JPH1182891A - 気体の貯蔵・送出方法及び気体の貯蔵・送出装置 - Google Patents

気体の貯蔵・送出方法及び気体の貯蔵・送出装置

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JPH1182891A
JPH1182891A JP10034460A JP3446098A JPH1182891A JP H1182891 A JPH1182891 A JP H1182891A JP 10034460 A JP10034460 A JP 10034460A JP 3446098 A JP3446098 A JP 3446098A JP H1182891 A JPH1182891 A JP H1182891A
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裕二 渋沢
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浩二 石森
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特定の相当量の気体化合物を効率よく吸着
し、安全、安定に貯蔵し、該気体の大気への放出を抑制
しつつ安全にかつ効率よく送出する方法及び装置を提供
する。 【解決手段】 所定量の用いる水素化化合物またはハロ
ゲン化化合物気体をフェノール樹脂を主原料とする活性
炭と接触させて、大気圧以下の貯蔵環境下で該活性炭に
吸着させて貯蔵し、吸着した該気体の少なくとも一部を
脱着して、作業環境下へ送出する方法および装置によ
る。また、水素化化合物及びハロゲン化化合物気体と密
閉空間内で事前に接触させて吸着させる吸着工程と、該
吸着反応を経た系を反応促進する工程と、該反応促進工
程を経た該気体を該密閉空間から排出する排出工程の一
連の工程により活性炭を処理する方法および装置によ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は例えば半導体工業で
イオン注入ガス用として用いられるアルシン、ホスフィ
ン、3フッ化ホウ素等の水素化化合物又はハロゲン化化
合物気体を貯蔵及び送出する方法及び装置に関し、より
詳細には相当量の該気体を高純度に長期間安定、安全に
吸着貯蔵し、該気体の大気への放出を抑制しつつ安全に
送出するのに優れた気体貯蔵・供給方法及び装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば半導体業界では、アルシン(As
3 )、ホスフィン(PH3 )、3フッ化ホウ素(BF
3 )などの人体に極めて有毒な気体が、半導体の製造の
ためのイオン注入プロセスに用いるなどの目的で広く用
いられている。代表的には、アルシンはこれらの商業的
な用途のために、純アルシン或いは水素或いはヘリウム
のようなバランスガスとの混合アルシンのいずれかを含
有するシリンダ或いはボンベによって都合よく供給され
る。これらのアルシン含有シリンダの漏れは、特にこれ
らのシリンダの移送及び出荷中、潜在的に非常に危険で
ある。かかる課題を解決するべくアルシンを多孔質結晶
状のアルミナケイ酸塩であるゼオライトに吸着させて負
圧の下で貯蔵する方法が、例えば1988年5月17日
発行の米国特許第474421号に開示されている。こ
の方法によれば、一旦負圧下でゼオライトに吸着させた
アルシンを可逆反応としてゼオライトから脱着させて、
必要な現場に送出する際、かかる負圧によって有毒なア
ルシンが大気に拡散する危険性を回避することができ
る。
【0003】しかしながら、ゼオライトを用いると室温
においてアルシンが砒素と水素に分解するため、取り出
し可能な純アルシンの濃度が低下するとともに、時間の
経過とともに発生する水素に起因してボンベ内圧が上昇
して、場合によっては大気圧以上になり、アルシンが外
部に漏れ出す危険が生じる。
【0004】これら危険を回避するために、PCT W
O96/11739では不純物が少ない活性炭が半導体
工業でイオン注入ガス用として用いられるアルシン、ホ
スフィン、3フッ化ホウ素などの気体化合物貯蔵に適す
ることが開示されている。しかし、一般の活性炭はヤシ
殻、石炭等の天然物を原料とするため、活性炭の製造工
程の一つである賦活工程で細孔形成を行うと、原料中に
存在する不純物の影響、又は原料組成及び構造の不均質
性に起因し、細孔径分布が幅広くなり、特定の気体化合
物を効率よく吸着貯蔵するためには不適切であった。さ
らに原料は産地、採取時期等に由来するロット間差があ
るために、細孔径分布を厳密に制御するのは困難であ
る。
【0005】また、ボンベ内に詰めた活性炭粒子は充分
に高い強度を有していないと、ボンベ移動時及び気体の
吸脱着時に生じる圧力変動により、活性炭粒子相互又は
活性炭粒子とボンベ壁面と擦れ合う可能性があるため、
活性炭が劣化しボンベ内で炭素微粉が発生し、ボンベか
ら気体化合物を取り出す際に通過させる気体濾過器のフ
ィルターにこの炭素微粒子が目詰まりを生じてしまう等
の問題があった。
【0006】天然物由来の活性炭には不純物として各種
金属類が存在しているが、これを含有したままアルシ
ン、ホスフィン等の吸着貯蔵に用いると、例えば次式に
示すようにアルシンが砒素と水素に分解されるなど、前
述のゼオライトを吸着材として用いた時と同様に、吸着
した気体化合物の分解が生じる。 AsH3 →As+3/2H2
【0007】これに伴い、第一に送出の際、取り出し可
能な純アルシンの濃度が低下する。第二に時間の経過と
共に、発生する水素に起因してボンベ内圧力が上昇し、
場合によっては初期の負圧状態から大気圧以上となり、
送出の際、アルシン等の猛毒性の気体が外部に漏れ出す
危険を生じる。
【0008】そこで、一般には活性炭の純度を高めるた
めに塩酸、硝酸、りん酸、硫酸等の酸で洗浄を行う。し
かし、酸洗浄を行うと、酸洗浄に用いた物質のアニオン
が活性炭に残存することがあり、これら活性炭をアルシ
ン、ホスフィン等の吸着貯蔵に用いると、これらアニオ
ンが還元され、窒素ガス、酸素ガス等が発生し、前述の
場合と同様、貯蔵気体の純度が低下、気体漏出などの問
題が生じることがあった。
【0009】また、高純度の原料を用いて製造した高純
度活性炭を用いた場合に於いては、例えばアルシンが砒
素と水素に分解される問題は回避されるものの、該高純
度活性炭とアルシンなど気体が反応し、水素、窒素、一
酸化炭素、二酸化炭素などの不純物を発生する。この場
合によって生じる不純物気体は、前述のアルシンなどの
自己分解によって発生する水素ガスとは異なり、通常貯
蔵容器内の気体圧力が大気圧以上に達することはなく、
その点で送出の際の外部環境への漏出の危険性は少ない
ものの、アルシン、ホスフィン、3フッ化ホウ素等は、
半導体業界でイオン注入プロセスに於いて使用されるも
のであり、例えばSEMI Internationa
l Standards(1990年)によれば、その
要求純度はいずれも少なくとも99.9%以上であるた
め、気体の純度の低下がこれらの気体の価値を著しく損
なう場合があった。
【0010】また、通常の作業環境温度下で吸着して貯
蔵した半導体製造に用いる特定の水素化化合物及びハロ
ゲン化化合物気体を流量を制御しながら真空ポンプを用
いて吸引、脱着して送出し使用する場合、該気体の流量
及び/又は真空ポンプの性能にもよるが、最終的に少な
からぬ該気体が容器内に残存してしまい、有効に利用で
きる該気体の量が限られていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは上記の課
題を解決すべく鋭意研究した結果、 本発明を完成したも
のであって、 本発明の目的は特定の相当量の気体化合物
を効率よく吸着し、安全、安定に貯蔵し、該気体の大気
への放出を抑制しつつ安全にかつ効率よく送出する方法
及び装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明においては、上
記のような課題を解決するため、所定量の用いる水素化
化合物又はハロゲン化化合物気体をフェノール樹脂を主
原料とする活性炭と接触させて、大気圧以下の貯蔵環境
下で該活性炭に吸着させて貯蔵し、吸着した該気体の少
なくとも一部を脱着して、作業環境下へ送出する方法を
開発した。
【0013】また、この発明においては、所定量の用い
る水素化化合物又はハロゲン化化合物気体をフェノール
樹脂を主原料とする活性炭と接触させて、大気圧以下の
貯蔵環境下で該活性炭に吸着させて貯蔵し、吸着した該
気体の少なくとも一部を脱着して、作業環境下へ送出す
る装置を開発した。
【0014】また、この発明においては、それらの方法
及び装置に用いるフェノール樹脂を主原料とする活性炭
として、フェノール樹脂粉末の炭化、 賦活粒子が結合し
てなる粒状炭素成形物で、 その比表面積が700〜15
00m2/g、細孔直径0.01〜10μmの細孔容積
が0.1〜1.0cc/g、細孔直径10nm以下の細
孔容積が0.20〜0.80cc/gであり、かつ細孔
直径10nm以下の細孔容積に占める細孔直径0.6〜
0.8nmの細孔容積の割合が75vol%以上、粒子
嵩密度が0.4〜 1.1g/cc、充填密度が0.3
0〜0.70g/cc、灰分量が1.0%以下、活性炭
粒子の引張り強度が30kg/cm2 以上であることを
特徴とする活性炭を使用する方法及び装置を開発した。
【0015】また、この発明においては、水素化化合物
及びハロゲン化化合物気体と密閉空間内で事前に接触さ
せて吸着させる吸着工程と、該吸着反応を経た系を反応
促進する工程と、該反応促進工程を経た該気体を該密閉
空間から排出する排出工程の一連の工程により活性炭を
処理して、該気体と同種又は異種の水素化化合物及びハ
ロゲン化化合物気体を吸着して貯蔵する時に、該活性炭
と該貯蔵気体の接触により生じる不純物気体に起因す
る、該貯蔵気体の純度低下が起きることを防止する方法
を開発した。
【0016】また、この発明においては、水素化化合物
及びハロゲン化化合物気体と密閉空間内で事前に接触さ
せて吸着させる吸着工程と、該吸着反応を経た系を反応
促進する工程と、該反応促進工程を経た該気体を該密閉
空間から排出する排出工程の一連の工程により活性炭を
処理して、該気体と同種又は異種の水素化化合物及びハ
ロゲン化化合物気体を吸着して貯蔵する時に、該活性炭
と該貯蔵気体の接触により生じる不純物気体に起因す
る、該貯蔵気体の純度低下が起きることを防止する装置
を開発した。
【0017】また、この発明においては、それらの用い
る水素化化合物又はハロゲン化化合物気体をフェノール
樹脂を主原料とする活性炭と接触させて、大気圧以下の
貯蔵環境下で該活性炭に吸着させて貯蔵し、吸着した該
気体の少なくとも一部を脱着して、作業環境下へ送出す
る装置の構造が、貯蔵された該気体の有効に利用できる
量を増加させるために、該活性炭を収納する容器を該活
性炭ごと加熱することができる、温度制御機能付き加熱
ユニットを具備した方法又は装置を開発した。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態を詳細に
記載する。
【0019】本発明において、所定量の水素化化合物又
はハロゲン化化合物気体をフェノール樹脂を主原料とす
る活性炭と接触させて、大気圧以下の貯蔵環境下で該活
性炭に吸着させて貯蔵し、吸着した該気体の少なくとも
一部を脱着して、作業環境下へ送出するために、負圧に
引くことを特徴とする水素化化合物又はハロゲン化化合
物気体を貯蔵し、その後に送出する装置は、例えば図1
に示すように、容器1、容器弁2、容器弁内蔵フィルタ
ー3、上部空間4、パージ弁5、圧力計6、バイパス弁
7、ラインフィルタ8、エアー駆動弁9、マスフローコ
ントローラー10、接続配管11、活性炭12により構
成される。該装置は、少なくとも容器1及び活性炭12
を加熱するヒーターと加熱温度を制御するユニットを同
時に具備してもかまわない。また、上記の容器1から接
続配管11は、充分な真空気密性能を有することが好ま
しい。
【0020】本発明において、所定量の水素化化合物又
はハロゲン化化合物気体をフェノール樹脂を主原料とす
る活性炭と接触させて、大気圧以下の貯蔵環境下で該活
性炭に吸着させて貯蔵し、吸着した該気体の少なくとも
一部を脱着して、作業環境下へ送出するために、負圧に
引くことを特徴とする水素化化合物又はハロゲン化化合
物気体を貯蔵し、その後に送出する方法又は装置に使用
する活性炭は、細孔直径、細孔容積が微妙に制御可能で
あり、原料としての均一性、ロット間の均一性に優れる
フェノール樹脂を原料とする活性炭が好ましく、さらに
好ましくは、フェノール樹脂粉末の炭化、 賦活粒子が結
合してなる粒状炭素成形物で、 その比表面積が800〜
1500m2 /g、細孔直径0.01〜10μmの細孔
容積が0.1〜1.0cc/g、細孔直径10nm以下
の細孔容積が0.20〜0.80cc/gであり、かつ
細孔直径10nm以下の細孔容積に占める細孔直径0.
6〜0.8nmの細孔容積の割合が75vol%以上、
粒子嵩密度が0.4〜1.1g/cc、充填密度が0.
30〜0.70g/cc、灰分量が1.0%以下、粒子
の引張り強度が30kg/cm2 以上である。
【0021】さらに好ましくは、本発明において別途提
案されている、例えばアルシン、ホスフィン、3フッ化
ホウ素等の水素化化合物及びハロゲン化化合物気体と密
閉空間内で事前に接触させて吸着させる吸着工程と、該
吸着反応を経た系を反応促進する工程と、該反応促進工
程を経た該気体を該密閉空間から排出する排出工程の一
連の工程により処理されたフェノール樹脂を主原料とす
る活性炭である。
【0022】該活性炭の比表面積は800〜1500m
2 /g、好ましくは850〜1400m2 /g、最も好
ましくは900〜1300m2 /g、である。比表面積
が800m2 /gより小さい場合は、アルシン、ホスフ
ィン等の気体化合物の吸着サイトの量が少なすぎて吸着
容量が低く好ましくない。また、比表面積が1500m
2 /g以上ではアルシン、ホスフィン等の気体化合物の
吸着に有効に働くと考えられる細孔直径0.6〜0.8
nmの細孔容積が小さくなり好ましくない。
【0023】該活性炭の細孔直径0.01〜10μmの
細孔容積は0.1〜1.0cc/g、好ましくは0.2
〜0.8cc/g、最も好ましくは0.3〜0.7cc
/gである。この範囲の細孔容積が0.1cc/gより
小さいと、アルシン、ホスフィン等の気体化合物の細孔
内の拡散速度が遅くなって、吸着速度、脱着速度が低下
し好ましくない。また、この細孔直径0.01〜10μ
mの細孔容積が1.0cc/gより大きいと粒子嵩密度
及び粒子の機械的強度が小さくなり好ましくない。
【0024】また、該活性炭は細孔直径10nm以下の
細孔容積が0.20〜0.80cc/g、かつ細孔直径
10nm以下の細孔容積に占める細孔直径0.6〜0.
8nmの細孔容積の割合が75vol%以上である。細
孔直径10nm以下の細孔容積は、好ましくは0.30
〜0.70cc/g、最も好ましくは0.30〜0.6
0cc/gである。この細孔直径10nm以下の細孔容
積が小さくなると、細孔直径0.6〜0.8nmの細孔
容積も低下するので、アルシン、ホスフィン等の気体化
合物の吸着容量が低下し、また細孔直径10nm以下の
細孔容積が大きすぎると、細孔直径0.6〜0.8nm
の細孔容積の割合が減少して好ましくない。
【0025】また、細孔直径0.6〜0.8nmの細孔
容積は細孔直径10nm以下の細孔容積の75vol%
以上、好ましくは78vol%以上、最も好ましくは8
0vol%以上である。アルシン(As H3 )、ホスフ
ィ ン(PH3 )の分子の大きさを分子力学法で計算した
構造に対して、各分子のvan der Waals半
径を用いて計算した結果それぞれの分子の長軸は0.4
5nm、0.49nm程度となるが、これら分子を吸着
するのに有効に作用する細孔は、その分子径を少し上回
る程度の直径を有する細孔であり、細孔直径0.6〜
0.8nmの細孔と考えられる。細孔直径が分子の大き
さに対して小さ過ぎる細孔では、分子の吸着速度が小さ
くなり好ましくない。また、細孔直径が分子の大きさに
対してかなり大きい場合には吸着速度と同時に脱着速度
も高くなり、平衡吸着量が低下し好ましくない。
【0026】従って、これら分子を吸着するのに有効に
作用する細孔直径0.6〜0.8nmの細孔容積が細孔
直径10nm以下の細孔容積の75vol%より小さく
なるとアルシン(AsH3 )、ホスフィ ン(PH3 )等
の気体化合物の吸着容量が低下し好ましくない。
【0027】また、活性炭の粒子嵩密度は0.4〜1.
