JPH1180926A - クロマイジングされた耐熱鋼、その製造方法および耐コーキングへの応用におけるその使用 - Google Patents
クロマイジングされた耐熱鋼、その製造方法および耐コーキングへの応用におけるその使用Info
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Abstract
うな製品を製造する方法を提供する。 【解決手段】 被覆鋼材製品は、少なくとも0.2重量
%の炭素を含有する耐熱鋼基質、炭素に富む拡散障壁お
よびセメンテーション法を用いて被覆されることを特徴
とする、90〜99重量%のクロムを含有する外層から
成る。
Description
示す鋼製品、および耐コーキング被覆を、鋼、一般に耐
熱鋼によって構成されるマトリックスに形成させること
によって、そのような製品を製造する方法に関する。そ
の方法は、種々の精製または石油化学的方法において、
コーキングに耐えなければならない製品を製造するため
に使用される。
える温度を伴う種々の精製および石油化学的方法、中で
も水蒸気リフォーミング、脱水素およびビスブレーキン
グに使用され得る。より詳細には、本発明は、800〜
1100℃程度の温度で長い有効寿命を有することを意
図する、水蒸気クラッキング用のパイプスチル(管式加
熱炉)の製造に適用され得る。
水素転換の間、スチル(still) 中で発生する炭質沈積物
は、一般にコークスとして知られている。このコークス
沈積物は工業装置において問題である。パイプおよび反
応器の壁でのコークスの生成は、熱交換量の減少および
重大な閉塞を引き起こし、従って圧力低下が増大する。
反応温度を一定に保つために、壁体温度を上げることが
必要であるかもしれない。このことは壁を構成する鋼を
損傷する危険を有する。装置の選択性の減少もあり、そ
の結果、収率が減少する。
行うために、装置を定期的に停止させることが必要であ
る。従って、コークスの生成を減少し得る物質または被
覆を開発することは経済的に重要である。
応におけるコークス生成反応が、多くの文献で述べられ
てきた。コーキング現象は、特に炭化水素の熱分解のた
めに、広く記述され、研究されてきた。主要な論文は、
FROMENT 教授によって1990年に"Review of Chemica
l Engineering"第6巻、第4号、292〜328頁に発
表された、「炭化水素の熱分解におけるコークスの生成
(Coke formation in the thermal cracking of hydroca
rbons)」と題する論文であると考えることができる。引
用され得るより最近の出版物は、BILLAUD, BROUTIN, BU
SSON, GUERETおよびWEILL によって第1部が"Revue de
l'Institut Francais du Petrole" 1992年、第47
巻、第4号、537〜549頁に発表された、「炭化水
素の熱分解中のコークスの生成(Coke Formation during
Hydrocarbon Pyrolysis) 」と題する論文であり、第2
部が同じ刊行物の1993年、第48巻、第2号、11
5〜125頁に発表されたものである。
炭化水素の熱分解中のコークスの生成が、異なる機構を
伴う複雑な現象であり、その少なくとも1つが、それら
の方法を実施するために使用される装置の壁において、
ニッケル、鉄またはコバルトのような金属元素の酸化物
の存在によって触媒される反応を伴うと言うことができ
る。金属元素は一般に、主にそれらの装置の壁で起こる
高温のために使用される超耐熱合金中に多量に含まれ
る。その触媒機構は非常に優勢である:その機構が抑制
されるならば、水蒸気クラッキングの場合、そのような
方法を実行するために必要な、2つの蒸留缶のデコーキ
ング停止の間の周期の長さを少なくとも3倍増加させる
ことができることが観察によって証明されてきた。
制できる方法に基づく。
