JPH1187127A - インダクタンス素子用コア及びその製造方法 - Google Patents

インダクタンス素子用コア及びその製造方法

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JPH1187127A
JPH1187127A JP26099397A JP26099397A JPH1187127A JP H1187127 A JPH1187127 A JP H1187127A JP 26099397 A JP26099397 A JP 26099397A JP 26099397 A JP26099397 A JP 26099397A JP H1187127 A JPH1187127 A JP H1187127A
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core
inductance element
coil
dielectric constant
particles
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JP26099397A
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Masahiro Onizuka
雅広 鬼塚
Ko Ito
綱 伊藤
Osamu Kakinuma
制 柿沼
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Original Assignee
TDK Corp
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F41/00Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties
    • H01F41/02Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for manufacturing cores, coils, or magnets
    • H01F41/0206Manufacturing of magnetic cores by mechanical means
    • H01F41/0246Manufacturing of magnetic circuits by moulding or by pressing powder

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Abstract

(57)【要約】 【課題】誘電率を下げると共に、焼成温度を下げ見かけ
密度を下げた場合に発生する上記問題点を克服するため
の製造方法と、それにより得られる高周波帯域で使用す
るコイルのコアとそれからなるコイルを提供することを
目的とする。 【解決手段】非磁性体の焼結体であるインダクタンス素
子用コアにおいて、細孔が分布して存在することを特徴
とするインダクタンス素子用コアである。これは、非磁
性体原料に少なくとも可燃性粒子を混練し成形して焼成
することにより作成することができ、誘電率が低く高周
波用に適したコアを得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インダクタンス素
子用コア、即ち、コイル、トランス等用コア及びその製
造方法に関するものであり、当該インダクタンス素子は
主に500MHz以上で用いられるものである。
【0002】
【従来の技術】近年の電子機器の高周波化に伴いそれを
構成する部品にも同様の要求がされている。このことは
コイルについても同様であり、例えば移動体通信機器に
おいては通信に用いられる周波数が800MHz以上で
あり、このような高周波帯域で動作できることが要求さ
れている。
【0003】コイルはコアに金属からなる導体線を巻い
たものが主に市場に出回っており、各種電子機器の構成
部品として数多く利用されている。コイルのコアとして
はこれまで磁性体であるフェライトが利用されてきた。
【0004】フェライトは鉄を主原料とする酸化物セラ
ミックスであり、コイルのコアのほかにも、永久磁石、
電波吸収体等の分野でも利用されている。フェライトを
コイルのコアとして用いると、透磁率があるために空芯
コイルと比較して同じインダクタンス値を得るのであれ