2g/cc、好ましくは0.5〜1.0g/cc、最も
好ましくは0.6〜0.8g/ccである。粒子嵩密度
が小さすぎるとボンベ等の容器に充填した際に、容器の
内容積当たりの吸着能力が低下し好ましくない。また、
大き過ぎると活性炭の細孔の連通性が低下し吸着能力の
低下を来すので好ましくない。
【0028】また、活性炭をボンベ等の容器に充填した
際の充填密度は0.3〜 0.7g/cc、好ましくは
0.5〜0.65g/ccである。充填密度が小さすぎ
るとボンベ等の内容積当たりの吸着能力が低下し好まし
くない。本発明の活性炭の形状は円柱状、球状等の他、
円筒状やその他の異形断面のものを用いることができ
る。
【0029】また、活性炭粒子の大きさは0.3〜5m
m、好ましくは0.6〜4mm、最も好ましくは0.8
〜3mmである。粒子が大きすぎるとボンベ等の容器に
充填した際に、充填密度を高くできず好ましくない。粒
子が小さすぎると粒子製造時、及びボンベ等への充填作
業時の作業性が悪く好ましくない。
【0030】また、例えば活性炭をアルシン、ホスフィ
ン、3フッ化ホウ素等の水素化化合物及びハロゲン化化
合物気体と密閉空間内で事前に接触させて吸着させる吸
着工程と、該吸着反応を経た系を反応促進する工程と、
該反応促進工程を経た該気体を該密閉空間から排出する
排出工程の一連の工程を活性炭に対して施す。その理由
は、活性炭の細孔表面に存在する水素、窒素、酸素、炭
素原子を予め強制的に除去することにより、貯蔵する気
体化合物中に不純物の混入するのを防ぐためである。事
前に注入される気体化合物は活性炭表面に単に物理吸着
するだけでなく、活性炭表面の水素、窒素、酸素、炭素
原子と化学的に反応し水素、窒素、一酸化炭素、二酸化
炭素の発生を引き起こし、事前に注入された気体化合物
中に混入する。従って、もはや活性炭中には貯蔵する気
体化合物と反応して生じる不純物の原因となる原子は減
少しており、貯蔵する気体化合物中への不純物の混入は
回避できる。
【0031】また、該反応促進工程は、該密閉空間内の
所定量のアルシン、ホスフィン、3フッ化ホウ素等の気
体化合物を加熱する段階を含むのが好ましい。この加熱
工程における温度は、水素化化合物又はハロゲン化化合
物気体を貯蔵し、その後に送出する装置が使用される一
般的な使用環境温度である30℃以上であることが好ま
しく、50℃以上であることがさらに好ましく、100
℃から200℃であることが最も好ましい。200℃を
越えるとアルシンなどの気体化合物が自己分解を起こし
てしまうため好ましくない。
【0032】該反応促進工程の加熱に要する時間は、加
熱温度に大きく依存するが、例えば100℃以上の加熱
温度の条件下では、1時間以上が好ましく、さらに好ま
しくは5時間以上、最も好ましくは8時間以上である。
加熱時間が短いと反応が不完全で実際の貯蔵中の不純物
気体の発生を期待通りに防ぐことができないため好まし
くない。また、加熱に数日を要するような条件は実施上
効率が非常に悪く、好ましくない。
【0033】さらに、該排出工程における該密閉空間内
の圧力が、大気圧以下となるように、例えばアルシン、
ホスフィン、3フッ化ホウ素等の気体化合物の充填量及
び/又は加熱温度を選択するのがよい。
【0034】さらにまた、該反応促進工程によって生
じ、アルシン、ホスフィン、3フッ化ホウ素等の気体化
合物に混入した不純物気体を該排出工程において円滑に
排出するためのバッファ空間を該密閉空間に設けてもよ
い。
【0035】該反応促進工程を経た該気体を該密閉空間
から排出する排出工程は、温度を100℃〜200℃で
維持したまま、真空ポンプで10〜5mmHg程度まで
減圧して行う。これら、活性炭の気体化合物による処理
は、気体化合物を貯蔵する活性炭をボンベに充填する前
に、複数のボンベの分をまとめて処理しても良いし、各
ボンベに活性炭を充填後行っても良い。例えば猛毒のア
ルシンで処理した活性炭を取り出して、各ボンベへ分配
する煩雑さから、予め活性炭を各ボンベに分配した後に
各ボンベ毎に気体化合物処理を行った方が作業性は良好
である。
【0036】前処理に用いる例えばアルシン、ホスフィ
ン、3フッ化ホウ素等の水素化化合物又はハロゲン化化
合物気体は容器内の活性炭吸着材に単に物理吸着される
だけでなく、活性炭吸着材の表面の水素、窒素、酸素、
炭素原子との化学反応を伴う化学吸着も引き起こすた
め、その結果該ガス中に不純物として、水素、窒素、一
酸化炭素及び二酸化炭素の発生を引き起こし、該ガス中
に混入するのである。
【0037】この方法の実施態様としては、貯蔵する例
えばアルシン、ホスフィン、3フッ化ホウ素等の水素化
化合物又はハロゲン化化合物気体をすぐに使用したい場
合には、例えばアルシン、ホスフィン、3フッ化ホウ素
等の水素化化合物又はハロゲン化化合物気体自体が熱分
解しない程度の高温で加熱すれば、数時間で効率的に前
処理を完了することができ、貯蔵用の例えばアルシン、
ホスフィン、3フッ化ホウ素等の水素化化合物又はハロ
ゲン化化合物気体をその後吸着させて、使用環境に、例
えばボンベごと搬送することができる。一方、化合物気
体を使用するまで充分時間がある場合には、前処理に用
いる例えばアルシン、ホスフィン、3フッ化ホウ素等の
水素化化合物又はハロゲン化化合物気体を入れて放置
し、使用段階になって貯蔵用の例えばアルシン、ホスフ
ィン、3フッ化ホウ素等の水素化化合物又はハロゲン化
化合物気体と置換すれば良い。なお、前処理に用いる例
えばアルシン、ホスフィン、3フッ化ホウ素等の水素化
化合物又はハロゲン化化合物気体の必要量は、活性炭と
の反応が完全に完了するのに必要な量で足り、この点で
例えばアルシン、ホスフィン、3フッ化ホウ素等の水素
化化合物又はハロゲン化化合物気体を無駄に使用する必
要は生じない。
【0038】また、前処理に用いる例えばアルシン、ホ
スフィン、3フッ化ホウ素等の水素化化合物又はハロゲ
ン化化合物気体の量及び/又は加熱温度を適当に選択し
て密閉空間内を大気圧以下とすれば、前処理に用いる例
えばアルシン、ホスフィン、3フッ化ホウ素等の水素化
化合物又はハロゲン化化合物気体の排出時に、外部環境
への漏れを防止することが可能になるので、安全に不純
物の除去を行うことができる。
【0039】以上、本発明の内、水素化化合物及びハロ
ゲン化化合物気体と密閉空間内で事前に接触させて吸着
させる吸着工程と、該吸着反応を経た系を反応促進する
工程と、該反応促進工程を経た該気体を該密閉空間から
排出する排出工程の一連の工程により活性炭を処理し
て、該気体と同種又は異種の水素化化合物及びハロゲン
化化合物気体を吸着して貯蔵する時に、該活性炭と該貯
蔵気体の接触により生じる不純物気体に起因する、該貯
蔵気体の純度低下が起きることを防止する方法又は装置
に関して、詳細に説明したが、本内容は請求の範囲に記
載された本発明の範囲内で種々の変更、修正が可能であ
る。
【0040】例えば、活性炭吸着剤の充填量は、貯蔵用
アルシンの貯蔵量との関係で適宜選定すればよい。ま
た、密閉空間内で事前に接触させるガスと貯蔵ガスは必
ずしも同じガスである必要はない。例えば、密閉空間内
で事前に接触させるガスとしてアルシンと並んで半導体
のドープ工程においてイオン注入ガスとして用いられて
いるホスフィン、或いは三フッ化ホウ素を用いて、活性
炭吸着剤の不純物を強制的に除去した後、貯蔵ガスとし
てアルシンを注入しても全く問題はない。
【0041】本発明における、水素化化合物又はハロゲ
ン化化合物気体を貯蔵しその後に送出す方法及び/又は
装置として提案する装置の構造に、加熱ユニットを具備
させ、吸着した半導体製造に用いる特定の水素化化合物
及びハロゲン化化合物気体の少なくとも一部を脱着して
送出する時に、該気体の貯蔵環境を該活性炭ごと加熱す
ることができるようにするのは、加熱により該活性炭の
吸着容量を低減させ、同一圧力下で送出できる該気体の
量を増加させるのが目的で、これにより貯蔵された該気
体の有効に利用できる量を増加させることができる。
【0042】該気体の少なくとも一部を脱着して送出す
る時に該気体の貯蔵環境を該活性炭ごと加熱するときの
加熱温度は、該装置が使用される一般的な使用環境温度
である30℃以上であることが好ましく、40℃以上で
あることがさらに好ましく、50℃から200℃である
ことが最も好ましい。200℃を越えるとアルシンなど
の気体化合物が自己分解を起こしてしまうため好ましく
ない。
【0043】該加熱を施す際は、本発明に記載の、水素
化化合物及びハロゲン化化合物気体と密閉空間内で事前
に接触させて吸着させる吸着工程と、該吸着反応を経た
系を反応促進する工程と、該反応促進工程を経た該気体
を該密閉空間から排出する排出工程の一連の工程により
処理した活性炭を用いるのが好ましい。
【0044】以下に本発明に利用する活性炭の製造方法
の一例を詳述する。
【0045】一般に、フェノール樹脂は大別するとレゾ
ール樹脂とノボラック樹脂およびその他の特殊フェノー
ル樹脂や変性品等に分けられるが、 本発明に利用する活
性炭を製造するのに用いられるフェノール樹脂粉末は特
に限定するものではないが、例えば、特公昭62−30
210号公報、特公昭62−30212号公報等に開示
された粒状ないし粉末状の特殊フェノール樹脂を用いる
ことができる。その製造法の概要は以下の如くである。
【0046】室温下、15〜22重量%の塩酸と7〜1
5重量%のホルムアルデヒドとからなる混合水溶液を撹
拌しながら、フェノール又はフェノールと尿素、メラミ
ン、アニリン等の含窒素化合物とからなる混合物を該混
合水溶液に対して15分の1以下の割合で加え、反応系
内に白濁が生成する前に撹拌を停止し静置する。静置し
ている間に反応系内にはピンク色の粒状フェノール樹脂
が生成・沈降する。次に反応系全体を再度撹拌しながら
40〜90℃の温度にまで加熱・昇温して反応を完了せ
しめた後水洗し、引き続きアンモニア水溶液で中和処理
後、水洗、脱水、乾燥する。こうして得られた粒状フェ
ノール樹脂は、その殆どが粒径0.1〜150μmの一
次粒子、又はその二次凝集物からなる。
【0047】このフェノール樹脂はレゾール樹脂、ノボ
ラック樹脂と性状を異にする特殊フェノール樹脂粉末で
あり、本発明に利用する活性炭を製造するのに用いられ
るフェノール樹脂粉末として好適に用いることができ
る。また、このフェノール樹脂は、実質的に無水のメタ
ノール500ml中で加熱還流した場合に、下記式 S={(W0 −W1 )/W0 }×100 ここで、W0 :使用した該樹脂の重量(g) W1 :加熱還流後に残存した該樹脂の重量(g) S :該樹脂のメタノール溶解度(重量%) で表されるメタノール溶解度を反応性を表す指標として
用いることができる。すなわち、メタノール溶解度の大
きいものは反応性も高くなる。本発明では、通常メタノ
ール溶解度が70重量%以下、好ましくは30重量以下
%、最も好ましくは10重量%以下のフェノール樹脂粉
末を用いる。
【0048】その理由は、該メタノール溶解度が70重
量%以上では、熱融着性が高く、炭化途中の加熱過程に
おいて、熱融解のために、フェノール樹脂粒子間の連通
空隙が埋められてしまい、炭化物の気孔の連通性が低下
し吸着能力の低下を来すことになるからである。充分な
吸着能力を有する活性炭を得るには、上述の範囲のメタ
ノール溶解度を有するフェノール樹脂粉末を用いるとよ
い。
【0049】また、本発明に利用する活性炭を製造する
のに用いる他のフェノール樹脂粉末を製造する方法とし
ては、フェノール類とアルデヒドを少なくとも含窒素化
合物の存在下で反応させて得られる縮合物に親水性高分
子化合物を添加し反応させる方法(特公昭53−129
58号公報)、フェノールとホルムアルデヒドを塩基性
水溶液中で反応させて得られるプレポリマーを保護コロ
イドと混合し、酸性下で不活性固形ビーズ状に凝固させ
る方法(特公昭51−13491号公報)等がある。そ
の他にも例えば、特開昭61−51019号公報、特開
昭61−127719号公報、特開昭61−25881
9号公報、特開昭62−272260号公報、特開昭6
2−1748号公報等に記載の方法により製造したフェ
ノール樹脂粉末を用いることもできる。
【0050】レゾール樹脂は、通常、例えば水酸化ナト
リウム、アンモニア又は有機アミンの如き塩基性触媒の
存在下でフェノール対ホルムアルデヒドのモル比が1:
1〜2の如きホルムアルデヒド過剰の条件下で反応す
ることによって製造される。かくして得られるレゾール
樹脂は、比較的多量の遊離メチロール基を有するフェノ
ールの1〜3量体が主成分をなし、反応性が大きい。
【0051】また、ノボラック樹脂は、通常、例えばシ
ュウ酸の如き酸触媒の存在下でフェノール対ホルムアル
デヒドのモル比が1:0.7 〜0.9となるようなフ
ェノール過剰の条件下で反応させることによって製造さ
れる。かかる方法で得られるノボラック樹脂は、フェノ
ールが主としてメチレン基によって結合された3〜5量
体が主成分をなし、遊離メチロール基を殆ど含有せず、
従ってそれ自体では自己架橋性を有せず、熱可塑性を有
する。そこでノボラック樹脂は、例えばヘキサメチレン
テトラミンの如き、それ自体ホルムアルデヒド発生剤で
あると共に有機塩基触媒発生剤でもある架橋剤を加える
か、あるいは、例えば固体酸触媒とパラホルムアルデヒ
ド等を混合し、加熱下で反応させることによって硬化物
を得ることができる。
【0052】これらのレゾール樹脂、ノボラック樹脂等
は一度硬化された後、粉砕することにより本発明の原料
樹脂粉末として用いることができる。
【0053】本発明に利用する活性炭を製造するのに用
いるフェノール樹脂粉末の粒径は通常0.1〜150μ
m、好ましくは0.5〜50μm、最も好ましくは1〜
30μmである。
【0054】本発明に利用する活性炭を製造するのに用
いられるところのバインダーとしては、特にその種類を
限定するものではないが、液状熱硬化性樹脂やポリビニ
ルアルコール(PVA)、クレオソート油などが好まし
く用いられる。
【0055】液状熱硬化性樹脂としては、液状レゾール
樹脂、液状メラミン樹脂、又はこれらの変性樹脂などが
挙げられる。
【0056】ここで、液状レゾール樹脂は、先述したよ
うに塩基性触媒の存在下でフェノールを過剰のアルデヒ
ドと反応させることによって製造され、比較的多量の遊
離メチロール基を有するフェノールの1〜3量体が主成
分を成す。
【0057】液状メラミン樹脂はいわゆる熱硬化性樹脂
であり、加熱により化学反応が促進され親水性の初期重
合物の形態、或いは、やや縮合の進んだ疎水性縮合物の
状態を経て最終的には不溶不融の硬化物になる。
【0058】液状メラミン樹脂は、メラミンにアルデヒ
ド、通常はホルムアルデヒドを付加させて製造される。
また、種々のアルコールが同時に使用されることもあ
る。メラミン樹脂の生成は、先ずメラミンにホルムアル
デヒドがメチロール基として付加し、ついでメチロール
基が他の分子のアミノ基やイミノ基との間で脱水縮合し
てメチレン基となる反応や、メチロール基同士で脱水縮
合してジメチレンエーテル結合となる反応、あるいはメ
チロール基とアルコールとの間で脱水してエーテル化す
る反応により進行する。
【0059】液状メラミン樹脂は、水溶性樹脂と油溶性
樹脂とに分けることができ、一般に水溶性樹脂はアルコ
ールとしてメタノールを使用して製造される。一方油溶
性樹脂は、ブチル化メラミン樹脂ともいわれ、通常アル
コールとしてブタノールを使用する。本発明に利用する
活性炭を製造するのに用いられるバインダーとして使用
される液状メラミン樹脂は、水溶性、油溶性いずれでも
よく、既知の方法にて製造されたものでよい。
【0060】本発明に利用する活性炭を製造するのに用
いられるポリビニルアルコールは、好ましくは重合度1
00〜5000、けん化度70%以上のものであり、カ
ルボキシル基等で一部変性されたものも好適に用いられ
る。
【0061】本発明に利用する活性炭を製造するに於い
ては、上記フェノール樹脂粉末とバインダー成分を混合
した後造粒することによって粒状成形物を得るが、本発
明に規定するバインダーの含有量は、フェノール樹脂粉
末100重量部に対し50〜90重量部である。
【0062】バインダーの含有量は、好ましくは10〜
60重量部、最も好ましくは20〜40重量部である。
バインダーの含有量が5重量部より少ないと造粒時の作
業性が低下してダイスよりの押出しが困難になり、造粒
物の形状が不揃いで強度が低く、粉が発生しやすくなる
等の問題が生じる。また、90重量部より多くなると、
やはり造粒時の作業性が低下するとともに炭化賦活後の
ペレット内の細孔の連通性が低下し、吸着剤としての性
