JPH118430A - レーザ装置および投影露光装置、並びにパルスレーザ発振方法 - Google Patents

レーザ装置および投影露光装置、並びにパルスレーザ発振方法

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JPH118430A
JPH118430A JP10029589A JP2958998A JPH118430A JP H118430 A JPH118430 A JP H118430A JP 10029589 A JP10029589 A JP 10029589A JP 2958998 A JP2958998 A JP 2958998A JP H118430 A JPH118430 A JP H118430A
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JP
Japan
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laser
optical element
resonance frequency
resonator
laser resonator
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JP10029589A
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English (en)
Inventor
Tomoko Otsuki
朋子 大槻
Soichi Yamato
壮一 大和
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高周期でスイッチングする場合、数キロボル
トという高電圧でもって、パルス状の高電圧を数キロヘ
ルツの繰り返しで発生させる電源を入手することは、大
変困難であり、実現するの大変難しい。そこで、本発明
では、新たな方式でQスイッチを構成するレーザ装置を
得ることを目的とする。 【解決手段】 本発明では、少なくとも第1の反射面と
第2の反射面とを有し、第1の反射面及び第2の反射面
とで反射された光の光路中にレーザ媒体が設けられ、第
2の反射面からレーザ光を出力するレーザ共振器とを有
し、更にレーザ共振器のレーザ発振可能な周波数と一致
した共振周波数を有する状態と、レーザ共振器のレーザ
発振可能な周波数とはいずれとも異なる共振周波数を有
する状態とをなしレーザ共振器の損失を可変させるレー
ザ共振器損失可変手段とを備え、レーザ共振器可変手段
は、第1の反射面及び第2の反射面から反射された光の
光路中に設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パルスレーザ光を
放射するレーザ装置に関するもので、特に、パルス発振
するためにレーザ共振器に挿入されるQスイッチ光学素
子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ピークパワーの高いレーザパルス出力を
得る方法として、Qスイッチを用いて得る方法がある。
このQスイッチは、レーザ共振器の損失を変化させるも
のであり、Qスイッチを用いたレーザ装置からは、レー
ザ共振器の損失が小さく(Q値が大きく)なったとき
に、パルス状のレーザ光が放射される。Qスイッチとし
て用いる光学素子は、回転ミラー、音響光学素子(AO
素子)、あるいは電気光学素子(EO素子:Electroopti
c crystal)などが挙げられる。
【0003】ところで、回転ミラーや音響光学素子は、
一般に共振器内の損失を変化するのに必要なスイッチ速
度が遅いという欠点があり、短いパルス幅を必要とする
レーザ装置や高利得のレーザ装置には、スイッチ速度が
速い電気光学素子をQスイッチとして用いたレーザ装置
が使用されている。ところで、次に、Qスイッチに電気
光学素子を用いたレーザ装置を図7に例示して説明す
る。このレーザ装置は、ポンプ光75を放射する不図示
の励起光源と、レーザ媒体71と、出力ミラー74とを
備えている。そして、レーザ媒体71からのポンプ光が
入射する入射面には、ポンプ光の波長域の光を透過し、
出力ミラー74から放射するレーザ光の波長域の光を反
射する反射膜711が成膜されている。このレーザ装置
では、レーザ媒体71に成膜された反射膜711と、出
力ミラー74とでレーザ共振器が形成されている。
【0004】更に、Qスイッチとして、このレーザ共振
器の内部に電気光学素子72と、偏光子73とが設けら
れている。この電気光学素子72は、電圧印加時と無印
加時とでは結晶の複屈折が変化する。このため、電圧の
無印加時には、例えば、1/2波長板と同じ作用を有す
る状態だったのが、電圧が印加されることによって1波
長板と同じ作用を有する状態に変化することができる。
この様に、電気光学素子73をに電場を加えることで、
変化可能な波長板として用いる。
【0005】また、偏光子73は、P偏光の光を透過
し、S偏光の光をレーザ共振器外に反射させるものであ
る。したがって、電気光学素子73が1/2波長板の状
態になっているときには、電気光学素子72に入射した
光の偏光方位が90度回転して射出される。そのため、
電気光学素子72を通過した光は偏光子73によって、
殆どがレーザ共振器外に反射され、共振器の損失を大き
くすることが出来る。
【0006】一方、電圧が変化して、電気光学素子72
が1波長板の状態になると、電気光学素子72に入射す
る光と通過する光の偏光方位は変化しない。そのため、
電気光学素子72を通過した光は、偏光子73を透過す
ることができるので、レーザ共振器内の損失は電圧を変
