JPH1182810A - 埋設管土砂接触状況検査装置及び検査方法 - Google Patents

埋設管土砂接触状況検査装置及び検査方法

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Publication number
JPH1182810A
JPH1182810A JP9242519A JP24251997A JPH1182810A JP H1182810 A JPH1182810 A JP H1182810A JP 9242519 A JP9242519 A JP 9242519A JP 24251997 A JP24251997 A JP 24251997A JP H1182810 A JPH1182810 A JP H1182810A
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JP
Japan
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pipe
value
buried pipe
resonance
lamb wave
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Withdrawn
Application number
JP9242519A
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English (en)
Inventor
Koshirou Nakajima
古史郎 中島
Yoshiaki Watanabe
好章 渡辺
Hiroshi Tanigawa
寛 谷川
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Sekisui Chemical Co Ltd
Giken Trastem Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Giken Trastem Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 埋設管敷設施工時に、埋設される管と埋め戻
された土砂との接触状況(空隙の有無)をリアルタイム
で検査できるようにする。 【解決手段】 開示される接触状況検査装置8Aは、電
気インパルスを発生するパルス発生器9と、埋設管2に
機械的インパクトを加えてラム波Wの共振を起こさせる
加振器10と、ラム波振動入力を電気振動出力に変換す
るピックアップ11と、アナログ信号をデジタル信号に
変換するA/D変換器12と、埋設管2の固体領域を伝
搬するラム波Wの振動速度を計測する振動速度計測部1
3と、機械アドミッタンス及びその共振のQ値を算出す
る演算処理部14と、表示装置15と、キーボード等の
入力装置16と、装置各部を制御する制御部17とから
構成され、加振器10とピックアップ11とを埋設管2
の内周面に取り付けた状態で、埋設管2と埋め戻された
土砂3との接触状況を検査する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、埋設管土砂接触
状況検査装置及び検査方法に係り、詳しくは、埋設管敷
設施工時に、掘削溝に埋設される管と埋め戻された土砂
との接触状況(空隙の有無)をリアルタイムで把握する
ための接触状況検査装置及び接触状況検査方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、埋設管は、上下水道管やガス管だ
けでなく、電力ケーブル保護管や通信ケーブル保護管等
としても、多用されている。ところで、上下水道管等の
埋設管を敷設するために、図10に示すように、地面1
を掘削して配管2を埋め、土砂3を埋め戻すと、埋設管
2の周囲、特に管外周面下部側に、土砂3の充填が不十
分な部分(以下、空隙4という)ができやすくなる。こ
のような空隙4が存在すると、埋設管2に加わる圧力が
不均一となって、埋設管2の経時強度が著しく損なわれ
る。このため、盛土3を均等に締め固め、埋設管2の経
時強度を得ることは、安定したライフラインを実現する
上で、重要な要因と考えられている。
【0003】従来、この種の盛土施工の締め固めを管理
する手段としては、JISで定めた締め固め試験が知ら
れているが、土に孔を開ける作業等が必要であり、時間
と労力を要するため、近年の大規模盛土施工には適用し
