JPH1187204A - 半導体ウエハ処理装置用クリーンルームシステム - Google Patents

半導体ウエハ処理装置用クリーンルームシステム

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JPH1187204A
JPH1187204A JP25752797A JP25752797A JPH1187204A JP H1187204 A JPH1187204 A JP H1187204A JP 25752797 A JP25752797 A JP 25752797A JP 25752797 A JP25752797 A JP 25752797A JP H1187204 A JPH1187204 A JP H1187204A
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JP
Japan
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shutter
processing chamber
clean
closed
clean box
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JP25752797A
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Masayuki Akagi
正幸 赤木
Yoshiaki Saito
義明 斉藤
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Texas Instruments Japan Ltd
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Texas Instruments Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】作業環境中の汚染物質を高捕集効率で除去でき
る半導体ウエハ処理装置用のクリーンルームシステムを
提供する。 【解決手段】クリーンボックス2内にウエハ収納カセッ
トを8支持し、開閉可能な底板24と、底部を経てウエ
ハ収納カセットを出し入れするカセット移動機構と、汚
染物質除去フィルタユニット22と、該フィルタユニッ
ト22を介して外気を導入しかつクリーンボックス2の
開口部21を経て排出するファン23とを設け、搬送シ
ステムの下方にはウエハ処理装置が所定の作業を行うた
めに必要最小限必要な広さの密閉処理室5を設け、昇降
機構によりクリーンボックス2を駆動して搬送システム
と密閉処理室5との間を上下動させ、密閉処理室5には
クリーンボックスの下降着地部位に取り付けられたシャ
ッタ54と、これの開閉機構と、汚染物質除去フィルタ
ユニット52とを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は半導体ウエハ処理装置
用クリーンルームシステムに関するものであり、さらに
詳しくは作業環境空気中の粒子や化学、有機物質による
半導体ウエハの汚染を防止するための局部域クリーニン
グ方式の改良に関するものである。
【0002】この明細書において「汚染物質」とは、半
導体ウエハを汚染してその歩留りや性能を損ねる全ゆる
種類の粒子、化学物質および有機物質をいう。
【0003】またこの明細書では「低クリーンレベル」
という表現を用いるが、これは非常に汚染されていると
いう意味ではなく、超高クリーンレベルではないがある
程度のクリーンレベルまでクリーニングされているとい
う概念である。
【0004】
【従来の技術】半導体ウエハを取り扱う半導体工業にお
いては、処理中に半導体ウエハ上に汚染物質が付着する
とウエハ上に形成されたIC回路中のライン間が短絡さ
れて所期の性能を発揮することができなくなることがあ
るので、常に作業環境内をクリーンな状態に保持するこ
とが強く要請される。すなわち作業環境空気中の汚染物
質を高い効率で捕集する必要がある。
【0005】このような作業環境空気中の汚染物質の捕
集には、かってはHEPA(High Efficiency particle
air)フィルタが一般に用いられていた。このHEPA
フィルタは基本的には濾材をひだ状に折ってそのひだの
間に波形のセパレータが差し込まれた構造であって、所
期の0.3μmレベルの汚染物質を対象とするものか
ら、さらに進歩して0.1μmレベルの汚染物質に対し
て99.99%レベルの捕集効率を有するものまで開発
されてきた。
【0006】ところが半導体工業においてLSIから超
LSIへと技術レベルが移行するに至って、ウエハ上の
IC回路の集積度が飛躍的に高くなってIC回路中のラ
イン間の間隔も非常に蜜になり、0.1μm以上のレベ
ルの汚染物質も高い効率で捕集する必要が出てきた。す
なわち従来の0.1μmレベルの汚染物質の捕集を対象
としたHEPAフィルタでは作業環境クリーニングの要
請に充分に応えられなくなってきた。
【0007】そこで従来のHEPAフィルタに代わるも
のとして、最近では0.1μmレベル以上の汚染物質に
対しても99.99999%レベルの捕集効率を発揮す
るいわゆるULPA(Ultra particle air)が作業環境
のクリーニングに使用されるようになってきた。
【0008】ところで作業環のクリーニング方式として
は大別して、作業環境の全域を高レベルでクリーニング
する広域クリーニング方式と、作業環境内の全域は低レ
ベルでクリーニングしその内の限定された領域のみを高
レベルでクリーニングする局部域SL方式とがある。
【0009】広域クリーニング方式の代表的な構成の一
例を図1に示す。すなわちウエハ処理装置203が設け
られたウエハ処理室201の天井には全面にHEPAフ
ィルタなどの最終フィルタ205が設けられている。外
気は定風量装置211、空気調和器209を経て中間フ
ィルタ207に至り、ここである程度のクリーンレベル
までクリーニングされる。しかる後ある程度クリーンに
なった空気は最終フィルタ205に送られて、所定のク
リーンレベルにクリーニングされた後にウエハ処理室2
