JPH1181851A - 立坑掘削機 - Google Patents

立坑掘削機

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JPH1181851A
JPH1181851A JP23614097A JP23614097A JPH1181851A JP H1181851 A JPH1181851 A JP H1181851A JP 23614097 A JP23614097 A JP 23614097A JP 23614097 A JP23614097 A JP 23614097A JP H1181851 A JPH1181851 A JP H1181851A
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JP
Japan
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cutter
shaft
water
center
face
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Application number
JP23614097A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshihiko Bessho
俊彦 別所
Fumio Unosawa
史生 宇野沢
Toshimi Ino
敏美 伊野
Takashi Hino
隆 日野
Kiyoshi Tsuchiya
清 土屋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taisei Corp
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Taisei Corp
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH1181851A publication Critical patent/JPH1181851A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カッター軸が大型化し過ぎて組立作業や搬送
作業が困難になるのを防止すると共に、超深度の立坑を
掘削する場合であっても作業効率が低下しない立坑掘削
機を提供する。 【解決手段】 シールド本体3の中央下部の隔壁26近
傍に設けた貫通穴3bの内周面の上下2箇所に径方向支
持ベアリング4,5を配置し、これらの径方向支持ベア
リング4,5でこれらに接するカッター軸2の径方向の
荷重を受け、カッター軸2の上端部に取り付けたカッタ
ー駆動体19とカッター駆動装置7の中央落込部との間
に介装した軸方向支持ベアリング6でカッター軸2の軸
方向の荷重を受け、カッター駆動装置7を漸進油圧ジャ
ッキ9により適当な圧力でシールド本体3に対して支え
る構成とすると共に、カッター軸2の中心部に泥水吸入
口15に連通する中央排泥管2aと、その直ぐ外側に送
水管16に連通する環状送水路2bとを同軸的に配置す
るようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明はカッターを切羽上部
に当接させて回転させることにより掘削された切羽の土
砂を立坑外に排出するようにした立坑掘削機の技術分野
に属する。
【0002】
【従来の技術】都市生活の基盤整備事業の拡充に伴う上
下水道、ガス配管や通信ケーブルの敷設等の土中への埋
設土木工事が活発に行われるようになった。かかる土木
工事では工法の簡便さや工費の安さ等の理由によって、
地表から地中に掘り進んで埋設を行う開削工法が主に採
用されていたが、路面下部の掘削に伴う車両通行止めに
よる通行障害や掘削深度の増大に伴う工事の困難さ、工
事費の高騰等のために、路面を掘り返すことなく地中を
掘削する推進工法も次第に採用されるようになってい
る。ところで、トンネルを掘削する一工法として、掘削
開始地点に一旦、縦穴を掘削し、この縦穴の底部に配置
した掘進機により横方向に地山を掘進する工法が知られ
ており、特に、大径のトンネルの掘削には殆どこのシー
ルド工法が採用されている。
【0003】図8は特開平8−326467号公報に開
示された大径の縦穴を掘削するための立坑掘削機の縦断
