JPH1177770A - 射出成形機における射出工程の制御方法および制御装置 - Google Patents

射出成形機における射出工程の制御方法および制御装置

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JPH1177770A
JPH1177770A JP26918097A JP26918097A JPH1177770A JP H1177770 A JPH1177770 A JP H1177770A JP 26918097 A JP26918097 A JP 26918097A JP 26918097 A JP26918097 A JP 26918097A JP H1177770 A JPH1177770 A JP H1177770A
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Japan
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pressure
injection
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screw
resin
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JP26918097A
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Makoto Yukihiro
誠 行広
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Japan Steel Works Ltd
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Japan Steel Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 射出後半のピーク圧力を抑えることができ、
金型の変形が小さく、精密成形が可能で、金型および射
出成形機の寿命も延びる射出工程の制御方法を提供す
る。 【解決手段】シリンダ(2)と、このシリンダ(2)内
に回転方向と射出方向とに駆動されるように設けられて
いるスクリュ(7)とを備えた射出成形機の、射出の初
期には、スクリュの射出方向の速度(15)を主フィー
ドバック量とする射出速度のフィードバック制御により
制御し、検出樹脂圧力が設定樹脂圧力に達すると、金型
(22、23)内で直接的に計測される検出樹脂圧力
(26)を主フィードバック量とする金型内樹脂圧力の
フィードバック制御により制御し、スクリュの位置が保
圧切換位置に達すると、スクリュ(7)を射出方向に駆
動する検出射出圧力(61)を主フィードバック量とす
る射出圧力のフィードバック制御により制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも先端部
に射出ノズルが設けられているシリンダと、このシリン
ダ内に回転方向と射出方向とに駆動されるように設けら
れているスクリュとを備えた射出成形機の射出工程を、
射出速度のフィードバック制御と、金型内樹脂圧力のフ
ィードバック制御および射出圧力のフィードバック制御
とを組み合わせて制御する、射出成形機における射出工
程の制御方法およびこの方法の実施に使用される制御装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】射出成形機は、周知のように、概略的に
は先端部に射出ノズルが設けられているシリンダと、こ
のシリンダ内で回転方向と射出方向とに駆動されるよう
に設けられているスクリュとから構成されている。した
がって、スクリュを回転駆動して樹脂材料を計量し、軸
方向に駆動して金型へ射出し、そして保圧工程を経て冷
却後金型を開いて成形品を得ることができる。ところ
で、計量された溶融樹脂材料をスクリュを軸方向に駆動
して金型へ射出するときの射出速度の大小は、成形品の
成形不良、例えばバリ、ウェルド、ショート、寸法不良
等の原因にもなるので、射出速度が設定射出速度になる
ように、速度のフィードバック制御により制御されてい
る。また、射出の後半あるいはその後の保圧も重要で、
保圧力の大小によりオーバーパックすなわち充填過剰、
バリ、離型不良、成形品のヒケ等の原因にもなる。そこ
で、射出の後半、保圧時等においては、射出圧力が設定
樹脂圧力になるように、射出圧力のフィードバック制御
により制御されている。
【0003】このような射出工程時の制御方法を、本出
