JPH1179407A - ランダムパレタイズ装置 - Google Patents

ランダムパレタイズ装置

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JPH1179407A
JPH1179407A JP20223598A JP20223598A JPH1179407A JP H1179407 A JPH1179407 A JP H1179407A JP 20223598 A JP20223598 A JP 20223598A JP 20223598 A JP20223598 A JP 20223598A JP H1179407 A JPH1179407 A JP H1179407A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 配送ルート順に沿った積み付けを行うことが
可能なランダムパレタイズ装置を提供する。 【解決手段】 上位物流コンピュータとEther−N
et等を介して接続されているパソコンには、複数の荷
積み付け装置が接続されている。パソコンの画面には、
入力表示画面40と、全体荷姿立面図画面42と、全体
荷姿平面図画面44とが表示されている。操作者は、マ
ウスによって箱等の積み荷を積み付けたい位置を全体荷
姿立面図画面42及び全体荷姿平面図画面44上で指示
することにより、容易に積み付けたい位置を指定するこ
とが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パレット上に複数
の積み荷を積載するランダムパレタイズ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、物流業界においては、品物の積み
替え作業はいたる所で行われているが、なかなか機械化
ができず、人手によって品物の積み替え作業は単純な作
業の繰り返しとして消化されてきた。近年、ロボット技
術の進展に伴い、この物流の世界にも機械化の波が押し
寄せてきている。
【0003】しかしながら、様々な注文に応じた異品種
の混載積み付け作業(ランダムパレタイジング)を実現
するのは極めて困難であった。本願発明者は、このよう
なランダムパレタイジングを実現する手法として、特願
平3−274263号や、特願平4−186735号等
を提案している。
【0004】特願平3−274263号においては、自
動倉庫とロボットの組合せによるランダムパレタイズ
(平積み)を行うことを提案している。そして、特願平
4−186735号においては、自動倉庫又はコンベア
と、積み方教示装置と、バランサーと、を組み合わせて
ランダムパレタイズ(平積み)を実現している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した各ラ
ンダムパレタイジング方法においては、基本的に平積み
であったため、先積み後出し、すなわち、配送ルート順
に沿った積み付け(棒積み)ができないという問題があ
る。
【0006】本発明は上記課題に鑑みなされたものであ
り、その目的は、棒積みを行うことが可能なランダムパ
レタイズ装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】第一の本発明は、上記課
題を解決するために、搬送されてくる複数の積み荷を、
操作者の指示に基づきマニピュレータを用いてパレット
の上に積むランダムパレタイズ装置において、搬送され
てくる複数の積み荷の外観を、前記操作者に示すために
表示し、前記操作者に前記複数の積み荷の大きさ及び形
状を知らせる入力表示手段と、搬送されてくる複数の積
み荷の内容を、前記操作者に示すために表示する情報表
示手段と、前記パレット上に積み荷が積載されている様
子を示す積み姿図を、前記操作者に示すために表示する
出力表示手段と、前記出力表示手段により表示された積
み姿図の上で、前記操作者の指示に基づき、積み荷を次
に積載したい位置を指示する指示手段と、前記指示手段
によって指示された位置に基づき、最適積載位置を求め
る最適積載位置算出手段と、前記最適積載位置算出手段
によって求められた最適積載位置を前記マニピュレータ
に送出する送出手段と、を含み、前記積み荷の内容は、
少なくとも前記積み荷の種類と品名とを含み、前記マニ
ピュレータに積み荷を最適積載位置に積ませることを特
徴とするランダムパレタイズ装置である。
【0008】第二の本発明は、上記第一の本発明のラン
ダムパレタイズ装置において、前記操作者に、積み付け
動作の指示の行い方を案内するための操作ガイダンスを
示す操作ガイダンス表示手段、を含むことを特徴とする
ランダムパレタイズ装置である。
【0009】第三の本発明は、上記課題を解決するため
に、第一の本発明のランダムパレタイズ装置において、
前記出力表示手段は、パレットに積載された積み荷を斜
めから見た様子を表す斜視図を表示する斜視図表示手段
と、パレットに積載された積み荷を上方から見た様子を
表す平面図を表示する平面図表示手段と、を含むことを
特徴とするランダムパレタイズ装置である。
【0010】第四の本発明は、上記課題を解決するため
に、第一の本発明のランダムパレタイズ装置において、
請求項1記載のランダムパレタイズ装置において、前記
指示手段は、積み荷を前記パレット上ではなく、仮置き
場に積むことを指示する仮置き指示手段を含むことを特
徴とするランダムパレタイズ装置である。
【0011】第五の本発明は、上記課題を解決するため
に、第一の本発明のランダムパレタイズ装置において、
更に、動作モードをリアルタイムモードと、シミュレー
ション実行モードと、を切り換える制御手段を含み、前
記リアルタイムモードにおいては、前記操作者の指示に
従って、前記ロボットが積み荷をパレット上に実際に積
載し、前記シミュレーション実行モードにおいては、現
実の積み荷の積載を伴わずに計算機上で仮想的に積載を
行い、前記積載の手順を記憶するシミュレーションステ
ージと、前記シミュレーションステージの実行後に、前
記シミュレーションステージにおいて記憶された積載の
手順に基づいて、実際の積み荷の積載を行う実行ステー
ジと、の2つのステージが実行されることを特徴とする
ランダムパレタイズ装置である。
【0012】第一の本発明における出力表示手段によっ
て表示された積み荷の積載されている様子を表す図上
で、指示手段を用いて次に積む位置を指示可能なので、
効率的な積載が可能である。また、操作積み荷の種類や
品名が表示されるため、操作者は、積み荷の内容を的確
に知ることができる。
【0013】第二の本発明における操作ガイダンス表示
手段は、操作の仕方を表示するので、パレタイズ装置に
不慣れな操作者であっても、表示される操作の仕方に基
づき操作を行える。
【0014】第三の本発明における出力表示手段は、斜
視図と、平面図とを表示するので、指示手段は、積み荷
を積む位置を正確に指示可能である。
【0015】第四の本発明における仮置き指示手段によ
れば、搬送されてきた積み荷を仮置き場に置くことを指
示可能である。
【0016】第五の本発明の制御手段は、リアルタイム
モードと、シミュレーション実行モードとを切り換え制
御する。従って、実際に積み荷を積載する前に、仮想的
に積載をすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を図面に基づいて、説明する。
【0018】図1には、本発明の好適な実施の形態であ
るランダムパレタイズ装置のシステム構成図が示されて
いる。図1に示されているように、物流を制御する上位
物流コンピュータ10と、ランダムパレタイズ装置の制
御を行うパーソナルコンピュータ(以下、パソコンとい
う)12とは、RS232CやEther−Net等で
接続されている。なお、パソコン12は、EWS等を用
いても好適である。
【0019】本実施の形態に係るランダムパレタイズ装
置は、このパソコン12と、複数の荷積み付け装置から
構成されている。図1に示されているように、この荷積
み付け装置としては、上記パソコン12から直接制御さ
れる通常荷積み付け装置14と、シーケンサ通信局16
を含みネットワークの一端末を形成しているネットワー
ク荷積み付け装置18との2種類がある。
【0020】通常荷積み付け装置14は、ロボット制御
装置20と、ロボット22と、シーケンサ24とを含ん
でいる。このシーケンサ24は、例えば、位置決めコン
ベア等の制御を行い、この位置決めコンベアが停止する
位置を制御したりするものである。
【0021】ネットワーク荷積み付け装置18は、上述
したシーケンサ通信局16と、ロボット制御装置26
と、ロボット28と、シーケンサ30とを含んでいる。
【0022】なお、本実施の形態においては、上位物流
コンピュータ10とパソコン12とは別の構成とした
が、パソコン12が上位物流コンピュータ10を兼ねる
構成としても好適である。
【0023】本実施の形態におけるランダムパレタイズ
装置のパソコン12の画面の様子が図2に示されてい
る。図2に示されているように、この画面には向かって
左側に入力表示画面40が示されている。この入力表示
画面40によって、操作者はコンベアに運ばれてやって
くる積み荷の大きさ・形状を把握することができる。ま
た、この入力表示画面40の下部には、全体荷姿立面図
画面42が示されている。この全体荷姿立面図は、積み
荷がパレット上に積まれてゆく様子を斜めから見た場合
の図であり、積み荷が積まれてゆく様子をリアルに表現
することができる。この全体荷姿立面図においては、パ
レット上に積み荷が積まれるべき空間が立体として示さ
れており、また、黒色の部分はパレットを表している。
【0024】全体荷姿立面図画面42の右隣には、全体
荷姿平面図画面44が示されている。この全体荷姿平面
図は、パレット上に積まれてゆく積み荷の様子を真上か
ら見た図である。また、全体荷姿平面図画面44の右隣
には、次に行う操作を指示するための操作ガイダンス画
面46が示されている。この操作ガイダンス画面から、
操作者は所望の操作をマウスによって指示することが可
能である。
【0025】また、このパソコン12の画面の右上に
は、これまでに積んだ積み荷の内容等の情報を示す情報
表示画面が設けられている。図2に示されているよう
に、積み付けの対象となった積み荷の種類・品名だけで
なく、その積まれた段ボール箱の個数、プラスチック箱
の個数、伝票内容等の各種情報が表示されている。
【0026】操作ガイダンス画面46は、操作を指示し
やすくするために所定の階層構造をなしている。図3に
示されているように、まず第一階層50においては、
「コンベアからパレットへ」と、「コンベアから仮置き
へ」と、「仮置きからパレットへ」と、「川替え」との
4つのメニューが示されている。操作者は、これら4つ
のメニューの中から所望の操作を選択し、選択したメニ
ュー上でマウスの左ボタンをクリックする。
【0027】第一階層50において、「コンベアからパ
レットへ」が選択された場合には、第二階層52aが操
作ガイダンス画面46に現れる。これは、コンベアによ
って搬送されてきた段ボール箱や折りたたみコンテナ等
