することができ
る。
【0023】サンプルDNA11と部分プローブDNA
12a,12bがハイブリダイゼーションしていれば、
図1(e)に示すように、蛍光物質14aの近傍に蛍光
物質14bが存在するため蛍光物質14aの励起エネル
ギー17が蛍光物質14bに移行し、蛍光物質14bか
ら蛍光18が発せられる。一方、サンプルDNA11と
部分プローブDNA12a、部分プローブ12bが同時
にハイブリダイゼーションしていなければ、図1(f)
に示すように、部分DNA12aに標識された蛍光物質
14aと部分プローブDNA12bに標識された蛍光物
質14bの間の距離が離れているため、蛍光物質14a
のエネルギーが蛍光物質14bに移ることができず蛍光
物質14bは蛍光を発しない。このようにして、試料か
ら放出される蛍光波長を観察することにより、サンプル
DNA11とプローブ12のハイブリダイゼーションと
同等なサンプルDNA11と部分プローブDNA12
a,12bのハイブリダイゼーションを検出することが
できる。
【0024】図3は、図1(e),(f)における断続
励起光19の照射タイミングと、蛍光物質14aからの
発光17及び蛍光物質14bからの発光18の関係を説
明する図である。図3には、断続励起光19が照射され
ている状態をON、遮断されて照射されていない状態を
OFFとして表示してある。断続励起光19が照射され
ている状態では、断続励起光19によって蛍光物質14
aが励起17される。
【0025】いま、図1(e)に示したようにサンプル
DNA11と部分プローブ12a,12bとがハイブリ
ダイズしていれば、蛍光物質14aの励起エネルギーは
蛍光物質14bに移り、多段階励起によって蛍光物質1
4bから蛍光18が発せられる。一方、図1(f)に示
したようにサンプルDNA11と部分プローブ12a,
12bとがハイブリダイズしていなければ、断続励起光
19によって励起された蛍光物質14aのエネルギーは
蛍光物質14bに移行することができず、蛍光物質14
aが蛍光17を発生する。蛍光物質14bは励起され
ず、従って蛍光18は発せられない。このように、多段
階励起による蛍光18が発生しているタイミングでは断
続励起光19が遮断されているため、強度の極めて強い
励起光に妨害されることなく高S/N比にて高感度に蛍
光18の検出を行うことができる。
【0026】なお、サンプルDNAとプローブDNAを
異なる蛍光物質で標識し、多段階励起によってサンプル
とプローブのハイブリダイゼーションを検出する従来の
検出方法でも、蛍光物質の励起光として断続光を使用
し、励起光が遮断されている期間に多段階励起蛍光を検
出するようにすると、連続光励起の場合に比べて検出信
号のS/N比を向上することができる。
【0027】選択可能な励起用レーザの発振波長が限ら
れている現状では、多段階励起を利用することによっ
て、1種類の蛍光物質を用いる蛍光プローブより蛍光物
質の励起効率を高めることが可能である。すなわち、第
1の蛍光物質として励起レーザ光の波長によって効率よ
く励起される蛍光物質を選択し、第2の蛍光物質として
第1の蛍光物質による発光波長で効率よく励起される蛍
光物質を選択することにより、全体としての蛍光励起効
率を1種類の蛍光物質を直接励起する場合より高めるこ
とができる。
【0028】また、各部分プローブを各々1種類の蛍光
物質で標識するとは限らない。図4は、1つの部分プロ
ーブを複数の蛍光物質で標識した本発明による蛍光標識
プローブの他の例の説明図である。ここでは、3種類の
蛍光物質を用いる例について説明する。
【0029】図4(a)の例では、DNAの特定の部位
にハイブリダイズすることのできる1本のプローブDN
A12を複数の部分プローブDNA12a,12bに分
割し、部分プローブDNA12aに蛍光物質14aを標
識し、部分プローブDNA12bには蛍光物質14b,
14cを標識する。蛍光物質14cは、蛍光物質14b
に結合されている。励起光は蛍光物質14aを励起でき
るが、蛍光物質14bあるいは蛍光物質14cを直接励
起することはできないものとする。また、蛍光物質14
aの蛍光波長は蛍光物質14bを励起でき、蛍光物質1
4bの蛍光波長は蛍光物質14cを励起でき、蛍光物質
14aの蛍光波長は蛍光物質14cを励起できないもの
とする。
【0030】このような蛍光物質の例としては、波長4
90nmで励起されて波長520nmの蛍光を発生する
FITC Fluoresceinと、波長580nmで励起されて
波長602nmの蛍光を発生するTexasRedと、
波長650nmで励起されて波長667nmの蛍光を発
生するCy5の組み合わせが挙げられる。
【0031】図4(b)の例は、部分プローブDNA1
2bに蛍光物質14b,14cを標識する点では図4
(a)の例と同じであるが、蛍光物質14b,14cを
付ける位置がいずれも部分プローブDNA上である点で
図4(a)の例と異なる。
【0032】図4に示した3種類の蛍光物質を用いるプ
ローブによるハイブリダイゼーションの検出は、蛍光物
質14aを励起可能な励起光を照射したとき、蛍光物質
14cから多段階励起蛍光が検出されるか否かによって
行われる。すなわち、サンプルDNAと部分プローブD
NA12a,12bがハイブリダイゼーションしていれ
ば、この多段階励起によって蛍光物質14cからの蛍光
が検出される。しかし、サンプルDNAと部分プローブ
DNA12a,12bがハイブリダイゼーションしてい
なければ、蛍光物質14aからの蛍光が検出されるだけ
であり、蛍光物質14cからの蛍光が検出されることは
ない。このように3種類以上の蛍光物質を組み合わせた
多段階励起を利用すると、2段階励起の場合と同様に蛍
光物質系全体としての蛍光励起光率を向上させることが
