JPH1180714A - 流出石油類の沈降処理剤 - Google Patents

流出石油類の沈降処理剤

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JPH1180714A
JPH1180714A JP26495997A JP26495997A JPH1180714A JP H1180714 A JPH1180714 A JP H1180714A JP 26495997 A JP26495997 A JP 26495997A JP 26495997 A JP26495997 A JP 26495997A JP H1180714 A JPH1180714 A JP H1180714A
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護郎 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 緊急性を要する石油流出事故に迅速に対応す
ることができ、さらに、汚染された環境の早い回復を達
成することができるような流出石油類の処理技術を確立
する。 【解決手段】 1.6〜5.0g/mlの範囲の真比重
および1/256〜50mmの範囲の中心粒子径を有し
海水に難溶または不溶の無機物から成り、該無機物の表
面が親油性物質で被覆されて疎水化されている沈降処理
剤、および、1.6〜5.0g/mlの範囲の真比重お
よび1/256〜2mmの範囲の中心粒子径を有し海水
に難溶または不溶の無機物から成り、該無機物の少なく
とも外表面が多孔質構造を有してバイオ修復剤を担持す
る支持体機能を持つかまたはバイオ修復剤が担持されて
いる沈降処理剤。海面上の流出石油類と接触混合させる
ことにより油塊を生成させて海面下に沈め、海面上の石
油類を除去することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、海面上における流
出石油類を処理するのに使用される処理剤に関する。
【0002】
【従来の技術】大小船舶、特にタンカーの衝突や座礁事
故、石油の港湾積出し受入れ時の漏洩事故、石油輸送パ
イプライン、石油精製工場もしくは石油備蓄基地の漏洩
事故、または海底油田における石油の噴出漏洩事故等に
伴う海面への石油類の流出は、環境上、大きな問題とな
っており、さまざまな方策が採られているが、いずれも
完全に所期の目的を達することができない。例えば、流
出石油類の漂流の拡大を未然に防ぐために、海面の流出
石油類をオイルフェンスで囲い、オイルフェンス内に囲
われた中の石油類を除去するのに、機械的若しくは人的
な手段で汲み上げる方法が採られていたが、事故現場で
の気象条件が厳しい時には、風や海流等で流出油の大半
が漂流拡散されてしまうことがあった。また、流出油が
中間留分の軽油の場合には、オイルフェンスの囲いの中
の軽油へ海水を放水して、海水の保有する熱容量で蒸発
を促進させる方法が採られているが、この方法には火災
の危険があった。原油のように低沸点留分と高沸点留分
の混合物である場合には、低沸点留分の悪臭と引火爆発
の危険性等の問題があり、積極的な蒸発を促進させるこ
とは出来ず、海水の熱容量による低沸点留分の蒸発が自
然に行われていたが、残った流出油は重質化し汚染の原
因となっていた。
【0003】さらに、海面に浮上している石油類へ海面
活性剤を散布することにより、汚染されていない海水中
へ海面活性剤の作用で石油類を乳化分散させる処理方法
も行われているが、大量の海水が乳化した石油類と海面
活性剤で汚染され、界面活性剤の生態系への影響が明確
になっていないという問題があり、石油類と海面活性剤
の両方による生態系への影響が懸念されていた。そし
て、海岸へ漂着したウェザリングを受けて低沸点成分の
蒸散した重質成分の高粘性の石油類は、人海戦術による
方法で除去され、やむを得ず取り残された石油類は自然
の浄化作用に委ねられていた。流出して海岸へ漂着した
石油類は、自然界の浄化作用によって2〜3年後には修
復されていると言われている。最近、この自然の浄化作
用を促進させるためにバイオ修復剤を用いる浄化処理が
