JPH117910A - 画像形成装置と画像表示装置 - Google Patents

画像形成装置と画像表示装置

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JPH117910A
JPH117910A JP16089697A JP16089697A JPH117910A JP H117910 A JPH117910 A JP H117910A JP 16089697 A JP16089697 A JP 16089697A JP 16089697 A JP16089697 A JP 16089697A JP H117910 A JPH117910 A JP H117910A
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陽一 大里
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好真 岡村
Nobuaki Oguri
宣明 大栗
Kazuo Kuroda
和生 黒田
Hirotsugu Takagi
博嗣 高木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像形成層値のスペーサに、その高抵抗膜に
電子線が当って放出する2次電子量は、高抵抗膜の面内
で帯電が除去される程度にバラツキを除去し、安定性が
高いスペーサ用帯電防止膜を提供する。 【解決手段】 真空雰囲気を維持する外囲器と、電子を
放出するための電子源と、電子の衝突により発光する蛍
光体を有する画像形成部材と、電子を画像形成部材に向
けて加速するための加速電極と、耐気圧構造体としての
スペーサとを有する画像形成装置において、該スペーサ
が高抵抗膜により被覆されており、該スペーサはあらか
じめ本装置の組み立て行程における最高温度以上の温度
で熱処理されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像形成装置に関
し、特に真空容器内のスペーサを高抵抗膜により被覆し
ている画像形成装置及びこれを用いた画像表示装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、電子放出素子として熱陰極素
子と冷陰極素子の2種類が知られている。このうち冷陰
極素子では、たとえば表面伝導型放出素子や、電界放出
型素子(以下FE型と記す)や、金属/絶縁層/金属型
放出素子(以下MIM型と記す)、などが知られてい
る。
【0003】表面伝導型放出素子としては、たとえば、
M.I.Elinson,Radio Eng.ElectronPhys.,10,1290,(196
5)や、後述する他の例が知られている。表面伝導型放出
素子は、基板上に形成された小面積の薄膜に、膜面に平
行に電流を流すことにより電子放出が生ずる現象を利用
するものである。この表面伝導型放出素子としては、前
記エリンソン等によるSnO2薄膜を用いたものの他
に、Au薄膜によるもの[G.Dittmer:"Thin Solid Fi
lms",9,317(1972)]や、In23/SnO2 薄膜による
もの[M.Hartwell and C.G.Fonstad:"IEEE Trans.ED
Conf.",519(1975)]や、カ−ボン薄膜によるもの[荒
木久 他:真空、第26巻、第1号、22(198
3)]等が報告されている。
【0004】これらの表面伝導型放出素子の素子構成の
典型的な例として、図15に前述のM.Hartwellらによる
素子の平面図を示す。同図において、3001は基板
で、3004はスパッタで形成された金属酸化物よりな
る導電性薄膜である。導電性薄膜3004は図示のよう
にH字形の平面形状に形成されている。該導電性薄膜3
004に後述の通電フォ−ミングと呼ばれる通電処理を
施すことにより、電子放出部3005が形成される。図
中の間隔Lは、0.5〜1[mm],Wは、0.1[m
m]で設定されている。尚、図示の便宜から、電子放出
部3005は導電性薄膜3004の中央に矩形の形状で
示したが、これは模式的なものであり、実際の電子放出
部の位置や形状を忠実に表現しているわけではない。
【0005】また、M.Hartwellらによる素子をはじめと
して、上述の表面伝導型放出素子においては、電子放出
を行う前に導電性薄膜3004に通電フォ−ミングと呼
ばれる通電処理を施すことにより電子放出部3005を
形成するのが一般的であった。すなわち、通電フォ−ミ
ングとは、導電性薄膜3004の両端に一定の直流電
圧、もしくは、例えば1V/分程度の非常にゆっくりと
したレ−トで昇圧する直流電圧を印加して通電し、導電
性薄膜3004を局所的に破壊もしくは変形もしくは変
質せしめ、電気的に高抵抗な状態の電子放出部3005
を形成することである。尚、局所的に破壊もしくは変形
もしくは変質した導電性薄膜3004の一部には、亀裂
が発生する。前記通電フォ−ミング後に導電性薄膜30
04に適宜の電圧を印加した場合には、前記亀裂付近に
おいて電子放出が行われる。
【0006】また、FE型の例は、たとえば、W.P.Dyke
&W.W.Dolan,"Field emission",Advance in Electron
Physics,8,89(1956)や、あるいは、C.A.Spindt,"Phys
icalproperties of thin-film field emission catho
des with molybdenium cones",J.Appl.Phys.,47,524
8(1976)などが知られている。
【0007】FE型の素子構成の典型的な例として、図
16に前述のC.A.Spindtらによる素子の断面図を示
す。同図において、3010は基板で、3011は導電
材料よりなるエミッタ配線、3012はエミッタコ−
ン、3013は絶縁層、3014はゲ−ト電極である。
本素子は、エミッタコ−ン3012とゲ−ト電極301
4の間に適宜の電圧を印加することにより、エミッタコ
−ン3012の先端部より電界放出を起こさせるもので
ある。また、FE型の他の素子構成として、図16のよ
うな積層構造ではなく、基板上に基板平面とほぼ平行に
エミッタとゲ−ト電極を配置した例もある。
【0008】また、MIM型の例としては、たとえば、
C.A.Mead,"Operationof tunnel-emission Devices,J.
Appl.Phys.,32,646(1961)などが知られている。MIM
型の素子構成の典型的な例を図17に示す。同図は断面
図であり、図において、3020は基板で、3021は
金属よりなる下電極、3022は厚さ100オングスト
ロ−ム程度の薄い絶縁層、3023は厚さ80〜300
オングストロ−ム程度の金属よりなる上電極である。M
IM型においては、上電極3023と下電極3021の
間に適宜の電圧を印加することにより、上電極3023
の表面より電子放出を起こさせるものである。
【0009】上述の冷陰極素子は、熱陰極素子と比較し
て低温で電子放出を得ることができるため、加熱用ヒ−
タ−を必要としない。したがって、熱陰極素子よりも構
造が単純であり、微細な素子を作成可能である。また、
基板上に多数の素子を高い密度で配置しても、基板の熱
溶融などの問題が発生しにくい。また、熱陰極素子がヒ
−タ−の加熱により動作するため応答速度が遅いのとは
異なり、冷陰極素子の場合には応答速度が速いという利
点もある。
【0010】このため、冷陰極素子を応用するための研
究が盛んに行われてきている。
【0011】たとえば、表面伝導型放出素子は、冷陰極
素子のなかでも特に構造が単純で製造も容易であること
から、大面積にわたり多数の素子を形成できる利点があ
る。そこで、たとえば特開昭64−31332号公報に
おいて開示されるように、多数の素子を配列して駆動す
るための方法が研究されている。
【0012】また、表面伝導型放出素子の応用について
は、たとえば、画像表示装置、画像記録装置などの画像
形成装置や、荷電ビ−ム源、等が研究されている。特
に、画像表示装置への応用としては、たとえばUSP5,06
6,883や特開平2−257551号公報や特開平4−2
8137号公報において開示されているように、表面伝
導型放出素子と電子ビ−ムの照射により発光する蛍光体
とを組み合わせて用いた画像表示装置が研究されてい
る。表面伝導型放出素子と蛍光体とを組み合わせて用い
た画像表示装置は、従来の他の方式の画像表示装置より
も優れた特性が期待されている。たとえば、近年普及し
てきた液晶表示装置と比較しても、自発光型であるため
バックライトを必要としない点や、視野角が広い点が優
れていると言える。
【0013】また、FE型を多数個ならべて駆動する方
法は、たとえば本出願人によるUSP4,904, 895に開示さ
れている。また、FE型を画像表示装置に応用した例と
して、たとえば、R.Meyerらによる[R.Meyer:"Recent D
evelopment on Microtips Display at LETI",Tech.Dige
st of 4th Int. Vacuum Microelectronics Conf.,Nagah
ama,pp.6〜9(1991)]で報告された平板型表示装置が知
られている。
【0014】また、MIM型を多数個並べて画像表示装
置に応用した例は、たとえば特開平3−55738号公
報に開示されている。
【0015】上記の様な電子放出素子を用いた画像形成
装置のうちで、奥行きの薄い平面型表示装置は省スペー
スかつ軽量であることから、ブラウン管型の表示装置に
