JPH1179978A - 経皮吸収型製剤 - Google Patents

経皮吸収型製剤

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JPH1179978A
JPH1179978A JP24077997A JP24077997A JPH1179978A JP H1179978 A JPH1179978 A JP H1179978A JP 24077997 A JP24077997 A JP 24077997A JP 24077997 A JP24077997 A JP 24077997A JP H1179978 A JPH1179978 A JP H1179978A
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敬悟 井ノ阪
Hiroko Kawaguchi
博子 川口
Saburo Otsuka
三郎 大塚
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 官能性単量体を必須成分とし、重合開始
剤としてアゾ・ビス・イソブチロニトリルなどのアゾ化
合物を用いたアクリル系共重合体粘着剤中に、2−メル
カプトベンズイミダゾールおよび/または没食子酸プロ
ピルと、アゼラスチンなどの経皮吸収性薬物とを含有さ
せる。この薬物含有粘着層を支持体の少なくとも片面に
形成して経皮吸収型製剤を得る。 【効果】 経皮吸収性薬物をアクリル系共重合体粘着剤
中に配合した際に生じる着色現象を防止する。したがっ
て、経皮吸収性薬物とアクリル系共重合体粘着剤中の各
種微量成分との相互作用などによる着色現象または保存
期間中での着色増強現象を抑制し、製剤の外観上認容し
うる安定した経皮吸収型製剤となる。さらに、その経皮
吸収性薬物含量の安定性にも優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、経皮吸収型製剤に
関し、詳しくは経皮吸収性薬物を製剤中に安定に存在せ
しめ、特に製剤の着色を抑制し、かつ薬物含量安定性に
優れた経皮吸収型製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、薬物を皮膚面を通して生体内へ投
与するための経皮吸収型製剤としてパップ剤やテープ剤
などの皮膚面貼付型の外用剤が種々開発されており、こ
れらの中で特に全身性の薬理作用を発揮する薬物を含有
したテープ剤が注目されている。このような実情の中
で、ニトログリセリンや硝酸イソソルビド、各種ステロ
イド薬、非ステロイド薬、麻酔薬、抗高血圧薬などを薬
理活性物質として粘着剤中に含有させたテープ状の経皮
吸収型製剤が提案、開発され、一部は上市に至ってい
る。これらの経皮吸収型製剤はアクリル系や合成ゴム系
の粘着剤に各種経皮吸収性薬物を混合したものであっ
て、皮膚面に貼付するだけで薬物が皮膚面を通して持続
的に体内に吸収されるものであり、優れた薬理作用を発
揮するものである。
【0003】しかしながら、これらの製剤は経皮吸収性
薬物を粘着剤中に混合しているため、粘着剤中の各種微
量成分と薬物との相互作用などにより経皮吸収型製剤が
着色を起こし、また保存期間中にその着色が増強される
傾向のあるものも多数存在する。
【0004】通常、薬物が粘着剤中成分と反応した場
合、分解物が生じそれを防ぐために分解物の構造を明ら
かにして、分解抑制剤(抗酸化剤、安定化剤)などの添
加により防止する方法などが施される。しかし、上記着
色現象については超微量成分の反応生成物でも、製剤の
外観上認容しうる限界を越える着色を引き起こすことが
ほとんどであり、それを防止する手段を検討するのが非
常に困難な場合がほとんどである。したがって、通常は
着色を引き起こした製剤中に多数の化合物を添加する形
でスクリーニングし、効果のあるものを選択するという
非常に膨大かつ非効率的な手段での検討をせざるを得な
いのが実情である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、経皮吸収性
薬物を粘着剤中に配合した際に生じる着色現象を防止
し、製剤の外観上認容しうる、薬物含量の安定性にも優
れた経皮吸収型製剤を医療現場に提供することを目的と