を直接パレット上に積載する場合に選択される操作であ
る。上記第二階層52aは、図3に示されているよう
に、「回転しない」と、「90゜回転する」との2つの
メニューが設けられている。これは、コンベアによって
搬送されてきた段ボール箱をパレット上にそのままの向
きで積載するのか、もしくは90゜向きを変えて積載す
るのかを指定するものである。
【0028】この指定を終えると、操作ガイダンス画面
46には、新たに第三階層54aが現れる。この第三階
層54aにおいては、「パレットのどこへ?」というメ
ッセージが示され、マウスによって、全体荷姿立面図画
面42上で積みたい位置を指定するのである。尚、指定
は、マウスの左ボタンのクリックによる。以上のような
操作によって、各積み荷をパレット上に積載してゆくこ
とが可能である。
【0029】第一階層50において、「コンベアから仮
置きへ」が選択された場合には、第二階層52bが操作
ガイダンス画面46に現れる。ここで、仮置きとは段ボ
ール等の積み荷を一旦置いておく場所を言い、パレット
に積む操作を先に延ばすために一旦積み荷を置いておく
のである。
【0030】本実施の形態によれば、上述したように、
入力表示画面40によって搬送されてくる積み荷を8個
あらかじめ確認することができる。パレタイジングの熟
練者である場合には、この8個の積み荷を見るだけで、
次の積み荷をどの位置に置くのが最適であるのか瞬時に
判断可能であるが、不慣れなものが操作をする場合にお
いては、判断に迷う場合もある。そこで、積み荷をパレ
ットの上に載せずに、仮に置いておく場所があると便利
である。上記「コンベアから仮置きへ」は、このような
場合に選択される操作のメニューである。
【0031】第一階層50において「コンベアから仮置
きへ」が選択されると、第二階層52bが表示される。
この第二階層52bの様子が図3に示されている。この
図3に示されているように、第二階層52bは、第二階
層52aと全く同様の画面構成をなしている。この第二
階層52bにおいて、上記第二階層52aと同様にし
て、積み付けの対象である段ボールなどを回転するか否
かを指定すると、次に、第三階層54bが操作ガイダン
ス画面46に現れる。この第三階層54bにおいては、
「仮置き場所1」、「仮置き場所2」、「仮置き場所
3」、「仮置き場所4」、「仮置き場所5」の5つのメ
ニューが表示され、操作者は、コンベアから搬送された
積み荷をどこに仮置きするのかを、前記メニューを選択
することによって指定する。尚、メニューの選択は、選
択したいメニューの上にマウスのカーソルを持ってゆ
き、マウスの左ボタンを押すことによって行われる。
【0032】一方、第一階層50において、「仮置きか
らパレットへ」のメニューが選択された場合には、第二
階層52cが操作ガイダンス画面46に現れる。これ
は、上記「コンベアから仮置きへ」のメニューを選択し
たときに仮置き場所に置かれていた積み荷を、仮置き場
所からパレット上へ置くことを表す操作のメニューであ
る。このメニューが選択された場合にも、上記第二階層
52a、52bと同様に、「回転しない」と、「90゜
回転する」との2つのメニューを有する第二階層52c
が操作ガイダンス画面46に表示される。この第二階層
52cにおいて、いずれかのメニューを選択すると、積
み荷の移動元である仮置き場所を指定する第三階層54
cの画面に移行する。この第三階層54cにおいては、
上述した第二階層54bと同様に、マウスの左ボタンを
クリックすることにより、積み付けの荷物を採ってくる
場所を指定することになる。
【0033】第三階層54cにおいて、所望の場所を指
定した後は、移動先を指定することを促す第四階層56
が、操作ガイダンス画面46に表示される。この第四階
層56には、「パレットの何処へ」というメッセージが
記載されており、操作者は、係るメッセージに従って、
マウスのカーソルを全体荷姿立面図画面42上で指示す
ることにより積む位置を指定することができる。
【0034】尚、第一階層50におけるメニューには、
図3に示されるように、「川替え」があるが、これは棒
積みの列を替えることである。
【0035】全ての選択は、マウスの左ボタンのクリッ
クによって行われる。また、本実施の形態においては、
右ボタンをクリックすることによって、誤った選択を取
り消すことが可能となるように構成されている。
【0036】以上述べたように、本実施の形態における
ランダムパレタイズ装置においては、操作者がマウスに
より積み付け位置を指定するように構成した。ここで、
指定された積み付け位置は、ロボットに伝達され、ロボ
ットは指示通りに段ボール箱や、折りたたみコンテナ等
をパレット上に順次積載していく。
【0037】以下、本実施の形態に係るランダムパレタ
イズ装置の個々の要素技術についての特徴を種々述べ
る。
【0038】A.箱の相関認識を実現するデータ構造 A−1 箱の基本管理 図4には、1個の箱のデータ構造についての説明図が示
されている。図4に示されているように、JYOUDA
N$(−)は、1個の箱に対して18個の要素からなる
構造体である。本実施の形態におけるランダムパレタイ
ズ装置の積載の対象は、上述したように段ボール箱や、
折りたたみコンテナ等の直方体であるため、以下の説明
においては、積載の対象を包括的に「箱」と称する。
【0039】図4(a)に示されているように、JYO
UDAN$(−)には、箱の位置がパレット上の相対座
標で記録されている。この相対座標はX、及びY座標で
ある。尚、この相対座標はパレットの左下を原点として
いる。そして、箱の長さ、幅、高さの値がそれぞれ記録
されている。この相対座標の説明図が図4(b)に示さ
れている。
【0040】図4(a)において「置かれた底面高さ」
はその箱の底面の高さを表す。この高さはパレットの上
面からの高さである。また、同様に、「置かれた上面高
さ」はその箱の上面の高さを表す。この高さもパレット
の上面からの高さである。また、「自分の上面のフリー
面積」は、この箱の上面であって、他の箱が載っていな
い部分の面積を言う。このフリー面積の説明図が、図4
(c)に示されている。
【0041】図4(a)の「最上段forwardリン
ク」は、最上段に位置する箱のリストを構成するための
リンクを表すポインタである。このポインタは、「最上
段forwardリンク」と、「最上段backリン
ク」との2つが備えられている。これによって、最上段
に位置する箱のデータのみを集めた最上段の箱のデータ
のリストが形成されている。尚、最上段に位置しない箱
の場合には、この2つのリンクの欄は空欄となってい
る。すなわち、このリンクの記載がなされている箱は最
上段に位置する箱の集合(リスト)を形成する。
【0042】図4(a)において、「3次元を2次元に
写像した場合の切片b1」の説明をする。この「3次元
を2次元に写像した場合の切片b1」とは、図4(d)
に示されているように、この箱を2次元上に写像した場
合の、箱のZ軸方向の辺がY軸と交わるY切片であっ
て、最も値の大きなY切片を言う。尚、辺は4本あり、
Y切片も4個あるが、一番大きな値のものをこのb1と
呼び、大きさの順にそれぞれb2、b3、b4と呼ぶ。
但し、図4(a)に示されているように、「b1」の他
は「b2」と「b4」とのみデータ構造中に記憶されて
いる。
【0043】また、その他の座標情報としては、図4
(a)に示されているように、頂点p7のY座標と、頂
点P1のY座標とが記録されている。
【0044】箱のデータ構造は、上述したように、各箱
のデータをリンクするポインタによってリスト構造を形
成している旨述べたが、データ構造中には、描画順を表
すポインタも含まれている。このポインタは、図4
(a)において、「描画順forwardリンク」と、
「描画順backリンク」との2種類のポインタが用意
されている。この描画順は、上述した全体荷姿立面図に
おける各箱の描画する順番を表す。
【0045】本実施の形態において特徴的なことは、上
述した全体荷姿立面図の描画において、各箱の描画順が
このリスト構造によって規定されていることである。一
般に3次元物体の描画においては、隠線処理が大きな問
題となる。本実施の形態においては、描画をする際の各
箱の位置関係、重なり関係に基づいて、いわば奥の方に
ある箱から描画するようにしたものである。すなわち、
他の箱によって隠されている箱は、その隠す箱より先に
描画することにより、隠す箱が描画される際に上書きさ
れることによって、隠される様子が自動的に表現される
のである。このように、いわば奥の方の物体から描画す
ることは従来から行われてきたことであるが、本実施の
形態においては、箱の積み付けに対応して、上記箱のデ
ータ構造の中の描画順を表すポインタを操作することに
より、描画順を算出している。本実施の形態において特
徴的なことの一つであるこの描画順ポインタの操作につ
いては、後に詳述する。
【0046】図4(a)の最後に示されているように、
各箱のデータの最後には、その箱の品種を表すコードが
記録されている。尚、図4(a)の右覧には上記各項目
のデータ中における位置と、長さとが記載されている。
【0047】A−2 上に他の箱が載る可能性の有無 図5には、図4(a)に示されているデータ構造中の
「最上段forwardリンク」と、「最上段back
リンク」とを用いて、最上段に位置する箱のみがリスト
構造をなしていることを表す説明図が示されている。本
実施の形態においては、このデータ構造を最上段リスト
構造と呼ぶ。この最上段リスト構造は、箱の最上面高さ
の高い順のリスト構造であって、上に他の箱が載ってい
る箱の場合は、フリー面積が350cm2 以上あるもの
に限ってリストの中に含ませている。
【0048】図5に示されているように、UELIST
(−)の最上段リンクリストFIRSTによってアドレ
スが指定される箱が全ての箱の中でその最上面の高さが
高い箱である。そして、この最上段の高さが最も高い箱
の「最上段forwardリンク」は、次に最上面の高
さが高い箱のデータのアドレスを指している。
【0049】例えば、図5に示されている例において
は、箱2が最も最上面の高い箱であり、次に高いのが箱
4である。そして、箱9が最も高さの低い箱である。つ
まり、箱1や、箱3は最上段リスト構造の中には含まれ
ない。尚、JYOUDAN$(−)内で最も下にある
「箱」として、パレットがデータ構造中に含まれてい
る。パレット上に何も箱が積まれていない場合には、こ
のデータ構造JYOUDAN$(−)内には、パレット
が、その平面積と同一の最上面の面積を有する「箱」と
して記録されている。尚、各箱のデータ中には、上述し
たように、「最上段forwardリンク」だけでな
く、「最上段backリンク」によってもリンクされて
おり、最上面の低い順にデータのアクセスをすることも
可能である。
【0050】尚、本実施の形態においては、最も高い最
上面を有する箱のデータ中の「最上段backリンク」
や、最も低い最上面を有する箱のデータ中の「最上段f
orwardリンク」には、「φ」が格納されている。
この「φ」によって、最も高い箱、もしくは最も低い箱