づらくなってきている。そこで、この欠点を解消するも
のとして、例えば、特開昭63−308549号公報や
特開昭63−308550号公報等に記載されているよ
うに、散乱型RI密度水分計(以下、RI(radiosotop
e)計器という)を用いる方法が提案されている。このR
I計器には、図11に示すように、コバルト−60やカ
リフォルニウム−252等のRI線源5が計器内部に検
出器6と共に配備されており、動作時には、RI線源5
から出たガンマ線や中性子等の放射線Rが、土砂3の中
を進行する過程で散乱を繰り返して、検出器6に戻って
くる散乱放射線Rを計数回路7で計数し、この計数値か
ら湿潤密度・含水量を求める。この方法によれば、穴開
けが不要であり、しかも、短時間で多点測定が可能であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、RI計
器を用いる上記従来の方法にあっては、土砂を完全に埋
め戻した後、地面の上からでしか計測できないため、如
何に短時間に、しかも、正確に測定できても、もしも、
施工後に空隙の存在が確認されれば、再度、掘削し直さ
なければならず、結果的に、多大の労力と時間とを要す
ることになって、著しく不都合である。このようなこと
から、埋設管敷設施工時に、リアルタイムで、埋設され
る管と埋め戻された土砂との接触状況を把握できる機器
の開発が望まれている。この種の機器開発の一環とし
て、埋設管設置作業中に、超音波トランスデューサを管
内面に当てて超音波ビームを管外の土砂に向けて発射
し、その反射波から配管周囲の土砂接触状況を把握しよ
うとする試みが過去になされたこともあるが、配管の音
響インピーダンスと周囲の土砂のそれとが著しく異なる
ため、超音波ビームが、管外壁と土砂との境界面でほと
んど反射してしまい、検査ができない、という結果に終
わっている。
【0005】この発明は、上述の事情に鑑みてなされた
もので、埋設管敷設施工時に、埋設される管と埋め戻さ
れた土砂との接触状況(空隙の有無)をリアルタイムで
検査できる埋設管土砂接触状況検査装置及び検査方法を
提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、埋設管敷設施工時に、掘削
溝に埋設される管と埋め戻された土砂との接触状況を検
査するための検査装置に係り、電気信号入力を加振力出
力に変換して、上記管を励振し、上記管の固体領域にラ
ム波を発生させるための加振器と、機械的振動入力を電
気信号出力に変換することで、上記ラム波を検出するた
めのピックアップと、該ピックアップから出力される電
気信号に基づいて、上記ラム波による上記管の固体領域
の振動速度を計測する振動速度計測手段と、上記加振器
によって上記管に加えられた加振力と、上記振動速度計
測手段によって計測された上記管の固体領域の振動速度
とに基づいて、上記管に蓄えられる音響エネルギ又は音
響エネルギ関係値を算出する演算手段とを備えてなるこ
とを特徴としている。
【0007】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の埋設管土砂接触状況検査装置に係り、上記演算手段
が、上記音響エネルギ関係値として、上記加振力と上記
ラム波による上記管の固体領域の振動速度の伝達関数で
ある機械アドミッタンスの共振又は反共振のQ値を算出
することを特徴としている。
【0008】また、請求項3記載の発明は、請求項1又
は2記載の埋設管土砂接触状況検査装置に係り、上記演
算手段によって算出された上記音響エネルギ又は音響エ
ネルギ関係値が、予め設定された基準値以下になったと
き、あるいは、上記音響エネルギ又は音響エネルギ関係
値の変化量が、予め設定された設定値以上になったと
き、上記埋設される管と上記埋め戻された土砂との接触
状況は良好であると判断する判断手段を備えてなること
を特徴としている。
【0009】また、請求項4記載の発明は、埋設管敷設
施工時に、掘削溝に埋設される管と埋め戻された土砂と
の接触状況を検査するための検査方法に係り、電気信号
入力を加振力出力に変換する加振器と、機械的振動入力
を電気信号出力に変換するピックアップとを、上記埋設
される管の外周面又は内周面に、かつ、所定の位置にそ
れぞれ配置した状態で、上記加振器を駆動して上記管に
加振力を加えることで、上記管を励振し、上記加振器の
位置から上記管の固体領域を所定距離伝搬してきたラム
波を上記ピックアップで検知することで、上記ラム波の