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するべく鋭意研究を重ねた結果、経皮吸収性薬物
を含み、官能性単量体を必須成分とし、かつ重合開始剤
としてアゾ化合物を用いて合成されたアクリル系共重合
体粘着剤中に、2−メルカプトベンズイミダゾールおよ
び/または没食子酸プロピルを含有させることにより、
経皮吸収性薬物と粘着剤層中の各種微量成分との相互作
用などによる着色現象または保存期間中での着色増強現
象が抑制され、製剤の外観上認容しうる安定した経皮吸
収型製剤が得られることを見い出し、本発明を完成する
に至った。
【0007】すなわち、本発明は、官能性単量体を必須
成分とし、かつ重合開始剤としてアゾ化合物を用いて合
成されたアクリル系共重合体粘着剤と、経皮吸収性薬物
と、2−メルカプトベンズイミダゾールおよび/または
没食子酸プロピルとを含有してなる粘着剤層が支持体の
少なくとも片面に形成されてなる経皮吸収型製剤を提供
するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の経皮吸収型製剤は、支持
体の少なくとも片面に、粘着剤層が形成されてなり、該
粘着剤層は、経皮吸収性薬物と、2−メルカプトベンズ
イミダゾールおよび/または没食子酸プロピルと、アク
リル系共重合体粘着剤とを含有する。アクリル系共重合
体粘着剤は、官能性単量体を必須成分とし、重合開始剤
としてアゾ化合物を用いて調製される。以下、本発明の
経皮吸収型製剤の構成要素について説明する。
【0009】支持体 本発明の経皮吸収型製剤に用いる支持体は、特に限定さ
れないが、粘着剤層に含有される経皮吸収性薬物、2−
メルカプトベンズイミダゾールおよび/または没食子酸
プロピル、その他可塑剤、吸収促進剤などの添加剤が支
持体中を通って背面から失われて含量低下を起こさない
もの、即ちこれらの成分が透過しない材質からなるもの
が好ましい。
【0010】具体的にはポリエチレンテレフタレートな
どのポリエステル、ナイロンなどのポリアミド、ポリエ
チレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリ塩
化ビニリデン、酢酸セルロース、エチルセルロース、可
塑化酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、エチレン−アクリル
酸エチル共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、可塑
化ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、アイオノマー樹脂、
アルミニウム箔などの金属箔などの単独フィルムまたは
これらのラミネートフィルムなどが挙げられる。
【0011】これら支持体としては、前記経皮吸収型製
剤のソフト感を損なわない程度の厚み、具体的には1〜
25μm、好ましくは1〜15μm程度の厚みを有する
ものを使用する。また、可塑剤、吸収促進剤などの添加
剤を含有した前記経皮吸収型製剤においては、上記支持
体に多孔性フィルムがラミネートされたものが使用され
ると、投錨性の向上により粘着剤層と支持体との接着力
が向上するので好適である。
【0012】この多孔性フィルムとしては、具体的には
紙、織布、不織布、機械的に穿孔処理したフィルムやシ
ートなどが使用できる。多孔性フィルムの厚みは、前記
投錨性の向上や経皮吸収型製剤全体の柔軟性を考慮する
と10〜500μm、またプラスタータイプや粘着テー
プタイプのような薄手の製剤の場合は、10〜200μ
mの範囲とすることが好ましい。多孔性フィルムとして
織布や不織布を用いる場合、粘着剤層の目付量を5〜3
0g/m2 、好ましくは8〜20g/m2 とすると、上
記投錨性が向上するので好ましい。また、経皮吸収型製
剤の薬物放出性を制御するために、前記支持体を比較的
通気性のあるものにすることも可能である。
【0013】アクリル系共重合体粘着剤 本発明において用いるアクリル系共重合体粘着剤は、皮
膚面に経皮吸収型製剤を密着固定して、含有する経皮吸
収性薬物を皮膚面に放出する機能を有するものである。
このような粘着剤としては、経皮吸収性薬物の安定性、