であることが検出される。
【0051】本実施の形態においては、このように、最
上面に位置する箱をリスト構造で管理しているため、箱
の検索操作などの演算が速くなるという効果を奏する。
【0052】A−3 人の目に隠れて見えること(ロボ
ットハンド干渉可能性)の管理 これから積もうとする箱が、手前にその底面より高い上
面を有する箱が存在するために、人にとって一部(ある
いは全部)が隠れて見えることの判断は、ソフトウェア
にとってマン−マシンインターフェイス(あるいはロボ
ットハンドの干渉)の点において、非常に重要なことで
ある。
【0053】隠れ判断は後述するが、隠れると判断した
場合には、グラフィック表示において隠れるものから先
に描画することが必要になる。この隠れの判断は常に再
帰的な判断を必要とする。その理由は、遠く離れてお
り、描画上関係を有していなかった2つの箱の間に新し
く箱が挿入されることにより関係が発生することがある
ためである。
【0054】A−4 隠れ判断 本実施の形態における隠れ判断の方法を、図6を用いて
説明する。図6には、2つの隠れの関係を検査される対
象である2つの箱が示されている。そして、これらの2
つの箱を2次元上に写像して表示した場合の図が示され
ている。図6において、細い線で描かれており、頂点p
b1〜pb7を有する箱は、これから隠れの検査の対象
となる箱Bであり、隣接する箱Aによって、隠されるか
否かが検査されるのである。図6に示されているよう
に、箱Aは太い線で描かれており、頂点pa1〜pa7
を有する箱である。
【0055】また、各箱A、Bを、2次元上に写像した
場合に、各箱A、BのZ軸方向の辺の延長線と、Y軸と
が交わる点であるY切片を、それぞれa1、a2、a
3、a4、b1、b2、b3、b4とする。
【0056】以下、人にこの2つの箱A、Bがどのよう
に見えるかについて以下のように検査する。
【0057】まず、自分すなわち箱Bの奥の辺のY座標
を、BRで表す。そして、相手すなわち箱Aの奥の辺の
Y座標を、ARで表す。また、箱Bの奥の左辺のY座標
を、BLで表す。そして、箱Aの左辺の辺のY座標を、
ALで表す。
【0058】また、(箱Bの)頂点pb1のY座標をB
1Yで表し、頂点pb7のY座標をB7Yで表し、(箱
Aの)頂点pa1のY座標をA1Yで表し、頂点pa7
のY座標をA7Yで表す。
【0059】そして、自己(箱B)の底面の高さをBB
Hで表し、相手(箱A)の上面高さをAUHで表す。
【0060】また、WPB1Xと、WPA5Xとをそれ
ぞれ以下のようにして求める。
【0061】 WPB1X=WBX0+WBY0*COS(θ) WPA5X=WAX0+WAY0*COS(θ) +WAL+
WAW*COS(θ) ここで、 (WBX0、WBY0)=(pb1x、pb1y) (WAX0、WAY0)=(pa1x、pa1y) である。また、相手の箱(A)の長さをWALで表し、
相手の箱(A)の幅をWAWで表す。
【0062】本実施の形態においては、以上のような表
記方法を採用し、次に示すような式が全て満足される場
合には、隠れが発生しない。すなわち箱Bが、箱Aによ
って隠れることがない、と判断する。
【0063】BR≦AL BL≧AR b4≧a1 b2≦a4 B7Y>A1Y B1Y<A7Y BBH≧AUH WPB1X≧WPA5X このような検査をパレット上の全ての箱の相関において
検査し終わったとき隠れの判断が終了する。パレット上
には一般的におよそ200個程度にも及ぶ箱が積載され
る。そのため、その箱の順列組合せの相関をしらみつぶ
しに行ってしまってはCPUの計算時間が膨大なものと
なってしまい、マン−マシンインターフェイスを悪化さ
せてしまう。そこで、本実施の形態においては以下のよ
うな工夫をしている。
【0064】本実施の形態においては、箱の描画順を常
に把握している。この描画順は描画順リスト構造で管理
している。この描画順リストは、上述した図4の(a)
に示されているように、JYOUDAN$(−)内の
「描画順forwardリンク」と、「描画順back
リンク」とによって形成されている。この2つのリンク
ポインタによって、描画順を表すリスト構造が形成され
る様子が図7に示されている。図7に示されているよう
に、BYOUGA(−)には、「描画順リスト先頭ポイ
ンタ」と、「描画順リストエレメント数」とが記録され
ており、「描画順リスト先頭ポインタ」は一番最初に描
画されるべき箱のデータが記録されているアドレスを指
している。なお、このアドレスは、上述したJYOUD
AN$(−)内のアドレスである。図7に示されている
例では、一番最初に描画されるべき箱は箱1であり、2
番目に表示されるべき箱は箱4である。以下、順に箱
2、箱7、箱8、箱9の順に描画される。尚、最後の箱
9においては、「描画順forwardリンク」として
Φが書き込まれ、最後の箱であることを表している。
【0065】新たな箱がパレット上に積載された場合に
は、上述した描画順リストは、以下のようにして更新さ
れる。
【0066】まず、新たに積載された箱を、リスト中の
各エレメント(箱)との関係において隠れが生じるか否
かの検査を、各エレメント毎に行う。この検査は、上述
したような演算を行うことにより行われ、また、リスト
中の先頭のエレメントから順番に行われる。そして、新
たな箱が隠されるような箱が描画順リスト中に初めて見
い出された場合には、新たな箱を隠す箱以降の箱のグル
ープ(以下、グループ甲と呼ぶ)と、新たな箱を隠さな
い箱のブループ(以下、グループ乙と呼ぶ)との2つの
グループに描画順リストを分ける。
【0067】そして、グループ甲の最後に新たな箱をつ
け加える。
【0068】次にグループ乙に含まれる箱のそれぞれに
対して、上述した新しく加えられた箱と同様の処理を行
う。すなわち、グループ乙の箱それぞれを順番に、上記
グループ甲の各箱と隠れが生じるか否かについて検査を
行うのである。この場合、隠れが生じる箱が見い出され
た場合には、グループ乙に含まれていた箱をグループ甲
のその位置に配置し、先頭からその配置された箱までを
グループ甲`と名付ける。また、グループ甲のその位置
以降の部分を切り離してグループ乙`と名付ける。そし
て、グループ乙`に含まれる箱のそれぞれに対して、グ
ループ甲`に含まれる箱と順番に隠れが生じるか否かに
ついて検査を行うのである。このような処理がグループ
乙に箱がなくなるまで繰り返される。
【0069】このようにして、描画順リストを次々に分
割していって、新たな描画順リストを構築するのであ
る。このような演算処理を実現するために、いわゆる再
帰的処理が本実施の形態では採用されている。再帰的処
理が可能なルーチンを使用することにより、ルーチンの
中から、自分自身を呼び出すことができ、効率的な演算
が可能となる。
【0070】B.箱を積載する位置を指定する方法 操作者が箱を積みたい位置を3次元空間内で指定する為
には、その操作者にとって、その空間が見えていなけれ
ばならない。しかし、3次元空間は、人にとって、目を
ふさぐ障害物がある場合には見えなくなってしまい、
「積みたい位置」の指定が不可能となってしまう。本実
施の形態においては、この問題を解決するために、3次
元空間での人の目の位置を固定し(見る角度は後からの
指示により変更可能)、3次元空間でのものの見え方
と、真上からの平面図によるものの見え方との両方を表
示することにより、操作者が容易に積みたい位置を指示
することが可能となる。
【0071】本実施の形態において特徴的なことは、こ
のように2種類の図を操作者に同時に表示することによ
り、3次元空間における位置の指定が可能となったこと
である。すなわち、操作者は3次元空間イメージ図を参
照しながら2次元平面図で場所を指定することによりプ
ログラムが人の意思を解釈し「しかるべき位置」に箱を
表示してあげることにより「積むべき位置」を決定して
いる。
【0072】このとき、計算機と操作者とのインターフ
ェイスにおいて、「計算機画面の解像度」と、「入力機
器(マウス)の曖昧さ」と、「人の指定の曖昧さ」が発
生し、人の指示通りに位置を解釈すると、誤差が過大な
ものとなってしまう。そのため、ロボットがものを積む
ために要求される位置精度を達成するために、後述の
「前提」と「解釈」とを考慮に入れて、指定位置に対
し、一定の補間を行うことによって、所定の位置精度を
実現している。
【0073】B−1 入力手段 本実施の形態においては、全ての入力・指示は、マウス
によって、行われている。
【0074】B−2 表示手段 本実施の形態においては、上述したようにコンベア上を
流れてくる箱を常時8箱、流れの順に立面図で表示し、
操作者が積み姿を容易に想像できるようにしている。ま
た、パレット上の容積率の目安としてパレット長さ*幅
*積み付け許容高さの80パーセントを100として全
箱の体積総和率を表示している。これによって、効率の
良い積み付けが可能となる。
【0075】また、特殊容器(プラスチック箱のような
上が開いているもの)の全体は個数を表示し、特殊配慮
の可能性を操作者に知らせるようにしてある。また、い
わゆる「先積み後崩しルール」において届け先単位毎に
全体に対する容積パーセンテージと、特殊容器の個数と
が示されている(ように構成した)。更に、パレット上
の全体荷姿立面図画面42と、全体荷姿平面図画面44
とを同時に異なるウィンドウに表示し積み荷姿が操作者
に容易にイメージできるように構成されている。
【0076】B−3 写像 本実施の形態においては、3次元空間と、2次元表示空
間とは、次の変換式を用いて、変換している。
【0077】x=X+Ycos(θ) ここで、
θは任意の視角角度である。
【0078】y=Z+Ysin(θ) ここで、
θは任意の視角角度である。
【0079】また、2次元座標(0、0)−(320
0、3200)を、(0、0)−(199、199)の
2次元CRT空間に表示する。
【0080】B−4 曖昧さを補正するための前提 上述したように、3次元上において操作者が指示する位
置はある程度の曖昧さを有している。この曖昧さを排除
するために、本実施の形態においては一定のルールがあ
らかじめ決められているものとの前提を設けている。
【0081】前提1:人はパレット上に「先積み後崩し
ルール」に則って箱を積みたいという意思がある。
【0082】前提2:人はなるべく充填率の良い積み方
をしたいという意思がある。
【0083】前提3:積むべき箱は、人の意思とは関係
なく概ね配送ルート順に流れてくるものとする。
【0084】B−5 操作者が何処に積もうと思ったか
の解釈の仕方 この解釈は以下の複数のステップを実行することによっ
て行われる。
【0085】(ステップ1)今回の箱がどの箱の上に乗
せられようとしているかの判断は、指定された近辺で自
分の重心が(現実に)乗る箱(パレットも含まれる)を
探すことにより行われる。この探索は、上述した最上段
リンクリストの中から所望の箱を検索することにより行
われる。
【0086】(ステップ2)今回の箱がブリッジをなす
ような積み方をなされようとしているか否かの判断を以
下のように行う。
【0087】(ステップ2−1)自分の左近傍(±15