能が悪くなり好ましくない。
【0063】このフェノール樹脂粉末とバインダー成分
の混合は、室温あるいは加熱下で、リボンミキサー、V
型ミキサー、コーンミキサー、ニーダー等の市販の混合
撹拌機で行えばよい。
【0064】本発明に利用する活性炭を製造するに於い
ては、上記フェノール樹脂とバインダー成分の他に、他
の添加成分を加えることを何ら制限するものでなく、例
えば、澱粉、結晶性セルロース粉末、メチルセルロー
ス、水、溶媒等を適量加えることができる。また、少量
のコークス、ヤシ殻炭等を添加することも何ら制限され
るものではない。
【0065】更に本発明に利用する活性炭を製造するに
於いては、その特性を損なわない範囲で混合および造粒
時の作業性の向上のため、例えばエチレングリコール、
ポリオキシエチレン、アルキルエーテル、ポリオキシエ
チレン脂肪酸エステル、ポリカルボン酸アンモニウム塩
等の界面活性剤、ポリビニルアルコールの架橋剤、押出
造粒用の可塑剤等を少量加えることができる。
【0066】本発明に利用する活性炭を製造するに於い
ては、 上記の如く混合装置により均一に混合された後、
次いで粒状物に成形される。粒状物への成形は、例えば
単軸あるいは二軸の湿式押出造粒機、バスケットリュー
ザーの如き竪型造粒機、半乾式ディスクペレッター等に
より行うことができる。この成形は通常室温で行われる
が、場合によっては加熱下で実施してもよい。こうして
得られた造粒物を通常50〜400℃程度の温度範囲で
乾燥処理を行って、粒状成形物を得る。
【0067】粒状成形物の形状は、通常、円柱状あるい
は球状ペレットであり、炭化賦活後のペレット形状が所
定の形状となるよう造粒時に調整する。
【0068】本発明に利用する活性炭を製造するには、
上述の如くして得られた粒状成形物、又はそれを非酸化
性雰囲気下500〜900℃で熱処理した炭化物を、7
00〜1100℃の温度範囲で炭化物を基準とした重量
減少率が5〜40%となる範囲で賦活処理を行うことに
より目的の活性炭を得る。
【0069】本発明に利用する活性炭を製造するにおい
て、 賦活処理を行う前の粒状成形物の炭化は、電気炉、
外熱式ガス炉などの熱処理装置を用いて非酸化性雰囲気
下500〜900℃で行われる。この場合の非酸化性雰
囲気とは、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム等の雰囲
気である。
【0070】また、この炭化温度は通常500〜900
℃であるが、好ましくは550〜850℃、最も好まし
くは600〜800℃である。炭化温度が900℃より
高いと次の賦活処理工程での賦活速度が遅くなり、賦活
を効率的に進めることができなくなるので好ましくな
い。また炭化温度が500℃以下の場合には温度が低過
ぎて炭化があまり進まず好ましくない。
【0071】本発明に利用する活性炭を製造するには、
上記粒状成形物、又はそれを非酸化性雰囲気下500〜
900℃で熱処理した炭化物を賦活処理する。賦活処理
の温度領域は700〜1100℃、好ましくは800〜
1000℃、最も好ましくは850〜950℃である。
賦活処理の温度が1100℃より高い場合には、細孔容
積が熱収縮により減少してしまったり、 活性炭表面が酸
化し、耐磨耗強度が低下してしまうため好ましくない。
また600℃より低い場合には賦活が十分に行われず、
吸着能力が低く好ましくない。
【0072】また、本発明に利用する活性炭を製造する
においては、 賦活処理には、酸素、二酸化炭素、水蒸気
もしくはこれらの二種類以上の混合ガス、あるいはこれ
らのガスを含んだ窒素、アルゴン、ヘリウム等の雰囲気
ガス、メタン、プロパン、ブタン等の燃焼排ガスなどを
用いることができ、炭化物を基準とした重量減少率が5
〜40%となる範囲で賦活を行う。
【0073】重量減少率が5%より小さい場合には細孔
の発達が不十分であり、細孔容積が小さすぎて十分な性
能を確保できず好ましくない。また、重量減少率が40
%より大きい場合にはアルシン、ホスフィン等の気体化
合物の吸着に有効に働く0.6〜0.8nmの細孔の割
合が小さくなり、また粒子嵩密度が小さくなり、活性炭
をボンベ等の容器に充填した際、有効に作用する吸着サ
イトの単位体積当たりの量が減少して好ましくない。
【0074】本発明に利用する活性炭は、例えばガス製
造事業所でボンベ等の容器内に充填し、半導体工業でイ
オン注入ガス用として用いられるアルシン、ホスフィ
ン、3フッ化ホウ素等の気体化合物を吸着させ、使用時
までこれら気体化合物を安定に貯蔵するのに用いられ
る。半導体等の製造現場では必要に応じてこれら気体化
合物を負圧に引いてボンベから取り出す。ボンベ内は大
気圧以下に保持しているため、猛毒のアルシン、ホスフ
ィン等がボンベから周囲環境に漏れ出す危険は極めて小
さい。
【0075】本発明に利用する活性炭による吸着貯蔵の
対象となる気体化合物は、例えばアルシン、ホスフィ
ン、3フッ化ホウ素、3塩化ホウ素、六フッ化タングス
テン、シラン、ジボラン、塩素、B2 6 、(CH3
3 Sb、フッ化水素、塩化水素、沃化水素、ゲルマン、
アンモニア、スチビン、硫化水素、セレン化水素、テル
ル化水素ならびにNF3 からなる群から選ばれる気体化
合物であり、吸着貯蔵に最適な化合物としてアルシン、
ホスフィン、3フッ化ホウ素が挙げられる。
【0076】
【実施例】先ず、本発明に用いた測定評価方法について
以下に示す。
【0077】(1)吸着アルシン量及び放出アルシン量
の測定方法 一端にダイアフラム式締切弁を備えた内径30mm、長
さ150mm、内容量100mlのステンレス製試験容
器を予め化学天秤で秤量しておく。このときの試験容器
の重量をW0とする。試験に用いる吸着剤をそれぞれ試
験容器内に充填した後、締切弁を介して試験容器を真空
ポンプに接続し、試験容器内が0.01mmHg以下と
なるまで真空引きする。さらに加熱装置により試験容器
内が350℃となるまで徐々に試験容器を外部から加熱
して、引き続き真空ポンプで試験容器内部を真空引きし
て0.01mmHg以下にする。その後、放熱して常温
に戻し、試験容器を再度秤量する。このときの試験容器
の重量をW1とする。
【0078】次いで、試験容器を恒温装置で一定温度2
0℃に保ちながら、アルシンを締切弁を介して試験容器
内を大気圧以下の700mmHgに調圧しながら、これ
以上吸収されないまで試験容器に導入する。このときの
試験容器の重量をW2とする。
【0079】試験容器を圧力計、流量制御器及び真空ポ
ンプを介してガスクロマトグラフィ質量分析計に接続し
て、定量分析を行う。圧力計は、真空ポンプで試験容器
内を真空引きしたときの内部圧力を測定するために設置
し、流量制御器は、試験容器から流出する際の放出アル
シンの流量を制御するために設置する。放出アルシンの
流量を1ml/min乃至10ml/minに制御しな
がら、内部圧力20mmHgまで真空ポンプで試験容器
内を引き、アルシンを試験容器から外部に送出する。次
いで、試験容器を再度秤量する。このときの試験容器の
重量をW3とする。
【0080】さらに、試験容器内を0.01mmHgま
で真空ポンプで引き、その後加熱装置によって試験容器
内を加熱し、100℃乃至150℃で約4時間保持し、
試験容器を再度秤量する。このときの試験容器の重量を
W4とする。放出アルシン量をそれぞれW2−W3、W
2−W4、残留アルシン量をそれぞれW3−W1、W4
−W1によって決定する。
【0081】(2)20日後の圧力変化測定法 試験に用いる吸着剤をそれぞれ、一端にダイアフラム式
締切弁を備えた内径30mm、長さ150mm、内容量
100mlのステンレス製試験容器に充填した後、締切
弁を介して試験容器を真空ポンプに接続し、試験容器内
が0.01mmHg以下となるまで真空引きする。さら
に加熱装置により試験容器内が350℃となるまで徐々
に試験容器を外部から加熱して、引き続き真空ポンプで
試験容器内部を真空引きして0.01mmHg以下にす
る。その後、放熱して常温に戻す。
【0082】次いで、試験容器を恒温装置で一定温度2
0℃に保ちながら、アルシンを締切弁を介して試験容器
内を大気圧以下の700mmHgに調圧しながら、これ
以上吸収されないまで試験容器に導入する。このときの
試験容器の重量をW0とする。
【0083】次いで、試験容器を恒温装置で一定温度2
0℃に保ちながら、20日後の重量を測定する。このと
きの試験容器の重量をW1とする。W1−W0を計算
し、漏れによる差異が無いことを確認して、内圧を読み
とる。
【0084】(3)複数圧力下における吸着アルシン量
の測定方法 一端にダイアフラム式締切弁を備えた内径30mm、長
さ150mm、内容量100mlのステンレス製試験容
器を予め化学天秤で秤量しておく。このときの試験容器
の重量をW0とする。
【0085】次いで、試験に用いる吸着剤をそれぞれ試
験容器内に充填した後、締切弁を介して試験容器を真空
ポンプに接続し、試験容器内が0.01mmHg以下と
なるまで真空引きする。さらに加熱装置により試験容器
内が350℃となるまで徐々に試験容器を外部から加熱
して、引き続き真空ポンプで試験容器内部を真空引きし
て0.01mmHg以下にする。その後、放熱して常温
に戻し、試験容器を再度秤量する。このときの試験容器
の重量をW1とする。
【0086】次いで、試験容器を恒温装置で一定温度2
5℃に保ちながら、アルシンを締切弁を介して試験容器
内を大気圧以下の10、20、30、50、100、2
00、300、400、500、600、700の各m
mHgに調圧しながら、各圧力時にこれ以上吸収されな
いまで試験容器に導入する。このときの試験容器の重量
をWnとする。なお、Wnのnにはそれぞれ低圧から順
に2から11までの数字を当てる。その後、吸着剤、吸
着アルシンの量をそれぞれW1−W0、Wn−W1によ
って決定する。
【0087】(4)粒子引張り強度測定法 活性炭粒子の引張り強度は木屋式硬度計にて測定した。
強度測定で評価する引張強度は、粒子が破砕時の荷重値
と粒子直径、粒子長より、次式で計算した。引張強度:
σ[kg/cm2 ]= 2P/(πdl)P: 荷重[k
g]、d:粒子直径[cm]、l: 粒子長[cm]
【0088】(5)活性炭の比表面積の測定法 被測定活性炭0.1g程度を正確に秤量した後、 高精度
全自動ガス吸着装置BELSORP28(日本ベル株式
会社製)の専用セルに入れ、 該装置を用いて窒素を吸着
させB.E.T法により求めた。
【0089】(6)細孔容積の測定法 本発明の吸着剤の細孔容積の測定は、細孔直径0.01
〜10μmの範囲についてはポロシメーターによる水銀
圧入法(島津製作所製、ポアサイザー9310)により
測定し、細孔直径10nm以下の細孔容積は全自動ガス
吸着測定装置(日本ベル株式会社製、ベルソープ28)
で窒素吸着測定を行った。具体的には、細孔直径2〜1
0nmの範囲の細孔容積は77Kに於ける窒素ガスの吸
着等温線をD−H解析することにより求め、細孔直径2
nm以下の細孔容積は77Kに於ける窒素ガスの吸着等
温線のt−plotからMP法を用いて解析することに
より求めた。
【0090】(7)灰分の測定法 105℃で2時間乾燥した試料約1gを白金坩堝に精秤
し、700℃、2時間灰化し、再度精秤して灰分量を求
めた。
【0091】次に本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、 本発明は実施例により限定されるものでは
ない。
【0092】(実施例1)フェノール樹脂粉末(鐘紡株
式会社製、ベルパールR800:平均粒子径20μm)
100重量部に対し、バインダーとしてメラミン樹脂水
溶液(住友化学工業株式会社製、スミテックスレジンM
−3、固形分濃度80重量%)、重合度1700、けん
化度99%のポリビニルアルコール( 以下PVAと略
す。)を、そして添加物として馬鈴薯澱粉、界面活性剤
(花王株式会社製、レオドールSP−L10)および水
を所定量計量した。
【0093】上記原料のうちまず、フェノール樹脂粉末
と馬鈴薯澱粉をニーダーで15分間乾式混合した。一
方、上記ポリビニルアルコールを温水で15重量%の水
溶液となるように溶解し、このポリビニルアルコール水
溶液とメラミン樹脂水溶液、界面活性剤および水をニー
ダーに加えて更に15分間混合した。
【0094】この混合組成物を2軸押出造粒機(不二パ
ウダル株式会社製、ペレッタダブルEXDF−100
型)で押出し、外径が約1.0mmのバインダー含有量
の異なるペレット状成形体の造粒を行った。各原料成分
の組成比を表1に示す。
【0095】
【表1】
【0096】こうして得た試料について、内径70mm
φの円筒型電気炉を用いて窒素雰囲気下、昇温速度50
℃/Hで650℃まで昇温し1時間保持して炭化させ
た。次いでこの炭化物20gを異なる条件で水蒸気賦活
して、 6つの試料を得た。 すなわち、 試料1は750
℃、1.5時間、試料2は900℃、1.5時間、試料
3は950℃、1.5時間、試料4は980℃,1.5
時間、試料5は1000℃,1.5時間、試料6は10
00℃,2.0時間、試料7は700℃,1.5時間、
水蒸気を含んだ窒素ガス(賦活ガス組成モル比:N2
2 O=1/1、流量 1.0NL/min)を用いて
賦活処理を行った。得られた炭化賦活品の賦活条件およ
び特性値を表2に示す。
【0097】
【表2】
【0098】また、これらの活性炭のアルシンの吸着
量、放出量を表3に示す。
【0099】
【表3】
【0100】試料1〜4はいずれの特性値も本発明に使
用する活性炭の規定する範囲内であり、吸着アルシン
量、放出アルシン量とも高くなっている。
【0101】一方、試料5〜7は比表面積、10nm以
下の細孔容積、0.6〜0.8nm以下の細孔容積の割
合、引っ張り強度、粒子嵩密度、充填密度等の何れか一
つ以上が本発明の規定する範囲内に入っておらず、吸収
アルシン量、放出アルシン量とも低下している。
【0102】また、試料1、試料2、及び一般のガス吸
着用ヤシ殻活性炭(一般用活性炭)を用いて、アルシン
を吸着貯蔵した際の内圧の変化を表3に合わせて示し
た。この結果、一般用活性炭を用いた場合には、灰分量
が多くなると共に、内圧の上昇が認められるが、本発明
に使用する活性炭の範囲内である試料1、試料2の場合
には、灰分量が少なく、内圧の上昇も認められなかっ
た。
【0103】(実施例2)実施例2では、実施例1で製
造した試料2と、前処理を行わないで或いは種々の加熱
温度で密閉空間内で事前に接触させるアルシン又はホス
フィン(以下、予備アルシン又はホスフィン)によって
前処理を行って、その後に貯蔵用アルシン(ホスフィ
ン)を試験容器に注入して、時間の経過による試験容器
内の圧力の変化及び貯蔵アルシン(ホスフィン)の純度
変化を測定する比較実験を行った。
【0104】図2に実験装置の概略を示す。実験装置
は、ガス注入系統、ガス排出系統、ガス分析系統及び試
験容器系統からなり、各系統は、常時閉の締切弁V1〜
V10を備えた配管によって接続されている。ガス注入
系統は、アルシン、ホスフィン、及びヘリウムのガス源
R1〜R3からそれぞれ締切弁V1〜V3を介して独立
に試験容器系統に接続されている。ガス排出系統は、試
験容器系統から真空ポンプP1及び分子ターボポンプP
2を介してS1に接続され、猛毒アルシン、ホスフィン
を安全に外部に排出できるようになっている。ガス分析
系統は、ガスクロマトグラフィによる通常のガス分析計
A1、圧力計G1,ピラニ真空計G2及び電離真空計G
3(前者は、10-1mmHgオーダー、後者は、10-5
mmHgオーダーの測定に用いる)からなり、それぞれ
仕切弁V6〜V10を介して各試験容器に接続されてい
る。
【0105】試験容器系統は、それぞれ出入口部に出入
口締切弁CV1〜CV4を備えた、4本の試験容器C1
〜C4を有し、それぞれ試験容器の外部から試験容器内
を加熱するための電熱ヒーターユニットを有し、各電熱
ヒーターユニットは、熱電対センサーT1〜T4による
温度コントロールユニットを有する。各試験容器内に
は、試料2を吸着材として充填してある。この時、充填
量は、各試験容器の入り口側上部の密閉空間内にバッフ
ァ空間を設けることができる程度である。
【0106】(1)初期真空処理工程 不純物が、アルシン又はホスフィンと吸着材との反応に
よって生じることを明らかにするべく、空気に曝されて
いる試験容器及び試料2からあらかじめ、酸素、窒素、
水分などを除去するべく初期真空処理工程を行った。先
ず、出入口仕切弁CV1〜CV4及び仕切弁V4を開
け、真空ポンプP1によって各試験容器内を真空度0.