振幅を検出し、検出された振幅に基づいて、上記ラム波
による上記管の固体領域の振動速度を計測し、得られた
上記管の固体領域の振動速度と、上記加振器によって上
記管に加えられた加振力とに基づいて、上記管に蓄えら
れる音響エネルギ又は音響エネルギ関係値を算出し、算
出された上記音響エネルギ又は音響エネルギ関係値に基
づいて、上記埋設される管と埋め戻された土砂との接触
状況を検査することを特徴としている。
【0010】また、請求項5記載の発明は、請求項4記
載の埋設管土砂接触状況検査方法に係り、上記音響エネ
ルギ関係値として、上記加振力と上記ラム波による上記
管の固体領域の振動速度の伝達関数である機械アドミッ
タンスの共振又は反共振のQ値を算出し、算出されたQ
値に基づいて、上記埋設される管と埋め戻された土砂と
の接触状況を検査することを特徴としている。
【0011】また、請求項6記載の発明は、請求項4又
は5記載の埋設管土砂接触状況検査装置に係り、上記音
響エネルギ又は音響エネルギ関係値が、予め設定された
基準値以下になったとき、あるいは、上記音響エネルギ
又は音響エネルギ関係値の変化量が、予め設定された設
定値以上になったとき、上記埋設される管と上記埋め戻
された土砂との接触状況は良好であると判断することを
特徴としている。
【0012】
【作用】この発明の構成では、まず、掘削溝の中に埋設
しようとする管を下ろした後、測定地点の埋設管の内周
面に加振器とピックアップとを取り付ける。両者を1箇
所にまとめて取り付けても良く、互いに離隔して取り付
けても良い。ピックアップを加振器から離れた位置に取
り付ける場合には、ピックアップを、共振モードの腹部
に相当する位置又はその近傍に配置するのが好ましい。
また、両者の取付位置が、互いに同一円周上又はそれに
近い位置関係にあることが好ましい。次に、装置を動作
状態にして、掘削溝を土砂で埋め戻す。加振器は、入力
される電気信号に基づいて加振力を出力して、埋設管を
励振し、埋設管の固体領域にラム波(たわみ波)を発生
させる。ここで、入力される電気信号としては、埋設管
に共振を起こさせるものが、好ましい。このような好ま
しい信号としては、例えば、ラム波の円周方向共振周波
数よりも充分に低い周波数で繰り返される電気インパル
ス信号や、ラム波の円周方向共振周波数と同一の周波数
を含む所定の周波数帯域幅内で順次周波数変化する連続
正弦波信号等を挙げることができる。ピックアップは、
ラム波を検出して電気信号出力に変換する。振動速度計
測手段は、ピックアップから出力される電気信号に基づ
いて、上記ラム波による上記管の固体領域の振動速度を
計測する。演算手段は、加振器によって埋設管に加えら
れた加振力と、振動速度計測手段によって計測された上
記管の固体領域の振動速度とに基づいて、埋設管に蓄え
られる音響エネルギ又は音響エネルギ関係値(例えば、
共振時又は反共振時の機械アドミッタンス、機械アドミ
ッタンスの共振又は反共振のQ値を算出する。
【0013】埋設管は、土砂との接触が不充分なとき
は、負荷質量が小さく、土砂への音響エネルギの流出も
小さいため、共振時又は反共振時の機械アドミッタンス
や、機械アドミッタンスの共振又は反共振のQ値(共振
又は反共振の鋭さ)が大きいが、土砂との接触が充分な
ときは、管外周面から周囲の埋め戻された土砂に音響エ
ネルギの流出が生じてくる。それゆえ、周囲の土砂との
接触が増すにつれて、音響エネルギの損失は大きくな
り、振動速度は小さくなって行く。共振又は反共振のQ
値も小さくなって行く。
【0014】それゆえ、検査者は、演算手段によって算
出された音響エネルギ又は音響エネルギ関係値(あるい
は、これらの変化量)が、予め設定された基準値以下に
なったときは、埋設管と埋め戻された土砂との接触状況
は良好であり、埋設管周囲には空隙が存在しないことを
認識する。これに対して、土砂がある程度埋め戻されて
も、音響エネルギ又は音響エネルギ関係値(あるいは、
これらの変化量)が、予め設定された基準値以下になら
ないときは、埋設管と埋め戻された土砂との接触状況は
不良であり、埋設管周囲には空隙が存在することを認識
する。そこで、作業者は、音響エネルギ又は音響エネル
ギ関係値(あるいは、これらの変化量)が、予め設定さ
れた基準値以下になるまで、途中まで埋め戻された土砂
をさらに充分に締め固める。それゆえ、この発明の構成
によれば、施工途中に接触不良(空隙)を発見でき、埋
設管周囲の空隙を検知したら、その都度、締め固め直す