願人は特公平8ー9189号により提案している。本出
願人が提案している制御方法は、充填初期には射出速度
のフィードバック制御により制御し、このように射出速
度のフィードバック制御により制御しているときも、ス
クリュを射出方向に駆動する作動油の圧力を検出し、こ
の検出される射出圧力が設定射出圧力に達すると、この
時から設定射出圧力による射出圧力のフィードバック制
御が行われるように構成されている。また、特公昭58
ー52486号により、溶融樹脂を金型に注入し、冷却
固化するまで、樹脂圧力を金型内で検出し、この樹脂圧
力を設定圧力に保持するようにした射出成形機の制御方
法も提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、本出願
人が提案している制御方法によると、射出速度のフィー
ドバック制御により制御しているとき、スクリュを射出
方向に駆動している作動油の圧力が設定圧力に達する
と、射出圧力のフィードバック制御に切り換えられ、一
応射出速度のフィードバック制御と射出圧力のフィード
バック制御とが組み合わされて制御されているので、射
出初期の成形不良はなく、射出後半のピーク圧力も抑え
ることができ、金型の破損を未然に防ぐことができると
いう優れた効果が得られる。また、射出開始位置のバラ
ツキに起因してピーク圧力もバラつくが、このバラツキ
を一定に保つことができる効果も得られ、実用上格別問
題はない。
【0005】しかしながら、改良すべき点も認められ
る。例えば、特公平8ー9189号により提案されてい
る制御方法によると、射出後半の工程と保圧工程におい
て射出圧力のフィードバック制御が行われているが、主
フィードバック量がスクリュを軸方向に駆動する作動油
の圧力であるので、射出後半の工程において成形品の品
質を落とすことがある。さらに詳しく説明すると、スク
リュを軸方向に駆動する作動油の圧力を主フィードバッ
ク量とするフィードバック制御は、樹脂材料の固化状態
に拘りなく正確な保圧ができるので、保圧工程時の主フ
ィードバック量には適している。しかしながら、射出中
には樹脂温度のバラツキ、混練程度のバラツキ等は避け
られないが、これらのバラツキはスクリュを軸方向に駆
動する作動油の圧力にも影響を与えている。この影響を
受けている圧力を設定射出圧力と比較して射出圧力のフ
ィードバック制御により制御するようになっているの
で、成形品の品質に大きな影響を与える溶融樹脂の物
性、すなわち樹脂圧力がバラツキ、成形品の品質が一定
しないこともある。
【0006】また、特公昭58ー52486号により提
案されている制御方法によると、冷却固化するまで、樹
脂圧力を金型内で検出し、この樹脂圧力を設定樹脂圧力
に保持するようになっているので、金型内の樹脂圧のバ
ラツキに起因した、特に射出中の成形不良は解消されて
いると認めらる。しかしながら、保圧時には、金型内の
スキン層の樹脂が固化し、測定誤差が生じることが予想
される。その結果、バリ、内部歪、寸法バラツキ、重量
バラツキ等の成形不良が発生する恐れがある。本発明
は、前述したような従来の射出成形機における射出工程
の制御方法をさらに改良し、射出後半のピーク圧力を抑
えることができると共に、品質が一定した高品質の成形
品を安価に得ることができる射出成形機における射出工
程の制御方法およびこの方法の実施に使用される射出工
程の制御装置を提供することを目的としている。また、
小さい型締力で成形でき、金型の変形が小さく、精密成
形が可能で、金型および射出成形機の寿命も延びる射出
工程の制御方法および制御装置を提供することも目的と
している。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、少なくとも先端部に射出ノズルが設けら
れているシリンダと、このシリンダ内に回転方向と射出
方向とに駆動されるように設けられているスクリュとを
備えた射出成形機の射出工程を、射出速度のフィードバ
ック制御と、金型内樹脂圧力のフィードバック制御およ
び射出圧力のフィードバック制御とを組み合わせ、射出
の初期には、射出速度のフィードバック制御により制御
し、金型内樹脂圧力が設定樹脂圧力に達すると、金型内
樹脂圧力のフィードバック制御により制御し、前記スク
リュの位置が保圧切換位置に達すると、射出圧力のフィ
ードバック制御により制御する射出工程の制御方法であ
って、前記射出速度のフィードバック制御においては、
前記スクリュの検出射出速度を主フィードバック量とす
ると共に、前記金型内樹脂圧力のフィードバック制御に
おいては、金型内で直接的に計測される検出樹脂圧力を
