JPH1180421A - 水素化ニトリルゴム用可塑剤及び水素化ニトリルゴム組成物並びに水素化ニトリルゴムの可塑化方法 - Google Patents

水素化ニトリルゴム用可塑剤及び水素化ニトリルゴム組成物並びに水素化ニトリルゴムの可塑化方法

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JPH1180421A
JPH1180421A JP25271197A JP25271197A JPH1180421A JP H1180421 A JPH1180421 A JP H1180421A JP 25271197 A JP25271197 A JP 25271197A JP 25271197 A JP25271197 A JP 25271197A JP H1180421 A JPH1180421 A JP H1180421A
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hydrogenated nitrile
ester
plasticizer
phthalate
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JP25271197A
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Toshiyuki Kamogawa
俊之 加茂川
Yoshifumi Fujitani
嘉文 藤谷
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New Japan Chemical Co Ltd
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New Japan Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水素化ニトリルゴムとの相溶性に優れ、且つ
揮発減量の少ない水素化ニトリルゴム用可塑剤、耐熱性
に優れた水素化ニトリルゴム組成物及び水素化ニトリル
ゴムの新規有用な可塑化方法を提供する。 【構成】 本発明に係る水素化ニトリルゴム用可塑剤
は、一般式(1) R1−[COO−(AO)n−R2]m (1) [式中、R1はフェニル基を示し、R2は炭素数4〜18
の直鎖若しくは分岐のアルキル基を示す。mは2〜4の
整数を示す。Aは炭素数2〜4のアルキレン基を示す。
nは1〜3の整数を示す。m個の基COO−(AO)n
−R2における夫々のR2は、同一でも異なっていても良
い。]で表される少なくとも1種の芳香族系エステルか
らなる。又、本発明に係る水素化ニトリルゴム組成物
は、水素化ニトリルゴムに対し上記芳香族系エステルを
可塑剤として配合してなる。更に、本発明に係る水素化
ニトリルゴムの可塑化方法は、上記芳香族系エステルを
配合することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素化ニトリルゴ
ムとの相溶性に優れた水素化ニトリルゴム用可塑剤及び
当該可塑剤を配合することにより得られる成形加工性が
良好で、且つ耐熱性に優れた水素化ニトリルゴム組成物
並びに水素化ニトリルゴムの可塑化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】水素化ニトリルゴムは、耐熱、耐候及び
耐油性に優れた特性を有することから、主に、自動車用
シンクロナスベルト、タイミングベルト、シール、ホー
スなどの成形品の製造に使用されている。特に80年代
以降、エンジンの高性能化、コンパクト化などによるエ
ンジンルームの高温化やメンテナンスフリー化の流れが
進み、材料により高い耐熱、耐久性が求められるように
なってきた。
【0003】従来、これらの水素化ニトリルゴムに充分
な柔軟性を付与する目的で各種のエステルが添加されて
いる。この種のエステルとしては、例えば、塩化ビニル
樹脂などの可塑剤に使用されているフタル酸ジ2−エチ
ルヘキシル、アジピン酸ジ2−エチルヘキシル或いは芳
香族系油、脂肪族系油、脂肪酸エステル、ポリエステル
系可塑剤が知られており(ゴム材料の選び方・使い方,