ラッキング用のスチル管用の耐熱性耐コーキング鋼につ
いて述べている。
は、セラミック材料の薄い層が管の表面に形成される条
件下、酸素非含有有機金属ケイ素誘導体のその場での分
解(すなわち集成装置内)による、炭化水素と接触する
反応器管の金属表面の不動態化方法について述べてい
る。付着が大気圧または僅かな加圧下で行われるその方
法は、付着物の成長速度が管の全体の長さに亘って均一
でなく、従って付着物の厚さおよび質が管に沿って変化
するので、一般的に、管の全体の長さに亘って相対的に
均一である付着物の製造をもたらさない。このような変
化は、従って低い粘着性を有する非常に厚い帯域および
/または炭化ケイ素の付着物の質が低く従って粘着性が
低い帯域を生じる危険を伴う。気体拡散距離は、真空、
すなわち例えば10+4Pa未満の圧力での距離より遥か
に短いので、上記特許の実施例によれば、有機金属ケイ
素誘導体の蒸気相付着が行われる圧力は、遥かに高く、
均一な付着を可能にしない。更に、付着した炭化ケイ素
は低い膨脹率を有する化合物であり、一方、通常使用さ
れる基材は遥かに高い膨脹率を有する。このことは、加
熱および冷却の周期の時間を越えて、少なくともいくつ
かの点で、炭化ケイ素層の結合力の損失の無視できない
危険を伴い、その結果、炭化水素は、装置のコーキング
速度の増加に至る超合金と接触する。
は、クラッキング反応器内で要素として使用される、コ
ーキングから保護するクロム含有層で被覆された製品に
ついて述べている。層は異なっためっきを用いて、また
は塗装によって形成される。得られるクロム被覆はコー
キング、特に交互のコーキングおよびデコーキングサイ
クルに対して十分な抵抗を有していない。
おける使用のため、上記欠点を有しない新規耐コーキン
グ鋼を見出した。
材; ・炭素に富む拡散障壁;および ・セメンテーション法を用いて被覆されることを特徴と
する、90〜99重量%のクロムを含有する外層から成
ることを特徴とする、耐コーキング性を示す鋼材製品を
提供する。
耐熱鋼から構成され、好ましくは0.20〜0.80重
量%の炭素を含有する。
結晶構造を有する。本発明における使用のための特定の
鋼の型はManaurite (MANOIR INDUSTRIES の登録商標)
である。
記の表に示される主な特徴を有する(組成を重量%で表
す)。
は、セメンテーション、特に拡散浸透処理または気相セ
メンテーションによるクロマイジングのような熱クロマ
イジング法によって被覆された耐熱鋼材製品に関する。
の方法は多くの文献に記述されてきた。例として、US
−A−5589220の著者らは、拡散浸透処理(パッ
ク・セメンテーション)が、拡散被覆が金属製品上に製
造される所定時間に被覆される金属製品を含有する、密
閉または解放容器内での、高温でのセメンテーション・
パックの加熱から成るCVD(化学蒸着法)に由来する
方法であると述べている。密閉または解放容器内のセメ
ンテーション・パックは、不活性または還元雰囲気によ
って酸化から保護されている。セメンテーション・パッ
クは、(金属または母合金の形態で)付着される元素に
よって囲まれた金属または合金製品あるいは被覆用基
材、ハロゲン化物塩活性剤および粉末充填剤から成る。
アルゴンまたは水素のような不活性ガスは、パック用の
気体環境として使用される。パックは一旦かなりの高温
まで加熱されると、塩活性剤は金属または母合金粉末と
反応して、金属ハロゲン化物の蒸気を生成する。金属ハ
ロゲン化物の蒸気は、多孔質パックの気相を通って金属
または基材の表面に向かって拡散する。基材の表面で、
所望の元素の付着、および固体状態の拡散による金属表
面での保護被覆の形成を起こす反応段階が起こる。
吸着、解離および/または拡散を伴う。
する解放容器を、ハロゲン化クロムおよび/またはその
水素化物を、0.1〜50mmの直径を有するクロムま
たはクロム合金の細粒の床上で作用させることにより発
生するハロゲン化クロムガスによって、拡散被覆が金属
