JPH1176288A - 眼内レンズ挿入器具 - Google Patents

眼内レンズ挿入器具

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Publication number
JPH1176288A
JPH1176288A JP23937797A JP23937797A JPH1176288A JP H1176288 A JPH1176288 A JP H1176288A JP 23937797 A JP23937797 A JP 23937797A JP 23937797 A JP23937797 A JP 23937797A JP H1176288 A JPH1176288 A JP H1176288A
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JP
Japan
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intraocular lens
housing
nozzle
main body
eye
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Pending
Application number
JP23937797A
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English (en)
Inventor
Kenji Osada
健二 長田
Hiroshi Iwai
博史 岩井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Menicon Co Ltd
Original Assignee
Menicon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 眼内レンズが、巻回状態下で、収容部内に容
易に収容され得て、眼球組織に設けられた、より小さな
切開部から眼内にスムーズに且つ確実に挿入させられ得
る眼内レンズ挿入器具を提供する。 【解決手段】 長手の器具本体12に対して、棒状の押
出し部材36を該器具本体12の長手方向に移動可能に
取り付けると共に、該長手方向一方の端部側に、眼内レ
ンズが変形状態下で収容可能な収容部24を配置し、更
に収容部24の内側に、該眼内レンズの外周部の一部部
位が係止せしめられる係止部32を設ける一方、該眼内
レンズを該係止部32に係止させた状態で、該眼内レン
ズの収容位置の内径を小さくすることによって該眼内レ
ンズを巻回する巻回機構を設けて、該巻回機構により巻
回された眼内レンズを、前記押出し部材36の移動に伴
って、前記収容部24から、その先端側に位置せしめら
れたノズル部22内に移動せしめ、更に該ノズル部22
から押し出して、眼内に挿入、位置せしめるように構成
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、変形可能な眼内レンズを眼内に
挿入する眼内レンズ挿入器具の改良された構造に関する
ものである。
【0002】
【背景技術】従来から、白内障の手術方法の一つとし
て、眼球組織を切開し、この切開部を通じて、水晶体を
摘出した後、水晶体に代替する眼内レンズを挿入して、
該水晶体の嚢内や嚢外に位置せしめる手法が採用されて
きている。
【0003】また、近年では、そのような手術方法を採
用する場合、眼内レンズとして、軟質材料からなる光学
部を有すること等により変形可能に構成され、かかる変
形によりコンパクト化された状態で、前記切開部を通じ
て眼内に挿入され得るようにした構造のものが、多く用
いられている。けだし、このような構造の眼内レンズを
用いることによって、眼球組織に設けた切開部を可及的
に小さく為すことが出来、以て術後乱視の軽減や創傷治
癒の短縮化等が有効に図られ得ることとなるからであ
る。
【0004】そして、一般に、眼内レンズは、それを眼
内に挿入させるための器具、所謂眼内レンズ挿入器具に
て、眼内に挿入させられることとなるが、特に、上述の
如き変形可能な眼内レンズを眼内に挿入させる際に有利
に用いられる眼内レンズ挿入器具として、例えば、特開
平5−103808号公報や特開平5−103809号
公報、或いは米国特許第4681102号の明細書等に
開示される眼内レンズ挿入器具が、知られている。
【0005】すなわち、それらの公報に記載の眼内レン
ズ挿入器具は、略長手円筒状の器具本体を有し、この器
具本体の軸方向一方の端部側に、変形可能な眼内レンズ
が変形状態下で収容される収容部が配置されると共に、
該収容部の先端側に、眼内レンズが変形状態下で通過さ
せられるノズル部が位置せしめられ、更に、器具本体に
対して、棒状の押出し部材が、該器具本体の軸方向に移
動可能に取り付けられて、かかる押出し部材が器具本体
の軸方向一方の端部側に向かって移動させられた際に、
該押出し部材の先端部が、前記収容部を通じて前記ノズ
ル部内に突入せしめられ得るように構成されている。そ
して、ノズル部の先端を眼内に挿入せしめた状態下で、
押出し部材の先端部を収容部を通じてノズル部内に突入
させることによって、収容部内に収容された眼内レンズ
が、該ノズル部内に移動せしめられ、更に該ノズル部内
から押し出されて、眼内に、挿入、位置せしめられ得る
ようになっているのである。
【0006】ところで、そのような眼内レンズ挿入器具
を用いて、眼内レンズを、眼球組織に設けた小さな切開
部から眼内に、円滑に且つ確実に挿入させるためには、
眼内レンズが、収容部内に、よりコンパクトに変形せし
められて収容され得ると共に、押出し部材にて、該収容
部からノズル部を通じて外部に押し出される際に、収容
部やノズル部の内面、更には押出し部材の先端等との接
触による破損等を生ずることなく、収容部内及びノズル
部内をスムーズに移動せしめられ得るような構造をもっ
て、眼内レンズ挿入器具が構成されていることが望まし
い。そして、そのような眼内レンズ挿入器具内における
眼内レンズの収容状態や移動状態を確保するためには、
眼内レンズが巻回され、ロール状に変形せしめられた状
態で、収容部内に収容されていることが、最も望ましい
のである。
【0007】ところが、前記公報に示される如き従来の
眼内レンズ挿入器具にあっては、収容部の構造からし
て、上述の如く、眼内レンズを巻回して、ロール状に変
形せしめた状態で、収容部内に収容せしめるようにする
ことが、決して容易ではなかった。
【0008】すなわち、かかる従来の眼内レンズ挿入器
具においては、前記公報のそれぞれの図面からも明らか
なように、収容部が、円筒形状を、軸方向に延びる切断
面をもって二分し、且つ互いに対応する二対の切断面の
