JPH1184084A - 放射性ヨウ素の除去方法 - Google Patents

放射性ヨウ素の除去方法

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JPH1184084A
JPH1184084A JP25146997A JP25146997A JPH1184084A JP H1184084 A JPH1184084 A JP H1184084A JP 25146997 A JP25146997 A JP 25146997A JP 25146997 A JP25146997 A JP 25146997A JP H1184084 A JPH1184084 A JP H1184084A
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JP
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iodine
solution
ldh
thermal decomposition
heat decomposition
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JP25146997A
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Eiichi Narita
榮一 成田
Yoshio Umetsu
芳生 梅津
Satoshi Takahashi
諭 高橋
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Co Op Chemical Co Ltd
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Co Op Chemical Co Ltd
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  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 原子力発電プラントや使用済核燃料施設から
発生する放射性ヨウ素含有溶液中の放射性ヨウ素を、保
管し易い固体中に取り込んで除去する新しい方法を提供
する。 【解決手段】 層状複水酸化物を加熱して得られる式
(1): 【化1】 で示される熱分解物を、放射性ヨウ素含有溶液と接触さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は原子力発電プラント
や使用済核燃料施設から生ずる放射性廃液中の放射性ヨ
ウ素の除去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】原子力関連施設では周辺環境への放出放
射能量を極力低減するための対策が講じられており、排
ガスに関しては放射性ヨウ素の除去がその対策の主眼と
なっている。その対象となる放射性ヨウ素としては、長
半減期の129 I(半減期1.57×107 年)、短半減期
131 I(半減期8.05日)が主なものであり、特に
129 Iが問題となる。放射性ヨウ素は人体の甲状腺に選
択的に吸収され放射能被爆を増大させるため、特に厳格
な放出放射能量の低減対策が施されなければならない。
原子力発電プラントや使用済核燃料施設における使用済
核燃料は、実際は多くの処理工程で処理されるが、放射
性ヨウ素の除去もその重要な処理工程の1つであり、最
終的には処理排水、処理排ガスとして系外に排出される
ため、処理工程では充分な放射性ヨウ素除去処理が必要
である。従来、放射性ヨウ素は、使用済み核燃料の処理
方法の選択で、液中の溶解状態及び/又は液中の不溶解
状態、或いは排ガス(オフガス)に含まれるガス状物質
状態とすることができるため、種々の分離技術が考えら
れる。此れ迄に報告されている処理技術は、洗浄処理方
式、固体吸着剤充填による物理・化学的処理方式、イオ
ン交換剤による処理方式等がある。
【0003】洗浄処理方式で実用化されているのはアル
カリ洗浄法のみであり、この液体吸収剤による洗浄処理
方式で処理し、液体のまま長期間貯蔵するのでは、量的
にも、また安全上も問題が多い。それ故、実際問題とし