面図である。この図は立坑掘削機が立坑40の内部に設
置され、縦穴を掘削中の状態を示している。外形が段部
を有した平らな略円筒形のシールド本体3は自重と、立
坑40の周壁面に固設された円弧状のコンクリート製の
壁面支持体12の集合体の下面からの反力と、立坑40
側と切羽50側とを区画する隔壁26が受ける下方から
の水圧を受けながら地中を掘進する。シールド本体3の
中央には先端にカッター1が固設されたカッター軸2が
回転自在に、かつ、軸方向(同図で上下方向)に摺動自
在に軸受に嵌合している。
【0004】カッター1は中央部から外周部に向かって
後退する方向(同図で上方向)に傾斜した状態で延設さ
れた6本の回転腕1bを有している。カッター1の前面
(同図で下面)には多数の切削刃1aが取り付けられて
いて、カッター1の回転に連れて当接する切羽50の地
山を切削する。回転腕1bの中間部には後方向に延設さ
れた支持柱27がそれぞれ設けられており、支持柱27
の他端側はそれぞれ大径の環状輪29に固設されてい
る。この環状輪29はシールド本体3の下部に環状に形
成された環溝28内に回転自在に、かつ、軸方向に摺動
自在に嵌合していて、軸方向支持ベアリング6を介して
カッター架設部材30に回転自在に支持されている。環
状輪29の上端部外縁にはラック歯が刻設されていて、
このラック歯はカッター架設部材30に取り付けられた
カッター駆動モーター8の駆動軸に取り付けられた歯車
20に歯合している。そして、カッター架設部材30は
漸進油圧ジャッキ9を介してシールド本体3に対して上
下方向に摺動自在に釣支されている。
【0005】シールド本体3の隔壁26の外周部近傍の
下面の複数箇所に送水管16の先端が開口していて、こ
の開口から図示しない水処理設備からの泥水が切羽50
外周部に注水される。一方、カッター軸2の先端部およ
び複数の支持柱27の中間部にそれぞれ支えられた複数
のカッター腕の中間部に排泥管18先端の開口がそれぞ
れ設けられていて、これらの開口からカッター1により
切削された地山の土砂が送水管16から注水された泥水
と共に吸引され、回転継手14と後方の排泥管18を経
て水処理設備に送られ、そこで泥水と分離される。
【0006】図8に示すように、排泥管18はこの具体
例では独立した3本の管路で構成されていて、それぞれ
図示しない吸引ポンプに連結されている。図9は図8の
切断線P−Qに沿ったカッター軸2を横切る水平断面図
である。同図に示すように、カッター軸2が隔壁26に
支持される中間部近傍では内部に3本の排泥管18a,
18b,18cが互いに外接すると共にカッター軸2に
内接している。カッター軸2の後端部に設けられる回転
継手14も3本の排泥管18a,18b,18cに連設
される3つの回転継手で構成されている。
【0007】カッター1の自重によりカッター1が地山
を押す圧力が高過ぎると、カッター1を回転駆動するカ
ッター駆動モーター8に過大な負荷が掛かるので、カッ
ター1が適度な圧力で地山に圧接するように、切羽50
側からの水圧が低い場合は漸進油圧ジャッキ9内の油圧
がカッター1の自重をある程度減殺するように調整され
る。カッター1が地山を掘進するに連れて、カッター1
およびカッター架設部材30は自重により沈下し、所定
距離だけ下降すると、漸進油圧ジャッキ9が収縮してカ
ッター1およびカッター架設部材30を最上位位置まで
引き上げる。そして、壁面支持体12の底面からの反力
を得ながら推進油圧ジャッキ10を伸長させて、シール
ド本体3を切羽50側に下降させ、推進油圧ジャッキ1
0を収縮させた時に壁面支持体12の集合体との間にで
きた空間に、支持体組付装置11により新たな壁面支持
体12を組付ける。次に、推進油圧ジャッキ10を伸長
させ、新たに組付けられた壁面支持体12に当接させ
て、この新たな壁面支持体12に対してシールド本体3
の反力を取る。
【0008】このように、シールド本体3とカッター1
の推進機構を独立させることにより、カッター1が受け
る水圧を最小限に止め、カッター駆動モーター8に掛か
る負荷を低減できるから、シールド本体3の推進機構と
カッター駆動モーター8を小型化でき、カッター1を真
直ぐ垂直方向に掘進させることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来技術におい
ては、カッター1に作用する径方向の荷重、カッター軸