01内に導入される。またウエハ処理室内201の空気
は循環ファン213の働きにより中間フィルタ207に
送られる。
【0010】この広域クリーニング方式は、内部を予圧
して外部からの汚染物質を含んだ空気の侵入を阻止する
とともに、内部で発生した汚染物質はクリーンエアによ
り運び去るという思想に基づいたものである。
【0011】しかしこの広域クリーニング方式の場合に
は、大量のクリーンエアを循環させる必要があるので、
運転コストが膨大なものとなる。また広いウエハ処理室
の天井の全面をフィルタで覆うことから、建造および保
守コストが増大するという、コスト上での大きな問題が
ある。
【0012】そこで広域クリーニング方式に代わるもの
として、局部域クリーニング方式が提案されている。こ
れは上記したように、ウエハ処理室の全域は低クリーン
レベルに保ち、作業上必要最小限の大きさの局部域のみ
密閉状態として、超高クリーンレベルに保つもので、そ
の代表的な例としていわゆるSMIF(Standard mecha
nical interface filter)方式のクリーンルームシステ
ムがある。
【0013】図2〜4に示すのはSMIF方式のクリー
ンルームシステムの代表的な構成である。ウエハ処理装
置311の上部には密閉処理室301が形成されてお
り、これには昇降アーム室303が付設されている。昇
降アーム室303にはウエハ収納カセット307を昇降
させるためのアーム機構が設けらている。また外部から
の汚染物質を含んだ空気が侵入するのを阻止するため
に、密閉処理室301と昇降アーム室303内は適宜な
機構により予圧されている。このため各部には適宜なシ
ールが施されている。
【0014】ウエハ収納カセット307はポッド305
に収納された状態で手動または自動的に昇降アーム室3
03上に載置される。ついで図4に示すポッド305の
底板が開かれて、アーム機構に駆動されてウエハ収納カ
セット307がポッド305内から昇降アーム室303
内へと下降する。ついでウエハ収納カセット307は密
閉処理室301内に移されて、そこでウエハに対して処
理装置により所定の処理が施される。処理の終わったウ
エハはウエハ収納カセット307とともに昇降アーム室
303に移され、再びアーム機構に駆動されてポッド3
05内に上昇する。
【0015】この局部域クリーニング方式は、密閉処理
室内には汚染物質が侵入しないし、密閉処理室内では汚
染物質は発生しないという思想に基づいており、広域ク
リーニング方式に比べれば運転コストその他が低廉とな
り、しかもウエハに対してはかなり高いクリーンレベル
を保証できるという利点がある。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかし実際には外部か
らポッド内への汚染物質を含んだ空気の侵入を完全に阻
止することは不可能に近い。例えばポッドの蓋を開けた
際などに汚染物質を含んだ空気が侵入することがある。
またポッドも密閉処理室も密閉構造なので、一旦侵入し
た汚染物質はこれらの内部に溜まり、処理のために新し
く持ち込まれたウエハに付着して汚染することになる。
【0017】またSMIF方式によった場合には、ポッ
ドの蓋を自動的に開閉したりポッドとMW間でウエハ収
納カセットを移動させる機能を具えたSMIFオープナ
といわれる装置を各ウエハ処理装置毎に設ける必要があ
る。このSMIFオープナの価格は標準カセット仕様の
ウエハ処理装置のそれの10〜20%増であり、建造コ
ストの増大を招くものである。
【0018】またポッドと昇降アーム室間でウエハ収納
カセットを昇降させるアーム機構を各ウエハ処理装置毎
に設ける必要があり、これも建造コストを増大させる一
因となる。
【0019】さらにSMIF方式によった場合には、ウ
エハ収納カセットと同数のポッドを用いる必要がある。
すなわちウエハ収納カセットが内蔵されているポッドは
半導体処理装置のウエハ取込み部(搬送部)のポッドの
オープナーにウエハの処理中(半導体処理装置で処理し
ている間)はセットされたままになっている。ウエハ収
納カセットとポッドの価格を比較すると、後者は前者の
5〜10倍位となる。これがSMIF方式を導入した場
合コスト上での大きな負担を強いることになる。
【0020】以上総じて従来方式からSMIF方式への
移行には莫大な改造コストが必要となり、特に多数のウ
エハ処理装置を用いる半導体工業においてはそのことが
導入のネックとなっている。
【0021】かかる従来技術の現状に鑑みてこの発明の
目的は、作業環境中の汚染物質を高捕集効率で除去で
き、しかも従来方式からの改造コストが低廉な半導体ウ
エハ処理装置用のクリーンルームシステムを提供するこ
とにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】このためこの発明におい
ては、低クリーンレベルに保たれた作業室内に延設され
たオーバーヘッド搬送システムに沿って周行可能に設け
られたクリーンボックス内にウエハ収納カセットを支持
し、該クリーンボックスには開閉可能な底板と、底部を
経てウエハ収納カセットを出し入れするカセット移動機
構と、汚染物質除去フィルタユニットと、該フィルタユ
ニットを介して外気を導入しかつクリーンボックスの開
口部を経て排出するファンとを設け、搬送システムの下
方にはウエハ処理装置が所定の作業を行うために必要最
小限必要な広さの密閉処理室を設け、昇降機構によりク
リーンボックスを駆動して搬送システムと密閉処理室と
の間を上下動させ、密閉処理室にはクリーンボックスの
下降着地部位に取り付けられたシャッタと、シャッタの
開閉機構と、汚染物質除去フィルタユニットと、該フィ
ルタユニットを介して外気を密閉処理室内に導入しかつ
密閉処理室の開口部を経て排出するファンとを設け、ク
リーンボックスが密閉処理室上に下降着地したとき前者
の底板と後者のシャッタとを係合手段により動作上一体
とすることを要旨とするものである。
【0023】
【作用】昇降機構の働きによりクリーンボックスが密閉
処理室上に下降着地すると、シャッタ開閉機構の働きで
底板とシャッタとが開き、クリーンボックス内と密閉処
理室内とが連通する。カセット移動機構の働きでウエハ
収納カセットはクリーンボックス内から密閉処理室内に