放出性さらには粘着剤を架橋処理する際の反応性などの
点から、官能性単量体を必須成分とし、かつ重合開始剤
としてアゾ化合物を用いて合成されたアクリル系共重合
体粘着剤を用いることが好ましい。官能性単量体は、薬
物放出性や架橋処理時の反応性の点で有利であり、アク
リル系共重合体粘着剤は、重合反応にて調製されるの
で、特性の安定、修飾容易性などの点で有利である。
【0014】アクリル系共重合体粘着剤は、通常のアク
リル系粘着剤に用いられる(メタ)アクリル酸アルキル
エステルを主成分単量体として、これに官能性単量体を
共重合することによって得ることができる。
【0015】i)主成分単量体 上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、具
体的にはアルキル基がブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘ
プチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデ
シル、トリデシルなどの炭素数4〜13の直鎖アルキル
基や分岐アルキル基などを有する(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステルを用いることができ、これらは一種もし
くは二種以上用いることができる。
【0016】また、上記(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステルは、上記例示のものに限定されるものではなく、
本発明の特性を変化させない範囲であれば、炭素数1〜
3のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステルや炭素数14以上のアルキル基を有する(メタ)
アクリル酸アルキルエステルを併用してもよい。
【0017】ii)官能性単量体 上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合する
ことができる官能性単量体としては、共重合反応に関与
する不飽和二重結合を分子内に少なくとも一個有すると
共に、官能基を側鎖に有するものが使用できる。かかる
官能性単量体としては、(メタ)アクリル酸、イタコン
酸、マレイン酸、無水マレイン酸などのカルボキシル基
含有単量体、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルエス
テル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルエステル
などのヒドロキシル基含有単量体、スチレンスルホン
酸、アリルスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリ
レート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホ
ン酸、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸などの
スルホキシル基含有単量体、(メタ)アクリル酸アミノ
エチルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエ
チルエステル、(メタ)アクリル酸tert−ブチルアミノ
エチルエステルなどのアミノ基含有単量体、(メタ)ア
クリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−
ブチルアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリ
ルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルア
ミドなどのアミド基含有単量体、(メタ)アクリル酸メ
トキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸エトキシエ
チルエステル、(メタ)アクリル酸メトキシエチレング
リコールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシジエチ
レングリコールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシ
ポリエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸
メトキシポリプロピレングリコールエステル、(メタ)
アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステルなどのアル
コキシル基含有単量体が挙げられる。
【0018】これら以外に共重合できる単量体として
は、例えば(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニル、N−ビニル−2−ピロリドン、メチ
ルビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルピペリド
ン、ビニルピリミジン、ビニルピペラジン、ビニルピラ
ジン、ビニルピロール、ビニルイミダゾール、ビニルカ
プロラクタム、ビニルオキサゾール、ビニルモルホリン
などが挙げられる。
【0019】これらの単量体は一種もしくは二種以上共
重合することができるが、粘着特性としての接着性や凝
集性、粘着剤層中に含有する経皮吸収性薬物の放出性、
粘着剤を架橋処理する際の反応性などの点から、カルボ
キシル基含有単量体やヒドロキシル基含有単量体の少な
くとも一種を必須成分とし、必要に応じて上記にて例示
の他の単量体を共重合することが特に好ましいものであ
る。上記官能性単量体の共重合量は目的に応じて全単量
体量中、2〜40重量%、好ましくは3〜35重量%の
範囲となるように任意に設定することができる。
【0020】iii )重合開始剤 本発明において用いる上記アクリル系共重合体粘着剤を
重合する際の重合開始剤としては、重合反応の容易さ
や、得られるアクリル系共重合体粘着剤の物性などの点
からアゾ化合物を用いることが好ましい。このアゾ化合
物としては、具体的にはアゾビスイソブチロニトリル、
アゾビスプロピオニトリル、アゾビスバレロニトリルな
どのアゾビスニトリル系化合物、ジアゾアミノベンゼ
ン、ニトロソアシルアリルアミン類、アゾチオエーテル
類、p−ニトロベンゼンジアゾニウム塩などのアゾおよ
びジアゾ系化合物が挙げられる。これら重合開始剤の配
合量は、重合に供する全単量体100重量部に対して、
0.01〜2重量部、好ましくは0.05〜2重量部の
範囲となるように任意に設定することができる。
【0021】iv)重合 本発明において用いるアクリル系共重合体粘着剤は、上
記主成分単量体および官能性単量体を用い、前記重合開
始剤の存在下、自体既知の方法で合成することにより得
ることができる。例えば、溶液重合法、乳化重合法、塊
状重合法や懸濁重合法などの重合方法を採用することが
できる。また、当該粘着剤は必要に応じて、自体既知の
方法により架橋処理を施されていてもよい。
【0022】経皮吸収性薬物 本発明の経皮吸収型製剤では、上記アクリル系共重合体
粘着剤に経皮吸収性薬物〔但し、6−アミノ−5−クロ
ロ−1−イソプロピル−2−(4−メチル−1−ピペラ
ジニル)ベンズイミダゾールおよびその薬理学的に許容
される塩を除く。〕を溶解状態もしくは分散状態にて含
有させることによって、各種疾患の治療および/または
予防を目的とした貼付剤とすることができる。
【0023】含有させる薬物は、経皮吸収性の薬物であ
れば特に制限されないが、例えば分子量400以下、融
点300℃以下、水への溶解度4mg/ml以下の脂溶
性薬物が挙げられる。該経皮吸収性薬物は、コルチコス
テロイド類、鎮痛消炎剤、催眠鎮静剤、精神安定剤、抗
高血圧剤、降圧利尿剤、抗生物質、麻酔剤、抗菌剤、抗
真菌剤、ビタミン剤、冠血管拡張剤、抗ヒスタミン剤、
鎮咳剤、性ホルモン、抗鬱剤、脳循環改善剤、制吐剤、
抗腫瘍剤、生体医薬などの種類の薬物である。
【0024】具体的には、カルボン酸誘導体、アミノ酸
誘導体、アミン誘導体、アミド酸誘導体、ステロイド誘
導体、アルコール誘導体、芳香族アミン誘導体、ナフタ
レン誘導体、酸素原子,硫黄原子および窒素原子から選
ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含有する複素環誘
導体などが挙げられる。好ましくは、酸素原子,硫黄原