提案されており、例えば、原油の汚染土壌の浄化や、海
と同じ条件下で原油を乳化してバイオ修復剤を用いて浄
化する試みが、「化学経済、77頁、5月号、199
5」(以下イ号文献と言う)に記載されている。また、
タンカー事故等により海上に流出した原油が、ウェザリ
ングを受けながら海岸へ漂着したケースを想定してのバ
イオ修復技術が「化学工学、136頁、第58巻、第2
号、1994」(以下ロ号文献と言う)に記載されてい
る。これらの対処法は、自然の微生物に任せたバイオ修
復よりは環境の早い回復を図るものであるが、流出石油
類の初期の汚染の問題を解決するものではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
したような従来の技術における問題を解決し、緊急性を
要する石油流出事故に迅速に対応することができ、さら
に、汚染された環境の早い回復を達成することができる
ような流出石油類の新しい処理技術を確立することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、海面上の流
出石油類と接触混合させることにより油塊を生成させて
海面下に沈め、海面上の石油類を除去することができる
処理剤を案出して、上記の目的を達成したものである。
すなわち、本発明は、先ず、1.6〜5.0g/mlの
範囲の真比重および1/256〜50mmの範囲の中心
粒子径を有し海水に難溶または不溶の無機物から成り、
該無機物の表面が親油性物質で被覆されて疎水化されて
いることを特徴とする流出石油の沈降処理剤を提供する
(請求項1)。この本発明の沈降処理剤は、特に、流出
石油類を迅速に沈降させて海面から除去するのに適して
いる。本発明は、さらに、1.6〜5.0g/mlの範
囲の真比重および1/256〜2mmの範囲の中心粒子
径を有し海水に難溶または不溶の無機物から成り、該無
機物の少なくとも外表面が多孔質構造を有してバイオ修
復剤を担持する支持体機能を持つかまたはバイオ修復剤
が担持されていることを特徴とする流出石油類の沈降処
理剤を提供する(請求項2)。この本発明の沈降処理剤
は、流出石油類を海面下に沈降させるとともに、特に、
バイオ修復作用により汚染された環境を回復させるのに
適している。この沈降処理剤の好ましい態様の1つにお
いては、多孔質構造内に親水性の肥料が担持され、表面
が親油性物質で被覆されている(請求項3)。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の流出石油類の沈降処理剤
は、請求項1に記載するように流出石油類の迅速な沈降
処理を主目的にする処理剤(以下、沈降主剤と呼ぶ)
と、請求項2に記載するようにバイオ修復作用を兼備す
る沈降処理剤(以下、バイオ修復沈降処理剤と呼ぶ)と
から成る。以下、それぞれの構成および調製、ならびに
それらを使用する流出石油類の沈降処理方法について詳
述する。沈降処理剤を構成する無機物 本発明の沈降処理剤は、海水に難溶もしくは不溶の無機
物から成り、天然または人工の無機物のいずれも使用で
きる。容易に得られる天然無機物としては、建設用材料
の海砂・川砂・採石、工業原料としての珪砂・石灰石・
長石・石英・ボーキサイト・イルミナイト・ジルコンサ
ンド・バライト等があり、人工的な無機物としては水酸
化アルミニウム・アルミナ・シリカ・ガラス・窯業製品
・コークスや石炭のような炭素質材料・セメントや副生
物としてのスラグ等がある。これらの無機物の中でも、
新たな海洋汚染を起こしたり生態系を乱さず、海洋の微
生物が着床し易いものが好ましい。この点において、自
然界で海水と常に接しているサンゴ礁や海砂の組成であ
り海洋に豊富に存在する炭酸塩鉱物、珪酸鉱物、珪酸塩
等の天然鉱物から成る無機物が適している。特に海砂は
その丸みがかった形状、粒径分布が流出石油類の沈降剤
に適し、他の無機物のように粉砕や造粒等の粒子の調製
手段を必要とせず、木片等の夾雑物を除くだけで使用す
ることができる点で有利である。
【0007】本発明に従えば、上記の無機物(特に鉱物
質)をベースとして、下記のように、海水面に浮上する
