JPH1176246A - 外科手術用腔確保具 - Google Patents

外科手術用腔確保具

Info

Publication number
JPH1176246A
JPH1176246A JP9335592A JP33559297A JPH1176246A JP H1176246 A JPH1176246 A JP H1176246A JP 9335592 A JP9335592 A JP 9335592A JP 33559297 A JP33559297 A JP 33559297A JP H1176246 A JPH1176246 A JP H1176246A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cavity
surgical
cavity securing
guide
sheath
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9335592A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4002649B2 (ja
Inventor
Akihisa Ogawa
晶久 小川
Takahiro Ogasaka
高宏 小賀坂
Akio Nakada
明雄 中田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Optical Co Ltd filed Critical Olympus Optical Co Ltd
Priority to JP33559297A priority Critical patent/JP4002649B2/ja
Priority to US09/095,848 priority patent/US5976146A/en
Priority to EP98110936A priority patent/EP0890341A1/en
Publication of JPH1176246A publication Critical patent/JPH1176246A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4002649B2 publication Critical patent/JP4002649B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、圧排が局部的で必要最低限の僅かな
程度で済むにも拘らず、十分な視野と十分な手術作業の
空間が得られて低侵襲の外科手術を容易に行うことがで
きるようになる外科手術用腔確保具を提供することを目
的とする。 【解決手段】本発明は、体組織を通じて体内に挿入され
て用いられる外科手術用シースであって、体内に手術作
業用腔を確保する腔確保部材11と、この腔確保部材1
1で形成する腔に連通し、その腔を体外に連絡する軟性
管状シート部材12とを備え、その軟性管状シート部材
12内を通じて腔確保部材11で形成した腔に内視鏡や
手術用処置具等の器具を挿入して、体組織を強く圧排す
ることなく、簡単に外科手術を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、体内に外科手術用
作業空間としての腔を確保する外科手術用腔確保具に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、体組織内体腔内における内視鏡に
よる手術が多く行われる様になってきた。そのメリット
は大きく体組織を切開して目的の処置部位に到達し、処
置を行う、いわゆるオープンの手術と比して、小さな傷
から体内の腔に挿入して処置を行うという、その低侵襲
さであるといわれている。しかし、内視鏡手術の問題点
の一つに体内での良好な術野の確保が難しいということ
が挙げられている。
【0003】例えば脊椎の椎間板ヘルニアの除去手術で
通常に行う場合は、後方からの正中切開により背筋を露
出し、さらに背筋を切開すると共に圧排子によって背筋
を開いて腰椎を展開し、椎弓板の一部を切除して神経根
の入った黄色靭帯を露出させる。そして、黄色靭帯を切
開し、その下の硬膜を片側に寄せてその裏側に位置する
ヘルニアの膨出部位を切除する。この後方からの正中切
開と圧排子による手術部位の露出を行う、従前の一般的
な手術では、腰背筋を大きく切開すること、腰背筋を長
時間、或いは強く圧排することにより術後において、腰
痛の発症や、圧排による背筋の非回復性損傷を与える場
合があるといわれている。
【0004】こういった状況下で、USP第5,43
9,464号明細書の様に、患者の背中から脊椎の付近
に複数のカニューラを挿入し、その1本のカニューラを
通じて脊椎の付近に生理食塩水を注入し、その生理食塩
水の圧力で作業空間を確保し、他のカニューラを通じて
作業空間内に硬性鏡や処置具を導入し、内視鏡下での外
科手術を行う後方手術による手技が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】後方からの切開により
背筋を露出し、圧排子によって背筋を開いて腰椎を展開
する、いわゆるオープン切開手術による通常の手技は、
圧排による背筋に与えるダメージが大きく、背筋の非回
復性損傷を与え、また、切開そのものによる背筋等のダ
メージも大きなものであった。また、複数のカニューラ
を利用したUSP第5,439,464号明細書におい
て手技は傷や圧排による背筋に与えるダメージが比較的
小さいが、十分な視野と十分な手術作業の空間が得られ
ないという欠点が考えられる。
【0006】本発明は前記課題に着目してなされたもの
で、その目的とするところは、圧排が局部的で必要最低
限の僅かな程度で済むにも拘らず、十分な視野と十分な
手術作業の空間が得られて低侵襲の外科手術を容易に行
うことができるようになる外科手術用腔確保具を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、体組織を通じ
て体内に挿入されて用いられる外科手術用腔確保具であ
って、体組織内に手術作業用腔を確保する腔確保手段
と、この腔確保手段で形成する腔に連通し、その腔を体
外に連通する変形可能な器具挿入ガイド手段とを備え、
前記器具挿入ガイド手段を通じて前記腔確保手段で形成
した腔内に内視鏡や手術用処置具等の器具を挿入して外
科手術を行うようにしたものである。体組織を強く圧排
することなく、十分な視野と十分な手術作業用空間を確
保し、簡単かつ確実に外科手術を行える。
【0008】
【発明の実施の形態】
[第1の実施形態]図1乃至図14を参照して本発明の
第1の実施形態を説明する。 (構成)図1(a)は、外科手術用腔確保システムに属
する各器具を示しており、同図(a)中、1はガイド
針、2は体内進入具としてのダイレータ、3はガイド手
段としての軟性管、4は手術用シースである。ガイド針
1は硬い素材、例えばステンレス鋼のような金属で作ら
れ、かつX線不透過性の素材の直線ワイヤからなり、そ
の先端には尖った穿刺部6が形成されている。
【0009】ダイレータ2は複数の管7a〜7dを積み
重ねて嵌合した、いわゆる伸張アンテナ形式の多重管構
造のものであり、ガイド針1に最小径の管7aを被せ、
この最小径の管7aに次に太い管7bを被せ、さらに順
次太い管7c,7dを、順次重ねて嵌合することにより
ガイド針1の穿刺位置に所定の穿刺径を確保する。最内
側の管7aはガイド針1の外周に対して比較的密な状態
でスライド自在に被嵌され、管7bはその管7aの外周
に対して比較的密な状態でスライド自在に被嵌される。
同じように、管7bには管7cが比較的密な状態でスラ
イド自在に被嵌され、管7cには管7dが比較的密な状
態でスライド自在に被嵌されるように形成されている。
ダイレータ2の各管7a〜7dの先端外周縁にはいずれ
も面取り部8a〜8dが形成されている。
【0010】軟性管3は手術用シース4を挿入する際の
ガイド手段としてのものであり、これは例えば樹脂製の
チューブからなり、後述するように内腔に挿入する手術