2の倒回方向および軸方向の荷重は全て軸方向支持ベア
リング6で支持されるように構成されているため、ベア
リング径が大きくなり、ベアリング部分を一体で輸送す
ることが難しくなる。この困難を回避するにはベアリン
グを円周方向で分割しなければならないが、ベアリング
を分割すると値段が高くなると共に現場での組立作業も
難しくなる。また、前述のように、カッター軸2の内部
に3本の排泥管18a,18b,18cが内装されてい
るため、組立加工が難しく、回転継手14とカッター軸
2の径が大きくなって重量が増大するため、組み立てら
れたカッター軸2部分を輸送することができないという
問題点がある。
【0010】また、カッター1が適度な圧力で地山に圧
接するように漸進油圧ジャッキ9内の油圧が調整されて
おり、更に、掘削効率を高めるためにカッター1の回転
速度を高めているが、カッター1の回転速度をあまり速
くすると、大径の環状輪29が摺接する環溝28の下端
部内面に設けられ、摺動面を水密に保つカッターシール
25が受ける動摩擦力が大きくなり、発熱で焼き付いて
しまう虞がある。
【0011】さらに、最近起こった阪神大震災等の災害
における反省として、水道水や防火用水、あるいはトイ
レ用水の貯留施設の弱体体制が問題となり、早急な用水
貯留施設の建設が検討されている。しかし、かかる施設
の建設が特に必要となる場所は住宅や商店が密集した地
帯が多く、広大な敷地を確保するのが難しいばかりでな
く、仮に確保できても地価が高価なため敷地を収容する
ことも困難であるという異なる性質の問題点がある。
【0012】そこで、例えば、広幅の道路の地下に大量
の雨水の貯留施設を建設することが試みられているが、
道路の交通をなるべく妨げずに、しかも、万一の事故の
際に交通車両等に被害を与えないようにしなければなら
ないため、特別に強度の高い構造物にしなければならな
い等特有の困難も明らかになっている。かかる問題点を
克服する方策として、例えば、地下1000m程度の超深度
の立坑を掘削して、この立坑を用水貯留施設として利用
することにより、入手が容易なさ程広くない敷地内に大
量の用水を貯留し得る施設を建設することが検討されて
いる。
【0013】ところが、超深度の立坑を掘削する場合に
は切羽50側の水圧が数倍乃至十数倍上昇するため、こ
れに連れて前記カッターシール25が受ける動摩擦力も
増大するから、その焼き付きを防止するためにカッター
1の回転速度を落とさざるを得ず、立坑掘削機の掘削効
率が極端に低下してしまう。本発明は従来技術における
かかる事情に鑑みて為されたものであり、カッター軸が
大型化し過ぎて組立作業や搬送作業が困難になるのを防
止すると共に、超深度の立坑を掘削する場合であっても
作業効率が低下しない立坑掘削機を提供することを目的
とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、シールド本体の中央部の切羽側に設けら
れ、カッターの回転軸が嵌挿される貫通穴と、該貫通穴
の内壁面に設けられ、回転軸を回転自在に支持するベア
リングと、回転軸の中心部を貫通して設けられ、掘削さ
れた切羽の土砂を含む泥水を上部に導く排泥管路と、該
排泥管路の外側に同軸的に設けられ、泥水を切羽側また
は立坑上部に導く水管路と、シールド本体の中央部の前
記貫通穴の上部に設けられ、駆動手段を具え、回転軸を
シールド本体に対して回転自在に支持すると共に軸方向
に摺動自在なカッター軸支持手段と、該カッター軸支持
手段とシールド本体に係合してカッターの切羽に対する
押圧力を調整する押圧力調整手段とを有したものであ
る。好ましくは、回転軸の下端部には該回転軸の中心部
を貫通して設けられた排泥管路の一端が開口した吸入口
が設けられ、水管路はカッターの中心部から外周方向に
複数本突設された回転腕の中の少なくとも一つの内部に
設けられた送水路を介して回転腕の先端部に中央部に向
けて開口する送水口に連通しており、該送水口から噴出
した泥水が回転腕と地山との間の流路を経て吸入口内に
吸入されるようにしたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明を具
体化した具体例を詳細に説明する。図1は本具体例の立
坑掘削機の縦断面図、図2はその要部断面図、図3は本
具体例の立坑掘削機の底面図、図4は図2に示した要部
の平面図、図5は図1に示す切断線B−Bに沿った下向