化する前によりも小さくなる。よって、このとき、パル
ス状のレーザ光76がレーザ共振器から放射される。
【0007】この様に、レーザ共振器内に挿入された電
気光学素子72と偏光子73によって、レーザ共振器の
損失を可変させることで、パルスレーザ発振を行う。な
お、電気光学素子の素材として用いられているものは、
LiNbO3 やKDP(KH2PO4)、LiTaO3
どがある。そして、印加する電圧は、通常数キロボルト
の電圧が必要である。
【0008】ところで、KDPは潮解性があるので、大
気に触れないようにパッケージングする必要があり、小
型化が難しい。また、LiNbO3 は、ピエゾ効果によ
る材料変形のため、スイッチング速度を大きくして使用
することが出来ない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述の様に、電気光学
素子と偏光子を用いてQスイッチを構成する場合、電気
光学素子を駆動させるために、高電圧を発生させること
のできる電源を必要とする。しかしながら、高周期でス
イッチングする場合、数キロボルトという高電圧でもっ
て、パルス状の高電圧を数キロヘルツの繰り返しで発生
させる電源を入手することは、大変困難であり、実現す
るの大変難しい。
【0010】そこで、本発明では、新たな方式でQスイ
ッチを構成するレーザ装置を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに、本発明では、少なくとも第1の反射面と第2の反
射面とを有し、第1の反射面及び第2の反射面とで反射
された光の光路中にレーザ媒体が設けられ、第2の反射
面からレーザ光を出力するレーザ共振器とを有し、更に
レーザ共振器のレーザ発振可能な周波数と一致した共振
周波数を有する状態と、レーザ共振器のレーザ発振可能
な周波数とはいずれとも異なる共振周波数を有する状態
とをなしレーザ共振器の損失を可変させるレーザ共振器
損失可変手段とを備え、レーザ共振器可変手段は、第1
の反射面及び第2の反射面から反射された光の光路中に
設けた。
【0012】この様に、レーザ共振器を形成する第1の
反射面及び第2の反射面から反射される光路中に、ある
時点では、レーザ発振可能な周波数と同じ共振周波数を
持つ状態になり、他の時点では、レーザ発振可能な周波
数とは異なる共振周波数を持つ状態なるレーザ共振器可
変手段を備えることで、パルスレーザ発振を可能とする
レーザ装置を得る。
【0013】レーザ共振器損失可変手段については、レ
ーザ共振器のレーザ発振可能な周波数と一致した共振周
波数を有する状態、または前記レーザ発振可能な周波数
とはいずれとも異なる共振周波数を有する状態との二つ
の状態をなし、レーザ共振器の損失を可変させる光学素
子とすることが好ましく、更に、光学素子の状態を、共
振周波数と一致した共振周波数を有する状態、またはレ
ーザ共振器の共振周波数のいずれも一致しない共振周波
数を有する状態とに相互に変化させる状態可変手段を備
えた。この様に状態可変手段により共振周波数を可変可
能な光学素子の状態を変化させることで、レーザ共振器
の損失を可変させる。
【0014】光学素子については、電気光学効果を有し
た結晶からなり、状態変化手段は、光学素子に印加する
印加電圧を供給し、かつ印加電圧を可変する電圧供給手
段とした。この様に電気光学効果を有した結晶でもっ
て、光学素子を構成すれば、印加電圧のオン・オフによ
り光学素子の共振周波数を可変する事が出来る。従来の
電気光学素子と偏光子を用いたQスイッチのように、電
気光学素子でもって入射光の偏光方位を変化させなてく
とも良いので、低電圧で駆動できろ。そして、偏光方位
が十分に変化するほどの電気光学素子の長さを必要とし
ないので、Qスイッチの為の構成を小型化することがで
きる。
【0015】更に、本発明では、光学素子の共振周波数
がレーザ共振器の共振周波数と一致した状態でレーザ共
振器の損失が小さくなり、光学素子の共振周波数がレー
ザ共振器の共振周波数のいずれとも一致しない状態で損
失が大きくなるとした。この様に光学素子は、共振周波
数特性を、レーザ共振器の共振周波数と一致させたり、
異なる周波数を持たせたりすることでレーザ共振器の損
失を可変させている。
【0016】また、光学素子は、その結晶軸カットの方
位を、最大の電気光学効果が得られ、かつ、光学素子の
温度変化による共振周波数変化が小さくなる角度に定め
ることが好ましい。また、光学素子の結晶軸カットの方
位は、光学素子の温度変化による屈折率変化に応じた光
学素子の共振周波数の変化量と、光学素子の温度変化に
よる体積変化に応じた変化する光学素子の共振周波数の
変化量とが、相殺するように定めることが好ましい。
【0017】この様に光学素子の結晶軸カットの方位を
定めることで、温度変化しても光学素子における共振周
波数特性の変化が、パルスレーザ発振に影響を及ぼさな
い程度に改善できる。また、先に述べた光学素子を含む
レーザ共振器損失可変手段におけるレーザ共振器の共振
周波数と一致した共振周波数を有する状態での共振周波
数は、レーザ共振器の共振周波数とレーザ媒体の利得ス
ペクトルとで決められるレーザ発振可能な周波数のうち
所定の単一の周波数だけ、一致している様にした。
【0018】この様に、レーザ共振器可変手段のある状
態での共振周波数をレーザ発振可能な周波数のうち所定
の単一周波数だけに一致させることで、単一周波数レー
ザ光を容易に得られる。光学素子の入射面は、光学素子
の入射面からの法線と、レーザ共振器の光軸の方向とが
異なる方向をなすように配置されていることが好まし
い。
【0019】以上、掲げたレーザ装置を更に複数備え、