製品上に製造される所定時間、高温まで加熱することか
ら成る。
粒床から特殊なディストリビューター−ディフューザー
を経て製品へ輸送される。
ルゴンまたは水素のようなガスである。
流体力学の法則およびクロム堆積物の形成の制限によっ
て支配される。
体種の温度、処理期間、質量流量)および化学的活性の
釣り合いの取れた選択は、その水素化物の存在下または
不存在下で存在する固体質量の比(ハロゲン化物/粒状
クロム)によって最適化され、金属化ハロゲン化物およ
び被覆形成条件の化学的活性を安定化する。
である。
記の拡散浸透処理条件が使用される。
ルゴン雰囲気中、クロム(30〜40重量%)およびア
ルミナ(60〜70重量%)の粉末ならびにハロゲン化
物活性剤(2種の粉末の両方に対して0.1〜2重量
%)から構成されるセメントを含有する箱の中に置く。
次いで、恒温熱処理を900〜1200℃の温度で行
う。
蒸気の存在下または不存在下で炭化水素の熱分解反応器
用、より詳細には、水蒸気リフォーミングまたは水蒸気
クラッキング反応器用の管束の構成材料として使用され
得る。これらの製品は、ビスブレーキングのような油ま
たは石油化学処理の蒸留缶用の管束の構成材料としても
使用され得る。これらの製品は、脱水素またはリフォー
ミングのような石油化学処理用の固定床反応器内の環お
よび/または邪魔板を被覆するためにも使用され得る。
た製品は、改善された耐コーキング性を示す。更に、得
られる付着物は、例えば、500℃/時の加熱および冷
却速度を伴う、室温と1000℃との間の過酷な熱サイ
クルの間、劣化しない。
刊行物、ならびに1997年7月4日に提出された、相
当するフランス特許出願97/08511の開示内容全
体は、参照のためにこの文書に組み込まれている。
る。
拡散浸透処理によって処理した。
(図1、図2、図3および図4参照)に示される性質を
有する、クロマイジングされた製品を得た。これらの図
は被覆された製品の横断面の写真(図1)、基材および
付着物の構成元素X(図2、図3および図4においてそ
れぞれ鉄、炭素およびクロム)の(キャステイング(Cas
taing)微小分析を用いる)分布図である。シグナルの強
度の変化によって、異なる帯域の組成を比較することが
できた。このように、白く見える帯域は検討中の元素に
非常に富んでいる。
の炭素に富む内部拡散障壁に相当する、均一の厚さの灰
色の障壁が観測される。
白色の帯域は、96重量%のクロムの量に相当する。
て、その縁部について、およびその内側および外側の縁
部におけるクロム付着物について、クロマイジングされ
た製品において、種々の元素の定量分析を行った。これ
らの異なる帯域は、図、特にクロムが白く見える図4に
おいて、頂部から底部まで容易に見られる。種々の元素
の量を下記の表に示す。
標)耐熱鋼の試料をクロム酸塩浴中に陰極として浸漬
し、かつクロム酸イオンを陰極で金属クロムに還元する
ことによって、これを生じさせた。電解的にクロムめっ
きされたManauriteXM(登録商標)と呼ばれるクロムめ
っきされた鋼を得た。
ッキング条件下、試験を行った。コーキング速度を、熱
重量分析によって追跡した。表面全体から取られた試料
を、完全に均一な水蒸気クラッキング反応器内に置き、
熱天秤の竿に吊した。実験中の多くの時間、速度は、付
着物のコーキング反応性に特徴的である漸近的な(asymp
totic)値に安定した。コーキング−デコーキング−コー
キング等のサイクルの間、その挙動に続くように、次い
で空気によるデコーキングを行った。
されたManaurite XM(登録商標)耐熱鋼を使用し、比較
のために、Manaurite XM(登録商標)自身の試料、炭化
チタンの層および炭化ケイ素の層で(CVDによって)
被覆された同じ型の鋼の試料、炭化チタン層で(CVD
によって)被覆された同じ型の鋼の試料、および電解的
にクロムめっきされたManaurite XM(登録商標)の試料
も使用した。
