JPH1182984A - 廃棄物溶融炉およびそのスラグポート - Google Patents
廃棄物溶融炉およびそのスラグポートInfo
- Publication number
- JPH1182984A JPH1182984A JP9251595A JP25159597A JPH1182984A JP H1182984 A JPH1182984 A JP H1182984A JP 9251595 A JP9251595 A JP 9251595A JP 25159597 A JP25159597 A JP 25159597A JP H1182984 A JPH1182984 A JP H1182984A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- melting furnace
- slag port
- slag
- waste melting
- space
- Prior art date
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- Pending
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- Gasification And Melting Of Waste (AREA)
- Furnace Details (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 損傷や閉塞の起き難い廃棄物溶融炉のスラグ
ポートおよび長時間安定して操業可能な廃棄物溶融炉を
提供する。 【解決手段】 熱伝導性に優れた材料で形成され、内部
が中空のドーナツ形状をしており、前記内部空間が同心
円状に２以上に分割された構造を有し、かつ前記同心円
状に分割された空間には外側に位置する空間ほど高い冷
却能を有する冷媒が流通される廃棄物溶融炉のスラグポ
ート。廃棄物溶融炉の内側に面する表面がセラミックコ
ーティングされている上記廃棄物溶融炉のスラグポー
ト。上記スラグポートを備えた廃棄物溶融炉。
ポートおよび長時間安定して操業可能な廃棄物溶融炉を
提供する。 【解決手段】 熱伝導性に優れた材料で形成され、内部
が中空のドーナツ形状をしており、前記内部空間が同心
円状に２以上に分割された構造を有し、かつ前記同心円
状に分割された空間には外側に位置する空間ほど高い冷
却能を有する冷媒が流通される廃棄物溶融炉のスラグポ
ート。廃棄物溶融炉の内側に面する表面がセラミックコ
ーティングされている上記廃棄物溶融炉のスラグポー
ト。上記スラグポートを備えた廃棄物溶融炉。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は廃棄物溶融炉のスラ
グポートおよびそれを用いた廃棄物溶融炉に関する。
グポートおよびそれを用いた廃棄物溶融炉に関する。
【０００２】
【従来の技術】下水汚泥などを溶融処理する廃棄物溶融
炉の炉床には、溶融スラグを排出するためのスラグポー
トが設けられている。このスラグポートは溶融炉の炉壁
に用いられている耐火物と同様な耐火物で形成されてお
り、特開平３−９１６０９号公報に記載されているよう
なすり鉢状の形状をしたものが多い。
炉の炉床には、溶融スラグを排出するためのスラグポー
トが設けられている。このスラグポートは溶融炉の炉壁
に用いられている耐火物と同様な耐火物で形成されてお
り、特開平３−９１６０９号公報に記載されているよう
なすり鉢状の形状をしたものが多い。
【０００３】スラグポートからは１４００℃程度の溶融
スラグが絶えず集中的に流出しているため、スラグポー
トを構成する耐火物は損傷され易く、しばしば操業を停
止してその交換を行う必要がある。そのため、廃棄物溶
融炉の操業が著しく阻害されるばかりでなく、運転コス
トの増大にもつながっている。
スラグが絶えず集中的に流出しているため、スラグポー
トを構成する耐火物は損傷され易く、しばしば操業を停
止してその交換を行う必要がある。そのため、廃棄物溶
融炉の操業が著しく阻害されるばかりでなく、運転コス
トの増大にもつながっている。
【０００４】スラグポートを構成する耐火物の損傷を防
止するために、例えば特開平２−２９８７１８号公報に
記載されているように耐火物の背面に水冷ジャケットを
設けて冷却したり、特開平３−１５６２８７号公報に提
案されているように耐火物の表面をクロムやクロム合金
などの耐火金属部材で被覆する手段が提案されている。