用シース4の外形に応じて変形可能な程度の軟性を有し
ている。軟性管3の内腔は前述したダイレータ2のうち
最も外側の管7dの外周に対して比較的密な状態でスラ
イド自在に被嵌される径に形成されている。軟性管3の
先端外周縁には面取り部9が形成されている。
【0011】手術用シース4は腔確保具であって、生体
組織内に腔を確保する腔確保手段11と、これに接続さ
れる軟性管部材としての軟性管状シート部材12とを備
えてなるものである。腔確保手段11はその腔確保部材
が帯状で、かつリング状に形成した硬質なリング状部材
13によって構成され、そのリング状部材13は、図1
(b)で示すように略長円(楕円)形状になるように形
成されている。そして、リング状部材13はその内腔に
よって手術作業用空間としての腔を確保する腔確保部と
なるものである。腔確保部材の外壁面には、位置保持手
段が設けられている。ここでの位置保持手段はリング状
部材13の先端における短軸方向の両端に位置決め用返
し部14a,14bを形成することにより構成されてい
る。この返し部14a,14bは体組織にひっかり生体
内の所定位置に腔確保手段11を、より確実に位置決め
するとともに、腔内に体組織が侵入してきて視野の妨げ
となることを防止する。尚、リング状部材13は硬質な
ものであるが、生体内に手術用作業空間を確保できる強
さを有すれば弾性的に変形可能な素材で作られてもよ
い。
【0012】前記リング状部材13は真円ではなく、異
形状のものであるが返し部14a,14bを含めた包絡
外形の沿面外周長さが軟性管3の内周長さに略等しく形
成されている(図1(b)中点線を参照)。また、手術
用シース4のリング状部材13の、返し部14a,14
bを含めた包絡外形の沿面外周長さ(周長)が軟性管3
内の周長さより僅かに小さくてもよい。少なくともリン
グ状部材13の最大幅より軟性管3の内径が小さくなる
ように形成されている。
【0013】軟性管状シート部材12は例えばポリウレ
タン等の樹脂製の軟性シートによってテーパのある漏斗
状に形成されている。軟性管状シート部材12は生体組
織内においてはその組織の圧力によって容易に押し潰さ
れるが、その内部を通じて腔確保手段11で形成した腔
内まで処置具等をガイドする変形可能な器具挿入ガイド
手段を構成するものである。軟性管状シート部材12の
細径先端周縁部はリング状部材13の外周に被嵌して取
着されている。そして、軟性管状シート部材12の他の
部分は取着部分からその径以上に広がるスカート状に形
成されている。そして、軟性管状シート部材12はリン
グ状部材13の内腔に連通すると共に、術中、体外に連
絡させる処置通路を形成するものである。つまり、軟性
管状シート部材12はその内腔によって腔確保手段11
で形成する腔に器具をガイドするための手段を構成する
とともに、器具挿通用チャンネルを形成する。
【0014】さらに、軟性管状シート部材12内には操
作部としての管状の操作部材17が挿通して設けられて
いる。操作部材17の先端は腔確保手段11のリング状
部材13に連結されている。ここで、管状の操作部材1
7はリング状部材13よりもかなり細いパイプ材から成
り、先端部分はリング状部材13の短軸方向の幅に広が
ってリング状部材13の短軸方向の両側端部分と一体に
連結されている。操作部材17の広がった先端部にはリ
ング状部材13の長手軸方向の向きの両側部分でそれぞ
れ切欠き開口する処置用開口窓部18a,18bが形成
されている。この開口窓部18a,18bを通じて腔確
保手段11のリング状部材13の内腔と軟性管状シート
部材12内が連通するようになっている。管状の操作部
材17はその内腔によって腔確保手段11の内腔と直接
に連通したチャンネル19を形成する。操作部材17の
チャンネル19も腔確保手段11の内腔に連通して、そ
の腔内にスコープ等の器具を挿通する器具ガイド手段を
構成している。さらに、操作部材17は腔確保手段11
のリング状部材13に連結され、その腔確保手段11を
生体内の所定位置に、より確実に位置決めする操作手段
を構成するものでもある。
【0015】(作用)次に、人体の背中側から椎間板の
領域にアクセスしてヘルニアを切除する外科手術に適用
する場合の方法に沿って、この外科手術用腔確保システ
ムの作用を説明する。図2は人体の脊椎を後方から見た
解剖図であり、図3は図2中A−A線に沿って断面した
解剖図である。
【0016】まず、人体の背面から見たときの処置対象
の部位の領域P(図2参照)の中央を狙って、図3で示
すように、皮膚からガイド針1を筋肉内に刺す。このと
き、手術前において撮影されたX線画像またはCT画像
等により予め求めておいた、図3での棘突起から穿刺位
置までの距離A、穿刺角度B、及び椎弓板までの穿刺深
さCの値に応じた穿刺を行って所定の位置に止めるよう
にする。この穿刺後、X線透視等によりガイド針1の先
端が正しく所定の位置にあるように穿刺されているかを
確認する。なお、ガイド針1の穿刺をX線透視下で行っ
てもよいものである。
【0017】次に、穿刺したガイド針1にダイレータ2
の最初の管7aを被嵌し、そのガイド針1に沿って最初
の管7aの先端を体組織の処置対象部位の領域Pまで差
し込む。この後、ガイド針1を引き抜く。続いて、図4
で示すように、最小径の管7aに太い管7bを被せ、さ
らに管7c,7dを順次重ねて嵌合することにより太い
管7dの外径まで筋肉を次第に拡張させる。このとき、
筋肉はその各層における繊維方向に伸ばされ、同時に繊
維方向に沿って裂けて広がる。そして、ダイレータ2の
使用する最も太い管7dの外周に軟性管3を被嵌し、処
置対象部位の領域Pまでその軟性管3の先端を差し込ん
だところで、図5で示すように、ダイレータ2のみを引
き抜く。すると、筋肉内に軟性管3のみが留置される。
【0018】そこで、図6で示すように、ガイド手段と
しての軟性管3の内腔を通じて手術用シース4を押し込
む。軟性管3は変形可能であるために筋肉内に留置され
た状態では周囲の筋肉からの圧力である程度潰される
が、軟性管3は、軟性であるため、その内腔を通じて手
術用シース4の挿入は可能である。また、図5で示すよ
うに内腔を残すようにある程度の腰の強さを持たせれ
ば、手術用シース4の挿入がより容易である。
【0019】ところで、手術用シース4を軟性管3の内
腔を通じて押し込むときには、図1(b)で示すよう
に、手術用シース4の腔確保手段11におけるリング状
部材13は変形しないが、軟性管3の方が、その返し部
14a,14bを含めたリング状部材13の異形な外形
状に沿って追従して変形する。従ってリング状部材13
は返し部14a,14bを含めて軟性管3内に密な状態
で挿入される。また、この挿入の際、軟性管状シース部
材12は軟性シートからなるために折り畳まれてコンパ
クトになるので、その軟性管3内へ無理なく挿入でき
る。
【0020】次に、手術用シース4のリング状部材13
を処置対象部位の領域Pに位置させたところで軟性管3
のみを引き抜く。すると、図7で示すように、残った軟
性管状シート部材12は周囲の筋肉に圧迫されて各層の
繊維方向に裂けた間に挟まれて偏平になる。例えば図7
(a)で示すB−B線に沿う部分では同図7(b)で示
すようになり、図7(a)で示すC−C線に沿う部分で
は同図7(c)で示すようになる。返し部14a,14
bは処置対象部位の領域Pの筋肉に係止するため、腔確
保手段11のリング状部材13を確実に位置決めして保
持する。また、リング状部材13にて確保された腔内に
体組織が侵入するのを防止し、良好な視野を確保する。
軟性管状シース部材12の外側の開口周縁部は体外で広
げられた状態とする。
【0021】以上のように手術用シース4が筋肉内に留
置されることにより腔確保手段11は処置対象部位の領
域Pに位置して腔を確保し、その領域Pに手術作業用空
間を形成する。軟性管状シース部材12はその作業空間
を体外に連通させる処置具ガイド用チャンネルを形成す
る。また、操作部材17のチャンネル19も器具を作業
空間内に挿通する処置具ガイド用チャンネルを形成す
る。この点で両チャンネルが器具ガイド手段となる。こ
の意味での器具ガイド手段の部分はいずれも、また両者
