JP3223548U - アンカーボルト長測定システム - Google Patents
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Abstract
【課題】アンカーボルトの長さの測定精度を向上することが容易なアンカーボルト長測定システムを提供する。【解決手段】センサ4によってアンカーボルトの一端に弾性波を印加させ、反射してきた反射波を検出させる検出ユニット3と、測定ユニット2とを備え、測定ユニット2は、タッチパネルディスプレイ22と、一方の軸を弾性波が前記一端に印加されてからの経過時間に対応する第一軸とし、他方の軸を反射波の強度に対応する第二軸とする直交座標系に、検出された反射波の波形を表示させる波形表示処理部26と、第一軸上の位置を指定する指示を受け付けるカーソル位置受付部28と、その位置を示すカーソルを表示させるカーソル表示処理部28と、カーソルで示される位置に対応する経過時間を、弾性波の伝搬速度に基づいてアンカーボルトの長さに換算する長さ表示処理部29とを備えた。【選択図】図2
Description
本考案は、アンカーボルトの長さを測定するためのアンカーボルト長測定システムに関する。
従来より、堀削斜面等の法面に、埋設型補強材としていわゆるアンカーボルトを多数埋設することによって、法面の補強を行う補強工事が行われている。このような法面の補強工事を行った場合、出来形管理により工事が適切に実施されているか否かを検査する必要がある。そこで、従来、工事で埋設されたアンカーボルトを地面から引き抜くことによって、埋設されたアンカーボルトが適切な長さを有しているか否かを検査していた。しかしながら、上述の検査方法では、施工完了後にアンカーボルトの埋設箇所を破壊して検査し、再びアンカーボルトの埋設工事をやり直すことになる。
そこで、アンカーボルトの一端から弾性波を入力し、その反射波を検出することによって、非破壊でアンカーボルトの長さを測定する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)
ところで、アンカーボルトの外周面には、ネジ溝などの凹凸が形成されている。そのため、上述の技術では、アンカーボルトの一端から入力された弾性波が、アンカーボルトの他端に到達する前に外周面の凹凸部分で反射してしまい、アンカーボルトの長さの測定精度が低下するという、不都合があった。
本考案の目的は、アンカーボルトの長さの測定精度を向上することが容易なアンカーボルト長測定システムを提供することである。
本考案に係るアンカーボルト長測定システムは、アンカーボルトの一端に接触させるためのセンサと、前記センサによって、当該一端に弾性波を印加させ、反射してきた反射波を検出させる検出ユニットと、測定ユニットとを備え、前記測定ユニットは、表示部と、前記表示部によって、一方の軸を前記弾性波が前記一端に印加されてからの経過時間に対応する第一軸とし、他方の軸を前記反射波の強度に対応する第二軸とする直交座標系に、前記センサによって検出された反射波に基づく波形を表示させる波形表示処理部と、前記第一軸上の位置を指定する指示を受け付けるカーソル位置受付部と、前記カーソル位置受付部によって受け付けられた前記第一軸上の位置を示すカーソルを、前記表示部によって表示させるカーソル表示処理部と、前記カーソルで示される前記第一軸上の位置に対応する経過時間を、予め設定された前記弾性波の伝搬速度に基づいて前記アンカーボルトの長さに換算し、当該換算された長さを、前記表示部によって表示させる長さ表示処理部とを備える。
この構成によれば、アンカーボルトの一端に弾性波を印加し、その弾性波が反射してきた反射波が検出される。この反射波の波形が、一方の軸を弾性波が一端に印加されてからの経過時間に対応する第一軸とし、他方の軸を反射波の強度に対応する第二軸とする直交座標系に表示される。このような直交座標系に反射波の波形を表示すると、作業者は、アンカーボルトの外周面の凹凸で反射した反射波と、アンカーボルトの他端部で反射した反射波とを容易に見分けることができる。そこで、作業者がアンカーボルトの他端部で反射した反射波、すなわちアンカーボルトの長さを示す反射波の位置をカーソル位置受付部によって入力すると、その位置にカーソルが表示され、そのカーソルで示される第一軸上の位置に対応する経過時間が弾性波の伝搬速度に基づいてアンカーボルトの長さに換算され、当該換算された長さが表示部によって表示される。従って、アンカーボルトの外周面に凹凸が形成されている場合であっても、アンカーボルトの長さの測定精度を向上することが容易である。