て溶液中の放射性ヨウ素を貯蔵または処分に適した化学
系に転換する濃縮処理が必要となる場合が多い。
【0004】固体吸着剤充填による物理的処理方式で
は、活性炭等の吸着剤に吸着させて捕捉するもので、他
のガスとの交換の可能性に常に曝されており、また温度
が上昇すると容易に吸着物を放出するという難点があ
る。活性炭の場合、活性炭1g当り放射性ヨウ素吸着量
は数mgと小さく、更に可燃性であるため、高濃度のN
2 ガスが共存する場合は危険である。この物理的処理
方式に代わる固体吸着剤として開発されたのが銀添着吸
着剤であり、担体としてシリカゲル、アルミナ、ゼオラ
イト等を使用するが、高価であり、また、通常は100
℃以上で使用する必要がある。
【0005】イオン交換剤による処理方式では、イオン
交換剤の耐熱温度は100℃程度までであり、これより
高温では性能を充分に発揮させることができない。ま
た、それ自身が可燃性である場合が多く、安全管理上難
点がある。
【0006】一方、ハイドロタルサイト(Mg6 Al2
(OH)16CO3 ・4H2 O)、及び式中のMg、Al
が他の2価、3価金属に置換し、CO3 が他の陰イオン
に置換したハイドロタルサイトと同じ結晶構造を有する
化合物は、天然にも産出するが、化学的にも容易に合成
し得ることが知られている。ハイドロタルサイトを含む
これら一連の化合物を本特許では、層状複水酸化物(以
下LDHと略称する。)と仮称する。これらの化合物は
アニオン交換性を示すことから最近注目されている化合
物であり、次の一般式(3)で表わされる。
【0007】
【化3】 LDHはブルーサイト〔Mg(OH)2 〕類似のプラス
に荷電した基本層と、アニオンと層間水からなるマイナ
スに荷電した中間層とからなる層状構造化合物であり、
基本層は、M3+がM2+を置換し、その置換量によって基
本層の層電荷が決まる。この層電荷を中間層のアニオン
が中和して、結晶全体では電荷がバランスしている。層
間(本特許では中間層を層間ともいう。)のアニオンは
イオン交換性であり、LDHでは、層電荷にもよるが、
アニオン交換容量が約4meq/gと大きいことと、C
3 2-イオンに対する選択性が極めて大きいことが特徴
である。
【0008】このLDHを加熱すると、層間水は約30
0℃迄にほぼ完全に脱水し、300℃以上ではOH基の
縮合脱水とCO2 の脱離が起こり、約500〜700℃
で式(1):
【化4】 で示される熱分解物が生成することが知られている。こ
の熱分解物は水と反応して、元のLDH構造に戻るとい
う特徴を有する。その際、純水の系では、層間陰イオン
として、OH- イオンを取り込み、陰イオンを共存させ
ておけば、その陰イオンを層間に取り込む。
【0009】上記の熱分解物がLDHに戻る際の陰イオ
ンの取り込みを利用して所望の陰イオンを層間に導入す
る手法は再構築法と呼ばれ、有害物質や産業廃液中の陰
イオン性物質(例えば廃液中のアニオン染料)の除去に
利用されているが、また逆にアニオン系染料を層間に取
り込むことにより安定な着色物を得るといった用途も開
発されつつある。
【0010】本発明は、溶液中の放射性ヨウ素を除去す
るにあたり、上記の再構築法を利用し、ゲスト物質とし
て放射性ヨウ素を層間に取り込むことによる放射性ヨウ
素の除去に関するものであるが、この除去方法に関して
は従来報告されていない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、溶液中の放
射性ヨウ素を除去し、除去した放射性ヨウ素を固体内部
に取り込んで安定に固定化することのできる新しい除去
方法を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は溶液中の放
射性ヨウ素を除去するために、鋭意研究を続けた結果、
ある種のLDHを加熱して得られる熱分解物を用いる
と、再構築法でLDH構造を再生する際、放射性ヨウ素
がLDH層間に取り込まれることが分かり、本発明を完
成するに至った。
【0013】即ち、本発明は以下の発明を包含する。 (1) 溶液中の放射性ヨウ素を除去するにあたり、L
DHを加熱して得られる式(1):
【化5】 で示される熱分解物を該溶液と接触させることを特徴と
する放射性ヨウ素の除去方法。 (2) 熱分解物が式(2):