ことで、接触不良を解消できるので、高い施工品質が得
られる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
の実施の形態について説明する。説明は、実施例を用い
て具体的に行う。 ◇第1実施例 図1は、この発明の第1実施例である埋設管土砂接触状
況検査装置(以下、簡単に、接触状況検査装置という)
の電気的構成を示すブロック図、図2は、同接触状況検
査装置の管内使用状態を模式的に示す一部破砕斜視図、
図3は、埋設管の円周方向の共振を説明するための図、
また、図4は、同実施例の動作を説明するための周波数
−機械アドミッタンス特性曲線図である。この例の接触
状況検査装置8Aは、同図に示すように、電気インパル
スを発生するパルス発生器9と、埋設管2に機械的イン
パクトを加えてラム波Wの共振を起こさせる加振器10
と、ラム波振動入力を電気振動出力に変換するピックア
ップ11と、アナログ信号をデジタル信号に変換するA
/D変換器12と、埋設管2の固体領域を伝搬するラム
波Wの振動速度を計測する振動速度計測部13と、音響
エネルギ関係値を算出する演算処理部14と、表示装置
15と、キーボード等の入力装置16と、装置各部を制
御する制御部17とから構成され、加振器10とピック
アップ11とを埋設管2の内周面に取り付けた状態で、
埋設管2と埋め戻された土砂3との接触状況を検査する
装置である。
【0016】さらに詳述すれば、上記パルス発生器9
は、埋設管2の固体領域に発生するラム波(たわみ波)
Wの円周方向共振周波数よりも充分に低い周波数で電気
インパルス信号を繰り返し生成して加振器に入力する。
電気インパルス信号の生成は、制御部16の指示により
行われる。ここで、埋設管2の円周方向共振周波数は、
埋設管2の材質や口径により異なるが、長さには依存せ
ず、例えば、FRPM管(ガラス繊維強化プラスチック
(FRP)と樹脂モルタルとの積層管)について言えば、
口径150mmでは、700Hz程度(1次の共振モー
ド、以下において同じ)、口径600mmでは、50H
z程度であることが実験により確認されている。加振器
10は、埋設管2の円周方向共振周波数よりも充分に低
い繰り返し周波数で、パルス発生器9から入力される電
気インパルス信号に応答して機械的インパクトを加振力
f(t)として出力し、埋設管2を励振して共振を起こさ
せ、埋設管2の固体領域にラム波Wの強い振動を発生さ
せる。ピックアップ11は、加振器10の位置から埋設
管2の固体領域を伝搬してきたラム波Wの振動を電気振
動に変換する。
【0017】A/D変換器12は、ピックアップ11か
ら出力されるアナログの電気振動をデジタルのラム波検
出信号に変換する。振動速度計測部13は、A/D変換
器12から出力されるデジタルのラム波検出信号に基づ
いて、具体的には、ラム波検出信号の中に含まれるピッ
クアップ11の電気出力の振幅情報に基づいて、埋設管
2の固体領域を伝搬するラム波Wの振動速度v(t)を計
測する。なお、振動速度計測部13は、具体的には、図
示せぬCPU(中央処理装置)とROMとRAMと外部
記憶装置とから概略構成され、外部記憶装置の記録媒体
には、上述の処理手順をCPUに実行させる振動速度計
測プログラムが記憶されている。演算処理部14は、加
振器10によって埋設管2に加えられた加振力f(t)
と、振動速度計測部13において計測されたラム波Wの
振動速度v(t)とに基づいて、埋設管2に蓄えられる音
響エネルギの関係値として、管円周方向共振時の機械ア
ドミッタンスYm(f)やその共振のQ値を算出する。演算
処理部14も、上述のCPUとROMとRAMと外部記
憶装置とから構成され、外部記憶装置の記録媒体には、
加振力f(t)と振動速度v(t)の伝達関数である機械アド
ミッタンスYm(f)及びその共振のQ値を算出する処理を
CPUに実行させる機械アドミッタンス算出プログラム
が記憶されている。
【0018】機械アドミッタンスYm(f)は、加振力f
(t)と振動速度v(t)とから、式(1)により与えられ
る。また、機械アドミッタンスYm(f)の共振のQ値は、
共振曲線から求められる共振周波数f0と半減値△fと
から式(2)で与えられる。共振のQは、共振のモード
に固有の質量m、コンプライアンスcm、粘性抵抗rの
3つのファクタに主に影響され、埋設管2に蓄えられる
音響エネルギが大きいほど共振のQは大きくなる。
【0019】
【数1】
【0020】
【数2】