1mmHgにして、試験容器内から空気を排出させた
後、仕切弁V4を閉じる。
【0107】次に、仕切弁V1を開き、ガス源R3から
不活性ガスのヘリウムを略大気圧まで各試験容器内に注
入した後、仕切弁V1を閉じ、その後、仕切弁V4を開
き再度、各試験容器内を真空度約0.1mmHgまで引
く。このヘリウムは、試験容器内の空気の置換を促進す
る効果があるため、適宜ヘリウムの注入を数回繰り返し
てもよい。なお、仕切弁V1を開き、ヘリウムを注入
後、仕切弁V6を介して分析計A1にヘリウムガスを導
入して分析して、不純物の酸素、窒素、一酸化炭素及び
二酸化炭素の発生のないことを確認してもよい。因みに
ヘリウム注入によって、ヘリウムは試料2に吸着される
が、かかる吸着によって不純物の発生が生じないことを
確認してある。
【0108】次に、各試験容器を電熱ヒーターユニット
で300℃〜350℃の所定温度に加熱しながら、真空
に引き続け、真空度約0.1mmHgになったら、仕切
弁V4を閉じ、仕切弁V5を開き、今度は分子ターボポ
ンプP2によって、真空度10-5mmHg以下まで高真
空処理する。最後に、出入口仕切弁CV1〜CV4及び
仕切弁V5を閉じて、初期真空処理工程を終了する。各
試験容器を常温になるまで放熱後、各試験容器の重量W
0を秤量する。
【0109】(2)予備アルシン(アルシン)の注入工
程 各試験容器C1〜C4を20℃に保持し、仕切弁CV1
〜CV4ならびに仕切弁V2又はV3を開くとともに、
仕切弁V7を開いて圧力計G1を用いながら、各試験容
器内の圧力が略20mmHgになるまで、予備アルシン
或いは予備ホスフィンを各試験容器内に注入する。この
とき、温度コントロールユニットを用いて、試験容器内
部の温度を試験容器C1からC4の順に、50℃、10
0℃、150℃、及び200℃にそれぞれ加熱維持す
る。
【0110】各試験容器内に発生する不純物及び圧力を
測定するために、各試験容器を適宜分析計A1或いは圧
力計G1に連通させる。次に、試験容器C1〜C4とも
に、予備アルシン(ホスフィン)温度を200℃に維持
しながら、真空ポンプP1及び分子ターボポンプP2に
よって真空度10-5mmHgまで引き、不純物の混入し
た予備アルシン(ホスフィン)上部に設けたバッファ空
間に溜まることができるため、排出が円滑に行われる。
各試験容器を常温になるまで放熱させた後、各試験容器
の重量W1を秤量する。
【0111】(3)貯蔵用アルシン(ホスフィン)の吸
着工程 試験容器C1〜C4をそれぞれ20℃に保持し、仕切弁
CV1〜CV4ならびに仕切弁V2又はV3を開くとと
もに、仕切弁V7を開いて圧力計G1を用いながら、各
試験容器内の圧力が略400mmHgになるまで、貯蔵
用アルシ或いはホスフィンを各試験容器内C1〜C4に
注入させて、試験容器内の試料2に吸着させる。次に、
分析計A1によって各試験容器内の不純物の発生がない
ことを確認後、出入口仕切弁CV1〜CV4を閉じ、そ
れぞれの試験容器の重量W2を秤量して、各試験容器内
のガス重量W2−W1を算出する。
【0112】(4)実験結果 図3〜図5は、イオン注入ガスとしてアルシンを用いた
場合、図6は、ホスフィンを用いた場合の実験結果であ
る。
【0113】図3は、上記(2)予備アルシン(ホスフ
ィン)の注入工程に関連し、種々の加熱温度にて本発明
による方法を用いて前処理した場合の、図2の実験装置
の試験容器内の圧力の時間経過を示すグラフである。
【0114】図3から明かなように、加熱温度が50℃
及び100℃の場合、容器内の圧力は徐々に上昇し、加
熱処理開始48時間後には、それぞれおよそ33mmH
g及び93mmHgとなった。さらに時間経過とともに
圧力が徐々に上昇する見込みである。これに対して、加
熱温度が150℃及び200℃の場合、容器内圧力は処
理開始後より急激に上昇し、150℃では処理開始後ほ
ぼ14時間後、200℃では処理開始後ほぼ8時間後で
圧力の上昇は略止まり、圧力はそれぞれ一定値役480
mmHg及び740mmHgとなった。このことから、
試験容器内への不純ガスの発生が、200℃では、約8
時間、150℃では約14時間で終了し、50℃及び1
00℃では、48時間経過後も依然として継続中である
ことが推定される。
【0115】図4は、図3における48時間経過後の活
性炭入り試験容器の重量W1の、活性炭吸着材入り試験
容器の初期重量W0に対する重量増分(W1−W0)を
示す棒グラフである。この増分は、試料2の細孔表面に
結合した酸素、窒素及び水素からなる不純物原子と、予
備アルシンとが置換反応して、アルシンが化学的吸着に
より細孔表面に不可逆的に結合したために重さが増大し
たことを推定させる。50℃及び100℃での加熱処理
の場合には、後者の増分は、前者に比べて約50%多い
けれども、150℃及び200℃の場合には、増分は略
同じで、50℃の場合の約3倍に達し、相当量の増加が
見られる。これより、150℃及び200℃で加熱処理
した場合、細孔表面の不純物原始のほとんど全てが予備
アルシンと反応して、アルシンに置換されたことが推定
される。
【0116】図5は、上記(3)貯蔵用アルシン(ホス
フィン)の吸着工程に関連し、種々の加熱温度にて本発
明による方法を前処理を行った後に、試験容器内に貯蔵
用アルシンを注入した場合における貯蔵用アルシンの純
度変化を示すグラフである。貯蔵用アルシンは、温度2
0℃、圧力400mmHgで注入した後、35℃に静置
した。なお、アルシンの純度は、水素、酸素、窒素、メ
タン、一酸化炭素及び二酸化炭素からなる不純物濃度の
総和を求めて算出した。
【0117】図5から明かなように、前処理を行ってい
ない場合及び50℃、100℃での加熱の場合には、そ
れぞれ約2週間、約4週間、及び約7週間、総じて注入
後数週間で要求純度99.9%を下回ってしまう。それ
に対して、150℃及び200℃の場合には、このよう
な割合の純度の低下は発生せず、純度低下の進行具合か
ら推定すると、注入後1年までは99.9%を下回るこ
とはないことが予測される。従って、図5は、予備アル
シンを少なくとも150℃で加熱して活性炭を前処理す
れば、貯蔵アルシンに不純物を混入させることなく、長
期に亘って保存或いは貯蔵可能であることを明らかにす
るものである。
【0118】図6は、ホスフィンを用いた場合の図5と
同様の図であり、純度低下率はアルシンの場合より鈍い
ものの、アルシンと同じように長期保存又は貯蔵するた
めには、予備ホスフィンを150℃〜200℃まで加熱
する必要があることを示している。
【0119】(実施例3)実施例3では、実施例1で製
造した試料2及び一般のガス吸着用ヤシ殻活性炭を用い
て、各圧力下におけるアルシン吸着量を測定した結果を
表4に示す。
【0120】
【表4】
【0121】表4に示される通り、本発明に使用する活
性炭の範囲内に入っている試料2は、一般のガス吸着用
ヤシ殻活性炭に比べて非常に良い結果を示した。
【0122】(実施例4)前記の図1に示す気体貯蔵用
の装置を使用して、吸着アルシン量及び放出アルシン量
の測定方法に記載の方法に準じて、装置の重量を測定し
てW1とし、20℃、700mmHgの条件下でアルシ
ンガスを充填して重量を測定してW2とした。同様の方
法に準じて20mmHgまで徐々に圧力を減じて、重量
が安定したところで重量を測定してW3とした。その
後、加熱を行い35℃、50℃、100℃、150℃の
温度でそれぞれ同様に重量測定を行い、Wn(nはそれ
ぞれ順に4、5、6、7)とした。その結果を表5に示
す。
【0123】
【表5】
【0124】表5から明らかなように、適当な温度に加
温することにより、得られるアルシンの量を大きく増加
させることができ、効率よく貯蔵されたアルシンを利用
することが可能となる。
【0125】(実施例5)前記の図1に示す気体貯蔵用
の装置を利用して、吸着ホスフィン量及び放出ホスフィ
ン量の測定方法に記載の方法に準じて、装置の重量を測
定してW1とし、20℃、700mmHgの条件下でホ
スフィンガスを充填して重量を測定し、W2とした。同
様の方法に準じて20mmHgまで徐々に圧力を減じ
て、重量が安定したところで重量を測定してW3とし
た。その後、加熱を行い35℃、50℃、100℃、1
50℃の温度でそれぞれ同様に重量測定を行い、Wn
(nはそれぞれ順に4、5、6、7)とした。その結果
を表6に示す。
【0126】
【表6】
【0127】表6から明らかなように、適当な温度に加
温することにより、得られるホスフィンの量を大きく増
加させることができ、効率よく貯蔵されたホスフィンを
利用することが可能となる。
【0128】
【発明の効果】以上詳述したように、本願発明によれ
ば、活性炭に大気圧以下で吸着した例えば半導体工業で
イオン注入ガス用として用いられるアルシン、ホスフィ
ン、3フッ化ホウ素等の気体化合物は、差圧によって容
易に脱着する。この際、従来の発生していた問題、即ち
貯蔵中に自己分解して大気圧以下の貯蔵環境が大気圧以
上になることを防止することができる。従って、別の作
業環境下、例えば半導体製造装置に必要量のイオン注入
ガス用として用いられるアルシン、ホスフィン、3フッ
化ホウ素等の気体化合物を送出する際、負圧に引けば大
気圧の周囲環境に猛毒性の気体が漏出することなく、高
純度の気体化合物を送出することが可能となった。
【0129】また、例えば吸着されたアルシン、ホスフ
ィン、3フッ化ホウ素等の気体化合物の脱着温度を高温
として該気体の脱着量を増加させることにより、貯蔵環
境内の圧力を大気圧以下に維持したままで、該気体の取
り出し割合を増大させることが可能となった。
【0130】さらに、例えば半導体製造に用いる水素化
化合物及びハロゲン化化合物気体と密閉空間内で事前に
接触させて吸着させる吸着工程と、該吸着反応を経た系
を反応促進する工程と、該反応促進工程を経た該気体を
該密閉空間から排出する排出工程の一連の工程により処
理した、活性炭を用いることにより、気体貯蔵時に該活
性炭と該貯蔵気体の接触により生じる不純物気体に起因
する該貯蔵気体の純度低下が防止され、極めて純度の高
いアルシン、ホスフィン、3フッ化ホウ素等の気体化合
物を供給することが可能となった。
【0131】本発明の方法又は装置に最適の活性炭を内
容量100mlのステンレス製試験容器に充填した後、
真空ポンプに接続し、試験容器内が0.01mmHg以
下となるまで真空引きし、加熱装置により試験容器内が
350℃となるまで徐々に試験容器を外部から加熱し
て、引き続き真空ポンプで試験容器内部を真空引きして
0.01mmHg以下にした後、放熱して常温に戻し、
次いで、試験容器を恒温装置で一定温度20℃に保ちな
がら、例えばアルシンを試験容器内を大気圧以下の70
0各mmHgに調圧しながら、これ以上吸収されないま
で試験容器に導入した際に、36g以上のアルシンを吸
着することが可能であり、従来の活性炭に比較して極め
て効率的にアルシンを吸着できるため、気体化合物を貯
蔵し、さらに気体化合物の使用現場に於いて、これら気
体化合物を効率良く脱着する、ボンベ等として好適に用
いることができる。
【0132】本発明の方法又は装置に最適の活性炭を使
用した場合、例えば前述の如く、アルシンを吸着後、2
0℃に保ちながら、シリンダーからのガスの漏れがない
状態で20日貯蔵した場合、内圧は初期圧を100%と
した際、20日後に於いてもほぼ100%を示し、従来
の活性炭に比較して極めて安定にアルシンを貯蔵できる
ため、気体化合物を貯蔵し、さらに気体化合物の使用現
場に於いて、これら気体化合物を効率良く脱着するボン
ベ等として好適に用いることができる。
【0133】本発明の方法又は装置に最適の活性炭を使
用した場合、例えば前述の如く、100.0%の濃度の
アルシンを吸着後、20℃に保ちながら、シリンダーか
らのガスの漏れがない状態で30日貯蔵した後、アルシ
ンの純度を測定すると、99.9%以上の純度を示し、
従来の活性炭に比較して極めて安定にアルシンを貯蔵で
きるため、気体化合物を貯蔵し、さらに気体化合物の使
用現場に於いて、これら気体化合物を効率良く脱着する
ボンベ等として好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において水素化化合物又はハロゲン化化
合物気体を貯蔵し、その後に送出する装置である。
【図2】本発明の実験装置の概略図である。
【図3】本発明のイオン注入ガスとしてアルシンを用い
て、種々の加熱温度にて本発明による方法を用いて前処
理した場合の、図2の実験装置の試験容器内の圧力の時
間経過を示すグラフである。
【図4】図3における48時間経過後の活性炭吸着材入
り試験容器の重量の活性炭吸着材入り試験容器の初期重
量に対する重量増分を示す棒グラフである。
【図5】種々の加熱温度にて本発明に記載の内容に従い
前処理を行った後に、試験容器内に貯蔵用アルシンを注
入した場合における貯蔵用アルシンの純度変化を示すグ
ラフである。
【図6】種々の加熱温度にて本発明に記載の内容に従い
前処理を行った後に、試験容器内に貯蔵用ホスフィンを
注入した場合における貯蔵用ホスフィンの純度変化を示
すグラフである。
【符号の説明】
1 容器 2 容器弁 3 容器弁内蔵フィルター 4 上部空間 5 パージ弁 6 圧力計 7 バイパス弁 8 ラインフィルタ 9 エアー駆動弁 10 マスフローコントローラー 11 接続配管 12 活性炭
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年3月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 気体化合物の貯蔵及び送出のための方
法及び装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は例えば半導体工業で
イオン注入ガス用として用いられるアルシン、ホスフィ
ン、3フッ化ホウ素等の水素化化合物又はハロゲン化化
合物気体を貯蔵及び送出する方法及び装置に関し、より
詳細には相当量の該気体を高純度に長期間安定、安全に
吸着貯蔵し、該気体の大気への放出を抑制しつつ安全に
送出するのに優れた気体貯蔵・供給方法及び装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば半導体業界では、アルシン(As