主フィードバック量とし、前記射出圧力のフィードバッ
ク制御においては、前記スクリュを射出方向に駆動する
検出射出圧力を主フィードバック量とするように構成さ
れる。請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の検出
射出圧力が、スクリュを射出方向に駆動する作動油の圧
力であるように構成される。請求項3に記載の発明は、
少なくとも先端部に射出ノズルが設けられているシリン
ダと、このシリンダ内に回転方向と射出方向とに駆動さ
れるように設けられているスクリュとを備えた射出成形
機における射出工程の制御装置であって、前記制御装置
は、主フィードバック量である検出射出速度と設定射出
速度とが入力される速度比較器と、主フィードバック量
である検出樹脂圧力と検出射出圧力と設定樹脂圧力、設
定射出圧力とが入力される圧力比較器と、前記速度比較
器と圧力比較器から前記スクリュを射出方向に駆動する
サーボ本体に出力される動作信号のいずれか一方の動作
信号を切り換える動作信号切換器と、金型内で直接的に
検出される検出樹脂圧力と前記スクリュを射出方向に駆
動する検出射出圧力のいずれか一方の圧力を前記圧力比
較器に切り換える検出圧力切換器とからなり、前記動作
信号切換器は、射出の初期には速度比較器から出力され
る動作信号を前記サーボ本体に印加するようになってい
ると共に、前記検出樹脂圧力が設定樹脂圧力に達する
と、前記圧力比較器から出力される動作信号を前記サー
ボ本体に印加し、前記検出圧力切換器は、前記スクリュ
の位置が保圧切換位置に達するまでは、前記検出樹脂圧
力を、前記圧力比較器に印加し、前記保圧切換位置に達
すると、前記検出射出圧力を前記圧力比較器に印加する
ように構成されている。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図1により本発明の実施の
形態を油圧式射出成形機に適用した例について説明す
る。本発明の実施の形態に係わる油圧式射出成形機A
は、射出シリンダ装置1、この射出シリンダ装置1によ
り計量される溶融樹脂が射出される金型装置20、射出
シリンダ装置1を駆動する油圧回路30、射出工程を制
御する制御装置50等から構成されている。なお、計量
時にスクリュを回転駆動する油圧モータ等の制御装置
は、図1には示されていない。
【0009】射出シリンダ装置1は、従来周知のよう
に、その先端部に射出ノズル3が設けらているシリンダ
2を備えている。シリンダ2の後方寄りには、材料ホッ
パ6が取り付けられ、その後方端に駆動装置10が設け
られている。駆動装置10は、周知のように、油圧モー
タ11と、油圧ピストン・シリンダユニットとから構成
され、油圧モータ11の出力軸13は、シリンダ2の内
部に回転方向と軸方向とに駆動可能に設けられているス
クリュ7の端部に、従来周知の態様で機械的に接続され
ている。したがって、油圧モータ11によりスクリュ7
を回転駆動して、樹脂材料を計量することができる。ま
た、油圧シリンダ12にはピストン14が設けられ、こ
のピストン14もスクリュ7に接続されている。したが
って、油圧シリンダ12のシリンダヘッド側に作動油を
供給すると、スクリュ7は軸方向に駆動され、溶融樹脂
が金型へ射出される。このように構成されている射出シ
リンダ装置1には、溶融樹脂の射出速度を検出するため
に、例えばスクリュ7の軸方向の速度を検出するため
に、射出速度検出器15がスクリュ7に関連して設けら
れている。また、保圧切換位置を検出するために、スク
リュ7の位置を検出する位置センサ16も設けられてい
る。
【0010】金型装置20は、従来周知のように、固定
盤21に取り付けられている固定金型22、可動盤24
に取り付けられている可動金型23等から構成されてい
る。そして、これらの金型22、23には、成形品を成
形するためのキャビテイ25が形成され、このキャビテ
イ25に連通したゲートあるいはスプールの近傍に樹脂
圧力検出器26が設けられている。これにより、樹脂圧
力が金型22、23内で直接的に検出あるいは計測され
ることになる。
【0011】油圧回路30には、油圧ポンプ31が設け
られている。そして、この油圧ポンプ31の吐出管32
には、リリーフバルブ33、逆止弁34、アキュムレー
タ35、電磁開閉弁36、詳しくは後述するサーボ本体
37等が介装されて、射出シリンダ12のシリンダヘッ
ド側に接続されている。そして、この吐出管32の、サ
ーボ本体37の下流側に、作動油の圧力を計測する油圧
力検出器61が設けられている。この油圧力検出器61