のものを合わせても腔確保手段11のリング状部材13
よりもコンパクトな状態に絞り込まれている。従って、
筋肉を強く圧排することはない。
【0022】図8(a)は軟性管状シース部材12を通
じて各種の器具が、腔確保手段11で確保された作業空
間内に挿入された状況を示している。ここでは操作部材
17の挿通チャンネル19を通じて灌水装置付きのスコ
ープ21が挿入され、偏平に潰された軟性管状シース部
材12の一端からは鋭匙鉗子22が挿入され、偏平に潰
された軟性管状シース部材12内の他端からは吸引パイ
プ23が挿入されている。そして、各器具は、図8
(b)で示すように偏平に潰された軟性管状シース部材
12内において一列に配列されるようになる。また、軟
性管状シース部材12内の両端から挿入される器具は、
図8(c)で示すように処置用開口窓部18を通じて作
業空間内にそれぞれ挿入される。このとき、軟性管状シ
ース部材12は器具の動きを抑制しないため、図8
(c)の様に斜めに挿入することも容易であり、したが
って、器具等の動きの自由度も高く、操作性がよい。ま
た、軟性シース部材を用いているので、一端側から複数
の器具を挿入することもできるため、複雑な作業を能率
的に行うことができる。尚、作業空間内に血液等が溜ま
れば、吸引パイプ23により吸引排除できる。
【0023】また、術野へのアプローチ角度を変えた
い、あるいは術野を少々ずらしたいというような場合は
操作部材17により体組織内の腔に対する位置を変える
操作してその位置に保持し直す。また、スコープ21は
灌水装置付きのものを用いており、生理食塩水等を灌流
しながら手術を行ってもよい。このようにすれば、出血
しても術部が洗われ、また、スコープ21の先端が血で
汚れないというメリットがある。図9は腔確保手段11
によって確保された処置対象部位の領域Pの作業空間を
スコープ21によって観察される視野を示す。点線で示
す範囲が切除作業範囲である。
【0024】次に、切除手術の手順の一例を説明する。
まず、図10で示すように、軟性管状シース部材12を
通じてメス25を挿入し、黄色靭帯を切除する。この
後、メス25を抜く。ついで、図11で示すように、ド
リルまたはノミ26を挿入して上下の椎弓板を削り取
る。さらに、図12で示すように、ケリソン骨鉗子27
を用いて椎弓板の部分を削り取る。これにより硬膜や神
経根が見える状態となる。そこで、新たに挿入した神経
鉤28を用いて図13及び図14で示すように、硬膜や
神経根を纏めて横に寄せながら他端側から挿入した鋭匙
鉗子22で椎間板のヘルニアを切除する。また、同一端
側から複数本の鉗子類を挿入して操作を行ってもよい。
これらの一連の術技が終了したら手術用シース4を引き
抜いて体外に出し、傷口を縫合して手術を完了する。
【0025】(効果)この手術用シース4はリング状部
材13からなる腔確保手段11と、これに連通する軟性
管状シース部材12によって構成したので、まず、腔確
保手段11のリング状部材13によって生体内の処置対
象部位の領域のみに必要最低限の大きさの作業空間を確
実に確保できる。軟性管状シース部材12は筋肉に対し
ての圧排作用が極めて少ないので、生体組織に対する侵
襲が極めて少ない。また、必要最小の手術作業用空間に
合わせて腔確保手段11を異形なものとしたので、腔確
保手段11の占有領域も必要最小限となり、腔確保手段
11による組織の圧排も少なくて済む。これらにより圧
排による背筋に与えるダメージが小さく、背筋の非回復
性損傷をかなり避けることができると共に、背筋の切開
量も少なく、背筋等のダメージも少なくできる。
【0026】しかも、異形のリング状部材13を挿入ガ
イドする、ガイド手段としての軟性管3が変形可能であ
るために、リング状部材13の沿面外周長さに合わせて
軟性管3の内周長さがあれば硬質のリング状部材13を
挿入できる。このため、腔確保手段11のリング状部材
13の最大直径に合わせてそれ以上に軟性管3の内径を
定める必要がない。その分、軟性管3を細くできる。従
って、軟性管3を挿入するための穿刺孔を小さくでき、
この点でも組織に与えるダメージをかなり小さくでき
る。
【0027】また、軟性管状シース部材12は体外側に
向かってテーパ状に広がる軟性チューブからなるので、
その軟性管状シース部材12内に複数の器具を斜めに挿
入できる。また、軟性管状シース部材12は軟性である
ために、その中に入れた器具の動きの自由度が高く、操
作性がよい。従って、複数の器具を同時に挿入しても各
器具が互いに干渉して邪魔になることがない。また、複
数の器具を同時に挿入して使用でき、使い勝手がよい。
さらに、軟性管状シース部材12は腔内と連通し、腔内
への器具の出し入れの際のガイドとして働くので、器具
の出し入れが容易である。手術用シース4には体外に連
なる操作部材17が位置保持手段として設けられてお
り、その操作部材17を介して、腔へのアプローチ角、
腔の位置などの設定や変更を行うことができる。また、
操作部材17は腔に対してその中心に位置して設けられ
ており、その操作部材17の中心にはチャンネル19が
設けられており、このチャンネル19にスコープ21を
挿入した場合にはそのスコープ21を中心として両側か
ら鉗子などの器具を入れることができるため、スコープ
21が左右に位置する器具との干渉が少なく操作がし易
い。
【0028】また、リング状部材13には、位置保持手
段として返し部14a,14bが設けられている。これ
が体組織にひっかり位置決めするため、、一旦、確保し
た腔がずれ難い。また、返し部14a,14bにより腔
内に不要な体組織が侵入することを防止でき、必要な視
野及び作業空間を確保しておくことができる。体内進入
具としてのダイレータ2により体内に経路を作成し、軟
性のシートを有する手術用シート4を、この経路内に留
置する、すなわち、ダイレータ2による経路は組織を切
断せずに拡張により孔を形成し、そこに、これを特に圧
排しない軟性管状シース部材12をおくので、体組織へ
の侵襲が極めて小さい。
【0029】尚、ここでの軟性管状シース部材12は弾
性的に伸びる必要は特にないが、必ずしもそれに限ら
ず、弾性的に伸びる素材を用いて作ってもよいものであ
る。また、本システムにおいて、さらに器具挿入用通路
を設けない場合には後述される図29(c)で示すよう
なポート64のようなものを別の位置により腔内に軟性
シートを体組織を通して突き破り差し込み、これに器具
を挿通するか、或いは別の経路より直接器具にて体組織
を通して軟性シートを突き破り、腔内に通して手術を行
ってもよい。
【0030】[第2の実施形態]図15乃至図17を参
照して本発明の第2の実施形態を説明する。この第2の
実施形態は前述した第1の実施形態における手術用シー
ス4の操作部についての変形例を示すものであり、図1
5乃至図17はそれぞれ異なる変形例を示している。図
15で示すものは腔確保手段11のリング状部材13に
接続される操作部材17の位置がリング状部材13の長
軸一端側に偏って配置されたものである。挿通チャンネ
ル19の開口窓部18は腔確保手段11の内腔に連通し
た1つのものである。この場合、スコープ21を挿通チ
ャンネル19に挿入するときにはその挿通チャンネル1
9が片寄っているため、軟性管状シート部材12を通し
て比較的大きな器具でも腔内に挿入できる。
【0031】図16で示すものは腔確保手段11のリン
グ状部材13に接続される操作部材17が管状の部材で
はなく板状の部材からなると共に、腔確保手段11のリ
ング状部材13に接続される位置が前記同様にリング状
部材13の一側端に偏って配置されている。板状の操作
部材17は腔確保手段11の内腔側面に凹部からなる器
具用ガイド面31を形成したものである。図16は体内
に挿入後、操作部材17を折曲げた状態を示している。
軟性管状シート部材12はリング状部材13に被嵌した
先端部外周を糸32で縛り締結してある。糸32での締
結部には接着剤を塗布して締結部を固めてもよい。この
手術用シース4に各種器具を挿入する際には操作部材1
7のガイド面31に沿わせて器具33を導入する。これ
によれば、手術用シース4への器具33の挿入が容易で