3 )、ホスフィン(PH3 )、3フッ化ホウ素(BF
3 )などの人体に極めて有毒な気体が、半導体の製造の
ためのイオン注入プロセスに用いるなどの目的で広く用
いられている。代表的には、アルシンはこれらの商業的
な用途のために、純アルシン或いは水素或いはヘリウム
のようなバランスガスとの混合アルシンのいずれかを含
有するシリンダ或いはボンベによって都合よく供給され
る。これらのアルシン含有シリンダの漏れは、特にこれ
らのシリンダの移送及び出荷中、潜在的に非常に危険で
ある。かかる課題を解決するべくアルシンを多孔質結晶
状のアルミナケイ酸塩であるゼオライトに吸着させて負
圧の下で貯蔵する方法が、例えば1988年5月17日
発行の米国特許第474421号に開示されている。こ
の方法によれば、一旦負圧下でゼオライトに吸着させた
アルシンを可逆反応としてゼオライトから脱着させて、
必要な現場に送出する際、かかる負圧によって有毒なア
ルシンが大気に拡散する危険性を回避することができ
る。
【0003】しかしながら、ゼオライトを用いると室温
においてアルシンが砒素と水素に分解するため、取り出
し可能な純アルシンの濃度が低下するとともに、時間の
経過とともに発生する水素に起因してボンベ内圧が上昇
して、場合によっては大気圧以上になり、アルシンが外
部に漏れ出す危険が生じる。
【0004】これら危険を回避するために、PCT W
O96/11739では不純物が少ない活性炭が半導体
工業でイオン注入ガス用として用いられるアルシン、ホ
スフィン、3フッ化ホウ素などの気体化合物貯蔵に適す
ることが開示されている。しかし、一般の活性炭はヤシ
殻、石炭等の天然物を原料とするため、活性炭の製造工
程の一つである賦活工程で細孔形成を行うと、原料中に
存在する不純物の影響、又は原料組成及び構造の不均質
性に起因し、細孔径分布が幅広くなり、特定の気体化合
物を効率よく吸着貯蔵するためには不適切であった。さ
らに原料は産地、採取時期等に由来するロット間差があ
るために、細孔径分布を厳密に制御するのは困難であ
る。
【0005】また、ボンベ内に詰めた活性炭粒子は充分
に高い強度を有していないと、ボンベ移動時及び気体の
吸脱着時に生じる圧力変動により、活性炭粒子相互又は
活性炭粒子とボンベ壁面と擦れ合う可能性があるため、
活性炭が劣化しボンベ内で炭素微粉が発生し、ボンベか
ら気体化合物を取り出す際に通過させる気体濾過器のフ
ィルターにこの炭素微粒子が目詰まりを生じてしまう等
の問題があった。
【0006】天然物由来の活性炭には不純物として各種
金属類が存在しているが、これを含有したままアルシ
ン、ホスフィン等の吸着貯蔵に用いると、例えば次式に
示すようにアルシンが砒素と水素に分解されるなど、前
述のゼオライトを吸着材として用いた時と同様に、吸着
した気体化合物の分解が生じる。 AsH3 →As+3/2H2
【0007】これに伴い、第一に送出の際、取り出し可
能な純アルシンの濃度が低下する。第二に時間の経過と
共に、発生する水素に起因してボンベ内圧力が上昇し、
場合によっては初期の負圧状態から大気圧以上となり、
送出の際、アルシン等の猛毒性の気体が外部に漏れ出す
危険を生じる。
【0008】そこで、一般には活性炭の純度を高めるた
めに塩酸、硝酸、りん酸、硫酸等の酸で洗浄を行う。し
かし、酸洗浄を行うと、酸洗浄に用いた物質のアニオン
が活性炭に残存することがあり、これら活性炭をアルシ
ン、ホスフィン等の吸着貯蔵に用いると、これらアニオ
ンが還元され、窒素ガス、酸素ガス等が発生し、前述の
場合と同様、貯蔵気体の純度が低下、気体漏出などの問
題が生じることがあった。
【0009】また、高純度の原料を用いて製造した高純
度活性炭を用いた場合に於いては、例えばアルシンが砒
素と水素に分解される問題は回避されるものの、該高純
度活性炭とアルシンなど気体が反応し、水素、窒素、
一酸化炭素、二酸化炭素などの不純物を発生する。この
場合によって生じる不純物気体は、前述のアルシンなど
の自己分解によって発生する水素ガスとは異なり、通常
貯蔵容器内の気体圧力が大気圧以上に達することはな
く、その点で送出の際の外部環境への漏出の危険性は少
ないものの、アルシン、ホスフィン、3フッ化ホウ素等
は、たとえば半導体業界でイオン注入プロセスに於いて
使用されるものであり、例えばSEMIInterna
tional Standards(1990年)によ
れば、その要求純度はいずれも少なくとも99.9%以
上であるため、気体の純度の低下がこれらの気体の価値
を著しく損なう場合があった。
【0010】また、通常の作業環境温度下で吸着して貯
蔵した半導体製造に用いる特定の水素化化合物及びハロ
ゲン化化合物気体を流量を制御しながら真空ポンプを用
いて吸引、脱着して送出し使用する場合、該気体の流量
及び/又は真空ポンプの性能にもよるが、最終的に少な
からぬ該気体が容器内に残存してしまい、有効に利用で
きる該気体の量が限られていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは上記の課
題を解決すべく鋭意研究した結果、 本発明を完成したも
のであって、 本発明の目的は特定の相当量の気体化合物
を効率よく吸着し、安全、安定に貯蔵し、該気体の大気
への放出を抑制しつつ安全にかつ効率よく送出する方法
及び装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明においては、上
記のような課題を解決するため、所定量の用いる水素化
化合物又はハロゲン化化合物気体をフェノール樹脂を主
原料とする活性炭と接触させて、大気圧以下の貯蔵環境
下で該活性炭に吸着させて貯蔵し、吸着した該気体の少
なくとも一部を脱着して、作業環境下へ送出する方法を
開発した。
【0013】また、この発明においては、所定量の用い
る水素化化合物又はハロゲン化化合物気体をフェノール
樹脂を主原料とする活性炭と接触させて、大気圧以下の
貯蔵環境下で該活性炭に吸着させて貯蔵し、吸着した該
気体の少なくとも一部を脱着して、作業環境下へ送出す
る装置を開発した。
【0014】また、この発明においては、それらの方法
及び装置に用いるフェノール樹脂を主原料とする活性炭
として、フェノール樹脂粉末の炭化、 賦活粒子が結合し
てなる粒状炭素成形物で、 その比表面積が700〜15
00m 2 /g、細孔直径0.01〜10μmの細孔容積
が0.1〜1.0cc/g、細孔直径10nm以下の細
孔容積が0.20〜0.80cc/gであり、かつ細孔
直径10nm以下の細孔容積に占める細孔直径0.6〜
0.8nmの細孔容積の割合が75vol%以上、粒子
嵩密度が0.4〜 1.1g/cc、充填密度が0.3
0〜0.70g/cc、灰分量が1.0%以下、活性炭
粒子の引張り強度が30kg/cm2 以上であることを
特徴とする活性炭を使用する方法及び装置を開発した。
【0015】また、この発明においては、水素化化合物
及びハロゲン化化合物気体と密閉空間内で事前に接触さ
せて吸着させる吸着工程と、該吸着反応を経た系を反応
促進する工程と、該反応促進工程を経た該気体を該密閉
空間から排出する排出工程の一連の工程により活性炭を
処理して、該気体と同種又は異種の水素化化合物及びハ
ロゲン化化合物気体を吸着して貯蔵する時に、該活性炭
と該貯蔵気体の接触により生じる不純物気体に起因す
る、該貯蔵気体の純度低下が起きることを防止する方法
を開発した。
【0016】また、この発明においては、水素化化合物
及びハロゲン化化合物気体と密閉空間内で事前に接触さ
せて吸着させる吸着工程と、該吸着反応を経た系を反応
促進する工程と、該反応促進工程を経た該気体を該密閉
空間から排出する排出工程の一連の工程により活性炭を
処理して、該気体と同種又は異種の水素化化合物及びハ
ロゲン化化合物気体を吸着して貯蔵する時に、該活性炭
と該貯蔵気体の接触により生じる不純物気体に起因す
る、該貯蔵気体の純度低下が起きることを防止する装置
を開発した。
【0017】また、この発明においては、それらの用い
る水素化化合物又はハロゲン化化合物気体をフェノール
樹脂を主原料とする活性炭と接触させて、大気圧以下の
貯蔵環境下で該活性炭に吸着させて貯蔵し、吸着した該
気体の少なくとも一部を脱着して、作業環境下へ送出す
る装置の構造が、貯蔵された該気体の有効に利用できる
量を増加させるために、該活性炭を収納する容器を該活
性炭ごと加熱することができる、温度制御機能付き加熱
ユニットを具備した方法又は装置を開発した。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態を詳細に
記載する。
【0019】本発明において、所定量の水素化化合物又
はハロゲン化化合物気体をフェノール樹脂を主原料とす
る活性炭と接触させて、大気圧以下の貯蔵環境下で該活
性炭に吸着させて貯蔵し、吸着した該気体の少なくとも
一部を脱着して、作業環境下へ送出するために、負圧に
引くことを特徴とする水素化化合物又はハロゲン化化合
物気体を貯蔵し、その後に送出する装置は、例えば図1
に示すように、容器1、容器弁2、容器弁内蔵フィルタ
ー3、上部空間4、パージ弁5、圧力計6、バイパス弁
7、ラインフィルタ8、エアー駆動弁9、マスフローコ
ントローラー10、接続配管11、活性炭12により構
成される。該装置は、少なくとも容器1及び活性炭12
を加熱するヒーターと加熱温度を制御するユニットを同
時に具備してもかまわない。また、上記の容器1から接
続配管11は、充分な真空気密性能を有することが好ま
しい。
【0020】本発明において、所定量の水素化化合物又
はハロゲン化化合物気体を高純度活性炭と接触させて、
大気圧以下の貯蔵環境下で該活性炭に吸着させて貯蔵
し、吸着した該気体の少なくとも一部を脱着して、作業
環境下へ送出するために、負圧に引くことを特徴とする
水素化化合物又はハロゲン化化合物気体を貯蔵し、その
後に送出する方法又は装置に使用する活性炭は、細孔直
径、細孔容積が微妙に制御可能であり、原料としての均
一性、ロット間の均一性に優れるフェノール樹脂を原料
とする活性炭が好ましく、さらに好ましくは、フェノー
ル樹脂粉末の炭化、 賦活粒子が結合してなる粒状炭素成
形物で、 その比表面積が800〜1500m2 /g、細
孔直径0.01〜10μmの細孔容積が0.1〜1.0
cc/g、細孔直径10nm以下の細孔容積が0.20
〜0.80cc/gであり、かつ細孔直径10nm以下
の細孔容積に占める細孔直径0.6〜0.8nmの細孔
容積の割合が75vol%以上、粒子嵩密度が0.4〜
1.1g/cc、充填密度が0.30〜0.70g/c
c、灰分量が1.0%以下、粒子の引張り強度が30k
g/cm2 以上である。
【0021】さらに好ましくは、本発明において別途提
案されている、例えばアルシン、ホスフィン、3フッ化
ホウ素等の水素化化合物及びハロゲン化化合物気体と密
閉空間内で事前に接触させて吸着させる吸着工程と、該
吸着反応を経た系を反応促進する工程と、該反応促進工
程を経た該気体を該密閉空間から排出する排出工程の一
連の工程により処理されたフェノール樹脂を主原料とす
る活性炭である。
【0022】該活性炭の比表面積は700〜1500m
2 /g、好ましくは850〜1400m2 /g、最も好
ましくは900〜1300m2 /g、である。比表面積
が800m2 /gより小さい場合は、アルシン、ホスフ
ィン等の気体化合物の吸着サイトの量が少なすぎて吸着
容量が低く好ましくない。また、比表面積が1500m
2 /g以上ではアルシン、ホスフィン等の気体化合物の
吸着に有効に働くと考えられる細孔直径0.6〜0.8
nmの細孔容積が小さくなり好ましくない。
【0023】該活性炭の細孔直径0.01〜10μmの
細孔容積は0.1〜1.0cc/g、好ましくは0.2
〜0.8cc/g、最も好ましくは0.3〜0.7cc
/gである。この範囲の細孔容積が0.1cc/gより
小さいと、アルシン、ホスフィン等の気体化合物の細孔
内の拡散速度が遅くなって、吸着速度、脱着速度が低下
し好ましくない。また、この細孔直径0.01〜10μ
mの細孔容積が1.0cc/gより大きいと粒子嵩密度
及び粒子の機械的強度が小さくなり好ましくない。
【0024】また、該活性炭は細孔直径10nm以下の
細孔容積が0.20〜0.80cc/g、かつ細孔直径
10nm以下の細孔容積に占める細孔直径0.6〜0.
8nmの細孔容積の割合が75vol%以上である。細
孔直径10nm以下の細孔容積は、好ましくは0.30
〜0.70cc/g、最も好ましくは0.30〜0.6
0cc/gである。この細孔直径10nm以下の細孔容
積が小さくなると、細孔直径0.6〜0.8nmの細孔
容積も低下するので、アルシン、ホスフィン等の気体化
合物の吸着容量が低下し、また細孔直径10nm以下の
細孔容積が大きすぎると、細孔直径0.6〜0.8nm
の細孔容積の割合が減少して好ましくない。
【0025】また、細孔直径0.6〜0.8nmの細孔
容積は細孔直径10nm以下の細孔容積の75vol%
以上、好ましくは78vol%以上、最も好ましくは8
0vol%以上である。アルシン(As H3 )、ホスフ
ィ ン(PH3 )の分子の大きさを分子力学法で計算した
構造に対して、各分子のvan der Waals半
径を用いて計算した結果それぞれの分子の長軸は0.
45nm、0.49nm程度となるが、これら分子を吸
着するのに有効に作用する細孔は、その分子径を少し上
回る程度の直径を有する細孔であり、細孔直径0.6〜
0.8nmの細孔と考えられる。細孔直径が分子の大き
さに対して小さ過ぎる細孔では、分子の吸着速度が小さ
くなり好ましくない。また、細孔直径が分子の大きさに
対してかなり大きい場合には吸着速度と同時に脱着速度
も高くなり、平衡吸着量が低下し好ましくない。
【0026】従って、これら分子を吸着するのに有効に
作用する細孔直径0.6〜0.8nmの細孔容積が細孔
直径10nm以下の細孔容積の75vol%より小さく
なるとアルシン(AsH3 )、ホスフィ ン(PH3 )等
の気体化合物の吸着容量が低下し好ましくない。
【0027】また、活性炭の粒子嵩密度は0.4〜1.