うちの一対をヒンジ状に連結してなる一対の半割筒体に
て構成されているところから、単に、かかる収容部を構
成する一対の半割筒体を開いて、その内部に眼内レンズ
を配置し、その後、該一対の半割筒体を円筒形状となる
ように閉じるだけの操作を行なう場合、眼内レンズが、
二つ折りにされて、収容部内に収容されることとなる。
そのため、そのような従来の眼内レンズ挿入器具におい
て、前述の如く、収容部内に、眼内レンズを巻回状態下
で収容せしめるには、収容部内に収容配置する前に、眼
内レンズを巻回して、ロール状に変形せしめた後、かか
る変形状態が解消されることのないように注意して、収
容部内に位置せしめるといった、極めて面倒で手間のか
かる操作を行なう必要があったのである。
【0009】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景にして為されたものであって、その解決課題とす
るところは、面倒な操作を要することなく、眼内レンズ
が、巻回状態下で、収容部内に容易に収容され得、以て
かかる眼内レンズを、眼球組織に設けられた、より小さ
な切開部から眼内にスムーズに且つ確実に挿入させ得る
ように改良された眼内レンズ挿入器具を提供することに
ある。
【0010】
【解決手段】そして、かかる課題を解決するために、本
発明にあっては、長手の器具本体と、該器具本体の長手
方向における一方の端部側に配置され、変形可能な眼内
レンズが変形せしめられた状態下で収容される円筒状の
収容部と、該収容部の先端側に位置せしめられ、該眼内
レンズが変形状態下で通過させられるノズル部と、前記
器具本体に対して、その長手方向に移動可能に取り付け
られ、該器具本体の前記一方の端部側に向かって移動さ
せられた際に、先端部が、前記収容部を通じて前記ノズ
ル部内に突入せしめられ得るように構成された棒状の押
出し部材とを含み、該ノズル部の先端を眼内に挿入せし
めた状態下で、該押出し部材の先端部を該収容部を通じ
て該ノズル部内に突入させることによって、該収容部内
に収容された前記眼内レンズを該ノズル部内に移動せし
めると共に、更に該ノズル部内から押し出して、眼内に
挿入、位置せしめるようにする眼内レンズ挿入器具にお
いて、前記収容部の内側に、該収容部内に収容された前
記眼内レンズの外周部の一部部位が係止せしめられる係
止部を設けると共に、該眼内レンズを該係止部に係止さ
せた状態で、該眼内レンズの収容位置の内径を小さくす
ることによって該眼内レンズを巻回する巻回機構を設け
たことを、その特徴とするものである。
【0011】要するに、本発明に従う眼内レンズ挿入器
具においては、単に、眼内レンズを、係止部に係止させ
つつ、収容部内に収容せしめた状態下で、巻回機構を機
能させるだけで、該眼内レンズが巻回されるようになっ
ているのであり、それによって、従来器具とは異なっ
て、収容部内に収容する前に眼内レンズを巻回した後、
かかる巻回状態が解消されることのないように注意し
て、収容部内に位置せしめるといった、極めて面倒で手
間のかかる操作を何等行なうことなく、眼内レンズが、
収容部内に、巻回された状態で、確実に且つ容易に収容
され得ることとなるのである。
【0012】従って、本発明に従う眼内レンズ挿入器具
にあっては、眼内レンズが、極めて簡単な操作により、
収容部内に、よりコンパクトに変形せしめられた状態で
収容され得ると共に、該収容部から押出し部材にて押し
出される際に、収容部やノズル部の内面、更には押出し
部材の先端等との接触による破損等を生ずることなく、
収容部内及びノズル部内をスムーズに移動せしめられ得
るのであり、その結果として、かかる眼内レンズを、眼
球組織に設けた、より小さな切開部から眼内の所定位置
に、円滑に且つ確実に挿入させることが出来るのであ
る。
【0013】なお、そのような本発明に従う眼内レンズ
挿入器具の有利な態様の一つによれば、前記係止部が、
前記収容部の内周面を周方向に段付けする段付部にて構
成され、且つ該段付部が、該収容部の内面の曲率半径を
周方向に変化させることによって形成される曲率半径が
最小となる部位と最大となる部位との接続部に形成され
る一方、前記巻回機構が、前記収容部に、前記器具本体
の長手方向における一方の端部側に向かうに従って次第
に小径となるテーパー部位を設けると共に、該収容部内
に収容される前記眼内レンズを、前記外周部の一部部位
において前記段付部に係止させつつ、該テーパー部位の
大径側から小径側に移動させることにより、該眼内レン
ズの該収容部内での収容位置の内径が小さくなるように
為すことによって、構成されることとなる。
【0014】かくの如き構成とされた眼内レンズ挿入器
具にあっては、収容部内に収容された眼内レンズが、該
収容部内を、ノズル部の位置する先端側に向かって移動
せしめられるのに従って徐々に巻回されて、よりコンパ
クトに変形せしめられ得、それによって、眼内レンズを
収容部内に配置した後、押出し部材にて該収容部内から
ノズル部内に向かって移動させるといった、眼内レンズ
を眼内に挿入、位置させるための一連の操作以外、何等
余分な操作を行うことなく、眼内レンズが確実に且つ容
易に巻回され得るのであり、その結果として、より優れ
た操作性をもって、眼内レンズを、極めて迅速に且つ確
実に眼内に挿入させ得ることとなるのである。
【0015】また、本発明に従う眼内レンズ挿入器具の
好ましい態様の一つによれば、前記係止部が、ストリッ
プをリング形状に湾曲せしめて構成された前記収容部の
内側に設けられる一方、前記巻回機構が、かかる収容部
内に収容される前記眼内レンズを前記外周部の一部部位
において該係止部に係止させた状態で、該収容部を与え
る前記ストリップの一方側の端部を該収容部のリング形
状を小径化する方向に引張することにより、該眼内レン
ズの該収容部内での収容位置の内径が小さくなるように
為すことによって、構成されることとなる。
【0016】このような構成を有する眼内レンズ挿入器
具にあっては、収容部を与えるストリップの一方側の端
部の引張量を調節することにより、該ストリップにて形
成されるリング形状の大きさ、換言すれば、収容部の大
きさを任意に変化させることが出来るのであり、それに
よって、使用される眼内レンズの大きさや眼球組織に設
けられる切開部の大きさ等に応じて、収容部の大きさが
有利に変化させられ得、以て眼内レンズが、そのサイズ
等に拘わらず、収容部内において、常に適当な巻回状態
で安定的に収容され得ると共に、眼内に、よりスムーズ
に挿入せしめられ得ることとなるのである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明をより具体的に明ら
かにするために、本発明に係る眼内レンズ挿入器具の構
成について、図面を参照しつつ、詳細に説明することと
する。