置き換わるものとして注目されている。
【0016】図18は平面型の画像表示装置をなす表示
パネル部の一例を示す斜視図であり、内部構造を示すた
めにパネルの一部を切り欠いて示している。
【0017】図中、3115はリアプレート、3116
は側壁、3117はフェースプレートであり、リアプレ
ート3115、側壁3116およびフュースプレート3
117により表示パネルの内部を真空に維持するための
外囲器(気密容器)を形成している。
【0018】リアプレート3115には基板3111が
固定されているが、この基板3111上には冷陰極素子
3112が、n×m個形成されている。(n、mは2以
上の正の整数であり、目的とする表示画素数に応じ適宜
設定される。)また、前記n×m個の冷陰極素子311
2は、図18に示すとおり、m本の行方向配線3113
とn本の列方向配線3114により配線されている。こ
れら基板3111、冷陰極素子3112、行方向配線3
113および列方向配線3114によって構成される部
分をマルチ電子ビーム源と呼ぶ。また、行方向配線31
13と列方向配線3114の少なくとも交差する部分に
は、両配線間に絶縁層(不図示)が形成されており、電気
的な絶縁が保たれている。
【0019】フェースプレート3117の下面には、蛍
光体からなる蛍光膜3118が形成されており、赤
(R)、緑(G)、育(B)の3原色の蛍光体(不図
示)が塗り分けられている。また、蛍光膜3118をな
す上記各色蛍光体の間には黒色体(不図示)が設けてあ
り、さらに蛍光膜3118のリアプレート3115側の
面には、Al等からなるメタルバック3119が形成さ
れている。
【0020】また、Dx1〜DxmおよびDy1〜Dy
nおよびHvは、当該表示パネルと不図示の電気回路と
を電気的に接続するために設けた気密構造の電気接続用
端子である。Dx1〜Dxmはマルチ電子ビーム源の行
方向配線3113と、Dy1〜Dynはマルチ電子ビー
ム源の列方向配線3114と、Hvは高電圧を供給する
メタルバック3119と各々電気的に接続している。
【0021】また、上記気密容器の内部は10-6Tor
r程度の真空に保持されており、画像表示装置の表示面
積が大きくなるにしたがい、気密容器内部と外部の気圧
差によるリアプレート3115およびフェースプレート
3117の変形あるいは破壊を防止する手段が必要とな
る。リアプレート3115およびフェースプレート31
17を厚くすることによる方法は、画像表示装置の重量
を増加させるのみならず、斜め方向から見たときに画像
のゆがみや視差を生ずる。これに対し、図18において
は、比較的薄いガラス板からなり大気圧を支えるための
構造支持体(スペーサあるいはリブと呼ばれる)312
0が設けられている。このようにして、マルチビーム電
子源が形成された基板3111と蛍光膜3118が形成
されたフェースプレート3116間は通常サブミリない
し数ミリに保たれ、前述したように気密容器内部は高真
空に保持されている。
【0022】以上説明した表示パネルを用いた画像表示
装置は、容器外端子Dx1ないしDxm、Dy1ないし
Dynを通じて各冷陰極素子3112に電圧を印加する
と、各冷陰極素子3112から電子が放出される。それ
と同時にメタルバック3119に容器外端子Hvを通じ
て数百[V]ないし十数[kV]の高圧を印加して、上
記放出された電子を加速し、フェースプレート3117
の内面に衝突させる。これにより、蛍光膜3118をな
す各色の蛍光体が励起されて発光し、画像が表示され
る。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】以上説明した画像表示
装置の表示パネルにおいては、以下のような問題点があ
った。
【0024】第1に、スペーサ3120の近傍から放出
された電子の一部がスペーサ3120に 当たることに
より、あるいは放出電子の作用で、スペーサ帯電をひき
おこす可能性がある。このスペーサの帯電により冷陰極
素子3112から放出された電子はその軌道を曲げら
れ、蛍光体上の正規な位置とは異なる場所に到達し、ス
ペーサ近傍の画像がゆがんで表示される。
【0025】第2に、冷陰極素子3112からの放出電
子を加速するためにマルチビーム電子とフェースプレー
ト3117との間には数百V以上の高電圧(即ち、1k
V/mm以上の高電界)が印加されるため、スペーサ3
120表面での沿面放電が懸念される。特に、上記のよ
うにスペーサが帯電している場合は、放電が誘発される
可能性がある。
【0026】この問題点を解決するために、スペーサに
微小電流が流れるようにして帯電を除去する提案がなさ
れている(特開昭57−118355号公報、特開昭6
1−124031号公報)。そこでは絶縁性のスペーサ
の表面に高抵抗薄膜を形成することにより、スペーサ表
面に微小電流が流れるようにしている。ここで用いられ
ている帯電防止膜は酸化スズ、あるいは酸化スズと酸化
インジウム混晶薄膜や金属膜である。
【0027】上記提案に使用された酸化スズ等の半導体
型薄膜はガスセンサに応用されるほど酸素等のガスに敏
感なため雰囲気でその抵抗値が変化しやすい。また、こ
れらの材料あるいは金属膜は比抵抗が小さいために高抵
抗化するには島状に成膜したり、極めて薄膜化する必要
がある。すなわち、従来の高抵抗膜は成膜の再現性が難
しかったり、ディスプレイ作製工程でのフリット封着や
ベーキングといった熱工程で抵抗値が変化しやすいとい
う欠点があった。
【0028】また、スペーサ3120の近傍から放出さ
れた電子の一部が高抵抗膜に当たる際に放出される2次
電子量は、高抵抗膜の状態、膜厚に依存するために、高
抵抗膜を島状に成膜したり、極めて薄い膜として成膜す
る場合、高抵抗膜の面内で帯電状態にバラツキがでると
いう欠点があった。
【0029】本発明は上記従来スペーサの欠点を克服す
るものであり、安定性が高いスペーサ用帯電防止膜およ
びそれを用いた画像画像形成装置を提供するものであ
る。
【0030】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、以下の
構成を有する電子線装置により達成される。すなわち、
本発明は、真空雰囲気を維持する外囲器と、電子を放出
するための電子源と、電子の衝突により発光する蛍光体
を有する画像形成部材と、電子を画像形成部材に向けて
加速するための加速電極と、耐気圧構造体としてのスペ
ーサとを有する画像形成装置において、該スペーサが高
抵抗膜により被覆されており、該スペーサはあらかじめ
本装置の組み立て行程における最高温度以上の温度で熱
処理されていることを特徴とする。
【0031】また、上記画像形成装置において、前記ス
ペーサの熱処理が、前記本装置の組み立て行程における
最高温度での行程と同一の雰囲気中で行われることを特
徴とする。また、前記スペーサを被覆する高抵抗膜が酸
化ニッケル、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化クロムから選ばれ
る少なくとも1つの材料であることを特徴とする。さら
に、前記スペーサを被覆する高抵抗膜の厚みが20nm
以上であることを特徴とする。また、前記スペーサ1個
当たりの消費電力が1W以下であることを特徴とする。
また、前記スペーサがNaを含有するガラスからなり、
前記スペーサと高抵抗膜との中間に窒化シリコン膜を有
することを特徴とする。くわえて、前記高抵抗膜が前記
電子源の駆動用配線および前記加速電極に電気的に接続
されていることを特徴とする。また、前記抵抗膜が低抵
抗膜を介して前記電子源の駆動用配線および前記加速電
極に電気的に接続されていることを特徴とする。
【0032】また、上記画像形成装置において、前記電
子源が複数の表面伝導型電子放出素子であることを特徴
とする。また、上記画像形成装置において、前記スペー
サが高抵抗膜により被覆されており、高抵抗膜がNiO
膜の場合はその膜厚が20〜50nmであり、Fe23
膜の場合はその膜厚が50〜300nmであり、ZnO
膜の場合はその膜厚が10〜20nmであり、Cr23
膜の場合はその膜厚が50〜300nmであることを特
徴とする。さらに、本発明の画像表示装置は、マトリク
ス状のクロス点に形成された電子放出素子に画像信号に
応じた信号を加えることにより、フェースプレート上に
画像を視認することができるように、上記画像形成装置
を用いたことを特徴とする。
【0033】[作用]次に本発明の画像形成装置におい
て重要な構成部分であるスペーサについて図121を用
いて詳細に説明する。
【0034】(スペーサ1020の材質について)スペ
ーサ1020としては、電子源用行配線1014とメタ
ルバック1019間に加えられる1KVから30KV程
の高電圧に耐えるだけの絶縁性を有し、かつ大気圧や不
意の衝撃による外囲器の破壊を防止することができ、封
着工程で、破損しないものであれば、どのようなもので
あってもかまわない。
【0035】スペーサ1020の絶縁性基材1として
は、例えば石英ガラス、青板ガラス、アルミナなどのセ
ラミックス部材などが挙げられる。そしてその熱膨張率
が外囲器および電子源の絶縁性基板をなす部材と近いも
のが好ましい。
【0036】(高抵抗膜2について)高抵抗膜2として
は、帯電防止効果があり、スペーサ1020の両端に高
電圧が加えられてもリーク電流が小さいことが必要であ
る。これらを考慮するとその表面抵抗値が、105から
1012(オーム/□)の範囲であることが好ましい。
【0037】この材料としては、単一材料を用いて所定
の表面抵抗を得ようとすれば たとえば シリコン、ゲ