オーム社,昭和61年)、最近では、耐熱性を改良した
アジピン酸ジブトキシエトキシエチルなどのエーテル系
可塑剤が提案されている(特開平6−256599
号)。しかし、これらのエステルは、耐熱性に問題があ
り、特に高温下においては揮発性が大きく耐久性に劣
り、加熱後の物性が著しく低下するといった問題を有し
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、水素化ニト
リルゴムとの相溶性に優れ、且つ揮発減量の少ない水素
化ニトリルゴム用可塑剤、かかる可塑剤を配合すること
により得られる耐熱性に優れた水素化ニトリルゴム組成
物及び水素化ニトリルゴムの新規有用な可塑化方法を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課
題を解決すべく種々検討を重ねた結果、水素化ニトリル
ゴム用可塑剤として特定の構造を有する少なくとも1種
の芳香族系エステルを使用することにより所期の目的を
達成し得ることを見いだし、かかる知見に基づいて本発
明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明に係る水素化ニトリルゴム用
可塑剤は、一般式(1) R1−[COO−(AO)n−R2]m (1) [式中、R1はフェニル基を示し、R2は炭素数4〜18
の直鎖若しくは分岐のアルキル基を示す。mは2〜4の
整数を示す。Aは炭素数2〜4のアルキレン基を示す。
nは1〜3の整数を示す。m個の基COO−(AO)n
−R2における夫々のR2は、同一でも異なっていても良
い。]で表される少なくとも1種の芳香族系エステル
(以下「本エステル」と略記する。)からなることを特
徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】本エステルは、フタル酸、トリメ
リット酸若しくはピロメリット酸又はそれらの酸無水物
をカルボン酸成分とし、炭素数4〜18の飽和脂肪族ア
ルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキシドを1〜3
モル付加してなる含エーテルアルコールの少なくとも1
種をアルコール成分とし、これらを適宜選択して公知の
エステル化反応(例えば、P.C.Dougherty,F.A.Casis,SP
E Journal,18,1387 (1962))により容易に得ることがで
きる。又、上記カルボン酸成分と炭素数4〜18の飽和
脂肪族アルコールとのエステル化反応を行った後、炭素
数2〜4のアルキレンオキシドを1〜3モル付加するこ
とによっても本エステルを得ることができる。
【0008】当該飽和脂肪族アルコールとして、より具
体的には、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、
tert−ブチルアルコール、アミルアルコール、tert−ア
ミルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコ
ール、オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコ
ール、ノニルアルコール、イソノニルアルコール、デシ
ルアルコール、ウンデシルアルコール、ドデシルアルコ
ール、トリデシルアルコール、テトラデシルアルコー
ル、ペンタデシルアルコール、ヘキサデシルアルコー
ル、ヘプタデシルアルコール、ステアリルアルコール、
アルフォール610(ビスタケミカル・ファーイース
ト)、リネボール79、同911(シェル化学社製)、
ダイヤドール79、同911(三菱化学社製)などが例
示される。炭素数4未満のアルキル基を有する芳香族系
エステルの場合、揮発減量が多くなり、加熱後の物性が
低下する。又、炭素数18を越えるアルキル基を有する
芳香族エステルの場合、水素化ニトリルゴムへの相溶性
が低下し、ブリードが激しく好ましくない。
【0009】炭素数2〜4のアルキレンオキシドとし
て、具体的にはエチレンオキシド、プロピレンオキシド
及びブチレンオキシドが挙げられ、より好ましいアルキ
レンオキシドとしてエチレンオキシドが挙げられる。