各々のレーザ装置から放射された光をマスクに照射する
照明光学系と、マスクのパターンを感光基板に投影する
投影光学系とを備え投影露光装置をことで、スペックル
パターンをの発生を低減し、更に光学系に色収差を考慮
しなくてもよくなるので、設計が容易で高性能な露光装
置を得ることができる。
【0020】また、本発明の第2の発明では、レーザ媒
体を有したレーザ共振器の損失を変化させることにより
パルスレーザ発振を行うパルスレーザ発振方法におい
て、レーザ共振器内に、共振周波数を可変することがで
きる第1の共振器を設置し、第1の共振器の共振周波数
を、レーザ共振器のレーザ発振可能な周波数のいづれも
一致しない周波数に設定する。このステップによって、
レーザ共振器内にエネルギーを蓄積することができる。
次に、第1の共振器の共振周波数を、レーザ共振器のレ
ーザ発振可能な周波数の少なくとも一つの周波数と一致
した周波数に設定する。この様にすることで、レーザ共
振器内に蓄積されたエネルギーをパルス光としてレーザ
共振器外に取り出すこととした。
【0021】この様に、第1の共振器をレーザ共振器内
に備えておき、その第1の共振器を繰り返し、レーザ共
振器の共振周波数と一致させたり、レーザ共振器の共振
周波数とは一致させなくすることで、パルスレーザ発振
が可能となる。次に、本発明の実施の形態を挙げて、本
発明を更に詳しく説明するものとする。
【0022】
【本発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態にお
けるレーザ装置について、図1を用いて説明することと
する。本発明のレーザ装置は、パルスレーザ発振可能な
レーザ装置であって、図示されていないポンプ光(波
長:809nm)を放射する半導体レーザと、ポンプ光
を入射する端面に反射膜11が成膜されたレーザ媒体1
と、BBO(BaB24 )結晶からなる光学素子2
と、光学素子2に電圧を印加するための電源3と、出力
ミラー4から構成されている。なお、図1中の矢印6
は、射出されたレーザ光を示している。
【0023】レーザ媒体1には、ネオジム(Nd)をド
ープしたYVO4 結晶でもって構成されている。光学素
子2は、電気光学効果を有する結晶からなり、図2に示
すようにレーザ共振器の光軸56に対して、結晶軸の一
つであるz(c)軸が平行になるように配置されてい
る。そして、図2に示されているように、レーザ媒体1
から放射される光の入射面及び射出面とは異なる面に、
電極21、22が設けられている。また、それぞれの電
極21、22は、レーザ媒体1から放射される光の偏光
方位と同方向に電場が形成されるように、光学素子2に
設けられている。
【0024】反射膜11については、ポンプ光の波長の
光を透過し、レーザ媒体1から放射される波長域の光を
反射する膜が成膜されている。そして、この反射膜11
と出力ミラー4とで、レーザ共振器が構成されている。
ところで、本発明で用いられる光学素子2のレーザ光入
射面には、反射膜コートがされており、光学素子2と大
気との境界である光学素子2の入射面と射出面と間で、
光学素子2内を伝搬する光が多重反射する。そのため、
この光学素子2はファブリ・ペロー共振器と同様な作用
を有する。
【0025】また、この光学素子2は電気光学効果を有
しているため、電極21と電極22の間に電圧が印加さ
れていない場合と電圧が印加されている場合とで、光学
素子2内の光路長が異なる。この光学素子2は、電圧が
印加されたときに、レーザ共振器の共振周波数と光学素
子2の共振周波数とが一致し、光学素子に電圧が印加さ
れていないときには、レーザ共振器の共振周波数と光学
素子2の共振周波数とがいづれも一致しないように設計
されている。
【0026】なお、光学素子2に用いたBBO結晶の物
性値を表1に示す。これは、"Handbook of Nonlinear O
ptical Crystals", V.G.Dmitriev, G.G.Gurzadyan, D.
N.Nikogosyan, Springer に掲載されているデータをま
とめたものである。
【0027】
【表1】
【0028】次に、この光学素子2とレーザ共振器との
関係について、更に詳しく説明する。本第1の実施の形
態におけるレーザ共振器の共振器長を30mmとし、光
学素子6mmとした場合、発振波長λ=1.06マイク
ロメートルに該当するレーザ共振器の共振スペクトル
(以下、縦モード)34と、レーザ媒体1におけるYV
4 結晶中のネオジムの利得スペクトル33と、光学素
子2の光周波数における透過率における共振スペクトル
31、32を図3に示した。なお、図3(a)には、レ
ーザ共振器の縦モード34と、レーザ媒体1におけるY
VO4 結晶中のネオジムの利得スペクトル33とを一緒
に並記し、縦軸には利得(Gain)を示し、横軸には
光周波数を示している。図3(b)には、光学素子2の
透過における共振スペクトル31,32を図示し、縦軸
には光学素子2の透過率、横軸には光周波数を示してい
る。
【0029】なお、図3(a)(b)ともに、横軸の0
πのところは、本第1の実施の形態におけるレーザ装置
の発振周波数である。また、図3(a)の0πと図3
(b)0π、および図3(b)の2πと図3(b)の2
πは、各々同じ光周波数を示している。ところで、YV
4 結晶中におけるNdの利得幅は、約15GHzであ
る。そして、本第1の実施の形態によるレーザ共振器の
縦モードの間隔は、図3(a)に示されているとおり、
5GHzである。したがって、本第1の実施の形態によ
るレーザ共振器とレーザ媒体1とでは、3つの周波数に
おいてレーザ発振可能となる。