性質、海水面上の油面に迅速に埋没する性質、および油
膜を吸着補足する性質を呈するように調製することによ
り、流出石油類の沈降処理にきわめて効果的な処理剤が
得られる。沈降主剤 (1)親油性物質による被覆:本発明の流出石油類の沈
降処理剤(沈降主剤)は、天然の鉱物質などの無機物の
表面が親油性物質で被覆されて疎水化されていることを
特徴としている。珪酸成分の多い一部の鉱物質(例え
ば、石英)などは疎水性を示すが、充分ではなく、親油
性物質で疎水化することが必要である。多くの無機物の
表面の性質は親水性であり、海水と接触すると漏れ現象
を示し、漏れた無機物はもはや石油類と接触しても石油
類へ埋没することはない。表面が未処理の鉱物質等は、
油面が全面を覆っている場合は石油類へ埋没するが、浮
上している石油類が少ない場合には海水面で水没する粒
子があり接触混合の効率が落ちる。未処理の無機物粒子
を油面へ埋没させるには、相応する油膜の厚さが必要
で、油膜の厚さが薄くなると石油類を補足吸着する能力
がないため、未処理の無機物粒子を多く添加しても、海
水面上の石油類は茶褐色厚膜と透明厚膜として残ること
が分かった。更に、表面未処理の鉱物質などの無機物は
石油類へ埋没して油塊となり、海水中で激しい掻き混ぜ
に合うと、該無機物と石油類の分離が起こる等の問題が
あることも分かった。
【0008】これに対して親油性物質で表面被覆した無
機物は、海水面へ浮上し続ける性質があり、海水と接触
しても海水を弾く性質を示すとともに、油膜との親和性
がよく石油類へ埋没し易く、石油類を粒子の外表面へ補
足吸着する能力がある。薄い油膜であっても浮上し続
け、周囲の油膜を補足吸着するので油膜が薄くなり干渉
色薄膜まで減少させることができる。また、海水中で激
しく掻き混ぜても分離することはなかった。
【0009】本発明に従い、鉱物質などの無機物の表面
を被覆して疎水化するのに用いる親油性物質としては、
ステアリン酸アルミニウム・ステアリン酸マグネシウム
・ステアリン酸カルシウム等の金属セッケン類、トリメ
チルモノエトキシシラン等のカップリング剤、シリコン
オイル類等の有機金属化合物、綿実油・菜種油・大豆油
・オリーブ油・ひまし油等の植物性油脂類、魚油・牛脂
等の動物性油脂類、ステアリン酸・パルミチン酸・ラウ
リン酸・安息香酸・セバシン酸等のカルボン酸類、流動
パラフィン・固形パラフィン・重油等の石油系炭化水
素、タール等の石炭系炭化水素が有効である。これらの
親油性物質を単独で用いることも可能であるが、金属セ
ッケン類の粉状物を植物性油脂類で溶解して用いる等の
混合使用することも出来る。無機物への表面被覆の添加
量は、無機物の粒子径や親油性物質の種類で異なるが、
一般に最適値は重量比で10-2〜10-5の範囲内の少量
で充分である。
【0010】例えば、無機物に対して親油性物質を10
-3の重量比で添加した場合、疎水性を表す試験法とし
て、20cmの高さから静海水面へ落下させる方法で試
験した結果、数十%の無機物が浮上し続ける性質を示
し、いずれも有効であることが分かった。特に、金属セ
ッケンのステアリン酸アルミニウムは海砂へ少量の添加
でも有効であり、海砂へ対して10-10 の極微量の添加
で、同様に落下させる試験を行った結果約30%の海砂
が浮上し続ける性質を示した。鉱物質などの無機物の表
面を親油性物質で被覆する方法は、回転する容器へ無機
物を入れ回転させながら親油性物質を添加する方法で行
う。被覆する時の温度は、親油性物質が液性を呈する温
度を選び、液状の場合には室温で、固形の場合には加熱
液状にして、無機物へ振りかけた後冷却して製造する。
また、融点の高い物質や加熱分解を伴う物質は、ベンゼ
ン、トルエン等の低沸点の非極性有機溶媒へ溶かして、
その溶液を無機物へ振りかけ有機溶媒を蒸発除去する方
法や、油性の親油性物質へ溶かして両方の処理剤で被覆
する方法が適用できる。
【0011】(2)真比重の選定:無機物から成る本発
明の流出石油類の沈降処理剤(沈降主剤)は、上述のよ
うに、表面が親油性物質で被覆されているとともに、特
定の範囲の真比重および中心粒子径を有していることを
特徴とする。真比重に関しては、本発明者は、真比重が