きの断面図である。従来例と同一または同一と見做せる
個所には同一の符号を付し、その重複する説明を省略す
る。
【0016】これらの図において、1bはカッター軸2
の先端部から径方向に張り出すと共に上側にやや傾斜し
て4本設けられたカッター1の回転腕、1cは回転腕1
bの中心部を貫通して穿設された注水用泥水の通路とな
る腕内送水路、2aはカッター軸2の中心部を貫通して
穿設され、排泥管18に連通する中央排泥管、2bはカ
ッター軸2の内部で中央排泥管2aに隣接してその外側
に形成された注水用泥水の通路となる環状送水路、2c
は環状送水路2bと後述する送水管16が連通する回転
継手との間を連絡する連通路、2dは回転腕1bの腕内
送水路1cとカッター軸2の環状送水路2bとの間を連
絡する連通路、3aはシールド本体3の中央上部に設け
られた中央穴、3bはシールド本体3の中央下部に設け
られ、カッター軸2と接する中央穴3aより小径の貫通
穴、4,5はシールド本体3の貫通穴3bの内壁面の周
方向に沿って上下にそれぞれ所定距離を隔てて設けら
れ、カッター軸2を回転自在に支えて径方向の動きを規
制する径方向支持ベアリングである。
【0017】また、7はカッター駆動機構を具えてシー
ルド本体3に上下動可能に支持されたカッター駆動装
置、13はシールド本体3内面と壁面支持体12との間
を封止する内面シール、15はカッター軸2の先端に開
口した泥水吸入口、17はカッター1の回転腕1bの先
端部に中央向きに設けられ、送水管16を介して送られ
た泥水の切羽50側への噴出口である送水口、19はカ
ッター軸2の後端(上端)に嵌合固定された筒状部と、
該筒状部が嵌合し、軸方向支持ベアリング6とボルト結
合された略円盤状部とから成るカッター駆動体、21は
シールド本体3の中央穴3aに摺接するカッター駆動装
置7の外装容器、22は外装容器21の外周部の対向す
る2箇所に穿設され、これらに嵌合するシールド本体3
の中央穴3a内周に設けられた凸条体からカッター軸2
の回転に対する反力を受ける縦溝である。
【0018】23はカッター駆動体19をカッター軸2
の後端に固定するための固定部材、24は固定部材23
を取り付けるためのボルト、31はシールド本体3の隔
壁26の強度を補強するためのリブ、51は貫通穴3b
の内壁面の径方向支持ベアリング4,5の間に設けら
れ、カッター軸2の回転に拘らず送水管16と環状送水
路2bとの間を連通させる回転継手、52は中央排泥管
2aの先端部を支持すると共に環状送水路2bの先端部
の止水栓としての機能を果す支持環、53は回転継手5
1のカッター軸2との摺動部からの漏水を防止する送水
シール、54は切羽40側の水圧が異常に高くなった時
に放圧弁を介して切羽40側の泥水を放水するための圧
抜管である。
【0019】本具体例では、カッター1、従って、カッ
ター軸2に作用する径方向および倒回方向の荷重は径方
向支持ベアリング4,5で、軸方向の荷重は軸方向支持
ベアリング6で支持されている。従って、カッター軸2
に作用する荷重が分散して径方向支持ベアリング4,5
および軸方向支持ベアリング6に作用するから、従来例
のように大径の軸方向支持ベアリング6を用いる必要が
なく、従来例のカッター架設部材30の径に較べてカッ
ター駆動装置7の径が著しく小さくなるから、カッター
駆動装置7を一体のものとして容易に輸送できる。ま
た、カッター駆動装置7をシールド本体3の中央部に配
設したから、シールド本体3の構造を簡素化でき、しか
も、外力、特に切羽50側からの水圧に対して強固な構
成にでき、廉価な製造費用でシールド本体3の機械的強
度を高めることができる。
【0020】さらに、軸方向支持ベアリング6に作用す
る切羽50側からの水圧はカッター軸2の断面積に相当
する浮力となるから、極限られた大きさになり、軸方向
支持ベアリング6の強度は小さくて済み、切羽50に対
するカッター1の圧接力は殆どの場合はカッター1とカ
ッター駆動装置7の自重を利用することで済む。また、
立坑掘削機による掘進作業を完了した後の回収部材の回
収作業を行う際には、ボルト24を緩めて固定部材23
を取り外すと共に、漸進油圧ジャッキ9のピストン作動
桿をカッター駆動装置7の外装容器21に連結している
螺子を取り外すだけで、容易にカッター駆動装置7をシ
ールド本体3から分離することができる。
【0021】前述のように、本具体例では、送水管16