ルマニウム、ガリウムヒ素などの半導体、酸化錫、酸化
ニッケル、酸化亜鉛,などの酸化物半導体を用いること
ができる。
【0038】しかし実際にはその表面抵抗値が、105
から1012(オーム/□)の範囲である材料は誘電体に
近いもので、膜厚、膜形成条件などを十分検討しないと
好ましいものが得られないのが実情である。
【0039】実施例にて詳しく説明するが、画像形成装
置として組み立てられる際に400ないし500℃の高
温で処理されるので、組み立て温度で酸化あるいは分解
の反応の起こらない材料を用いることが必要である。表
面抵抗も、変化しない材料を用いることが望ましいが、
400ないし500℃の高温処理後に所定の表面抵抗値
になるように材料、組み合わせ比率を設計しなければな
らない。
【0040】高抵抗膜2にはさらにいくつかの特性が求
められる。ひとつは、表面抵抗値の温度変化が小さいこ
とである。一般に、半導体膜は温度が上昇すると電荷を
運ぶ担体の数が増加して、抵抗値が小さくなる。しか
し、スペーサ1020に高電圧を加えた時、リーク電流
で加熱され、さらに抵抗値が小さくなると、どんどん電
流が流れ出す熱暴走が起こる。
【0041】このため、高抵抗膜2の表面抵抗値は10
0℃の温度上昇でも(1/10)倍以下に低下しないよ
うに材料を選択する必要がある。
【0042】もうひとつは、画像形成装置として長時間
稼働後も、高抵抗膜2の表面抵抗値の変化が小さいこと
である。
【0043】上記のように電子源から放出された電子は
蛍光体、スペーサ、残留ガス分子と衝突して、種々のイ
オンを発生させる。これらのイオンおよび残留ガス分子
はすこしづつ高抵抗膜2の上に堆積する。そこで、表面
吸着で抵抗値が大きく変化するもの(通常は、吸着によ
って抵抗値が小さくなる)は、好ましくない。実験の結
果では、高抵抗膜2の膜厚が20nm以下の場合には表
面抵抗値の経時変化が大きい。
【0044】また、ソーダライムガラスなどアルカリ成
分を多く含むスペーサ基板では、画像表示として組み立
て封着時に高温で処理される際、あるいは高電圧印加時
に、ナトリウム元素などが基板表面に析出したり化合物
を形成したりする。この影響で、スペーサと上下プレー
トとの接続が不良になったり、抵抗の低い領域が形成さ
れたりする。
【0045】スペーサの抵抗値が場所(高さ方向)によ
って変化した場合、以下のように形成画像に乱れが生じ
る。 (1)蛍光体1018のあるフェースプレート1017
の近傍において、スペーサ1020の表面抵抗が増加し
ている場合、電界がフェースプレート1017側に集中
し、電子ビームはスペーサ1020から離れる方向に曲
がる。スペーサ1020とフェースプレート1017と
の電気的接続が不良の場合にも、同様に電子ビームの曲
がりを生じる。 (2)電子源基板のあるリアプレート側近傍でスペーサ
表面抵抗が増加した場合、電界がリアプレート側に集中
し、電子ビームはスペーサに近ずく方向に曲がる。スペ
ーサ1020と電子源配線との電気接続が不良の場合に
も、同様に電子ビームの曲がりが生じる。
【0046】本願発明者の鋭意検討の結果により、スペ
ーサ1020の表面抵抗値に場所ムラを生じさせない、
すなわちスペーサ1020の抵抗値を安定化させるため
には、高抵抗値を画像形成装置の組み立て工程で受ける
最高温度以上で熱処理することが有効であることが見い
だされた。さらには、画像形成装置の組み立て工程にお
ける最高温度となる工程と同じ雰囲気で熱処理すること
が組み立て工程中でのスペーサ1020の抵抗値の安定
化に有効であることもわかった。
【0047】スペーサ1020の抵抗値範囲を満足する
高抵抗膜材料としては、酸化ニッケル、酸化鉄、酸化亜
鉛、酸化クロムが適する。これらの材料をスペーサ10
20に被覆する方法として、真空蒸着法、スパッタ法、
化学的気相堆積法など真空成膜法や、有機溶媒あるいは
分散溶液法をディッピング、スピンコート法等で塗布
後、焼成する方法が適応可能であり、対象となる材料に
応じて適宜選択される。
【0048】さらに、基板の影響を抑えるために、アル
カリ元素が高抵抗膜2に拡散するのをブロックする効果
のある図6に示す下引き層61を、スペーサ基板1と高
抵抗膜2の間に設けることもできる。
【0049】下引き層61には緻密な膜を形成する材料
が好ましく、チッ化ケイ素、酸化アルミなどの薄膜を5
0nm以上、好ましくは200nm以上の厚さに設ける
ことで大きな効果を得られる。
【0050】
【発明の実施の形態】
[画像形成装置の表示パネルの構成と製造法]次に、本
発明を適用した画像形成装置の表示パネルの構成と製造
法について、具体的な例を示して説明する。
【0051】図1は、実施形態に用いた表示パネルの斜
視図であり、内部構造を示すためにパネルの一部を切り
欠いて示している。
【0052】図中、1015はリアプレート、1016
は側壁、1017はフェースプレートであり、1015
〜1017により表示パネルの内部を真空に維持するた
めの気密容器を形成している。気密容器を組み立てるに
あたっては、各材料の接合部に十分な強度と気密性を保
持させるため封着する必要があるが、たとえばフリット
ガラスを接合部に塗布し、大気中あるいは窒素雰囲気中
で、摂氏400〜500度で10分以上焼成することに
より封着を達成した。気密容器内部に真空に排気する方
法については後述する。また、上記気密容器の内部は1
-6[Torr]程度の真空に保持されるので、大気圧
や不意の衝撃などによる気密容器の破壊を防止する方法
で、耐大気圧構造体として、スペーサ1020が設けら
れている。
【0053】リアプレート1015には、基板1011
が固定されているが、該基板上には冷陰極素子1012
がn×m個形成されている。ここで、n,mは、2以上
の正の整数であり、目的とする表示画素数に応じて適宜
設定される。たとえば、高品位テレビジョンの表示を目
的とした画像形成装置においては、n=3000,m=
1000以上の数を設定することが望ましい。前記n×
m個の冷陰極素子は、m本の行方向配線1013とn本
の列方向配線1014により単純マトリックス配線され
ている。前記、1011〜1014によって構成される
部分をマルチ電子ビーム源と呼ぶ。
【0054】[マルチ電子ビーム源の構成]本発明の画
像形成装置に用いるマルチ電子ビーム源は、冷陰極素子
を単純マトリクス配線した電子源であれば、冷陰極素子
の材料や形状あるいは製法に制限はない。したがって、
たとえば表面伝導型放出素子やFE型、あるいはMIM
型などの冷陰極素子を用いることができる。
【0055】次に、冷陰極素子として表面伝導型放出素
子(後述)を基板上に配列して単純マトリクス配線した
マルチ電子ビーム源の構造について述べる。
【0056】図2に示すのは、図1の表示パネルに用い
たマルチ電子ビーム源の平面図である。基板1011上
には、後述の図102で示すものと同様な表面伝導型放
出素子が配列され、これらの素子は行方向配線電極10
03と列方向配線電極1004により単純マトリクス状
に配線されている。行方向配線電極1003と列方向配
線電極1004の交差する部分には、電極間に絶縁層
(不図示)が形成されており、電気的な絶縁が保たれて
いる。
【0057】図2のB−B′に沿った断面を、図3に示
す。
【0058】なお、このような構造のマルチ電子源は、
あらかじめ基板上に行方向電極1003、列方向配線電
極1004、電極間絶縁層(不図示)、および表面伝導
型放出素子の素子電極と導電性薄膜を形成した後、行方
向配線電極1003および列方向配線電極1004を介
して各素子に給電して通電フォーミング処理(後述)と
通電活性化処理(後述)を行うことにより製造した。
【0059】本実施形態においては、気密容器のリアプ
レート1015にマルチ電子ビーム源の基板1011を
固定する構成としたが、マルチ電子ビーム源の基板10
11が十分な強度を有するものである場合には、気密容
器のリアプレートとしてマルチ電子ビーム源の基板10
11自体を用いてもよい。
【0060】また、フェースプレート1017の下面に
は、蛍光膜1018が形成されている。本実施形態はカ
ラー表示装置であるため、蛍光膜1018の部分にはC
RTの分野で用いられる赤、緑、青、の3原色の蛍光体
が塗り分けられている。各色の蛍光体は、例えば図4の
(A)に示すように、ストライプ状に塗り分けられ、蛍
光体のストライプの間には黒色の導電体1010が設け
てある。黒色の導電体1010を設ける目的は、電子ビ
ームの照射位置に多少のずれがあっても表示色にずれが
生じないようにする事や、外光の反射を防止して表示コ
ントラストの低下を防ぐ事、電子ビームによる蛍光膜の
チャージアップを防止する事などである。黒色の導電体
1010には、黒鉛を主成分として用いたが、上記の目
的に適するものであればこれ以外の材料を用いても良
い。
【0061】また、3原色の蛍光体の塗り分け方は前記
図4(A)に示したストライプ状の配列に限られるもの
ではなく、たとえば図4(B)に示すようなデルタ状配
列や、それ以外の配列であってもよい。
【0062】なお、モノクロームの表示パネルを作製す
る場合には、単色の蛍光体材料を蛍光膜1018に用い
ればよく、また黒色導電材料は必ずしも用いなくともよ
い。
【0063】また、図1に示すように、蛍光膜1018
のリアプレート側の面には、CRTの分野では公知のメ
タルバック1019を設けてある。メタルバック101
9を設けた目的は蛍光膜1018が発する光の一部を鏡
面反射して光利用率を向上させる事や、負イオンの衝突
から蛍光膜1018を保護する事や、電子ビーム加速電