ば巻線数を少なくして形状を小型化できる利点がある。
また、コイルの直流抵抗を少なくできるために品質係数
(Q値)の向上につながる。このようにフェライトをコ
アとしたコイルは空芯コイルと比較して幾つかの利点を
持っているので各種電子機器の構成部品として用いられ
てきた。
【0005】しかしながらフェライトをコアとしたコイ
ルには使用できる周波数帯域に限界がある。透磁率は複
素表示で実部と虚部で表せるが、損失成分である虚部の
透磁率は周波数が高くなると発生し始め、コイルの品質
係数(Q値)を減少させる。ために発生する事は好まし
くない。またフェライトの透磁率と周波数には”スネー
クの限界線”と言う理論があり、その限界線の示した周
波数を越えると、インダクタンス値に関与する実部の透
磁率は減少をはじめる。この理論によれば、高周波帯域
で使用するには、透磁率の低いフェライトを選択すれば
よく、そのために従来では高周波帯域で使用されるコイ
ル用コアには透磁率の低いフェライトが用いられてき
た。しかしながら、前記したスネークの限界線によりい
ずれ使用限界周波数に到達するのは確実であり、近年の
高周波化に追従することが困難となる。
【0006】そこで、フェライトの使用周波数以上の帯
域で使用するコイル用コアには非磁性体が用いられてい
る。非磁性体はコイルのコアとして使用した場合、磁性
体のコアと比較して前記したように小型化が困難である
が、近年の電子機器の高周波化によりインダクタンス値
を大きくする必要がなくなり、巻線数の少なくし小型化
したインダクタンス値で充分になった。そこで、100
MHz以上、特に800MHz〜3GHzで使用するコ
イル用コアに非磁性体が多く用いられるようになった。
用いられる非磁性体としてはアルミナ、フォルステライ
ト、ガラス、ヘマタイト等がコイル用コアとして用いる
ことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】一般にコイルは高周波
で使用する際、巻線を引き出した部分に施した電極間、
または巻線自体に容量が発生する。発生した容量はコイ
ルの共振周波数に影響を与え、容量が大きいと共振周波
数は低周波側に移動する。そのために高周波帯域で使用
するコイルには容量が発生しにくい形状、材質が望まれ
る。
【0008】材質について考えた場合、コイルに発生す
る容量は用いるコアに使用する材質の誘電率で決定され
る。同一形状のコアの場合、誘電率が高い材質を用いる
と発生する容量は大きくなり、誘電率が低い材質を用い
ると発生する容量は小さくなる。よって高周波帯域で使
用するコイルに用いるコアには、誘電率の低い材質が選
択される。
【0009】高周波帯域で使用されるコイルに用いるコ
アには、誘電率が10程度であるアルミナが用いられて
きた。アルミナは、Al23の化学式で表される物質
で、耐熱性、耐熱衝撃性、耐化学性、耐摩耗性、電気絶
縁性、硬度、機械的強度等の面で優れた性質を有してお
り、コイルのコアの他に基板、研削チップ、るつぼ、建
材等の幅広い分野で利用されている。
【0010】このアルミナは、高周波領域で使用するコ
イルのコアに必要とされる性質及び特性等、即ち、非磁
性体であり、低誘電率、高抵抗等の特徴を有している。
このため、例えば実開平5−7211号公報に記載され
ているようにアルミナは高周波帯域で使用するコイルに
使用されている。しかし、アルミナの焼結温度は極めて
高く(約1800℃程度)、設備の耐久性などに影響す
るために、通常、焼結助剤であるSiO2、CaO、M
gO等を添加して1200℃以上で焼結を行うが、これ
ら焼結助剤を配合する工程が別途必要となる。また、ア
ルミナは硬度が高いため、配合する際に使用する製造設
備、成型装置の金型やパンチ等の素材による汚染が生じ
ると共に、これら製造設備全体の耐久性を劣化させると
いう問題がある。更に、コアに巻線を施す工程では自動
巻線機により行うが、コアを固定する治具のコアと接触
する部分が摩耗したり、巻線時にコアと接する部分の巻
線が損傷を受けたりして、巻線不良や短絡、断線といっ
た不具合を生じる原因となる。また、近年進んでいる電
子部品の表面実装化(SMD)にあたり、部品の実装に
は自動装着機により行われているが、自動巻線機と同様
に自動装着機においても、部品装着時にチャック(ハン
ドリング部)とコイルのコア部との接触する部分の摩耗
が生じ問題である。