【0030】そこで、本第1の実施の形態のレーザ装置
では、図3(b)に示すような透過率を有する光学素子
3を反射膜11と出力ミラー5との間に備えた。この光
学素子2に電圧が印加されている状態では、レーザ発振
可能な周波数のうち一つの発振周波数と、透過率が最大
となる光学素子2の共振周波数とが一致する。また、光
学素子2の電圧印加時には、レーザ発振可能な3本の周
波数のうち、そのうち一つの周波数を選択することがで
きる。なお、電圧印加時における光学素子2の透過率特
性は、図3(b)の実線で示している。電圧無印加時に
おける光学素子2の透過率特性は、図3(b)の点線で
示している。
【0031】ところで、電圧無印加時には、図3を見て
もわかるように、レーザ発振可能な周波数といづれも共
振周波数が一致しない。したがって、全てのレーザ共振
器縦モードに対して光学素子2の透過率は低いので、レ
ーザ共振器内の損失が大きくなりレーザ発振が阻害され
る。なお、この時、光学素子2は高い反射率を有する。
そのため、光学素子2の入射面または射出面と、レーザ
共振器を形成する反射膜または出力ミラーとの間で、一
種のファブリ・ペロー共振器と同じ状態なり、不要な発
振が発生する恐れがある。したがって、本第1の実施の
形態における光学素子2は、その入射面または射出面が
レーザ共振器の光軸に対して垂直にならないように、共
振器内に配置されいる。この様にすることで、光学素子
2で反射した光は、レーザ共振器外に反射されるので、
不要な発振を起こす恐れが無くなる。
【0032】ところで、この光学素子2の透過率につい
ては、次の様に決定される。この光学素子2は、前述し
た様にファブリ・ペロー共振器と同じ作用を有するもの
で、光学素子2に入射した光が光学素子2中を一往復し
て生じる位相差によって、光学素子2の透過率が決ま
る。ところで、光学素子2に入射した光が光学素子2中
を一往復して生じる位相差は、式1で示される。なお、
δは位相差、δ’は2π未満の位相差、n0 は光学素子
の屈折率、lは光学素子の長さ、αは屈折角、λは入射
する光の波長、mは次数で任意の整数である。
【0033】
【数1】 δ=4πn0 l×cosα/λ2mπ+δ' ・・・式1 そして、光学素子2の透過率(It )は、光学素子2の
入射面および射出面における反射率(R)、位相差δを
用いて、式2のように示すことが出来る。
【0034】
【数2】
【0035】この式2において、It が極大になる波長
が共振周波数であり、式1でδ’=0となるときに、透
過率が極大になる。したがって、この光学素子2では、
電圧印加時において、式1での計算結果が2πの整数倍
になるように、設計すればよい。ところで、本実施の形
態におけるレーザ装置は、単一周波数レーザ光を得るた
めに、レーザ媒体1の利得幅よりも、光学素子2の透過
率における極大値の間隔(以下、自由スペクトル領域)
を大きくする必要がある。周波数で見た光学素子の自由
スペクトル領域(Δν)は、式1でのδ’=0が導き出
される周波数が透過率の極大値を取ること、隣り合う共
振周波数は次数mが1だけ異なること、という条件から
導き出せる。その結果を式3に示す。なお、Δνは共振
周波数の間隔、cは光速である。
【0036】
【数3】
【0037】従って、本第1の実施の形態における光学
素子2の長さは、Δν>15GHzとなるように設定し
ている。なお、αは、本実施の形態においてはゼロに近
い角度である。本第1の実施の形態では、この条件を満
たす光学素子2の長さとして6mm以下のものを選ん
だ。ところで、光学素子2は、透過率の極大値を取る周
波数が、レーザ共振器の縦モードと一致するように設定
されている。これは、ファブリ・ペロー共振器に一般的
に言えることであるが、反射面の反射率が高くなると、
透過スペクトルが式1に示す値が2πの整数倍に該当す
る周波数と、それに直近の周波数の光のみしか透過しな
くなるという特性がある。なお、この特性を示す式は、
式4で示される。このフィネス(F)の値が大きくなる
ほど、透過率特性曲線の周波数幅が狭いことを意味して
いる。なお、Rは、光学素子2の入射面および射出面の
反射率である。
【0038】
【数4】
【0039】以上説明したように、本発明の実施の形態
における光学素子2は、これらの特徴を積極的に用い、
光学素子2の共振周波数をわずかに変化させることで、
レーザ共振器のQ値を変化させている。ところで、レー
ザ共振器を構成する出力ミラーとして、電気光学効果を
有する材料で形成し、その出力ミラー自体がファブリ・
ペロー共振器と同じ作用を引き起こし、出力ミラーの反
射率を変化させることで、レーザ共振器のQ値を変化さ
せるものがある。このような出力ミラーを用いた場合、
出力ミラーの共振周波数と、レーザ共振器の共振周波数
が一致したときには、レーザ発振可能な全ての周波数に
おける出力ミラーの透過率が最大になる。したがって、
レーザ共振器のQ値が下がり、レーザ発振が抑制され
る。また、出力ミラーの共振周波数がレーザ共振器の共
振周波数のいずれとも一致しない時には、レーザ発振可
能な周波数において、出力ミラーの反射率が大きくな
り、パルスレーザ光を出力する。
【0040】この方法では、レーザ共振器のQ値を小さ
くするために、出力ミラーの透過率がレーザ発振可能な
全ての周波数で同時に大きくする必要がある。このため
には、レーザ共振器の光路長と、出力ミラーとして用い
る光学素子の光路長とを同じにしなくてはならない。そ
れゆえ、この方法を1cm程度以上のレーザ共振器に適
用する場合、光学素子の製作が難しくなり、また、レー
ザ装置全体が大きくなってしまう。更に、本実施の形態
のように、レーザ媒体の利得幅がレーザ共振器の自由ス