圧を印加するための電極として作用させる事や蛍光膜1
018を励起した電子の導電路として作用させる事など
である。メタルバック1019は、蛍光膜1018をフ
ェースプレート基板1017上に形成した後、蛍光膜表
面を平滑化処理し、その上にAlを真空蒸着する方法に
より形成した。なお、蛍光膜1018に低電圧用の蛍光
体材料を用いた場合には、メタルバック1019は用い
ない。
【0064】また、本実施形態では用いなかったが、加
速電圧の印加用や蛍光膜の導電性向上を目的として、フ
ェースプレート基板1017と蛍光膜1018との間
に、たとえばITOを材料とする透明電極を設けてもよ
い。
【0065】図5は図1のA−A′の断面模式図であ
り、各部の番号は図1に対応している。スペーサ102
0は、絶縁性部材1の表面に帯電防止を目的とした高抵
抗膜2を成膜し、大気を支持するのに必要ば数だけ、か
つ必要な間隔をおいて配置され、フェースプレートの内
側および基板1011の表面に接合材1040により固
定される。また、高抵抗膜2は、絶縁性部材1の表面の
うち、少なくとも気密容器内の真空中に露出している面
に成膜されており、スペーサ1020上の低抵抗膜62
および接合材1041を介して、フェースプレート10
17の内側(メタルバック1019等)及び基板101
1の表面(行方向配線1013または列方向配線101
4)に電気的に接続される。ここで説明される態様にお
いてはスペーサ1020の形状は薄板状とし、行方向配
線1013に平行に配置され、行方向配線1013に電
気的に接続されている。
【0066】スペーサ1020としては、基板1011
上の行方向配線1013および列方向配線1014とフ
ェースプレート1017内面のメタルバック1019と
の間に印加される高電圧に耐えるだけの絶縁性を有し、
かつスペーサ1020の表面への帯電を防止する程度の
導電性を有する必要がある。この点に関しては、既に述
べた通りである。
【0067】スペーサ1020の絶縁性部材1として
は、例えば石英ガラス、Na等の不純物含有量を減少し
たガラス、ソーダライムガラス、アルミナ等のセラミッ
クス部材等が挙げられる。なお、絶縁性部材はその熱膨
張率が気密容器および基板1011を成す部材と近いも
のが好ましい。
【0068】また、高抵抗膜2としては、既に述べたよ
うに帯電防止効果の維持及びリーク電流による消費電力
抑制を考慮して、その表面抵抗値Rsが105 [Ω/
□]から1012[Ω/□]の範囲のものであることが好
ましく、その材料としては前述の各種の材料が用いられ
る。
【0069】また、図6に示すように低抵抗膜62は、
高抵抗膜2に比べ十分に低い抵抗値を選択すればよく、
Ni,Cr,Au,Mo,W,Pt,Ti,Al,C
u,Pd等の金属、あるいは合金、及びPd,Ag,A
u,RuO2 ,Pd−Ag等の金属や金属酸化物とガラ
ス等から構成される印刷導体、あるいはIn23 −S
nO2 等の透明導体及びポリシリコン等の半導体材料等
より適宜選択される。
【0070】接合材1041はスペーサ1020が行方
向配線1013およびメタルバック1019と電気的に
接続するように導電性をもたせる必要がある。すなわ
ち、導電性接着材や金属粒子や導電性フィラーを添加し
たフリットガラスが好適である。
【0071】また、Dx1〜Dxm及びDy1〜Dyn
およびHvは、当該表示パネルと不図示の電気回路とを
電気的に接続するために設けた気密構造の電気接続用端
子である。Dx1〜Dxmはマルチ電子ビーム源の行方
向配線1013と、Dy1〜Dynはマルチ電子ビーム
源の列方向配線1014と、Hvはフェースプレートの
メタルバック1019と電気的に接続している。
【0072】また、気密容器内部を真空に排気するに
は、気密容器を組み立てた後、不図示の排気管と真空ポ
ンプとを接続し、気密容器内を10-7[Torr]程度
の真空度まで排気する。その後、排気管を封止するが、
気密容器内の真空度を維持するために、封止の直前ある
いは封止後に気密容器内の所定の位置にゲッター膜(不
図示)を形成する。ゲッター膜とは、例えばBaを主成
分とするゲッター材料をヒーターもしくは高周波加熱に
より加熱し蒸着して形成した膜であり、該ゲッター膜の
吸着作用により気密容器内は1×10-5ないしは1×1
-7[Torr]の真空度に維持される。
【0073】以上説明した表示パネルを用いた画像形成
装置は、容器外端子Dx1ないしDxm、Dy1ないし
Dynを通じて各冷陰極素子1012に電圧を印加する
と、各冷陰極素子1012から電子が放出される。それ
と同時にメタルバック1019に容器外端子Hvを通じ
て数百[V]ないし十数[kV]の高圧を印加して、上
記放出された電子を加速し、フェースプレート1017
の内面に衝突させる。これにより、蛍光膜1018をな
す各色の蛍光体が励起されて発光し、画像が表示され
る。
【0074】通常、冷陰極素子である本発明の表面伝導
型放出素子への1012への印加電圧は12〜16
[V]程度、メタルバック1019と冷陰極素子101
2との距離dは0.1[mm]から8[mm]程度、メ
タルバック1019と冷陰極素子1012間の電圧0.
1[kV]から10[kV]程度である。
【0075】以上、本発明の実施形態の表示パネルの基
本構成と製法、および画像形成装置の概要を説明した。
【0076】[マルチ電子ビーム源の製造方法]次に、
前記実施形態の表示パネルに用いたマルチ電子ビーム源
の製造方法について説明する。本発明の画像形成装置に
用いるマルチ電子ビーム源は、冷陰極素子を単純マトリ
クス配線した電子源であれば、冷陰極素子の材料や形状
あるいは製法に制限はない。したがって、たとえば表面
伝導型放出素子やFE型、あるいはMIM型などの冷陰
極素子を用いることができる。
【0077】ただし、表面画面が大きくてしかも安価な
形成装置が求められる状況のもとでは、これらの冷陰極
素子の中でも、表面伝導型放出素子が特に好ましい。す
なわち、FE型ではエミッタコーンとゲート電極の相対
位置や形状が電子放出特性を大きく左右するため、極め
て高精度の製造技術を必要とするが、これは大面積化や
製造コストの低減を達成するには不利な要因となる。ま
た、MIM型では、絶縁層と上電極の膜厚を薄くてしか
も均一にする必要があるが、これも大面積化や製造コス
トの低減を達成するには不利な要因となる。その点、表
面伝導型放出素子は、比較的製造方法が単純なため、大
面積化や製造コストの低減が容易である。また、発明者
らは、表面伝導型放出素子の中でも、電子放出部もしく
はその周辺部を微粒子膜から形成したものがとりわけ電
子放出特性に優れ、しかも製造が容易に行えることを見
いだしている。したがって、高輝度で大画面の画像形成
装置のマルチ電子ビーム源に用いるには、最も好適であ
ると言える。そこで、上記実施形態の表示パネルにおい
ては、電子放出部もしくはその周辺部を微粒子膜から形
成した表面伝導型放出素子を用いた。そこで、まず好適
な表面伝導型放出素子について基本的な構成と製法およ
び特性を説明し、その後で多数の素子を単純マトリクス
配線したマルチ電子ビーム源の構造について述べる。
【0078】電子放出部もしくはその周辺部を微粒子膜
から形成する表面伝導型放出素子の代表的な構成には、
平面型と垂直型の2種類があげられる。 (平面型の表面伝導型放出素子)まず最初に、平面型の
表面伝導型放出素子の素子構成と製法について説明す
る。図7に示すのは、平面型の表面伝導型放出素子の構
成を説明するための平面図(a)および断面図(b)で
ある。図中、1101は基板、1102と1103は素
子電極、1104は導電性薄膜、1105は通電フォー
ミング処理により形成した電子放出部、1113は通電
活性化処理により形成した薄膜である。
【0079】基板1101としては、たとえば、石英ガ
ラスや青板ガラスをはじめとする各種ガラス基板や、ア
ルミナをはじめとする各種セラミクス基板、あるいは上
述の各種基板上にたとえばSiO2 を材料とする絶縁層
を積層した基板、などを用いることができる。
【0080】また、基板1101上に基板面と平行に対
向して設けられた素子電極1102と1103は、導電
性を有する材料によって形成されている。たとえば、N
i,Cr,Au,Mo,W,Pt,Ti,Cu,Pd,
Ag等をはじめとする金属、あるいはこれらの金属の合
金、あるいはIn23 −SnO2 をはじめとする金属
酸化物、ポリシリコンなどの半導体、などの中から適宜
材料を選択して用いればよい。電極を形成するには、た
とえば真空蒸着などの製膜技術とフォトリソグラフィ
ー、エッチングなどのパターニング技術を組み合わせて
用いれば容易に形成できるが、それ以外の方法(たとえ
ば印刷技術)を用いて形成してもさしつかえない。
【0081】素子電極1102と1103の形状は、当
該電子放出素子の応用目的に合わせて適宜設計される。
一般的には、電極間隔Lは通常は数百オングストローム
から数百マイクロメーターの範囲から適当な数値を選ん
で設計されるが、なかでも表示装置に応用するために好
ましいのは数マイクロメーターより数十マイクロメータ
ーの範囲である。また、素子電極の厚さdについては、
通常は数百オングストロームから数マイクロメーターの
範囲から適当な数値が選ばれる。
【0082】また、導電性薄膜1104の部分には、微
粒子膜を用いる。ここで述べた微粒子膜とは、構成要求
として多数の微粒子を含んだ膜(島状の集合体も含む)
のことをさす。微粒子膜を微視的に調べれば、通常は、
個々の微粒子が離間して配置された構造か、あるいは微
粒子が互いに隣接した構造か、あるいは微粒子が互いに