0mm)において、自己の底面より高い上面を有する箱
を探す。
【0088】(ステップ2−2)自分の奥行き近傍(±
150mm)において、自己の底面より高い上面を有す
る箱を探す。
【0089】(ステップ2−3)自分の右近傍(±15
0mm)において、自己の底面より高い上面を有する箱
を探す。
【0090】(ステップ2−4)自分の手前近傍(±1
50mm)において、自己の底面より高い上面を有する
箱を探す。
【0091】(ステップ2−5)上記ステップ2−1か
ら、ステップ2−4までのステップにおいて見つけられ
た箱の集団を集団Aと呼ぶ。そして、この集団Aの中か
ら、以下の条件が成立するものを探す。
【0092】XBL+α≦XAR≦XBG、YBU−α
≧YAD≧YBD または XBL+α≦XAR≦XBG、YBU≧YAU≧YBD
+α または XBL+α≦XAR≦XBG、YAU≧YBU、YAD
≦YBD ここで、XARは集団A中の検査対象である箱の右辺で
あり、YADは前記箱の手前の辺であり、XAUは前記
箱の奥の辺である。また、XBLは自己の箱の左辺であ
り、YBUは自己の箱の奥の辺であり、YBDは自己の
箱の手前の辺であり、XBGは自己の箱の重心である。
【0093】尚、上記αは、通常は10mm〜20mm
程度の値であり、引っかかりの程度をどの程度まで見る
かを表す数である。具体的には、積もうとしている箱が
段ボール箱か、もしくは金属箱かで決まる値である。
【0094】上記いずれかの条件を満足する箱の集団を
集団Lと称する。また、この集団Lの要素数をNLで表
す。この集団Lは、自己の箱の左側において引っかかる
可能性の箱の集団である。
【0095】(ステップ2−6)次に上記集団Aの中か
ら、以下の条件が成立するものを探す。
【0096】XBR−α≧XAL≧XBG、YBU−α
≧YAD≧YBD または XBR−α≧XAL≧XBG、YBU≧YAU≧YBD
+α または XBR−α≧XAL≧XBG、YAU≧YBU、YAD
≦YBD ここで、XALは集団A中の検査対象である箱の右辺で
あり、YADは前記箱の手前の辺であり、XAUは前記
箱の奥の辺である。また、XBRは自己の箱の右辺であ
り、YBUは自己の箱の奥の辺であり、YBDは自己の
箱の手前の辺であり、XBGは自己の箱の重心である。
【0097】尚、上記αは、通常は10mm〜20mm
程度の値であり、引っかかりの程度をどの程度まで見る
かを表す数である。具体的には、積もうとしている箱が
段ボール箱か、もしくは金属箱かで決まる値である。
【0098】上記いずれかの条件を満足する箱の集団を
集団Rと称する。また、この集団Rの要素数をNRで表
す。この集団Rは、自己の箱の右側において引っかかる
可能性の箱の集団である。
【0099】(ステップ2−7)次に上記集団Aの中か
ら、以下の条件が成立するものを探す。
【0100】YBU−α≧YAD≧YBG、XBL≦X
AL≦XBR−α または YBU−α≧YAD≧YBG、XBR≧XAR≧XBL
+α または XBU−α≧XAL≧XBG、XAR≧XBR、XAL
≦XBL ここで、XALは集団A中の検査対象である箱の右辺で
あり、XARは前記箱の右辺であり、YADは前記箱の
手前の辺である。また、XBRは自己の箱の右辺であ
り、XBLは自己の箱の左辺であり、YBUは自己の箱
の奥の辺であり、XBGは自己の箱の重心である。
【0101】尚、上記αについては、ステップ2−5、
2−6と同様である。
【0102】上記いずれかの条件を満足する箱の集団を
集団Uと称する。また、この集団Uの要素数をNUで表
す。この集団Uは、自己の箱の奥側において引っかかる
可能性の箱の集団である。
【0103】(ステップ2−8)次に上記集団Aの中か
ら、以下の条件が成立するものを探す。
【0104】 YBD+α≧YAU≧YBG、XBL≦XAL≦XBR
−α または YBD+α≧YAU≧YBG、XBR≧XAR≧XBL
+α または XBD+α≧YAU≧YBG、XAR≧XBR、XAL
≦XBL ここで、XALは集団A中の検査対象である箱の右辺で
あり、XARは前記箱の右辺であり、YAUは前記箱の
奥の辺である。また、XBRは自己の箱の右辺であり、
XBLは自己の箱の左辺であり、YBDは自己の箱の手
前の辺であり、XBGは自己の箱の重心である。
【0105】尚、上記αについては、ステップ2−5、
2−6、2−7と同様である。
【0106】上記いずれかの条件を満足する箱の集団を
集団Dと称する。また、この集団Dの要素数をNDで表
す。この集団Dは、自己の箱の手前側において引っかか
る可能性の箱の集団である。
【0107】(ステップ2−9)このようにして作成し
た集団L、R、U、Dの中から一番上面の高い箱を見つ
けだし、その高さ〜その高さ−βの範囲にある集団L、
R、U、Dのエレメントを探し出し、集団LL、RR、
UU、DDを作りだし、それぞれのエレメント数をM
L、MR、MU、MDで表す。このエレメント数ML、
MR、MU、MDの値によって、以下のステップ2−1
0〜2−13のいずれか又は2つ以上のステップが実行
されることになる。
【0108】(ステップ2−10)上記ML、MR、M
U、MDがいずれも「0」でない場合には少なくとも4
点によって、自己の箱が支えられていることになる。す
なわち完全ブリッジとなる。そのため、この一番高い上
面を自分の底面の高さとして決定する。そして、自分の
箱が乗ったために自分の下になった箱の残りのフリー面
積の再計算を行い、この残面積が規定値以下となったら
最上段リンクリストよりはずすのである。一方、自分の
箱は最上段リンクリストの所定の場所に挿入される。
【0109】(ステップ2−11)上記ML、MRのど
ちらも「0」でない場合には、箱の重心YBGが集団L
L、RRの両集団に対して、YAU≧YBG≧YADで
あれば安定なブリッジであるので、この一番高い上面を
自分の箱の底面高さとして決定する。そして、自分の箱
が乗ったために自分の下になった箱の残りのフリー面積
の再計算を行い、この残面積が規定値以下となったら最
上段リンクリストよりはずすのである。一方、自分の箱
は最上段リンクリストの所定の場所に挿入される。
【0110】(ステップ2−12)上記MU、MDのど
ちらも「0」でない場合には、箱の重心XBGが集団U
U、DDの両集団に対して、XAL≧XBG≧XARで
あれば安定なブリッジであるので、この一番高い上面を
自分の箱の底面高さとして決定する。そして、自分の箱
が乗ったために自分の下になった箱の残りのフリー面積
の再計算を行い、この残面積が規定値以下となったら最
上段リンクリストよりはずすのである。一方、自分の箱
は最上段リンクリストの所定の場所に挿入される。
【0111】(ステップ2−13)同様にして上記M
L、MR、MU、MDのいずれか3つが「0」でない場
合には、重心の位置判断によってブリッジが成立してい
れば、その積載位置が採用される。
【0112】(ステップ3)集団Aが存在しない場合に
は、過去の川の最右端にすりよらせて位置決めを行う。
集団Aが存在しない場合とは、いわゆる何も置かれてい
ない広いところにおいてクリックがなされたような場合
である。このときにおいても自分が乗ったことでその下
になった箱がある場合には、その下になった箱の上面の
フリー面積の残面積を計算する。この残面積が規定値以
下になった場合には、最上段リンクリストからこの箱を
はずすのである。一方、自分は最上段リンクリスト中の
所定の位置に挿入される。
【0113】(ステップ4)集団Aは存在するものの、
安定ブリッジ条件が成立しない場合には、すりより処理
と引っかかりチェックとが行われる。奥へのすりより
と、左へのすりより(本実施の形態においては、積み荷
は向かって左側から積まれるものとする)とが行われ
る。但し、奥、左ともに自分の乗っているものの境界を
越えてすりよることはしない。このようなすりより処理
を行った後、手前引っかかり、右引っかかりのチェック
を行い、引っかかった場合はクリック(指定)誤りであ
ると判断して、操作者に対し再入力を促す。もし、引っ
かかりがない場合には、補正された位置を指定位置とし
て採用し、その位置に自分の箱を積むのである。このと
きも自分が乗ったことでその下になった箱がある場合に
は、その箱の上面のフリー面積の残面積を計算し、この
計算された面積が所定の規定値以下になった場合には、
この箱を最上段リンクリストからはずし、一方、自分の
箱は最上段リンクリストの所定の位置に挿入される。
【0114】C.ロボットの作業環境への適応 本実施の形態においては、上述したようにして、操作者
が積み荷を積載する位置を指定し、これに基づいて、最
適な位置を算出した。このようにして算出された最適な
位置に、ロボットが積み荷を積むのである。本実施の形
態においては、このロボットの動作について種々の工夫
がなされている。以下、順に説明する。
【0115】C−1 左利き、右利きの環境設定 ロボットは、いわゆる右利きで作業をさせられたり、左
利きで作業をさせられたりする。ここで、いわゆる左利
きとは、ロボットから見て右方向よりものを運び、左手
奥から右手前に向けてものを運んでいく形態と定義す
る。逆に右利きとは、左方向からものを運んで、右奥か
ら左手前に向けてものを積んでいく形態である。
【0116】C−2 パラメータ 本実施の形態においては、コンベア、すなわち、ロボッ
トがものを掴む位置を、ユーザが5箇所指定できるよう
にしてある。この指定は、本実施の形態では、パラメー
タとして装置内部に記憶保持される。このパラメータ
は、(X、Y、Z、Θ)である。それぞれX座標、Y座
標、Z座標、を表し、最後のΘはロボットがものを掴む
ときのハンド角である。
【0117】C−3 仮置き場所 本実施の形態においては、仮置き場所、すなわち、もの
を仮においておく場所を、ユーザが5箇所指定できるよ
うにしてある。この指定は、本実施の形態では、パラメ
ータとして装置内部に記憶保持される。このパラメータ
は、(X、Y、Z、Θ)である。それぞれX座標、Y座
標、Z座標、を表し、最後のΘはロボットがものを掴む
ときのハンド角である。
【0118】C−4 動作モード 本実施の形態における装置は、リアルタイムモードと、
シミュレーション&実行モードとの2種類の動作モード
を有している。また、各モードは、ステップ実行と、自
動実行との2種類の実行方法を採用することができる。
【0119】リアルタイムモードとは、実際に操作者の
指示に従って、ロボットが段ボール箱などの積み荷をパ
レット上に積載していくモードである。また、シミュレ
ーション&実行モードとは、ものの移動を伴わずに、単
にコンピュータ上で積み荷の積載を試しに行ってみるモ
ードである。このモードにおいては、シミュレーション
の結果は、コンピュータ内部に記憶保持されており、実
行段階において、操作者が手を加えなくとも、装置が自
動的に内部に記憶された動作に基づいて、実際のものの
積載をロボットに指示するのである。
【0120】C−5 ユーザが指定するパラメータ 本実施の形態においては、パレットの位置及び大きさ、
及び積み付け許容高さをユーザが設定できるようにして