ペクトル領域より大きいものを用いて単一モードのレー
ザ光を出力させる場合、更に別の手段を講じなくてはな
らず、レーザ装置が複雑になり、更にレーザ装置の小型
化が難しくなる。
【0041】次に、本実施の形態における光学素子2に
必要な印加電圧について、説明する。本実施の形態にお
ける光学素子2は、電圧を印加させることで、共振周波
数を変化させている。したがって、電圧無印加時に、レ
ーザ発振可能な周波数において光学素子2の透過率が十
分小さくなるなるように、光学素子2を設定する必要が
ある。そこで、十分共振周波数がずれるのに必要な印加
電圧を決める必要がある。
【0042】ところで、印加電圧は、例えば式5をもと
に設定することができる。この式5は、本実施の形態の
光学素子2のように、BBO結晶を図2で示した配置で
レーザ共振器内に配置した場合について成り立つ。な
お、Δδは光学素子2の共振周波数のずれに応じた位相
差、Vは印加電圧、r22は電気光学係数、ly は電極間
距離である。
【0043】
【数5】
【0044】本第1の実施の形態では、最終的にレーザ
装置を100本程度並列し、並列して形成されたレーザ
光源を投影露光装置の光源に用いることを考えている。
そこで、コヒーレンス性を低減させるために、個々のレ
ーザ装置からの光を時間的にずらして放射することを考
えている。そのような理由から一本におけるパルスレー
ザ発振の発振間隔を10kHz程度考えている。そこ
で、10kHzで駆動可能でかつ入手可能な電源として
は、その出力電圧はだいたい1キロボルト以下である。
そこで、本実施の形態におけるレーザ装置では、電源の
出力として1kVとし、電極間距離ly をおよそ3mm
と設定した。
【0045】このような条件から、得られた光学素子2
は、次の通りである。印加電圧が1kVのときに、光学
素子2の透過における共振周波数とレーザ共振器の縦モ
ードの一つとが一致するように設定する。このような場
合、自ずと印加電圧V=1kVのとき、光学素子の透過
率It =1となることが理解できる。そして、光学素子
2の入射面および射出面の(光学素子2の内部から外部
へ向かう光ついての)反射率RをR=0.83とする
と、印加電圧V=0の状態では、式5からΔδ=0.0
43×2πとなる。この値の場合、式2より透過率It
はIt =0.328となる。この透過率であれば、レー
ザ発振を抑制し、励起エネルギーをレーザ媒体1中に蓄
積することができる。
【0046】このように、本実施の形態におけるレーザ
装置では、従来の数キロボルトの駆動電圧を必要として
いたEO−Qスイッチよりも低電圧での駆動が可能とな
る。また、本実施の形態では、光学素子2の入射面と射
出面とに多層膜を成膜し、光学素子2内を伝搬している
光の反射率を向上させることで、式4で示したフィネス
(F)を大きくしている。
【0047】しかし、光学素子の材質として高屈折率物
質を用いた場合、光学素子の入射面および射出面に反射
膜を成膜しなくても、十分なフィネスを得ることも可能
である。なお、このフィネス(F)が大きいと、レーザ
共振器のQ値を変化させるために必要とされる光学素子
2での共振周波数の変化を小さくすることが出来るの
で、フィネスを大きくすることで駆動電圧を小さくする
ことが出来る。
【0048】以上の通り、本第1の実施の形態における
レーザ装置は、光学素子2に電圧の印加、無印加を繰り
返すことで、パルスレーザ発振を可能としている。その
パルスレーザ発振の様子を図4に示す。図4の上段は、
光学素子2に印加される電圧を示している。また、図4
の下段はレーザ装置から放射されるレーザ光強度を示し
ている。なお、横軸tは時間を示している。
【0049】本第1の実施の形態におけるレーザ装置
は、図4に示すようにレーザ発振させないときには、印
加電圧を0Vにし、レーザ発振させるときに、光学素子
2に電圧を印加している。なお、実際には、電源3は所
定の電圧になるまで数ナノ秒(ns)程度、時間を要
す。この立ち上がり時間中は、図4に示されているとお
り時間と共に電圧が上昇する。それにしたがい、光学素
子2も共振周波数が変化している。そして、ほぼ透過率
が最大になって、レーザ共振器内における損失が十分小
さくなり、更にその1ns程度の遅延時間後にレーザ発
振が始まる。電源3は、レーザ発振された後も、図4の
kで表したしばらくの時間、設定電圧を維持し、その後
に、再び印加電圧が0Vとなる。そして、このような電
圧変化を所定の間隔で繰り返し行うことにより、パルス
レーザ発振を行っている。
【0050】なお、レーザ発振する条件としては、レー
ザ共振器内の損失が小さくなる状態が一瞬でもあればよ
い。したがって、電源3が設定された電圧に立ち上がり
時間中に、レーザ共振器の縦モードの一つと光学素子2
の共振周波数が十分近づけばよく、必ずしも電源3に設
定された電圧の時に光学素子2の共振周波数とレーザ共
振器の縦モードが完全に一致しなくとも良い。このと
き、レーザ共振器内の損失が問題にならずにレーザ発振
が行われるためには、光学素子2の透過率が十分小さく
なった状態(例えば、透過率が90%以上となる状態)
を、レーザパルス光が放射される間、保つように電源の
立ち上がり時間等を設定すればよい。なお、本実施の形
態の場合、およそ1−3ns程度の時間、光学素子2の
透過率が十分高い状態になれば良い。
【0051】ところで、光学素子2の共振周波数は、温
度変化によって変化する。温度変化による周波数の変動
は式6で示すことが出来る。なお、n0 は光学素子2の
屈折率で、lは光学素子2の長さを示している。
【0052】
【数6】
【0053】なお、光学素子2の長さおよび屈折率が上