【0010】アルキレンオキシドの付加モル数は1〜3
である。3モルを超えるアルキレンオキシドが付加した
含エーテルアルコールから得られる芳香族系エステルを
配合した場合には、水素化ニトリルゴムとの相溶性が低
下し、ブリードが激しく好ましくない。
【0011】本エステルの好ましい具体例としては、フ
タル酸ジヘプチロキシエチル、フタル酸ジヘプチロキシ
エトキシエチル、フタル酸ジヘプチロキシエトキシエト
キシエチル、フタル酸ジ2−エチルヘキシロキシエチ
ル、フタル酸ジ2−エチルヘキシロキシエトキシエチ
ル、フタル酸ジ2−エチルヘキシロキシエトキシエトキ
シエチル、フタル酸ジオクチロキシエチル、フタル酸ジ
オクチロキシエトキシエチル、フタル酸ジオクチロキシ
エトキシエトキシエチル、フタル酸ジノニロキシエチ
ル、フタル酸ジノニロキシエトキシエチル、フタル酸ジ
ノニロキシエトキシエトキシエチル、フタル酸ジイソノ
ニロキシエチル、フタル酸ジイソノニロキシエトキシエ
チル、フタル酸ジイソノニロキシエトキシエトキシエチ
ル、フタル酸2−エチルヘキシロキシエトキシエチルヘ
プチロキシエチル、フタル酸2−エチルヘキシロキシエ
トキシエチルオクチロキシエチル、フタル酸2−エチル
ヘキシロキシエトキシエチルノニロキシエチル、フタル
酸イソノニロキシエトキシエチル2−エチルヘキシロキ
シエチル、フタル酸2−エチルヘキシロキシエトキシエ
チルヘプチロキシエトキシエチル、フタル酸2−エチル
ヘキシロキシエトキシエチルオクチロキシエトキシエチ
ル、フタル酸2−エチルヘキシロキシエトキシエチルノ
ニロキシエトキシエチル、フタル酸イソノニロキシエト
キシエチル2−エチルヘキシロキシエトキシエチル、フ
タル酸2−エチルヘキシロキシエトキシエチルヘプチロ
キシエトキシエトキシエチル、フタル酸2−エチルヘキ
シロキシエトキシエチルオクチロキシエトキシエトキシ
エチル、フタル酸2−エチルヘキシロキシエトキシエチ
ルノニロキシエトキシエトキシエチル、フタル酸イソノ
ニロキシエトキシエトキシエチル2−エチルヘキシロキ
シエトキシエチル、トリメリット酸トリヘプチロキシエ
チル、トリメリット酸トリヘプチロキシエトキシエチ
ル、トリメリット酸トリヘプチロキシエトキシエトキシ
エチル、トリメリット酸トリ2−エチルヘキシロキシエ
チル、トリメリット酸トリ2−エチルヘキシロキシエト
キシエチル、トリメリット酸トリ2−エチルヘキシロキ
シエトキシエトキシエチル、トリメリット酸トリオクチ
ロキシエチル、トリメリット酸トリオクチロキシエトキ
シエチル、トリメリット酸トリオクチロキシエトキシエ
トキシエチル、トリメリット酸トリノニロキシエチル、
トリメリット酸トリノニロキシエトキシエチル、トリメ
リット酸トリノニロキシエトキシエトキシエチル、トリ
メリット酸トリイソノニロキシエチル、トリメリット酸
トリイソノニロキシエトキシエチル、トリメリット酸ト
リイソノニロキシエトキシエトキシエチル、トリメリッ
ト酸2−エチルヘキシロキシエトキシエチルヘプチロキ
シエトキシエチル、ピロメリット酸テトラヘプチロキシ
エチル、ピロメリット酸テトラヘプチロキシエトキシエ
チル、ピロメリット酸テトラヘプチロキシエトキシエト
キシエチル、ピロメリット酸テトラ2−エチルヘキシロ
キシエチル、ピロメリット酸テトラ2−エチルヘキシロ
キシエトキシエチル、ピロメリット酸テトラ2−エチル
ヘキシロキシエトキシエトキシエチル、ピロメリット酸
テトラオクチロキシエチル、ピロメリット酸テトラオク
チロキシエトキシエチル、ピロメリット酸テトラオクチ
ロキシエトキシエトキシエチル、ピロメリット酸テトラ
ノニロキシエチル、ピロメリット酸テトラノニロキシエ
トキシエチル、ピロメリット酸テトラノニロキシエトキ
シエトキシエチル、ピロメリット酸テトライソノニロキ
シエチル、ピロメリット酸テトライソノニロキシエトキ
シエチル、ピロメリット酸テトライソノニロキシエトキ
シエトキシエチルなどが例示され、より好ましい本エス
テルとして、フタル酸ジ2−エチルヘキシロキシエトキ
シエチル、トリメリット酸トリ2−エチルヘキシロキシ
エトキシエチル及びピロメリット酸テトラ2−エチルヘ
キシロキシエトキシエチルが挙げられる。
【0012】本エステルが適用できる水素化ニトリルゴ