【0021】表示装置15は、CRTやLCD等からな
り、演算処理部14の処理結果をテーブル形式やグラフ
(波形)形式で表示できる。また、入力装置は、操作者
が、予め計測又は算出された2点間距離や埋設管2の円
周方向共振周波数等のデータを入力する際に用いられ
る。なお、制御装置17も、上述のCPUとROMとR
AMと外部記憶装置とから構成されている。つまり、こ
の例では、振動速度計測部13、演算処理部14及び制
御部17は、パーソナルコンピュータ18で実現されて
いる。
【0022】次に、この例の動作について説明する。ま
ず、検査者は、入力装置16を操作して、予め計測又は
算出された2点間距離や埋設管2の円周方向共振周波数
等のデータをCPUに入力する。入力されたデータは、
一旦RAMに記憶される。次に、図2に示すように、掘
削溝Mの中に埋設しようとする埋設管(この例では、F
RPM管)2を下ろした後、測定地点の埋設管2の内周
面に加振器10とピックアップ11とを取り付ける。両
者を1箇所にまとめて取り付けても良く、互いに離隔し
て取り付けても良いが、この例では、加振器10を埋設
管2の内周面の最下部に、ピックアップ11を(1次の
共振モードの腹部hに相当する)埋設管2の内周面の最
上部にそれぞれ取り付ける。両者の取付位置が、互いに
同一円周上又はそれに近い位置関係にあることが好まし
い。この後、接触状況検査装置8Aを動作状態にする。
パルス発生器9は、ラム波Wの埋設管円周方向共振周波
数よりも充分に低い周波数で電気インパルス信号を繰り
返し生成して加振器に入力する。加振器10は、入力さ
れる電気インパルス信号に応答して機械的インパクトを
加振力f(t)として出力して、埋設管2を励振すると、
埋設管2に共振が起き、図3に示すように、埋設管2の
固体領域にラム波Wの強い振動が発生する。最も低次の
共振モードでは、同図に示すように、振動の腹hと節n
が4箇所ずつ現れる。
【0023】ピックアップ11は、加振器10の位置か
ら埋設管2の内周の長さの半分の距離を伝搬してきたラ
ム波Wの振動を電気振動に変換する。A/D変換器12
は、ピックアップ11から出力されるアナログの電気振
動をデジタルのラム波検出信号に変換する。振動速度計
測部13は、A/D変換器12から出力されるデジタル
のラム波検出信号に基づいて、埋設管2の固体領域を伝
搬するラム波Wの振動速度v(t)を計測する。演算処理
部14は、加振器10によって埋設管2に加えられた加
振力f(t)と、振動速度計測部13において計測された
ラム波Wの振動速度v(t)とに基づいて、機械アドミッ
タンスYm(f)(図4参照)やその共振のQ値を算出す
る。表示装置15は、図4に示すように、演算処理部1
4が作成した周波数−機械アドミッタンス特性曲線図を
表示する。また、図には示さないが、共振のQ値も表示
される。埋設管2は、土砂3との接触が不充分なとき
は、負荷質量が小さく、土砂への音響エネルギの流出も
小さいため、共振時の機械アドミッタンスYm(f)や共振
のQ値(共振の鋭さ)が大きい。それゆえ、掘削溝Mを
土砂3で埋め戻す前は、図4の曲線(イ)が表示され
る。
【0024】次に、徐々に、掘削溝Mを土砂3で埋め戻
して行くと、埋設管円周方向に伝搬するラム波Wの一部
が埋設管2の外周面から周囲の埋め戻された土砂3に漏
洩し音響エネルギの損失が生じてくるので、共振時の機
械アドミッタンスYm(f)は徐々に低下して行き、共振の
Q値も小さくなって行く。
【0025】それゆえ、土砂3がある程度まで埋め戻さ
れたときの共振時の機械アドミッタンスYm(f)や共振の
Q値が、予め設定された基準値以下にまで低下したとき
は、検査者は、埋め戻された土砂3は、しっかりと締め
固められており、埋設管2の周囲には空隙4が存在しな
いことを認識する。このときは、同図の周波数−機械ア
ドミッタンス特性曲線図には、曲線(ハ)が表示され
る。これに対して、土砂3がある程度埋め戻されても、
共振時の機械アドミッタンスYm(f)や共振のQ値が、予
め設定された基準値以下に低下しないときは、検査者
は、埋め戻された土砂3の締め固めが不充分で、埋設管
2と埋め戻された土砂3との間に空隙4が存在すること
を認識する。このときは、同図の周波数−機械アドミッ
タンス特性曲線図には、曲線(ロ)が表示される。そこ
で、作業者は、共振時の機械アドミッタンスYm(f)や共
振のQ値が、予め設定された基準値以下に低下するま
で、埋め戻された土砂3を締め固め直す。