述と同じである場合、dδ/dTの値は、0.485×
2πK-1となる。なお、本実施の形態による光学素子2
では、ΔT≦±0.02℃に制御すれば、光学素子2へ
の電圧印加時には、光学素子2の透過率It は、It
0.903となり、レーザ共振器内の損失はレーザ発振
するのに、十分小さい。また、電圧無印加時における透
過率It は、It ≧0.45となり、レーザ発振を抑制
するのに十分な損失を得ることができる。したがって、
このレーザ装置を投影露光装置などの光源として用いる
場合、十分温度変化に適応できる光源であることがわか
る。 [本発明の第2の実施の形態]次に、本発明の第2の実
施の形態について、説明する。なお、本第2の実施の形
態で用いられる図番のうち、第1の実施の形態と同じ図
番については、同一部材であるので、その部材の説明
は、省略する。
【0054】ところで、本発明の第2の実施の形態で
は、本発明の第1の形態におけるレーザ装置よりも温度
変化を受けにくいレーザ装置について説明する。ところ
で、温度変化によって光学素子2の屈折率n0 と光学素
子2の長さlが変化する。温度変化に対する屈折率変動
と光学素子2の長さの変動との関係は、前述の式6の通
りである。
【0055】本第2の実施の形態におけるレーザ装置で
は、このことに着目し、更に光学素子2に用いられる結
晶のもつ特徴として、結晶軸によって膨張率が異なるこ
とを利用することで、屈折率変動分を光学素子2の膨張
率で相殺するようにした。ところで、光学素子2に用い
られる電気光学効果を有する結晶は、BBO結晶であ
り、その温度変化に対する特性は、表1に示したとおり
である。この表1を見てもわかるとおり、BBO結晶
は、結晶方位の一つであるa軸とc軸とで、線膨張率が
異なる。
【0056】そこで、本実施の形態における光学素子2
は、電気光学効果を有する材料の結晶軸カットの方位
を、最大の電気光学効果が得られ、かつ光学素子2の温
度変化による共鳴周波数変化が小さくなる角度に設計し
た。そのように設計された光学素子2を図5に示す。な
お、図5には、レーザ共振器の光軸56と光学素子2の
結晶軸との配置関係を示している。
【0057】ところで、光学素子2で最大の電気光学効
果が得られる方向は、結晶軸であるa軸に対して垂直な
軸であるy軸方向である。ゆえに、y軸方向に電場が形
成されるように電極21、22が備えられている。ま
た、入射光の偏光方位についてもy軸方向になるよう
に、レーザ媒体1を配置した。そして、結晶軸であるc
軸は、レーザ共振器の光軸56に対してθの角度傾くよ
うに配置した。この様に配置することで、温度変化に対
する光学素子の膨張収縮変化は、式7の様に示される。
なお、αa はa軸における線膨張率であり、αc はc軸
における線膨張率を示す。
【0058】
【数7】
【0059】この様に、膨張率はレーザ光軸に対する結
晶の方位によって変化する。そして、式6に示される式
で、dn0 /dTの項は、入射光の偏光方位に依存し、
図5の様な配置では結晶カットの角度θに依存しない。
従って、式6においてdδ/dT=0となるように式7
で与えられるθの値、即ち、結晶軸カットの方位を定め
る。
【0060】この様に設定することで、温度変化による
項軸方向の線膨張率と、屈折率変化が補償し合い、光学
素子2の温度変化による共振周波数変化が小さくなる。
さらに、本第2の実施の形態における光学素子2は、電
気光学効果の大きさが印加電圧の方向(y軸)と入射光
の偏光方向(y軸)で決まるため、図5に示すような結
晶カットの角度θに依存せず、最大値が得られるように
定めている。
【0061】次に、本発明の第1の実施の形態と同じ光
学素子2を用い、この光学素子2に用いる結晶のカット
角をc軸に対してθである場合の具体例をあげて、本第
2の実施の形態の効果を説明する。この光学素子2をθ
=64.3±0.1に配置した場合、dδ/dT≦−
1.03×10-3×2π[K-1]となる。温度変化ΔT
≦±6.3℃の範囲では安定した動作が得られ、本発明
の第1の実施の形態よりも、大きな範囲で光学素子2が
良好に動作可能となる。
【0062】なお、式6によって得られる値を、温度変
化に対する共振周波数の変化(dδ/dT)を上述の値
より大きく、本発明の第1の実施の形態でした値よりも
小さい値になるようにすることで、温度を調節すること
によって光学素子2の共振周波数とレーザ共振器縦モー
ドとを一致させることもできる。例えば、レーザ共振器
の光軸に対して、c軸をレーザ共振器の光軸に対してθ
=66度傾けた場合は、次の通りである。dδ/dT=
1.37×10-2×2π[K-1]となる。このとき、Δ
T≦±12.1゜Cの温度調整で位相変化Δδ≦±π変
化することができる。なお、この場合温度制御は、±
0.8゜Cの温度制御が必要となる。
【0063】この様に、光学素子2に用いる結晶のカッ
ト角をc軸に対して適切に選ぶ事により、光学素子2の
温度による影響を排除することができ、また、温度の制
御によってQスイッチ動作に所望の共振周波数に設定さ
れた光学素子2を得ることができる。なお、上述した第
1の実施の形態および第2の実施の形態におけるレーザ
装置では、光学素子2に電圧を印加した場合、パルスレ
ーザ光が放射させるようにしているが、本発明はこれに
限らず、光学素子2の透過における共振周波数を、電圧
が無印加時に、レーザ共振器の共振周波数と一致するよ
うに光学素子2を設計し、電圧印加時には、レーザ共振
器の共振周波数のいづれとも光学素子2の共振周波数と
一致しないように設計してもよい。この場合には、光学
素子2への電圧が0Vのときに、レーザ装置でパルスレ
ーザ発振が行われる。