確実に導入できるようになる。
【0032】図17で示すものは腔確保手段11のリン
グ状部材13に接続される操作部材17が管状の部材で
はなく板状の部材からなり、腔確保手段11のリング状
部材13に接続される位置がリング状部材13の中央に
位置して配置されている。板状の操作部材17の両面に
は凹部からなる器具用ガイド面31がそれぞれ形成され
ている。ここでの手術用シース4では器具ガイド手段と
しての操作部材17を設けたので、前述したような軟性
管状シート部材12を設けてはいない。もちろん、前述
したような軟性管状シート部材12を設けてもよいもの
である。本実施形態においても腔確保手段に比べて操作
部材17は小さく設けられており、筋肉を強く圧排する
ことなしに、そのガイド面31により容易に器具の挿入
が可能である。
【0033】[第3の実施形態]図18ないし図20を
参照して本発明の第3の実施形態を説明する。第3の実
施形態は前述した第1の実施形態での手術用シース4に
おける確保手段11の変形例であり、他は第1の実施形
態のものと同様である。この実施形態での確保手段11
は操作部材17の先端から連続して形成され、かつ互い
に向き合う2つの片状部材35a,35bからなり、一
対の2つの片状部材35a,35bにより腔確保部材を
構成している。片状部材35a,35bは軟性管状シー
ト部材12の先端部内面に接合して接着されている。片
状部材35a,35bの先端には返し部14a,14b
が設けられている。一対の2つの片状部材35a,35
bは前述したリング状部材13の形状と同程度までは少
なくとも広がるように弾性的に形成されている。
【0034】この手術用シース4は、前述した第1の実
施形態と同様に用いられるが、ガイド用軟性管3内に挿
入する際には2つの片状部材35a,35bが図19
(a)(b)で示すように狭められてその軟性管3内に
挿入される。そして、処置対象部位の領域まで到達さ
せ、ガイド用軟性管3を引き上げると、図20で示すよ
うに、2つの片状部材35a,35bは弾性的に広が
り、体組織部を押し広げて処置作業空間を確保する。つ
まり、ここでは腔確保手段と腔拡大手段が兼ねて構成さ
れている。
【0035】このような手術用シース4によれば、腔確
保部材を体内に挿入する際、その腔確保部材を構成する
片状部材35a,35bをコンパクトに狭めて差し込め
るので、これ自体、及びガイド用軟性管3の径も小さく
できて生体組織に対する侵襲を少なくできる。また、こ
れを骨の手術に適応する場合には2枚の板部分が広がる
様にして腔を確保する作るため、骨の表面に付いている
筋肉などを、まとめてきれいに避けさせることができ
る。
【0036】[第4の実施形態]図21乃至図24を参
照して本発明の第4の実施形態を説明する。この第4の
実施形態は前述した手術用シース4を挿入案内するガイ
ド手段の変形例を示すものである。この実施形態におい
ての手術用シース4の挿入を案内するガイド手段40は
図21で示すように1対の板状のガイド部材41a,4
1bを対向させて配置してなり、ガイド部材41a,4
1bの互いに対向する内面にはガイド面42a,42b
を形成する。各ガイド面42a,42bは断面形状が円
弧状であり、その包絡線が円形の筒状になる形状に形成
されている。ガイド部材41a,41bは、矩形リング
状の基板43に一体に連設されており、それ自身、また
は基板43の弾性により自然な状態では図21で示すよ
うに、そのガイド部材41a,41bの先端側部分が狭
く閉じる状態になるように付勢されている。
【0037】このガイド手段40を使用する際には図2
2で示すように、ダイレータ2の最後の管7dに、ガイ
ド部材41a,41bを広げて被嵌して体組織内に押込
み挿入する。この後、ダイレータ2を引き抜けば、図2
3で示すように体組織の圧力でガイド部材41a,41
bは狭く閉じる状態になる。この後、図24で示すよう
に、前述したような手術用シース4をガイド部材41
a,41bの間に差し込み、ガイド面42a,42bに
沿って挿入する。すると、ガイド部材41a,41bは
手術用シース4の大きさに応じて必要量、広がって体組
織をよけて生体内の所定位置まで手術用シース4を案内
する。その後、手術用シース4を残してガイド部材41
a,41bを取り除き、前述したと同様の手術を行う。
【0038】本実施形態のガイド手段40を用いると、
閉じていた2片のガイド部材41a,41bが広がっ
て、骨の表面に付いている筋肉などの体組織を、まとめ
てきれいに避けさせた後、手術用シース4を挿入して留
置できるため、手術用シース4を入れた時点での視野が
よい。
【0039】[第5の実施形態]図25及び図26を参
照して本発明の第5の実施形態を説明する。この第5の
実施形態は前述した第1の実施形態においての手術用シ
ース4の変形例を示すものである。ここでの手術用シー
ス4は腔確保手段11は管状部材からなる操作部材17
の先端に互いに向き合う1対の腔確保用片部材45a,
45bを設け、その片部材45a,45bによって構成
したものである。腔確保用片部材45a,45bは図2
5(b)で示す如く、操作部材17の径よりも幅が広
い。片部材45a,45bの先端にはそれぞれ逆向きの
返し部46a,46bが形成されている。さらに、各片
部材45a,45bは塑性変形する素材で形成されてい
る。尚、各片部材45a,45bの先端部は軟性管状シ
ート部材12の先端内面に取着されている。
【0040】この実施形態の手術用シース4を使用する
場合、前述した第1の実施形態と同様、生体組織内に留
置した軟性管3内を通じて挿入される。そして、軟性管
3の先端から腔確保用片部材45a,45bを所定の腔
確保部位に位置させたところで、図26で示すように、
操作部材17のチャンネル19を通じて腔拡大具47を
挿入して腔確保用片部材45a,45bを広げる。広げ
られた片部材45a,45bは生体組織を押し開き、塑
性変形してその内側に作業空間を確保する。
【0041】腔拡大具47としては左右に広がる一対の
操作片49a,49bを挿入部材48の先端に設けてな
り、手元操作により一対の操作片49a,49bを左右
に開いて腔確保用片部材45a,45bを押し広げるよ
うにするものである。本実施形態においては作業空間の
大きさを調整できるものであり、腔確保用片部材45
a,45bを必要な量だけ広げればよい。
【0042】[第6の実施形態]図27及び図28を参
照して本発明の第6の実施形態を説明する。この第6の
実施形態は前述した第1の実施形態においてのダイレー
タ2の代わりに用いる刺通具50の例を示すものであ
る。刺通具50は図27(a)で示すように、内部にス
コープチャンネルを形成した円筒状の挿入部本体51を
有してなり、挿入部本体51の先端部には外面が半球状
の透明な窓部材52を設けてある。この窓部材52を通
じてスコープチャンネルに挿入した図示しないスコープ
で前方を透視できるようになっている。窓部材52の外
面には導電ワイヤからなる線状の通電部53が形成され
ており、これにより穿刺組織を切開する電気メスを構成
している。そして、通電部53には挿入部本体51の基
端部から導出する電源コード54を通じて外部の高周波
電源55から高周波電流が通電されるようになってい
る。挿入部本体51の手元部には通電を制御するハンド
スイッチ56が設けられている。スイッチ部57を挿入
部本体51に対して着脱自在にしてもよい。また、通電
を制御するスイッチをフットスイッチとしてもよい。
【0043】さらに、挿入部本体51の先端側周部には
他の周部より細い手術用シース装着部58が形成されて
いる。そして、この手術用シース装着部58は前述した
図15で示すところの操作部材17の位置が偏心した手
術用シース4のリング状部材13に差し込んで、手術用
シース4を装着するようになっている。
【0044】次に、この刺通具50を用いて手術用シー
ス4を処置対象部位の領域に導入する場合について説明
する。まず、図27(b)で示すように、刺通具50の
手術用シース装着部57にリング状部材13を嵌め込ん
で手術用シース4を装着する。そして、刺通具50の先