下降し、ウエハ処理装置によりウエハに所定の処理が施
される。その後ウエハ収容カセットは上昇してクリーン
ボックス内に戻り、底板とシャッタとが閉じ、クリーン
ボックスは搬送システムに向けて上昇する。
【0024】この間クリーンボックスと密閉処理室内は
ファンによりフィルタを介して導入されたクリーンエア
により予圧状態となって低クリーンレベルの外気の侵入
が阻止されるとともに、開口部を経て排出されるクリー
ンエアにより内部に持ち込まれたり内部で発生した汚染
物質は運び去られる。
【0025】すなわちこの発明にあっては、クリーニン
グ領域で発生する汚染物質はクリーンエアで運び去ると
いう広域クリーニング方式の思想は継承するとともに、
クリーニング領域は必要最小限な大きさに局限するとい
うSMIF方式の思想も活かしたものである。
【0026】
【実施例】図5に示すのはこの発明のクリーンルームシ
ステムの一実施例であって、低クリーンレベルに保たれ
た作業室内には天井に沿ってオーバーヘッド搬送システ
ム1が延設されており、その下方の床上には多数のウエ
ハ処理装置9が並設されている。この搬送システム1に
は適宜な公知の昇降機構11によりクリーンボックス2
が垂設されており、このクリーンボックス2はウエハ収
納カセット8を内蔵して、図中左右方向の矢印で示すよ
うに搬送システム1に沿って周行して、目的のウエハ処
理装置9に新たな(未処理の)ウエハを引き渡すもので
ある。
【0027】つぎに図6により各部の構成の詳細を説明
する。クリーンボックス2は全体として箱型の部材であ
り、その壁の一部に比較的小さな開口部21を有する他
は、外気の侵入を防止するために密閉状の構造とするの
が望ましい。クリーンボックス2の上部には例えばUL
PAフィルタなどによって構成されるフィルタユニット
22が設けられている。またこのフィルタユニット22
の外側にはファン23が設けられている。
【0028】このファン23の働きにより外部より引き
込まれた空気は、フィルタ22の働きにより高レベルの
クリーンエアとなってクリーンボックス2内部に導入さ
れて流動し、開口部21を経て外部に排出される。クリ
ーンエア導入部面積と排出部面積の大きな差の故にクリ
ーンボックス2内部は予圧状態となり、外部からの汚染
物質を含んだ空気の侵入が阻止されている。このように
この発明にあってはクリーンボックス2の内部が予圧状
態とされるので、クリーンボックスは厳密な意味での密
閉状である必要はない。
【0029】クリーンボックス2の底部には水平方向に
開閉可能に底板24が設けられており、この底板24は
左右1対の底板片から構成され、常時はバネ25の付勢
により閉塞状態に保たれている。また底板24の底面に
は後記する係合手段の一部である凹部26が形成されて
いる。なお係合手段の構成はこれに限定されるものでは
なく、逆にクリーンボックス2側に突起を密閉処理室5
側に凹部を形成するようにしてもよい。さらにそれ以外
にも適宜公知の構造を採用することができる。
【0030】さらにクリーンボックス2内には所定数の
ウエハ81を収容したウエハ収納カセット8が内蔵され
ており、底部の底板設置部位を経てこのウエハ収納カセ
ット8を出し入れするためのカセット移動機構27が設
けられている。このカセット移動機構については後に詳
しく説明する。
【0031】密閉処理室5は全体として箱型の部材であ
り、その壁の一部に比較的小さな開口部51を有する他
は、外気の侵入を防止するために密閉状の構造とするの
が望ましい。密閉処理室5の側部には例えばULLPA
フィルタなどによって構成されるフィルタユニット52
が設けられている。またこのフィルタユニット52の外
側にはファン53が設けられている。
【0032】このファン53の働きにより外部より引き
込まれた空気は、フィルタ52の働きにより高レベルの
クリーンエアとなって密閉処理室5内部に導入されて流
動し、開口部51を経て外部に排出される。クリーンエ
ア導入部面積と排出部面積の大きな差の故に密閉処理室
5内部は予圧状態となり、外部からの汚染物質を含んだ
空気の侵入が阻止されている。このようにこの発明にあ
っては密閉処理室5の内部が予圧状態とされるので、密
閉処理室は厳密な意味での密閉状である必要はない。
【0033】密閉処理室5上部のクリーンボックス2下
降着地部位には水平方向に開閉可能にシャッタ54が設
けられており、このシャッタ54は左右1対のシャッタ
片から構成され、常時は閉塞状態に保たれている。また
シャッタ54の上面には後記する係合手段の一部である
突起55が形成されている。さらに密閉処理室5にはシ
ャッタ54のための開閉機構50がシャッタ54に連結
して設けられている。このシャッタ開閉機構については
後に詳しく説明する。
【0034】上記のクリーンボックス底板24の凹部2
6と密閉処理室シャッタ54の突起55とは係合手段を
構成するもので、これらが密閉処理室5上へのクリーン
ボックス2の下降着地により嵌合したとき底板24とシ
ャッタ54とは動作上一体となる。すなわち底板24と
シャッタ54とは一体となって開閉する。
【0035】つぎに図7〜図9により、上記のような構
成のこの発明のクリーンルームシステムの作用を説明す
る。まず図7に示すように新しいウエハを収容したウエ
ハ収納カセット8を内蔵したクリーンボックス2は昇降
機構に駆動されて、上方の搬送システム1から下方の密
閉処理室5に向けて下降する。この間クリーンボックス
2および密閉処理室5内のファン23、53はすでに稼
働しており、クリーンボックス2内および密閉処理室5
内はクリーンエアにより予圧状態に保たれている。この
タイミングではクリーンボックス2の底板24と密閉処
理室5のシャッタ54とはまだ閉塞状態に保たれてい
る。
【0036】ついで図8に示すようにクリーンボックス
2が密閉処理室5上に下降着地すると、前記の係合手段
によりクリーンボックス2の底板24と密閉処理室5の
シャッタ54とが一体化する密閉処理室5のシャッタ開
閉機構50が始動し、底板24とシャッタ54とが開放
状態となり、クリーンボックス2内と密閉処理室5内と
が連通する。ついでクリーンボックス2のカセット移動