子および窒素原子から選ばれる少なくとも1個のヘテロ
原子を含有する複素環誘導体である。
【0025】より具体的には、アゼラスチン、ベラパミ
ル、メトプロロール、バルプロ酸ナトリウム、L−メチ
オニン、メプロバメート、エストラジオール、プロプラ
ノロール、ピロカルピン、インドメタシン、ピンドロー
ル、ニフェジピン、イフェンプロジル、ジアゼパム、ク
レミゾール、アロプリノールなどが挙げられる。これら
の薬物は必要に応じて2種類以上併用することもでき
る。
【0026】これらの薬物の含有量は、薬物種や投与目
的に応じて適宜設定することができるが、通常、アクリ
ル系共重合体粘着剤中に1〜40重量%、好ましくは2
〜30重量%程度含有させる。含有量が1重量%に満た
ない場合は、治療や予防に有効な量の薬物放出が期待で
きず、また、40重量%を越えると、治療や予防効果に
限界が生じると共に経済的に不利である。
【0027】2−メルカプトベンズイミダゾールおよ
び没食子酸プロピル 本発明の経皮吸収型製剤における粘着剤層中に上記経皮
吸収性薬物と共に含有される2−メルカプトベンズイミ
ダゾールおよび没食子酸プロピルは、経皮吸収性薬物と
の相互作用などにより着色現象を引き起こす上記アクリ
ル系共重合体粘着剤中の微量成分に作用し、経皮吸収性
薬物と粘着剤中の微量成分との反応を阻害する作用を呈
する。本発明においては、経皮吸収性薬物と、上記アク
リル系共重合体粘着剤中の微量成分との反応を阻害させ
ることによって、経皮吸収性薬物を粘着剤中に配合した
際に生じる着色現象または保存期間中での着色増強現象
を抑制することができるのである。
【0028】このような作用を発揮するには、これら2
−メルカプトベンズイミダゾールおよび没食子酸プロピ
ルの含有量は、粘着剤種や薬物種さらには着色の強弱に
応じて適宜設定することができるが、通常、総量として
粘着剤中に0.01〜5重量%、好ましくは0.02〜
3重量%、さらに好ましくは0.03〜2重量%程度の
範囲に含有させることができ、これらは単独または併用
して粘着剤中に配合することができる。
【0029】これら2−メルカプトベンズイミダゾール
および没食子酸プロピルの含有量が少なすぎると充分な
阻害作用を発揮できなくなり、着色現象の抑制効果はあ
まり望めなくなる。一方、これら2−メルカプトベンズ
イミダゾールおよび没食子酸プロピルの含有量が多すぎ
ると、架橋剤など粘着剤中の他成分や経皮吸収性薬物と
の相互作用が起こる可能性があり、さらに別の反応生成
物が生じて再び製剤の安定性を低下させる傾向を示す。
【0030】次に、本発明の経皮吸収型製剤の製造例を
示す。本発明の経皮吸収型製剤は、上記アクリル系共重
合体粘着剤、2−メルカプトベンズイミダゾールおよび
/または没食子酸プロピル、経皮吸収性薬物の順で溶媒
に溶解または分散させ、要すれば既知の粘着付与剤、可
塑剤、吸収促進剤、界面活性剤、充填剤などを適宜添加
し、得られた溶液または分散液を支持体の少なくとも片
面に塗布し、乾燥して、通常、厚み10〜200μm、
好ましくは15〜150μmの粘着剤層を支持体の少な
くとも片面に形成させて製造することができる。
【0031】また、上記の溶液または分散液を保護用の
剥離シート上に塗布し、乾燥し、剥離シート上に通常、
厚み10〜200μm、好ましくは15〜150μmの
粘着剤層を形成させ、そののちに支持体を粘着剤層に密
着させて製造することもできる。
【0032】本発明の経皮吸収型製剤は製造、運搬また
は保存中に粘着剤が徒に器具、容器などに接着すること
を防止するために、また製剤の劣化を防止するために、
通常、その表面に剥離シートを積層しておく。そして、
使用時にこれを剥離して、粘着剤層の面を露出させ、皮
膚に貼付して投与する。剥離シートとしては、使用時に
粘着剤層から容易に剥離されることが必要であるため
に、通常、粘着剤層との接触面にシリコーン処理が施さ
れたポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリエチレンテレフタレートなどのフィルム、また
は上質紙もしくはグラシン紙とポリオレフィンとのラミ
ネートフィルムなどが用いられる。剥離シートの厚みは
1000μm以下、好ましくは30〜200μmであ
る。
【0033】本発明の経皮吸収型製剤の投与量は、使用