【化6】 で示される化合物である前記(1)に記載の放射性ヨウ
素の除去方法。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明は、前記したように、溶液
中の放射性ヨウ素を除去するにあたり、LDHを加熱し
て得られる熱分解物を該溶液と接触させることを特徴と
する放射性ヨウ素の分離方法に関するものである。本発
明の出発原料として用いられるLDHは、一般式(4)
で示される。
【化7】
【0015】より好ましい出発原料として用いられるL
DHは、一般式(5)で示される。
【化8】 なお、一般式(5)で示される(CO3 )形LDHを製
造するには、例えばMgCl2 (又はZnCl2 )水溶
液とAlCl3 水溶液の混合液(Mg(又はZn):A
l=2〜4:1,モル比)にAlの半分のモル数に相当
するNa2 CO3 水溶液を加え、場合によりHCl水溶
液又はNaOH水溶液で液のpHを9〜10程度に調整
し、20〜90℃程度に保ち、反応・熟成させた後、沈
澱した生成物を分離・洗浄し、40〜70℃で乾燥する
ことにより得られる。
【0016】また、一般式(4)で示されるLDHを製
造するには、Mg塩、Zn塩或いはAl塩以外に、他の
2価及び3価の金属塩も原料の対象とし、上記とほぼ同
様の方法で造られるが、(CO3 )形でないLDHを製
造するには、脱炭酸水を使用したり、窒素雰囲気下で反
応させる等反応中にCO3 2-イオンが入らないようにす
る工夫が必要である。なお、市販品(例えば、キョーワ
ード500、キョーワード1000 協和化学工業
(株)製)を利用してもよい。
【0017】次に、一般式(4)、(5)で示されるL
DHを出発原料として得られるその加熱生成物を除去剤
として用いる本発明のヨウ素の除去法について述べる
が、これに限定されるものではない。本発明では、上記
の一般式(4)または(5)て示されるLDHを用い、
これを加熱して得られる式(1):
【化9】 で示される熱分解物(以下、「M2+、M3+)O熱分解
物」と略称する。)或いは式(2):
【化10】 で示される熱分解物(以下、「(M2+、Al)O熱分解
物」と略称する。)を除去剤として用いる。そして、そ
の除去剤(熱分解物)が再構築法でLDH構造を再生す
る際に放射性ヨウ素をLDH層間に取り込むことによ
り、溶液から放射性ヨウ素を除去する。LDHから(M
2+、M3+)O熱分解物或いは(M2+、Al)O熱分解物
を得るための加熱温度は300〜800℃、好ましくは
500〜700℃であり、加熱時間は1〜10時間程度
である。
【0018】溶液中のヨウ素はI- イオン、I3 - イオ
ン、分子状ヨウ素(I2 )、IO3 - イオン等の形態で
存在すると考えられるが、上記したLDHを加熱して得
られた(M2+、M3+)O熱分解物或いは(M2+、Al)
O熱分解物に取り込まれるヨウ素の形態としては、まだ
明確には分かっていない。しかし、(Zn、Al)O熱
分解物の場合はヨウ素を取り込んで再構築されたLDH
について、粉末法によるX線回析スペクトルを測定し底
面間隔値(d003 )を調べると8.34Åであり、基本
層の厚さを差し引くと、中間層の厚さは3.54Åにな
り、中間層にはこれより小さい分子(イオン)径のゲス
トが入り易いと考えると(分子(イオン)径:I2 2.
68Å,I- 4.40Å,I3 - 2.90Å)、I3 -
イオン,分子状ヨウ素(I2 )がその対象となるが、溶
液中のI3 - イオンの安定性及びLDHの陰イオン交換
性等を考慮すると、主にI3 - イオンとしてLDH層間
に取り込まれていると推定される。
【0019】(M2+、M3+)O熱分解物或いは(M2+
Al)O熱分解物と放射性ヨウ素を含む溶液の接触は、
放射性ヨウ素を含む溶液に、粉状、粒状或いは顆粒状の
これらの熱分解物を添加してかき混ぜるか、粒状或いは
顆粒状に成形したこれらの熱分解物をカラムに充填し、
上方から処理しようとする溶液を流下させる等の手段で
行うことができる。なお、粒状或いは顆粒状にするため
に、製造課程のいずれかの段階で他の無機化合物(熱的
に安定なもの)を混合してもよい。実際のプラントで放
射性ヨウ素を含む溶液を処理する場合は、回分操作を数