機構27が始動して、クリーンボックス32内のウエハ
収納カセット8は密閉処理室5内へと下降する。
【0037】ウエハ収納カセット8が密閉処理室5内に
完全に下降すると、シャッタ開閉機構50に駆動されて
底板24とシャッタ54とが図9に示すように再び閉塞
状態となり、クリーンボックス2内は密閉処理室5内と
断絶状態となる。爾後昇降機構11に駆動されてクリー
ンボックス2は密閉処理室5から離陸して搬送システム
1に向けて上昇する。
【0038】つぎにクリーンボックス2と密閉処理室6
間でのウエハ収納カセット8の受渡しの経過を図10〜
図16によりさらに詳細に説明する。まず図10に示す
のはクリーンボックス2が密閉処理室5上に下降する直
前の状態である。クリーンボックス2のファン23はす
でに稼働しており、クリーンボックス2内は導入された
クリーンエアにより予圧状態に保たれている。またその
底板24はバネ25の働きによりまだ閉塞状態に保たれ
ている。ウエハ収納カセット8はクリーンボックス2内
に内蔵されている。密閉処理室5のファン53はすでに
稼働しており、密閉処理室5内は導入されたクリーンエ
アにより予圧状態に保たれている。また開閉機構50は
まだ稼働してなくそのシャッタ54は閉塞状態に保たれ
ている。
【0039】図11に示すタイミングではクリーンボッ
クス2がすでに密閉処理室5上に下降着地しており、係
合手段であるクリーンボックス2の凹部26と密閉処理
室5の突起55とが嵌合し、クリーンボックス2の底板
24と密閉処理室5のシャッタ54とが一体に動作でき
る状態となる。
【0040】ここでクリーンボックス2に設けられてい
るカセット移動機構27の要部構成の一例を図17〜図
19により説明する。駆動モータ275の出力軸に固定
された回転盤271の直径方向対称位置には1対のリン
ク272の一端がそれぞれ連結されている。各リンク2
72の他端は支点273に軸承されたハンド274に連
結されている。
【0041】図17に示す状態では1対のハンド274
は開いてウエハ収納カセット8を解放している。モータ
に駆動されて回転盤271が回転すると、図18に示す
ようにハンド274は閉じてウエハ収納カセット8を把
持する。もっともここに示したのはカセット移動機構の
一例であって、その構成はこれに限定されるものではな
い。
【0042】クリーンボックス2が密閉処理室5上に下
降着地したタイミングにおいて、クリーンボックス2内
では上記のカセット移動機構27が始動してそのハンド
274がウエハ収納カセット8を把持する。ついで図1
2に示すタイミングにおいて密閉処理室5のシャッタ開
閉機構50が始動して、バネ25の力に抗して、シャッ
タ54をクリーンボックス2の底板24とともに開放状
態とする。これによりクリーンボックス2と密閉処理室
5とは内部が連通する。なおこの間もファン23、と5
3は作動していて、連通状態のクリーンボックス2と密
閉処理室5の内部はともに予圧状態に保たれている。
【0043】ついでカセット移動機構27のハンド27
4はウエハ収納カセット8を解放した後、上昇して図1
4に示すようにクリーンボックス2内の原位置に復帰す
る。一方ハンド274から解放されたウエハ収納カセッ
ト8は密閉処理室5内に残る。密閉処理室5内の予圧状
態は依然として保たれており、密閉処理室5内ではファ
ン53の働きにより、フィルタユニット52から開口部
51に向けてクリーンエアが流動している。したがっ
て、仮に持ち込まれた新たなウエハが搬送または下降中
に汚染物質により汚染されていても、ウエハに付着した
汚染物質はこの流動するクリーンエアにより運ばれて開
口部51を経て外気中に排出される。したがって密閉処
理室5内は常に高クリーンレベルに保たれる。
【0044】ついで図15に示すようにシャッタ開閉機
構50の働きによりシャッタ54が底板24とともに閉
塞状態となり、クリーンボックス2内と密閉処理室5内
とは断絶状態となる。クリーンボックス2内と密閉処理
室5内では依然として予圧状態が保たれている。
【0045】最後に図16に示すように、昇降機構11
に駆動されてクリーンボックス2は密閉処理室5上から
離陸して搬送システム1に向けて上昇する。この間クリ
ーンボックス2の底板24はバネ25により閉塞状態に
保たれる。
【0046】ウエハ処理装置9によりウエハ収納カセッ
ト8中のウエハに所定の処理が施された後は、上記と逆
の手順でウエハ収納カセット8が密閉処理室5から運び
去られる。すなわち空のクリーンボックス2が密閉処理
室5上に下降着地し、シャッタ54と底板24とが開放
状態とされ、処理済みのウエハを収容したウエハ収納カ
セット8が密閉処理室5内からクリーンボックス2内へ
と上昇し、シャッタ54と底板24とが閉塞状態とさ
れ、該ウエハ収納カセット8を内蔵したクリーンボック
ス2が密閉処理室5から離陸して搬送システム1に向け
て上昇する。
【0047】図19、図20にクリーンボックス2の底
板24が開閉する際のガイド構造の一例を示す。クリー
ンボックス2の各側壁の外面には水平方向に延在するガ
イドレール41が固定されており、これには底板24上
に固定されたスライダ42が係合している。密閉処理室
5のシャッタ54を介してシャッタ開閉機構50に駆動
されて底板24が開閉動すると、図19中下側に示すよ
うに底板24上のスライダ42はガイドルール41上を
摺動する。
【0048】図21〜図24に示すのは密閉処理室5に
設けられるシャッタ開閉機構50の一実施例であってピ
ストンを用いたものである。図21および図22におい
て、密閉処理室5中には水平方向に延在してガイドレー
ル501が延設されている。また密閉処理室5内の適宜
な位置には流体圧ピストン502がそのプランジャ50
3をシャッタ54の開閉方向(具体的には水平方向)に
延在させて固定されている。ガイドレール501には左
右1対のスライダ504が摺動可能に取付られており、
一方すなわちピストン側のスライダ504はプランジャ
503に連結されている。これらのスライダ504はシ
ャッタ54の左右のシャッタ片にそれぞれ固定されてい
る。またこれらのシャッタ片の内端にはそれぞれリンク
505が一端において軸承連結されており、これらリン