端の露出した窓部材52を筋肉中に押し込んで穿刺して
いく。このとき、最初、通電部53に通電して筋肉に穿
刺する。一旦、筋肉内に挿入されると、外面が半球状の
透明な窓部材52によって筋繊維がその繊維の方向に裂
かれて押し広げられて刺通具50を挿入することができ
る。しかし、刺通具50の先端が、異なる組織層に達
し、筋膜等のかたい組織に当ったりして押し込むだけで
は挿入できないようになったときには、スコープで筋繊
維の方向を観察して確認しながら、その筋繊維の方向に
通電部53の向きを合わせ、通電部53に通電して筋膜
等を切開し穿刺する。すると、再び、筋繊維が裂かれて
刺通具50を挿入できるようになる。このようにして異
なる複数の筋肉層を通り、所定の深さまで穿刺すること
ができる。従って、筋肉を切断せずに刺入していくため
に穿刺する際の筋肉のダメージが少なくて済む。また、
穿刺途中で出血等が起った場合には通電部53に高周波
電流を通電して高周波凝固処理をして止血を行うことも
できる。また、骨の表面にこび付く靭帯組織を高周波切
開してもよい。そして、手術用シース4を処置対象部位
の領域まで進入留置できたところで刺通具50を引く抜
く。
【0045】図28(a)はそのようにして処置対象部
位の領域に手術用シース4を留置できた状態であり、リ
ング状部材13によって処置対象部位の領域に作業空間
を形成する腔を確保している。また、軟性管状シート部
材12は筋肉の各層にわたり位置し、周囲の筋肉に圧迫
されて各層でその繊維方向に裂けた間に挟まれて偏平に
なる。図28(a)で示すB−B線に沿う部分では同図
(b)で示すようになり、図28(a)で示すC−C線
に沿う部分では同図(c)で示すようになる。このた
め、筋繊維はは切断された状態ではない。また、そこ
に、軟性のシートを置くため、肉筋肉の圧排が小さく、
さらに筋肉のダメージを少なくすることができる。ま
た、第1実施形態のダイレータ2を用いる方法に比べて
何度も管を被嵌する手間がない。尚、この刺通具50を
用いる場合、軟性管状シート部材12とは別に単独で組
織内に進入させた後、挿入部本体51を前記ダイレータ
2の代わりとしてこれに前述した軟性管3を被嵌して挿
入するようにしてもよい。
【0046】[第7の実施形態]図29乃至図32を参
照して本発明の第7の実施形態を説明する。図29は第
7の実施形態に係る外科手術用腔確保システムに属する
各種器具を示しており、同図(a)中、61は手術用シ
ース、62は腔拡大具、63は内針、64はポート、6
5はポートガイドである。
【0047】手術用シース61は等径のパイプ材66か
らなり、これの先端部には2つ割りにして互いに向き合
う一対の腔確保用片67a,67bを設け、その片67
a,67bによって、腔確保手段68を構成したもので
ある。一対の腔確保用片67a,67bは図29で示す
ように根元部分の塑性変形により開くことができるよう
になっている。パイプ材66の内腔はスコープ69等を
挿入するチャンネルを形成する。パイプ材66の基端部
には小径段部からなるポートガイド65の部材を嵌込む
ための嵌込み部71が形成されている。
【0048】腔拡大具62は腔確保手段68のチャンネ
ルに挿入可能なものであり、その先端には左右に広がる
一対の操作片72a,72bが設けられている。そし
て、手元操作により一対の操作片72a,72bを左右
に開いて腔確保用片67a,67bを押し広げることが
できるようになっている。尚、腔確保用片の数はこれに
限らない。
【0049】内針63は腔確保手段68のチャンネルに
密に挿入できると共に、先端の穿刺部73を、閉じた腔
確保手段68の先端から露出するように突き出して装着
される。この内針63はパイプ状のポート64にも同様
に挿入して装着することができるようになっている。
【0050】ポートガイド65は一対の挟み部材75
a,75bを有してなり、一対の挟み部材75a,75
bは枢着されて開閉自在な構成となっている。挟み部材
75a,75bの内面には中央の基準ガイド穴76aが
設けられ、さらに、基準ガイド穴76aの両側位置には
1ガイド穴76bと第2ガイド穴76cが形成されてい
る。そして、一対の挟み部材75a,75bを閉じるこ
とにより形成される基準ガイド穴76a、第1ガイド穴
76b、第2ガイド穴76cをそれぞれ通じて手術用シ
ース61を挟み、あるいはポート64等をガイドするこ
とができるようになっている。基準ガイド穴76aはポ
ートガイド65に対して垂直に配設されており、一方、
第1ガイド穴76bと第2ガイド穴76cはその中心軸
が基準ガイド穴76aの中心軸延長上の一点で交差する
向きに傾斜している。また、この点及び各ガイド穴76
a,76b,76cとを結ぶ延長線は腔確手段68内を
通過する向きに形成されいる。
【0051】次に、この実施形態に係る外科手術用腔確
保システムの作用を説明する。まず、手術用シース61
を体組織中に穿刺する場合、これに内針63を挿入し
て、閉じた腔確保手段68の先端から穿刺部73を突き
出し、筋肉等の体組織に穿刺する。腔確保手段68の部
分が所定の処置対象部位の領域に達したところで内針6
3を引き抜き、代わりに腔拡大具62を差し込む。そし
て、手元操作により腔拡大具62の一対の操作片72
a,72bを左右に開いて、図30で示すように、腔確
保用片67a,67bを押し広げ、これにより処置作業
空間を形成する腔を確保する。
【0052】ついで、手術用シース61のポート用嵌込
み部71に、ポートガイド65の基準ガイド穴76aを
位置させて挟み込み、手術用シース61にポートガイド
65を位置決めする。このとき、ポートガイド65の第
1ガイド穴76bと第2ガイド穴76cの中心延長線が
手術用シース61の腔確保用片67a,67bで形成し
た腔内中央に位置する。
【0053】この状態で、ポートガイド65の第1ガイ
ド穴76bと第2ガイド穴76cを利用してポート64
を設置する場合について説明する。図31の左側で示す
ように、ポート64内に内針63を挿入した装着状態の
ポート64を第1ガイド穴76bを案内として組織中に
穿刺する。すると、図31の左側で示すように、内針6
3は手術用シース61で形成された腔内に位置する。こ
のように、ポートガイド65の基準ガイド穴76a、第
1ガイド穴76b、及び第2ガイド穴76cの中心延長
線がいずれも手術用シース61内に形成した腔内に位置
する。その後、内針63等のガイド部材を取り外し、各
ポート64内を通じて器具を挿入して手術を行う。従っ
て、図32で示すように、スコープ69、鋭匙鉗子77
または他の処置器具78などの多くの器具を個別的に刺
入して、いずれのものも手術用シース61で確保形成さ
れた腔内に位置させることができる。また、各器具は多
孔式で個別的に刺入されるので各刺入孔がそれぞれ小さ
くなり、組織に対する傷そのものが小さくなり、また、
それにより圧排も少なくて済み、ダメージが小さい。さ
らに器具類も離れた位置より挿入されるため、器具の干
渉は少なくなり、操作性が向上する。
【0054】本実施形態の手術用シース61は刺通孔は
小さく、内部で大きく処置腔を形成するため、侵襲は最
低限で良好な術野を得ることができる。また、本システ
ムにおいては図18で示ししたように弾性によって広が
るような手術用シースを用いることも可能である。
【0055】尚、手術用シース61やポート64を穿刺
する場合、前述した第1の実施形態で述べたように、内
針またはダイレータを用いて予め刺入した軟性管3のよ
うなガイド手段を用いて組織内に導入するようにしても
よい。また、ポートガイド65のガイド孔の数は3本に
限らず、2本または4本以上であってもよい。
【0056】[第8の実施形態]図33乃至図44を参
照して本発明の第8の実施形態を説明する。図33は外
科手術用腔確保システムに属する手術用シース80を示
す。手術用シース80は腔確保手段81と、これに接続
される器具ガイド手段としての軟性管状シート部材82
とを備えてなる。腔確保手段81はメッシュ構造の帯状
部材からなるリング状部材83によって塑性変形自在に
形成されている。リング状部材83のメッシュ構造は図