を介して送られた泥水の切羽50側への噴出口となる送
水口17はカッター軸2の環状送水路2bとの間を連絡
する連通路2dに連通する回転腕1bの腕内送水路1c
の先端部分がU字状に曲げられて設けられた開口であ
り、この送水口17から噴出した泥水はカッター1によ
り掘削された土砂を回転腕1bに沿って押し流し、カッ
ター軸2の先端に設けられた泥水吸入口15から土砂と
共に吸引される。
【0022】また、カッター軸2は上部に設けられたカ
ッター1を回転させるための駆動力伝達手段を有し、泥
水吸入口15から吸引した切羽50の土砂を含む泥水を
回転継手14を介して排泥管18に送り込む中央排泥管
2aと、送水管16から送られた泥水を回転継手51を
介して回転腕1bの腕内送水路1cに導く環状送水路2
bとより成る2つの同軸管で構成された単純な形状とし
たから、必要な水量を確保するための管路断面積に対し
てカッター軸2の径を小さくでき、立坑掘削機の構造を
簡単にして製造費用を低減することができる。さらに、
漸進油圧ジャッキ9はシールド本体3側に設置されてお
り、そのピストン作動桿をカッター駆動装置7の外装容
器21に連結しているので、漸進油圧ジャッキ9のピス
トンはカッター1とカッター駆動装置7の重量を受圧面
積の大きい側で支えるから、漸進油圧ジャッキ9の荷重
支持能力を有効に発揮することができるようになってい
る。
【0023】次に、本具体例の動作を簡単に説明する。
まず、図示しない周知の吊架装置により立坑掘削機を吊
り下げて、カッター1を地表付近の地山に当接させ、切
羽50側からの水圧に応じて漸進油圧ジャッキ9の油圧
を調整してカッター1が適度の圧力で地山に圧接するよ
うにしながらカッター駆動モーター8を回転させる。カ
ッター駆動モーター8の駆動力は歯車20およびこれに
歯合するカッター駆動体19を介してカッター軸2に伝
達されるから、カッター軸2が径方向支持ベアリング
4,5および軸方向支持ベアリング6に支えられて回転
する。なお、超深度掘削時等の場合のように、切羽50
側からの水圧が非常に高く、カッター1とカッター駆動
装置7の自重のみではカッター1を切羽50に圧接する
ことができない場合は、漸進油圧ジャッキ9の推進力を
逆方向に作用させてカッター駆動装置7をシールド本体
3側に引き込む吸引力を付与する。
【0024】こうしてカッター1の回転により、その先
端部に取り付けられた切削刃1aが地山を切削する。カ
ッター駆動モーター8の回転に同期して図示しない送水
ポンプが回転し、送水管16に泥水を送り込む。泥水は
回転継手51と環状送水路2bを介して回転腕1bの腕
内送水路1cに導かれ、送水口17から立坑40の中心
部側に向けて注水される。これにより、カッター1の回
転により掘削された土砂は切羽50の斜面に沿って下
方、即ち、中心部側に押し流され、岩礫は切羽50の斜
面に沿って中心部側に転がり落ちる。このように、送水
口17から噴出した泥水は回転腕1bの下面と地山との
間に形成された流水路を経てカッター軸2の先端に開口
する泥水吸入口15から吸い込まれるから、掘削土砂、
特に礫状の岩片は泥水と共に中央部の泥水吸入口15に
向けて効率良く押し流され、図示しない吸引ポンプによ
り吸引されて中央排泥管2a、回転継手14、排泥管1
8を介して泥水処理設備に送られ、そこで泥水と分離さ
れる。分離された泥水は送水管16を介して切羽50に
還流される。
【0025】こうして、地山が掘削されると切羽50が
下方に後退し、これに当接するカッター1もカッター駆
動装置7と共に徐々に下降する。カッター1が所定距離
下降した所で漸進油圧ジャッキ9を収縮させてカッター
1およびカッター駆動装置7を引き上げ、吊架装置によ
り吊り下げられたシールド本体3も自重を利用して下降
させる。やがて隔壁26が下方から受ける地山からの水
圧と立坑40の壁面から受ける摩擦力が大きくなり、シ
ールド本体3が自重では下降しなくなる。このような深
さに到達した時は、漸進油圧ジャッキ9を収縮させてカ
ッター1およびカッター駆動装置7を引き上げた後、推
進油圧ジャッキ10を伸長させ、壁面支持体12の集合
体下面からの反力を利用してシールド本体3を下降させ
る。その後、推進油圧ジャッキ10を収縮させ、空いた
空間に支持体組付装置11により壁面支持体12を立坑
40の壁面に組み付ける。
【0026】上述の掘進作業を繰り返して所望の深さま