【0011】このようなアルミナの引き起こす問題点解
決のために、本発明者は特願平8−168040号公報
に記載したように酸化鉄(Fe23)をコイルのコアと
して用いることを提案した。Fe23を用いたコイルは
アルミナを用いた場合のコイルと比較して、実用上問題
の無い電気的特性、機械的強度を有し、且つ簡素な製造
工程にて製造できるという特徴を有している。また、ア
ルミナで問題であった設備摩耗による特性劣化について
は、アルミナより硬度が低いために設備劣化が押さえら
れるという特徴を有している。
【0012】しかしながら、Fe23は誘電率が17〜
20程度とアルミナに比較して高く必ずしも高周波帯域
で使用するコイルのコアとしては好ましくない。また、
アルミナついても、現在使用可能な帯域以上、例えば3
GHz程度で使用する要求があった場合はコイルのコア
として使用することが困難となる。
【0013】誘電率を下げる手法としては、例えば、特
願平9−194522号公報に記載したようにコア素地
の見かけ密度を下げることが挙げられ、その方法に焼成
温度を下げることが考えられるが、この手法を用いた場
合素地の焼結性が低下するために素地本来有している特
性を得ることが困難となる。例えば、Fe23にこの手
法を用いると、誘電率は下がるが、体積抵抗率も低下す
るために高周波帯域で使用するコイルのコアとしては好
ましくない。更に、アルミナと同等程度の誘電率を有す
るような温度で焼成した焼結体は硬度が極めて低く、設
備摩耗を引き起こさないが、素地が設備により摩耗する
ために好ましくない。
【0014】そこで本発明は、誘電率を下げると共に、
焼成温度を下げ見かけ密度を下げた場合に発生する上記
問題点を克服するための製造方法と、それにより得られ
る高周波帯域で使用するコイルのコアとそれからなるコ
イルを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】このような目的は下記
(1)〜(7)の構成により達成できる。
【0016】(1)非磁性体の焼結体であるインダクタ
ンス素子用コアにおいて、細孔が分布して存在すること
を特徴とするインダクタンス素子用コア。
【0017】(2)上記インダクタンス素子用コアにお
いて、上記細孔の径が10μm〜250μmであること
を特徴とする請求項1に記載のインダクタンス素子用コ
ア。
【0018】(3)上記インダクタンス素子用コアにお
いて、焼結体の密度比が45〜95%であることを特徴
とする請求項1又は2に記載のインダクタンス素子用コ
ア。
【0019】(4)上記インダクタンス素子用コアにお
いて、焼結体の電率が2〜18であることを特徴とする
請求項1〜3に記載のインダクタンス素子用コア。
【0020】(5)非磁性体原料に少なくとも可燃性粒
子を混練し成形して焼成することを特徴とするインダク
タンス用コアの製造する方法。
【0021】(6)上記インダクタンス素子用コアの製
造方法において、上記可燃性粒子の平均粒径が10μm
〜250μmであることを特徴とする請求項5に記載の
インダクタンス用コアの製造する方法。
【0022】(7)上記インダクタンス素子用コアの製
造方法において、焼成する前に少なくとも上記可燃性粒
子の分解温度付近で加熱処理を施すことを特徴とする請
求項5又は6に記載のインダクタンス用コアの製造する
方法。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明に係るコイル用コアは細孔
が分布して存在する非磁性体である。これにより、比較
的誘電率の高い非磁性体を用いても誘電率が極めて1に
近い細孔が分散して存在するために、コア全体としては
誘電率が低くなる。
【0024】細孔の径については好ましくは10〜25
0μm程度、より好ましくは10〜200μm程度、更
に好ましくは10〜100μm程度である。細孔径が大
きすぎると焼結体素地の結合が少なくなり強度が保てな
いであり、また、細孔は表面に現れると外観に不良をき
たす原因となるためである。一方、小さすぎると焼結時
に細孔として残りにくく誘電率を低下させることができ
ず好ましくない。
【0025】焼結体の密度比は45〜98%、好ましく
は50〜98%、更に好ましくは60〜98%、より好
ましくは70〜98%、更により好ましくは80〜98
%である。密度比が大きすぎる場合、誘電率に影響しに