ク505の他端はロッド506により相互に軸承連結さ
れている。このロッド506は密閉処理室5内に設けら
れた上下方向のガイド溝507に嵌合している。
【0049】図21、図22に示す状態においてはシャ
ッタ54は閉塞状態にあり、ピストン502のプランジ
ャ503は進出し、1対のリンク505は閉じた状態に
なっている。ロッド506はガイド溝507の底部に位
置している。ウエハ収納カセットの受渡しのためにクリ
ーンボックス2が密閉処理室5上に下降着地したとき以
外はこの状態が保たれる。
【0050】上記の状態においてピストン502のプラ
ンジャ503が退入を始めると、ピストン側のスライダ
504はガイドレール501上を左動する。するとこの
スライダ504に連結された左側のシャッタ片はそれと
一体関係にあるクリーンボックス底板片とともに同じく
左動する。この結果シャッタ片に軸承連結された1対の
リンク505が開き、ロッド505はガイド溝507内
を上昇する。リンク505が開くに伴なって右側のシャ
ッタ片は右動し、これに連結された右側のスライダ50
4もガイドレール501上を右動する。この間バネ25
は伸長される。すなわちシャッタ開閉機構50全体は図
23および図24に示すような状態となる。ウエハ収納
カセットの受渡しのためにクリーンボックス2が密閉処
理室5上に下降着地したときにはこの状態が保たれる。
【0051】図25、図26に示すのは密閉処理室5に
設けられるシャッタ開閉機構50の他の実施例であっ
て、やはりピストンを用いたものである。図において、
密閉処理室5中には水平方向に延在してガイドレール5
01が延設されている。また密閉処理室5内の適宜な位
置には流体圧ピストン502がそのプランジャ503を
シャッタ54の開閉方向と直交方向(より具体的には上
下方向)に延在させて固定されている。ガイドレール5
01には左右1対のスライダ504が摺動可能に取付ら
れており、これらのスライダ504はシャッタ54の左
右のシャッタ片にそれぞれ固定連結されている。またこ
れらのシャッタ片の内端にはそれぞれリンク505が一
端において軸承連結されており、これらリンク505の
他端はロッド506により相互に軸承連結されている。
このロッド506はピストンの密閉処理室5内に設けら
れた上下方向のガイド溝507に嵌合している。該ロッ
ド506はプランジャ503に軸承連結されている。
【0052】図に示すシャッタ開放状態においては、ピ
ストンプランジャ503は進出しており、左右のスライ
ダ504はガイドレール501の両端部近くに位置し、
スライダ504に連結されたシャッタ54および底板2
4はともに開放状態にある。ウエハ収納カセットの受渡
しのためにクリーンボックス2が密閉処理室5上に下降
着地したときにはこの状態が保たれる。
【0053】図に示す状態においてピストンプランジャ
503が退入を始めると、両リンク505が閉じ、スラ
イダ504がこれに引かれてガイドレール501上を互
いに接近するように摺動し、それに伴なって左右のシャ
ッタ片と底板片も互いに接近して、シャッタ54と底板
24とが閉塞状態となる。ウエハ収納カセットの受渡し
のためにクリーンボックス2が密閉処理室5上に下降着
地したとき以外はこの状態が保たれる。
【0054】図27〜図29に示すのはこの発明のクリ
ーンシステムに用いられるシャッタ開閉機構50の第3
の実施例であって、エンドレスベルトを用いたものであ
る。互いに平行に並設されて水平方向に延在する1対の
ガイドレール511には、シャッタ54を構成する左右
1対のシャッタ片54a、54bが摺動可能に載置され
ている。シャッタ54の側方には1対のプーリ514に
よりエンドレスベルト513が水平方向に延設されてお
り、一方のプーリ514は可逆駆動モータ515の出力
軸に固定されている。シャッタ54を構成する一方のシ
ャッタ片54aは連結具512によりエンドレスベルト
513の下方のランに連結され、他方のシャッタ片54
bは連結具512によりエンドレスベルト513の上方
のランに連結されている。
【0055】図27に示す状態では、シャッタ54は閉
塞状態にある。この状態で駆動モータ515が一方の方
向に回転すると、図28に示すようにエンドレスベルト
513の上下のランはそれぞれ図中矢印の方向に回動す
る。これに伴なって左右の連結具512は相互に離間す
る方向に移動し、これらに取り付けられているシャッタ
片54a、54bはガイドレール511に沿って離間し
てシャッタ54が開放状態となる。
【0056】駆動モータ515が逆方向に回転すると、
エンドレスベルト513の上下のランは図28中とは逆
の方向に回動し、これに伴なって左右の連結具512は
相互に接近する方向に移動し、シャッタ片54a、54
bはガイドレール511に沿って接近してシャッタ54
が閉塞状態となる。
【0057】図30〜図32に示すのはこの発明のクリ
ーンシステムに用いられるシャッタ開閉機構50の第4
の実施例であって、ピニオンラックを用いたものであ
る。互いに平行に並設されて水平方向に延在する1対の
ガイドレール521には、シャッタ54を構成する左右
1対のシャッタ片54a、54bが摺動可能に載置され
ている。一方のシャッタ片54aにはシャッタ開閉方向
に延在するラック522が、他方のシャッタ片54bに
はシャッタ開閉方向に延在するラック523が、それぞ
れ固定されている。可逆駆動モータ525の出力軸に固
定されたピニオン524の下側にはラック522が上側
にはラック523がそれぞれ噛合い係合している。
【0058】駆動モータ525に駆動されてピニオン5
24が一方の方向に回転すると、ラック522は図中左
動し、ラック523は図中右動し、これに伴ないラック
片54aとラック片54bとは離間して、シャッタ54
が開放状態となる。ピニオン524が逆方向に回転する
と、ラック522は図中右動し、ラック523は図中左
動し、これに伴ないラック片54aとラック片54bと
は接近して、シャッタ54が閉塞状態となる。
【0059】もっとも必ずしもモータによりピニオンを
回転駆動する必要はなく、いずれか一方のラックを例え
ば図24に示すような流体圧ピストンにより往復動駆動
して、その動きをピニオンにより他方のラックに伝達す