小さく嵩高い無機物質が、油膜を油塊状して沈降させる
のに有利であることを見出した。すなわち、高粘性の重
質油を処理する場合には、鉱物質などの無機物が油面へ
埋没して液性でない油塊を生成して沈降を開始するの
で、嵩高い粒子が必要である。また、A重油のような低
粘性の石油類に対しても、沈降後、油塊内で鉱物質の再
配向で充填堆積構造が密になる時、沈降油塊内から油の
分離再浮上が起こり、油塊内で充填構造の粗な鉱物質が
有利であることが分かった。この点、前に例示した無機
物のうち、真比重の大きいジルコンサンド、バライト等
の鉱物質は使用量が多くなるので不利である。かくし
て、本発明の沈降処理剤は、真比重が1.6〜5.0g
/mlと比較的小さく嵩容積の大きい吸油量の多い無機
物粒子から成ることが好ましく、そのうち、真比重が
2.0〜4.0g/mlの範囲にあるものが特に好まし
い。流出石油類と鉱物質などの無機物が混合して生じた
油塊が海水面下へ沈降するには、油塊の比重が海水の比
重より高くすることが必要であり、計算上では真比重の
大きい無機物を少し添加することが有利であるが、必須
条件ではない。さらに、本発明者は、形状に関しては、
破砕品は破砕形の鋭利な角のある粒子が疎水化処理をし
ても浮上し難く、回転体へ入れて粒を回転させ、角部分
を磨耗させ曲面部分を多くした粒子が、海水面上での浮
上する粒子の比率が高いことを見出している。
【0012】(3)中心粒子径の選定:本発明の沈降処
理剤(沈降主剤)は、1/256〜50mmの範囲の粒
子径を有することによって、石油類の油面上に散布する
のに取扱易く、流出石油類との接触混合性がよい。すな
わち、本発明の沈降処理剤を構成する無機物として特に
好ましい珪酸系鉱物の粒子径の分類表現に沿って示す
と、粘土(1/256mm以下)、シルト(1/256
〜1/16mm)、砂(1/16〜2mm)、レキ(2
mm以上)のうち、シルト、砂およびレキの粒子径分布
の粒子が本発明の沈降処理剤に適する。このうち、砂ま
たは砂の粒子径に相当する1/16〜2mmの範囲の中
心粒子径を有する無機物粒子が特に好ましく、この中心
粒子径を有する鉱物質等は、流動性があり流出石油類の
油面へ堆積しても次から次へと油面へ埋没し易く、ま
た、沈降した油塊内で粒子の堆積した充填構造内へ石油
類を内蔵する上で有効である。小さい方の1/256〜
1/16mmのシルトまたはシルトに相当する範囲の中
心粒子径を有する粒子は、やや流動性に欠けるが軽質の
石油類の油面に対して埋没する。大きい側の2〜50m
mの範囲のレキまたはレキに相当する中心粒子径を有す
る粒子は、ウェザリング等で重質化した粘性の高い石油
類へ鉱物質を埋没させるには大きな無機物が有効である
点から好ましく、また、石油類と海水との間に働く界面
張力で浮上し続けようとする油塊を、沈降を開始させる
上で界面を破断する突起体として有効である。
【0013】これに対して、1/256mmより小さい
粘土または粘土に相当する中心粒子径を有する無機物
は、散布に際して凝集した塊になり油面へ堆積し、C重
油の場合には海面へ埋没することが困難で、空気を抱え
たままの挙動となって、沈降剤の役目を果たさない。こ
のことは、カオリン、水酸化アルミニウム等を用いる実
験において、このような粒子径の無機物は、種類の如何
に拘わらず、流動性のない凝集粉体を呈することから確
認されている。また、散布時に風で微粉が飛散し易く、
海水と混じった場合には長時間に渡って濁り、新たな作
業環境問題や海洋汚染の問題の懸念がある。逆に50m
m以上の大きい粒子は重すぎるので、C重油の油面を単
独で貫通をして、油の付着量が少ない状態のまま沈下
し、油膜の石油成分の補足効果が著しく小さいことが見
出されている。
【0014】バイオ修復沈降処理剤 本発明の第2のタイプの流出石油類沈降処理剤は、バイ
オ修復剤を担持する支持体機能を持つか、またはバイオ
修復剤が担持されていることにより、流出石油類を海面
下に沈降させながら、バイオ修復作用により汚染された
海を回復させる機能を有する。ここで、本明細書におい
て用いるバイオ修復剤とは、前述のイ号文献やロ号文献
に記載されているように、石油成分を分解する微生物