【0018】先ず、図1及び図2には、本発明に従う眼
内レンズ挿入器具の一例が、概略的に示されている。そ
れらの図からも明らかなように、眼内レンズ挿入器具1
0は、器具本体12を有して、構成されている。
【0019】より具体的には、眼内レンズ挿入器具10
を構成する器具本体12は、細長い円筒形状をもって、
成っている。そして、かかる本体12にあっては、その
長さ方向、即ち軸方向一方側の端部に、該本体12の筒
壁を周方向に所定幅にわたって切り欠いてなる切欠溝1
4が、該軸方向に所定長さ延びるようにして、設けられ
ている。また、この切欠溝14は、本体12の軸方向一
方側が、切欠幅の小さな狭幅部16とされている一方、
その他方側が、切欠幅の大きな広幅部18とされてい
る。更に、本体12における軸方向他方側の端部の内側
には、軸方向に連続して延びる突条15が、一体形成さ
れている。
【0020】そして、そのような本体12における軸方
向一方側の端部の内側には、収容筒体20が、配置され
ている。この収容筒体20は、図3乃至図5に示される
如く、大径の円筒部位と小径の円筒部位とが、テーパー
部位にて一体的に連結されてなる、略薄肉段付円筒状の
全体形状を有して、構成されている。また、かかる収容
筒体20は、透明な樹脂材料からなっており、前記小径
の円筒部位がノズル部22とされている一方、前記大径
の円筒部位と前記テーパー部位とが、収容部24とされ
ている。
【0021】さらに、図6からも明らかなように、その
ような収容筒体20の収容部24においては、前記大径
の円筒部位が、軸方向に延びる切断面をもって二分され
てなる一対の半割筒体26a,26bにて構成されてい
る。また、それら一対の半割筒体26a,26bは、そ
れぞれの周方向一端部における相互の突き合わせ部位に
おいて、ヒンジ部28にて連結されている一方、各周方
向他端部に、押え板30a,30bがそれぞれ一つずつ
一体形成されて、成っている。これにより、それら二つ
の押え板30a,30bを互いに重ね合わせたり、離隔
させたりして、一対の半割筒体26a,26bが円筒形
状を呈するように、或いはそれが二分されるように開閉
せしめられるのに伴って、収容筒体20の収容部24
が、部分的に分割され得るようになっている。
【0022】そして、図4及び図5に示される如く、か
かる収容筒体20の収容部24においては、特に、前記
ヒンジ部28の形成部位から、前記二つの押え板30
a,30bのうちの一方の押え板30bの形成部位まで
の半周部分の内周面が、全長にわたって、一定の曲率を
有する曲面形態をもって成っている一方、残りの半周部
分の内周面が、全長にわたり、該ヒンジ部28の形成部
位から他方の押え板30aの形成部位に向かって曲率が
次第に大きくなる曲面形態をもって、構成されている。
【0023】すなわち、収容筒体20の収容部24にあ
っては、その内面の曲率半径が、前記他方の押え板30
aが一体形成された半割筒体26aを含む半分の部分に
おいて周方向に変化させられて、該半割筒体26aを含
む半分の部分における該他方の押え板30aの形成部位
が、曲率半径の最大となる部位とされている一方、前記
一方の押え板30bが一体形成された半割筒体26bを
含む、残りの半分の部分における前記一方の押え板30
bの形成部位が、曲率半径の最小となる部位とされてい
るのである。
【0024】これによって、収容筒体20における収容
部24の内周面が、前記他方の押え板30aの形成部位
における、前記一方の押え板30bの形成部位に対する
対向面にて、周方向に段付けされているのであり、以て
該収容部24の内周面を段付けする、該他方の押え板3
0aの形成部位の前記対向面が、段付部32として構成
されているのである。また、そのような段付部32が形
成され得るように、前記ヒンジ部28の形成部位から他
方の押え板30aの形成部位に向かって、曲率が、漸
次、大きくなる曲面形態をもって延びる、収容部24の
半分の内周面は、後述する如く、眼内レンズを周方向に
案内する案内面34とされている。
【0025】而して、かくの如き構成とされた収容部2
4を有する収容筒体20が、図1及び図2に示される如
く、該収容部24の前記テーパー部位とノズル部22と
を前記本体12の軸方向一方側の先端開口部を通じて、
外方に露呈せしめつつ、該収容部24の一対の半割筒体
26a,26bにそれぞれ一体形成された押え板30
a,30bが互いに重ね合わされて、それら一対の半割
筒体26a,26bが閉じられた状態で、該本体12の
軸方向一方側の端部の内孔内に配置せしめられている。
また、そのような配置状態下において、かかる収容筒体
20にあっては、互いに重ね合わされた押え板30a,
30bが、前記本体12の切欠溝14における狭幅部1
6の両側壁に挟まれるようにして、位置せしめられてお
り、以て本体12内での軸方向への無用な移動や、該軸
心回りの回転が阻止されるようになっている。
【0026】さらに、図1及び図2からも明らかなよう
に、本体12の内孔内には、押出し部材たる押出し棒3
6が配置されている。この押出し棒36は、全体とし
て、略円柱形状を呈しており、本体12の軸方向他方側
部位の内径よりも僅かに小さな外径と、本体12よりも
所定寸法長い長さとをもって、構成されている。また、
かかる押出し棒36にあっては、長さ方向一方側の端部
が、前記収容筒体20の内側形状に対応した形状とされ
ており、更に、その外周面上には、狭幅の摺動溝38
が、長さ方向に連続して設けられている。
【0027】そして、そのような押出し棒36が、前記
収容筒体20の内側形状に対応した形状を有する長さ方
向一方側の端部を先頭に、本体12の前記軸方向他方側
の端部開口部から、該本体12内に挿通せしめられてい
る。また、かかる押出し棒36にあっては、そのような
挿通状態下において、本体12の内周面に一体形成され
た前記突条15を摺動溝38内に摺動可能に嵌合せしめ
た状態で、本体12内に位置せしめられている。
【0028】かくして、押出し棒36にあっては、本体
12内において、軸心回りの回転が阻止せしめられた状
態で、軸方向に移動可能に配置されているのであり、ま
た、該本体12の軸方向一方の端部側に向かって移動さ
せられことによって、先端部が、前記収容筒体20内に
おいて、収容部24を通じてノズル部22内に突入せし
められ得るようになっているのである。
【0029】そして、このような構成とされた眼内レン
ズ挿入器具10を用いて、変形可能な眼内レンズを眼内
に挿入する際には、例えば、以下の如き手順に従って、
その作業が進められることとなる。
【0030】すなわち、先ず、図2において仮想線で示
される如く、収容筒体20の全体が、本体12における
切欠溝14の広幅部18内に位置するように、収容筒体
20を本体12の軸方向他方側に移動させた後、該切欠