ある。すなわち、パレットの位置、大きさ及び積み付け
許容高さはユーザがパラメータとして指定することが可
能である。
【0121】D.人の操作に関する事項 本実施の形態によれば、操作者の指示によって、最適な
積載位置を算出し、ロボットによる迅速な積み付けを行
うことが可能である。
【0122】また、本実施の形態によれば、操作ガイダ
ンスも含めて全てマウスクリックで行えるように構成
し、キーボード入力をいっさいなくしてある。
【0123】また、積み付けのやり直しや、操作ガイダ
ンスの選択のやり直しなど全ての操作のやり直しができ
るように構成されている。特に、本実施の形態において
は、積み付けに関するやり直しは、コンベア、仮置き、
パレット間の移動経緯及びその際のハンド回転なども復
元しなければならない。そのため、図8に示されている
データ構造を有する操作手順リストが操作とともに作成
されるようにし、係る問題を解決するように構成されて
いる。
【0124】図8に示されているOPESEQ$(−)
は、openoをインデックスとするデータ構造体であ
り、移動起点id、移動先id等を項目として含んでい
る。
【0125】移動起点idは、操作がものの移動である
場合にその起点を表すものである。この移動起点idの
例が図9に示されている。図9に示されているように、
移動起点idは、コンベアA、B、C、D、Eや、仮置
場所1、2、3、4、5等である。
【0126】また、移動先idは、操作がものの移動で
ある場合にその移動先を表すものである。この移動先i
dの例も図9に示されている。図9に示されているよう
に、移動先idは、パレットPや、仮置場所1、2、
3、4、5等である。
【0127】また、現在の伝票番号や、現在の伝票内レ
コード番号は、操作が行われているときに取り扱ってい
る伝票の番号及びその伝票のレコード番号を表す。
【0128】また、レコード内箱番号はレコード中の箱
の番号を表す。
【0129】対応する箱基本管理テーブルのエレメント
番号は、箱のデータを全て保持している基本管理テーブ
ル内のエレメント番号を表す。このエレメント番号によ
って、データのリンクが行われているのである。
【0130】回転識別は、箱の向きを変えて積載される
のか否かについて表すものであり、その例も図9に示さ
れている。図9に示されているように、この回転識別は
1か2の値を採り、1である場合には回転しないことを
意味し、2である場合には90゜回転させることを表
す。
【0131】品種コードは、その積載される箱の内容物
の品種を表す。
【0132】L、W、Hは、それぞれ箱の長さ、奥行
き、高さを表す。
【0133】移動元は、箱が移動されるときの始点を表
し、X座標、Y座標、Z座標によって位置が表されてい
る。このX座標、Y座標、Z座標の説明図が図10に示
されている。図10に示されているように、これらの座
標はパレット上面の原点を基準とした座標系である。ま
た、OPESEQ$(−)内のX、Y、Zの各値は、箱
の左隅のパレット原点からの相対座標である。
【0134】つまり、画面の上で川を替えることはマウ
スクリックの場所指定では一般になかなかうまくその点
を指定することができない。そのため、本実施の形態に
おいては、川替えを指定しやすくするために川替えの為
の特別な「川替え」という操作ガイダンスのメニューを
設けている。上述した図2において操作ガイダンス画面
46の右下に「川替え」というメニューがあったが、こ
のメニューが川替えを円滑に行うための操作ガイダンス
画面を開くためのメニューである。本実施の形態におい
ては、この操作も上述した移動と同様に操作手順リスト
として、OPESEQ$(−)内に登録することにして
いる。この操作が動作手順リストに登録されている様子
が図11に示されている。
【0135】本実施の形態においては、パレット上に乗
せる箱として直方体の箱のみを考慮しているが、箱の中
には、特殊なものも多い。例えば、その箱の上には、同
一のものか、もしくは長さや幅がそれを越えるものしか
乗らないような箱がある。このような特殊容器に関して
は、他の通常の箱とは異なる色で画面に表示し、操作者
が特殊性を有する箱であることを認識することができる
ようにしてある。
【0136】E.その他の重要データ構造及びファイル
構造 本実施の形態に係るランダムパレタイズ装置において
は、パソコン12に管理のための種々のファイルが設け
られている。
【0137】E−1 品種マスターファイル HINSHU.TXTと、HINSORT.TXTとの
2つのマスターファイルが設けられている。このうち、
HINSHU.TXTは、HINNSHUをランダムに
記録したファイルであり、HINSORT.TXTは、
品種のマスターファイルを品種コードでソートしたもの
であり、両者とも同様のフォーマットである。これらの
ファイルのフォーマットの説明図が図11に示されてい
る。また、第一カラム目に*があるものはコメント行を
意味し、その具体的な例が後述する図13に示されてい
る。また、本実施の形態においては、図11に示されて
いるような様式のデータをファイルから読み込み、MA
STAR$(−)に蓄積している。この蓄積されている
様子が図12に示されている。このMASTAR$
(−)は、パソコン12内に記憶されている。また、読
み込んだレコードのmaxは、IMAXで抑えられてい
る。
【0138】E−2 伝票ファイル DENPYOU.TXTというファイルがパソコン12
内に記憶されている。このファイルの形式の説明図が図
13に示されている。この図13において、第一カラム
目に*があるものはコメント行を意味する。しかし、上
記品種マスターファイルとは異なり、この伝票ファイル
におけるコメント行は意味を有している。つまり、本実
施の形態においては、コメント行で伝票の始め/終わ
り、パレットの始め/終わりなどの区切りを表してい
る。これらの区切りは、図13に示されているように、
パレット毎、伝票毎にネスト構造を有している。図13
に示されているような例において、このコメントによる
ネスト構造を解釈し切れ目を制御している注文レコード
の形式は、図13に示されているような形式となる。
【0139】E−3 内部伝票管理配列変数 内部伝票管理配列変数DENPYOU$(−、−)が、
パソコン12内部に記憶されている。この配列変数は、
伝票ファイルと品種マスターファイルとを参照すること
によって、1パレット区切り、1伝票区切りの2次元配
列によって、伝票の内容を管理する配列変数である。こ
の配列変数の説明図が図14に示されている。この配列
変数は2次元の配列であるので、図14に示されている
ように、表の形式で表すことができる。ここで、伝票番
号IDXで示される配列の最後はレコードの終わりを示
すために「END」が挿入されている。
【0140】E−4 伝票分解データ 伝票分解データDSPREC$(−)は、1伝票を注文
レコード単位でなくて1箱毎に分解しその情報をシーケ
ンシャルに蓄積している1次元配列である。この伝票分
解データの形式が図16に示されている。尚、複数の伝
票のデータを表の形式に表した場合の様子が図15に示
されている。
【0141】E−5 仮置き管理 KARIOKI1$
(−)〜KARIOKI5$(−) 仮置き場における箱の管理を行う変数である。本実施の
形態においては、仮置き場は5箇所用意されており、各
仮置き場に対応して5個の変数が設けられている。尚、
各変数KARIOKI1$(−)〜KARIOKI5$
(−)の形式は同一であり、その詳細な説明図が図17
に示されている。尚、各仮置き場に置かれている箱の個
数はKNO1、KNO2、KNO3、KNO4、KNO
5で表されている。
【0142】F. 重要変数 本実施の形態におけるランダムパレタイズ装置におい
て、パソコン12が備えるソフトウェアには、以下のよ
うな変数が用いられている。
【0143】F−1 操作ガイダンス選択番号 操作ガイダンス選択番号を保持する変数としては、SL
CT1、SLCT2、SLCT3、SLCT4、および
BKNOがある。これらの変数は、操作ガイダンス画面
46において操作者の指示を表す変数である。
【0144】SLCT1は、操作ガイダンス画面46に
おける第一階層50における操作者の指示を表す変数で
ある。このSLCT1が、1のときは「コンベアからパ
レットへ」を意味し、2のときは「コンベアから仮置き
へ」を意味し、3のときは「仮置きからパレットへ」を
意味し、4のときは「川替え」を意味する。また、5の
ときは、「やり直し」を意味するものとする。尚、SL
CT1が5であって、やり直しを意味する場合には、変
数BKNOにおいてやり直しの影響度を指定するのであ
る。この変数BKNOについては後述する。
【0145】SLCT2は、操作ガイダンス画面46に
おける第二階層52aにおける操作者の指示を表す変数
である。このSLCT2が、1のときは「回転せず」を
意味し、2のときは「90゜回転」を意味し、3のとき
は「やり直し」を意味する。
【0146】SLCT3は、操作ガイダンス画面46に
おける第二階層52bにおける操作者の指示を表す変数
である。このSLCT3が、1のときは「仮置き1を指
定」したことを意味し、2のときは「仮置き2を指定」
したことを意味し、3のときは「仮置き3を指定」し、
4のときは「仮置き4を指定」したことを意味し、5の
ときは「仮置き5を指定」したことを意味する。また、
6のときは「やり直し」を意味する。
【0147】SLCT4は、操作ガイダンス画面46に
おける第三階層54aにおける操作者の指示を表す変数
である。上述したように、第三階層54aは、「パレッ
トのどこへ?」というメッセージを表示する階層であ
り、操作者は、係る指示に従い、マウスによって、積み
たい位置を指定する。変数SLCT4が1であるときは
「場所指定」がなされたことを意味し、2であるとき
は、「やり直し」、すなわち、マウスの右ボタンによる
クリックがなされたことを意味する。
【0148】変数BKNOは、変数SLCT2が6(す
なわち「やり直し」)である場合に参照される変数であ
り、やり直しがどの程度まで影響を与えるのかを示す変
数である。この変数BKNOが1であるときには伝票を
跨いでやり直すことを意味し、2であるときは注文レコ
ードを跨いでやり直しが行われることを意味し、3のと
きは単純にバックすることを意味し、4のときは仮置き
への復旧が行われることを意味し、5のときは川替えが
復旧することを意味する。
【0149】F−2 環境変数 その他、コンベアや、仮置きの管理のために様々な環境
変数が準備されている。以下、代表的な変数の例を説明
する。
【0150】変数ORIGINは、左利きか右利きかを
指定する変数であり、その値が1のときは左利きを示
し、2であるときは右利きを示す。
【0151】変数CVAX0、CVAY0、CVAZ
0,CVAHANDは、コンベアAのロボット座標を表
す。変数CVBX0、CVBY0、CVBZ0、CVB
HANDは、コンベアBのロボット座標を表す。変数C
VCX0、CVCY0、CVCZ0、CVCHAND
は、コンベアCのロボット座標を表す。変数CVDX