(細菌、酵母、糸状菌等)、それらの微生物の栄養源と
なる肥料類、それらの微生物の生育を促進させる生育調
製剤、石油成分の分解反応を触媒する酵素類などを指称
し、バイオ修復とは、そのようなバイオ修復剤の作用に
より石油類が分解されて環境に与える有害性のより少な
いまたは無害な物質に変えられることを意味する。この
ようなバイオ修復沈降処理剤も、既述したような海水に
難溶または不溶の無機物から構成され、また、沈降主剤
に関して述べたのと同様の理由により、1.6〜5.0
g/ml、好ましくは2.0〜4.0g/mlの真比重
を有することを特徴とする。
【0015】(1)中心粒子径の選定:バイオ修復タイ
プの沈降処理剤においては、外部表面積を大きくして微
生物等のバイオ修復剤の担持量を増やすために、沈降主
剤に関して上述した中心粒子径範囲のうち、1/256
〜2mmの範囲の小粒子径の無機物(鉱物質等)が有効
である。さらに、微生物を懸濁床のような装置で培養し
て担持する際の取扱が容易である点からも1/256〜
2mmの範囲の小粒子側の無機物を採用する。
【0016】(2)多孔質構造の形成:本発明のバイオ
修復沈降処理剤は、真比重が1.6〜5.0g/ml
(好ましくは、2.0〜4.0g/ml)、中心粒子径
が1/256〜2mm範囲の鉱物質等の無機物の少なく
とも外表面が多孔質構造を有することを特徴とする。一
般に、微生物を担持する支持体として多孔質材料を用い
ることは知られているが、中心粒子径の点で流出石油類
の沈降処理剤として不充分である。用いる無機物が当初
から充分な多孔質構造を有している場合には、そのまま
使用することもできるが、一般には、次のように、鉱物
質等の無機物の外表面に多孔質構造を形成させる。すな
わち、多孔質構造を形成する材料として、微生物等のバ
イオ修復剤が着床または担持し易いものが好ましく、特
に生態系と馴染み易い物質(シリカ質、炭酸カルシウ
ム、リン酸カルシウム、炭素質等)を用い、これを鉱物
質等の無機物の表面に少量(一般に、重量基準で1%前
後)付着させ、熱処理することによりマクロ細孔径を有
する多孔質膜を形成させる。特に好ましいのは、単独で
多孔質を形成し易く自らバインダー作用のある材料であ
り、シリカゾル、アルミナゾル、チタニアゾル、ジルコ
ニアゾル等のゾルや有機質を炭化した炭素質を用いる場
合には、それから直接、細孔構造が形成される。また、
マクロ細孔構造を形成する上で、微粉末シリカ、リン酸
カルシウム、カーボン等の粉体や、シリカ繊維、シリカ
アルミナ繊維、リン酸アルミニウム繊維、カーボン繊維
のような繊維質をシリカゾル等のバインダーで固めて作
成することもでき、この場合には、10nm〜20nm
付近の細孔径以外に、500nm付近にマクロ細孔がで
きるなど、用いる材料の混合比率を変更することによっ
てマクロ細孔径の値を変更できることが見出されてい
る。得られた支持体の多孔質膜の強度は、微生物の培養
を行う条件下で、海水中での浸漬試験の結果充分使用に
耐えるもので、海水系の微生物着床試験を行った結果い
ずれも、未処理鉱物質に比べ着床し易いことが確かめら
れた。
【0017】(3)肥料を担持した沈降処理剤:本発明
のバイオ修復沈降処理剤は、バイオ修復剤として微生物
を対象としている場合には、微生物を担持させずに、上
記のように微生物を担持する支持体機能を有する処理剤
をそのまま用いることができる(勿論、当初から沈降処
理剤に微生物を担持させておくこともできる)が、肥料
成分や生育促進剤などのバイオ修復剤を用いる場合に
は、当初から該バイオ修復剤を担持させて使用する。本
発明者は、本発明に従うバイオ修復沈降処理剤の好まし
い態様として、上記のようにして得られた多孔質構造内
に親水性の肥料成分が担持され、表面が親油性物質で被
覆されている沈降処理剤を案出した。すなわち、肥料の
多くは親水性であり、直ちに海水へ溶解すること、油中
に埋没した後でも海水へ溶けだす等の問題があり、直接
用いることは困難であるが、本発明者は、表面が多孔質
の前記材料へ親水性の肥料を担持し、その外周を親油性
物質で表面被覆を行うことにより、親油性の肥料へ変換