段組合せ、最初のバッチより連続して処理することによ
り最終的に放射性ヨウ素濃度を殆どゼロにすることが出
来る。
【0020】これらの接触反応は、CO2 を含まぬ雰囲
気下で(例えば、窒素ガス或いは不活性ガス雰囲気
下)、室温程度の液温でおこなうのが望ましい。また、
その際、できるだけ共存陰イオンを含まぬようにする。
溶液中の他の共存陰イオン(特にCO3 2-イオン)は放
射性ヨウ素を取り込むのに妨害となるので、できるだけ
それらの陰イオン(特にCO3 2-イオン)が少なくなる
ような工夫をする。なお、(M2+、M3+)O熱分解物或
いは(M2+、Al)O熱分解物がヨウ素を取り込んで再
構築法でLDH構造を再生するに要する時間は、ヨウ素
が取り込まれる量の経時変化の測定より、室温程度で溶
液中にかき混ぜて接触する場合は、10時間程度でほぼ
平衡に達するものと判断される。これらの接触反応で、
溶液中の放射性ヨウ素は上記の熱分解物に取り込まれ、
溶液中の放射性ヨウ素は除去される。放射性ヨウ素を取
り込んだ生成物(再構築されたLDH)は、その後、固
液分離、洗浄後、乾燥して固形物として保存することが
好ましい。
【0021】再構築されたLDHは、式(6):
【化11】 で示されるLDH、或いは式(7):
【化12】 で示されるLDHになっており、取り込まれたヨウ素
(吸着されたヨウ素)は主に中間層(層間)に存在する
ものと判断される。なお、取り込まれるヨウ素(吸着さ
れたヨウ素)の形態は上記したように、I3 - イオン、
IO3 - イオン、I- イオン、分子状ヨウ素(I2 )等
が考えられるが、放射性廃液の内容によっては他の形態
のものもある可能性はある。
【0022】層間に取り込まれるヨウ素の量はヨウ素を
含む化合物の種類やその水溶液濃度等により異なるが、
分子状ヨウ素(I2 )とI- イオンを共存させた溶液
(I3 - イオンが多く生成していると判断される。)の
場合、その取り込まれる量(吸着量mmol/(M2+
3+)O熱分解物或いは(M2+、Al)O熱分解物の量
g)は0.2〜5程度である。その取り込まれる量(吸
着量mmol/(M2+、M3+)O熱分解物或いは
(M2+、Al)O熱分解物の量 g)は、(M2+、M3+
O熱分解物或いは(M2+、Al)O熱分解物と反応させ
る溶液中のヨウ素の水溶液濃度(mmol/dm3 )が
高いほど多く、この両者の関係は式(8):
【化13】 で示されるフロイントリッヒ(Freundlich)
の等温吸着式によく適合する。
【0023】上式において、テストの範囲では、n≧2
となることから、(M2+、M3+)O熱分解物或いは(M
2+、Al)O熱分解物は再構築法を利用することによ
り、ヨウ素の除去剤(或いは吸着剤)として優れている
と判断できる。テストでは、(Mg、Al)O熱分解物
が(Zn、Al)O熱分解物よりヨウ素の吸着量(取り
込んだヨウ素量)が多く、より好ましい。
【0024】(Mg、Al)O熱分解物或いは(Zn、
Al)O熱分解物がヨウ素を取り込んで再構築されたL
DHのTG−DTA(熱重量一示差熱分析)より、取り
込まれたヨウ素は(Mg、Al)O熱分解物の場合は2
00℃位、(Zn、Al)O熱分解物の場合は170℃
位迄は揮散せずに安定に固定されていると判断される。
【0025】
【実施例】以下に実施例によって本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明の主旨を逸脱しない限り、本発明は
実施例に限定されるものではない。なお、合成用の原料
は何れも試薬グレードのものを使用した。
【0026】(分析法)Mg量、Zn量およびAl量等
は原子吸光光度法、炭酸イオン量は二酸化炭素分析装置
で測定した。層間水量(中間層の水分量)は熱分析によ
る重量減少曲線で180〜220℃付近の変曲点迄の重
量減少量より求め、また、ヨウ素量はデンプン溶液とチ
オ硫酸ナトリウム溶液を用いる酸化還元滴定法で求め
た。
【0027】(合成例1) LDHの合成1 1mol/dm3 塩酸を適量加えpH=10に調整した
1mol/dm3 Na2 CO3 水溶液350cm3 をビ
ーカーに入れ、攪拌しながら40℃に保った。そこへ1
mol/dm3 MgCl2 水溶液400cm3 と1mol
/dm3 AlCl3 水溶液200cm3 の混合物を滴下し