るように構成してもよい。
【0060】以上説明したシャッタ開閉機構にあっては
いずれも、密閉処理室シャッタを1対のシャッタ片から
構成し、これに対応してクリーンボックスの底板も1対
の底板片から構成して、これらを左右に開閉させる構成
を採用しているが、シャッタおよび底板をそれぞれ一体
の部材で構成し、これらを一方の方向に開閉させるよう
にしてもよい。
【0061】図33に示すのはこの発明のクリーンルー
ムシステムに用いられるオーバーヘッド搬送システム1
とクリーンボックス2の一例であって、クリーンボック
ス2は昇降機構11に駆動されて搬送システム1と密閉
処理室5との間を下降、上昇する。
【0062】図34に示すのはこの発明のクリーンルー
ムシステムの第2の実施例であって、密閉処理室5の側
部に代えて上部にフィルタユニット52とファン53と
を設けたものである。
【0063】
【実験】この発明のクリーンルームシステムの効果を確
認すべく、種々の実験が行われた。実験に際してはクリ
ーンボックスおよび/または密閉処理室を種々の状態で
稼働させ、それらの内部の空気を採取してモニタにより
汚染物質の含有度を検出した。
【0064】クリーンボックスとしては幅280mm×
奥行き280mm×高さ200mmのものを用い、ウエ
ハ収納カセットには6インチのカセットを収納した。密
閉処理室としては幅325mm×奥行き295mm×高
さ245mmのものを用いた。またモニタとしてはレー
ザーダストモニタ(日立製TS−6200型)を用い、
吸引管を介してクリーンボックスおよび/または密閉処
理室内から1立方フィート/minの割合いで空気を採
取した。
【0065】
【実験1】図35に示すようにウエハ収納カセット8を
内蔵したクリーンボックス2を昇降機構およびカセット
移動機構などが稼働しない状態で、普通の作業環境内の
定位置に静止状態に保った。ただしファン23は稼働し
ており、クリーンボックス2内をクリーンエアが流動し
て開口部21から外部に排出されている。クリーンボッ
クス2内の空気は吸引管61により採取されてモニタ6
に送られて汚染物質の含有度検出に供された。表1にそ
の結果を示す。
【0066】
【表1】
【0067】表中において最上段の行はcm粒子の粒径
(μm)を示し、第1列目は実験回数を示し、その他の
値は検出された汚染物質粒子の個数を示す。この結果か
ら明らかなように、0.3μmを越える汚染物質はこの
発明のクリーンルームシステムにより完全に除去されて
いる。
【0068】
【実験2】図35に示すようにウエハ収納カセット8を
内蔵したクリーンボックス2をカセット移動機構などが
稼働しない状態で、普通の作業環境内において昇降機構
により駆動して、185mm/secの速度で上下動さ
せた。ただしファン23は稼働しており、クリーンボッ
クス2内をクリーンエアが流動して開口部21から外部
に排出されている。クリーンボックス2内の空気は吸引
管61により採取されてモニタ6に送られて汚染物質の
含有度検出に供された。表2にその結果を示す。
【0069】
【表2】
【0070】表の構成は表1の場合と同じであり、この
結果から明らかなように、0.3μmを越える汚染物質
はこの発明のクリーンルームシステムにより完全に除去
されている。また表1に示す結果と比べると、クリーン
ボックスを上下動させることにより特に汚染物質が発生
するとは認められない。
【0071】
【実験3】図37に示すようにウエハ収納カセットを内
臓していない状態のクリーンボックス2中でカセット移
動機構27のハンド274に把持開放動作のみを30サ
イクル/minの速度で行わせて、カセット移動機構の
動作により汚染物質が発生するか否かをチェックした。
この間ファン23は稼働状態として、クリーンボックス
2内にクリーンエアを流動させた。クリーンボックス2
内の空気は吸引管61により採取されてモニタ6に送ら
れて汚染物質の含有度検出に供された。結果を表3に示
す。
【0072】
【表3】
【0073】表の構成は表1の場合と同じであり、この
結果から明らかなように、0.3μmを越える汚染物質
はこの発明のクリーンルームシステムにより完全に除去
されている。また表1に示す結果と比べると、カセット
移動機構27を動作させることによって特にクリーンボ
ックス内に汚染物質が発生するうなことは認められな
い。
【0074】
【実験4】図38に示すように内部が空の状態の密閉処
理室を普通の作業環境内に停止位置させ、ファン53は
稼働状態として、密閉処理室5内にクリーンエアを流動
させた。密閉処理室5内の空気は吸引管61により採取
されてモニタ6に送られて汚染物質の含有度検出に供さ
れた。結果を表4に示す。
【0075】
【表4】
【0076】表の構成は表1の場合と同じであり、この
結果から明らかなように、0.2μmを越える汚染物質
はこの発明のクリーンルームシステムにより完全に除去
されている。密閉処理室5は空の状態では非常に高レベ
ルのクリーンな状態に保たれていることが分かる。
【0077】
【実験5】図39および図40に示す実験においては、
クリーンボックス2を密閉処理室5上に下降着地させ、
底板とシャッタとを開放状態にしてクリーンボックス内
と密閉処理室内とを連通させ、クリーンボックス2内に
はウエハ収納カセット8を内臓させている。ファン23
と53はともに稼働し、クリーンボックス内と密閉処理
室内とをクリーンエアが流動して、それぞれの開口部か
ら外部に排出されている。
【0078】吸引管61を用い、図39の実験ではクリ
ーンボックスと密閉処理室の境界部の空気を採取し、図
40の実験では密閉処理室の底部の空気を採取し、それ
ぞれモニタ6に送って汚染物質の含有度検出に供した。
結果を表5および表6に示す。
【0079】
【表5】
【0080】
【表6】
【0081】表の構成は表1の場合と同じであり、この
結果から明らかなように、0.2μmを越える汚染物質
はこの発明のクリーンルームシステムにより完全に除去
されている。すなわちクリーンボックス内および密閉処
理室5内が非常に高レベルのクリーンな状態に保たれて
いることが分かる。
【0082】
【実験6】つぎに図41〜図43に示す実験を行ない、
ウエハ収納カセット中のウエハ上の汚染物質の大きさと