重なり合った構造が観測される。
【0083】微粒子膜に用いた微粒子の粒径は、数オン
グストロームから数千オングストロームの範囲に含まれ
るものであるが、なかでも好ましいのは10オングスト
ロームから200オングストロームの範囲のものであ
る。また、微粒子膜の膜厚は、以下に述べるような諸条
件を考慮して適宜設定される。すなわち、素子電極11
02あるいは1103と電気的に良好に接続するのに必
要な条件、後述する通電フォーミングを良好に行うのに
必要な条件、微粒子膜自身の電気抵抗を後述する適宜の
値にするために必要な条件、などである。具体的には、
数オングストロームから数千オングストロームの範囲の
なかで設定するが、なかでも好ましいのは10オングス
トロームから500オングストロームの間である。
【0084】また、微粒子膜を形成するのに用いられう
る材料としては、たとえば、Pd,Pt,Ru,Ag,
Au,Ti,In,Cu,Cr,Fe,Zn,Ta,
W,Pb,などをはじめとする金属や、PdO,AnO
2 ,In23 ,PbO,Sb 23 ,などをはじめと
する酸化物や、HfB2 ,ZrB2 ,LaB6 ,CeB
6 ,YB4 ,GdB4 ,などをはじめとする硼化物や、
TiC,ZrC,HfC,TaC,SiC,WC,など
をはじめとする炭化物や、TiN,ZrN,HfN,な
どをはじめとする窒化物や、Si,Geなどをはじめと
する半導体や、カーボン、などがあげられ、これらの中
から適宜選択される。
【0085】以上述べたように、導電性薄膜1104を
微粒子膜で形成したが、そのシート抵抗値については、
103 から107 [オーム/sq]の範囲に含まれるよ
う設定した。
【0086】なお、導電性薄膜1104と素子電極11
02および1103とは、電気的に良好に接続されるの
が望ましいため、互いの一部が重なりあうような構造を
とっている。その重なり方は、図7の例においては、下
から、基板、素子電極、導電性薄膜の順序で積層した
が、場合によっては下から基板、導電性薄膜、素子電
極、の順序で積層してもさしつかえない。
【0087】また、電子放出部1105は、導電性薄膜
1104の一部に形成された亀裂状の部分であり、電気
的には周囲の導電性薄膜よりも高抵抗な性質を有してい
る。亀裂は、導電性薄膜1104に対して、後述する通
電フォーミングの処理を行うことにより形成する。亀裂
内には、数オングストロームから数百オングストローム
の粒径の微粒子を配置する場合がある。なお、実際の電
子放出部の位置や形状を精密かつ正確に図示するのは困
難なため、図7においては模式的に示した。
【0088】また、薄膜1113は、炭素もしくは炭素
化合物よりなる薄膜で、電子放出部1105およびその
近傍を被覆している。薄膜1113は、通電フォーミン
グ処理後に、後述する通電活性化の処理を行うことによ
り形成する。
【0089】薄膜1113は、単結晶グラファイト、多
結晶グラファイト、非晶質カーボン、のいずれかか、も
しくはその混合物であり、膜厚は500[オングストロ
ーム]以下とするが、300[オングストローム]以下
とするのがさらに好ましい。なお、実際の薄膜1113
の位置や形状を精密に図示するのは困難なため、図7に
おいては模式的に示した。また、平面図(a)において
は、薄膜1113の一部を除去した素子を図示した。
【0090】以上、好ましい素子の基本構成を述べた
が、実施形態においては以下のような素子を用いた。
【0091】すなわち、基板1101には青板ガラスを
用い、素子電極1102と1103にはNi薄膜を用い
た。素子電極の厚さdは1000[オングストロー
ム]、電極間隔Lは2[マイクロメーター]とした。
【0092】微粒子膜の主要材料としてPdもしくはP
dOを用い、微粒子膜の厚さは約100[オングストロ
ーム]、幅Wは100[マイクロメータ]とした。
【0093】(平面型の表面伝導型放出素子の製造方
法)次に、好適な平面型の表面伝導型放出素子の製造方
法について説明する。図8の(a)〜(d)は、表面伝
導型放出素子の製造工程を説明するための断面図で、各
部材の表記は前記図7と同一である。
【0094】(1)まず、図8(a)に示すように、基
板1101上に素子電極1102および1103を形成
する。
【0095】形成するにあたっては、あらかじめ基板1
101を洗剤、純水、有機溶剤を用いて十分に洗浄後、
素子電極の材料を堆積させる(堆積する方法としては、
たとえば、蒸着法やスパッタ法などの真空成膜技術を用
いればよい。)。その後、堆積した電極材料を、フォト
リソグラフィー・エッチング技術を用いてパターニング
し、(a)に示した一対の素子電極(1102と110
3)を形成する。
【0096】(2)次に、図8(b)に示すように、導
電性薄膜1104を形成する。
【0097】形成するにあたっては、まず前記(a)の
基板に有機金属溶液を塗布して乾燥し、加熱焼成処理し
て微粒子膜を成膜した後、フォトリソグラフィー・エッ
チングにより所定の形状にパターニングする。ここで、
有機金属溶液とは、導電性薄膜に用いる微粒子の材料を
主要元素とする有機金属化合物の溶液である(具体的に
は、本実施形態では主要元素としてPdを用いた。ま
た、実施形態では塗布方法として、ディッピング法を用
いたが、それ以上のたとえばスピンナー法やスプレー法
を用いてもよい。)。
【0098】また、微粒子膜で作られる導電性薄膜の成
膜方法としては、本実施形態で用いた有機金属溶液の塗
布による方法以外の、たとえば真空蒸着法やスパッタ
法、あるいは化学的気相堆積法などを用いる場合もあ
る。
【0099】(3)次に、図8(c)に示すように、フ
ォーミング用電源1110から素子電極1102と11
03の間に適宜の電圧を印加し、通電フォーミング処理
を行って、電子放出部1105を形成する。
【0100】通電フォーミング処理とは、微粒子膜で作
られた導電膜薄膜1104に通電を行って、その一部を
適宜に破壊、変形、もしくは変質せしめ、電子放出を行
うのに好適な構造に変化させる処理のことである。微粒
子膜で作られた導電性薄膜のうち電子放出を行うのに好
適な構造に変化した部分(すなわち電子放出部110
5)においては、薄膜に適当な亀裂が形成されている。
なお、電子放出部1105が形成される前と比較する
と、形成された後は素子電極1102と1103の間で
計測される電気抵抗は大幅に増加する。
【0101】通電方法をより詳しく説明するために、図
9に、フォーミング用電源1110から印加する適宜の
電圧波形の一例を示す。微粒子膜で作られた導電性薄膜
をフォーミングする場合には、パルス状の電圧が好まし
く、本実施形態の場合には同図に示したようにパルス幅
T1の三角波パルスをパルス間隔T2で連続的に印加し
た。その際には、三角波パルスの波高値Vpfを、順次
昇圧した。また、電子放出部1105の形成状況をモニ
タするためのモニターパルスPmを適宜の間隔で三角波
パルスの間に挿入し、その際に流れる電流を電流計11
11で計測した。
【0102】実施形態においては、たとえば10-5[t
orr]程度の真空雰囲気下において、たとえばパルス
幅T1を1[ミリ秒]、パルス間隔T2を10[ミリ
秒]とし、波高値Vpfを1パルスごとに0.1[V]
ずつ昇圧した。そして、三角波を5パルス印加するたび
に1回の割りで、モニターパルスPmを挿入した。フォ
ーミング処理に悪影響を及ぼすことがないように、モニ
ターパルスの電圧Vpmは0.1[V]に設定した。そ
して、素子電極1102と1103の間の電気抵抗が1
×106 [オーム]になった段階、すなわちモニターパ
ルス印加時に電流計1111で計測される電流が1×1
-7[A]以下になった段階で、フォーミング処理にか
かわる通電を終了した。
【0103】なお、上記の方法は、本実施形態の表面伝
導型放出素子に関する好ましい方法であり、たとえば微
粒子膜の材料や膜厚、あるいは素子電極間隔Lなど表面
伝導型放出素子の設計を変更した場合には、それに応じ
て通電の条件を適宜変更するのが望ましい。
【0104】(4)次に、図8の(d)に示すように、
活性化用電源1112から素子電極1102と1103
の間に適宜の電圧を印加し、通電活性化処理を行って、
電子放出特性の改善を行う。
【0105】通電活性化処理とは、前記通電フォーミン
グ処理により形成された電子放出部1105に適宜の条
件で通電を行って、その近傍に炭素もしくは炭素化合物
を堆積せしめる処理のことである(図においては、炭素
もしくは炭素化合物よりなる堆積物を部材1113とし
て模式的に示した。)。なお、通電活性化処理を行うこ
とにより、行う前と比較して、同じ印加電圧における放
出電流を典型的には100倍以上に増加させることがで
きる。
【0106】具体的には、10-4ないし10-5[tor
r]の範囲内の真空雰囲気中で、電圧パルスを定期的に
印加することにより、真空雰囲気中に存在する有機化合
物を起源とする炭素もしくは炭素化合物を堆積させる。
堆積物1113は、単結晶グラファイト、多結晶グラフ
ァイト、非晶質カーボン、のいずれかか、もしくはその
混合物であり、膜厚は500[オングストローム]以
下、より好ましくは300[オングストローム]以下で
ある。
【0107】通電方法をより詳しく説明するために、図
10の(a)に、活性化用電源1112から印加する適
宜の電圧波形の一例を示す。本実施形態においては、一
定電圧の矩形波を定期的に印加して通電活性化処理を行
ったが、具体的には、矩形波の電圧Vacは14
[V]、パルス幅T3は1[ミリ秒]、パルス間隔T4
は10[ミリ秒]とした。なお、上述の通電条件は、本