2g/cc、好ましくは0.5〜1.0g/cc、最も
好ましくは0.6〜0.8g/ccである。粒子嵩密度
が小さすぎるとボンベ等の容器に充填した際に、容器の
内容積当たりの吸着能力が低下し好ましくない。また、
大き過ぎると活性炭の細孔の連通性が低下し吸着能力の
低下を来すので好ましくない。
【0028】また、活性炭をボンベ等の容器に充填した
際の充填密度は0.3〜 0.7g/cc、好ましくは
0.5〜0.65g/ccである。充填密度が小さすぎ
るとボンベ等の内容積当たりの吸着能力が低下し好まし
くない。本発明の活性炭の形状は円柱状、球状等の他、
円筒状やその他の異形断面のものを用いることができ
る。
【0029】また、活性炭粒子の大きさは0.3〜5m
m、好ましくは0.6〜4mm、最も好ましくは0.8
〜3mmである。粒子が大きすぎるとボンベ等の容器に
充填した際に、充填密度を高くできず好ましくない。粒
子が小さすぎると粒子製造時、及びボンベ等への充填作
業時の作業性が悪く好ましくない。
【0030】また、例えば活性炭をアルシン、ホスフィ
ン、3フッ化ホウ素等の水素化化合物及びハロゲン化化
合物気体と密閉空間内で事前に接触させて吸着させる吸
着工程と、該吸着反応を経た系を反応促進する工程と、
該反応促進工程を経た該気体を該密閉空間から排出する
排出工程の一連の工程を活性炭に対して施す。その理由
は、活性炭の細孔表面に存在する水素、窒素、酸素、炭
素原子を予め強制的に除去することにより、貯蔵する気
体化合物中に不純物の混入するのを防ぐためである。事
前に注入される気体化合物は活性炭表面に単に物理吸着
するだけでなく、活性炭表面の水素、窒素、酸素、炭素
原子と化学的に反応し水素、窒素、一酸化炭素、二酸化
炭素の発生を引き起こし、事前に注入された気体化合物
中に混入する。従って、もはや活性炭中には貯蔵する気
体化合物と反応して生じる不純物の原因となる原子は減
少しており、貯蔵する気体化合物中への不純物の混入は
回避できる。
【0031】また、該反応促進工程は、該密閉空間内の
所定量のアルシン、ホスフィン、3フッ化ホウ素等の気
体化合物を加熱する段階を含むのが好ましい。この加熱
工程における温度は、水素化化合物又はハロゲン化化合
物気体を貯蔵し、その後に送出する装置が使用される一
般的な使用環境温度である30℃以上であることが好ま
しく、50℃以上であることがさらに好ましく、100
℃から200℃であることが最も好ましい。200℃を
越えるとアルシンなどの気体化合物が自己分解を起こし
てしまうため好ましくない。
【0032】該反応促進工程の加熱に要する時間は、加
熱温度に大きく依存するが、例えば100℃以上の加熱
温度の条件下では、1時間以上が好ましく、さらに好ま
しくは5時間以上、最も好ましくは8時間以上である。
加熱時間が短いと反応が不完全で実際の貯蔵中の不純物
気体の発生を期待通りに防ぐことができないため好まし
くない。また、加熱に数日を要するような条件は実施上
効率が非常に悪く、好ましくない。
【0033】さらに、該排出工程における該密閉空間内
の圧力が、大気圧以下となるように、例えばアルシン、
ホスフィン、3フッ化ホウ素等の気体化合物の充填量及
び/又は加熱温度を選択するのがよい。
【0034】さらにまた、該反応促進工程によって生
じ、アルシン、ホスフィン、3フッ化ホウ素等の気体化
合物に混入した不純物気体を該排出工程において円滑に
排出するためのバッファ空間を該密閉空間に設けてもよ
い。
【0035】該反応促進工程を経た該気体を該密閉空間
から排出する排出工程は、温度を100℃〜200℃で
維持したまま、真空ポンプで10〜5mmHg程度まで
減圧して行う。これら、活性炭の気体化合物による処理
は、気体化合物を貯蔵する活性炭をボンベに充填する前
に、複数のボンベの分をまとめて処理しても良いし、各
ボンベに活性炭を充填後行っても良い。例えば猛毒のア
ルシンで処理した活性炭を取り出して、各ボンベへ分配
する煩雑さから、予め活性炭を各ボンベに分配した後に
各ボンベ毎に気体化合物処理を行った方が作業性は良好
である。
【0036】前処理に用いる例えばアルシン、ホスフィ
ン、3フッ化ホウ素等の水素化化合物又はハロゲン化化
合物気体は容器内の活性炭吸着材に単に物理吸着される
だけでなく、活性炭吸着材の表面の水素、窒素、酸素、
炭素原子との化学反応を伴う化学吸着も引き起こすた
め、その結果該ガス中に不純物として、水素、窒素、一
酸化炭素及び二酸化炭素の発生を引き起こし、該ガス中
に混入するのである。
【0037】この方法の実施態様としては、貯蔵する例
えばアルシン、ホスフィン、3フッ化ホウ素等の水素化
化合物又はハロゲン化化合物気体をすぐに使用したい場
合には、例えばアルシン、ホスフィン、3フッ化ホウ素
等の水素化化合物又はハロゲン化化合物気体自体が熱分
解しない程度の高温で加熱すれば、数時間で効率的に前
処理を完了することができ、貯蔵用の例えばアルシン、
ホスフィン、3フッ化ホウ素等の水素化化合物又はハロ
ゲン化化合物気体をその後吸着させて、使用環境に、例
えばボンベごと搬送することができる。一方、化合物気
体を使用するまで充分時間がある場合には、前処理に用
いる例えばアルシン、ホスフィン、3フッ化ホウ素等の
水素化化合物又はハロゲン化化合物気体を入れて放置
し、使用段階になって貯蔵用の例えばアルシン、ホスフ
ィン、3フッ化ホウ素等の水素化化合物又はハロゲン化
化合物気体と置換すれば良い。なお、前処理に用いる例
えばアルシン、ホスフィン、3フッ化ホウ素等の水素化
化合物又はハロゲン化化合物気体の必要量は、活性炭と
の反応が完全に完了するのに必要な量で足り、この点で
例えばアルシン、ホスフィン、3フッ化ホウ素等の水素
化化合物又はハロゲン化化合物気体を無駄に使用する必
要は生じない。
【0038】また、前処理に用いる例えばアルシン、ホ
スフィン、3フッ化ホウ素等の水素化化合物又はハロゲ
ン化化合物気体の量及び/又は加熱温度を適当に選択し
て密閉空間内を大気圧以下とすれば、前処理に用いる例
えばアルシン、ホスフィン、3フッ化ホウ素等の水素化
化合物又はハロゲン化化合物気体の排出時に、外部環境
への漏れを防止することが可能になるので、安全に不純
物の除去を行うことができる。
【0039】以上、本発明の内、水素化化合物及びハロ
ゲン化化合物気体と密閉空間内で事前に接触させて吸着
させる吸着工程と、該吸着反応を経た系を反応促進する
工程と、該反応促進工程を経た該気体を該密閉空間から
排出する排出工程の一連の工程により活性炭を処理し
て、該気体と同種又は異種の水素化化合物及びハロゲン
化化合物気体を吸着して貯蔵する時に、該活性炭と該貯
蔵気体の接触により生じる不純物気体に起因する、該貯
蔵気体の純度低下が起きることを防止する方法又は装置
に関して、詳細に説明したが、本内容は請求の範囲に記
載された本発明の範囲内で種々の変更、修正が可能であ
る。
【0040】例えば、活性炭吸着剤の充填量は、貯蔵用
アルシンの貯蔵量との関係で適宜選定すればよい。ま
た、密閉空間内で事前に接触させるガスと貯蔵ガスは必
ずしも同じガスである必要はない。例えば、密閉空間内
で事前に接触させるガスとしてアルシンと並んで半導体
のドープ工程においてイオン注入ガスとして用いられて
いるホスフィン、或いは三フッ化ホウ素を用いて、活性
炭吸着剤の不純物を強制的に除去した後、貯蔵ガスとし
てアルシンを注入しても全く問題はない。
【0041】本発明における、水素化化合物又はハロゲ
ン化化合物気体を貯蔵しその後に送出す方法及び/又は
装置として提案する装置の構造に、加熱ユニットを具備
させ、吸着した半導体製造に用いる特定の水素化化合物
及びハロゲン化化合物気体の少なくとも一部を脱着して
送出する時に、該気体の貯蔵環境を該活性炭ごと加熱す
ることができるようにするのは、加熱により該活性炭の
吸着容量を低減させ、同一圧力下で送出できる該気体の
量を増加させるのが目的で、これにより貯蔵された該気
体の有効に利用できる量を増加させることができる。
【0042】該気体の少なくとも一部を脱着して送出す
る時に該気体の貯蔵環境を該活性炭ごと加熱するときの
加熱温度は、該装置が使用される一般的な使用環境温度
である30℃以上であることが好ましく、40℃以上で
あることがさらに好ましく、50℃から200℃である
ことが最も好ましい。200℃を越えるとアルシンなど
の気体化合物が自己分解を起こしてしまうため好ましく
ない。
【0043】該加熱を施す際は、本発明に記載の、水素
化化合物及びハロゲン化化合物気体と密閉空間内で事前
に接触させて吸着させる吸着工程と、該吸着反応を経た
系を反応促進する工程と、該反応促進工程を経た該気体
を該密閉空間から排出する排出工程の一連の工程により
処理した活性炭を用いるのが好ましい。
【0044】以下に本発明に利用する活性炭の製造方法
の一例を詳述する。
【0045】一般に、フェノール樹脂は大別するとレゾ
ール樹脂とノボラック樹脂およびその他の特殊フェノー
ル樹脂や変性品等に分けられるが、 本発明に利用する活
性炭を製造するのに用いられるフェノール樹脂粉末は特
に限定するものではないが、例えば、特公昭62−30
210号公報、特公昭62−30212号公報等に開示
された粒状ないし粉末状の特殊フェノール樹脂を用いる
ことができる。その製造法の概要は以下の如くである。
【0046】室温下、15〜22重量%の塩酸と7〜1
5重量%のホルムアルデヒドとからなる混合水溶液を撹
拌しながら、フェノール又はフェノールと尿素、メラミ
ン、アニリン等の含窒素化合物とからなる混合物を該混
合水溶液に対して15分の1以下の割合で加え、反応系
内に白濁が生成する前に撹拌を停止し静置する。静置し
ている間に反応系内にはピンク色の粒状フェノール樹脂
が生成・沈降する。次に反応系全体を再度撹拌しながら
40〜90℃の温度にまで加熱・昇温して反応を完了せ
しめた後水洗し、引き続きアンモニア水溶液で中和処理
後、水洗、脱水、乾燥する。こうして得られた粒状フェ
ノール樹脂は、その殆どが粒径0.1〜150μmの一
次粒子、又はその二次凝集物からなる。
【0047】このフェノール樹脂はレゾール樹脂、ノボ
ラック樹脂と性状を異にする特殊フェノール樹脂粉末で
あり、本発明に利用する活性炭を製造するのに用いられ
るフェノール樹脂粉末として好適に用いることができ
る。また、このフェノール樹脂は、実質的に無水のメタ
ノール500ml中で加熱還流した場合に、下記式 S={(W0 −W1 )/W0 }×100 ここで、W0 :使用した該樹脂の重量(g) W1 :加熱還流後に残存した該樹脂の重量(g) S :該樹脂のメタノール溶解度(重量%) で表されるメタノール溶解度を反応性を表す指標として
用いることができる。すなわち、メタノール溶解度の大
きいものは反応性も高くなる。本発明では、通常メタノ
ール溶解度が70重量%以下、好ましくは30重量以下
%、最も好ましくは10重量%以下のフェノール樹脂粉
末を用いる。
【0048】その理由は、該メタノール溶解度が70重
量%以上では、熱融着性が高く、炭化途中の加熱過程に
おいて、熱融解のために、フェノール樹脂粒子間の連通
空隙が埋められてしまい、炭化物の気孔の連通性が低下
し吸着能力の低下を来すことになるからである。充分な
吸着能力を有する活性炭を得るには、上述の範囲のメタ
ノール溶解度を有するフェノール樹脂粉末を用いるとよ
い。
【0049】また、本発明に利用する活性炭を製造する
のに用いる他のフェノール樹脂粉末を製造する方法とし
ては、フェノール類とアルデヒドを少なくとも含窒素化
合物の存在下で反応させて得られる縮合物に親水性高分
子化合物を添加し反応させる方法(特公昭53−129
58号公報)、フェノールとホルムアルデヒドを塩基性
水溶液中で反応させて得られるプレポリマーを保護コロ
イドと混合し、酸性下で不活性固形ビーズ状に凝固させ
る方法(特公昭51−13491号公報)等がある。そ
の他にも例えば、特開昭61−51019号公報、特開
昭61−127719号公報、特開昭61−25881
9号公報、特開昭62−272260号公報、特開昭6
2−1748号公報等に記載の方法により製造したフェ
ノール樹脂粉末を用いることもできる。
【0050】レゾール樹脂は、通常、例えば水酸化ナト
リウム、アンモニア又は有機アミンの如き塩基性触媒の
存在下でフェノール対ホルムアルデヒドのモル比が1:
1〜2の如きホルムアルデヒド過剰の条件下で反応す
ることによって製造される。かくして得られるレゾール
樹脂は、比較的多量の遊離メチロール基を有するフェノ
ールの1〜3量体が主成分をなし、反応性が大きい。
【0051】また、ノボラック樹脂は、通常、例えばシ
ュウ酸の如き酸触媒の存在下でフェノール対ホルムアル
デヒドのモル比が1:0.7 〜0.9となるようなフ
ェノール過剰の条件下で反応させることによって製造さ
れる。かかる方法で得られるノボラック樹脂は、フェノ
ールが主としてメチレン基によって結合された3〜5量
体が主成分をなし、遊離メチロール基を殆ど含有せず、
従ってそれ自体では自己架橋性を有せず、熱可塑性を有
する。そこでノボラック樹脂は、例えばヘキサメチレン
テトラミンの如き、それ自体ホルムアルデヒド発生剤で
あると共に有機塩基触媒発生剤でもある架橋剤を加える
か、あるいは、例えば固体酸触媒とパラホルムアルデヒ
ド等を混合し、加熱下で反応させることによって硬化物
を得ることができる。
【0052】これらのレゾール樹脂、ノボラック樹脂等
は一度硬化された後、粉砕することにより本発明の原料
樹脂粉末として用いることができる。
【0053】本発明に利用する活性炭を製造するのに用
いるフェノール樹脂粉末の粒径は通常0.1〜150μ
m、好ましくは0.5〜50μm、最も好ましくは1〜
30μmである。
【0054】本発明に利用する活性炭を製造するのに用
いられるところのバインダーとしては、特にその種類を
限定するものではないが、液状熱硬化性樹脂やポリビニ
ルアルコール(PVA)、クレオソート油などが好まし
く用いられる。
【0055】液状熱硬化性樹脂としては、液状レゾール
樹脂、液状メラミン樹脂、又はこれらの変性樹脂などが
挙げられる。
【0056】ここで、液状レゾール樹脂は、先述したよ
うに塩基性触媒の存在下でフェノールを過剰のアルデヒ
ドと反応させることによって製造され、比較的多量の遊
離メチロール基を有するフェノールの1〜3量体が主成
分を成す。
【0057】液状メラミン樹脂はいわゆる熱硬化性樹脂
であり、加熱により化学反応が促進され親水性の初期重
合物の形態、或いは、やや縮合の進んだ疎水性縮合物の
状態を経て最終的には不溶不融の硬化物になる。
【0058】液状メラミン樹脂は、メラミンにアルデヒ
ド、通常はホルムアルデヒドを付加させて製造される。
また、種々のアルコールが同時に使用されることもあ
る。メラミン樹脂の生成は、先ずメラミンにホルムアル
デヒドがメチロール基として付加し、ついでメチロール
基が他の分子のアミノ基やイミノ基との間で脱水縮合し
てメチレン基となる反応や、メチロール基同士で脱水縮
合してジメチレンエーテル結合となる反応、あるいはメ
チロール基とアルコールとの間で脱水してエーテル化す
る反応により進行する。
【0059】液状メラミン樹脂は、水溶性樹脂と油溶性
樹脂とに分けることができ、一般に水溶性樹脂はアルコ
ールとしてメタノールを使用して製造される。一方油溶
性樹脂は、ブチル化メラミン樹脂ともいわれ、通常アル
コールとしてブタノールを使用する。本発明に利用する
活性炭を製造するのに用いられるバインダーとして使用
される液状メラミン樹脂は、水溶性、油溶性いずれでも
よく、既知の方法にて製造されたものでよい。
【0060】本発明に利用する活性炭を製造するのに用
いられるポリビニルアルコールは、好ましくは重合度1
00〜5000、けん化度70%以上のものであり、カ
ルボキシル基等で一部変性されたものも好適に用いられ
る。
【0061】本発明に利用する活性炭を製造するに於い
ては、上記フェノール樹脂粉末とバインダー成分を混合
した後造粒することによって粒状成形物を得るが、本発
明に規定するバインダーの含有量は、フェノール樹脂粉
末100重量部に対し〜90重量部である。
【0062】バインダーの含有量は、好ましくは10〜
60重量部、最も好ましくは20〜40重量部である。
バインダーの含有量が5重量部より少ないと造粒時の作
業性が低下してダイスよりの押出しが困難になり、造粒
物の形状が不揃いで強度が低く、粉が発生しやすくなる
等の問題が生じる。また、90重量部より多くなると、
やはり造粒時の作業性が低下するとともに炭化賦活後の
ペレット内の細孔の連通性が低下し、吸着剤としての性