0、CVDY0、CVDZ0、CVDHANDは、コン
ベアDのロボット座標を表す。変数CVEX0、CVE
Y0、CVEZ0、CVEHANDは、コンベアEのロ
ボット座標を表す。
【0152】変数KA1X0、KA1Y0、KA1Z
0、KA1HANDは、仮置き1のロボット座標を表
す。変数KA2X0、KA2Y0、KA2Z0、KA2
HANDは、仮置き2のロボット座標を表す。変数KA
3X0、KA3Y0、KA3Z0、KA3HANDは、
仮置き3のロボット座標を表す。変数KA4X0、KA
4Y0、KA4Z0、KA4HANDは、仮置き4のロ
ボット座標を表す。変数KA5X0、KA5Y0、KA
5Z0、KA5HANDは、仮置き5のロボット座標を
表す。
【0153】また、本実施の形態においては、SIMF
LGという変数が準備されている。この変数SIMFL
Gは、シミュレーションであるのか、もしくは実際に積
み荷を積載するのかを指定する変数である。本実施の形
態においては、この変数が1である場合にシミュレーシ
ョンであることを意味し、2である場合に実際に積み荷
を積載することを意味する。更に、本実施の形態におい
ては、実行のモードをステップ実行か、もしくは連続的
に実行される自動実行か選択することが可能である。変
数EXMODEは、その値が1のときステップ実行を意
味し、2であるときは連続的に自動実行されることを意
味する。このステップ実行と自動実行とに関しては後に
詳述する。
【0154】また、PAREL、PAREW、HLIM
ITは、パレットの長さ、幅、積み付け許容高さをそれ
ぞれ表す変数である。
【0155】F−3 補正変数 積載の際の一定の誤差等を吸収するために、補正変数が
準備されている。
【0156】変数LYOYUは、左方向すりより時限度
間隔を表し、例えば本実施の形態においては10mmに
設定されている。また、変数RYOYUは、右方向すり
より時限度間隔を表す。変数UYOYUは、上方向すり
より時限度間隔を表す。そして、変数DYOYUは、下
方向すりより時限度間隔を表す。
【0157】また、本実施の形態におけるパソコン12
内のソフトウェアでは、定数として、THETA、α、
BETA、GANMAを使用している。ここで、THE
TAは、視角の定数であり、その値はπ/6である。α
は上述した引っかかりの程度を表す数であり本実施の形
態においては10mmである。BETAは、干渉候補近
傍値であり、本実施の形態においては、その値は150
mmである。GANMAは、採用近傍値であり、本実施
の形態においては、その値は100mmである。
【0158】G.リアルタイムモードとシミュレーショ
ンモード 本実施の形態におけるランダムパレタイズ装置は、上述
したように、操作者にリアルな積み姿図を表示すること
により、操作者がマウスによって積むべき位置を容易に
指示することが可能となった。
【0159】更に、本実施の形態に係るランダムパレタ
イズ装置は、その動作のモードとしてリアルタイムモー
ドと、シミュレーションモードとが備えられている。以
下、これら2つの動作のモードについて説明する。
【0160】リアルタイムモードとは、操作者が移動場
所の指定を行うと同時にロボットに対してその座標を指
定して動作指示が与えられるモードを言う。当然のこと
ではあるが、位置を指定すると同時にロボットに対して
動作指示がでてしまうので、やり直しの自由度は大きく
はない。やり直しを、そのまま直前の逆の行動として伝
えることは理論上は可能であるが、「物流」の世界にお
いては、次の積載すべきものが到着していることが多い
ので、一般的には事実上困難である。
【0161】シミュレーションモードとは、操作者が位
置の指定をしても計算機上でのみその経緯を記録してお
き、ロボットには同時には動作指示が行われないモード
を言う。本実施の形態に係るランダムパレタイズ装置に
おいては、シミュレーションの区切りは、1パレット毎
に荷姿確定の確認で行うものとしている。確定した荷姿
はファイルに記録され、ロボット制御ユーティリティで
そのフィル名を指定することにより実行される。この場
合は、荷姿を確定するまで、何度でもやり直しができる
という特徴を有する。尚、確定した荷姿が記録されるフ
ァイル名は、操作者が自由に指定することができる。
【0162】すなわち、リアルタイムモードにおいて
は、操作者が箱を積載すべき位置の指定を行うと同時に
ロボットに動作指示が出されるのであるが、シミュレー
ションモードでは、動作指示を行っても、計算機は、こ
の指示を記録しておくだけで、ロボットには指示は出さ
れないのである。そして、シミュレーションモードにお
いては、1パレットにおける荷姿を確定する旨の指示を
操作者が出すと、その1パレットの積み付け順が所定の
ファイルに記録されるのである。換言すれば、1パレッ
トにおける荷姿を確定する旨の指示を出す前であればそ
のパレットにおける積み付けは何度でもやり直しができ
るのである。このようにしてファイルに記録された積み
付け順は、その後、ロボット制御ユーティリティによっ
て実行される。このロボット制御ユーティリティという
プログラムは、ファイルに記録された積み付け順にした
がって、ロボットに積み付けを指示するのである。
【0163】一般に、物流においては搬送すべき商品の
順番が決まっていることが多い。例えば、一つの店舗に
おいて大きな商品から順に流されることも多い。このよ
うにあらかじめ商品の流れる順番が決まっている場合に
は、シミュレーションモードによって、積み付けの順番
をあらかじめ決めておくのが好適である。上述したよう
に、シミュレーションモードにおいては、一つのパレッ
トにおいて荷姿確定の指示を出すまでは何度でもやり直
しが可能であるので、充填率の高い好適な積み付けの手
順をあらかじめ決定しておくことが可能である。そし
て、この決定した順番をファイルに記録し、ロボット制
御ユーティリティによってかかる順番に従って積み付け
を自動的に行わせることが可能である。尚、このとき、
操作者はなんら操作をする必要がなく、画面上において
積み付けが行われる様子を監視するだけで良いことは言
うまでもない。
【0164】H.ステップ実行と自動実行 本実施の形態に係るランダムパレタイズ装置において
は、その動作モードとしてリアルタイムモードと、シミ
ュレーションモードとがあることを説明した。そして、
シミュレーションモードにおいては、ロボット制御ユー
ティリティが、ファイルに記録された動作の順にしたが
って、ロボットに動作の指示を出し、操作者は、具体的
な動作指示を行う必要がないことを述べた。
【0165】このロボット制御ユーティリティにおいて
は、その実行モードとして2つのモードを有している。
一つは、ステップ実行モードであり、もう一つは自動実
行モードである。
【0166】ステップ実行モードは、一つの動作毎に操
作者がENTERキーを押すことによりロボットに動作
指示が行われるモードである。一方、自動実行モード
は、ユーティリティを起動した後、自動的に所定のファ
イルを読み出し、積み付けを連続的に行う実行モードで
ある。
【0167】一般には、自動実行モードにより、連続し
て積み付けを行わせることが好適であるが、実験、試
験、検証などの際にはステップ実行モードにより、操作
者が一つ一つの動作を確認しながら実行を進める必要が
ある場合がある。係る場合に、ステップ実行モードは有
用なモードである。
【0168】I.ロボットとのインターフェイス 以下、本実施の形態のランダムパレタイズ装置における
ロボット22、ロボット28とのインターフェイスの概
要について説明する。
【0169】I−1 通信シーケンス ロボット22、28に対しては、XWRITEコマン
ド、又はVALコマンドによる通信が行われる。
【0170】XWRITEコマンドは、そのパラメータ
のfromと、toによって示される位置データによっ
て、所定の座標が指示される。このコマンドに対して
は、ロボット22、28から、ACKもしくはNAKな
どの信号が返ることにより、係るコマンドが受信された
ことが確認される。
【0171】VALコマンドは、動作完了のチェックの
ために用いられる。すなわち、このVALコマンドによ
るポーリングを行うことにより、ロボット22、28の
動作が完了したか否かが確認されるのである。このと
き、ロボット22、28からはインタロックデータが返
されることになる。
【0172】I−2 通信電文形式 上述したコマンドXWRITEの通信電文形式が図18
に示されている。図18に示されているように、STX
(スタートオブテキスト)は、hex“02”であり、
デバイスNO(番号)は、例えば“00”である。
【0173】また、図18に示されている「コマンド」
はXWRITEコマンドの場合、“(”であり、書き込
み開始変数名は、“H”であり、書き込み終了変数名
は、“T”である。また、インタロック値は、パレット
か開始時に“+00001”に設定され、XWRITE
電文を送出する度にインクリメント(+1)されるので
ある。
【0174】また、図18に示されているように、FR
OMは、X、Y、Z、Θの4つのパラメータを含んでい
るが、このうち、X、Y、Zは、“+NNNNN”、ま
たは“−NNNNN”であり、ロボット座標を示す。な
お、この単位は0.1mmである。Θは“+MMMM
M”、または“−MMMM”であり、ロボットハンド角
を示す。尚、この単位は、0.1度である。また、TO
についてのX、Y、Z、Θも同様である。
【0175】寸法は、L、W、Hの3つのパラメータを
含んでいるが、これらのパラメータは、“+LLLL
L”、または“−LLLL”であり、箱の寸法を表す。
尚、この単位は0.1mmである。箱特性である品種コ
ードは、“+XXXXX”であり、品種コードを示す。
例えば、“+00001”は、プラスチック箱を意味す
る。BCCは、STXの次から、BCCの前までの8単
位ビットの論理加算を行い、その結果を2文字の16進
文字に変換したコードである。最後にデータ区切りは、
Hexa 0Dである。
【0176】コマンドVALの通信電文形式が図19に
示されている。図19において、STX(スタートオブ
テキスト)は、XWRITEコマンドと同様にhex
“02”であり、デバイスNO(番号)は、XWRIT
Eコマンドと同様に例えば“00”である。
【0177】また、図19に示された「コマンド」はV
ALコマンドの場合、Hexa“27”であり、読み込
み開始変数名は、“C”であり、読み込み終了変数名
も、“C”である。また、BCCは、上記XWRITE
コマンドと同様にSTXの次から、BCCの前までの8
単位ビットの論理加算を行い、その結果を2文字の16
進文字に変換したコードである。最後にデータ区切りも
XWRITEコマンドと同様に、Hexa 0Dであ
る。
【0178】ACK/NAKの通信電文形式が図20に
示されている。図20において、STX(スタートオブ
テキスト)は、XWRITEコマンドと同様にhex
“02”である。また、ACK/NAKの部分には、A
CKのときは“=”が設定され、NAKのときは“−”
が設定されている。また、BCCは、上記XWRITE