溝14の広幅部18を通じて、該本体12内から取り出
す。
【0031】次いで、収容筒体20における収容部24
の一対の半割筒体26a,26bを、図6に示されるよ
うにして開いて、その内部に眼内レンズ(図示せず)を
配置し、その後、一対の半割筒体26a,26bにそれ
ぞれ一体形成された押え板30a,30bを互いに重ね
合わせるようにして、それら一対の半割筒体26a,2
6bを閉じることにより、収容筒体20の収容部24内
に、眼内レンズを収容せしめる。
【0032】なお、その際、図4に示される如く、収容
筒体20内に収容された眼内レンズ40は、光学部の外
周部の一部部位が、収容部24の前記段付部32に係止
せしめられると共に、該光学部全体が該収容部24の内
周面に沿って湾曲させられるように位置せしめられるこ
ととなる。
【0033】その後、図2に示される如く、押出し棒3
6を本体12の軸方向他方側に位置せしめた状態で、図
示しない眼内レンズが収容せしめられた収容筒体20
を、再び、本体12における切欠溝14の広幅部18内
に配した後、本体12の軸方向一方側に移動させ、ノズ
ル部22が本体12の軸方向一方側の端部開口部から外
部に露呈せしめられ、且つ互いに重ね合わされた前記押
え板30a,30bが切欠溝14の狭幅部16の両側壁
に挟まれるように、該収容筒体20を本体12の軸方向
一方側の端部に位置せしめる。
【0034】次に、本体12の軸方向一方側の端部開口
部から外部に露呈せしめられた収容筒体20のノズル部
22の先端を、予め眼内組織に設けられた切開部を通じ
て眼内に挿入する。
【0035】そして、その後、軸方向他方側に位置せし
められた押出し棒36を、本体12内において、軸方向
一方側、即ち、収容筒体20の配置側に向かって移動さ
せて、押出し棒36の先端部位を、該収容筒体20の収
容部24を通じてノズル部22内に突入させることによ
り、該収容部24内に収容された眼内レンズをノズル部
22内に移動させる。
【0036】その際、眼内レンズの収容部24からノズ
ル部22への移動に応じて、収容筒体26内での該眼内
レンズの収容位置の内径が小さくされ、またそれに伴っ
て、眼内レンズが徐々に巻回せしめられることとなる。
【0037】すなわち、図7に示される如く、眼内レン
ズ40が、一対の半割筒体26a,26b内から収容部
24のテーパー部位内の大径側に移動せしめられること
によって、その収容位置の内径は、一対の半割筒体26
a,26bにて形成される円筒形状のそれよりも小さく
される。そして、その際、眼内レンズ40の光学部の外
周部の一部部位の前記段付部32への係止状態が、一対
の半割筒体26a,26b内への収容時と同様に維持せ
しめられる一方、該眼内レンズ40において、その外周
部の一部部位に対向する対向部位が、前記収容位置の内
径が小さくされた分だけ、収容部24の前記案内面34
上を摺動せしめられて、該案内面34に案内されつつ、
前記外周部の一部部位の内側に導かれる。
【0038】また、図8からも明らかなように、眼内レ
ンズ40が、かかる収容部24のテーパー部位内の大径
側から小径側に移動せしめられる際にも、収容部24内
における眼内レンズ40の収容位置の内径がより小さく
される。そして、それによって、前記眼内レンズ40の
外周部の前記段付部32への係止状態が維持せしめられ
つつ、該収容位置の内径が小さくされた分だけ、該眼内
レンズ40の光学部の中間部分が、前記案内面34上を
摺動せしめられると共に、眼内レンズ40の前記外周部
の一部部位の内側に導かれた前記対向部位が、該眼内レ
ンズ40の内側に巻き込まれ、以て眼内レンズ40全体
が、巻回される。
【0039】さらに、図9に示される如く、眼内レンズ
40が、収容部24からノズル部22に移動せしめられ
ることにより、眼内レンズ40の収容位置の内径が更に
小さくされ、またそれによって、該収容位置の内径が小
さくされた分だけ、眼内レンズ40の前記対向部位が、
該眼内レンズ40の内側に更に巻き込まれて、眼内レン
ズ40全体が更に一段と巻回されることとなるのであ
る。
【0040】なお、このことから明らかなように、本具
体例においては、段付部32にて、係止部が構成されて
いるのであり、また、収容部24に対して、ノズル部2
2に向かうに従って次第に小径となるテーパー部位が設
けられると共に、該収容部24内に収容せしめられた眼
内レンズ40が、前記段付部32に係止せしめられつ
つ、押出し棒36によりノズル部22に向かって移動せ
しめられるのに伴って、該眼内レンズ40の収容部24
内における収容位置の内径が小さくされるようになって
いることによって、眼内レンズ40を巻回せしめる巻回
機構が構成されているのである。
【0041】そして、その後、押出し棒36を、本体1
2内において、軸方向一方側に更に移動させ、押出し棒
36の先端部位を、ノズル部22の先端開口部に向かっ
て移動せしめることにより、眼内レンズ40をノズル部
22内から押し出す。
【0042】かくして、眼内レンズ40が、巻回され、
ロール状に変形せしめられた状態で、眼内に挿入される
のであり、また、眼内に挿入された眼内レンズ40が、
それの有する復元力により、眼内において巻回状態が解
除されて、良好な状態で位置せしめられることとなるの
である。なお、上述の如き手順では、ノズル部22の先
端を、予め眼内組織に設けられた切開部を通じて眼内に
挿入した後、押出し棒36を操作して、眼内レンズが、
収容部24からノズル部22へ移動せしめるようにして
いたが、ノズル部22の先端を眼内に挿入するのに先立
って、眼内レンズを収容部24からノズル部22に移動
させておくようにしても良い。
【0043】このように、本具体例に係る眼内レンズ挿
入器具10にあっては、眼内レンズ40を、光学部の外
周部の一部部位において、収容筒体20の収容部24の
内側に形成された段付部32に係止させつつ、該収容部
24内に収容配置せしめた状態で、押出し棒36を、本
体12内において、軸方向一方側に移動させることによ
り、眼内レンズ40が、収容部24内をノズル部22側
に向かって移動せしめられると同時に巻回されるように
なっていることから、従来器具を用いる際に行なわれて
いた、眼内レンズ40を外部で巻回した後、収容部24
内に収容せしめるといった面倒な操作を何等行なうこと
なく、眼内レンズ40が、収容部22内に、巻回された
状態で、確実に且つ容易に収容位置せしめられ得るので
ある。
【0044】従って、かかる眼内レンズ挿入器具10を
用いれば、極めて簡単な操作で、眼内レンズ40が、収
容部24内において、よりコンパクトに変形せしめられ
た状態で収容され得ると共に、そのような状態におい
て、収容部24やノズル部22の内面、更には押出し棒
36の先端部等との接触による破損等を生ずることな
く、ノズル部22内からスムーズに押し出され得るので