実施形態の表面伝導型放出素子に関する好ましい条件で
あり、表面伝導型放出素子の設計を変更した場合には、
それに応じて条件を適宜変更するのが望ましい。
【0108】図8の(d)に示す1114は該表面伝導
型放出素子から放出される放出電流Ieを捕捉するため
のアノード電極で、直流高電圧電源1115および電流
計1116が接続されている(なお、基板1101を、
表示パネルの中に組み込んでから活性化処理を行う場合
には、表示パネルの蛍光面をアノード電極1114とし
て用いる。)。活性化用電源1112から電圧を印加す
る間、電流計1116で放出電流Ieを計測して通電活
性化処理の進行状況をモニターし、活性化用電源111
2の動作を制御する。電流計1116で計測された放出
電流Ieの一例を図15(b)に示すが、活性化電源1
112からパルス電圧を印加しはじめると、時間の経過
とともに放出電流Ieは増加するが、やがて飽和してほ
とんど増加しなくなる。このように、放出電流Ieがほ
ぼ飽和した時点で活性化用電源1112からの電圧印加
を停止し、通電活性化処理を終了する。
【0109】なお、上述の通電条件は、本実施形態の表
面伝導型放出素子に関する好ましい条件であり、表面伝
導型放出素子の設計を変更した場合には、それに応じて
条件を適宜変更するのが望ましい。
【0110】以上のようにして、図8(e)に示す平面
型の表面伝導型放出素子を製造した。
【0111】(垂直型の表面伝導型放出素子)次に、電
子放出部もしくはその周辺を微粒子膜から形成した表面
伝導型放出素子のもうひとつの代表的な構成、すなわち
垂直型の表面伝導型放出素子の構成について説明する。
【0112】図11は、垂直型の基本構成を説明するた
めの模式的な断面図であり、図中の1201は基板、1
202と1203は素子電極、1206は段差形成部
材、1204は微粒子膜を用いた導電性薄膜、1205
は通電フォーミング処理により形成した電子放出部、1
213は通電活性化により形成した薄膜、である。
【0113】垂直型が先に説明した平面型と異なる点
は、素子電極のうちの片方(1202)が段差形成部材
1206上に設けられており、導電性薄膜1204が段
差形成部材1206の側面を被覆している点にある。し
たがって、前記図7の平面型における素子電極間隔L
は、垂直型においては段差形成部材1206の段差高L
sとして設定される。なお、基板1201、素子電極1
202および1203、微粒子膜を用いた導電性薄膜1
204、については、前記平面型の説明中に列挙した材
料を同様に用いることが可能である。また、段差形成部
材1206には、たとえばSiO2 のような電気的に絶
縁性の材料を用いる。
【0114】次に、垂直型の表面伝導型放出素子の製法
について説明する。図12の(a)〜(f)は、製造工
程を説明するための断面図で、各部材の表記は前記図1
1と同一である。
【0115】(1)まず、図12(a)に示すように、
基板1201上に素子電極1203を形成する。
【0116】(2)次に、図12(b)に示すように、
段差形成部材を形成するための絶縁層を積層する。絶縁
層は、たとえばSiO2 をスパッタ法で積層すればよい
が、たとえば真空蒸着法や印刷法などの他の成膜方法を
用いてもよい。
【0117】(3)次に、図12(c)に示すように、
絶縁層の上に素子電極1202を形成する。
【0118】(4)次に、図12(d)に示すように、
絶縁層の一部を、たとえばエッチング法を用いて除去
し、素子電極1203を露出させる。
【0119】(5)順に、図12(e)に示すように、
微粒子膜を用いた導電性薄膜1204を形成する。形成
するには、前記平面型の場合と同じく、たとえば塗布法
などの成膜技術を用いればよい。
【0120】(6)次に、前記平面型の場合と同じく、
通電フォーミング処理を行い、電子放出部を形成する。
(図8(c)を用いて説明した平面型の通電フォーミン
グ処理と同様の処理を行えばよい。)(7)次に、前記
平面型の場合と同じく、通電活性化処理を行い、電子放
出部近傍に炭素もしくは炭素化合物を堆積させる(図8
(d)を用いて説明した平面型の通電活性化処理と同様
の処理を行えばよい。)。
【0121】以上のようにして、図12(f)に示す垂
直型の表面伝導型放出素子を製造した。
【0122】(画像形成装置に用いた表面伝導型放出素
子の特性)以上、平面型と垂直型の表面伝導型放出素子
について素子構成と製法を説明したが、次に画像形成装
置に用いた素子の特性について述べる。
【0123】図13に、画像形成装置を用いた素子の、
(放流電流Ie)対(素子印加電圧Vf)特性、および
(素子電流If)対(素子印加電圧Vf)特性の典型的
な例を示す。なお、放出電流Ieは素子電流Ifに比べ
て著しく小さく、同一尺度で図示するのが困難であるう
え、これらの特性は素子の大きさや形状等の設計パラメ
ータを変更することにより変化するものであるため、2
本のグラフは各々任意単位で図示した。
【0124】画像形成装置に用いた素子は、放出電流I
eに関して以下に述べる3つの特性を有している。
【0125】第一に、ある電圧(これを閾値電圧Vth
と呼ぶ)以上の大きさの電圧を素子に印加すると急激に
放出電流Ieが増加するが、一方、閾値電圧Vth未満
の電圧では放出電流Ieはほとんど検出されない。
【0126】すなわち、放出電流Ieに関して、明確な
閾値電圧Vthを持った非線形素子である。
【0127】第二に、放出電流Ieは素子に印加する電
圧Vfに依存して変化するため、電圧Vfで放出電流I
eの大きさを制御できる。
【0128】第三に、素子に印加する電圧Vfに対して
素子から放出される電流Ieの応答速度が速いため、電
圧Vfを印加する時間の長さによって素子から放出され
る電子の電荷量を制御できる。
【0129】以上のような特性を有するため、表面伝導
型放出素子を画像形成装置に好適に用いることができ
た。たとえば多数の素子を表示画面の画素に対応して設
けた表示装置において、第一の特性を利用すれば、表示
画面を順次走査して表示を行うことが可能である。すな
わち、駆動中の素子には所望の発光輝度に応じて閾値電
圧Vth以上の電圧を適宜印加し、非選択状態の素子に
は閾値電圧Vth未満の電圧を印加する。駆動する素子
を順次切り替えてゆくことにより、表示画面を順次走査
して表示を行うことが可能である。
【0130】また、第二の特性かまたは第三の特性を利
用することにより、発光輝度を制御することができるた
め、階調表示を行うことが可能である。
【0131】(多数素子を単純マトリクス配線したマル
チ電子ビーム源の構造)次に、上述の表面伝導型放出素
子を基板上に配列して単純マトリクス配線したマルチ電
子ビーム源の構造について述べる。
【0132】図2に示すのは、前記図1の表示パネルに
用いたマルチ電子ビーム源の平面図である。基板上に
は、前記図で示したものと同様な表面伝導型放出素子が
配列され、これらの素子は行方向配線電極1003と列
方向配線電極1004により単純マトリクス状に配線さ
れている。行方向配線電極1003と列方向配線電極1
004の交差する部分には、電極間に絶縁層(不図示)
が形成されており、電気的な絶縁が保たれている。
【0133】図2のB−B′に沿った断面を、図3に示
す。なお、このような構造のマルチ電子源は、あらかじ
め基板上の行方向配線電極1003、列方向配線電極1
004、電極間絶縁層(不図示)、および表面伝導型放
出素子の素子電極と導電性薄膜を形成した後、行方向配
線電極1003および列方向配線電極1004を介して
各素子に給電して通電フォーミング処理と通電活性化処
理を行うことにより製造した。
【0134】
【実施例】
[実施例1]本実施例の平板のスペーサ1020は、高
さ3mm、板厚200μm、長さ40mmで、ソーダラ
イムガラスの絶縁性基材1からなる。この上にNaブロ
ック層61として窒化シリコン膜を0.5μm成膜し、
その上に酸化ニッケルからなる高抵抗膜2を成膜した。
【0135】本実施例で用いた窒化シリコン膜および酸
化ニッケル膜はスパッタ装置を用いて成膜した。窒化シ
リコン膜は、シリコーンターゲットをアルゴンと窒素の
分圧比1:1、スパッタ圧力を0.6Paに設定し、5
00Wの高周波電力を40分間投入し、成膜した。
【0136】酸化ニッケル膜はNiOターゲットをアル
ゴンと酸素の分圧比4:1、スパッタ圧力を0.6Pa
に設定し、500Wの高周波電力を20分間投入し、1
50nmの厚さに成膜した。この時の酸化ニッケル膜の
表面抵抗値は、3.5×108(Ω/□)、スペーサ1個
当たりの抵抗値としては1.2×107Ωであった。
【0137】ここで作成した本実施例1のスペーサ10
20を、以下に述べる表示装置組み立て工程で加熱され
る最高温度の430℃で清浄な雰囲気の電気炉内で1時
間の熱処理を行った。この理由については後に述べる。
【0138】次に、このスペーサ1020には、さらに
低抵抗膜62として、フェースプレート、リアプレート
との接続部に接続部と平行に100μmの帯状に0.1
μm厚みのAu膜を形成した。
【0139】次にスペーサは、X方向配線上およびフェ
ースプレート上のメタルバックと導電性フリットガラス
を用いて接続される。導電性フリットガラスとは、フリ
ットガラスに導電性微粒子を混合したものを使用し、ス
ペーサ表面の帯電防止(高抵抗2)膜とX方向配線ある
いはフェースプレートと電気的に接続した。
【0140】フリットガラスは鉛を多く含む低融点ガラ
スである。封着(絶縁性基材1とX方向配線あるいはフ
ェースプレートとフリットガラスを融着する)温度は通
常300℃から500℃である。