コマンドと同様にSTXの次から、BCCの前までの8
単位ビットの論理加算を行い、その結果を2文字の16
進文字に変換したコードである。最後にデータ区切りも
XWRITEコマンドと同様に、Hexa 0Dであ
る。
【0179】I−3 インタロック パソコン12を介して、ロボットへ送信したデータのイ
ンタロックは変数名Hで取り扱われている。パレット開
始時にインタロック値は“+00001”に設定され、
位置データを送信する毎に、インクリメント(+1)が
なされる。ロボットの動作完了時のインタロックは変数
名Cを介して行われる。これは、パレットへの積載の開
始時に、変数名Cを“+00001”に設定することに
より行われる。
【0180】すなわち、まず、計算機側が送信インタロ
ックを変数名Hに書き込むと、ロボットは、変数Hが以
前のものと変わっていることにより新しいデータが送り
込まれたことを認識する。その後、ロボットが動作完了
をした場合に、ロボットは変数名Cに完了インタロック
を書き込む。これによって、計算機側は、完了インタロ
ックが以前のものと異なることを検出することによっ
て、直前に(計算機側が)行った動作指示による動作が
(ロボット側において)完了したものと判断することが
可能である。
【0181】I−4 障害リトライ回数 ロボットからNAKが返ってきたり、BCCエラーが検
出された場合におけるリトライ(再試行)の回数は、本
実施の形態においては両方とも5回に設定されている。
すなわち、NAKが5回連続して返ってきた場合には障
害が発生したと見なして警告を外部に発する。尚、本実
施の形態においては、無応答(動作完了変化せず)の場
合には、無限ポーリングを繰り返すようにしてあるが、
この場合でも、計算機側において操作者がSTOPキー
を押すことにより、制御を停止することができる。
【0182】J. 動作の具体例 以下、本実施の形態のシミュレーションモードにおける
具体的な動作の例を、図面に基づいて詳細に説明する。
シミュレーションモードにおいて、リアルタイムモード
と異なる点は、積み付けの操作順番がファイルとして保
存されるか否かだけであり、その他は全く同一である。
【0183】シミュレーションモード 上述した図2の状態から、箱が6個積まれた状態が図2
1に示されている。図2には、パレット上にまだ箱が積
まれていない状態が示されている。また、図21に示さ
れている様態においては、仮置き場3に箱が1個仮置き
されている様子が示されている。
【0184】図22には、操作ガイダンス画面46に、
第三階層54aが現れている様子が示されている。図3
における説明図において説明したように、この第三階層
54aが現れたときには、操作者は、マウスカーソルを
移動させて箱を積む位置を指定しなければならない。例
えば、図22に示されている例においては、全体荷姿平
面図画面44において、操作者は箱を積む位置を指定し
ている。
【0185】尚、全体荷姿立面図画面42の下部に示さ
れている数値はロボット座標X、Y、Z、Θである。
【0186】図22において指定した位置に箱が積まれ
た状態が図23に示されている。図22と、図23とを
比較することにより、操作者が指示した位置に箱が積ま
れていることが理解されよう。
【0187】図24には、図23に示されている状態か
ら、さらに箱が積まれる場合において、箱の上に箱が積
み上げられるように、マウスカーソルによる指示が行わ
れている例が示されている。
【0188】図24において指定した位置に箱が積まれ
た状態が図25に示されている。図24と、図25とを
比較することにより、操作者が指示した位置に箱が積ま
れていることが理解されよう。
【0189】図26には、仮置き場に数個の箱が置かれ
ている様子が示されている。図26に示されている例に
おいては、仮置き場1に1個の箱が、仮置き場2に2個
の箱が、それぞれ置かれている。
【0190】図27には、図26から、新たに2個の箱
が積まれた様子が示されている。ここで、留意すべき点
は、この新たな2個の箱が仮置き場1、2からではな
く、コンベアから搬送されてきた箱である点である。図
26と図27との入力表示画面40を比較すれば、図2
6における入力表示画面40において1と2との位置に
表示されていた箱が新たに積まれたことが理解されよ
う。
【0191】図28には、図27に示されている状態か
ら、仮置き場1に置かれていた箱が積まれた状態が示さ
れている。図28から理解されるように、図27におい
て新たに積まれた2個の箱の上に、仮置き場1にあった
箱が積まれている。
【0192】図29には、図28に示されている状態か
ら、コンベアから搬送されてきた2個の箱と、仮置き場
2に置かれていた2個の箱が積まれた状態が示されてい
る。
【0193】図30には、ちょうど2列目の「川」が完
成したところが示されている。図30の全体荷姿平面図
画面44に示されているように、ちょうど2つの川が形
成されていることが理解されよう。すなわち、この図3
0は、川替えが成立しているところを示す図である。
【0194】図31には、上の箱が下の箱の上面よりは
み出して置かれている図が示されている。このような場
合でも、上の箱の重心が下の箱の上面内に入っていれば
置くことが可能である。
【0195】図32には、3列目の川の途中に、いわゆ
る田の字型に小さな箱が一段目に4個積まれており、二
段目に同様の小さな箱が3個積まれている様子が示され
ている。図32においては、この二段目の4個目の箱の
位置をマウスカーソルが示しており、二段目にも4個目
の箱が積まれようとしている。
【0196】図33には、上記図32において指定され
た位置に小さな箱が積載された様子が示されている。こ
れによって、一段目及び二段目ともにいわゆる田の字型
に小さな箱が積まれている様子が理解されよう。
【0197】図34には、上記図33において示された
二段の田の字型に積まれている小さな8個の箱に、大き
な箱が1個積まれている様子が示されている。これはい
わゆるブリッジの状態と呼ばれる状態であり、この場
合、大きな箱は、下の4個の小さな箱に支えられてい
る。
【0198】図35には、図34から更に積み付けが進
んだ状態が示されている。図35に示されている例にお
いては、仮置き場1に1個の大きな箱が置かれている。
これは、後で折りコンの上に乗せるために、取っておい
たのである。仮置き場1にとっておかれた箱の使用法は
後述する。
【0199】図36には、図35の状態から川替えが行
われ、積み付けが進んだ状態が示されている。
【0200】図37には、図36の状態から、更に積み
付けが進んだ状態が示されている。更に、図38と、図
39とにも、上記図37の状態から積み付けが順次進ん
でいく様子が示されている。
【0201】図40には、上述した図35に示された状
態において取っておかれた大きな箱60が折りコン58
の上に乗せられている様子が示されている。本実施の形
態においては、折りコン58にはふたがついておらず、
その結果、この折りコン58の上には、折りコン58の
上面より小さい底面を有する箱を乗せることはできな
い。そこで、上述したように、あらかじめ折りコン58
より十分に大きな箱60が搬送されてきた場合には、こ
の大きな箱60を、仮置き場1(2〜4でもかまわな
い)に取っておき、折りコン58が積まれた後、この大
きな箱60を折りコン58の上に積み付けることが可能
である。
【0202】尚、図40においては、1個のパレットに
対する積み付けが完了している。このように積み付けが
完了すると、操作ガイダンス画面46には、「荷姿を確
定しますか?」というメッセージが表示される(図40
参照)。
【0203】これに対し、「Y」キーを押せば、荷姿は
確定する。一方、ここで「N」キーを押せば、荷姿は確
定せず、もう一度最初から積み付けをやり直すことが可
能である。すなわち、本動作例の説明は上記シミュレー
ションモードにおける積み付けを説明したわけである
が、リアルタイムモードにおいても積み付けの指示・操
作は全く同じである。異なる点は、図40に示されてい
るような「荷姿を確定しますか?」というメッセージ
が、リアルタイムモードにおいては表示されないことで
ある。
【0204】更に、本動作例において、「Y」キーを押
した場合には荷姿が確定する訳であるが、その積み付け
順を記憶・保存しておくファイル名を指定する必要があ
る。そのため、上述したように「Y」キーを押した場合
にはその操作ガイダンス画面46の下部に「保管ファイ
ル名?」というメッセージが表示され、積み付けも順番
を記録するファイル名の入力が促される。
【0205】以上のようにして、一つのパレットに対す
る積み付けが終了し、記録するファイル名等を指定する
と、これまでも積み付け手順が全てファイルに記録され
る。この記録が終了すると、画面には、図41に示され
ているように新たなパレットの様子が示され、新たな積
み付けを行う準備が既に完了している。
【0206】ロボット制御ユーティリティ 上記動作の例において示されているように、1パレット
における積み付けが終了する度に、指定された名称のフ
ァイルに積み付けの手順が記録される。このようにして
記録された積み付けの手順は、上述したロボット制御ユ
ーティリティを用いて実行される。
【0207】図42には、このロボット制御ユーティリ
ティの起動画面が示されている。図42に示されている
ように、ロボット制御ユーティリティは、起動される
と、まず、実行する確定荷姿ファイルの指定を促すメッ
セージを表示する。操作者は係るメッセージに従って、
実行するファイル名を入力する。図42においては、例
えば、ファイル名として、HONBAN.LOGが指定
されている。
【0208】尚、図42に示されているように、ロボッ
ト制御ユーティリティの画面は、全体立面図画面70
と、仮置き場画面72と、対象箱及び場所情報画面74
と、メッセージ画面76とに分割されている。
【0209】全体立面図画面70は、上述した全体荷姿
立面図画面42とほぼ同様であるが、箱を積む限界であ
る空間の線は表示されていない。すなわち、全体立面図
画面70には、初期状態においては、1個のパレットし
か表示されていない。
【0210】仮置き場画面72には、仮置き場の様子、
具体的には各仮置き場1〜5にどのような箱が置かれて
いるのかを表す。
【0211】対象箱及び場所情報画面74には、箱の内
容物や、何処の場所から、どの場所に移動するかなどの
各種の情報が表示される。
【0212】メッセージ画面76は、上述したように、
確定荷姿ファイルの指定をしたり、その他、操作者が各
種の指示を与えたりする画面である。
【0213】図43には、メッセージ画面76にステッ
プ実行を行うメッセージが表示されている様子が示され
ている。上述したように、ロボット制御ユーティリティ
における実行モードには、ステップ実行モードと、自動
実行モードとがあることを上に述べた。図43に示され
ている図には、このステップ実行モードが採用されてい
る場合の例が示されている。このため、メッセージ画面
76には、「ステップ実行を行います。ロボットがOK
なら何かキーを押してください。」とのメッセージが表