【0026】このように、この例の構成によれば、施工
途中随時に、埋設される管2と埋め戻された土砂3との
接触不良(空隙)を発見でき、埋設管2周囲の空隙を検
知したら、その都度、埋め戻された土砂3を締め固め直
すことで、接触不良を解消できるので、高い施工品質が
得られる。
【0027】◇第2実施例 図5は、この発明の第2実施例である接触状況検査装置
の管外使用状態を模式的に示す斜視図である。この第2
実施例が、上述の第1実施例と大きく異なるところは、
第1実施例では、加振器11及びピックアップ11を埋
設管2の管内に取り付けるようにしたが(図2)、この
第2実施例では、加振器11及びピックアップ11を埋
設管2の外表面の最上部に取り付けるようにした点で、
上述の第1実施例における使用状態と相違する。この第
2実施例の使用方法によれば、加振器11及びピックア
ップ11を挿入するのが困難な小口径の埋設管2に対す
る測定作業が容易となる。
【0028】◇第3実施例 図6は、この発明の第3実施例である接触状況検査装置
の電気的構成を示すブロック図である。この第3実施例
の接触状況検査装置8Bの構成が、上述した第1実施例
のそれと大きく異なるところは、共振時の機械アドミッ
タンスYm(f)、あるいは共振のQ値が、予め設定された
基準値以下にまで低下したときは、埋め戻された土砂3
がしっかりと締め固められて空隙4は存在しないと判断
する接触状況判断部19を設けるようにした点である。
これ以外の点では、第1実施例の構成と略同様であるの
で、図6において、図1の構成部分と同一の各部には同
一の符号を付してその説明を省略する。なお、接触状況
判断部19の判断結果は、表示装置15に表示される。
【0029】この第3実施例の構成によれば、音響エネ
ルギに関する専門知識を必要としないので、検査者の負
担を軽減でき、使い勝手が良くなる。
【0030】◇第4実施例 図7は、この発明の第4実施例である接触状況検査装置
の電気的構成を示すブロック図である。この第4実施例
の接触状況検査装置8Cでは、パルス発生器9に代え
て、連続正弦波発生器20を用いるようにした点、及び
演算処理部14で実行される演算のアルゴリズムが異な
る点以外は、上述の第1実施例と略同様である。連続正
弦波発生器20は、ラム波Wの管円周方向共振周波数を
含む所定の周波数帯域幅内で、連続正弦波の電気信号を
生成し、かつ、周波数を順次変化させて加振器10に入
力する。例えば、口径150mmのFRPM管(共振周
波数概略700Hz)を埋設する場合には、周波数帯域
として、600〜800Hzが設定される。振動速度計
測部13では、周波数毎のラム波Wの振動速度が計測さ
れる。この第4実施例によれば、連続正弦波を用いるの
で、測定精度が向上する。
【0031】◇第5実施例 図8は、この発明の第5実施例である接触状況検査装置
の管内使用状態を模式的に示す模式的断面図である。こ
の例の接触状況検査装置8Dは、加振器及びピックアッ
プ兼用の送受波器21が、埋設管2内を走行できる台車
22に搭載され、送受波器21は、伸縮自在のポール2
3の上端に取着されている。この台車22は、ラジコン
駆動でもケーブル駆動でも良い。この第5実施例の構成
によれば、検査者が入れない口径の小さな埋設管にも適
用できるばかりか、走行測定も可能となる。
【0032】◇第6実施例 図9は、この発明の第6実施例である接触状況検査装置
の管内外用状態を模式的に示す模式的断面図である。こ
の例の接触状況検査装置8Eが、上述した第5実施例の
それと大きく異なるところは、加振器24及びピックア
ップ25が、埋設管2の外で、かつ、埋設管2に沿って
(同図中紙面と垂直方向に)走行できる台車26に伸縮
調整可能なアーム27で機械的に結合されることで、埋
設管2の外表面上部を摺動できるようになっている点で
ある。
【0033】この第6実施例の構成によれば、第5実施
例と略同様に、検査者が入れない口径の小さな埋設管2
にも適用できるばかりか、走行測定も可能となる。加え
て、埋設管2の内部に重量のある台車26を入れるの
は、台車26が埋設管2の共振に悪影響を与える虞があ
るので、第5実施例の構成よりも、第6実施例の構成の
方が、好ましい。
【0034】以上、この発明の実施例を図面により詳述
してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるもの
ではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変