可能となるとともに、多段階励起蛍光の蛍光波長を励起
光の波長からずっと離れたところに設定することが可能
となり、蛍光検出の際の励起光の波長分離の点で有利に
なる。
【0033】次に、本発明の具体的な適用例について説
明する。ここでは、ガン遺伝子の診断用DNAプローブ
の一つであるv−myb(0.52kb)の場合で説明
する。このv−mybプローブには、300bp付近に
制限酵素FokIの認識部位が存在する。よって、この
FokIを用いてv−mybプローブを切断すると、約
300bpと約200bpの2本の断片が得られる。次
に、300bpの断片の3′末端側及び200bpの断
片の5′末端側を別々の蛍光物質で標識する。蛍光物質
の組み合わせとしては、TexasRedとCy5を使
用した。次に、この2断片を含むハイブリダイゼーショ
ン溶液中にサンプルDNAを入れて液中でハイブリダイ
ゼーションを行い、検出を行った。検出には532nm
の光を出す半導体励起固体レーザを光音響素子でパルス
化したものを光源として使用した。パルス間隔は、10
nsレーザ光ON、20nsレーザ光OFFに設定し、
レーザ光OFF後、5〜15nsの蛍光光量を675n
mの光学干渉フィルターを通して光電子増倍管で測定し
た。結果として、多段階励起による従来例に比べ、本発
明の方法では約100倍の感度で測定を行うことができ
た。
【0034】ここでは、サンプルDNAと蛍光標識プロ
ーブとを溶液中で反応させてハイブリダイゼーションさ
せる方法について説明した。しかし、本発明の蛍光標識
プローブは、メンブレン上にブロットして行うハイブリ
ダイゼーション検出方法に適用できることはもちろんで
ある。
【0035】
【発明の効果】本発明によると、サンプルDNAに処理
を施すことなく、蛍光物質の多段階励起を利用してハイ
ブリダイゼーションの検出感度を向上することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明する図。
【図2】試料とプローブを蛍光物質で標識する従来の多
段階励起法の説明図。
【図3】断続励起光の照射タイミングと蛍光物質からの
発光の関係を説明する図。
【図4】本発明による蛍光標識プローブの他の例の説明
図。
【符号の説明】
11…サンプルDNA、12…プローブDNA、12
a,12b…分割した部分プローブDNA、13,14
a…励起光で励起される蛍光物質、14b…蛍光物質か
ら多段階励起によって励起される蛍光物質、15…ハイ
ブリダイゼーション溶液、16…励起光、17…蛍光
(エネルギー)、18…蛍光、19…断続励起光
フロントページの続き (72)発明者 藤宮 仁 神奈川県横浜市中区尾上町6丁目81番地 日立ソフトウェアエンジニアリング株式会 社内 (72)発明者 百合野 以子 神奈川県横浜市中区尾上町6丁目81番地 日立ソフトウェアエンジニアリング株式会 社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 DNAの連続する複数の部位に各々ハイ
    ブリダイズする複数の部分プローブからなり、前記各部
    分プローブは前記DNAの連続する複数の部位にハイブ
    リダイズしたとき互いに近接する位置にそれぞれ異なる
    蛍光物質で標識されていることを特徴とする蛍光標識プ
    ローブ。
  2. 【請求項2】 DNAの特定の部位にハイブリダイズす
    るプローブを複数個の部分プローブに分割し、前記DN
    Aの特定の部位にハイブリダイズしたとき互いに近接す
    る前記各部分プローブの位置にそれぞれ異なる蛍光物質
    で標識したことを特徴とする蛍光標識プローブ。
  3. 【請求項3】 前記各部分プローブに標識されている蛍
    光物質は、1つの部分プローブに標識されている蛍光物
    質を励起したとき多段階励起によって他の部分プローブ
    に標識されている蛍光物質が蛍光を発生することができ
    るものであることを特徴とする請求項1又は2記載の蛍
    光標識プローブ。
  4. 【請求項4】 DNAの特定の部位にプローブがハイブ
    リダイズしてなる複合体に含まれる複数の標識蛍光物質
    を断続光線によって多段階励起し、光照射されていない
    期間に多段階励起蛍光を検出することを特徴とするハイ
    ブリダイゼーション検出方法。
  5. 【請求項5】 DNAの連続する複数の部位に各々ハイ
    ブリダイズする複数の蛍光標識プローブを用い、サンプ
    ルDNAにハイブリダイズしている1つのプローブに標
    識されている蛍光物質を励起したとき該プローブに隣接
    してサンプルDNAにハイブリダイズしている他のプロ
    ーブの蛍光物質が発光する多段階励起蛍光を検出するこ
    とを特徴とするハイブリダイゼーション検出方法。
  6. 【請求項6】 1つのプローブを複数個の部分プローブ
    に分割し、分割した各部分プローブに各々異なる蛍光物
    質を標識させた分割構成のプローブとサンプルDNAを
    ハイブリダイズさせ、サンプルDNAと結合することで
    分割した前記部分プローブが1つのプローブを構成し、
    1つの部分プローブに標識されている蛍光物質を励起し
    たとき他の部分プローブの蛍光物質が発光する多段階励
    起蛍光を検出することを特徴とするハイブリダイゼーシ
    ョン検出方法
  7. 【請求項7】 蛍光励起光として断続光線を用い、光照
    射されていない期間に蛍光検出を行うことを特徴とする
    請求項5又は6記載のハイブリダイゼーション検出方
    法。
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