34ないし図36で示すようなものが考えられる。図3
4で示すものは、千鳥状に配置した複数のスリット状の
切欠き84を形成した切欠き構造のものであり、塑性変
形により同図34(a)での収縮した状態と同図34
(b)での伸びた状態とのいずれの姿勢でも保持できる
ようになっている。図35で示すものは、線材85を編
んでなり、同じく塑性変形により同図35(a)での収
縮した状態と同図35(b)での伸びた状態とのいずれ
の姿勢でも保持できるようになっている。図36で示す
ものは線材86を組み合わせて編むものであり、これは
線材86の交差部に互いに掛け合う係止部87を形成
し、同図36(a)で示すように係止部87を外した状
態では収縮し、同図36(b)で示すように係止部87
を互いに掛け合わせた状態では伸びる。線材86自体は
塑性変形するものではないが、全体として各状態の姿勢
を保持できるようになっている。また、図示はしない
が、腔確保手段81が板状部材よりなる円又は楕円形状
の1部を折り畳んだ部材を有するもの、或いは略リング
状部材の一部にメッシュ構造を設けたものでもよい。
【0057】器具ガイド手段としての軟性管状シート部
材82は前述した第1の実施形態での軟性管状シート部
材12と同様なものであり、同様に使用されるものであ
る。軟性管状シート部材82の先端細径部が腔確保手段
81のリング状部材83に接続され、軟性管状シート部
材82の内腔部はリング状部材83の内腔に連通されて
いる。軟性管状シート部材82の先端部にはリング状部
材83に隣接して複数の器具導入孔88が形成されてい
る。そして、器具導入孔88を通じてスコープ91やポ
ート92等の器具を腔確保手段81の内腔に導入できる
ようになっている。
【0058】図37は外科手術用腔確保システムに属す
る他の器具の腔拡大具93を示すものである。腔拡大具
93は管路を形成した挿入用管94を有し、挿入用管9
4の先端部には手術用シース80を装着するための装着
部を兼ねたバルーン95が設けられている。バルーン9
5は膨脹させると、同図37(a)で示す状態になり、
収縮させると、同図37(b)で示す状態になる。同図
37(c)は手術用シース80を腔拡大具93に装着し
た状態を示す。
【0059】そして、手術用シース80を使用する場合
には例えば前述した第1の実施形態での軟性管3を体組
織内に挿入した後、その軟性管3をガイドとして挿入す
る。手術用シース80を挿入する準備として、バルーン
95を収縮させた腔拡大具93を手術用シース80内に
差し込み、収縮させたバルーン95の部分を、同じく収
縮させたリング状部材83に嵌め込み、図37(c)で
示す状態にする。このように腔拡大具93に装着した手
術用シース80を軟性管3内に挿入し、手術用シース8
0の腔確保手段81の部分を所定の位置まで差し込む。
所定の位置に位置させたところで、軟性管3を抜き取
る。すると、図38(a)で示すように、体組織に手術
用シース80が留置される。そこで、腔拡大具93の管
路を通じてバルーン95に流体を送り込み、バルーン9
5を膨脹させると、図38(b)で示すように、腔確保
手段81の部分が他の部分より大きく拡張され、リング
状部材83の内側に腔を確保して作業用空間を形成す
る。この後、バルーン95を収縮させて手術用シース8
0から腔拡大具93を引き抜く。そして、手術用シース
80を利用して前述した第1の実施形態で説明したと同
様の手技を行うことができる。また、このとき、拡張し
たメッシュとその隙間によりその外側に凹凸が形成さ
れ、これが位置保持(決め)手段を形成する。これによ
り体組織がその凹凸部にかみ込み、手術用シース80を
体組織に固定できる。
【0060】この実施形態の手術用シース80を利用し
て第7の実施形態で説明したような多孔式のシステムで
の処置を行うことができる。すなわち、この場合には例
えば図39で示すようなポート92を用いる。このポー
ト92は先端に返し部97が設けられている。ポート9
2は第7の実施形態での場合と同様にダイレータや内針
を用いて組織に穿刺され、その先端を先に挿入留置され
た手術用シース80の器具導入孔88に差し込ませて接
続し、図40で示すように器具導入孔88に返し部97
を係止する。これによりポート92は手術用シース80
の腔確保手段81で確保した腔の作業用空間に連通す
る。従って、このポート92を通じて手術用シース80
で確保した作業用空間に器具を導入できる。
【0061】図41はこの状況を示すものである。ポー
ト92からはスコープ91や処置具96を導入し、手術
用シース80を通じてはこれが軟性のポートであるの
で、ポート92を通らない特殊形状の器具99を導入で
きると共に、手技上傾ける必要のある器具でも、その動
きが制限されないために操作性が向上する。手技終了
後、手術用シース80を回収する。これの方法は手術用
シース80に軟性管を被嵌して挿入し、この軟性管内を
通じて引き出すこともできる。また、その手術用シース
80の外面に沿って鉗子を挿入し、手術用シース80の
膨脹したリング状部材83を押し潰してから引き抜いて
もよい。
【0062】また、小さな刺入で済む複数のポート92
が加わり、これに拡大する腔確保具を用いることで、器
具の干渉も少なく、操作性がよく、十分な視野が得られ
る低侵襲な手術が可能である。さらに手術用シースとし
て軟性のシートを用いているため、体組織への圧排が極
力少なくできて低侵襲なものとなる。加えて、軟性の手
術用シース80にはポート92を通らない特殊形状の器
具を導入でき、また、器具の動きが制限されず、操作性
をさらに向上する。
【0063】また、ポート92がその係止部により手術
用シース80に係止して腔内にチャンネルを空間的に完
全に連結させることができる。つまり、ポート92と腔
内を完全に連結してあり、体組織は侵入しないため、良
好な術野を維持できる。また、器具を必ず、腔内に導き
入れることができる。さらに、腔確保手段がメッシュ構
造を有する部材を用いており、このため、広がったメッ
シュ部分がその全周で体組織を押え、確実に腔を形成
し、より良い視野が作られる。メッシュ部分の外面には
凹凸部がメッシュ構造により形成されているため、これ
に体組織が入り込み、その結果、腔確保手段は位置決め
されているため、腔確保手段が手術作業中に外れること
がない。
【0064】尚、ポート92は手術用シース80の器具
導入孔88に差し込んで接続するようにしたが、図42
で示すように、腔確保手段81のリング状部材83の網
目の孔部を利用してこれを器具導入孔として使用しても
よい。また、ポート92の先端部にねじ部98を形成
し、図43で示すように、リング状部材83の網目の孔
部等にねじ部98をねじ込んで係着するようにしてもよ
い。図44はこの実施形態での手術用シース80におい
ての軟性管状シート部材82を省略し、腔確保手段81
のリング状部材83のみとしたものである。この場合、
鉗子で潰して回収してもよいが、リング状部材83を生
体吸収性素材で形成すれば回収することなく組織内に留
置しておくこともできる。尚、前述した各実施形態の手
術用シースの軟性管状部材は内部が複数のチャンネルに
仕切られていて、そのチャンネルを通じて器具を挿通し
たり血液や生理食塩水等の流体を供給または排出を行う
ようにしてもよいものである。以上の説明に関しては椎
間板摘出術を中心として説明してきたが、体組織内、体
腔内、それ以外についてのいかなる手術、診断等にも適
用可能であることはいうまでもない。
【0065】[第9の実施形態]図45乃至図51を参
照して、本発明の第9の実施形態を説明する。この第9
の実施形態に係る外科手術用腔確保システムは前述した
第2の実施形態における図16で示した手術用シース4
の一部を変形し、さらに、その手術用シース4を体組織
内に押し込むための挿入手段であるプッシャー100を
付加したものである。
【0066】この実施形態に係る手術用シース4は前述
した第2の実施形態のものに比べて次の点で相違する。
まず、第1の相違点は操作部材17の上端部に、確保さ
れた腔の外側に向けて屈曲して形成される把持部101
を丸棒状に形成したものである。ここでは把持部101