能が悪くなり好ましくない。
【0063】このフェノール樹脂粉末とバインダー成分
の混合は、室温あるいは加熱下で、リボンミキサー、V
型ミキサー、コーンミキサー、ニーダー等の市販の混合
撹拌機で行えばよい。
【0064】本発明に利用する活性炭を製造するに於い
ては、上記フェノール樹脂とバインダー成分の他に、他
の添加成分を加えることを何ら制限するものでなく、例
えば、澱粉、結晶性セルロース粉末、メチルセルロー
ス、水、溶媒等を適量加えることができる。また、少量
のコークス、ヤシ殻炭等を添加することも何ら制限され
るものではない。
【0065】更に本発明に利用する活性炭を製造するに
於いては、その特性を損なわない範囲で混合および造粒
時の作業性の向上のため、例えばエチレングリコール、
ポリオキシエチレン、アルキルエーテル、ポリオキシエ
チレン脂肪酸エステル、ポリカルボン酸アンモニウム塩
等の界面活性剤、ポリビニルアルコールの架橋剤、押出
造粒用の可塑剤等を少量加えることができる。
【0066】本発明に利用する活性炭を製造するに於い
ては、 上記の如く混合装置により均一に混合された後、
次いで粒状物に成形される。粒状物への成形は、例えば
単軸あるいは二軸の湿式押出造粒機、バスケットリュー
ザーの如き竪型造粒機、半乾式ディスクペレッター等に
より行うことができる。この成形は通常室温で行われる
が、場合によっては加熱下で実施してもよい。こうして
得られた造粒物を通常50〜400℃程度の温度範囲で
乾燥処理を行って、粒状成形物を得る。
【0067】粒状成形物の形状は、通常、円柱状あるい
は球状ペレットであり、炭化賦活後のペレット形状が所
定の形状となるよう造粒時に調整する。
【0068】本発明に利用する活性炭を製造するには、
上述の如くして得られた粒状成形物、又はそれを非酸化
性雰囲気下500〜900℃で熱処理した炭化物を、7
00〜1100℃の温度範囲で炭化物を基準とした重量
減少率が5〜40%となる範囲で賦活処理を行うことに
より目的の活性炭を得る。
【0069】本発明に利用する活性炭を製造するにおい
て、 賦活処理を行う前の粒状成形物の炭化は、電気炉、
外熱式ガス炉などの熱処理装置を用いて非酸化性雰囲気
下500〜900℃で行われる。この場合の非酸化性雰
囲気とは、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム等の雰囲
気である。
【0070】また、この炭化温度は通常500〜900
℃であるが、好ましくは550〜850℃、最も好まし
くは600〜800℃である。炭化温度が900℃より
高いと次の賦活処理工程での賦活速度が遅くなり、賦活
を効率的に進めることができなくなるので好ましくな
い。また炭化温度が500℃以下の場合には温度が低過
ぎて炭化があまり進まず好ましくない。
【0071】本発明に利用する活性炭を製造するには、
上記粒状成形物、又はそれを非酸化性雰囲気下500〜
900℃で熱処理した炭化物を賦活処理する。賦活処理
の温度領域は700〜1100℃、好ましくは800〜
1000℃、最も好ましくは850〜950℃である。
賦活処理の温度が1100℃より高い場合には、細孔容
積が熱収縮により減少してしまったり、 活性炭表面が酸
化し、耐磨耗強度が低下してしまうため好ましくない。
また600℃より低い場合には賦活が十分に行われず、
吸着能力が低く好ましくない。
【0072】また、本発明に利用する活性炭を製造する
においては、 賦活処理には、酸素、二酸化炭素、水蒸気
もしくはこれらの二種類以上の混合ガス、あるいはこれ
らのガスを含んだ窒素、アルゴン、ヘリウム等の雰囲気
ガス、メタン、プロパン、ブタン等の燃焼排ガスなどを
用いることができ、炭化物を基準とした重量減少率が5
〜40%となる範囲で賦活を行う。
【0073】重量減少率が5%より小さい場合には細孔
の発達が不十分であり、細孔容積が小さすぎて十分な性
能を確保できず好ましくない。また、重量減少率が40
%より大きい場合にはアルシン、ホスフィン等の気体化
合物の吸着に有効に働く0.6〜0.8nmの細孔の割
合が小さくなり、また粒子嵩密度が小さくなり、活性炭
をボンベ等の容器に充填した際、有効に作用する吸着サ
イトの単位体積当たりの量が減少して好ましくない。
【0074】本発明に利用する活性炭は、例えばガス製
造事業所でボンベ等の容器内に充填し、半導体工業でイ
オン注入ガス用として用いられるアルシン、ホスフィ
ン、3フッ化ホウ素等の気体化合物を吸着させ、使用時
までこれら気体化合物を安定に貯蔵するのに用いられ
る。半導体等の製造現場では必要に応じてこれら気体化
合物を負圧に引いてボンベから取り出す。ボンベ内は大
気圧以下に保持しているため、猛毒のアルシン、ホスフ
ィン等がボンベから周囲環境に漏れ出す危険は極めて小
さい。
【0075】本発明に利用する活性炭による吸着貯蔵の
対象となる気体化合物は、例えばアルシン、ホスフィ
ン、3フッ化ホウ素、3塩化ホウ素、六フッ化タングス
テン、シラン、ジボラン、塩素、B2 6 、(CH3
3 Sb、フッ化水素、塩化水素、沃化水素、ゲルマン、
アンモニア、スチビン、硫化水素、セレン化水素、テル
ル化水素ならびにNF3 からなる群から選ばれる気体化
合物であり、吸着貯蔵に最適な化合物としてアルシン、
ホスフィン、3フッ化ホウ素が挙げられる。
【0076】
【実施例】先ず、本発明に用いた測定評価方法について
以下に示す。
【0077】(1)吸着アルシン量及び放出アルシン量
の測定方法 一端にダイアフラム式締切弁を備えた内径30mm、長
さ150mm、内容量100mlのステンレス製試験容
器を予め化学天秤で秤量しておく。このときの試験容器
の重量をW0とする。試験に用いる吸着剤をそれぞれ試
験容器内に充填した後、締切弁を介して試験容器を真空
ポンプに接続し、試験容器内が0.01mmHg以下と
なるまで真空引きする。さらに加熱装置により試験容器
内が350℃となるまで徐々に試験容器を外部から加熱
して、引き続き真空ポンプで試験容器内部を真空引きし
て0.01mmHg以下にする。その後、放熱して常温
に戻し、試験容器を再度秤量する。このときの試験容器
の重量をW1とする。
【0078】次いで、試験容器を恒温装置で一定温度2
0℃に保ちながら、アルシンを締切弁を介して試験容器
内を大気圧以下の700mmHgに調圧しながら、これ
以上吸収されないまで試験容器に導入する。このときの
試験容器の重量をW2とする。
【0079】試験容器を圧力計、流量制御器及び真空ポ
ンプを介してガスクロマトグラフィ質量分析計に接続し
て、定量分析を行う。圧力計は、真空ポンプで試験容器
内を真空引きしたときの内部圧力を測定するために設置
し、流量制御器は、試験容器から流出する際の放出アル
シンの流量を制御するために設置する。放出アルシンの
流量を1ml/min乃至10ml/minに制御しな
がら、内部圧力20mmHgまで真空ポンプで試験容器
内を引き、アルシンを試験容器から外部に送出する。次
いで、試験容器を再度秤量する。このときの試験容器の
重量をW3とする。
【0080】さらに、試験容器内を0.01mmHgま
で真空ポンプで引き、その後加熱装置によって試験容器
内を加熱し、100℃乃至150℃で約4時間保持し、
試験容器を再度秤量する。このときの試験容器の重量を
W4とする。放出アルシン量をそれぞれW2−W3、W
2−W4、残留アルシン量をそれぞれW3−W1、W4
−W1によって決定する。
【0081】(2)20日後の圧力変化測定法 試験に用いる吸着剤をそれぞれ、一端にダイアフラム式
締切弁を備えた内径30mm、長さ150mm、内容量
100mlのステンレス製試験容器に充填した後、締切
弁を介して試験容器を真空ポンプに接続し、試験容器内
が0.01mmHg以下となるまで真空引きする。さら
に加熱装置により試験容器内が350℃となるまで徐々
に試験容器を外部から加熱して、引き続き真空ポンプで
試験容器内部を真空引きして0.01mmHg以下にす
る。その後、放熱して常温に戻す。
【0082】次いで、試験容器を恒温装置で一定温度2
0℃に保ちながら、アルシンを締切弁を介して試験容器
内を大気圧以下の700mmHgに調圧しながら、これ
以上吸収されないまで試験容器に導入する。このときの
試験容器の重量をW0とする。
【0083】次いで、試験容器を恒温装置で一定温度2
0℃に保ちながら、20日後の重量を測定する。このと
きの試験容器の重量をW1とする。W1−W0を計算
し、漏れによる差異が無いことを確認して、内圧を読み
とる。
【0084】(3)複数圧力下における吸着アルシン量
の測定方法 一端にダイアフラム式締切弁を備えた内径30mm、長
さ150mm、内容量100mlのステンレス製試験容
器を予め化学天秤で秤量しておく。このときの試験容器
の重量をW0とする。
【0085】次いで、試験に用いる吸着剤をそれぞれ試
験容器内に充填した後、締切弁を介して試験容器を真空
ポンプに接続し、試験容器内が0.01mmHg以下と
なるまで真空引きする。さらに加熱装置により試験容器
内が350℃となるまで徐々に試験容器を外部から加熱
して、引き続き真空ポンプで試験容器内部を真空引きし
て0.01mmHg以下にする。その後、放熱して常温
に戻し、試験容器を再度秤量する。このときの試験容器
の重量をW1とする。
【0086】次いで、試験容器を恒温装置で一定温度2
5℃に保ちながら、アルシンを締切弁を介して試験容器
内を大気圧以下の10、20、30、50、100、2
00、300、400、500、600、700の各m
mHgに調圧しながら、各圧力時にこれ以上吸収されな
いまで試験容器に導入する。このときの試験容器の重量
をWnとする。なお、Wnのnにはそれぞれ低圧から順
に2から11までの数字を当てる。その後、吸着剤、吸
着アルシンの量をそれぞれW1−W0、Wn−W1によ
って決定する。
【0087】(4)粒子引張り強度測定法 活性炭粒子の引張り強度は木屋式硬度計にて測定した。
強度測定で評価する引張強度は、粒子が破砕時の荷重値
と粒子直径、粒子長より、次式で計算した。 引張強度:σ[kg/cm2 ]= 2P/(πdl) P: 荷重[kg]、d:粒子直径[cm]、l: 粒子長
[cm]
【0088】(5)活性炭の比表面積の測定法 被測定活性炭0.1g程度を正確に秤量した後、 高精度
全自動ガス吸着装置BELSORP28(日本ベル株式
会社製)の専用セルに入れ、 該装置を用いて窒素を吸着
させB.E.T法により求めた。
【0089】(6)細孔容積の測定法 本発明の吸着剤の細孔容積の測定は、細孔直径0.01
〜10μmの範囲についてはポロシメーターによる水銀
圧入法(島津製作所製、ポアサイザー9310)により
測定し、細孔直径10nm以下の細孔容積は全自動ガス
吸着測定装置(日本ベル株式会社製、ベルソープ28)
で窒素吸着測定を行った。具体的には、細孔直径2〜1
0nmの範囲の細孔容積は77Kに於ける窒素ガスの吸
着等温線をD−H解析することにより求め、細孔直径2
nm以下の細孔容積は77Kに於ける窒素ガスの吸着等
温線のt−plotからMP法を用いて解析することに
より求めた。
【0090】(7)灰分の測定法 105℃で2時間乾燥した試料約1gを白金坩堝に精秤
し、700℃、2時間灰化し、再度精秤して灰分量を求
めた。
【0091】次に本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、 本発明は実施例により限定されるものでは
ない。
【0092】(実施例1)フェノール樹脂粉末(鐘紡株
式会社製、ベルパールR800:平均粒子径20μm)
100重量部に対し、バインダーとしてメラミン樹脂水
溶液(住友化学工業株式会社製、スミテックスレジンM
−3、固形分濃度80重量%)、重合度1700、けん
化度99%のポリビニルアルコール( 以下PVAと略
す。)を、そして添加物として馬鈴薯澱粉、界面活性剤
(花王株式会社製、レオドールSP−L10)および水
を所定量計量した。
【0093】上記原料のうちまず、フェノール樹脂粉末
と馬鈴薯澱粉をニーダーで15分間乾式混合した。一
方、上記ポリビニルアルコールを温水で15重量%の水
溶液となるように溶解し、このポリビニルアルコール水
溶液とメラミン樹脂水溶液、界面活性剤および水をニー
ダーに加えて更に15分間混合した。
【0094】この混合組成物を2軸押出造粒機(不二パ
ウダル株式会社製、ペレッタダブルEXDF−100
型)で押出し、外径が約1.0mmのバインダー含有量
の異なるペレット状成形体の造粒を行った。各原料成分
の組成比を表1に示す。
【0095】
【表1】
【0096】こうして得た試料について、内径70mm
φの円筒型電気炉を用いて窒素雰囲気下、昇温速度50
℃/Hで650℃まで昇温し1時間保持して炭化させ
た。次いでこの炭化物20gを異なる条件で水蒸気賦活
して、 つの試料を得た。 すなわち、 試料1は750
℃、1.5時間、試料2は900℃、1.5時間、試料
3は950℃、1.5時間、試料4は980℃,1.5
時間、試料5は1000℃,1.5時間、試料6は10
00℃,2.0時間、試料7は700℃,1.5時間、
水蒸気を含んだ窒素ガス(賦活ガス組成モル比:N2
2 O=1/1、流量 1.0NL/min)を用いて
賦活処理を行った。得られた炭化賦活品の賦活条件およ
び特性値を表2に示す。
【0097】
【表2】
【0098】また、これらの活性炭のアルシンの吸着
量、放出量を表3に示す。
【0099】
【表3】
【0100】試料1〜4はいずれの特性値も本発明に使
用する活性炭の規定する範囲内であり、吸着アルシン
量、放出アルシン量とも高くなっている。
【0101】一方、試料5〜7は比表面積、10nm以
下の細孔容積、0.6〜0.8nm以下の細孔容積の割
合、引っ張り強度、粒子嵩密度、充填密度等の何れか一
つ以上が本発明の規定する範囲内に入っておらず、吸収
アルシン量、放出アルシン量とも低下している。
【0102】また、試料1、試料2、及び一般のガス吸
着用ヤシ殻活性炭(一般用活性炭)を用いて、アルシン
を吸着貯蔵した際の内圧の変化を表3に合わせて示し
た。この結果、一般用活性炭を用いた場合には、灰分量
が多くなると共に、内圧の上昇が認められるが、本発明
に使用する活性炭の範囲内である試料1、試料2の場合
には、灰分量が少なく、内圧の上昇も認められなかっ
た。
【0103】(実施例2)実施例2では、実施例1で製
造した試料2と、前処理を行わないで或いは種々の加熱
温度で密閉空間内で事前に接触させるアルシン又はホス
フィン(以下、予備アルシン又はホスフィン)によって
前処理を行って、その後に貯蔵用アルシン(ホスフィ
ン)を試験容器に注入して、時間の経過による試験容器
内の圧力の変化及び貯蔵アルシン(ホスフィン)の純度
変化を測定する比較実験を行った。
【0104】図2に実験装置の概略を示す。実験装置
は、ガス注入系統、ガス排出系統、ガス分析系統及び試
験容器系統からなり、各系統は、常時閉の締切弁V1〜
V10を備えた配管によって接続されている。ガス注入
系統は、アルシン、ホスフィン、及びヘリウムのガス源
R1〜R3からそれぞれ締切弁V1〜V3を介して独立
に試験容器系統に接続されている。ガス排出系統は、試
験容器系統から真空ポンプP1及び分子ターボポンプP
2を介してS1に接続され、猛毒アルシン、ホスフィン
を安全に外部に排出できるようになっている。ガス分析
系統は、ガスクロマトグラフィによる通常のガス分析計
A1、圧力計G1,ピラニ真空計G2及び電離真空計G
3(前者は、10-1mmHgオーダー、後者は、10-5
mmHgオーダーの測定に用いる)からなり、それぞれ
仕切弁V6〜V10を介して各試験容器に接続されてい
る。
【0105】試験容器系統は、それぞれ出入口部に出入
口締切弁CV1〜CV4を備えた、4本の試験容器C1
〜C4を有し、それぞれ試験容器の外部から試験容器内
を加熱するための電熱ヒーターユニットを有し、各電熱
ヒーターユニットは、熱電対センサーT1〜T4による
温度コントロールユニットを有する。各試験容器内に
は、試料2を吸着材として充填してある。この時、充填
量は、各試験容器の入り口側上部の密閉空間内にバッフ
ァ空間を設けることができる程度である。
【0106】(1)初期真空処理工程 不純物が、アルシン又はホスフィンと吸着材との反応に
よって生じることを明らかにするべく、空気に曝されて
いる試験容器及び試料2からあらかじめ、酸素、窒素、
水分などを除去するべく初期真空処理工程を行った。先
ず、出入口仕切弁CV1〜CV4及び仕切弁V4を開
け、真空ポンプP1によって各試験容器内を真空度0.