ムとは、アクリロニトリルブタジエンゴムの主鎖の二重
結合を選択的に水素化することにより製造されるゴム重
合体である。更に、アクリロニトリルとブタジエンと他
の第三成分、例えば、塩化ビニル樹脂、メタクリル酸
(又はその亜鉛塩)、アクリル酸(又はその亜鉛塩)な
どとの複合体であっても良い。具体的な商品名として
は、ゼットポール1010、同1020、同2010、
同2020、同3110、同4110(以上、日本ゼオ
ン社製)、トーナックA4555、同B3850、同C
4550(以上、バイエル−ポリサー社製)、テルバン
1706、同1707、同1746、同1747、同1
767(以上、バイエル社製)などが例示される。
【0013】本エステルの使用量は、その用途に応じて
適宜選択されるが、通常、水素化ニトリルゴム100重
量部に対し、1〜50重量部であり、より好ましくは3
〜30重量部である。1重量部未満では所定の可塑化効
果が得られにくく、50重量部を越えて配合した場合に
は、樹脂表面へのブリードが激しく、いずれの場合も好
ましくない。但し、上記の水素化ニトリルゴム組成物に
対して充填剤などを添加する場合は、充填剤自身が吸油
性を有しているために上記の範囲を越えて本エステルを
配合することができる。例えば、水素化ニトリルゴム1
00重量部に対し、充填剤としてカーボンブラックを5
0重量部配合した場合には、本エステルを1〜100重
量部程度配合することができる。
【0014】本発明に係る水素化ニトリルゴム組成物の
成分として、本エステルと共に他の公知のエステルを併
用することができる。又、所定の効果が損なわれない範
囲において、必要に応じて着色剤、加工助剤、充填剤、
加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、或い
は帯電防止剤などの添加剤を配合することができる。
【0015】本エステルと併用できる公知のエステルと
しては、フタル酸アルキル(炭素数4〜12)エステ
ル、トリメリット酸アルキル(炭素数4〜12)エステ
ル、ピロメリット酸アルキル(炭素数4〜12)エステ
ル、リン酸アルキル(炭素数4〜12)エステルなどが
推奨され、水素化ニトリルゴム組成物の耐熱性を低下さ
せない範囲において配合することができる。又、水素化
ニトリルゴム100重量部に対する当該エステルの配合
量として、1〜30重量部程度が例示される。
【0016】着色剤としては、カーボンブラック、硫化
鉛、ホワイトカーボン、チタン白、リトポン、べにが
ら、硫化アンチモン、クロム黄、コバルト青、クロム
緑、モリブデン橙などが例示される。又、水素化ニトリ
ルゴム100重量部に対する着色剤の配合量として、1
〜100重量部程度が例示される。
【0017】加工助剤としては、流動パラフィン、ポリ
エチレンワックス、ステアリン酸、ステアリン酸アマイ
ド、エチレンビスステアリン酸アマイド、ブチルステア
レート、ステアリン酸カルシウムなどが例示される。
又、水素化ニトリルゴム100重量部に対する加工助剤
の配合量として、0.1〜20重量部程度が例示され
る。
【0018】充填剤としては、炭酸カルシウム、シリ
カ、アルミナ、クレー、タルク、珪藻土、フェライトな
どの金属酸化物、ガラス、金属、炭素などの繊維及び粉
末、ガラス球、グラファイト、水酸化アルミニウム、硫
酸バリウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、珪
酸マグネシウム、珪酸カルシウムなどが例示される。
又、水素化ニトリルゴム100重量部に対する充填剤の
配合量として、1〜100重量部程度が例示される。
【0019】加硫促進剤としては、1,3−ジフェニル
グアニジン、ジベンゾチアジルジスルフィド、N,N'−
ジエチルチオ尿素、2−メルカプトベンゾチアゾール、
テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチ
ウラムジスルフィド、2−メルカプト−2−イミダゾリ
ン、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフ
ェンアミドなどが例示される。又、水素化ニトリルゴム
100重量部に対する加硫促進剤の配合量として、0.