することができ、海水上でしばらくの間は疎水性を保
ち、流出石油類の油面へ埋没し易く、油膜を吸着補足す
る性質を有するとともに、バイオ修復機能を発揮する流
出石油類の沈降処理剤を完成した。
【0018】具体的な製法として、例えば、シリカゾル
へ尿素を溶解して無機物の表面へ付着させ、乾燥するこ
とによってシリカの多孔質膜に尿素が包含されている膜
を作成し、その外周へ親油性物質で表面被覆を行い、無
機物の外表面の多孔質構造へ肥料成分をバイオ修復剤と
して担持した沈降処理剤を作成する。また、別の方法と
して、アルミナゾル単独で無機物の表面へ付着させ、乾
燥後、尿素を担持し、その外周を親油性物質で表面被覆
を行うことによっても沈降処理剤を作成できる。親油性
物質としては、沈降主剤に関連して上述したのと同様の
物質が使用される。1例として、無機物として海砂を用
い、多孔質材料としてシリカゾルを用い、SiO2 とし
て1.0%、バイオ修復剤として肥料成分尿素を0.1
%担持し、その外周を親油性物質で表面被覆を行い疎水
化した沈降処理剤は、使用実験の結果充分使用に耐える
ものであった。すなわち、海水面での浮上率が高く疎水
性が充分であり、海水面のC重油の油面へ散布した結
果、尿素を担持した沈降処理剤は油面へ埋没して沈降
し、海水面上の残存する石油類は干渉色のある薄膜とな
り、効果のあることが認められた。多孔質材料としてア
ルミナゾルを用いた場合でも尿素が0.1%の添加の場
合には同様な結果が得られた。
【0019】流出石油類の沈降処理法 本発明の沈降処理剤を用いて流出石油類を処理するに
は、該処理剤を流出石油類に接触混合させ石油類と油塊
を生成させ、海面下に沈降させる。かくして、本発明の
沈降処理剤を用いれば、流出した石油類は海底に迅速に
沈降するので、自然界の海洋微生物、または人為的なバ
イオ修復作用により海洋の早い回復を図ることができ
る。本発明の沈降処理剤のうち、沈降主剤は流出石油類
の迅速な沈降を主目的としているので大量に使用される
が、バイオ修復沈降処理剤は比較的少量で使用される。
本発明の沈降処理剤は、単独で使用することもできる
が、状況に応じて、未処理の鉱物質等の無機物とともに
用いることもできる。例えば、静海水面で石油類の油面
が厚く海水面の全面を覆っているような場合には、表面
が疎水性化されていない未処理の鉱物質等を用いても油
面の中へ埋没させることができるので、初期段階では未
処理の鉱物質等を散布処理し、次いで海水面上の残存油
が少なくなった段階で、疎水性化した本発明の処理剤で
仕上げ処理を行う等の併用使用することも可能である。
また、前述のイ号文献やロ号文献に記載されているよう
な石油類と親油性のある肥料、海洋微生物の培養した培
養液を、本発明の沈降処理剤と一緒に散布し沈降させる
ことも有効である。この場合、散布した肥料成分や海洋
微生物のシードが海水へ流失した場合には、新たな環境
汚染問題を起こすことになるので、効率よく流出石油類
と混合させ、海水中へ溶存流失しない方法を選択する必
要がある。
【0020】
【実施例】以下に、実施例および比較例に沿って本発明
の特徴を更に詳しく説明する。以下の実施例および比較
例における実験は流出石油類に見立てた密度0.865
9g/ml(15℃)で流動点−12.5℃のA重油
と、密度0.9681g/ml(15℃)で流動点−
5.0℃のC重油を用いた。容器内へ海水を入れ石油類
を注加して、静海水面上へ海面を形成させた後、沈降処
理剤を投入散布して油面へ埋没させ、油塊となって海水
面下へ沈降させた。沈降処理後、海水面上へ浮上残存し
ている重油の量は外観検査で行い、残存量に相応して油
膜の厚みを色調で判定した。膜圧の厚い順から薄い順
へ、黒色油面、茶褐色厚膜、透明厚膜、干渉色薄膜と命
名して以下に記載するが、透明厚膜の膜圧は100 乃至
101 μmオーダー、干渉色薄膜は10-1μmオーダ
ー、であることが知られている。
【0021】実施例−1 福岡県北九州市脇田海岸で採取した海砂を用い、1.0
mmの篩で小石、砂の凝集物、木片、貝殻、海草等の
0.8%の夾雑物を除去した後の粒径分布は、0.0m
m〜0.075mmが0.0%、0.075mm〜0.