により、射出圧力が間接的に計測されることになる。
【0012】射出工程を制御する制御装置50は、速度
制御切換器51、速度比較器52、圧力比較器53、圧
力制御切換器54、動作信号切換器55、検出圧力切換
器59、位置制御切換器60等から構成されている。
【0013】射出速度検出器15は、信号ラインaによ
り速度制御切換器51の一方の入力端子と、速度比較器
52の一方の入力端子とに接続され、速度設定器56は
信号ラインbにより速度制御切換器51の他方の入力端
子と、速度比較器52の他方の入力端子とに接続されて
いる。そして、速度制御切換器51の出力端子は、信号
ラインcにより、また速度比較器52の出力端子は、信
号ラインdにより、動作信号切換器55に接続されてい
る。射出工程の初期には速度制御切換器51からの信号
が動作信号切換器55に出力され、動作信号切換器55
は、図1に示されている速度側に切り変わっている。し
たがって、このときは、成形例の箇所で説明するよう
に、射出速度のフィードバック制御が行われることにな
る。
【0014】検出圧力切換器59の出力端子は、信号ラ
インkにより圧力比較器53の一方の入力端子と、圧力
制御切換器54の一方の入力端子とに接続され、圧力設
定器57は信号ラインeにより圧力比較器53の他方の
入力端子と、圧力制御切換器54の他方の入力端子とに
接続されている。圧力比較器53の出力端子は、信号ラ
インgにより、また圧力制御切換器54の出力端子は、
信号ラインhにより動作信号切換器55に接続されてい
る。このように、圧力比較器53の一方の入力端子が、
検出圧力切換器59と接続されているので、圧力比較器
53には、この検出圧力切換器59から、後に説明する
ように、異なった種類の主フィードバック量が印可され
ることになる。樹脂圧力検出器26で検出される検出樹
脂圧力が、圧力設定器57で設定された圧力になると、
この圧力制御切換器54から信号が動作信号切換器55
の他方の入力端子に出力され、動作信号切換器55は、
今度は圧力側に切り変わる。したがって、以降は、金型
内樹脂圧力のフィードバック制御が行われることにな
る。
【0015】金型22、23内に設けられている樹脂圧
力検出器26は、信号ラインf’により検出圧力切換器
59の一方の入力端子に接続されている。作動油の油圧
力検出器61は、信号ラインfにより検出圧力切換器5
9の他方の入力端子に接続されている。なお、保圧切換
位置設定器58は、位置制御切換器60の一方の入力端
子と信号ラインmにより、位置センサ16は信号ライン
nにより位置制御切換器60の他方の入力端子に接続さ
れている。位置制御切換器60の出力端子は、信号ライ
ンrにより検出圧力切換器59に接続されている。位置
センサ16で検出されるスクリュ7の位置が、保圧切換
位置設定器58で設定される保圧切換位置に達する前
は、図1に示されているように、検出圧力切換器59は
樹脂圧力検出器26側に優先的に接続されているが、保
圧切換位置に達すると、今度は位置制御切換器60から
の信号により油圧力検出器61の方へ切り換わるように
なっている。
【0016】サーボ本体37は、動作信号切換器55か
ら出力される動作信号を調節する制御器38と、サーボ
弁39とから構成されている。そして、動作信号切換器
55と制御器38は、信号ラインjで接続されている。
サーボ弁39は、制御器38から出力される操作信号に
より、射出シリンダ12のシリンダヘッド側に供給され
る作動油の量と作動油の圧力すなわち射出速度と圧力と
を調節するようになっている。
【0017】次に、上記油圧式射出成形機Aにより成形
品を成形する例について説明する。油圧モータ11によ
りスクリュ7を回転駆動し、材料ホッパ6から樹脂材料
を供給する。これにより、従来周知のようにして樹脂材
料は計量される。速度設定器56により射出速度を設定
する。同様に、圧力設定器57により樹脂圧力、射出圧
力を設定し、保圧切換位置設定器58により保圧に入る
スクリュ7の位置を設定する。そうして、射出を開始す
る。電磁開閉弁36が開き、詳しくは後述するように、
サーボ本体37により制御された量の作動油あるいは制
御された圧力の作動油がアキュムレータ35から射出シ
リンダ12のシリンダヘッド側に供給される。スクリュ
7が軸方向に駆動され、計量された溶融樹脂材料は金型
22、23のキャビテイ25に射出される。
【0018】射出工程の初期は、金型内樹脂圧力は、設
定樹脂圧力よりも小さく、速度制御切換器51からの信
号が動作信号切換器55に印加され、動作信号切換器5
5は、図1に示されているように速度側に切り変わって