また、前記アンカーボルトは地中に埋設され、前記測定ユニットは、前記アンカーボルトが地表から突出している部分の長さである地上長さの入力を受け付ける地上長受付部をさらに備え、前記長さ表示処理部は、さらに、前記アンカーボルトの長さから前記地上長受付部により受け付けられた前記地上長さを減算した値を、前記表示部によって、前記アンカーボルトの地中長さとして表示させることが好ましい。
この構成によれば、アンカーボルトが地表から突出している部分の長さを作業者が地上長受付部に入力することによって、アンカーボルトの地中長さが表示される。
また、本考案に係るアンカーボルト長測定システムは、アンカーボルトの一端に接触させるためのセンサと、前記センサによって、当該一端に弾性波を印加させ、反射してきた反射波を検出させる検出ユニットと、測定ユニットとを備え、前記測定ユニットは、表示部と、前記表示部によって、一方の軸を前記弾性波が前記一端に印加されてからの経過時間に対応する第一軸とし、他方の軸を前記反射波の強度に対応する第二軸とする直交座標系に、前記センサによって検出された反射波に基づく波形を表示させる波形表示処理部と、予め設定された前記弾性波の伝搬速度に基づいて、前記第一軸における前記経過時間を、前記一端から前記弾性波が反射する位置までの距離に換算し、当該換算された距離を表す目盛を前記第一軸に対応付けて前記表示部に表示させる目盛表示処理部とを備える。
この構成によれば、アンカーボルトの一端に弾性波を印加し、その弾性波が反射してきた反射波が検出される。この反射波の波形が、一方の軸を弾性波が一端に印加されてからの経過時間に対応する第一軸とし、他方の軸を反射波の強度に対応する第二軸とする直交座標系に表示される。このような直交座標系に反射波の波形を表示すると、作業者は、アンカーボルトの外周面の凹凸で反射した反射波と、アンカーボルトの他端部で反射した反射波とを容易に見分けることができる。さらに、弾性波の伝搬速度に基づいて、第一軸における経過時間が、一端から弾性波が反射する位置までの距離に換算され、当該換算された距離を表す目盛が第一軸に対応付けて表示させる。従って、作業者がアンカーボルトの他端部で反射した反射波に対応する距離を目盛から読み取ることによって、アンカーボルトの長さを読み取ることができる。従って、アンカーボルトの外周面に凹凸が形成されている場合であっても、アンカーボルトの長さの測定精度を向上することが容易である。
また、前記検出ユニットは、前記センサによって検出された前記反射波を示す情報を、無線通信によって前記測定ユニットへ送信することが好ましい。
この構成によれば、検出ユニットから離れた位置で測定ユニットを用いることができる。従って、例えば一人の作業者が検出ユニットを背負うなどして急斜面の法面でアンカーボルトにセンサを接触させる作業をしつつ、法面から離れた安全な場所でもう一人の作業者が測定ユニットを使用してアンカーボルトの長さを測定することができる。これにより、足場の不安定な法面での作業が単純化され、作業の安全性が向上する。
このような構成のアンカーボルト長測定システムは、アンカーボルトの長さの測定精度を向上することが容易である。
以下、本考案に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。図1は、本考案の一実施形態に係るアンカーボルト長測定システム1を用いた法面工事の出来形検査の様子を表している。法面100には、略格子状のコンクリートの法枠101が形成されている。法枠101の、格子の交差位置に、アンカーボルトAが埋設されている。アンカーボルトAの一端は、法枠101から露出している。
図1に示すアンカーボルト長測定システム1は、測定ユニット2、検出ユニット3、及びセンサ4を備えている。図1に示す例では、作業者OP1が、法枠101をロープを使って登坂しながら、背中に検出ユニット3を背負い、手に持ったセンサ4をアンカーボルトAの一端に接触させている。作業者OP2が測定ユニット2を持っている。
図2は、図1に示すアンカーボルト長測定システム1の構成の一例を示すブロック図である。センサ4は、例えば圧電素子を用いて構成されている。センサ4は、例えばケーブルを介して検出ユニット3と接続されている。センサ4は、検出ユニット3からの制御信号に応じてアンカーボルトAの当該一端に弾性波を印加させ、反射してきた反射波を検出する。そして、センサ4は、検出した反射波を示す信号を検出ユニット3へ出力する。