【0141】具体的には溶剤に分散したペースト粉末状
フリットガラスを接続すべきX方向配線上およびフェー
スプレート上のメタルバック部分にフリットガラスペー
ストをあらかじめ印刷しておく。
【0142】次に例えばホットプレート上にリアプレー
トを乗せ、接続すべきX方向配線上に石英ガラス製の補
助治具を用いて絶縁性基材1を所定の位置に固定する。
【0143】次にフリットガラスが十分に溶融する温
度:例えば430℃まで加熱する。約30分保持した
後、冷却しリアプレート配線上に絶縁性基材1を垂直に
立てた。
【0144】次にこのリアプレートにあらかじめペース
ト粉末状フリットガラスを塗布した支持枠とあらかじめ
ペースト粉末状フリットガラスを所定のメタルバック部
分に塗布したフェースプレートを所定の位置に固定し
て、フリットガラスが十分に溶融する温度:本実施例で
は430℃まで加熱した。同様に約30分保持した後、
冷却し気密容器が組みあがった。
【0145】使用部材の表面酸化の心配がある場合は、
例えば窒素などの非酸化雰囲気ガス下で組み立てること
が好ましい。また組み立て工程の容易さを考えればでき
るだけ低温で封着することが好ましい。
【0146】しかし封着温度については、フリットガラ
スが十分に溶融する温度に達していないと、十分な強度
で接続ができない。
【0147】また酸素分圧が例えば10%程度あれば、
空気中と同様に酸化が進むので非酸化雰囲気ガス下で、
表面酸化なしの条件のもとでの組み立ても簡便な装置構
成では難しい(例えば組み立てをすべて自動化するな
ど)。
【0148】なお、リアプレートに形成した電子源は、
X方向配線1ラインに電子放出素子が480個、Y方向
には240ラインの電子放出素子からなっている。ま
た、フェースプレートには、それぞれ電子放出素子に対
向して、赤、緑、青の蛍光体が形成されている。
【0149】その後、電子放出部を形成するため、常温
で通電フォーマット処理、通電活性化処理を行った。
【0150】以上のように完成した気密容器内部を真空
に排気するには、気密容器を組み立てた後、不図示の排
気管と真空ポンプとを接続し、気密容器内を10-7「T
orr」程度の真空度まで排気する。気密容器内の真空
度を維持するため、冷陰極素子基板の特性が劣化しない
範囲で加熱(300℃程度まで)脱気を行い、その後、
排気管をガスバーナーで融着封止した。最後に、封止後
の真空度を維持するために、ゲッター処理を行った。
【0151】以上の工程で画像形成装置の組み立てが終
了するが、この間にスペーサ1020は封着時に300
℃から420℃で約1時間程度、加熱脱気時に200℃
から300℃で約10時間程度加熱状態におかれる。
【0152】このため高抵抗膜2に用いる材料は上記加
熱工程で膜の構造、組成などが変化すると、本来の表面
抵抗値が得られない可能性がある。
【0153】以上の工程により作成した画像形成装置の
X方向配線とY方向配線を、不図示の画像信号回路に接
続し、テレビ画像を表示し、次に述べる方法によって画
像の歪み(ビーム軌道曲がり)を測定した。
【0154】「ビーム軌道曲がりの評価」上記画像評価
装置で、電子加速電圧Vaとして5kVを加えて、電子
放出素子に駆動電圧20Vを加えて、すべての素子を発
光させた。
【0155】このとき行方向配線(180素子を含む)
1ラインに流れる電流は510mAであった。ビーム軌
道曲がりは、スペーサ1020に一番近接するX方向発
光ラインの各素子について、設計値通りに軌道が曲がっ
ていないか、あるいはスペーサ1020に近づく:ビー
ム吸引が起こっていないか、あるいはスペーサ1020
から離れる:ビーム反発が起こっていないか、を調べ
た。
【0156】この結果、本実施例1では、スペーサでは
軌道曲がりはなかった。
【0157】次に「スペーサ表面抵抗分布」測定方法に
ついて述べる。
【0158】画像評価装置組み立て工程において、フェ
ースプレートにスペーサを封着した後に、簡易的方法と
してメタルバック1019と配線電極1014間のスペ
ーサ電極の両端に100Vの直流電圧を印加する。
【0159】ここでスペーサ1020のリアプレート側
低抵抗膜をアースに接地しておく。
【0160】次に、電圧計のプローブの一端をアースに
接地し、他方のプローブ電極をリアプレート側からフェ
ースプレート側へ位置をずらしながら、スペーサ102
0に印加されている100Vの電圧の電位分布を測定し
た。
【0161】スペーサ1020が高さ方向に抵抗値が変
化していなければ、プローブ電極に現れる電位は、リア
プレート接点のアース電位0からフェースプレート接点
の電位100Vまでリアプレートからの距離に比例し
て、直線的に増加するはずである。
【0162】しかし、例えばプレートとスペーサ電極部
の接合が不良の場合は該当個所が高抵抗になり、電位変
化が大きくなる。また例えばフェースプレート近くの部
分が吸着物の影響などで抵抗が小さくなると、該当個所
では電位変化が小さくなる。
【0163】本実施例1では、リアプレートから1.2
mm、中央の2.5mm、3.8mmの三個所で測定した
ところ、それぞれ24V、51V、77Vであった。直
線性が得られれば、それぞれ24V、50V、76Vと
なるはずで、実施例1は、殆どズレが無く、良好な電位
分布のない膜であることが確かめられた。
【0164】「画像評価装置での耐久試験方法」次に画
像評価装置での耐久試験の方法および結果について述べ
る。
【0165】画像評価装置を用いて、電子加速電圧Va
として5kVを加えて、電子放出素子に20V、パルス
幅50μsec、60Hzの電圧パルスを印加して、連続
1000時間にわたる耐久試験を行った。
【0166】この後は、前述と同様の条件でビーム軌道
曲がりの評価をおこなった。
【0167】このときスペーサ1個当たりに流れるリー
ク電流は30μAであった。またスペーサは画像評価装
置1つに20個配置されているので、リーク電力は合計
で3Wになった。
【0168】同様に発光ラインを観察したところ、スペ
ーサに隣接した各X方向ラインの各素子とも設計値通り
軌道曲がりなく光っていた。
【0169】このように1000時間の経過後も多少発
光輝度の低下、スペーサのリーク電流の増加があった
が、使用に耐えるレベルであった。
【0170】この1000時間稼動経過した画像評価装
置を分解後、実施例1のスペーサの表面抵抗分布を前記
と同じ方法で測定評価した。
【0171】結果は、リアプレートから1.2mm、中
央の2.5mm、3.8mmの三個所で測定し、それぞれ
25V、52V、78Vであり、耐久試験後も良好な電
位分布のない膜であることが確かめられた。
【0172】[比較例1]上記実施例1と同様の方法で
作製したが、スペーサ1020の基板1についてはソー
ダライムガラスの絶縁性基板1だけを用いて高抵抗膜2
のないスペーサ比較例1を作製した。
【0173】実施例1と同様の方法で評価し、表1に結
果を示す。
【0174】ビーム軌道曲がりを測定すると、スペーサ
1020に近接したラインでは電子ビームの吸引が起こ
る。吸引されてスペーサ面に衝突した電子は散乱して蛍
光体と衝突するため蛍光面を通して見ると、スペーサ1
020の輪郭が白っぽく見える。RGBのカラー蛍光面
を使うと、この輪郭部に色がついて(実験では緑色にな
った)見えることになる。この現象を色ムラと称してい
る。
【0175】[比較例2−5]スペーサ1020を組み
立て前に熱処理する温度を変えた以外は、上記実施例1
とまったく同じ方法でスペーサ1020を作製、測定評
価した。
【0176】前処理温度は、比較例2は200℃、比較
例3は300℃、比較例4は500℃、比較例5は60
0℃である。
【0177】表1の結果を比較すると、組み立て工程温
度よりも低い温度で熱処理した比較例2、3のスペーサ
抵抗値は実施例1に比べて大きな変化はなかった。しか
し、抵抗分布を測定するとリアプレート近くで表面抵抗
値が大きくなった。この結果ビーム軌道は反発の傾向を
示した。またスペーサ1020近傍のビームは場所によ
って反発の傾向に大きな差があった(場所によっては、
ビーム吸引の挙動を示した。)。
【0178】この理由としては、NiO膜が熱工程で構
造が変化するが、組み立て中に例えばフェースプレート
中の蛍光体からの揮発物、素子基板からの揮発物(具体
的には、硫黄、炭素、炭化水素物など)が表面に吸着し
て、膜中に取り込まれる結果熱工程後の膜構造がこれら
の影響のない条件下で熱処理したものと変わってしまう
と考えられる。
【0179】また表面吸着が不均一であると、熱処理後
の膜も特性が不均一になると考えられる。
【0180】組み立て工程温度よりも高い温度で熱処理
した比較例4、5のスペーサ抵抗値は実施例1に比べて
小さくなる傾向を示した。
【0181】これは主として絶縁性基材1 (ソーダガラ
ス)中のNaなどのアルカリ元素が、SiN膜を通して
NiO膜まで拡散し、膜の抵抗値を小さくしたと考えら
れる。
【0182】特に600℃熱処理をした比較例5は高抵
抗膜2(NiO)の抵抗値が下がりすぎ、高電圧を印加
することができなかった。
【0183】このように組み立て工程中に膜特性が変化
するのを抑えるにはあらかじめ工程中の最高温度に近い
温度で熱処理を行うことが重要である。また組み立て工
程温度で高抵抗膜2の抵抗値を変化させる元素を含む絶
縁性基材をつかう限りは、その最高温度を大きく超えて
熱処理することは好ましくない。
【0184】これはNiO膜に限らず、500℃程度の
温度で膜構造が変化する材料、アルカリ元素の混入で比
抵抗値が変化する材料について、一般的に言えることで
ある。