する経皮吸収性薬物の種類、患者の年齢、体重、症状な
どにより異なるが、通常、成人に対して一回当たり経皮
吸収性薬物1〜500mgを含有した当該製剤を、皮膚
1〜100cm2 に1日に1回〜7日に1回程度貼付す
る。
【0034】
【発明の効果】本発明の経皮吸収型製剤は、官能性単量
体を必須成分とし、かつ重合開始剤としてアゾ化合物を
用いて合成されたアクリル系共重合体粘着剤と、経皮吸
収性薬物と、2−メルカプトベンズイミダゾールおよび
/または没食子酸プロピルとを含有してなる粘着剤層が
支持体の少なくとも片面に形成されてなるものであっ
て、経皮吸収性薬物をアクリル系共重合体粘着剤中に配
合した際に生じる着色現象を防止する。したがって、本
発明の製剤は、経皮吸収性薬物とアクリル系共重合体粘
着剤中の各種微量成分との相互作用などによる着色現象
または保存期間中での着色増強現象を抑制し、製剤の外
観上認容しうる安定した経皮吸収型製剤となる。さら
に、本発明の経皮吸収型製剤は、その経皮吸収性薬物含
量の安定性にも優れる。
【0035】
【実施例】以下、実施例、比較例および実験例をもって
本発明を詳細に述べるが、本発明はこれらによって何ら
限定されるものではない。なお、以下の記載において、
部および%はそれぞれ重量部および重量%を意味する。
【0036】〔粘着剤溶液Aの調製〕不活性ガス雰囲気
下でフラスコ内にアクリル酸2−エチルヘキシルエステ
ル72部、N−ビニル−2−ピロリドン25部、アクリ
ル酸3部を仕込み、重合開始剤としてアゾビスイソブチ
ロニトリル0.3部を添加し重合を開始させた。攪拌速
度と外浴温度の調節、および酢酸エチルの滴下によって
内浴温度を58〜62℃に制御し、重合反応を行い、粘
着剤溶液Aを調製した。
【0037】〔粘着剤溶液Bの調製〕不活性ガス雰囲気
下でフラスコ内にアクリル酸2−エチルヘキシルエステ
ル93部、アクリル酸7部を仕込み、重合開始剤として
アゾビスイソブチロニトリル0.3部を添加し重合を開
始させた。攪拌速度と外浴温度の調節、および酢酸エチ
ルの滴下によって内浴温度を58〜62℃に制御し、重
合反応を行い、粘着剤溶液Bを調製した。
【0038】〔粘着剤溶液Cの調製〕不活性ガス雰囲気
下でフラスコ内にアクリル酸2−エチルヘキシルエステ
ル50部、アクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル1
5部、酢酸ビニル35部を仕込み、重合開始剤としてア
ゾビスイソブチロニトリル0.3部を添加し重合を開始
させた。攪拌速度と外浴温度の調節、および酢酸エチル
の滴下によって内浴温度を58〜62℃に制御し、重合
反応を行い、粘着剤溶液Cを調製した。
【0039】〔粘着剤溶液Dの調製〕不活性ガス雰囲気
下でフラスコ内にアクリル酸2−エチルヘキシルエステ
ル75部、アクリル酸ブチル20部、アクリル酸5部を
仕込み、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル
0.3部を添加し重合を開始させた。攪拌速度と外浴温
度の調節、および酢酸エチルの滴下によって内浴温度を
58〜62℃に制御し、重合反応を行い、粘着剤溶液D
を調製した。
【0040】〔粘着剤溶液Eの調製〕不活性ガス雰囲気
下でフラスコ内にアクリル酸2−エチルヘキシルエステ
ル95部、アクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル5
部を仕込み、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニト
リル0.3部を添加し重合を開始させた。攪拌速度と外
浴温度の調節、および酢酸エチルの滴下によって内浴温
度を58〜62℃に制御し、重合反応を行い、粘着剤溶
液Eを調製した。
【0041】〔粘着剤溶液Fの調製〕不活性ガス雰囲気
下でフラスコ内にアクリル酸2−エチルヘキシルエステ
ル98部、アクリル酸2部を仕込み、重合開始剤として
アゾビスイソブチロニトリル0.3部を添加し重合を開
始させた。攪拌速度と外浴温度の調節、および酢酸エチ
ルの滴下によって内浴温度を58〜62℃に制御し、重
合反応を行い、粘着剤溶液Fを調製した。
【0042】〔粘着剤溶液Gの調製〕不活性ガス雰囲気