くくなるためにコイルのコアに用いたときの特性に差が
現れないからである。また、密度比が小さすぎる場合、
誘電率は低くなるが、コアの強度が低下しすぎるために
部品の機械的強度が実用上使用困難な値となるからであ
る。ここで、密度比とは、焼結体の見かけ密度と素地使
用物質の理論密度との比である。
【0026】前記割合の密度の場合、実用上問題のない
強度が得られ、用いる非磁性体の誘電率が10〜20程
度の素材を用いれば誘電率が2〜18の範囲のインダク
タンス素子用コアを製造することができる。
【0027】用いる非磁性体は特に限定されるものでは
なく例えば、アルミナ、ヘマタイト、フォルステライ
ト、ガラス等を用いることができ、特に誘電率の低いガ
ラスが好ましい。
【0028】コイル用コアの比抵抗は高いほど好ましい
が、一般には106Ω・cm以上あれば実用上問題がな
い。比抵抗が低いすぎると、高周波帯域で使用した場
合、コアに渦電流損が発生しやすくなり、コイルの品質
係数(Q値)を低下させる原因となる。また、近年の部
品のSMD化に対応した部品は、コア素地に電極を形成
する場合があるが、電極には信頼性向上を目的としてニ
ッケル、銅、錫等の金属で電解メッキ処理を行う。その
際コア素地の比抵抗が低いと、電極から素地へメッキが
延びていく減少が起こりやすくなる。メッキの延びは、
電極の短絡等の原因または部品外観の不良の原因となる
ために好ましくない。
【0029】ビッカース硬さは700〜1500が好ま
しい。これが高すぎると製造設備にダメージを与えやす
くなり、低すぎるとコア自体が設備からダメージを受
け、コアの摩耗、欠け等の不良が起きやすくなり、また
コアの摩耗粉が設備の駆動部等に入り込み故障の原因に
なる。
【0030】次に、本発明に係るコイル用コアの製造方
法について説明する。
【0031】非磁性体の原料となる酸化第二鉄粉、アル
ミナ粉等に細孔を形成するための可燃性粒子と成形する
ためのバインダーとを加え混練し造粒した後に所定の形
状に成形して、空気中で焼成する。これにより、可燃性
粒子が燃焼した部分に細孔が形成され誘電率を低下させ
ることができる。
【0032】ここで、バインダーは樹脂を溶剤に溶かし
たものであるが、完全に樹脂を溶解させない状態のバイ
ンダーを用いれば、可燃性粒子及びバインダーを別々に
加えなくてもよい。また、可燃性粒子が燃焼する近辺の
温度で安定等を行い脱バイを行うことが好ましい。昇温
時に燃焼が激しいと発生するガスにより、焼結体にクラ
ックが発生しやすくなるからである。焼成温度は本発明
に係る非磁性体の通常焼成を行う温度にすることが好ま
しい。素地が本来有している硬度を得るために同等の焼
成温度にすることが必要だからある。非磁性体がヘマタ
イトである場合には、焼成温度は1100℃以下である
ことが好ましい。焼成温度が低いほど見かけ密度が低下
するからである。但し、焼成温度を下げすぎると焼結で
きない又は焼結不足となり強度不足等実用に供すること
ができなくなるために、好ましくは900℃〜1100
℃、より好ましくは1000℃〜1100℃で焼成す
る。
【0033】また、原料となる非磁性体粉末の粒径は特
に限定はしない。例えば、比表面積で1.5〜10m2
/g程度である。
【0034】本発明に係るインダクタンス素子用コアの
製造方法において原料として使用される酸化第二鉄、ア
ルミナ等は市販のもので十分である。例えば、酸化第二
鉄は、利根産業(株);商品名「HP5000]、戸田
工業(株);商品名「PF3400」、ケミライト
(株);商品名「CSR800」・「CSS410
E」、日本鋼管(株);「NK−α」、川崎製鉄
(株);商品名「KH−DSF」等として、アルミナは
住友化学(株);商品名「AES12」等としてそれぞ
れ市販されている。
【0035】非磁性体粉末原料に加えられる可燃性粒子
は細孔径の大きさに影響するため、細孔径を大きくした
ければ、可燃性粒子の粒径の大きいもの、小さくしたけ
れば粒径の小さいのもを用いればよく、好ましくは10
μm〜250μm、より好ましくは10〜200μm、
更に好ましくは10〜100μm程度である。具体的に
はPVA(ポリビニルアルコール)、PEG(ポリエチ
レングリコール)等バインダー樹脂として一般に用いら
れるものやPP(ポリプロピレン)、炭素等、可燃性の
ものであれば特に限定はなく使用することができる。少
なくともPVAを用いる場合は、クラレ(株):商品名