止するために、例えば特開平２−２９８７１８号公報に
記載されているように耐火物の背面に水冷ジャケットを
設けて冷却したり、特開平３−１５６２８７号公報に提
案されているように耐火物の表面をクロムやクロム合金
などの耐火金属部材で被覆する手段が提案されている。
【０００５】
【発明が解決しようとす課題】しかしながら、水冷ジャ
ケットを設ける場合には、水冷効果が大き過ぎると溶融
スラグが過剰に固化してスラグポートを閉塞し、水冷効
果が小さ過ぎると耐火物の損傷が起こり、その調整が非
常に難しいといった問題がある。また、耐火金属部材で
耐火物を被覆する場合には、長時間使用すると耐火金属
部材自体が溶損して耐火物が損傷を受けるといった問題
がある。
ケットを設ける場合には、水冷効果が大き過ぎると溶融
スラグが過剰に固化してスラグポートを閉塞し、水冷効
果が小さ過ぎると耐火物の損傷が起こり、その調整が非
常に難しいといった問題がある。また、耐火金属部材で
耐火物を被覆する場合には、長時間使用すると耐火金属
部材自体が溶損して耐火物が損傷を受けるといった問題
がある。
【０００６】本発明はこのような課題を解決するために
なされたもので、損傷や閉塞の起き難い廃棄物溶融炉の
スラグポートおよび長時間安定して操業可能な廃棄物溶
融炉を提供することを目的とする。
なされたもので、損傷や閉塞の起き難い廃棄物溶融炉の
スラグポートおよび長時間安定して操業可能な廃棄物溶
融炉を提供することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】上記課題は、熱伝導性に
優れた材料で形成され、内部が中空のドーナツ形状をし
ており、前記内部空間が同心円状に２以上に分割された
構造を有し、かつ前記同心円状に分割された空間には外
側に位置する空間ほど高い冷却能を有する冷媒が流通さ
れる廃棄物溶融炉のスラグポートにより解決される。
優れた材料で形成され、内部が中空のドーナツ形状をし
ており、前記内部空間が同心円状に２以上に分割された
構造を有し、かつ前記同心円状に分割された空間には外
側に位置する空間ほど高い冷却能を有する冷媒が流通さ
れる廃棄物溶融炉のスラグポートにより解決される。
【０００８】熱伝導性の優れた材料で形成され、内部が
中空のドーナツ形状をしており、その内部空間が同心円
状に２以上に分割された構造を有したスラグポートを溶
融炉の排出部に設け、その同心円状に分割された空間に
外側に位置する空間ほど高い冷却能を有する冷媒を流通
させれば、溶融炉内側に面するスラグポート表面には、
熱伝導性に優れた材料を用いているため内部を流通する
冷媒の冷却能の差が顕著に反映されて、中心部近辺で薄
く、外側へいくほど厚く溶融スラグが固化し堆積する。
したがって、スラグポートの上に固化スラグでできたす
り鉢状のスラグポートが新たに形成されることになる。
固化スラグの厚さは形成される位置での冷却速度に律速
されるため、一度形成されると安定するとともに、同種
の溶融スラグによる損傷も起こらない。また、中心部近
辺は冷却能の低い冷媒によって弱冷却されるので、スラ
グポートが閉塞されることもない。
中空のドーナツ形状をしており、その内部空間が同心円
状に２以上に分割された構造を有したスラグポートを溶
融炉の排出部に設け、その同心円状に分割された空間に
外側に位置する空間ほど高い冷却能を有する冷媒を流通
させれば、溶融炉内側に面するスラグポート表面には、
熱伝導性に優れた材料を用いているため内部を流通する
冷媒の冷却能の差が顕著に反映されて、中心部近辺で薄
く、外側へいくほど厚く溶融スラグが固化し堆積する。
したがって、スラグポートの上に固化スラグでできたす
り鉢状のスラグポートが新たに形成されることになる。
固化スラグの厚さは形成される位置での冷却速度に律速
されるため、一度形成されると安定するとともに、同種
の溶融スラグによる損傷も起こらない。また、中心部近
辺は冷却能の低い冷媒によって弱冷却されるので、スラ
グポートが閉塞されることもない。
【０００９】スラグポートを形成する熱伝導性に優れた
材料の溶損は、最初に表面に付着する溶融スラグが直ち
に固化して表面を保護するためにほとんど問題にならな
いが、その表面をセラミックコーティングしておけば、
その溶損を完全に防止できる。
材料の溶損は、最初に表面に付着する溶融スラグが直ち
に固化して表面を保護するためにほとんど問題にならな
いが、その表面をセラミックコーティングしておけば、
その溶損を完全に防止できる。