更等があってもこの発明に含まれる。例えば、埋め戻さ
れるものは土砂に限らず、コンクリートでも良い。ま
た、上述の実施例では、機械アドミッタンスYm(f)やそ
の共振のQ値を、接触状況の良き指標としたが、音響エ
ネルギそのものを指標としても良い。埋設管の円周方向
共振周波数は、1次の共振周波数に限らず、2次以上の
共振周波数でも良い。また、上述の実施例では、1次の
共振モードを利用するため、加振器を埋設管の外周面又
は内周面の最下部に、ピックアップ11を(1次の共振
モードの腹部に相当する)埋設管の外周面又は内周面の
最上部にそれぞれ取り付けるようにしたが、高次の共振
モードを利用する場合であって、ピックアップを加振器
から離れた位置に取り付ける場合には、ピックアップ
を、利用する共振モードの腹部に相当する位置又はその
近傍に配置するのが好ましい(共振モードの腹部が埋設
管の外周面又は内周面の最上部に生じるとは限らな
い)。また、上述の実施例では、加振器を、埋設管の内
外周面の最下部に取り付ける場合について述べたが、取
付位置は、任意であり、取付易いところで良い。また、
上述の実施例では、共振時の機械アドミッタンス(反共
振時の機械インピーダンス)、あるいは、機械アドミッ
タンスの共振のQ値(機械インピーダンスの反共振のQ
値)が、予め設定された基準値以下になるか否かで、接
触状況の良否を判断したが、これらの変化量が、設定値
以上になるか否かで判断しても良い。
【0035】また、反共振時(反共振周波数励振時)の
機械アドミッタンス(共振時の機械インピーダンス)、
あるいは、機械アドミッタンスの反共振のQ値(機械イ
ンピーダンスの共振のQ値)の上昇でも空隙を検知する
ことができるので、共振時の機械アドミッタンス、ある
いは、機械アドミッタンスの共振のQ値に代えて、反共
振時の機械アドミッタンス、あるいは、機械アドミッタ
ンスの反共振のQ値が、予め設定された基準値以下にな
るか否かで、接触状況の良否を判断するようにしても良
い。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の構成に
よれば、施工途中に接触不良(空隙)を発見でき、埋設
管周囲の空隙を検知したら、その都度、締め固め直すこ
とで、接触不良を解消できるので、高い施工品質が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例である接触状況検査装置
の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】同接触状況検査装置の管内使用状態を模式的に
示す一部破砕斜視図である。
【図3】埋設管の円周方向の共振を説明するための図で
ある。
【図4】同実施例の動作を説明するための周波数−機械
アドミッタンス特性曲線図である。
【図5】この発明の第2実施例である接触状況検査装置
の管外使用状態を模式的に示す斜視図である。
【図6】この発明の第3実施例である接触状況検査装置
の電気的構成を示すブロック図である。
【図7】この発明の第4実施例である接触状況検査装置
の電気的構成を示すブロック図である。
【図8】この発明の第5実施例である接触状況検査装置
の管内使用状態を模式的に示す模式的断面図である。
【図9】この発明の第6実施例である接触状況検査装置
の管内外用状態を模式的に示す模式的断面図である。
【図10】従来の技術を説明するための図である。
【図11】従来における接触状況検査装置の構成及び動
作を説明するための図である。
【符号の説明】
2 埋設管(埋設される管) 3 埋め戻された土砂 8A〜8E 接触状況検査装置(埋設管土砂接触状
況検査装置) 9 パルス発生器(電気パルス信号発生器) 10,24 加振器 11,25 ピックアップ 13 振動速度計測部(振動速度計測手段) 14 演算処理邸(演算手段) 19 接触状況判断部(判断手段) 20 連続正弦波発生器(正絃波信号発生器) 21 送受波器 22,26 台車(移動手段) 27 アーム W ラム波 M 掘削溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷川 寛 京都市伏見区竹田段川原町4−1 技研ト ラステム株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 埋設管敷設施工時に、掘削溝に埋設され
    る管と埋め戻された土砂との接触状況を検査するための