検出ユニット3は、検出処理部31と、無線通信部32とを備えている。検出処理部31は、例えば、マイクロコンピュータ等の演算処理回路と、センサ4から弾性波を出力させるための駆動回路と、センサ4の出力信号を増幅するアンプと、センサ4の出力信号からノイズを除去するためのフィルタ回路とを備えている。
無線通信部32は、例えばBluetooth(登録商標)、WiFi(登録商標)等の無線通信回路である。無線通信部32は、検出ユニット3によって検出され、フィルタ回路でノイズが除去された反射波を示す信号を、測定ユニット2へ送信する。
測定ユニット2としては、例えば携帯型情報端末装置、いわゆるノートパソコン、タブレット端末等を用いることができる。測定ユニット2は、無線通信部21、タッチパネルディスプレイ22(表示部、カーソル位置受付部)、キーボード23(カーソル位置受付部)、マウス24(カーソル位置受付部)、及び制御部25を備えている。なお、測定ユニット2は、1台の装置単体で構成される例に限らない。例えば、互いに通信可能なノートパソコンとタブレット端末装置とを組合せて測定ユニット2を構成してもよい。
制御部25は、例えば所定の演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブやフラッシュメモリ等を用いて構成された不揮発性の記憶装置、及びこれらの周辺回路等から構成されている。制御部25は、上述の記憶装置に記憶された所定の制御プログラムを実行することによって、波形表示処理部26、目盛表示処理部27、カーソル表示処理部28、及び長さ表示処理部29として機能する。
無線通信部21は、無線通信部32と同様の通信方式を用いる無線通信回路である。無線通信部21は、無線通信部32から送信された反射波を示す信号を、無線通信によって受信する。なお、アンカーボルト長測定システム1は、必ずしも無線通信部21,32を備える例に限らない。検出ユニット3は、ケーブルを介して反射波を示す信号を測定ユニット2へ送信してもよい。
タッチパネルディスプレイ22は、制御部25からの制御信号に応じて表示画面Gを表示する。また、タッチパネルディスプレイ22は、表示画面Gがタッチされたとき、そのタッチ位置を示す信号を制御部25へ送信する。
図3は、アンカーボルトAが法面100に埋設された状態を説明する説明図である。アンカーボルトAは、法面100に堀削された堀削孔Fに挿入され、法枠101を貫通している。堀削孔Fには、コンクリートが充填されてアンカーボルトAが固定されている。アンカーボルトAの法枠101から突出した部分は、ワッシャ103とナット102によって法枠101に固定されている。
以下、アンカーボルトAの全長をL、アンカーボルトAが法枠101から突出した部分の長さを地上長さh1、法枠101を含む地中に埋設されている部分のアンカーボルトAの長さを地中長さh2、法枠101の厚みを法枠厚みW、法枠101を除いた地中(山体)に埋設されている部分のアンカーボルトAの長さを地山挿入長h3とする。
図4は、アンカーボルトAの形状の一例を詳細に示す説明図である。図4(a)は正面図、図4(b)は下面図である。図4に示すアンカーボルトAの外周面には、ネジ溝Bと、平坦面Dとが形成されている。
次に、上述のように構成されたアンカーボルト長測定システム1の動作を説明する。図5は、タッチパネルディスプレイ22によって表示される表示画面Gの一例を示す画面図である。
まず、図3に示すように、測定対象のアンカーボルトAの一端部Cにセンサ4を接触させる。検出処理部31は、センサ4によって、アンカーボルトAの一端部Cに弾性波を印加させる。一端部Cに加えられた弾性波は、アンカーボルトAの他端に向かって進行する。
このとき、アンカーボルトAの外周面には、ネジ溝Bが形成され、凹凸が存在している。そのため、進行する弾性波の一部がネジ溝Bで反射してセンサ4へ戻りつつ、残りの弾性波がアンカーボルトAの他端に向かって進行する。そして、弾性波がアンカーボルトAの他端に到達すると、到達した弾性波の大部分が他端で反射してセンサ4へ戻る。
センサ4は、弾性波を印加した後、戻ってきた反射波を都度検出し、その検出された反射波を示す信号を検出処理部31へ出力する。検出処理部31は、センサ4の出力信号からノイズを除去した上で、その反射波を示す情報と、弾性波を印加してから反射波を検出するまでの経過時間Tを示す情報とを、反射波情報として無線通信部32から測定ユニット2へ無線送信させる。
無線通信部32から反射波情報を受信した無線通信部21は、その受信した反射波情報を制御部25へ送信する。