下でフラスコ内にアクリル酸2−エチルヘキシルエステ
ル75部、アクリル酸ブチル23部、アクリル酸2部を
仕込み、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル
0.3部を添加し重合を開始させた。攪拌速度と外浴温
度の調節、および酢酸エチルの滴下によって内浴温度を
58〜62℃に制御し、重合反応を行い、粘着剤溶液G
を調製した。
【0043】〔粘着剤溶液Hの調製〕不活性ガス雰囲気
下でフラスコ内にアクリル酸2−エチルヘキシルエステ
ル80部、N−ビニル−2−ピロリドン19部、アクリ
ル酸1部を仕込み、重合開始剤としてアゾビスイソブチ
ロニトリル0.3部を添加し重合を開始させた。攪拌速
度と外浴温度の調節、および酢酸エチルの滴下によって
内浴温度を58〜62℃に制御し、重合反応を行い、粘
着剤溶液Hを調製した。
【0044】〔実験例〕表1に示す配合割合に従って各
種の薬物を含有する粘着剤溶液を調製し、得られた溶液
をポリエステル製セパレーター(75μm厚)上に乾燥
後の厚みが約60μmとなるように塗布、乾燥して粘着
剤層を形成した。
【0045】次いで、この粘着剤層をポリエステル製フ
ィルム(12μm厚)に貼り合わせて、実施例品および
比較例品を作製した。なお、表中、2−MBIは2−メ
ルカプトベンズイミダゾールを、PGaは没食子酸プロ
ピルを、IPMはミリスチン酸イソプロピルを示す。ま
た、含量は乾燥後の粘着剤層中の含量として表す。
【0046】
【表1】
【0047】上記の各実施例および比較例にて作製した
経皮吸収型製剤について、各製剤の着色度および各製剤
中の薬物含量安定性を以下に示す方法で試験を行った。
【0048】〔製剤着色度試験〕各経皮吸収型製剤につ
いて、製剤作製直後および50℃密閉状態にて2ヶ月間
保存後での製剤の着色度を検討した。各製剤を適当な大
きさに打ち抜き、色彩色差計CR−200(ミノルタ社
製)を用いて、各製剤の着色度Δbを測定した。また、
各製剤について、経皮吸収性薬物、2−メルカプトベン
ズイミダゾールおよび没食子酸プロピルを全く含んでい
ないテープの着色度Δb0 を測定し、これをブランク値
として各製剤の着色度Δbから差し引いて製剤着色度
(Δb−Δb 0 )を算出した。さらに、50℃密閉状態
にて2ヶ月間保存後の製剤着色度から、製剤作製直後の
製剤着色度を差し引いて着色増強度とした。
【0049】〔製剤中の薬物含量安定性試験〕各経皮吸
収型製剤について、50℃密閉状態にて2ヶ月間保存後
での各製剤中の薬物含量の安定性を検討した。各製剤を
適当な大きさに打ち抜き、有機溶剤にて振盪抽出し、抽
出溶液中の薬物量を高速液体クロマトグラフイーにて測
定した。これらの結果を表2に示す。
【0050】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川口 博子 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 大塚 三郎 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 官能性単量体を必須成分とし、かつ重合
    開始剤としてアゾ化合物を用いて合成されたアクリル系
    共重合体粘着剤と、経皮吸収性薬物〔但し、6−アミノ
    −5−クロロ−1−イソプロピル−2−(4−メチル−
    1−ピペラジニル)ベンズイミダゾールおよびその薬理
    学的に許容される塩を除く〕と、2−メルカプトベンズ
    イミダゾールおよび/または没食子酸プロピルとを含有
    してなる粘着剤層が、支持体の少なくとも片面に形成さ
    れてなる経皮吸収型製剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008101029A (ja) * 2008-01-17 2008-05-01 Nitto Denko Corp 経皮吸収型製剤
JP2011190203A (ja) * 2010-03-12 2011-09-29 Nitto Denko Corp セレギリン含有貼付製剤

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