1〜10重量部程度が例示される。
【0020】老化防止剤としては、2,6−ジ−tert−
ブチルフェノール、テトラキス[メチレン−3−(3,
5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピ
オネート]メタン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベン
ゾフェノンなどのフェノール系化合物、アルキルジスル
フィド、チオジプロピオン酸エステル、ベンゾチアゾー
ルなどの硫黄系化合物、トリスノニルフェニルフォスフ
ァイト、ジフェニルイソデシルフォスファイト、トリフ
ェニルフォスフェート、トリス(2.4−ジ−tert−ブ
チルフェニル)フォスフェートなどのリン酸系化合物、
ジアルキルジチオリン酸亜鉛、ジアリールジチオリン酸
亜鉛などの有機金属系化合物などが例示される。又、水
素化ニトリルゴム100重量部に対する老化防止剤の配
合量として、0.2〜20重量部程度が例示される。
【0021】紫外線吸収剤としては、フェニルサリシレ
ート、p−tert−ブチルフェニルサリシレートなどのサ
リシレート系化合物、2−ヒドロキシ−4−n−オクト
キシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベ
ンゾフェノンなどのベンゾフェノン系化合物、5−メチ
ル−1H−ベンゾトリアゾール、1−ジオクチルアミノ
メチルベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系
化合物の他、シアノアクリレート系化合物などが例示さ
れる。又、水素化ニトリルゴム100重量部に対する紫
外線吸収剤の配合量として、0.1〜10重量部程度が
例示される。
【0022】帯電防止剤としては、アルキルスルフォネ
ート型、アルキルエーテルカルボン酸型又はジアルキル
スルホサクシネート型のアニオン性帯電防止剤、ポリエ
チレングリコール誘導体、ソルビタン誘導体、ジエタノ
ールアミン誘導体などのノニオン性帯電防止剤、アルキ
ルアミドアミン型、アルキルジメチルベンジル型などの
第4級アンモニウム塩、アルキルイミダゾリン型、アル
キルピリジニウム型乙の有機酸塩又は塩酸塩などのカチ
オン性帯電防止剤、アルキルベタイン型、アルキルイミ
ダゾリン型などの両性帯電防止剤などが例示される。
又、水素化ニトリルゴム100重量部に対する帯電防止
剤の配合量として、0.1〜10重量部程度が例示され
る。
【0023】本発明に係る水素化ニトリルゴム組成物の
調製は、用いられる各配合成分をインターミックス、バ
ンバリーミキサー、ニーダーなどの密閉混練機又はオー
プンロールを用いて混練りすることによって行われる。
【0024】このようにして調製されたゴム組成物は、
ヒートプレス、押出成形、射出成形、ブロー成形など従
来公知の方法を用いて加熱加圧することにより、所望の
形状に加硫成形される。
【0025】かくして得られた成形物は、特に耐久性を
必要とする分野、例えば、自動車、自転車など用のタイ
ヤ、チューブ、燃料ホース、オイルホース、シール、エ
ンジン駆動ベルト、グリップ、サスペンション系などの
機能部品、鉄鋼、製紙用ロールなどの工業用ロール、石
油掘削用部品、家電製品の部品、スポーツ器具、緩衝材
などの建材部品、家具部品、玩具、ホース、ベルト、パ
ッキン類の素材、靴底材、粘・接着用素材、医療・食品
容器関連の成型品、電線・ケーブル被覆材などの他、プ
ラスチック改質剤、アスファルト改質剤として有用であ
る。
【0026】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明を詳しく説明
する。尚、各例において得られた水素化ニトリルゴム組
成物の特性は、以下の方法により測定し、評価した。
【0027】水素化ニトリルゴム組成物のプレスシート
調製方法 所定のゴム組成物を二本ロールを用いて50℃×30分
間混練し、次いで160℃×30分間加熱加硫し、プレ
スシートを調製する。
【0028】相溶性 所定のプレスシートを室温下90日放置後、シート表面
への可塑剤のブリードの有無を目視で観察し、以下の基
準により評価する。 ○:ブリードなし、△:僅かにブリードあり、×:ブリ
ード激しい
【0029】機械的性質 JIS K−6301に基づいて、プレスシートの30
0%モジュラス、破断強度、破断伸びを測定する。
【0030】加熱老化試験 (揮発減量)ギヤーオーブン中120℃×168時間加
熱老化後のプレスシートの試験前後における重量減少の
比率(揮発減量%)を測定する。 (強度・伸び)ギヤーオーブン中120℃×168時間
加熱老化後のプレスシートの試験前後における強度・伸