図5を参照して、波形表示処理部26は、タッチパネルディスプレイ22によって、横軸を弾性波がアンカーボルトAの一端に印加されてからの経過時間に対応する第一軸とし、縦軸を反射波の強度に対応する第二軸とする直交座標系に、反射波情報に基づく反射波の波形を表示させる(波形画像G1)。なお、縦軸を第一軸、横軸を第二軸としてもよい。
波形表示処理部26は、タッチパネルディスプレイ22によって、フィルタ下限値受付部G9、及びフィルタ上限値受付部G10を表示させてもよい。そして、作業者が、波形画像G1として表示させたい波形の周波数範囲の下限値をフィルタ下限値受付部G9に、上限値をフィルタ上限値受付部G10に入力した場合、波形表示処理部26は、反射波情報に含まれる反射波のうち、その下限値以上、上限値以下の周波数範囲の波形のみを表示画面Gに波形画像G1として表示させる。下限値と上限値とを適宜調整することによって、不要な波形が表示されなくなるので、作業者は、アンカーボルトAの他端で反射した反射波形G3を見つけやすくなる。
目盛表示処理部27は、波形画像G1の横軸における経過時間tを、予め設定された弾性波の伝搬速度Vに基づいて下記の式(1)を用いて一端部Cから弾性波が反射する位置までの距離に換算し、当該換算された距離を表す目盛G4を横軸に対応付けてタッチパネルディスプレイ22によって表示させる。
目盛G4の距離(m)=V(m/s)×t(s)/2 ・・・(1)
カーソル表示処理部28は、タッチパネルディスプレイ22が、作業者によってタッチされた横軸上の位置、又はマウス若しくはキーボードで指定された横軸上の位置を示すカーソルC1を、タッチパネルディスプレイ22によって表示させる。タッチパネルディスプレイ22、又はマウス若しくはキーボードは、カーソル位置受付部の一例に相当している。
カーソル表示処理部28は、タッチパネルディスプレイ22が、作業者によってタッチされた横軸上の位置、又はマウス若しくはキーボードで指定された横軸上の位置を示すカーソルC1を、タッチパネルディスプレイ22によって表示させる。タッチパネルディスプレイ22、又はマウス若しくはキーボードは、カーソル位置受付部の一例に相当している。
長さ表示処理部29は、タッチパネルディスプレイ22、又はマウス若しくはキーボードによって受け付けられた位置、すなわちカーソルC1が表示される横軸上の位置に対応する経過時間Tを、予め設定された弾性波の伝搬速度Vに基づき下記の式(2)を用いてアンカーボルトAの全長Lに換算し、当該換算された全長Lを、タッチパネルディスプレイ22によって全長表示部G5に表示させる。
全長L(m)=V(m/s)×T(s)/2 ・・・(2)
伝搬速度Vは、伝搬速度受付部G8に予め入力されている。また、長さ表示処理部29は、タッチパネルディスプレイ22によって地上長受付部G6の入力欄を表示させる。作業者は、予め地上長さh1を実測し、キーボード23及びマウス24等を用いて地上長受付部G6に、地上長さh1を入力する。長さ表示処理部29は、下記の式(3)を用いて地中長さh2を算出し、タッチパネルディスプレイ22によってその地中長さh2を地中長表示部G7に表示させる。
伝搬速度Vは、伝搬速度受付部G8に予め入力されている。また、長さ表示処理部29は、タッチパネルディスプレイ22によって地上長受付部G6の入力欄を表示させる。作業者は、予め地上長さh1を実測し、キーボード23及びマウス24等を用いて地上長受付部G6に、地上長さh1を入力する。長さ表示処理部29は、下記の式(3)を用いて地中長さh2を算出し、タッチパネルディスプレイ22によってその地中長さh2を地中長表示部G7に表示させる。
地中長さh2=L−h1 ・・・(3)
なお、作業者は、地上長さh1に法枠厚みWを加算した値を、地上長受付部G6に入力してもよい。この場合、地中長表示部G7には、地山挿入長h3が表示される。
なお、作業者は、地上長さh1に法枠厚みWを加算した値を、地上長受付部G6に入力してもよい。この場合、地中長表示部G7には、地山挿入長h3が表示される。
次に、上述のように構成されたアンカーボルト長測定システム1の動作について説明する。図1を参照して、作業者OP1がセンサ4をアンカーボルトAの一端部Cに接触させることにより、センサ4からアンカーボルトAへ弾性波が印加され、その反射波がセンサ4で検出され、その射波を示す情報と、弾性波を印加してから反射波を検出するまでの経過時間Tを示す情報とを含む反射波情報が無線通信部32から測定ユニット2へ無線送信される。