あり、その結果として、眼内レンズ40を、眼球組織に
設けた、より小さな切開部から、眼内の所定位置に、円
滑に且つ確実に挿入させ得ることとなるのである。
【0045】しかも、本具体例に係る眼内レンズ挿入器
具10にあっては、前述の如く、収容部24内に収容さ
れた眼内レンズ40をノズル部22から押し出すための
一連の操作の中で、眼内レンズ40が巻回され得るよう
になっていることから、眼内レンズ40を押し出すため
の操作以外、余分な操作を何等行なうことなく、眼内レ
ンズ40が、よりコンパクトに変形せしめられ得た状態
で、ノズル部22から押し出され得るのであり、それに
よって、眼内レンズ40の眼内への挿入操作を、より優
れた操作性をもって、極めて迅速に行なわしめ得るので
ある。
【0046】また、かかる眼内レンズ挿入器具10にお
いては、眼内レンズ40が収容される収容部24を備え
た収容筒体20が、透明な樹脂材料からなり、また本体
12の軸方向一方側の先端開口部からノズル部22を外
方に露呈せしめた状態で、本体12に取り付けられるよ
うになっていることから、眼内レンズ40の収容部24
内への収容状態や、ノズル部22内から押し出される直
前の状態が視認され得るのであり、それによって、眼内
レンズ40の破損の有無等が、眼内への挿入前に容易に
確認され得るのである。
【0047】次に、図10及び図11には、本発明の別
の具体例としての眼内レンズ挿入器具が示されている。
なお、本具体例は、前記第一の具体例に示された眼内レ
ンズ挿入器具に対して、収容部とノズル部の構造が異な
る例を示すものである。それ故、本具体例の眼内レンズ
挿入器具では、それら収容部とノズル部の構造以外の部
分については、前記第一の具体例と略同一の構造が採用
されている。従って、図10及び図11においては、前
記第一の具体例と同様な構造とされた部材及び部位につ
いて、図中、それぞれ、第一の具体例と同一の符号を付
すことによりその詳細な説明は省略した。
【0048】すなわち、図10及び図11に示される如
く、本具体例に係る眼内レンズ挿入器具42は、前記具
体例と同様に、細長い円筒形状を呈する器具本体12を
有して、構成されている。また、この本体12も、軸方
向一方側の端部に、狭幅部16と広幅部18とからなる
切欠溝14が設けられている一方、その他方側の端部の
内側に、突条15が一体的に形成されて、成っている。
【0049】そして、かかる本体12にあっては、特
に、前記切欠溝14が設けられる軸方向一方側の先端部
分が、他の部分に比して薄肉化され且つ小径化されたノ
ズル部44とされている。即ち、ここでは、ノズル部4
4が、本体12に対して一体形成されているのである。
【0050】また、そのような本体12における軸方向
一方側の端部の内側には、前記具体例と同様に、収容筒
体46が配置されているのであるが、本具体例では、こ
の収容筒体46が、ストリップ48によって構成されて
いる。
【0051】より詳しくは、このストリップ48は、可
撓性を有する合成樹脂材料から成っている。また、かか
るストリップ48にあっては、図12及び図13に示さ
れる如く、略長手矩形状の全体形状をもって構成されて
おり、その長手方向一方の端部側に、幅方向に延びるス
リット52と係止部54とが互いに隣接して、設けられ
ている。即ち、スリット52が、ストリップ48の長手
方向一方の端部側において、該長手方向他方側の端部が
挿通され得る大きさをもって、該ストリップ48の幅方
向に所定寸法延びるように形成されているのであり、ま
た、係止部54が、スリット52の形成部位側よりも前
記長手方向他方側の位置において、該一方の面から所定
高さ突出し、且つ該スリット52に沿って、ストリップ
48の幅方向に連続して延びるようにして、一体的に立
設せしめられているのである。
【0052】また、特に、このストリップ48に設けら
れた係止部54は、図14からも明らかなように、先端
部が、前記スリット52の形成側とは反対側に向かって
略直角に屈曲せしめられてなる略鉤形状の全体形状をも
って構成されており、かかる屈曲部位の下面が、平坦な
係止面56とされている一方、その上面が、凹状の湾曲
面形態をもって、該屈曲部位の基部側から先端側に向か
って下傾する傾斜面58とされている。
【0053】そして、図15に示される如く、かかる係
止部54が内側に位置せしめられるように、該ストリッ
プ48における前記スリット52の形成側とは反対側の
端部が該スリット52内に挿通せしめられて、かかるス
トリップ48がリング形状を呈するように湾曲せしめら
れることによって、収容筒体46が形成されているので
あり、また、そのようなリング形状の内部空間が、眼内
レンズが収容される収容部50として、構成されている
のである。
【0054】而して、図10及び図11からも明らかな
ように、上述の如き構造とされた収容筒体46のリング
形状を呈する部分が前記本体12の内孔内に収容せしめ
られるようにして、収容筒体46が、本体12の軸方向
一方側の端部の内側に配置せしめられている。また、そ
のような配置状態下において、かかる収容筒体46にあ
っては、ストリップ48の長手方向両側端部における前
記スリット52の形成部位と該スリット52内への挿通
部位とが、前記本体12の切欠溝14における狭幅部1
6の両側壁に挟まれるようにして、位置せしめられてお
り、それによって、収容筒体46の本体12内での軸方
向への無用な移動や、該軸心回りの回転が阻止されるよ
うになっている。
【0055】さらに、かかる本体12の内孔内には、押
出し棒36が挿通せしめられている。この押出し棒36
も、前記具体例と同様に、先端部が、前記収容筒体46
内の収容部50と本体12の先端に一体形成された前記
ノズル部44のそれぞれの内側形状に対応した形状とさ
れており、また、外周面に形成された摺動溝38内に、
本体12の前記突条15を摺動可能に嵌合せしめつつ、
本体12内に位置せしめられている。それによって、押
出し棒36にあっては、本体12内において、軸心回り
の回転が阻止せしめられつつ、軸方向に移動可能に配置
されているのであり、また、該本体12の軸方向一方の
端部側に向かって移動させられることによって、先端部
が、前記収容筒体46内の収容部50を通じてノズル部
44内に突入せしめられ得るようになっているのであ
る。
【0056】そして、このような構成とされた眼内レン
ズ挿入器具42を用いて、変形可能な眼内レンズを眼内
に挿入する際には、例えば、以下の如き手順に従って、
その作業が進められることとなる。
【0057】すなわち、先ず、図11において仮想線で
示される如く、収容筒体46を、本体12における切欠
溝14の広幅部18内に移動させた後、該切欠溝14の
広幅部18を通じて、該本体12内から取り出す。