個数とをテスタにより検出した。テスタとしてはTen
chor Surfscan6200を用い、ウエハ収
納カセット中には25枚のウエハを上下に収納し、最上
段(第1段目)、中段(第13段目)および最下段(第
25段目)のウエハについて検出を行なった。
【0083】まずテスタにより各段のウエハ上の汚染物
質の大きさと個数の初期値を検出した。その結果を表7
に示す。表中最上行は汚染物質の粒径(ミクロン)を示
し、最左列はウエハの属する段を示す。
【0084】
【表7】
【0085】まずウエハを収納したウエハ収納カセット
8を開いた状態で低クリーンレベルのクリーンルーム内
の床上5mの位置に5min間放置した後クリーンボッ
クス2内に内蔵した。クリーンボックス2内はファンが
稼働しており予圧状態に保たれている。この状態で図4
1に示すように、クリーンボックス2をクリーンルーム
内に3min間放置した。
【0086】爾後クリーンボックス2を密閉処理室5上
に下降着地させ両者の内部を連通状態として、図42に
示すようにウエハ収納カセット8を密閉処理室5内に下
降させて、ウエハ収納カセット8を密閉処理室5内に1
min間放置した。この間密閉処理室5内はファンが稼
働しており、予圧状態に保たれている。
【0087】ついでウエハ収納カセット8をクリーンボ
ックス2内に戻した後、クリーンボックス2をクリーン
ルーム内に3min間放置した。さらにウエハ収納カセ
ット8をクリーンボックス2内から取り出し、クリーン
ルーム内に5min間放置し、その後テスタによりウエ
ハ上の汚染物質の大きさと個数とを検出した。以上の工
程を10サイクル繰り返した。
【0088】ウエハ収納カセット中の最上段のウエハに
ついての検出結果を表8に示す。表中最上段の行は汚染
物質の粒径(μm)を示し、表中の数値はその付着個数
を示す。なお付着個数を示す数値の後にカッコで示した
数値はそのサイクルにおける付着個数であって、そのサ
イクルにおいて付着がなかった場合および前のサイクル
より付着個数が減っている場合はゼロでしめしてある。
【0089】
【表8】
【0090】さらに表9および表10に示すのは、それ
ぞれ中段および最下段のウエハについての検出結果であ
り、表の構成は表8の場合と同じである。
【0091】
【表9】
【0092】
【表10】
【0093】これらの検出結果から明らかなように、汚
染物質による汚染の度合いは上段の方が少なく、下段に
なるほど顕著になっている。またサイクル当りの付着個
数は最大でも合計3個であり、この発明の効果が充分に
現われていることが分かる。
【0094】
【発明の効果】この発明によればクリーンボックス内が
ファンによって形成されるクリーンエアの流れにより常
に予圧状態に保たれているので、クリーンボックスの密
閉度がさほど高くなくても外部から汚染物質を含んだ空
気の侵入が阻止される。したがって搬送および昇降中に
おけるウエハの汚染が効果的に防止される。
【0095】また密閉処理室内がファンによって形成さ
れるクリーンエアの流れにより常に予圧状態に保たれる
とともに、密閉処理室内を流れた後のクリーンエアは開
口部から排出される。したがってクリーンボックスの密
閉度がさほど高くなくても外部から汚染物質を含んだ空
気の侵入が阻止されとともに、密閉処理室内で発生した
汚染物質はクリーンエアとともに外部に排出されるの
で、内部に滞留することがない。これらがあいまってウ
エハの汚染が効果的に防止される。
【0096】ウエハを移動させるためのクリーンボック
ス、カセット移動機構および昇降機構は、基本的にはそ
れぞれ1台設ければ足りる。したがってSMIF方式に
比べて現有設備からの改造コストが極めて少なくてよ
い。
【0097】しかも必要最小限の領域のみ高クリーンレ
ベルにクリーニングするというSMIF方式の利点は活
かしているので、従来の広域クリーニング方式に比べて
運転コストが極めて低廉である。
【図面の簡単な説明】
【図1】広域クリーニング方式の構成の一例を示す側面
図である。
【図2】SMIF方式のクリーンルームシステムの一例
を示す斜視図である。
【図3】同じくその一側面図である。
【図4】同じくその要部の一部断面側面図である。
【図5】この発明のクリーンルームシステムの一実施例
の全体構成を示す側面図である。
【図6】クリーンルームシステムにおける要部の構成を
示す一部断面側面図である。
【図7】クリーンルームシステムの作用を示す概略一部
断面側面図である。
【図8】クリーンルームシステムの作用を示す概略一部
断面側面図である。
【図9】クリーンルームシステムの作用を示す概略一部
断面側面図である。
【図10】クリーンルームシステムにおけるクリーンボ
ックスの下降状態を示す一部断面側面図である。
【図11】同じく密閉処理室上へのクリーンボックスの
下降着地状態を示す一部断面側面図である。
【図12】同じくクリーンボックスと密閉処理室との連
通状態を示す一部断面側面図である。
【図13】密閉処理室内へのカセット移動機構およびウ
エハ収納カセットの下降状態を示す一部断面側面図であ
る。
【図14】クリーンボックス内の原位置へのカセット移
動機構の上昇復帰状態を示す一部断面側面図である。
【図15】クリーンボックスと密閉処理室との断絶状態
を示す一部断面側面図である。
【図16】クリーンボックスの搬送システムに向けての
上昇状態を示す一部断面側面図である。
【図17】カセット移動機構をウエハ収納カセット解放
状態で示す平面図である。
【図18】カセット移動機構をウエハ収納カセット把持
状態で示す平面図である。
【図19】クリーンボックスの底板の開閉ガイド構造の
一例を示す一部断面側面図である。
【図20】同じく一部断面正面図である。
【図21】シャッタ開閉機構の一実施例をシャッタ閉塞
状態で示す一部断面側面図である。
【図22】同じくその一部断面正面図である。
【図23】該シャッタ開閉機構をシャッタ開放状態で示
す一部断面側面図である。
【図24】同じくその一部断面正面図である。
【図25】シャッタ開閉機構の第2の実施例をシャッタ
開放状態で示す一部断面側面図である。
【図26】同じくその一部断面正面図である。
【図27】シャッタ開閉機構の第3の実施例をシャッタ