【0185】[実施例2−5]実施例1と同様にして、
高抵抗膜2 (NiO)の膜厚だけを変化させてスペーサ
1020を作製、同様の評価を行った。
【0186】表1に示すように、NiO膜は10nmの
厚さ(実施例2)では、まだビーム吸引を抑えられな
い。
【0187】また、100nmの膜厚(実施例5)で
は、抵抗値が低くなりすぎて高電圧が印加できない。そ
こでNiO膜では、20nm〜50nmの膜厚が最適で
ある。
【0188】[実施例6−11]実施例1と同様にし
て、実施例6−11として、高抵抗膜2 (Fe2 3
の膜厚だけを変化させてスペーサ1020を作製、同様
の評価を行った。
【0189】表1に示すように、この結果から、電子ビ
ームの吸引が抑制されたことが分かる。Fe2 3 の膜
厚が600nmの実施例11は耐久試験後リーク電流が
増大し、高電圧が印加できず使えなくなった。また画像
評価装置での耐久試験後スペーサ表面抵抗分布を調べる
と、膜厚10nmと20nmの実施例6、7はフェース
プレート側に高抵抗部分ができていることが分かった。
抵抗分布によってビームは反発されるはずだが、膜特性
はややビーム吸引気味で、ちょうどつりあっていると思
われる。しかし上記比較例のように場所ムラが見られ、
好ましくない。そこでFe2 3 膜では50nmから3
00nmが最適膜厚である。
【0190】[実施例12−16]実施例1と同様にし
て、実施例12−16として、高抵抗膜2 (ZnO)の
膜厚だけを変化させてスペーサ1020を作製、同様の
評価を行った。
【0191】表1に示すように、5nmの膜厚(実施例
12)はビーム吸引が見られ、50nm、100nmの
膜厚(実施例15、16)では膜が低抵抗化して高電圧
が印加できなくなった。そこで10nm〜20nmが最
適膜厚である。
【0192】[実施例17−22]実施例1と同様にし
て、実施例17−22として、高抵抗膜2 (Cr
2 3 )の膜厚だけを変化させてスペーサ1020を作
製、同様の評価を行った。
【0193】表1に示すように、10nmの膜厚(実施
例−17)ではビーム吸引が見られた。600nmの膜
厚(実施例−22)では、耐久試験後に大きなビームの
反発がみられた。これは、フェースプレート側に高抵抗
部分ができたためである。そこでCr2 3 膜では50
nm〜300nmが最適膜厚である。
【0194】[比較例6−9]比較例6、7はSn
2 、比較例8、9はAu材料を用いた例である。表1
に示すように、特にどちらも実施例のようなビーム吸引
を抑える効果が少ないことがわかる。
【0195】SnO2 は2次電子放出の効率が大きく、
表面が正に帯電しやすいためと考えられる。Auは表面
抵抗値を大きくするため膜厚を小さくした状態ではまだ
島状構造で、表面にやはり2次電子放出の効率の大きい
SiN膜が露出しているためと考えられる。
【0196】
【表1】
【0197】
【発明の効果】マルチ電子源を用いた画像形成装置にお
いて構成要素であるスペーサなど絶縁性部材の表面に半
導電膜を次のような条件で設けることにより簡単な構成
で電子の到達位置ずれを防止して、信頼性の高い画像形
成装置を提供することができる。
【0198】単一の半導電材料を用いる場合は、膜厚を
20nm以上にして、スペーサ1個当りのリーク電力を
1W以下になるように材料を選択する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例である画像形成装置の、表示パ
ネルの一部を切り欠いて示した斜視図である。
【図2】実施例で用いたマルチ電子ビーム源の基板の平
面図である。
【図3】実施例で用いたマルチ電子ビーム源の基板の一
部断面図である。
【図4】表示パネルのフェースプレートの蛍光体配列を
例示した平面図である。
【図5】本発明の実施例である表示パネルのA−A′断
面図である。
【図6】本発明の画像形成装置のスペーサの断面図であ
る。
【図7】実施例で用いた平面型の表面伝導型放出素子の
平面図(a)、断面図(b)である。
【図8】平面型の表面伝導型放出素子の製造工程を示す
断面図である。
【図9】通電フォーミング処理の際の印加電圧波形であ
る。
【図10】通電活性化処理の際の印加電圧波形(a)、
放出電流Ieの変化(b)である。
【図11】実施例で用いた垂直型の表面伝導型放出素子
の断面図である。
【図12】垂直型の表面伝導型放出素子の製造工程を示
す断面図である。
【図13】実施例で用いた表面伝導型放出素子の典型的
な特性を示すグラフである。
【図14】蛍光体の他の構成例を説明する為の図であ
る。
【図15】従来知られた表面伝導型放出素子の一例の概
略図である。
【図16】従来知られたFE型素子の一例の概略図であ
る。
【図17】従来知られたMIM型素子の一例の概略図で
ある。
【図18】従来の画像形成装置の概略断面図である。
【符号の説明】
1 スペーサ基体 2 高抵抗膜 61 下引き層 62 低抵抗膜 1001,1011 基材 1003,1004 配線電極 1010,3118 蛍光膜 1012,3112 電子放出素子 1013 行配線電極 1014 列配線電極 1015,3115 リアプレート 1016,3116 側壁 1017,3117 フェースプレート 1018,3118 蛍光膜 1019,3119 メタルバック 1020,3120 スペーサ 1102,1103,3004 素子電極 1104,3005 電導体薄膜 1105 電子放出部 1113 堆積物 1114 高電圧電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒田 和生 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 高木 博嗣 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空雰囲気を維持する外囲器と、電子を
    放出するための電子源と、電子の衝突により発光する蛍
    光体を有する画像形成部材と、電子を画像形成部材に向
    けて加速するための加速電極と、耐気圧構造体としての
    スペーサとを有する画像形成装置において、 該スペーサが高抵抗膜により被覆されており、該スペー
    サはあらかじめ本装置の組み立て行程における最高温度
    以上の温度で熱処理されていることを特徴とする画像形
    成装置。
  2. 【請求項2】 前記スペーサの熱処理が、前記本装置の
    組み立て行程における最高温度での行程と同一の雰囲気
    中で行われることを特徴とする請求項1に記載の画像形
    成装置。
  3. 【請求項3】 前記スペーサを被覆する高抵抗膜が酸化
    ニッケル、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化クロムから選ばれる
    少なくとも1つの材料であることを特徴とする請求項1
    又は2に記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記スペーサを被覆する高抵抗膜の厚み
    が20nm以上であることを特徴とする請求項1乃至3
    のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記スペーサ1個当たりの消費電力が1
    W以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれ
    か1項に記載の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記スペーサがNaを含有するガラスか
    らなり、前記スペーサと高抵抗膜との中間に窒化シリコ
    ン膜を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれ
    か1項に記載の画像形成装置。
  7. 【請求項7】 前記高抵抗膜が前記電子源の駆動用配線
    および前記加速電極に電気的に接続されている請求項1
    乃至6のいずれか1項に項記載の画像形成装置。
  8. 【請求項8】 前記抵抗膜が低抵抗膜を介して前記電子
    源の駆動用配線および前記加速電極に電気的に接続され
    ている請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成
    装置。
  9. 【請求項9】 前記電子源が複数の表面伝導型電子放出
    素子である請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像
    形成装置。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至9のいずれか1項に項記
    載の画像形成装置において、前記スペーサが高抵抗膜に
    より被覆されており、高抵抗膜がNiO膜の場合はその
    膜厚が20〜50nmであり、Fe23膜の場合はその
    膜厚が50〜300nmであり、ZnO膜の場合はその
    膜厚が10〜20nmであり、Cr23膜の場合はその
    膜厚が50〜300nmであることを特徴とする画像形
    成装置。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至10のいずれか1項に項
    記載の画像形成装置を用いたことを特徴とする画像表示
    装置。
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