図5を参照して、測定ユニット2では、その反射波情報に基づいて波形表示処理部26によって、タッチパネルディスプレイ22に波形画像G1及び目盛G4が表示される。
上述したように、アンカーボルトAの外周面に形成されたネジ溝Bで反射波が生じるため、波形画像G1には、多数の反射波形G2が含まれている。ネジ溝Bで生じる反射波は、反射位置が一端部Cから離れるに従って徐々に減衰していく。そして、アンカーボルトAの他端まで到達した弾性は、その大部分が他端で反射し、大きな反射波形G3となる。
ここで、反射波形G3が得られた横軸の経過時間tに対応する、一端部Cから反射位置までの距離は、アンカーボルトAの全長Lに他ならない。しかしながら、図5に示すように、波形画像G1には、多数の反射波形G2が含まれ、しかも反射波形G2,G3の態様は、アンカーボルトAの長さや形態に応じて変化する。そのため、波形画像G1から、自動的に反射波形G3を抽出し、アンカーボルトAの全長Lを測定することは困難である。
一方、アンカーボルト長測定システム1によれば、目盛表示処理部27を備えることによって、波形画像G1の横軸と対応づけて目盛G4が表示されるので、作業者OP2は、反射波形G3の位置の目盛G4を読み取るだけで、全長Lを測定することができる。従って、多数の反射波形G2が生じた場合であっても、アンカーボルトAの他端で反射した反射波形G3に基づく全長Lを容易に目盛G4から読み取ることができる。その結果、アンカーボルトAの長さの測定精度を向上することが容易となる。
さらに、作業者OP2が、表示画面G上で反射波形G3の位置をタッチ、又はマウス24若しくはキーボード23のカーソルキーによって反射波形G3の位置を指定することにより、カーソル表示処理部28によって反射波形G3の位置にカーソルC1が表示され、その横軸上の位置に対応する経過時間Tが長さ表示処理部29によって取得される。
そして、長さ表示処理部29によって、経過時間TがアンカーボルトAの全長Lに換算されて全長表示部G5に表示される。従って、作業者OP2は、波形画像G1を見ながら反射波形G3に揃えるようにカーソルC1を位置させ、全長表示部G5に表示された全長Lを読み取ることによって、精度よくアンカーボルトAの全長Lを測定することができる。その結果、アンカーボルトAの長さの測定精度を向上することが容易となる。
なお、検出処理部31は、センサ4によって、弾性波を所定の周波数で繰り返し出力させ、弾性波を出力する都度、各弾性波に対応する反射波を検出させてもよい。このようにして得られた複数回の弾性波に対応する反射波を含む反射波情報を、測定ユニット2へ送信してもよい。そして、波形表示処理部26は、複数回の弾性波に対応する反射波を重ね合わせて波形画像G1として表示画面Gに表示してもよい。
次に、アンカーボルト長測定システム1による、法面100の出来形管理の測定作業について説明する。図1を参照して、法面工事は崩落の危険がある場合に行われる工事であるから、法面100は、急斜面である場合が多い。このような急斜面の法面100に埋設されたアンカーボルトAを検査するためには、作業者OP1は、例えばロープを片手で掴みながら、もう一方の手でセンサ4をアンカーボルトAの一端部Cに接触させる必要があり、不安定な姿勢で作業することになる。
しかしながら、アンカーボルト長測定システム1によれば、センサ4で検出された反射波の情報は、検出ユニット3から測定ユニット2へ、無線通信で送信されるので、急斜面で作業する作業者OP1は、センサ4をアンカーボルトAの一端部Cに接触させる作業のみを行えばよい。従って、作業者OP1は、煩雑な操作を行う必要がないので、検査作業が容易になると共に、検査作業の安全性が向上する。
また、作業者OP2は、作業者OP1から離れた位置で測定ユニット2を操作してアンカーボルトAの長さを測定することができる。従って、作業者OP2は、平坦な安全な場所で、測定ユニット2を操作することができるので、作業者OP2の作業の安全性が向上する。
次に、伝搬速度Vの設定方法について説明する。アンカーボルトA中を弾性波が伝搬する伝搬速度Vは、アンカーボルトAの材質によって変化する。そこで、アンカーボルトA中を弾性波が伝搬する伝搬速度Vを、実際に測定して予め設定しておく。
まず、法面100に埋設されているアンカーボルトAと同じアンカーボルトAを伝搬速度測定用サンプルとして用意する。次に、作業者は、伝搬速度測定用サンプルのアンカーボルトAの全長Lをメジャー等で実測する。また、作業者は、キーボード23及びマウス24等を用いて、伝搬速度受付部G8に仮の伝搬速度Vを入力しておく。