を右側に屈曲してあるが、他の器具や使用状況等に応じ
て、確保された腔の外側の他の向きに向けて屈曲して設
けてもよい。また、前記軟性管状シート部材12は器具
の挿入をガイドする器具挿入ガイド手段を構成するが、
この軟性管状シート部材12内に位置する操作部材17
の部分にはその軟性管状シート部材12内に挿入する器
具を案内するためのガイド面31が形成されている。第
2の相違点は前記軟性管状シート部材12の先端部分に
X線不透過性マーキング102を設けたものである。こ
れはX線透視等により、その軟性管状シート部材12の
留置位置を確認する際の目印となる。また、前記軟性管
状シート部材12は非透明であってもよいが、透明であ
る方が、周囲の状況を目視できるので望ましい。
【0067】第3の相違点は腔確保手段11のリング状
部材13の先端縁を部分的に適宜延長することによりそ
のリング状部材13の先端縁を、手術用腔を確保する所
の周辺に位置する骨の形態に合わせた形に形成して、腔
確保部分の周辺の骨部に当たりその骨に係合する係合手
段(係合部)103を形成している。本実施形態では椎
弓間を含んだ骨形状にほぼ適合する。具体的には図46
に示すように腔確保手段11の先端形状は、下側に位置
する椎弓部に当たる位置に合致する一片部が突出してお
り、棘突起側の部分は、斜めにカットされている。ま
た、上側の椎弓部に当たる部位は凹んだ形状になってい
る。尚、この図46においては、軟性管状シート部材1
2を省略している。前記リング状部材13はダイレータ
2の使用する最大外径に適合する内径を有する。
【0068】前記プッシャー100はダイレータ2の使
用する管7a〜7dの最大径のものの外径に適合する内
径を有した筒状部材からなり、その内径がリング状部材
13と同じ内径に形成されている。また、プッシャー1
00の外径は、リング状部材13の外径よりも小さい。
プッシャー100の側面部には図47で示すようにその
軸方向に沿って途中部から内端縁に開口する位置にわた
り形成された切欠き部105が形成されている。この切
欠き部105は手術用シース4の操作部材17の直線部
分をはみ出さないように密に嵌め込んで、その操作部材
17を係合させるようにしたものであり、手術用シース
4との係合手段を構成している。また、プッシャー10
0の下端は手術用シース4のリング状部材13の上端に
密に押し当たる押当部106になっている。
【0069】また、前記プッシャー100の長さは下端
の押当部106とリング状部材13の上端が突き当たる
状態で、両者をダイレータ2に被嵌したとき、ダイレー
タ2の最大外径の管7dの後端より僅かに長く突き出る
長さに形成され、かつダイレータ2の先端から係合手段
103が突き出してその係合手段103が骨部に当たり
その骨部に係合したときには、ダイレータ2の管7dの
後端とプッシャー100の後端が一致するような長さに
設定されている。つまり、ダイレータ2の管7dの後端
とプッシャー100の後端が一致することにより、術者
は手術用シース4のリング状部材13における係合手段
103が所定の係合位置に係合したことを知ることがで
きる。つまり、係合手段103が目的部位の骨形状に適
合する位置及び深さで所定の係合状態が得られたことを
示すと共にその深さの表示手段を構成する。
【0070】次に、この手術用シース4及びプッシャー
100を含むシステムを用いて背中側からアクセスして
ヘルニアを切除する外科手術を行う場合について説明す
る。この場合、前述した第1の実施形態において説明し
た場合と略同様の手順で行われることが多いので前述し
た方法と異なる点を中心に以下に述べる。
【0071】ダイレータ2の最大径の管7dを体組織内
に挿入した後、軟性管3を使用せずにプッシャー100
を用いて処置対象部位の領域Pまで手術用シース4を押
し込む。つまり、手術用シース4の軟性管状シート部材
12内にプッシャー100を挿入し、プッシャー100
の切欠き部105に手術用シース4の操作部材17の直
線部分を嵌め込んで、図47(c)で示す状態に手術用
シース4の操作部材17とプッシャー100を組み付け
る。そして、図48で示す如く、この組み付けた両者
を、ダイレータ2の最大径の管7dの外周に被嵌し、摺
動させながら腔確保手段11の先端が処置対象部位の領
域に達するまで押し込む。
【0072】手術用シース4を挿入するとき、プッシャ
ー100の外径はリング状部材13の外径よりも小さい
ため、プッシャー100によって軟性管状シート部材1
2を強く擦ることがないので軟性管状シート部材12は
破れ難い。
【0073】ここで、腔確保手段11のリング状部材1
3における係合手段103が所定の係合位置において骨
部分に、まだ係合していないときには図50(a)で示
す如く、ダイレータ2の管7dの後端縁が、プッシャー
100の後端開口部内に入り込んでおり、術者はこれを
見て、まだ係合状態にないことを知ることができる。こ
の場合には操作部材17の把持部101を持って、図4
9(a)で示す矢印で示す如く、腔確保手段11のリン
グ状部材13の軸を中心にして回転させたりリング状部
材13をずらしたりなどして、最も深い位置まで押し込
み、係合手段103が処置対象部位の骨形状に適合して
係合する位置を求める。つまり、操作部材17の把持部
101を持って、係合手段103が目的部位の骨形状に
適合する位置及び深さを探す。つまり、位置検出手段を
構成している。骨と係合する適合位置においては図49
(b)で示す如く、係合手段103の突部が椎弓間内に
入り込むと同時に、腔確保手段11のリング状部材13
の先端全周縁が周辺の骨部に当たり隙間がないようにほ
ぼ全面的に接触して骨部と係合する。
【0074】すると、ダイレータ2の管7dの後端とプ
ッシャー100の後端が図50(b)で示す如く一致す
る。このことにより、術者は手術用シース4のリング状
部材13における係合手段103が所定の位置に係合
し、その深さになったことを知ることができる。この
後、プッシャー100を引き抜く。
【0075】腔確保手段11の係合手段103が骨部に
当たり係合すると共に全面的に接触して隙間がないよう
に位置決めされるため、一旦、確保した手術用腔がずれ
ることがない。また、ほぼ全周にわたり、リング状部材
13が周辺骨部に係合するため、リング状部材13の周
辺にある体組織が手術用腔内に侵入することを効果的に
防止し、より良好な手術に必要な視野空間及び作業空間
を確保することができる。
【0076】この後、手術用シース4の処置具挿通用チ
ャンネル107を通じて、処置空間内に各種器具を導入
して前述したようなヘルニア切除手術を行う。図51は
その手術用シース4の挿通用チャンネル107内にスコ
ープ21及び手術用器具としての鋭匙鉗子22を挿入し
て手術を行っている状況の一例である。
【0077】尚、ここではガイド手段の軟性管3を使用
しない代わりにプッシャー100を用いたが、軟性管3
を使用してその軟性管3内を通じて手術用シース4及び
プッシャー100を挿入するようにしてもよい。
【0078】[第10の実施形態]図52を参照して、
本発明の第10の実施形態を説明する。これは前記第9
の実施形態におけるダイレータの変形例を示す。これは
ダイレータ2の管7dの後端側長さがプッシャー100
の後端位置より十分に長く延長し、図52(a)で示す
如く、7dの後端延長部108の周面に位置表示用マー
キンング部109を設けたものであり、図52(b)で
示す如く、マーキンング部109にプッシャー100の
後端100aの位置が合ったとき、腔確保手段11の係
合手段103が、処置対象部位の骨形状に係合した適切
な挿入位置であることを表示するようになっている。
【0079】[第11の実施形態]図53を参照して、
本発明の第11の実施形態を説明する。この第11の実
施形態は前記第9、10の実施形態におけるプッシャー
100の変形例である。ここでのプッシャー100はそ
の上端から側方に突き出すアーム部を形成し、このアー
ム部を把持操作部111とする。この把持操作部111
の先端部における下面部分には溝部112が形成され、
この溝部112により手術用シース4の操作部材17、