ら、約30%の転換率で試験を行った。下記の表4に示
される結果を得た。
マイジングされたManaurite XM(登録商標)を使用する
ことにより、第1コーキング後、クロマイジング前のMa
naurite XM(登録商標)で観測されるコーキング速度
(5倍低い)、または電解のManaurite XM(登録商標)
で観測されるコーキング速度、または炭化チタン層で被
覆されたManaurite XM(登録商標)でのコーキング速度
より遥かに低いコーキング速度となったことを示す。実
施例1のクロマイジングされたManaurite XM(登録商
標)は、第2コーキング後も好結果を生じた。炭化チタ
ンおよび炭化ケイ素で被覆された鋼は、第2コーキング
から乏しい結果を生じた。
ートするために、熱サイクル抵抗試験を行った。空気を
注入したマッフルスチル(muffle still)内でこれらの試
験を行った。試料は500℃/時の加熱(または冷却)
速度で、室温から1000℃まで(逆もまた同様)15
サイクルの加熱および冷却の熱サイクルを受けた。最初
の15サイクルについて、製品を各サイクル後に試験し
た。
naurite XM(登録商標)耐熱鋼を上記のプロトコールを
用いて評価した。(見積もられた10年の有効寿命のた
めの工業装置内での累積熱サイクルに相当する)145
サイクル後、鋼は分解しなかった。最初の15サイクル
について、製品を各サイクル後に試験した。金属組織学
的試験によって、被覆の結合性が確認された。
いて同じ条件下で熱サイクル抵抗試験を行った:10サ
イクル後、層が完全に消失したことが観察された。更
に、炭化チタンおよび炭化ケイ素の被覆を用いて、炭化
ケイ素層が5サイクル後に消失したことが観察された。
特異的に述べられる反応体および/または操作条件を、
前出の実施例で使用されるものに置き換えることによっ
て、同様の成功を伴って反復され得る。
な特徴を容易に確認することができ、かつ本発明の趣旨
および範囲を逸脱することなく、本発明の種々の変化お
よび修飾を行い、本発明を種々の使用および条件に適合
させることができる。
Claims (11)
- 【請求項1】 ・少なくとも0.2重量%の炭素を含有
する耐熱鋼基材; ・炭素に富む拡散障壁;および ・セメンテーション法を用いて被覆されることを特徴と
する、90〜99重量%のクロムを含有する外層から成
ることを特徴とする、耐コーキング性を示す被覆鋼材製
品。 - 【請求項2】 拡散浸透処理または気相セメンテーショ
ンによって被覆されることを特徴とする、請求項1記載
の製品。 - 【請求項3】 基材中の炭素の量が0.2〜0.8重量
%であることを特徴とする、請求項1または2記載の製
品。 - 【請求項4】 鋼の表面がセメンテーションによって被
覆されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1
項記載の、耐コーキング性を示す被覆鋼材製品の製造方
法。 - 【請求項5】 拡散浸透処理が行われることを特徴とす
る、請求項4記載の方法。 - 【請求項6】 水蒸気の存在下または不存在下での、炭
化水素熱分解反応器の管束中の構成物質としての、請求
項1〜3のいずれか1項記載の製品の使用。 - 【請求項7】 該反応器が水蒸気リフォーミング反応器
であることを特徴とする、請求項6記載の使用。 - 【請求項8】 該反応器が水蒸気クラッキング反応器で
あることを特徴とする、請求項6記載の使用。 - 【請求項9】 油または石油化学処理用の蒸留缶用の管
束の構成物質としての、請求項1〜3のいずれか1項記
載の製品の使用。 - 【請求項10】 処理がビスブレーキング処理であるこ
とを特徴とする、請求項9記載の使用。 - 【請求項11】 石油化学処理用の固定床反応器中の環
および/または邪魔板の構成物質としての、請求項1〜
3のいずれか1項記載の製品の使用。
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