で立坑掘削機が掘り進んだ時には、切羽50部分にコン
クリートを打設した後、回収可能な部材の回収作業が行
われる。まず、支持体組付装置11を取り外し、それか
ら推進油圧ジャッキ10を取り外す。その後、送水管1
6の立坑40側部分、排泥管18および回転継手14を
取り外す。さらに、ボルト24を緩めて固定部材23を
取り外すと共に、漸進油圧ジャッキ9のピストン作動桿
をカッター駆動装置7の外装容器21に連結している螺
子を取り外すことにより、カッター駆動装置7全体を回
収する。
【0027】前述のように、カッター軸2の中心部を貫
通して排泥管18を配し、この排泥管18の外側に接し
て環状送水路2bを同軸状に配設して、それぞれ掘削土
砂を含む泥水と掘削土砂を含まない泥水の通路とするこ
とにより、環状送水路2bに必要とされる断面積を環状
送水路2bの周方向の長さ分の寄与により径方向の幅を
相対的に小さくできるから、カッター軸2の全体の径の
長さも小さくでき、組立作業も比較的容易に行うことが
でき、重量もその分、軽量化できるから、カッター軸2
を組み立てられた状態で搬送することができる。また、
カッター軸2の径方向支持ベアリング4,5が接する部
分は曲げ力に耐えるだけの強度を持たせるために肉厚と
しなければならないが、この具体例の構成はその点で都
合の良いものになっている。
【0028】また、カッターシール25は従来例で環溝
28の下端部内面に設けられていた場合に較べてカッタ
ー1の回転中心からの半径が著しく小さくなっているか
ら、カッター1の回転速度が同じであってもカッターシ
ール25の摺動速度が低下する。従って、超深度の立坑
を掘削する場合に切羽50側の水圧が数倍乃至十数倍上
昇しても、カッターシール25の摺動速度低下が水圧の
上昇による動摩擦力の増加分を十分相殺してカッターシ
ール25が焼き着くのを防止することができる。また、
切羽50側の水圧が低い、深度が比較的浅い領域では、
カッター駆動モーター8の回転数を増大させて、カッタ
ー1の土砂掘削能力を高めることができる。
【0029】上述の具体例では送水口17はカッター1
の一本の回転腕1bの先端部に設けられているが、勿
論、他の回転腕1bの先端部にも設けても良い。図6お
よび図7はカッター1の二本の回転腕1bの先端部に送
水口17,17′を設けた他の具体例の立坑掘削機のそ
れぞれ縦断面図およびその要部断面図である。この具体
例ではカッター1の一本の回転腕1bと、これと対照の
位置に取り付けられたもう一本の回転腕1bとの先端部
にそれぞれ送水口17,17′が設けられると共に、こ
れらに対応してそれぞれ二本の送水管16,16′と連
通する二つの独立した水路を有した回転継手51とカッ
ター軸2の二つの環状送水路2b,2b′、連通路2
c,2c′、連通路2d,2d′、回転腕1bの二つの
腕内送水路1c,1c′が設けられている。
【0030】二本の送水管16,16′を介して切羽5
0に注入される泥水の水量が2倍になるため、この具体
例の動作は掘削土砂の搬送効率が倍に増える外は先に説
明した具体例のものと変わらない。なお、この具体例で
はカッター軸2の中央排泥管2aの外側に設けられる管
路は全て送水路として用いられているが、地山の土質が
細かい岩礫のみを含む土質の場合または類似の土質の場
合には、それらの何れかを排泥管路として用いても構わ
ない。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
によれば、シールド本体の中央部の切羽側に設けた貫通
穴の内壁面に回転軸を回転自在に支持するベアリング
と、回転軸の中心部を貫通して設けられ、掘削された切
羽の土砂を含む泥水を上部に導く排泥管路と、該排泥管
路の外側に同軸的に設けられ、泥水を切羽側または立坑
上部に導く水管路とを設け、軸方向に摺動自在なカッタ
ー軸支持手段により回転軸をシールド本体に対して回転
自在に支持すると共に押圧力調整手段によりカッター軸
支持手段とシールド本体に係合してカッターの切羽に対
する押圧力を調整するようにしたので、カッター軸が大
型化し過ぎて組立作業や搬送作業が困難になるのを防止
することができると共に、超深度の立坑を掘削する場合
であっても作業効率が低下せず、さらにシールド本体の
機械的強度を高め、回収部材の回収作業を容易にするこ
とができる。請求項2記載の発明によれば、回転軸の下