【００１０】このようなスラグポートを備えた廃棄物溶
融炉を用いれば、その操業を長期間安定して行える。
融炉を用いれば、その操業を長期間安定して行える。
【００１１】なお、熱伝導性に優れた材料、冷媒、表面
にコーティングするセラミックなどの種類は、溶融スラ
グの種類や温度などにより適宜選択する必要がある。
にコーティングするセラミックなどの種類は、溶融スラ
グの種類や温度などにより適宜選択する必要がある。
【００１２】
【発明の実施の形態】図１に、本発明である廃棄物溶融
炉のスラグポートの１実施の形態を示す。図１で、
（ａ）は外観図、（ｂ）は（ａ）のＡ−Ａ’断面図であ
る。
炉のスラグポートの１実施の形態を示す。図１で、
（ａ）は外観図、（ｂ）は（ａ）のＡ−Ａ’断面図であ
る。
【００１３】図１のスラグポート１は、熱伝導性に優れ
た材料で形成され、中心に開口部２を有した内部が中空
のドーナツ形状をしており、その内部空間が同心円状に
３つに分割された構造をしている。各空間はさらに上下
に２分割されており、上部の溶融炉内側は冷媒である圧
縮空気が流通される冷媒ジャケット３になっており、下
部は冷媒を流さないときにも熱伝導性に優れた材料の溶
損が起きないように水冷ジャケット４になっている。ま
た、スラグポート１の溶融炉内側に面した表面にはアル
ミナを主成分とするセラミックコーティングが施されて
いる。
た材料で形成され、中心に開口部２を有した内部が中空
のドーナツ形状をしており、その内部空間が同心円状に
３つに分割された構造をしている。各空間はさらに上下
に２分割されており、上部の溶融炉内側は冷媒である圧
縮空気が流通される冷媒ジャケット３になっており、下
部は冷媒を流さないときにも熱伝導性に優れた材料の溶
損が起きないように水冷ジャケット４になっている。ま
た、スラグポート１の溶融炉内側に面した表面にはアル
ミナを主成分とするセラミックコーティングが施されて
いる。
【００１４】図２に、図１のスラグポート１を廃棄物溶
融炉に設置後、定常状態になったときの状態を示す。
融炉に設置後、定常状態になったときの状態を示す。
【００１５】図１のスラグポート１を廃棄物溶融炉に設
置後、冷媒ジャケット３に圧縮空気を流通し、その流速
を開口部２側から外側に位置する冷媒ジャケット３ほど
速くすれば、外側ほど冷却能が高くなるので、溶融スラ
グはスラグポート１の表面に開口部２側から外側にかけ
て厚みを増して堆積・固化する。そして、冷媒ジャケッ
ト３の冷却能と溶融スラグの固化が律速段階になると、
図２のようなすり鉢状の固化スラグ５が形成され、この
固化スラグ５が新たなスラグポートとなる。
置後、冷媒ジャケット３に圧縮空気を流通し、その流速
を開口部２側から外側に位置する冷媒ジャケット３ほど
速くすれば、外側ほど冷却能が高くなるので、溶融スラ
グはスラグポート１の表面に開口部２側から外側にかけ
て厚みを増して堆積・固化する。そして、冷媒ジャケッ
ト３の冷却能と溶融スラグの固化が律速段階になると、
図２のようなすり鉢状の固化スラグ５が形成され、この
固化スラグ５が新たなスラグポートとなる。
【００１６】この新たなスラグポートは溶融スラグが固
化してできたものであるから、損傷や変質などは起こら
ない。また、中心の開口部２近辺は冷却能の低い冷媒に
よって弱冷却されるので、スラグポート１が閉塞される
こともない。
化してできたものであるから、損傷や変質などは起こら
ない。また、中心の開口部２近辺は冷却能の低い冷媒に
よって弱冷却されるので、スラグポート１が閉塞される
こともない。
【００１７】いま、厚さ１ｍｍの熱伝導性に優れたステ
ンレス鋼で形成され、表面に厚さ２００μｍのアルミナ
コーティングが施され、厚さ５ｍｍの流路の冷媒ジャケ
ットと、厚さ２５ｍｍの流路の水冷ジャケットが内蔵さ
れた図１に示すようなスラグポートを実際に下水汚泥溶
融炉の炉床に設け、水冷ジャケットには４５℃の水を流
通し、冷媒ジャケットには圧縮空気を、その流速を開口
部側から外側に位置する冷媒ジャケットに順次１０ｍ／
ｓ、３０ｍ／ｓ、５０ｍ／ｓと変えて流通したところ、
それぞれの圧縮空気の流速に対応した位置に、平均厚さ
１５ｍｍ、３６ｍｍ、５４ｍｍの図２に示すようなすり
鉢状の固化スラグが形成された。そして、この固化スラ
グの形状は経時的に安定し、スラグポートが閉塞するこ
ともなかった。
ンレス鋼で形成され、表面に厚さ２００μｍのアルミナ
コーティングが施され、厚さ５ｍｍの流路の冷媒ジャケ
ットと、厚さ２５ｍｍの流路の水冷ジャケットが内蔵さ