    検査装置であって、 電気信号入力を加振力出力に変換して、前記管を励振
    し、前記管の固体領域にラム波を発生させるための加振
    器と、 機械的振動入力を電気信号出力に変換することで、前記
    ラム波を検出するためのピックアップと、 該ピックアップから出力される電気信号に基づいて、前
    記ラム波による前記管の固体領域の振動速度を計測する
    振動速度計測手段と、 前記加振器によって前記管に加えられた加振力と、前記
    振動速度計測手段によって計測された前記管の固体領域
    の振動速度とに基づいて、前記管に蓄えられる音響エネ
    ルギ又は音響エネルギ関係値を算出する演算手段とを備
    えてなることを特徴とする埋設管土砂接触状況検査装
    置。
  2. 【請求項2】 前記演算手段は、前記音響エネルギ関係
    値として、前記加振力と前記ラム波による前記管の固体
    領域の振動速度の伝達関数である機械アドミッタンスの
    共振又は反共振のQ値を算出することを特徴とする請求
    項1記載の埋設管土砂接触状況検査装置。
  3. 【請求項3】前記演算手段によって算出された前記音響
    エネルギ又は音響エネルギ関係値が、予め設定された基
    準値以下になったとき、あるいは、前記音響エネルギ又
    は音響エネルギ関係値の変化量が、予め設定された設定
    値以上になったとき、前記埋設される管と前記埋め戻さ
    れた土砂との接触状況は良好であると判断する判断手段
    を備えてなることを特徴とする請求項1又は2記載の埋
    設管土砂接触状況検査装置。
  4. 【請求項4】 埋設管敷設施工時に、掘削溝に埋設され
    る管と埋め戻された土砂との接触状況を検査するための
    検査方法であって、 電気信号入力を加振力出力に変換する加振器と、機械的
    振動入力を電気信号出力に変換するピックアップとを、
    前記埋設される管の外周面又は内周面に、かつ、所定の
    位置にそれぞれ配置した状態で、 前記加振器を駆動して前記管に加振力を加えることで、
    前記管を励振し、前記加振器の位置から前記管の固体領
    域を所定距離伝搬してきたラム波を前記ピックアップで
    検知することで、前記ラム波の振幅を検出し、検出され
    た振幅に基づいて、前記ラム波による前記管の固体領域
    の振動速度を計測し、 得られた前記管の固体領域の振動速度と、前記加振器に
    よって前記管に加えられた加振力とに基づいて、前記管
    に蓄えられる音響エネルギ又は音響エネルギ関係値を算
    出し、算出された前記音響エネルギ又は音響エネルギ関
    係値に基づいて、前記埋設される管と埋め戻された土砂
    との接触状況を検査することを特徴とする埋設管土砂接
    触状況検査方法。
  5. 【請求項5】 前記音響エネルギ関係値として、前記加
    振力と前記ラム波による前記管の固体領域の振動速度の
    伝達関数である機械アドミッタンスの共振又は反共振の
    Q値を算出し、算出されたQ値に基づいて、前記埋設さ
    れる管と埋め戻された土砂との接触状況を検査すること
    を特徴とする請求項4記載の埋設管土砂接触状況検査方
    法。
  6. 【請求項6】 前記音響エネルギ又は音響エネルギ関係
    値が、予め設定された基準値以下になったとき、あるい
    は、前記音響エネルギ又は音響エネルギ関係値の変化量
    が、予め設定された設定値以上になったとき、前記埋設
    される管と前記埋め戻された土砂との接触状況は良好で
    あると判断することを特徴とする請求項4又は5記載の
    埋設管土砂接触状況検査方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101065203B1 (ko) 2004-12-23 2011-09-19 재단법인 포항산업과학연구원 진동파를 이용한 배관 퇴적물 측정장치
JP2016085115A (ja) * 2014-10-26 2016-05-19 有限会社ツツイ電子 メカニカルアンカー接触状態検知装置およびその方法
CN108692806A (zh) * 2018-01-15 2018-10-23 北京理工大学 固体中功率超声强度分布的测量方法

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