びの変化率(試験後の測定値/試験前の測定値、%)を
測定する。
【0031】実施例1〜10 水素化ニトリルゴム、充填剤(HAFカーボン及び酸価
亜鉛)、加硫剤(硫黄)、加硫促進剤(MBT及びTM
TD)及び所定の本エステルを下記の組成で配合し所定
のゴム組成物を調製した。得られたゴム組成物の相溶
性、機械的性質及び硬度を測定した。又、加熱老化試験
後の試験片の揮発減量及び強度・伸びの変化率を測定
し、評価した。得られた結果を第1表に示す。
【0032】 [配 合] ゼットポール2020(日本ゼオン社製水素化ニトリルゴム) 100重量部 HAFカーボン(ASTM NO.N−330) 40重量部 酸化亜鉛(和光純薬工業社製酸化亜鉛) 5重量部 硫黄(和光純薬工業社製硫黄華) 0.5重量部 MBT(2−メルカプトベンゾチアゾール) 0.5重量部 TMTD(テトラメチルチウラムジスルフィド) 1.5重量部 本エステル 5重量部
【0033】本エステル 本エステルA:フタル酸ジ2−エチルヘキシロキシエチ
ル 本エステルB:フタル酸ジ2−エチルヘキシロキシプロ
ピル 本エステルC:フタル酸ジ2−エチルヘキシロキシブチ
ル 本エステルD:フタル酸ジ2−エチルヘキシロキシエト
キシエチル 本エステルE:フタル酸ジ2−エチルヘキシロキシエト
キシエトキシエチル 本エステルF:フタル酸ジオクチロキシエトキシエチル 本エステルG:フタル酸ジヘキシロキシロキシエトキシ
エチル 本エステルH:フタル酸ジヘキサデシロキシエトキシエ
チル 本エステルI:トリメリット酸トリ2−エチルヘキシロ
キシエトキシエチル 本エステルJ:ピロメリット酸テトラ2−エチルヘキシ
ロキシエトキシエチル
【0034】比較例1 実施例1の配合から本エステルAを除外して水素化ニト
リルゴム組成物を調製し、このものの物性を測定し、評
価した。得られた結果を第1表に示す。
【0035】比較例2 本エステルAの代わりにアジピン酸ジブトキシエトキシ
エチル(DBEA)を使用した以外は実施例1に準じて
水素化ニトリルゴム組成物を調製し、このものの物性を
測定し、評価した。得られた結果を第1表に示す。
【0036】比較例3 本エステルAの代わりにフタル酸ジ2−エチルヘキシル
(DOP)を使用した以外は実施例1に準じて水素化ニ
トリルゴム組成物を調製し、このものの物性を測定し、
評価した。得られた結果を第1表に示す。
【0037】比較例4 本エステルAの代わりにフタル酸ジ2−エチルヘキシロ
キシエトキシエトキシエトキシエチル(DOEP)を使
用した以外は実施例1に準じて水素化ニトリルゴム組成
物を調製し、このものの物性を測定し、評価した。得ら
れた結果を第1表に示す。
【0038】比較例5 本エステルAの代わりにフタル酸ジエチロキシエトキシ
エチル(DEEP)を使用した以外は実施例1に準じて
水素化ニトリルゴム組成物を調製し、このものの物性を
測定し、評価した。得られた結果を第1表に示す。
【0039】比較例6 本エステルAの代わりにフタル酸ジベヘニロキシエトキ
シエチル(DBEP)を使用した以外は実施例1に準じ
て水素化ニトリルゴム組成物を調製し、このものの物性
を測定し、評価した。得られた結果を第1表に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】本発明に係る芳香族系エステルは、水素
化ニトリルゴム用可塑剤として、良好な耐熱性を具備し
(揮発減量が少ない)、相溶性に優れたものである。当
該エステルを可塑剤として配合することにより耐熱性に
優れた水素化ニトリルゴム組成物を得ることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) R1−[COO−(AO)n−R2]m (1) [式中、R1はフェニル基を示し、R2は炭素数4〜18
    の直鎖若しくは分岐のアルキル基を示す。mは2〜4の
    整数を示す。Aは炭素数2〜4のアルキレン基を示す。
    nは1〜3の整数を示す。m個の基COO−(AO)n
    −R2における夫々のR2は、同一でも異なっていても良
    い。]で表される少なくとも1種の芳香族系エステルか
    らなる水素化ニトリルゴム用可塑剤。
  2. 【請求項2】 水素化ニトリルゴムに対し、請求項1に
    記載の水素化ニトリルゴム用可塑剤を配合してなる水素
    化ニトリルゴム組成物。
  3. 【請求項3】 水素化ニトリルゴムに対し、請求項1に
    記載の芳香族系エステルを配合することを特徴とする水
    素化ニトリルゴムの可塑化方法。
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