いる。したがって、 射出工程の初期は、射出速度のフ
ィードバック制御が行われる。速度比較器52におい
て、射出速度検出器15で検出される検出射出速度と、
速度設定器56で設定された設定射出速度とから速度に
関する動作信号が得られる。この動作信号は、動作信号
切換器55を介して制御器38に出力される。制御器3
8において、動作信号が調節され、操作量がサーボ弁3
9に出力される。サーボ弁39は、射出速度検出器15
で検出される検出射出速度が、速度設定器56で設定さ
れた設定射出速度に一致するように制御される。これに
より、射出速度のフィードバック制御により射出工程が
実行される。したがって、発明の効果の項で述べるよう
な数々の効果が得られる。
【0019】このように、射出速度のフィードバック制
御が行われている時も、樹脂圧力検出器26により検出
樹脂圧力は直接的に計測あるいは検出されている。同様
に、油圧力検出器61により検出射出圧力も、また位置
センサ16によりスクリュ7の位置も検出されている。
そして、検出される検出樹脂圧力は、検出圧力切換器5
9の一方の入力端子に、検出射出圧力は他方の入力端子
に、そしてスクリュ7の位置は位置制御切換器60にそ
れぞれ入力されている。
【0020】射出の初期の段階では、位置センサ16に
より検出されるスクリュ7の位置が、保圧切換位置設定
器58により設定された位置に達していないので、検出
圧力切換器59は、図1に示されているように、検出樹
脂圧力が入力されている。今、樹脂圧力検出器26で検
出される検出樹脂圧力が、圧力設定器57で設定された
設定樹脂圧力に達すると、あるいは一致すると、圧力制
御切換器54から動作信号切換器55に信号が印加さ
れ、動作信号切換器55は、今度は圧力側に切り替わ
る。したがって、以降は金型内樹脂圧力のフィードバッ
ク制御が行われることになる。すなわち、圧力比較器5
3において、樹脂圧力検出器26で検出される検出樹脂
圧力と、圧力設定器57で設定された設定樹脂圧力とか
ら圧力に関する動作信号が得られ、この圧力に関する動
作信号が、動作信号切換器55を介して制御器38に出
力される。制御器38からサーボ弁39に操作量が出力
され、サーボ弁39は、樹脂圧力検出器26で検出され
る検出樹脂圧力が、圧力設定器57で設定された設定樹
脂圧力に一致するように制御される。これにより、金型
内樹脂圧力のフィードバック制御が行われ、同様に発明
の効果の項で述べるような数々の効果が得られる。
【0021】上記のようにして、金型内樹脂圧力のフィ
ードバック制御により制御しているときに、位置センサ
16で検出されるスクリュ7の位置が、保圧切換位置設
定器58により設定された設定スクリュ位置に達する
と、すなわち保圧切換位置になると、位置制御切換器6
0から検出圧力切換器59に切換信号が印加され、検出
圧力切換器59は油圧力検出器61の方へ接続される。
これにより、保圧時には油圧力による射出圧力のフィー
ドバック制御が行われる。保圧時にも金型22、23内
で直接的に計測される検出樹脂圧力によりフィードバッ
ク制御を続行すると、樹脂圧力検出器26の取り付け近
傍のスキン層の樹脂の固化により、検出樹脂圧力に誤差
が生じ、バリ、内部歪、重量のバラツキ等の成形不良が
生じるが、本実施の形態によると、射出圧力のフィード
バック制御が行われるので、このような成形不良は生じ
ない。
【0022】本発明は、上記の実施の形態に限定される
ことなく、色々な形で実施できる。例えば、圧力制御切
換器54には、樹脂圧力検出器26で検出される検出樹
脂圧力と圧力設定器57で設定される設定樹脂圧力とが
入力され、検出樹脂圧力が設定樹脂圧力になると、金型
樹脂圧力のフィードバック制御が行われるようになって
いるが、速度制御切換器51あるいは圧力制御切換器5
4に外部から強制的に信号を加えて、射出速度のフィー
ドバック制御と金型内樹脂圧力のフィードバック制御の
いずれか一方を優先させることができることも明らかで
ある。同様にして、検出樹脂圧力のフィードバック制御
から射出圧力のフィードバック制御に切り換える時期を
調節することができることも、さらには、保圧時の設定
樹脂圧力を射出後半の設定樹脂圧力と異なるように実施
できることも明らかである。
【0023】図には示されていないが、樹脂圧力検出器
26を金型22、23内に設ける代わりに、射出ノズル
3部に取り付けることもできる。このときは、検出樹脂
圧力を金型装置20の直前で直接的に検出する。このよ
うに実施すると、複数の金型を使用する場合、コスト的
に有利になる。
【0024】また、本発明は油圧式射出成形機Aに限定