「PVA124」・「PVA117」・「PVA21
7」・「PVA224」等、ポリプロピレンを用いる場
合は三洋化成(株);「ビスコール550−P」等の市
販のものを使用することができる。可燃性物質の添加量
は、加える可燃物の比重と設定したい焼結体の密度の細
孔量から算出することができる。
【0036】また、成形するために必要となるバインダ
ーは一般に用いられるものであれば特に限定はなく、例
えば、PVA(ポリビニルアルコール)、PEG(ポリ
エチレングリコール)等、バインダーの種類(分子量、
重合度等が異なるものも含む)が異なるものの少なくと
も1種から適宜選択し使用することができる。上記可燃
性粒子にバインダー樹脂を用いた場合にあっては同じも
のをを用いればよい。バインダーを使用せず水により成
形してもよい。
【0037】原料粉末と可燃性粉末とバインダーとを混
練する手段は特に限定されないが、例えば加圧ニーダー
等の混合機、撹拌器を用いればよい。混合した後顆粒状
に造粒を行うが、造粒方法は特に限定されるものではな
く、通常用いられる方法で良い。例えば、所望の顆粒サ
イズと同等の目開きの金網を用いて押し出すことにより
容易に造粒することができる。得られる顆粒の平均粒径
は、成形する形状等により異なるが通常、10μm〜1
mm程度の大きさとすることが好ましい。
【0038】インダクタンス素子の形状は通常のもので
あれば特に限定はない。例えば、いわゆるトロイダル
型、I型、EE型、EI型、ER型、EPC型、ドラム
型、ポット型、カップ型等の各種形状のコアの製造に本
発明は適用できる。
【0039】インダクタンス素子は、通常に用いられる
方法により作製される。即ち、所定の形状に成形し、焼
成したコア(ここで、コアは成形後に加工したものを焼
成してもよいし、成形後に焼成し加工してもよい)にA
u、Ag、Cu、Fe、Pt、Sn、Ni、Pb、A
l、Coまたはそれらの合金等からなるワイヤーを巻い
て作製する。そして、素子はコイルやトランスとして用
いることができる。
【0040】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示す。
【0041】市販の酸化鉄に可燃性粒子としてPP(ポ
リプロピレン)を表1に記した量を混合したものにバイ
ンダー(クラレ製:PVA124、3%溶液)を加え、
混練、造粒してディスク状の成形体を作製し、電気炉に
て空気中で表1に示す温度にて焼成した。ここでは10
0μm以下、50〜100μm、50μm以下に標準ふる
いで分級したPP(ポリプロピレン)を用いた(それぞ
れ試料No.5、6、7)。
【0042】また、比較例として可燃性粒子を用いない
方法、即ち特願平8−168040号公報で開示されて
いる方法にて作成した試料(No.8)と、同様に可燃
性粒子を用いずに焼成温度を950℃、900℃と下げ
る方法により見かけ密度を下げた試料(No.9、1
0)を作製し、実施例と同様の項目について同様の測定
を行った。
【0043】得られた各試料について見かけ密度、密度
比、1MHzにおける誘電率、比抵抗、ビッカース硬さ
を測定し、その結果を表1に示す。
【0044】なお、それぞれの測定方法は以下の通りで
ある。
【0045】<見かけ密度>見かけ密度の測定は、試料
の外形寸法をノギスにて測定し体積を算出した後、重量
を測定することによって算出した。
【0046】<誘電率>誘電率の測定は、作製したディ
スク状の端面にIn−Ga電極を施し、LCRメータ
(ヒューレットパッカード社製、HP−4285)にて
1MHzの容量を測定し、先に測定した試料外形寸法と
容量から算出した。
【0047】<比抵抗>比抵抗の測定は、誘電率の測定
で用いた方法にて作製した測定試料に、IRメータ(T
OA社製、SUPER MEGOHM METER M
odel SM−5E)にて印加電圧100Vにおける
抵抗値を測定し、先に測定した試料の外形寸法と抵抗値
から算出した。
【0048】<密度比>密度比とは、前記の通り得られ
た焼結体の見かけ密度と素地使用物質の理論密度との比
である。本実施例での素地使用物質はヘマタイトをであ
り、この理論密度は5.2g/cm3(岩波書店、岩波
理化学事典、第4版、499頁より引用)とし、先に算
出した見かけ密度の値を用いて算出した。
【0049】<ビッカース硬さ>ビッカース硬さは、J