【0058】次いで、収容筒体46を与えるストリップ
48の、スリット52に挿通せしめられた長手方向他方
側の端部をスリット52内から抜き取り、リング形状を
呈する収容筒体46を展開して、図12に示されるよう
にストリップ48を広げた後、眼内レンズ(図示せず)
を、光学部の外周部の一部部位において、ストリップ4
8の前記係止部54の係止面56に係止させた状態で、
ストリップ48上に載置する。
【0059】その後、再び、ストリップ48の長手方向
他方側の端部を、スリット52に挿通させて、前記係止
部54が内側に位置するように、ストリップ48をリン
グ形状に湾曲せしめて収容筒体46を形成し、該収容筒
体46の内部空間により構成される収容部50内に、眼
内レンズを収容、位置せしめる。
【0060】なお、その際、図16に示される如く、収
容筒体46の収容部50内に位置せしめられた眼内レン
ズ40は、光学部の外周部の一部部位が、前記係止部5
4の係止面56に係止せしめられると共に、該光学部全
体が該収容部50の内周面に沿って湾曲させられるよう
に位置せしめられることとなる。
【0061】次に、スリット52に挿通せしめられたス
トリップ48の長手方向他方側の端部を前記リング形状
が小さくなるように引張する。その際、収容筒体46内
での眼内レンズ40の収容位置の内径、換言すれば、収
容部50の大きさが小さくされ、またそれに伴って、眼
内レンズ40が徐々に巻回されることとなる。
【0062】すなわち、図17に示される如く、スリッ
ト52に挿通せしめられたストリップ48の長手方向他
方側の端部を所定量引張することにより、その引張量に
応じて、収容部50が小さくされる。そして、その際、
眼内レンズ40の光学部の外周部の一部部位の前記係止
部54への係止状態が、前記ストリップ48の長手方向
他方側の端部を引張する前と同様に維持せしめられる一
方、該眼内レンズ40において、その外周部の一部部位
に対向する対向部位が、収容部50が小さくされた分だ
け、係止部54の前記傾斜面58上を摺動せしめられ
て、該傾斜面58に案内されつつ、前記外周部の一部部
位の内側に導かれる。
【0063】また、図18からも明らかなように、前記
ストリップ48の長手方向他方側の端部を更に所定量引
張することにより、収容部50がより小さくされる。そ
して、それによって、前記眼内レンズ40の外周部の前
記係止部54への係止状態が維持せしめられつつ、収容
部50が小さくされた分だけ、該眼内レンズ40の光学
部の中間部分が前記傾斜面58上を摺動せしめられると
共に、眼内レンズ40の前記外周部の一部部位の内側に
導かれた前記対向部位が該眼内レンズ40の内側に巻き
込まれて、眼内レンズ40全体が巻回されることとなる
のである。
【0064】なお、このことから明らかなように、本具
体例においては、収容筒体46の収容部50内に収容せ
しめられた眼内レンズ40が、該収容部50の内側に設
けられた係止部54に係止せしめられた状態で、該収容
筒体46を構成するストリップ48の、前記スリット5
2に挿通せしめられた長手方向他方側の端部が引張され
るのに伴って、収容部50か小さくされるようになって
いることによって、眼内レンズ40を巻回せしめる巻回
機構が構成されているのである。
【0065】その後、図11に示される如く、押出し棒
36を本体12の軸方向他方側に位置せしめた状態で、
図示しない眼内レンズが収容せしめられた収容筒体46
を、再び、本体12における切欠溝14の広幅部18内
に配した後、本体12の軸方向一方側に移動させて、該
収容筒体46を本体12の軸方向一方側の端部に位置せ
しめる。
【0066】次に、本体12の軸方向一方側の先端部に
一体形成された前記ノズル部44の先端を、予め眼内組
織に設けられた切開部を通じて眼内に挿入する。
【0067】そして、その後、軸方向他方側に位置せし
められた押出し棒36を、本体12内において、軸方向
一方側、即ち、収容筒体46の配置側に向かって移動さ
せて、押出し棒36の先端部位を、該収容筒体46の収
容部50を通じてノズル部44内に突入させることによ
り、該収容部50内に収容された眼内レンズをノズル部
44内に移動させ、更に、ノズル部44内から押し出
す。
【0068】かくして、眼内レンズ40が、巻回され、
ロール状に変形せしめられた状態で、眼内に挿入される
のであり、また、眼内に挿入された眼内レンズ40が、
それの有する復元力により、眼内において巻回状態が解
除されて、良好な状態で位置せしめられることとなるの
である。なお、上述の如き手順では、ノズル部44の先
端を、予め眼内組織に設けられた切開部を通じて眼内に
挿入した後、押出し棒36を操作して、眼内レンズを、
収容部50からノズル部44へ移動させ、更にノズル部
44から押し出して、眼内に挿入させるようにしていた
が、眼内レンズを収容部50からノズル部44に移動さ
せた後、ノズル部44の先端を眼内に挿入せしめ、そし
てその状態で、押出し棒36をノズル部44側に更に移
動させることにより、眼内レンズを眼内に挿入させるよ
うにしても良い。
【0069】このように、本具体例に係る眼内レンズ挿
入器具42にあっても、前記具体例と同様に、眼内レン
ズ40を外部で巻回した後、収容部50内に収容せしめ
るといった面倒で手間のかかる操作を何等行なうことな
く、眼内レンズ40が、収容部50内に、巻回された状
態で、確実に且つ容易に収容位置せしめられ得るのであ
り、従って、眼内レンズ40を、眼球組織に設けた、よ
り小さな切開部から眼内の所定位置に、円滑に且つ確実
に挿入させることが出来るのである。
【0070】しかも、かかる眼内レンズ挿入器具42に
おいては、収容筒体46の収容部50内に収容せしめら
れた眼内レンズ40が、該収容部50の内側に設けられ
た係止部54に係止せしめられた状態で、該収容筒体4
6を構成するストリップ48の、前記スリット52に挿
通せしめられた長手方向他方側の端部が引張されるのに
伴って、収容部50が小さくされて、眼内レンズ40が
巻回されるようになっていることから、ストリップ48
における前記長手方向他方側の端部の引張量を調節する
だけで、収容部50の大きさを自由に変化させることが
出来るのであり、それによって、用いられる眼内レンズ
40の大きさや眼内組織に形成される切開部の大きさ等
に応じて、収容部50の大きさが任意に変化させられる
得るのである。
【0071】それ故、本具体例に係る眼内レンズ挿入器
具42を用いれば、眼内レンズ40が、そのサイズ等に
拘わらず、収容部50内において、常に適当な巻回状態
で安定的に収容され得ると共に、眼内に、よりスムーズ
に挿入せしめられ得ることとなるのである。
【0072】ところで、前記二つの具体例では、器具本
体12が、細長い円筒形状をもって、構成されていた
が、かかる器具本体12は、使用者によって把持され得