端部には該回転軸の中心部を貫通して設けられた排泥管
路の一端が開口した吸入口が設けられ、水管路はカッタ
ーの中心部から外周方向に複数本突設された回転腕の内
部に設けられた送水路を介して回転腕の中の少なくとも
一つの先端部に中央部に向けて開口する送水口に連通し
ており、該送水口から噴出した泥水が回転腕と地山との
間の流路を経て吸入口内に吸入されるようにしたので、
カッターにより掘削された地山の岩片等の土砂を注水さ
れた泥水により中央部に向けて押し流して、効率良くカ
ッターの回転軸に設けられた排泥管路の吸入口内に吸入
させて排出させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体例の立坑掘削機の縦断面図
【図2】図1の要部断面図
【図3】本発明の具体例の立坑掘削機の底面図
【図4】図2に示した要部の平面図
【図5】図1に示す切断線B−Bに沿った下向きの断面
【図6】他の具体例の立坑掘削機の縦断面図
【図7】図1の要部断面図
【図8】従来例に係る立坑掘削機の縦断面図
【図9】図8の切断線P−Qに沿った水平断面図
【符号の説明】
1 カッター 1b 回転腕 1c 腕内送水路 2 カッター軸 2a 中央排泥管 2b 環状送水路 3 シールド本体 3b 貫通穴 4,5 径方向支持ベアリング 6 軸方向支持ベアリング 7 カッター駆動装置 8 カッター駆動モーター 9 漸進油圧ジャッキ 10 推進油圧ジャッキ 12 壁面支持体 14,51 回転継手 16 送水管 18 排泥管 19 カッター駆動体 20 歯車 21 外装容器 25 カッターシール 26 隔壁 40 立坑 50 切羽 53 送水シール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊野 敏美 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大成 建設株式会社内 (72)発明者 日野 隆 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大成 建設株式会社内 (72)発明者 土屋 清 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略円筒状の外形を有した構造体から成る
    シールド本体の隔壁の下側に回転自在に支持されたカッ
    ターを切羽上部に当接させ、駆動手段により前記カッタ
    ーを回転させると共に、該カッターの回転により掘削さ
    れた切羽の土砂を排出手段により立坑外に排出するよう
    にした立坑掘削機において、前記シールド本体の中央部
    の前記隔壁側に設けられ、前記カッターの回転軸が嵌挿
    される貫通穴と、該貫通穴の内壁面に設けられ、前記回
    転軸を回転自在に支持するベアリングと、前記回転軸の
    中心部を貫通して設けられ、掘削された切羽の土砂を含
    む泥水を上部に導く排泥管路と、該排泥管路の外側に同
    軸的に設けられ、泥水を切羽側または立坑上部に導く水
    管路と、前記シールド本体の中央部の前記貫通穴の上部
    に設けられ、前記駆動手段を具え、前記回転軸を前記シ
    ールド本体に対して回転自在に支持すると共に軸方向に
    摺動自在なカッター軸支持手段と、該カッター軸支持手
    段と前記シールド本体に係合して前記カッターの切羽に
    対する押圧力を調整する押圧力調整手段とを有したこと
    を特徴とする立坑掘削機。
  2. 【請求項2】 回転軸の下端部には該回転軸の中心部を
    貫通して設けられた排泥管路の一端が開口した吸入口が
    設けられ、水管路はカッターの中心部から外周方向に複
    数本突設された回転腕の中の少なくとも一つに設けられ
    た送水路を介して前記回転腕の先端部に中央部に向けて
    開口する送水口に連通しており、該送水口から噴出した
    泥水が前記回転腕と地山との間の流路を経て前記吸入口
    内に吸入されるようにしたことを特徴とする請求項1記
    載の立坑掘削機。
JP23614097A 1997-09-01 1997-09-01 立坑掘削機 Pending JPH1181851A (ja)

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