示され、箱を運搬する移動毎に操作者からのキー入力を
待つのである。操作者は、画面を監視しており、仮面に
表示される各種の値、及び荷姿などが正常であれば、何
かのキーを押し、積み付けを進めることになる。
【0214】図43に示された状態から、キーを何回か
押し、積み付けを進めた状態が図44に示されている。
また、積み付けが進み、折りコンの上に最後の大きな箱
を置く直前の状態が図45に示されている。
【0215】
【発明の効果】第一の本発明によれば、積載の様子を見
ながら、操作者は指示手段によって積載位置を指示でき
るので、容易に積み付けが可能なランダムパレタイズ装
置が提供できるという効果を奏する。
【0216】第二の本発明は、操作ガイダンスが表示さ
れるので、指示操作が容易なランダムパレタイズ装置が
得られるという効果を奏する。
【0217】第三の本発明によれば、操作者は、斜視図
と、平面図とを見ながら正確な積載位置を指定できるラ
ンダムパレタイズ装置が提供できるという効果を奏す
る。
【0218】第四の本発明によれば、操作者は仮置き場
に積み荷を置くことを、容易に指示可能なランダムパレ
タイズ装置が提供できるという効果を奏する。
【0219】第五の本発明によれば、シミュレーション
モードを有しているため、実際の積載をせずに、仮想的
に積載のいわば予行演習を行うことが可能である。ま
た、シミュレーションした積載の順序を記憶し、この順
序に従って、実際の積載が行えるので、自動積載が容易
に行えるランダムパレタイズ装置が提供できるという効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の好適な実施の形態であるランダムパ
レタイズ装置の構成図である。
【図2】 本発明の好適な実施の形態であるランダムパ
レタイズ装置のパソコンの画面の様子を表す説明図であ
る。
【図3】 本発明の好適な実施の形態であるランダムパ
レタイズ装置のパソコンの画面の操作ガイダンス画面の
階層構造の説明図である。
【図4】 本発明の好適な実施の形態であるランダムパ
レタイズ装置における1個の箱のデータ構造についての
説明図である。
【図5】 パレットに積載されている箱のうち、最上段
に位置する箱のみがリスト構造をなしていることを表す
説明図である。
【図6】 本実施の形態の隠れ判断の方法の説明図であ
る。
【図7】 本実施の形態において、箱の描画順を表すリ
スト構造が形成される様子を示す説明図である。
【図8】 本実施の形態において、操作手順リストのデ
ータ構造を説明する説明図である。
【図9】 本実施の形態において、操作手順リストにお
ける移動起点idの例を示す説明図である。
【図10】 本実施の形態において、移動起点id等を
指定する際のX座標、Y座標、Z座標の説明図である。
【図11】 本実施の形態において用いられる品種マス
ターファイルのフォーマットの説明図である。
【図12】 本実施の形態において、品種のマスターフ
ァイルからデータを読み込み、MASTAR$(−)に
蓄積されている様子の説明図である。
【図13】 本実施の形態におけるDENPYOU.T
XTというファイルの形式の説明図である。
【図14】 パソコン内部に記憶されている内部伝票管
理配列変数DENPYOU$(−、−)の説明図であ
る。
【図15】 本実施の形態における、複数の伝票のデー
タを表の形式に表した場合の説明図である。
【図16】 本実施の形態における個々の伝票分解デー
タの形式を表す説明図である。
【図17】 本実施の形態における仮置き場に対応する
変数KARIOKI1$(−)〜KARIOKI5$
(−)の形式を表す説明図である。
【図18】 本実施の形態においてランダムパレタイズ
装置からロボットに出力されるコマンドXWRITEの
通信電文形式を表す説明図である。
【図19】 本実施の形態においてランダムパレタイズ
装置からロボットに出力されるコマンドVALの通信電
文形式を表す説明図である。
【図20】 本実施の形態においてランダムパレタイズ
装置からロボットに出力されるコマンドACK/NAK
の通信電文形式を表す説明図である。
【図21】 本実施の形態におけるランダムパレタイズ
装置を用いて、図2に示された状態から、箱が6個積ま
れた状態の例を表す図である。
【図22】 操作ガイダンス画面に、第三階層が現れて
いる様子が示されている動作説明図である。
【図23】 図22において指定した位置に箱が積まれ
た状態を示す説明図である。
【図24】 図23に示されている状態から、さらに箱
が積まれる場合において、箱の上に箱が積み上げられる
ように、マウスカーソルによる指示が行われている様子
を示す説明図である。
【図25】 図24において指定した位置に箱が積まれ
た状態を示す説明図である。
【図26】 仮置き場に数個の箱が置かれている様子を
示す説明図である。
【図27】 図26の状態から、新たに2個の箱が積ま
れた様子を示す説明図である。
【図28】 図27に示されている状態から、仮置き場
に置かれていた箱が積まれた状態を示す説明図である。
【図29】 図28に示されている状態から、コンベア
から搬送されてきた2個の箱と、仮置き場2に置かれて
いた2個の箱が積まれた状態を示す説明図である。
【図30】 ちょうど2列目の「川」が完成したところ
を示す説明図である。
【図31】 上の箱が下の箱の上面よりはみ出して置か
れている状態の説明図である。
【図32】 3列目の川の途中に、いわゆる田の字型に
小さな箱が一段目に4個積まれており、二段目に同様の
小さな箱が3個積まれている様子を示す説明図である。
【図33】 図32において指定された位置に小さな箱
が積載された様子を示す説明図である。
【図34】 図33において示された二段の田の字型に
積まれている小さな8個の箱に、大きな箱が1個積まれ
ている様子を示す説明図である。
【図35】 図34から更に積み付けが進んだ状態を示
す説明図である。
【図36】 図35の状態から川替えが行われ、積み付
けが進んだ状態を示す説明図である。
【図37】 図36の状態から、更に積み付けが進んだ
状態を示す説明図が示されている。
【図38】 図37の状態から積み付けが順次進んでい
く様子を示す説明図である。
【図39】 図37の状態から積み付けが順次進んでい
く様子を示す説明図である。
【図40】 図35に示された状態において取っておか
れた大きな箱が折りコンの上に乗せられている様子を示
す説明図である。
【図41】 一つのパレットの積載が終了し、画面に箱
が積載されていない新たなパレットが示された状態を示
す説明図である。
【図42】 本実施の形態におけるロボット制御ユーテ
ィリティの起動画面を示す説明図である。
【図43】 メッセージ画面にステップ実行を行うメッ
セージが表示されている様子を示す説明図である。
【図44】 図43に示された状態から、キーを何回か
押し、積み付けを進めた状態を示す説明図である。
【図45】 図44に示されている状態から積み付けが
進み、折りコンの上に最後の大きな箱を置く直前の状態
を示す説明図である。
【符号の説明】
10 上位物流コンピュータ、12 パソコン、14
通常荷積み付け装置、16 シーケンサ通信局、18
ネットワーク荷積み付け装置、20 ロボット制御装
置、22 ロボット、24 シーケンサ、26 ロボッ
ト制御装置、28ロボット、30 シーケンサ、40
入力表示画面、42 全体荷姿立面図画面、44 全体
荷姿平面図画面、46 操作ガイダンス画面、50 第
一階層、52a、52b、52c 第二階層、54a、
54b、54c 第三階層、56第四階層。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 搬送されてくる複数の積み荷を、操作者
    の指示に基づきマニピュレータを用いてパレットの上に
    積むランダムパレタイズ装置において、 搬送されてくる複数の積み荷の外観を、前記操作者に示
    すために表示し、前記操作者に前記複数の積み荷の大き
    さ及び形状を知らせる入力表示手段と、 搬送されてくる複数の積み荷の内容を、前記操作者に示
    すために表示する情報表示手段と、 前記パレット上に積み荷が積載されている様子を示す積
    み姿図を、前記操作者に示すために表示する出力表示手
    段と、 前記出力表示手段により表示された積み姿図の上で、前
    記操作者の指示に基づき、積み荷を次に積載したい位置
    を指示する指示手段と、 前記指示手段によって指示された位置に基づき、最適積
    載位置を求める最適積載位置算出手段と、 前記最適積載位置算出手段によって求められた最適積載
    位置を前記マニピュレータに送出する送出手段と、 を含み、 前記積み荷の内容は、少なくとも前記積み荷の種類と品
    名とを含み、前記マニピュレータに積み荷を最適積載位
    置に積ませることを特徴とするランダムパレタイズ装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のランダムパレタイズ装置
    において、 前記操作者に、積み付け動作の指示の行い方を案内する
    ための操作ガイダンスを示す操作ガイダンス表示手段、 を含むことを特徴とするランダムパレタイズ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のランダムパレタイズ装置
    において、 前記出力表示手段は、 パレットに積載された積み荷を斜めから見た様子を表す
    斜視図を表示する斜視図表示手段と、 パレットに積載された積み荷を上方から見た様子を表す
    平面図を表示する平面図表示手段と、 を含むことを特徴とするランダムパレタイズ装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のランダムパレタイズ装置
    において、 前記指示手段は、 積み荷を前記パレット上ではなく、仮置き場に積むこと
    を指示する仮置き指示手段を含むことを特徴とするラン
    ダムパレタイズ装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のランダムパレタイズ装置
    において、更に、動作モードをリアルタイムモードと、
    シミュレーション実行モードと、を切り換える制御手段
    を含み、 前記リアルタイムモードにおいては、前記操作者の指示
    に従って、前記ロボットが積み荷をパレット上に実際に
    積載し、 前記シミュレーション実行モードにおいては、現実の積
    み荷の積載を伴わずに計算機上で仮想的に積載を行い、
    前記積載の手順を記憶するシミュレーションステージ
    と、前記シミュレーションステージの実行後に、前記シ
    ミュレーションステージにおいて記憶された積載の手順
    に基づいて、実際の積み荷の積載を行う実行ステージ
    と、 の2つのステージが実行されることを特徴とするランダ
    ムパレタイズ装置。
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