ると共に、棒状の押出し部材が長手方向に移動可能に取
り付けられ得る構造を有するものであれば、その形状
が、何等限定されるものではなく、例えば、長手の角筒
形状や板形状、或いはピンセット形状等が、器具本体の
全体形状として、何れも有利に採用され得るのである。
【0073】また、そのような器具本体の構成材料も、
特に限定されるものではなく、例えば、各種の金属材料
や合成樹脂材料等の中から、眼内レンズ挿入器具の本体
を与えるものとして、従来から使用される材料が、適宜
に用いられ得るのである。
【0074】さらに、前記二つの具体例では、略円柱形
状を呈する押出し棒36にて、棒状の押出し部材が構成
されていたが、この押出し部材も、長手の器具本体に対
して、その長手方向に移動可能に取り付けられ得るもの
であれば、その形状や材質が、何等限定されるものでな
いことは、勿論である。
【0075】更にまた、前記二つの具体例では、眼内レ
ンズ40を収容する収容部24,50と、先端が眼内に
挿入されるノズル部22,44とが、それぞれ、別な部
位若しくは別な部材にて構成されていたが、収容部に対
してノズル部の機能を付与せしめることにより、それら
収容部とノズル部とを一つの部材若しくは部位にて構成
するようにしても、何等差し支えない。なお、かかるノ
ズル部22,44の内径は、特に限定されるものではな
いものの、眼内レンズを挿入させるために眼球組織に設
けられる切開部をより小さく為す上で、好ましくは2〜
4.5mm、より好ましくは2.3〜4mm程度とされ
る。
【0076】また、前記二つの具体例では、器具本体1
2に対して取外し可能に取り付けられる収容筒体20,
46に収容部24,50が設けられて、該収容部24,
50が、器具本体12から分離可能な構造をもって構成
されていたが、かかる収容筒体20,46を器具本体1
2に対して取外し不能に取り付けたり、器具本体12の
一部分を収容部24,50と為したりすること等によっ
て、収容部24,50を、器具本体12に対して着脱不
能に構成することも、可能である。
【0077】さらに、そのような収容筒体20,46の
構成材料も、特に限定されるものではなく、各種の金属
材料や合成樹脂材料の中から、適宜に選択されて、用い
られ得るのである。
【0078】また、そのような収容部内に設けられる係
止部の形状も前記二つの具体例に示される如きものに、
何等限定されるものではなく、収容部内に収容された眼
内レンズの外周部の一部部位が係止せしめられ得る構造
を有するものであれば、如何なる形状も、採用され得る
のである。
【0079】さらに、かかる係止部の収容部への配設構
造や配設個数、或いは配設位置等も、前記二つの具体例
に示されるものに決して限定されるものでないことは、
言うまでもないところである。
【0080】また、前記二つの具体例では、収容部2
4,50内に収容された眼内レンズ40が、外周部の一
部部位のみにおいて、段付部32若しくは係止部54に
係止せしめられるようになっていたが、かかる眼内レン
ズ40が、巻回される前の状態だけに限って、眼内レン
ズ40の外周部の一部部位と、それとの対向部位とが、
それら段付部又は係止部に係止せしめられるように構成
しても良い。
【0081】すなわち、例えば、図19乃至図21に示
される如く、収容筒体20における収容部24の内側半
分の内周面を構成し、前記係止部としての段付部32を
与える案内面34に対して、該収容部24の残り半分の
内周面に応じた形状を有する、凹所状の除肉部60を形
成すると共に、該除肉部60の前記段差部32側に位置
する側壁を、該段差部32に沿って延びる係合部62と
して、また、ノズル部22側に位置する側壁を、該ノズ
ル部22側に向かうに従って該収容部24内側に傾斜す
る傾斜案内部64ととして、それぞれ構成する。そし
て、図19に仮想線で示される如く、収容部24内に眼
内レンズ40を収容せしめた際に、眼内レンズ40が、
光学部の外周部の一部部位において、段付部32に係止
せしめられると共に、該外周部の一部部位に対向する光
学部の対向部位において、除肉部60の係合部62に係
合せしめられて、位置せしめられるように為しても良い
のである。なお、そのような係合部62に係合せしめら
れた眼内レンズ40の前記対向部位は、該眼内レンズ4
0のノズル部22側への移動時に、前記傾斜案内部64
にて案内されて、眼内レンズ40の該一部部位の内側に
導かれることとなる。このような構成を採用することに
よって、収容部24内に収容された眼内レンズ40が、
該収容部24の軸心回りに回転せしめられるようなこと
が有利に回避され得、以て収容部24内での眼内レンズ
40の巻回が、より確実に且つ安定的に行なわれ得るの
である。
【0082】加えて、眼内レンズを収容部内に収容せし
めた状態で巻回させる巻回機構の構造も、前記二つの具
体例に示されるものに、決して限定されるものでないこ
とは、勿論である。
【0083】以上、本発明の具体的な構成について詳述
してきたが、本発明が、上記の記載によって、何等の制
約をも受けるものでないことは、言うまでもないところ
である。また、本発明には、上記の具体例の他にも、本
発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に
基づいて種々なる変更、修正、改良等を加え得るもので
あることが、理解されるべきである。
【0084】
【発明の効果】上述の説明からも明らかなように、本発
明に従う眼内レンズ挿入器具にあっては、眼内レンズ
が、面倒な操作を要することなく、極めて簡単な操作に
より、巻回されて、よりコンパクトに変形せしめられた
状態で、収容部内に収容され得るのであり、以てかかる
眼内レンズを、眼球組織に設けられた、より小さな切開
部から、眼内の所定位置に、スムーズに且つ確実に挿入
させることが出来るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う眼内レンズ挿入器具の一例を示す
斜視説明図である。
【図2】図1に示された眼内レンズ挿入器具の縦断面説
明図である。
【図3】図1に示された眼内レンズ挿入器具の構成部材
の一つであって、眼内レンズが収容される収容部を備え
た収容筒体の正面説明図である。
【図4】図3におけるIV−IV断面説明図である。
【図5】図4における V−V 断面説明図である。
【図6】図3に示された収容筒体の斜視説明図であり、
収容部が開放せしめられた状態を示す。
【図7】図1に示された眼内レンズ挿入器具を用いて、
眼内レンズを眼内に挿入する工程の一例を説明するため
の図であり、眼内レンズを、収容部の円筒部位からテー
パー部位の大径側に移動せしめた際の該眼内レンズの変
形状態を示す、図2の VII−VII 断面に相当する図であ
る。