15mmが0.9%、0.15mm〜0.25mmが2
1.0%、0.25mm〜0.50mmが69.0%、
0.50mm〜1.00mmが9.1%で、中心粒子径
は0.32mmであった。その他の性質は真比重が2.
74g/ml、嵩比重が1.48g/ml、110℃乾
燥減量0.1%、水に可溶な付着塩が0.8%であっ
た。この海砂の100gを容器へ採取し、ステアリン酸
アルミニウムの0.1gをベンゼン5mlへ溶解した液
を掻き混ぜながら添加混合し、次いで溶媒のベンゼンを
蒸発させて疎水性の海砂を得た。この疎水性海砂を20
cmの高さから静海水面へ落下させる試験をした結果6
6%が浮上した。静海水面へ10gのC重油(密度0.
9681g/mlで15℃、流動点−5.0℃)で黒い
油面を作り、疎水性海砂を散布した結果、海砂は海面へ
埋没して沈降しはじめ、疎水性海砂を20gだけの散布
ではC重油の黒い油面は僅かの茶褐色厚膜と透明厚膜に
代わり、40gで厚膜がなくなり干渉色薄膜となり、5
0gを散布しても干渉色薄膜は消えなかった。
【0022】実施例−2 石灰石を破砕して得られた石灰石砕砂(真比重が2.7
4g/ml、嵩比重が1.48g/ml、粒子径:0〜
5mm)を鋭利な角を磨耗させる上で、回転体の中へ入
れ40時間回転させた後、篩分けして0.25mm〜
0.50mmの粒子径とし、この海砂の100gを容器
へ採取し、ステアリン酸アルミニウムの0.1gをベン
ゼン5mlへ溶解した液を掻き混ぜながら添加混合し、
次いで溶媒のベンゼンを蒸発させて疎水性の石灰石砂を
得た。この疎水性の石灰石砂を実施例−1と同様に、2
0cmの高さから静海水面へ落下させる試験をした結果
44%が浮上した。静海水面へ10gのC重油で厚い油
膜を作り、疎水性の石灰石砂を油膜へ散布した結果、石
灰石砂は油膜へゆっくり埋没して沈降し、20gだけの
散布ではC重油の油面は僅かの茶褐色厚膜と透明厚膜に
変わり、40gで厚膜が無くなり干渉色の薄膜だけとな
った。
【0023】実施例−3〜10 実施例−1記載の海砂を用い、同記載の方法に従い、海
砂へ各種の親油性物質の種類を変えて、また、その添加
量を変えて各種の疎水性の海砂を作成した。これらの疎
水性海砂の評価は同様に、20cmの高さから静海水面
へ落下させる試験を行い浮上粒子量の測定と、静海水面
でのC重油で厚い油面を作り、疎水性海砂を散布して静
海水面の残存油膜の状態を観察し、疎水性海砂を40g
散布した時の静海水面の油膜の状態を表へ記載した。そ
の結果を実施例−3〜10とし、表1へ示す。
【0024】
【表1】
【0025】以上の結果から、静海水面上への浮上粒子
は海砂に対してはシリコンオイルの被覆物が最も効果が
あり、次いでステアリン酸アルミニウムが効果が認めら
れ、特に10-10 だけの極微量被覆しても可成な効果が
あることが分かった。実施例−11 実施例−1に用いた1.0mmの篩で夾雑物を除去した
海砂を用い、水溶性肥料の尿素0.3gをSiO2 成分
が20%含有するスノーテックス−Oの5gへ溶解し、
海砂100gへその尿素−シリカゾルの溶液を添加して
掻き混ぜ、海砂の表面へ付着後110℃乾燥して、海砂
の表面へ尿素を含有するシリカ膜を形成した。さらに、
ベンゼン5mlへステアリン酸アルミニウム0.1g溶
解させ、尿素−シリカで修飾した海砂へ添加し、溶媒の
ベンゼンを蒸発させて疎水性海砂を作成した。この海砂
を実施例−1と同様に、20cmの高さから静海水面へ
落下させる試験をした結果61%が浮上し、静海水面へ
10gのC重油で厚い油膜を作り、油膜へ散布した結果
は油膜へ埋没して沈降し、20gだけの散布ではC重油