されることなく、電動式射出成形機においても同様にし
て実施できる。このときは、例えば射出速度はスクリュ
を回転する電動モータの回転数で検出して、射出速度の
フィードバック制御をする。また、樹脂圧力検出器26
により検出される検出樹脂圧力が、設定樹脂圧力になる
ように、スクリュを軸方向に駆動する電動モータのトル
クを制御することにより射出圧力のフィードバック制御
をし、スクリュが保圧位置に達すると、射出用の電動モ
ータのトルクが設定トルクになるように制御する。これ
により、前述した油圧式射出成形機Aと同様に電動式射
出成形機においても射出工程が制御できる。
【0025】
【発明の効果】以上のように、本発明によると、射出の
初期には、スクリュの射出方向の速度を主フィードバッ
ク量とする射出速度のフィードバック制御により制御す
るので、射出速度の過大による樹脂焼け、ランナー部の
過大圧力によるバリの発生等のトラブルを防ぐことがで
き、充填時間が安定し成形品の品質が安定する。また、
検出樹脂圧力が設定樹脂圧力に達するまでは設定速度に
よる高速充填がなされるので、金型内の樹脂の冷却を抑
えることができ、バリ、ウエルド、ショート等の発生を
防止でき、転写性を向上させることができる。また、検
出樹脂圧力が設定樹脂圧力に達すると、金型内内で直接
的に計測される検出樹脂圧力を主フィードバック量とす
る金型内樹脂圧力のフィードバック制御により制御する
ので、樹脂圧力の過大あるいは過小によるバリ、内部
歪、寸法不良、ショウトショット等の成形不良を防ぐこ
とができると共に、ピーク圧力を抑えることができ、金
型の破損を防止することができる。さらには、ピーク圧
力を抑えることができるので、型締力に余裕を見込む必
要がなく、小さな型締力で成形できる効果も得られる。
そして、スクリュの位置が保圧切換位置に達すると、ス
クリュを射出方向に駆動する検出射出圧力を主フィード
バック量とする射出圧力のフィードバック制御により制
御するので、樹脂の固化状態に拘りなく、正確な保圧が
できる。したがって、金型内で直接的に計測される検出
樹脂圧力を主フィードバック量とすると、樹脂圧力測定
部のスキン層の固化により検出誤差が生じ過大保圧とバ
ラツキとにより、バリ、内部歪、寸法バラツキ、重量バ
ラツキ等の成形不良になるが、このような成形不良は生
じない。以上のように、本発明によると、射出成形機の
射出工程を、射出速度のフィードバック制御と、金型内
樹脂圧力のフィードバック制御と、射出圧力のフィード
バック制御とを組み合わせ、主フィードバック量も異な
るようにして制御するので、高品質の成形品を小さい型
締力の安価な射出成形機で成形できるという、本発明特
有の効果が得られる。また、同じ型締力の射出成形機で
取り数の増加が可能となり、成形品のコストダウンが達
成できる。さらには、小さい型締力で成形できるので、
金型の変形が小さく、より精密成形が可能となり、金型
および射出成形機の寿命が延びる効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態を一部断面にして示す模
式図である。
【符号の説明】
1 射出シリンダ装置 2 シリンダ 3 射出ノズル 12 油圧シリンダ 15 射出速度検出器(検出射出速度) 20 金型装置 26 樹脂圧力検出器(検出樹脂圧力) 30 油圧回路 37 サーボ本体 50 射出工程の制御装置 51 速度制御切換器 52 速度比較器 53 圧力比較器 54 圧力制御切換器 55 動作信号切換器 56 速度設定器(設定射出速度) 57 圧力設定器(設定樹脂圧力、設定射出圧
力) 58 保圧切換位置設定器(保圧切換位置) 59 検出圧力切換器 60 位置制御切換器 61 油圧力検出器(検出射出圧力)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年10月31日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】また、本発明は油圧式射出成形機に限定さ
れることなく、電動式射出成形機においても同様にして
実施できる。このときは、例えば射出速度はスクリュを
軸方向に駆動する電動モータの回転数で検出して、射出
速度のフィードバック制御をする。また、樹脂圧力検出
器26により検出される検出樹脂圧力が、設定樹脂圧力
になるように、スクリュを軸方向に駆動する電動モータ
のトルクを制御することにより射出圧力のフィードバッ
ク制御をし、スクリュが保圧位置に達すると、射出用の
電動モータのトルクが設定トルクになるように制御す
る。これにより、前述した油圧式射出成形機と同様に電