閉塞状態で示す側面図である。
【図28】シャッタ開閉機構の第3の実施例をシャッタ
開放状態で示す側面図である。
【図29】同じくそのシャッタ閉塞状態で示す斜視図で
ある。
【図30】シャッタ開閉機構の第4の実施例をシャッタ
閉塞状態で示す正面図である。
【図31】同じくその側面図である。
【図32】同じくその斜視図である。
【図33】オーバーヘッド搬送システム周りの構成を示
す斜視図である。
【図34】この発明のクリーンルームシステムの他の実
施例の全体構成を示す側面図である。
【図35】この発明の効果を確認するための実験装置の
一例を示す一部断面側面図である。
【図36】この発明の効果を確認するための実験装置の
他の例を示す一部断面側面図である。
【図37】この発明の効果を確認するための実験装置の
他の例を示す一部断面側面図である。
【図38】この発明の効果を確認するための実験装置の
他の例を示す一部断面側面図である。
【図39】この発明の効果を確認するための実験装置の
他の例を示す一部断面側面図である。
【図40】この発明の効果を確認するための実験装置の
他の例を示す一部断面側面図である。
【図41】この発明の効果を確認するための実験の手順
を示す一部断面側面図である。
【図42】この発明の効果を確認するための実験の手順
を示す一部断面側面図である。
【図43】この発明の効果を確認するための実験の手順
を示す一部断面側面図である。
【符号の説明】
1 オーバーヘッド搬送システム 2 クリーンボックス 22 フィルタユニット 23 ファン 24 底板 27 カセット移動機構 5 密閉処理室 50 シャッタ開閉機構 502 流体圧ピストン 513 エンドレスベルト 522〜524 ピニオンラック 52 フィルタユニット 53 ファン 54 シャッタ 6 モニタ 8 ウエハ収納カセット 81 ウエハ 201 ウエハ処理室 205 最終フィルタ 207 中間フィルタ 301 密閉処理室 303 昇降アーム室 305 ポッド 307 ウエハ収納カセット 311 処理機器
【手続補正書】
【提出日】平成10年3月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図7】
【図8】
【図30】
【図5】
【図6】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図17】
【図22】
【図24】
【図14】
【図15】
【図16】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図25】
【図26】
【図27】
【図23】
【図28】
【図29】
【図31】
【図33】
【図39】
【図32】
【図34】
【図37】
【図40】
【図35】
【図38】
【図41】
【図42】
【図36】
【図43】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】低クリーンレベルに保たれた作業室内に延
    設されたオーバーヘッド搬送システムに沿って周行可能
    に設けられたクリーンボックス内にはウエハ収納カセッ
    トが支持されており、該クリーンボックスには開閉可能
    な底板と、底部を経てウエハ収納カセットを出し入れす
    るカセット移動機構と、汚染物質除去フィルタユニット
    と、該フィルタユニットを介して外気を導入しかつクリ
    ーンボックスの開口部を経て排出するファンとが設けら
    れており、搬送システムの下方にはウエハ処理装置が所
    定の作業を行うために必要最小限必要な広さの密閉処理
    室が設けられており、クリーンボックスは昇降機構に駆
    動されて搬送システムと密閉処理室との間を上下動し、
    密閉処理室にはクリーンボックスの下降着地部位に取り
    付けられたシャッタと、シャッタの開閉機構と、汚染物
    質除去フィルタユニットと、該フィルタユニットを介し
    て外気を密閉処理室内に導入しかつ密閉処理室の開口部
    を経て排出するファンとが設けられており、クリーンボ
    ックスが密閉処理室上に下降着地したときクリーンボッ
    クスの底板と密閉処理室のシャッタとが係合手段により
    動作上一体とされることを特徴とする半導体ウエハ処理
    装置用クリーンルームシステム。
  2. 【請求項2】前記密閉処理室のシャッタがV字形リンク
    により連結された左右1対のシャッタ片から構成され、
    シャッタ開閉機構が流体圧ピストン流体圧ピストンを有
    しており、上記シャッタ片の少なくとも一方が該流体圧
    ピストンに連結されていて、流体圧ピストンに駆動され
    て両シャッタ片が相互に離間接近することによりシャッ
    タが開閉されることを特徴とする請求項1に記載の半導
    体ウエハ処理装置用クリーンルームシステム。
  3. 【請求項3】前記密閉処理室のシャッタが左右1対のシ
    ャッタ片から構成され、シャッタ開閉機構が回動するエ
    ンドレスベルトを具えており、上記シャッタ片がこのエ
    ンドレスベルトの異なるランに連結されていて、エンド
    レスベルトに駆動されて両シャッタ片が相互に離間接近
    することによりシャッタが開閉されることを特徴とする
    請求項1に記載の半導体ウエハ処理装置用クリーンルー
    ムシステム。
  4. 【請求項4】前記密閉処理室のシャッタが左右1対のシ
    ャッタ片から構成され、シャッタ開閉機構がピニオンラ
    ックを具えていて、該ピニオンラックがピニオンに直径
    方向反対の位置で係合する1対のラックを有しており、
    上記シャッタ片がピニオンラックの異なるラックに連結
    されていて、ピニオンラックに駆動されて両シャッタ片
    が相互に離間接近することによりシャッタが開閉される
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体ウエハ処理装
    置用クリーンルームシステム。
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