【0064】また、上述した第1の実施の形態および第
2の実施の形態におけるレーザ装置は、単体で用いる他
にも、複数本並列にして用いることでも構わない。つぎ
に、上述のレーザ装置を用いて、投影露光装置の光源と
して適用する場合について説明する。投影露光装置用の
光源としては、紫外域の光を必要としている。そこで、
投影露光装置用の光源は、レーザ媒体1としてアレキサ
ンドライト結晶(Cr:BeAl24)を用い、そして
レーザ共振器から放射された光を、非線形光学結晶に入
射させ波長変換することで、露光装置に用いられる紫外
光を得ている。なお、用いられる非線形光学結晶として
は、アレキサンドライト結晶のレーザ媒体1から放射さ
れる波長772nmの光を波長386nmに変換するL
BO結晶(LiB35)と、LBOから放射された波長
386nmの光を193nmに波長変換するSBBO結
晶(Sr2Be227)とを用いる。また、他にもSB
BOを使わずに、BBO結晶を2つ使い、一つ目のBB
O結晶で386nmの光と772nmの光とを用いて和
周波発生を行い、257nmの光を放射させ、更に2つ
目のBBO結晶で257nmの光と772nmの光とで
和周波発生を行い、193nmの光を得ても良い。
【0065】更に、他の方法としては、エルビウム(E
r)をドープしたガラスをレーザ媒体1に用い、波長1
542nmのレーザ光を放射させ、そのレーザ光を非線
形光学結晶でもって波長変換させても良い。このとき用
いられる非線形光学結晶としては、1542nmの光を
772nmに波長変換するKTP結晶と、772nmの
光を386nmに波長変換するLBO結晶と、386n
mの光を193nmに波長変換するSBBO結晶とを用
いる。
【0066】また、先にも述べたように、SBBOを使
わずに、BBO結晶を2つ使い、一つ目のBBO結晶で
386nmの光と772nmの光とを用いて和周波発生
を行い、257nmの光を放射させ、更に2つ目のBB
O結晶で257nmの光と772nmの光とで和周波発
生を行い、193nmの光を得ても良い。この様に、本
実施の形態におけるレーザ装置に非線形光学結晶を設け
て、193nmの光を得る。ところで、投影露光装置用
の光源として求められる要求は、光源から放射される光
の波長幅が小さく、そして、低コヒーレンスな光が求め
られ、また、光強度も大きなものが求められる。そこ
で、投影露光装置用の光源としては、レーザ装置を10
0本程度並列させた。そして、各々のレーザ装置の射出
側には、上述した非線形光学結晶を配置しており、19
3nmの紫外レーザ光を放射する。この様に、異なるレ
ーザ装置から互いに放射された光は低コヒーレンスであ
る。また、それぞれのレーザ装置には、上述の光学素子
2が用いられているため単一周波数のレーザ光となる。
【0067】従って、それぞれの光学素子2の共振周波
数、及びそれにもっと近いレーザ共振器の共振周波数と
を、所望の波長幅以内に納めることが出来る。また、一
組のレーザ装置と非線形光学結晶との組み合わせによる
レーザ光源の光強度が小さくとも、各々のレーザ装置か
ら放射される光を共通の照明光学系に入射させること
で、マスクに照射させるときには、十分な光強度を得る
ことができる。
【0068】次に、上述の考慮を適用した投影露光装置
に適用した例を図6に示す。この投影露光装置は、複数
組のレーザ装置と非線形光学結晶からなるレーザ光源6
1と、レーザ光源61から射出された光を、マスクに均
一な強度で照明させるための照明光学系62と、露光パ
ターンが描画されたマスク67を設置するためのマスク
支持部671と、マスク67に描画されたパターンを半
導体基板(または、ウェハー)691状に結像させるた
めの対物レンズ68と、基板691を載置するための移
動ステージ692とを備えている。
【0069】また、移動ステージ692は、移動ステー
ジ692を支持する移動ステージ支持部693と、移動
ステージを駆動するためのステージ駆動部695と、ス
テージ駆動部695で発生した動力を移動ステージ支持
部693に伝達するための伝達部材694とによって、
移動可能となっている。なお、照明されたマスク67上
の回路パターンは、投影対物レンズ68によって半導体
基板691に所定の倍率(1倍〜1/5倍)で縮小投影
される。基板691は移動ステージ692上に置かれ、
ステージを移動させて露光する逐次露光が行われる。ま
た、他にもマスク支持部671にマスク67を移動させ
るための移動機構を設けることで、マスクとの同期した
移動によってスキャン露光が行われる。
【0070】
【発明の効果】上述のように本発明では、偏光子などの
光学部品を付加しなくとも、高速なパルスレーザ発振可
能なレーザ装置を得ることができる。また、このレーザ
装置では、高電圧な電源を必要とせず、更に、レーザ装
置自体小型になるという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】:本発明の実施の形態であるレーザ装置の概略
構成図である。
【図2】:本発明の第1の実施の形態であるレーザ装置
における、レーザ装置のレーザ共振器の光軸方向に対す
る光学素子の結晶方位を示した図である。
【図3】:本発明の動作原理を説明した図であり、
(a)はレーザ共振器の共振周波数スペクトルを示し、
(b)は光学素子2の透過光強度スペクトルを示してい
る。
【図4】:本発明の電源3から光学素子2へ印加される
電圧の変化と、レーザ装置からのレーザ光放射との相関
を示す図である。
【図5】:本発明の第2の実施の形態であるレーザ装置
における、レーザ装置のレーザ共振器の光軸方向に対す
る光学素子の結晶方位を示した図である。