次に、作業者が、図3と同様、伝搬速度測定用サンプルのアンカーボルトAの一端部Cにセンサ4を接触させ、検出ユニット3及び測定ユニット2を動作させると、伝搬速度測定用サンプルのアンカーボルトAから得られた反射波の波形が波形画像G1として表示される。
このように、伝搬速度測定用サンプルのアンカーボルトAから得られた波形画像G1をタッチパネルディスプレイ22に表示させた状態で、作業者は、表示画面G上で反射波形G3の位置をタッチ、又はマウス24若しくはキーボード23のカーソルキーによって反射波形G3の位置を指定し、反射波形G3の位置にカーソルC1を表示させる。そうすると、長さ表示処理部29によって、アンカーボルトAの全長Lが全長表示部G5に表示される。
作業者は、全長表示部G5に表示された全長Lと、事前に実測した全長Lとが等しくなるように、伝搬速度受付部G8に入力された伝搬速度Vを変更、調整する。全長表示部G5に表示された全長Lと、事前に実測した全長Lとが等しくなったとき、伝搬速度受付部G8に入力され、表示されている伝搬速度Vは、アンカーボルトAにおける弾性波の正しい伝搬速度Vとなる。この状態で、作業者が速度調整ボタンB1をタッチ、又はマウスでクリックすると、正しい伝搬速度Vが、測定ユニット2に対して設定され、記憶される。
このようにして予め設定された伝搬速度Vが、上述の、法面100に埋設されたアンカーボルトAの全長L測定時に用いられる。
なお、伝搬速度測定用サンプルのアンカーボルトAを用いて実際の伝搬速度Vを測定して設定する例を示したが、一般的なアンカーボルトの伝搬速度Vを、予め固定的に設定しておいてもよい。
また、測定ユニット2は、カーソル表示処理部28及び長さ表示処理部29と、目盛表示処理部27とを両方備える例を示したが、カーソル表示処理部28及び長さ表示処理部29と、目盛表示処理部27とのうちいずれか一方のみを備える構成としてもよい。また、地上長受付部G6を備えていなくてもよく、長さ表示処理部29は、地中長さh2を算出、表示しなくてもよい。
1 アンカーボルト長測定システム
2 測定ユニット
3 検出ユニット
4 センサ
21 無線通信部
21,32 無線通信部
22 タッチパネルディスプレイ(表示部、カーソル位置受付部)
23 キーボード(カーソル位置受付部)
24 マウス(カーソル位置受付部)
25 制御部
26 波形表示処理部
27 目盛表示処理部
28 カーソル表示処理部
29 長さ表示処理部
31 検出処理部
32 無線通信部
100 法面
101 法枠
102 ナット
103 ワッシャ
A アンカーボルト
B ネジ溝
B1 速度調整ボタン
C 一端部
C1 カーソル
D 平坦面
F 堀削孔
G 表示画面
G1 波形画像
G2,G3 反射波形
G4 目盛
G5 全長表示部
G6 地上長受付部
G7 地中長表示部
G8 伝搬速度受付部
G9 フィルタ下限値受付部
G10 フィルタ上限値受付部
h1 地上長さ
h2 地中長さ
h3 地山挿入長
L 全長
OP1,OP2 作業者
T,t 経過時間
V 伝搬速度
W 法枠厚み
2 測定ユニット
3 検出ユニット
4 センサ
21 無線通信部
21,32 無線通信部
22 タッチパネルディスプレイ(表示部、カーソル位置受付部)
23 キーボード(カーソル位置受付部)
24 マウス(カーソル位置受付部)
25 制御部
26 波形表示処理部
27 目盛表示処理部
28 カーソル表示処理部
29 長さ表示処理部
31 検出処理部
32 無線通信部
100 法面
101 法枠
102 ナット
103 ワッシャ
A アンカーボルト
B ネジ溝
B1 速度調整ボタン
C 一端部
C1 カーソル
D 平坦面
F 堀削孔
G 表示画面
G1 波形画像
G2,G3 反射波形
G4 目盛
G5 全長表示部
G6 地上長受付部
G7 地中長表示部
G8 伝搬速度受付部
G9 フィルタ下限値受付部
G10 フィルタ上限値受付部
h1 地上長さ
h2 地中長さ
h3 地山挿入長
L 全長
OP1,OP2 作業者
T,t 経過時間
V 伝搬速度
W 法枠厚み
Claims (4)
- アンカーボルトの一端に接触させるためのセンサと、
前記センサによって、当該一端に弾性波を印加させ、反射してきた反射波を検出させる検出ユニットと、
測定ユニットとを備え、
前記測定ユニットは、
表示部と、
前記表示部によって、一方の軸を前記弾性波が前記一端に印加されてからの経過時間に対応する第一軸とし、他方の軸を前記反射波の強度に対応する第二軸とする直交座標系に、前記センサによって検出された反射波に基づく波形を表示させる波形表示処理部と、