動式射出成形機においても射出工程が制御できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも先端部に射出ノズル(3)が設
    けられているシリンダ(2)と、このシリンダ(2)内
    に回転方向と射出方向とに駆動されるように設けられて
    いるスクリュ(7)とを備えた射出成形機の射出工程
    を、射出速度のフィードバック制御と、金型内樹脂圧力
    のフィードバック制御および射出圧力のフィードバック
    制御とを組み合わせ、射出の初期には、射出速度のフィ
    ードバック制御により制御し、金型内樹脂圧力が設定樹
    脂圧力(57)に達すると、金型内樹脂圧力のフィード
    バック制御により制御し、前記スクリュの位置が保圧切
    換位置(58)に達すると、射出圧力のフィードバック
    制御により制御する射出工程の制御方法であって、 前記射出速度のフィードバック制御においては、前記ス
    クリュの検出射出速度(15)を主フィードバック量と
    すると共に、前記金型内樹脂圧力のフィードバック制御
    においては、金型(22、23)内で直接的に計測され
    る検出樹脂圧力(26)を主フィードバック量とし、前
    記射出圧力のフィードバック制御においては、前記スク
    リュ(7)を射出方向に駆動する検出射出圧力(61)
    を主フィードバック量とすることを特徴とする射出成形
    機における射出工程の制御方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の検出射出圧力(61)
    が、スクリュ(7)を射出方向に駆動する作動油の圧力
    である射出成形機における射出工程の制御方法。
  3. 【請求項3】 少なくとも先端部に射出ノズル(3)が
    設けられているシリンダ(2)と、このシリンダ(2)
    内に回転方向と射出方向とに駆動されるように設けられ
    ているスクリュ(7)とを備えた射出成形機における射
    出工程の制御装置(50)であって、 前記制御装置(50)は、主フィードバック量である検
    出射出速度(15)と設定射出速度(56)とが入力さ
    れる速度比較器(52)と、主フィードバック量である
    検出樹脂圧力(26)と検出射出圧力(61)と設定樹
    脂圧力、設定射出圧力(57)とが入力される圧力比較
    器(53)と、前記速度比較器(52)と圧力比較器
    (53)から前記スクリュ(7)を射出方向に駆動する
    サーボ本体(37)に出力される動作信号のいずれか一
    方の動作信号を切り換える動作信号切換器(55)と、
    金型(22、23)内で直接的に検出される検出樹脂圧
    力(26)と前記スクリュ(7)を射出方向に駆動する
    検出射出圧力(61)のいずれか一方の圧力を前記圧力
    比較器(53)に切り換える検出圧力切換器(59)と
    からなり、 前記動作信号切換器(55)は、射出の初期には速度比
    較器(52)から出力される動作信号を前記サーボ本体
    (37)に印加するようになっていると共に、前記検出
    樹脂圧力(26)が設定樹脂圧力(57)に達すると、
    前記圧力比較器(53)から出力される動作信号を前記
    サーボ本体(37)に印加し、前記検出圧力切換器(5
    9)は、前記スクリュ(7)の位置(16)が保圧切換
    位置(58)に達するまでは、前記検出樹脂圧力(2
    6)を、前記圧力比較器(53)に印加し、前記保圧切
    換位置(58)に達すると、前記検出射出圧力(61)
    を前記圧力比較器(53)に印加するようになっている
    ことを特徴とする射出成形機における射出工程の制御装
    置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002036319A (ja) * 2000-07-19 2002-02-05 Sumitomo Heavy Ind Ltd 射出成形機の制御方法
JP2010000721A (ja) * 2008-06-20 2010-01-07 Sony Corp 射出成形の制御方法及び射出成形の制御装置
CN114750382A (zh) * 2022-03-31 2022-07-15 浙江凯华模具有限公司 一种注塑压力控制系统和控制方法

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