た。この間、1mol/dm3 NaOH水溶液を滴下し
液のpHを10に保った。滴下終了後、40℃で1時間
攪拌しながら熟成した。24時間静置後、デカンテーシ
ョンでCl- イオンを除去し、更に1mol/dm3
2 CO3 水溶液350cm3 を加え、5時間加熱還流す
ることにより再び熟成をおこなった。加熱還流終了後、
固体生成物を遠心分離し、十分水洗いした後、60℃で
48時間減圧乾燥した。得られた生成物は、式〔Mg
0.67Al0.33(OH)2 0.33+ 〔(CO3 0.165
0.5H2 O〕0.33- で示されるLDHであった。
【0028】(合成例2) LDHの合成2 1mol/dm3 塩酸を適量加えpH=9に調整した1
mol/dm3 Na2CO3 水溶液350cm3 をビーカ
ーに入れ、攪拌しながら40℃に保った。そこへ1mo
l/dm3 ZnCl2 水溶液400cm3 と1mol/d
3 AlCl3水溶液200cm3 の混合物を滴下した。
この間、1mol/dm3 NaOH水溶液を滴下し液の
pHを9に保った。滴下終了後、40℃で1時間攪拌し
ながら熟成した。24時間静置後、デカンテーションで
Cl- イオンを除去し、更に1mol/dm3 Na2
3 水溶液350cm3 を加え、5時間加熱還流すること
により再び熟成をおこなった。加熱還流終了後、固体生
成物を遠心分離し、十分水洗いした後、60℃で48時
間減圧乾燥した。得られた生成物は、式〔Zn0.67Al
0.33(OH)2 0.33+ 〔(CO3 0.165 ・0.5H
2 O〕0.33- で示されるLDHであった。
【0029】(合成例3) (Mg、Al)O熱分解物
の生成 合成例1で得られたLDHを電気炉で空気雰囲気中、5
00℃、2時間加熱処理することにより、Mg0.67Al
0.331.165 で示される熱分解物を得た。
【0030】(合成例4) (Zn、Al)O熱分解物
の生成 合成例2で得られたLDHを電気炉で空気雰囲気中、5
00℃、2時間加熱処理することにより、Zn0.67Al
0.331.165 で示される熱分解物を得た。
【0031】〔ヨウ素水溶液原液の調製〕ヨウ化カリウ
ム(KI)25gを精製水30mlに溶かし、これにヨ
ウ素(I2 )13gを加えて溶解した後、精製水で全量
を1dm3 とし、ヨウ素水溶液の原液を調製した。実際
の使用にあたっては、精製水で任意の濃度に希釈して用
いた。溶液中では、I- イオン、I2 分子の他にI3 -
イオンが存在しているものと判断される。
【0032】〔実施例1〕 (Mg、Al)O熱分解物
を用いたヨウ素水溶液中のヨウ素の除去テスト 上記の方法で調製したヨウ素水溶液原液を精製水で任意
の濃度に希釈して得られたヨウ素水溶液50cm3 を栓付
三角フラスコにとり、これに合成例3で得られた(M
g、Al)O熱分解物の0.2gを添加し、容器内の気
体を窒素ガス(N2 )で置換し、窒素雰囲気下、25℃
48時間振とうし、反応させた。反応後、固液分離し、
固体生成物は60℃で24時間減圧乾燥し、ヨウ素水溶
液処理液とヨウ素を取り込んで再構築されたLDHを得
た。その後、反応後のヨウ素水溶液処理液中(上澄み液
中)のヨウ素濃度と再構築されたLDHに取り込まれた
ヨウ素量を求めた。なお、再構築されたLDHに取り込
まれたヨウ素量(吸着量)は、固液分離後のヨウ素水溶
液処理液中(上澄み液中)のヨウ素濃度と反応前のヨウ
素水溶液中のヨウ素濃度の濃度差より計算で求めた。
【0033】再構築され、ヨウ素が取り込まれたLDH
は式(9):
【化14】 で示されるものと判断される。
【0034】再構築されたLDH(ヨウ素吸着量3.8
6mmol/熱分解物g)について、大気中でTG−D
TAで加熱変化を調べ、図1に示した。それより、20
0℃付近迄層間水の脱離が起き、それ以降でヨウ素の昇
華が起きているものと推定される。
【0035】反応後のヨウ素水溶液処理液中のヨウ素濃
度(平衡濃度) C(mmol/dm3 )と、再構築さ
れたLDHに取り込まれたヨウ素量(吸着量) X/M
(mmol/熱分解物,g)の関係を、表1及び図2に
示した。
【表1】 〔実施例2〕 (Zn、Al)O熱分解物を用いたヨウ
素水溶液中のヨウ素の除去テスト 合成例3で得られた(Mg、Al)O熱分解物の代り