の黒い油面は僅かの茶褐色厚膜と透明厚膜に変わり、4
0gで厚膜が無くなり干渉色薄膜でけとなった。
【0026】比較例−1 この比較例は、表面が疎水化されず未処理の無機物が石
油類の沈降処理剤として適していないことを示すもので
ある。1.0mmの篩で夾雑物を除去しただけの未処理
の海砂を用い、実施例−1と同様な20cmの高さから
静海水面へ落下させる試験した結果1.3gが浮上し
た。静海水面へ10gのC重油で油面を作り、未処理の
海砂を油面へ散布した結果、海砂は油面へ埋没して沈降
しはじめ、未処理の海砂を20gだけの散布段階ではC
重油の油面は茶褐色厚膜と透明厚膜が残り、40g、5
0gと増量しても茶褐色厚膜と透明厚膜は残り、干渉色
薄膜だけの状態に至らなかった。
【0027】比較例−2 この比較例は、中心粒子径が小さすぎる無機物が石油の
沈降処理剤として適していないことを示すものである。
次の3種類の粒子について比較試験をした。中心粒子径
が50μmおよび1.0μmの水酸化アルミニウム(真
比重2.42g/ml)2種類と、中心粒子径が1.8
μmのカオリン1種類を選び、実施例−1に記載の方法
で、3種類の粒子にステアリン酸アルミニウムをそれぞ
れ0.1%、1.0%および1.0%ずつ被覆し疎水化
した。3種類の粒子の外観は、中心粒子径が50μmの
水酸化アルミニウムは流動性があるのに対して、1.0
μmの水酸化アルミニウム1.8μmのカオリンは流動
性がなく凝集していた。海水面上のC重油の油面へそれ
ぞれを添加した結果、50μmの水酸化アルミニウムは
分散し埋没して沈降し、海水面上に残存する石油類は干
渉色のある薄膜になったのに対して、1.0μmの水酸
化アルミニウムと1.8μmのカオリンは分散せず埋没
もしなかったが、さらに増量添加した結果空気を含む凝
集体のまま沈降し、添加量の効率が悪く、大量の粉体が
必要であることが判った。沈降した水酸化アルミニウム
およびカオリンは海水へ懸濁して長時間に渡り沈降せ
ず、白濁状態であった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1.6〜5.0g/mlの範囲の真比重
    および1/256〜50mmの範囲の中心粒子径を有し
    海水に難溶または不溶の無機物から成り、該無機物の表
    面が親油性物質で被覆されて疎水化されていることを特
    徴とする流出石油の沈降処理剤。
  2. 【請求項2】 1.6〜5.0g/mlの範囲の真比重
    および1/256〜2mmの範囲の中心粒子径を有し海
    水に難溶または不溶の無機物から成り、該無機物の少な
    くとも外表面が多孔質構造を有してバイオ修復剤を担持
    する支持体機能を持つかまたはバイオ修復剤が担持され
    ていることを特徴とする流出石油類の沈降処理剤。
  3. 【請求項3】 多孔質構造内に親水性の肥料が担持さ
    れ、表面が親油性物質で被覆されていることを特徴とす
    る請求項2の流出石油類の沈降処理剤。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014178144A1 (ja) * 2013-05-02 2014-11-06 株式会社フォーティー科研 油処理剤、その製造方法及び油処理方法
JP2014529488A (ja) * 2011-08-09 2014-11-13 オムヤ インターナショナルアーゲー 炭化水素含有組成物を結合およびバイオレメディエーションするための表面処理炭酸カルシウム

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