1mmHgにして、試験容器内から空気を排出させた
後、仕切弁V4を閉じる。
【0107】次に、仕切弁V1を開き、ガス源R3から
不活性ガスのヘリウムを略大気圧まで各試験容器内に注
入した後、仕切弁V1を閉じ、その後、仕切弁V4を開
き再度、各試験容器内を真空度約0.1mmHgまで引
く。このヘリウムは、試験容器内の空気の置換を促進す
る効果があるため、適宜ヘリウムの注入を数回繰り返し
てもよい。なお、仕切弁V1を開き、ヘリウムを注入
後、仕切弁V6を介して分析計A1にヘリウムガスを導
入して分析して、不純物の酸素、窒素、一酸化炭素及び
二酸化炭素の発生のないことを確認してもよい。因みに
ヘリウム注入によって、ヘリウムは試料2に吸着される
が、かかる吸着によって不純物の発生が生じないことを
確認してある。
【0108】次に、各試験容器を電熱ヒーターユニット
で300℃〜350℃の所定温度に加熱しながら、真空
に引き続け、真空度約0.1mmHgになったら、仕切
弁V4を閉じ、仕切弁V5を開き、今度は分子ターボポ
ンプP2によって、真空度10-5mmHg以下まで高真
空処理する。最後に、出入口仕切弁CV1〜CV4及び
仕切弁V5を閉じて、初期真空処理工程を終了する。各
試験容器を常温になるまで放熱後、各試験容器の重量W
0を秤量する。
【0109】(2)予備アルシン(アルシン)の注入工
程 各試験容器C1〜C4を20℃に保持し、仕切弁CV1
〜CV4ならびに仕切弁V2又はV3を開くとともに、
仕切弁V7を開いて圧力計G1を用いながら、各試験容
器内の圧力が略20mmHgになるまで、予備アルシン
或いは予備ホスフィンを各試験容器内に注入する。この
とき、温度コントロールユニットを用いて、試験容器内
部の温度を試験容器C1からC4の順に、50℃、10
0℃、150℃、及び200℃にそれぞれ加熱維持す
る。
【0110】各試験容器内に発生する不純物及び圧力を
測定するために、各試験容器を適宜分析計A1或いは圧
力計G1に連通させる。次に、試験容器C1〜C4とも
に、予備アルシン(ホスフィン)温度を200℃に維持
しながら、真空ポンプP1及び分子ターボポンプP2に
よって真空度10-5mmHgまで引き、不純物の混入し
た予備アルシン(ホスフィン)上部に設けたバッファ空
間に溜まることができるため、排出が円滑に行われる。
各試験容器を常温になるまで放熱させた後、各試験容器
の重量W1を秤量する。
【0111】(3)貯蔵用アルシン(ホスフィン)の吸
着工程 試験容器C1〜C4をそれぞれ20℃に保持し、仕切弁
CV1〜CV4ならびに仕切弁V2又はV3を開くとと
もに、仕切弁V7を開いて圧力計G1を用いながら、各
試験容器内の圧力が略400mmHgになるまで、貯蔵
用アルシ或いはホスフィンを各試験容器内C1〜C4に
注入させて、試験容器内の試料2に吸着させる。次に、
分析計A1によって各試験容器内の不純物の発生がない
ことを確認後、出入口仕切弁CV1〜CV4を閉じ、そ
れぞれの試験容器の重量W2を秤量して、各試験容器内
のガス重量W2−W1を算出する。
【0112】(4)実験結果 図3〜図5は、イオン注入ガスとしてアルシンを用いた
場合、図6は、ホスフィンを用いた場合の実験結果であ
る。
【0113】図3は、上記(2)予備アルシン(ホスフ
ィン)の注入工程に関連し、種々の加熱温度にて本発明
による方法を用いて前処理した場合の、図2の実験装置
の試験容器内の圧力の時間経過を示すグラフである。
【0114】図3から明かなように、加熱温度が50℃
及び100℃の場合、容器内の圧力は徐々に上昇し、加
熱処理開始48時間後には、それぞれおよそ33mmH
g及び93mmHgとなった。さらに時間経過とともに
圧力が徐々に上昇する見込みである。これに対して、加
熱温度が150℃及び200℃の場合、容器内圧力は処
理開始後より急激に上昇し、150℃では処理開始後ほ
ぼ14時間後、200℃では処理開始後ほぼ8時間後で
圧力の上昇は略止まり、圧力はそれぞれ一定値役480
mmHg及び740mmHgとなった。このことから、
試験容器内への不純ガスの発生が、200℃では、約8
時間、150℃では約14時間で終了し、50℃及び1
00℃では、48時間経過後も依然として継続中である
ことが推定される。
【0115】図4は、図3における48時間経過後の活
性炭入り試験容器の重量W1の、活性炭吸着材入り試験
容器の初期重量W0に対する重量増分(W1−W0)を
示す棒グラフである。この増分は、試料2の細孔表面に
結合した酸素、窒素及び水素からなる不純物原子と、予
備アルシンとが置換反応して、アルシンが化学的吸着に
より細孔表面に不可逆的に結合したために重さが増大し
たことを推定させる。50℃及び100℃での加熱処理
の場合には、後者の増分は、前者に比べて約50%多い
けれども、150℃及び200℃の場合には、増分は略
同じで、50℃の場合の約3倍に達し、相当量の増加が
見られる。これより、150℃及び200℃で加熱処理
した場合、細孔表面の不純物原始のほとんど全てが予備
アルシンと反応して、アルシンに置換されたことが推定
される。
【0116】図5は、上記(3)貯蔵用アルシン(ホス
フィン)の吸着工程に関連し、種々の加熱温度にて本発
明による方法を前処理を行った後に、試験容器内に貯蔵
用アルシンを注入した場合における貯蔵用アルシンの純
度変化を示すグラフである。貯蔵用アルシンは、温度2
0℃、圧力400mmHgで注入した後、35℃に静置
した。なお、アルシンの純度は、水素、酸素、窒素、メ
タン、一酸化炭素及び二酸化炭素からなる不純物濃度の
総和を求めて算出した。
【0117】図5から明かなように、前処理を行ってい
ない場合及び50℃、100℃での加熱の場合には、そ
れぞれ約2週間、約4週間、及び約7週間、総じて注入
後数週間で要求純度99.9%を下回ってしまう。それ
に対して、150℃及び200℃の場合には、このよう
な割合の純度の低下は発生せず、純度低下の進行具合か
ら推定すると、注入後1年までは99.9%を下回るこ
とはないことが予測される。従って、図5は、予備アル
シンを少なくとも150℃で加熱して活性炭を前処理す
れば、貯蔵アルシンに不純物を混入させることなく、長
期に亘って保存或いは貯蔵可能であることを明らかにす
るものである。
【0118】図6は、ホスフィンを用いた場合の図5と
同様の図であり、純度低下率はアルシンの場合より鈍い
ものの、アルシンと同じように長期保存又は貯蔵するた
めには、予備ホスフィンを150℃〜200℃まで加熱
する必要があることを示している。
【0119】(実施例3)実施例3では、実施例1で製
造した試料2及び一般のガス吸着用ヤシ殻活性炭を用い
て、各圧力下におけるアルシン吸着量を測定した結果を
表4に示す。
【0120】
【表4】
【0121】表4に示される通り、本発明に使用する活
性炭の範囲内に入っている試料2は、一般のガス吸着用
ヤシ殻活性炭に比べて非常に良い結果を示した。
【0122】(実施例4)前記の図1に示す気体貯蔵用
の装置を使用して、吸着アルシン量及び放出アルシン量
の測定方法に記載の方法に準じて、装置の重量を測定し
てW1とし、20℃、700mmHgの条件下でアルシ
ンガスを充填して重量を測定してW2とした。同様の方
法に準じて20mmHgまで徐々に圧力を減じて、重量
が安定したところで重量を測定してW3とした。その
後、加熱を行い35℃、50℃、100℃、150℃の
温度でそれぞれ同様に重量測定を行い、Wn(nはそれ
ぞれ順に4、5、6、7)とした。その結果を表5に示
す。
【0123】
【表5】
【0124】表5から明らかなように、適当な温度に加
温することにより、得られるアルシンの量を大きく増加
させることができ、効率よく貯蔵されたアルシンを利用
することが可能となる。
【0125】(実施例5)前記の図1に示す気体貯蔵用
の装置を利用して、吸着ホスフィン量及び放出ホスフィ
ン量の測定方法に記載の方法に準じて、装置の重量を測
定してW1とし、20℃、700mmHgの条件下でホ
スフィンガスを充填して重量を測定し、W2とした。同
様の方法に準じて20mmHgまで徐々に圧力を減じ
て、重量が安定したところで重量を測定してW3とし
た。その後、加熱を行い35℃、50℃、100℃、1
50℃の温度でそれぞれ同様に重量測定を行い、Wn
(nはそれぞれ順に4、5、6、7)とした。その結果
を表6に示す。
【0126】
【表6】
【0127】表6から明らかなように、適当な温度に加
温することにより、得られるホスフィンの量を大きく増
加させることができ、効率よく貯蔵されたホスフィンを
利用することが可能となる。
【0128】
【発明の効果】以上詳述したように、本願発明によれ
ば、活性炭に大気圧以下で吸着した例えば半導体工業で
イオン注入ガス用として用いられるアルシン、ホスフィ
ン、3フッ化ホウ素等の気体化合物は、差圧によって容
易に脱着する。この際、従来の発生していた問題、即ち
貯蔵中に自己分解して大気圧以下の貯蔵環境が大気圧以
上になることを防止することができる。従って、別の作
業環境下、例えば半導体製造装置に必要量のイオン注入
ガス用として用いられるアルシン、ホスフィン、3フッ
化ホウ素等の気体化合物を送出する際、負圧に引けば大
気圧の周囲環境に猛毒性の気体が漏出することなく、高
純度の気体化合物を送出することが可能となった。
【0129】また、例えば吸着されたアルシン、ホスフ
ィン、3フッ化ホウ素等の気体化合物の脱着温度を高温
として該気体の脱着量を増加させることにより、貯蔵環
境内の圧力を大気圧以下に維持したままで、該気体の取
り出し割合を増大させることが可能となった。
【0130】さらに、例えば半導体製造に用いる水素化
化合物及びハロゲン化化合物気体と密閉空間内で事前に
接触させて吸着させる吸着工程と、該吸着反応を経た系
を反応促進する工程と、該反応促進工程を経た該気体を
該密閉空間から排出する排出工程の一連の工程により処
理した、活性炭を用いることにより、気体貯蔵時に該活
性炭と該貯蔵気体の接触により生じる不純物気体に起因
する該貯蔵気体の純度低下が防止され、極めて純度の高
いアルシン、ホスフィン、3フッ化ホウ素等の気体化合
物を供給することが可能となった。
【0131】本発明の方法又は装置に最適の活性炭を内
容量100mlのステンレス製試験容器に充填した後、
真空ポンプに接続し、試験容器内が0.01mmHg以
下となるまで真空引きし、加熱装置により試験容器内が
350℃となるまで徐々に試験容器を外部から加熱し
て、引き続き真空ポンプで試験容器内部を真空引きして
0.01mmHg以下にした後、放熱して常温に戻し、
次いで、試験容器を恒温装置で一定温度20℃に保ちな
がら、例えばアルシンを試験容器内を大気圧以下の70
0各mmHgに調圧しながら、これ以上吸収されないま
で試験容器に導入した際に、36g以上のアルシンを吸
着することが可能であり、従来の活性炭に比較して極め
て効率的にアルシンを吸着できるため、気体化合物を貯
蔵し、さらに気体化合物の使用現場に於いて、これら気
体化合物を効率良く脱着する、ボンベ等として好適に用
いることができる。
【0132】本発明の方法又は装置に最適の活性炭を使
用した場合、例えば前述の如く、アルシンを吸着後、2
0℃に保ちながら、シリンダーからのガスの漏れがない
状態で20日貯蔵した場合、内圧は初期圧を100%と
した際、20日後に於いてもほぼ100%を示し、従来
の活性炭に比較して極めて安定にアルシンを貯蔵できる
ため、気体化合物を貯蔵し、さらに気体化合物の使用現
場に於いて、これら気体化合物を効率良く脱着するボン
ベ等として好適に用いることができる。
【0133】本発明の方法又は装置に最適の活性炭を使
用した場合、例えば前述の如く、100.0%の濃度の
アルシンを吸着後、20℃に保ちながら、シリンダーか
らのガスの漏れがない状態で30日貯蔵した後、アルシ
ンの純度を測定すると、99.9%以上の純度を示し、
従来の活性炭に比較して極めて安定にアルシンを貯蔵で
きるため、気体化合物を貯蔵し、さらに気体化合物の使
用現場に於いて、これら気体化合物を効率良く脱着する
ボンベ等として好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において水素化化合物又はハロゲン化化
合物気体を貯蔵し、その後に送出する装置である。
【図2】本発明装置の一例のである。
【図3】本発明のイオン注入ガスとしてアルシンを用い
て、種々の加熱温度にて本発明による方法を用いて前処
理した場合の、図2の実験装置の試験容器内の圧力の時
間経過を示すグラフである。
【図4】図3における48時間経過後の活性炭吸着材入
り試験容器の重量の活性炭吸着材入り試験容器の初期重
量に対する重量増分を示す棒グラフである。
【図5】種々の加熱温度にて本発明に記載の内容に従い
前処理を行った後に、試験容器内に貯蔵用アルシンを注
入した場合における貯蔵用アルシンの純度変化を示すグ
ラフである。
【図6】種々の加熱温度にて本発明に記載の内容に従い
前処理を行った後に、試験容器内に貯蔵用ホスフィンを
注入した場合における貯蔵用ホスフィンの純度変化を示
すグラフである。
【符号の説明】 1 容器 2 容器弁 3 容器弁内蔵フィルター 4 上部空間 5 パージ弁 6 圧力計 7 バイパス弁 8 ラインフィルタ 9 エアー駆動弁 10 マスフローコントローラー 11 接続配管 12 活性炭
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年11月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 気体の貯蔵・送出方法及び
気体の貯蔵・送出装置
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // H01L 21/205 H01L 21/265 603Z (72)発明者 石森 浩二 東京都町田市鶴間1557 高千穂化学工業株 式会社内 (72)発明者 茨木 敏 大阪府大阪市港区夕凪2丁目18番55−305 (72)発明者 高内 章 大阪府大阪市都島区友淵町1丁目5番10− 306

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定量の水素化化合物又はハロゲン化化
    合物気体を高純度活性炭と接触させて、大気圧以下の貯
    蔵環境下で該活性炭に吸着させて貯蔵し、吸着した該気
    体の少なくとも一部を脱着して、作業環境下へ送出する
    ために、負圧に引くことを特徴とする、水素化化合物又
    はハロゲン化化合物気体を貯蔵しその後に送出する方
    法。
  2. 【請求項2】 水素化化合物及びハロゲン化化合物気体
    と密閉空間内で事前に接触させて吸着させる吸着工程
    と、該吸着反応を経た系を反応促進する工程と、該反応
    促進工程を経た該気体を該密閉空間から排出する排出工
    程の一連の工程により活性炭を処理して、該気体と同種
    又は異種の水素化化合物及びハロゲン化化合物気体を吸
    着して貯蔵する時に、該活性炭と該貯蔵気体の接触によ
    り生じる不純物気体に起因する、該貯蔵気体の純度低下
    が起きることを防止する方法。
  3. 【請求項3】 該反応促進工程が、該密閉空間内の所定
    量の特定の水素化化合物及びハロゲン化化合物気体の充
    填量及び/又は加熱温度を選択する請求項2に記載の方
    法。
  4. 【請求項4】 該排出工程における該密閉空間内の圧力
    が、大気圧以下となるように、特定の水素化化合物及び
    ハロゲン化化合物気体の充填量及び/又は加熱温度を選
    択する請求項2又は請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 該反応促進工程によって生じ、特定の水
    素化化合物及びハロゲン化化合物気体に混入した不純物
    気体を該排出工程において円滑に排出するためのバッフ
    ァ空間を、該密閉空間に設ける請求項2〜4のいずれか
    1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】 請求項2〜5のいずれか1項に記載の方
    法を用いて処理した活性炭と所定量の水素化化合物又は
    ハロゲン化化合物気体を接触させて、大気圧以下の貯蔵
    環境下で該活性炭に吸着させて貯蔵し、吸着した該気体
    の少なくとも一部を脱着して、作業環境下へ送出するた
    めに、負圧に引くことを特徴とする、水素化化合物又は
    ハロゲン化化合物気体を貯蔵し、その後に送出する方
    法。
  7. 【請求項7】 吸着した特定の水素化化合物及びハロゲ
    ン化化合物気体の少なくとも一部を脱着して送出する時
    に、該貯蔵環境を加熱する請求項1に記載の方法。
  8. 【請求項8】 吸着した特定の水素化化合物及びハロゲ
    ン化化合物気体の少なくとも一部を脱着して送出する時
    に、該貯蔵環境を加熱する請求項6に記載の方法。
  9. 【請求項9】 該活性炭が、フェノール樹脂を主原料と
    したものである請求項1,6〜8のいずれか1項に記載
    の方法。
  10. 【請求項10】 該活性炭がフェノール樹脂粉末の炭
    化、 賦活粒子が結合してなる粒状炭素成形物で、 その比
    表面積が700〜1500m2 /g、細孔直径0.01
    〜10μmの細孔容積が0.1〜1.0cc/g、細孔
    直径10nm以下の細孔容積が0.20〜0.80cc
    /gであり、かつ細孔直径10nm以下の細孔容積に占
    める細孔直径0.6〜0.8nmの細孔容積の割合が7
    5vol%以上、粒子嵩密度が0.4〜 1.1g/c
    c、充填密度が0.30〜0.70g/cc、灰分量が
    1.0%以下、活性炭粒子の引張り強度が30kg/c
    2 以上であることを特徴とする請求項7又は請求項9
    に記載の方法。
  11. 【請求項11】 所定量の水素化化合物又はハロゲン化
    化合物気体を高純度活性炭と接触させて、大気圧以下の
    貯蔵環境下で該活性炭に吸着させて貯蔵し、吸着した該
    気体の少なくとも一部を脱着して、作業環境下へ送出す
    るために、負圧に引くことを特徴とする、水素化化合物
    又はハロゲン化化合物気体を貯蔵し、その後に送出する
    装置。
  12. 【請求項12】 請求項2〜5のいずれか1項に記載の
    方法を用いて処理した活性炭と所定量の水素化化合物又
    はハロゲン化化合物気体を接触させて、大気圧以下の貯
    蔵環境下で該活性炭に吸着させて貯蔵し、吸着した同種
    気体の少なくとも一部を脱着して、作業環境下へ送出す
    るために、負圧に引くことを特徴とする、水素化化合物
    又はハロゲン化化合物気体を貯蔵し、その後に送出する
    装置。
  13. 【請求項13】 吸着した特定の水素化化合物及びハロ
    ゲン化化合物気体の少なくとも一部を脱着して送出する
    時に、該貯蔵環境を加熱する請求項11に記載の装置。
  14. 【請求項14】 吸着した特定の水素化化合物及びハロ
    ゲン化化合物気体の少なくとも一部を脱着して送出する
    時に、該貯蔵環境を加熱する請求項12に記載の装置。
  15. 【請求項15】 該活性炭が、フェノール樹脂を主原料
    とする活性炭である請求項11〜請求項14のいずれか
    1項に記載の装置。
  16. 【請求項16】 該活性炭が、フェノール樹脂粉末の炭
    化、 賦活粒子が結合してなる粒状炭素成形物で、 その比
    表面積が700〜1500m2 /g、細孔直径0.01
    〜10μmの細孔容積が0.1〜1.0cc/g、細孔
    直径10nm以下の細孔容積が0.20〜0.80cc
    /gであり、かつ細孔直径10nm以下の細孔容積に占
    める細孔直径0.6〜0.8nmの細孔容積の割合が7
    5vol%以上、粒子嵩密度が0.4〜 1.1g/c
    c、充填密度が0.30〜0.70g/cc、灰分量が
    1.0%以下、活性炭粒子の引張り強度が30kg/c
    2 以上であることを特徴とする請求項15に記載の装
    置。
  17. 【請求項17】 請求項2〜5のいずれか1項に記載の
    方法を用いた装置。
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