れた図１に示すようなスラグポートを実際に下水汚泥溶
融炉の炉床に設け、水冷ジャケットには４５℃の水を流
通し、冷媒ジャケットには圧縮空気を、その流速を開口
部側から外側に位置する冷媒ジャケットに順次１０ｍ／
ｓ、３０ｍ／ｓ、５０ｍ／ｓと変えて流通したところ、
それぞれの圧縮空気の流速に対応した位置に、平均厚さ
１５ｍｍ、３６ｍｍ、５４ｍｍの図２に示すようなすり
鉢状の固化スラグが形成された。そして、この固化スラ
グの形状は経時的に安定し、スラグポートが閉塞するこ
ともなかった。
【００１８】熱伝導性に優れた材料としては、上記のス
テンレス鋼の他、耐熱鋳鋼のような金属や黒鉛なども用
いることができる。冷媒は、圧縮空気の他、シリコン油
などの高融点の液体も用いることができる。
テンレス鋼の他、耐熱鋳鋼のような金属や黒鉛なども用
いることができる。冷媒は、圧縮空気の他、シリコン油
などの高融点の液体も用いることができる。
【００１９】固化スラグのすり鉢形状の開き角を変える
には、圧縮空気の流速を変えても可能だが、冷媒を変え
たり、スラグポートの内部空間の分割の仕方を変えても
行える。
には、圧縮空気の流速を変えても可能だが、冷媒を変え
たり、スラグポートの内部空間の分割の仕方を変えても
行える。
【００２０】
【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので、損傷や閉塞の起き難い廃棄物溶融炉のスラグ
ポートおよび長時間安定して操業可能な廃棄物溶融炉を
提供できる。
いるので、損傷や閉塞の起き難い廃棄物溶融炉のスラグ
ポートおよび長時間安定して操業可能な廃棄物溶融炉を
提供できる。
【図１】本発明である廃棄物溶融炉のスラグポートの１
実施の形態を示す図である。
実施の形態を示す図である。
【図２】図１のスラグポートを廃棄物溶融炉に設置後、
定常状態になったときの状態を示す図である。
定常状態になったときの状態を示す図である。
１スラグポート ２開口部 ３冷媒(圧縮空気)ジャケット ４水冷ジャケット ５固化スラグ
Claims (3)
- 【請求項１】 熱伝導性に優れた材料で形成され、内部
が中空のドーナツ形状をしており、前記内部空間が同心
円状に２以上に分割された構造を有し、かつ前記同心円
状に分割された空間には外側に位置する空間ほど高い冷
却能を有する冷媒が流通される廃棄物溶融炉のスラグポ
ート。 - 【請求項２】 廃棄物溶融炉の内側に面する表面がセラ
ミックコーティングされている請求項１に記載の廃棄物
溶融炉のスラグポート。 - 【請求項３】 請求項１または請求項２に記載のスラグ
ポートを備えた廃棄物溶融炉。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9251595A JPH1182984A (ja) | 1997-09-17 | 1997-09-17 | 廃棄物溶融炉およびそのスラグポート |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9251595A JPH1182984A (ja) | 1997-09-17 | 1997-09-17 | 廃棄物溶融炉およびそのスラグポート |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1182984A true JPH1182984A (ja) | 1999-03-26 |
Family
ID=17225167
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9251595A Pending JPH1182984A (ja) | 1997-09-17 | 1997-09-17 | 廃棄物溶融炉およびそのスラグポート |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1182984A (ja) |
-
1997
- 1997-09-17 JP JP9251595A patent/JPH1182984A/ja active Pending
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20041220 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050113 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050512 |