前記第一軸上の位置を指定する指示を受け付けるカーソル位置受付部と、
前記カーソル位置受付部によって受け付けられた前記第一軸上の位置を示すカーソルを、前記表示部によって表示させるカーソル表示処理部と、
前記カーソルで示される前記第一軸上の位置に対応する経過時間を、予め設定された前記弾性波の伝搬速度に基づいて前記アンカーボルトの長さに換算し、当該換算された長さを、前記表示部によって表示させる長さ表示処理部とを備えるアンカーボルト長測定システム。 - 前記アンカーボルトは地中に埋設され、
前記測定ユニットは、前記アンカーボルトが地表から突出している部分の長さである地上長さの入力を受け付ける地上長受付部をさらに備え、
前記長さ表示処理部は、さらに、前記アンカーボルトの長さから前記地上長受付部により受け付けられた前記地上長さを減算した値を、前記表示部によって、前記アンカーボルトの地中長さとして表示させる請求項1記載のアンカーボルト長測定システム。 - アンカーボルトの一端に接触させるためのセンサと、
前記センサによって、当該一端に弾性波を印加させ、反射してきた反射波を検出させる検出ユニットと、
測定ユニットとを備え、
前記測定ユニットは、
表示部と、
前記表示部によって、一方の軸を前記弾性波が前記一端に印加されてからの経過時間に対応する第一軸とし、他方の軸を前記反射波の強度に対応する第二軸とする直交座標系に、前記センサによって検出された反射波に基づく波形を表示させる波形表示処理部と、
予め設定された前記弾性波の伝搬速度に基づいて、前記第一軸における前記経過時間を、前記一端から前記弾性波が反射する位置までの距離に換算し、当該換算された距離を表す目盛を前記第一軸に対応付けて前記表示部に表示させる目盛表示処理部とを備えるアンカーボルト長測定システム。 - 前記検出ユニットは、前記センサによって検出された前記反射波を示す情報を、無線通信によって前記測定ユニットへ送信する請求項1〜3のいずれか1項に記載のアンカーボルト長測定システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019002911U JP3223548U (ja) | 2019-08-05 | 2019-08-05 | アンカーボルト長測定システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019002911U JP3223548U (ja) | 2019-08-05 | 2019-08-05 | アンカーボルト長測定システム |
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JP2019023423 Continuation | 2019-02-13 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP3223548U true JP3223548U (ja) | 2019-10-17 |
Family
ID=68234384
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2019002911U Active JP3223548U (ja) | 2019-08-05 | 2019-08-05 | アンカーボルト長測定システム |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3223548U (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102529543B1 (ko) * | 2022-04-25 | 2023-05-08 | (주)영신디엔씨 | 어스앙카 인장장치의 인장길이 측정 시스템 및 이를 이용한 어스앙카 인장 관제 시스템 |
JP7449506B2 (ja) | 2020-08-06 | 2024-03-14 | 株式会社イクシス | 計測システム |
JP7452797B2 (ja) | 2020-08-06 | 2024-03-19 | 株式会社イクシス | 計測システム |
-
2019
- 2019-08-05 JP JP2019002911U patent/JP3223548U/ja active Active
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