に、合成例4で得られた(Zn、Al)O熱分解物を用
いた以外は、実施例1と同様のテストを行った。再構築
され、ヨウ素が取り込まれたLDHは式(10):
【化15】 で示されるものと判断される。
【0036】反応後の固液分離して得られた固体生成物
の乾燥品(ヨウ素の吸着量2.63mmol/g)につ
いて、粉末法によるX線回折スペクトルより底面間隔値
(d003 )を調べると、8.34Åであり、基本層の厚
さ4.80Åを差し引くと、中間層の厚さは3.54Å
になる。これより、中間層には3.54Å以下のゲスト
が取り込まれている可能性が大きいと判断されるため、
2 、I3 - イオンが考えられるが、前記の理由でI3
- イオンとしてLDH層間に取り込まれている可能性が
高いと考えられる。
【0037】再構築されたLDH(ヨウ素吸着量2.4
7mmol/熱分解物g)について、大気中でTG−D
TAで加熱変化を調べ、図3に示した。それより、17
0℃付近迄層間水の脱離による重量減少、170℃付近
に層間水の脱離による吸熱ピーク、225℃付近にヨウ
素の昇華と判断される吸熱ピークが観察される。
【0038】反応後のヨウ素水溶液処理液中のヨウ素濃
度(平衡濃度) C(mmol/dm3 )と、再構築さ
れたLDHに取り込まれたヨウ素量(吸着量) X/M
(mmol/熱分解物,g)の関係を、表2及び図2に
示した。
【表2】
【0039】図2より、合成例3で得られた(Mg、A
l)O熱分解物または合成例4で得られた(Zn、A
l)O熱分解物を用いた何れの場合も、水溶液中の濃度
(平衡濃度)の増加とともにヨウ素吸着量は直線的に増
加しているのが分かる。
【0040】(フロイントリッヒ(Freundlic
h)の等温吸着式の適応) 図2に示された関係に基づいて、式(8):
【化16】 で示されるフロイントリッヒ(Freundlich)
の等温吸着式を適応し、その定数(k、n)を求める
と、合成例3で得られた(Mg、Al)O熱分解物を用
いた場合:k=2.26、n=4.98、合成例4で得
られた(Zn、Al)O熱分解物を用いた場合:k=
0.822、n=2.29であった。
【0041】何れの場合もn≧2となることから、(M
g、Al)O熱分解物又は(Zn、Al)O熱分解物を
用いたLDHの再構築を利用した溶液中のヨウ素の除去
方法は優れており、実用化に当り、バッチの組合せ、カ
ラム法の利用等により溶液中のヨウ素を充分に除去でき
るものと判断できる。
【0042】
【発明の効果】本発明で利用される特定のLDHを加熱
して得られる熱分解物は、溶液中で再構築してLDHを
再生する際にヨウ素を取り込み、取り込まれたヨウ素量
(吸着量mmol/熱分解物 g)は0.2〜5程度と
大きく、また、その取り込み量はフロイントリッヒ(F
reundlich)の等温吸着式で示され、その式で
n≧2となることから、該熱分解物はヨウ素の吸着剤と
して優れており、ヨウ素溶液中のヨウ素の除去、特に原
子力発電プラントや使用済核燃料施設において生ずる放
射性廃液中の放射性ヨウ素の除去に有効に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の再構築されたLDHのTG−DTA
曲線
【図2】実施例1、2の水溶液中のヨウ素濃度(平衡濃
度) C(mmol/dm3 )と吸着量 X/M(mm
ol/熱分解物,g)の関係を示す図である。
【図3】実施例2の再構築されたLDHのTG−DTA
曲線

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶液中の放射性ヨウ素を除去するにあた
    り、層状複水酸化物を加熱して得られる式(1): 【化1】 で示される熱分解物を該溶液と接触させることを特徴と
    する放射性ヨウ素の除去方法。
  2. 【請求項2】 熱分解物が式(2): 【化2】 で示される化合物である請求項1記載の放射性ヨウ素の
    除去方法。
JP25146997A 1997-09-02 1997-09-02 放射性ヨウ素の除去方法 Pending JPH1184084A (ja)

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