【図6】:本発明の実施の形態であるレーザ装置を用い
た投影露光装置の概略構成図である。
【図7】:従来のパルスレーザ装置の一例を示した概略
構成図である。
【符号の説明】
: 1 レーザ媒体(Nd−YVO4 結晶) 11 反射膜 2 光学素子 21、22 電極 3 電源 4 出力ミラー 5 励起光 6 レーザ光 56 レーザ光軸 61 複数本並列にした光源 62 照明光学系 67 マスク 671 マスク支持部 68 投影対物レンズ 691 半導体基板 692 移動ステージ 693 移動ステージ支持部 694 伝達部材 695 ステージ駆動部

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも第1の反射面と第2の反射面と
    を有し、前記第1の反射面及び前記第2の反射面から反
    射される光の光路中にレーザ媒体が設けられ、前記第2
    の反射面からレーザ光を出力するレーザ共振器と、 前記レーザ共振器のレーザ発振可能な周波数と一致した
    共振周波数を有する状態と、前記レーザ共振器のレーザ
    発振可能な周波数とはいずれとも異なる共振周波数を有
    する状態とを生成し、レーザ共振器の損失を可変させる
    レーザ共振器損失可変手段とを備え、 前記レーザ共振器可変手段は、前記第1の反射部と前記
    第2の反射部との間に設けられていることを特徴とする
    レーザ装置。
  2. 【請求項2】 前記レーザ共振器損失可変手段は、 前記レーザ共振器のレーザ発振可能な周波数と一致した
    共振周波数を有する状態、または前記レーザ発振可能な
    周波数とはいずれとも異なる共振周波数を有する状態と
    の二つの状態をなしえることで、前記レーザ共振器の損
    失を可変させる光学素子であり、 更に、前記光学素子の状態を、前記レーザ共振器の共振
    周波数と一致した共振周波数を有する状態、または前記
    レーザ共振器の共振周波数のいずれも一致しない共振周
    波数を有する状態とに相互に変化させる状態可変手段を
    備えていることを特徴とする請求項1記載のレーザ装
    置。
  3. 【請求項3】 前記光学素子は、電気光学効果を有した
    結晶からなり、 前記状態変化手段は、前記光学素子に印加する印加電圧
    を供給し、かつ前記印加電圧を可変する電圧供給手段か
    らなることを特徴とする請求項2記載のレーザ装置。
  4. 【請求項4】 前記レーザ共振器は、前記光学素子の共
    振周波数が前記レーザ共振器の共振周波数と一致した状
    態で、損失が小さくなり、前記光学素子の共振周波数が
    前記レーザ共振器の共振周波数のいずれと一致しない状
    態で、損失が大きくなることを特徴とする請求項1、2
    または3に記載のレーザ装置。
  5. 【請求項5】 前記光学素子は、該光学素子の結晶軸カ
    ットの方位を、最大の電気光学効果が得られ、かつ、光
    学素子の温度変化による共振周波数変化が小さくなる角
    度に定めることを特徴とする請求項4記載のレーザ装
    置。
  6. 【請求項6】 前記光学素子は、該光学素子の結晶軸カ
    ットの方位を、前記光学素子の温度変化による屈折率変
    化に応じた前記光学素子の共振周波数の変化量と、前記
    光学素子の温度変化による体積変化に応じた前記光学素
    子の共振周波数の変化量とが相殺するように、定められ
    ていることを特徴とする請求項4記載のレーザ装置。
  7. 【請求項7】 前記レーザ共振器損失可変手段における
    前記レーザ共振器の共振周波数と一致した共振周波数を
    有する状態での共振周波数は、前記レーザ共振器の共振
    スペクトルとレーザ媒体の利得スペクトルとで決められ
    るレーザ発振可能な周波数のうち所定の単一の周波数だ
    け、一致していることを特徴とする請求項1乃至6のう
    ちいづれか一項記載のレーザ装置。
  8. 【請求項8】 前記光学素子の入射面は、前記光学素子
    の入射面からの法線と、前記レーザ共振器の光軸の方向
    とが異なる方向をなすように配置されていることを特徴
    とする請求項1乃至7のうちいづれか一項記載のレーザ
    装置。
  9. 【請求項9】 前記レーザ装置を複数備え、各々の前記
    レーザ装置から放射された光をマスクに照射する照明光
    学系と、 前記マスクのパターンを感光基板に投影する投影光学系
    とを備えた請求項1乃至8のうちいづれか記載の投影露
    光装置。
  10. 【請求項10】 レーザ媒体を有したレーザ共振器の損
    失を変化させることによりパルスレーザ発振を行うパル
    スレーザ発振方法において、 前記レーザ共振器内に、共振周波数を可変することがで
    きる第1の共振器を設置し、 前記第1の共振器の共振周波数を、前記レーザ共振器の
    レーザ発振可能な周波数のいづれも一致しない周波数に
    設定し、 次に、前記第1の共振器の共振周波数を、前記レーザ共
    振器のレーザ発振可能な周波数の少なくとも一つの周波
    数と一致した周波数に設定することを特徴とするパルス
    レーザ発振方法。
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JP2006032768A (ja) * 2004-07-20 2006-02-02 Ricoh Co Ltd Ld励起固体レーザ装置
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