IS C2141に従い、JIS B7725のビッカ
ース硬さ試験機に準ずる試験機(島津製作所製、島津微
小硬度計 HMV−2000型)にて、100gの加重
を加え5秒間保持したときの値とした。
【0050】
【表1】 表1の結果からわかるように、加えたポリプロピレンの
量が多いほど見かけ密度及び密度比が下り、それに伴い
誘電率も低くなった。試料No.8(比較例)の誘電率
と比較すると、明らかに各実施例は誘電率が低くなって
おり、このことから誘電率を低くするためには見かけ密
度及び密度比を低くすることが重要である。
【0051】焼成温度を下げて見かけ密度及び密度比を
低下させた試料No.9、10(比較例)の誘電率と比
較すると、誘電率については試料No.1〜7(実施
例)と差がなく同様に下がっているが、比抵抗について
は二桁以上の差がある。
【0052】ビッカース硬さは、試料No.1〜7(実
施例)が1200程度であり、試料No.8(比較例)
と同レベルである。しかし、試料No.9、10(比較
例)は170〜360程度を極めて低い値となった。
【0053】以上の結果より本発明に係るコイル用コア
は、実用上問題ない程度の比抵抗やビッカース硬さ有し
つつ誘電率を格段に低下させることができる。
【0054】更に実施例3,4,5,6、及び7につい
て抗折強度を測定し、表2に結果を示す。
【0055】なお、測定は下記のように行った。
【0056】<抗折強度>抗折強度の測定は、棒状に成
形、焼成した試料をJIS C1601のファインセラ
ミックスの曲げ強度試験法に従い測定した。
【0057】
【表2】 表2の結果からわかるように、本発明の実施例は4kg
f/mm2以上の強度が得られており、実用上問題な
い。一般にコイルのコアの強度は4kgf/mm2以上
あれば問題ない。
【0058】試料No.1の表面を光学顕微鏡にて観察
したところ、図1の観察写真からわかるように素地部に
細孔が分布しているのが確認でき、細孔径が10〜10
0μm程度であることがわかった。
【0059】本実施例ではヘマタイトを用いたが、ヘマ
タイト以外でも例えばアルミナ、フォルステライト、ガ
ラス等、他の非磁性体を用いても同様の効果が現れるこ
とは言うまでもない。
【0060】
【発明の効果】以上のことより、本発明に係るインダク
タンス素子用コアは、従来のコイルのコアの誘電率を低
くすることができ、かつ、低見かけ密度でありながらも
硬度であり機械的強度も強い。これによって高周波帯域
で使用するインダクタンス素子に適したコアを提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインダクタンス素子用コアの表面
のSEM写真である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性体の焼結体であるインダクタンス素
    子用コアにおいて、細孔が分布して存在することを特徴
    とするインダクタンス素子用コア。
  2. 【請求項2】上記インダクタンス素子用コアにおいて、
    上記細孔の径が10μm〜250μmであることを特徴
    とする請求項1に記載のインダクタンス素子用コア。
  3. 【請求項3】上記インダクタンス素子用コアにおいて、
    焼結体の密度比が45〜95%であることを特徴とする
    請求項1又は2に記載のインダクタンス素子用コア。
  4. 【請求項4】上記インダクタンス素子用コアにおいて、
    焼結体の電率が2〜18であることを特徴とする請求項
    1〜3に記載のインダクタンス素子用コア。
  5. 【請求項5】非磁性体原料に少なくとも可燃性粒子を混
    練し成形して焼成することを特徴とするインダクタンス
    用コアの製造する方法。
  6. 【請求項6】上記インダクタンス素子用コアの製造方法
    において、上記可燃性粒子の平均粒径が10μm〜25
    0μmであることを特徴とする請求項5に記載のインダ
    クタンス用コアの製造する方法。
  7. 【請求項7】上記インダクタンス素子用コアの製造方法
    において、焼成する前に少なくとも上記可燃性粒子の分
    解温度付近で加熱処理を施すことを特徴とする請求項5
    又は6に記載のインダクタンス用コアの製造する方法。
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