【図8】図1に示された眼内レンズ挿入器具を用いて、
眼内レンズを眼内に挿入する工程の別の例を説明するた
めの図であり、眼内レンズを、収容部におけるテーパー
部位の大径側からその小径側に移動せしめた際の該眼内
レンズの変形状態を示す、図2のVIII−VIII断面に相当
する図である。
【図9】図1に示された眼内レンズ挿入器具を用いて、
眼内レンズを眼内に挿入する工程の更に別の例を説明す
るための図であり、眼内レンズを、収容部からノズル部
に移動せしめた際の該眼内レンズの変形状態を示す、図
2のIX−IX断面に相当する図である。
【図10】本発明に従う眼内レンズ挿入器具の別の具体
例を示す図1に対応する図である。
【図11】図10に示された眼内レンズ挿入器具の縦断
面説明図である。
【図12】図10に示された眼内レンズ挿入器具の構成
部材の一つであって、眼内レンズが収容される収容部を
備えた収容筒体を与えるストリップの上面説明図であ
る。
【図13】図12におけるXIII矢視説明図である。
【図14】図12の XIV−XIV 断面における要部拡大断
面説明図である。
【図15】図10に示された眼内レンズ挿入器具の構成
部材の一つであって、図12に示されたストリップにて
形成される、眼内レンズが収容される収容部を備えた収
容筒体の正面説明図である。
【図16】図10に示された眼内レンズ挿入器具を用い
て、眼内レンズを眼内に挿入する工程の一例を説明する
ための図であり、ストリップをリング形状に湾曲させて
形成した収容筒体の収容部内に眼内レンズを配置せしめ
た状態を示している。
【図17】図10に示された眼内レンズ挿入器具を用い
て、眼内レンズを眼内に挿入する工程の別の例を説明す
るための図であり、収容筒体のリング形状を小さくする
ことにより収容部を小さく為した際の、眼内レンズの変
形状態を示している。
【図18】図10に示された眼内レンズ挿入器具を用い
て、眼内レンズを眼内に挿入する工程の更に別の例を説
明するための図であり、収容筒体のリング形状をより小
さくすることにより収容部を更に小さく為した際の、眼
内レンズの変形状態を示している。
【図19】図1に示された眼内レンズ挿入器具の構成部
材の一つであって、眼内レンズが収容される収容部を備
えた収容筒体の、図3に示されるものとは異なる例を示
す、図4に対応する図である。
【図20】図19におけるXX−XX断面説明図である。
【図21】図19における XXI−XXI 断面説明図であ
る。
【符号の説明】
10,42 眼内レンズ挿入器具 12 器具本体 20,46 収容筒体 22,44 ノズ
ル部 24,50 収容部 32 段付部 36 押出し棒 40 眼内レンズ 48 ストリップ 52 スリット 54 係止部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長手の器具本体と、該器具本体の長手方
    向における一方の端部側に配置され、変形可能な眼内レ
    ンズが変形せしめられた状態下で収容される円筒状の収
    容部と、該収容部の先端側に位置せしめられ、該眼内レ
    ンズが変形状態下で通過させられるノズル部と、前記器
    具本体に対して、その長手方向に移動可能に取り付けら
    れ、該器具本体の前記一方の端部側に向かって移動させ
    られた際に、先端部が、前記収容部を通じて前記ノズル
    部内に突入せしめられ得るように構成された棒状の押出
    し部材とを含み、該ノズル部の先端を眼内に挿入せしめ
    た状態下で、該押出し部材の先端部を該収容部を通じて
    該ノズル部内に突入させることによって、該収容部内に
    収容された前記眼内レンズを該ノズル部内に移動せしめ
    ると共に、更に該ノズル部内から押し出して、眼内に挿
    入、位置せしめるようにする眼内レンズ挿入器具におい
    て、 前記収容部の内側に、該収容部内に収容された前記眼内
    レンズの外周部の一部部位が係止せしめられる係止部を
    設けると共に、該眼内レンズを該係止部に係止させた状
    態で、該眼内レンズの収容位置の内径を小さくすること
    によって該眼内レンズを巻回する巻回機構を設けたこと
    を特徴とする眼内レンズ挿入器具。
  2. 【請求項2】 前記係止部が、前記収容部の内周面を周
    方向に段付けする段付部にて構成され、且つ該段付部
    が、該収容部の内面の曲率半径を周方向に変化させるこ
    とによって形成される曲率半径が最小となる部位と最大
    となる部位との接続部に形成される一方、前記巻回機構
    が、前記収容部に、前記器具本体の長手方向における一
    方の端部側に向かうに従って次第に小径となるテーパー
    部位を設けると共に、該収容部内に収容される前記眼内
    レンズを、前記外周部の一部部位において前記段付部に
    係止させつつ、該テーパー部位の大径側から小径側に移
    動させることにより、該眼内レンズの該収容部内での収
    容位置の内径が小さくなるように為すことによって、構
    成されていることを特徴とする請求項1に記載の眼内レ
    ンズ挿入器具。
  3. 【請求項3】 前記係止部が、ストリップをリング形状
    に湾曲せしめて構成された前記収容部の内側に設けられ
    る一方、前記巻回機構が、かかる収容部内に収容される
    前記眼内レンズを前記外周部の一部部位において該係止
    部に係止させた状態で、該収容部を与える前記ストリッ
    プの一方側の端部を該収容部のリング形状が小径化する
    方向に引張することにより、該眼内レンズの該収容部内
    での収容位置の内径が小さくなるように為すことによっ
    て、構成されていることを特徴とする請求項1に記載の
    眼内レンズ挿入器具。
JP23937797A 1997-09-04 1997-09-04 眼内レンズ挿入器具 Pending JPH1176288A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9763774B2 (en) 2008-10-13 2017-09-19 Novartis Ag Plunger tip coupling device for intraocular lens injector

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US9763774B2 (en) 2008-10-13 2017-09-19 Novartis Ag Plunger tip coupling device for intraocular lens injector

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