ここでは把持部101を嵌め込んで係合保持する係着手
段を構成している。プッシャー100の上端にはダイレ
ータ2の管7dが通る孔が開口しており、この開口端が
前述した如くのダイレータ2の管7dとの関係を示す表
示手段の指標となる。
【0080】この実施形態のプッシャー100を使用す
る場合、図53(b)で示す如く、手術用シース4の操
作部材17をプッシャー100に係合して両者を連結
し、プッシャー100の把持操作部111を手に持ち、
ダイレータ2の管に被せて手術用シース4を体組織内に
押し込み、進入させるようにする。このとき、プッシャ
ー100に把持操作部111と手術用シース4との係着
手段である溝部112を設けたことにより、手術用シー
ス4の操作部材17には力が集中的にかからないため、
腔確保具を体内へ挿入するときや処置対象部位の骨形状
との係合操作時に手術用シース4の操作部材17や腔確
保手段11のリング状部材13に変形や破損が生じな
い。
【0081】[第12の実施形態]図54及び図55を
参照して、本発明の第12の実施形態を説明する。この
実施形態では前述した手術用シース4の挿通用チャンネ
ル107の他に、器具挿入用として筒状部材からなるポ
ート121を設けるシステムの例である。このシステム
は、ガイド針1とダイレータ2とポート121とで構成
される。前記ポート121の内腔は前記ダイレータ2の
最大径のものの外周部分に被せることが可能であると共
に、内視鏡やその他の各種処置器具が挿通可能な内径寸
法になっている。尚、先端部は斜めにカットされた形状
に形成されている。
【0082】ポート121を設置する場合には次のよう
にして行われる。つまり、前述した如くの方法で、手術
用シース4を設置した後、ポート121を必要とする場
合、まず、図54で示す如く、手術用シース4の留置部
位の側方から体組織にガイド針1を斜めに、リング状部
材13を避けた直上部位に向けて差し込み、そのガイド
針1の先端を軟性管状シート部材12に突き刺す。尚、
軟性管状シート部材12はガイド針1の刺通により破れ
得る材質である。
【0083】このとき、軟性管状シート部材12内には
内視鏡21が挿入されたままの状態であり、この状態で
ガイド針1を前記軟性管状シート部材12の外側より壁
に穿刺する。ガイド針1をX線透視下で刺入する場合、
それが適切な位置にあることを確認するために、そのガ
イド針1にX線不透過性マーキンング102を付設する
と良い。また、ガイド針1をMRI(核磁気共鳴像)に
よる観察しながら刺入してもよい。後者の場合、ガイド
針1はMRI下で観察できる素材を用いる。
【0084】ついで、ガイド針1にダイレータ2を被嵌
して、穿刺孔を軟性管状シート部材12の壁を含めて順
次拡大する。ダイレータ2によりポート121が通せる
まで穿刺孔を拡張した後、ダイレータ2の最後の管にポ
ート121を被せ、ポート121を伸縮自在な軟性管状
シート部材12内まで導き入れ、この後、ダイレータ2
を引き抜くと、図55で示す如く、ポート121の先端
部が軟性管状シート部材12に貫通して保持され、ポー
ト121を留置することができる。この際、軟性管状シ
ート部材12は伸縮自在なゴム性状を呈するものであ
り、それ自身が伸びるため、実際の穿刺孔は小さい。よ
って、挿入されたポート121の先端は、軟性管状シー
ト部材12の弾性力によって締め付けられて連結固定さ
れた状態になる。このことにより、体外より挿入された
ポート121は腔確保手段11によって確保された腔に
連通する。また、前記ポート121と手術用シース4と
が、軟性管状シート部材12の弾性力により連結固定さ
れるため、その隙間から筋肉や血液等がはみ出して、観
察視野や術部を妨げることが防止される。また、ポート
121と軟性管状シート部材12とは連結固定されてい
るので、トラカールは簡単に抜けたりせず、腔内への器
具の挿入がスムーズに行われる。
【0085】尚、このガイド針1及びダイレータ2の代
わりに、後述する図72で示すような、先端が円錘形状
で壁を突き破る先端手段と突き破った壁を開大する周部
手段を備えた針状ロッドの内針またはガイド針を用いて
もよい。
【0086】そして、この留置したポート121を通じ
て、確保手段11で確保した処置対象部位の腔領域内に
手術用器具、例えばスコープ21や鋭匙鉗子22等を挿
入できる。尚、図55で示す如く、ポート121は複数
本、挿通するようにしてもよい。この場合のポート12
1はトラカールの外套管であってもよい。
【0087】[第13の実施形態]図56及び図57を
参照して、本発明の第13の実施形態を説明する。この
実施形態は腔確保具の他の例を示すものである。この腔
確保具130は器具挿入ガイド手段が、前述したような
軟性管状シート部材ではなく、腔確保手段のリング状部
材131の上端から同径的に連設した一対のアーム部1
32a,132bによって構成した。つまり、各アーム
部132a,132bの両内面をガイド面として手術用
器具を誘導する器具挿入ガイド手段を構成するものであ
る。各アーム部132a,132bは互いに向き合って
おり、その内面はリング状部材131の内面から同軸的
に連続する周面の一部を形成している。各アーム部13
2a,132bの幅は比較的狭く、図56(a)(b)
の矢印で示す如く、対向する方向へ接離することができ
るように弾性的変形可能に形成されている。このため、
リング状部材131、及び各アーム部132a,132
bを一体的に形成する素材としては金属や樹脂等でよい
が、リング状部材131の部分は比較的硬質である一
方、各アーム部132a,132bが弾性を持てるよう
なものが選ばれるべきである。
【0088】また、前述した第9の実施形態の場合と同
様、腔確保手段のリング状部材131にはこれによって
手術用空間を確保する領域の周辺に位置する骨の形態に
合わせた形の係合部132が形成され、この係合部13
2はその腔確保部分の周辺の骨部に対してほぼ密に接し
てその骨部に係合する係合手段を形成している。
【0089】さらに、第9の実施形態の場合と同様、プ
ッシャー133が設けられている。この実施形態のプッ
シャー133は前記アーム部132a,132bを嵌め
込む一対の係合部用切欠き孔134a,134bが形成
されている。そして、図56(d)で示す如く、プッシ
ャー133の各係合部用切欠き孔134a,134bに
それぞれ対応するアーム部132a,132bを嵌め込
んで係合し、腔確保具130をプッシャー133に組み
付ける。プッシャー133の下端135はリング状部材
131の上端に突き当たって係合している。
【0090】この状態で、第9の実施形態の場合と同
様、体組織に形成した挿入孔をダイレータで拡張して、
ダイレータの最後の管に前記リング状部材131とプッ
シャー133を被嵌して、一緒に体組織に挿入する。リ
ング状部材131の係合部132が被係合位置に係合し
たところで、ダイレータ、及びプッシャー133を引き
抜く。すると、アーム部132a,132bは体組織の
圧力で変形して潰れ、図57(a)で示す如く、偏平に
なる。このため、体組織を圧排せず、体組織にダメージ
を与えない。
【0091】また、スコープや鉗子等の手術用器具13
6を挿入する場合には図57(b)で示す如く、そのア
ーム部132a,132bの間に入れ、アーム部132
a,132bの内面をガイドとして、手術用器具136
を手術用腔部内に導入する。このとき、アーム部132
a,132bは導入する手術用器具136の大きさに応
じて最低限で広がり必要以上に体組織を圧排しないた
め、体組織のダメージは少ない。
【0092】尚、この実施形態ではアーム部132a,
132bが2本であったが、本発明はこれに限らず、複
数のもの、あるいは互いに向き合う複数組みのものを設
けてもよいものである。
【0093】[第14の実施形態]図58を参照して、
本発明の第14の実施形態を説明する。この実施形態は
腔確保具の他の例を示すものである。この実施形態の腔
確保具は、軟性管状シート部材12を腔確保手段11の
リング状部材13に対して着脱可能なように装着したも
のである。これ以外は前述した第9の実施形態のものと
同様であるが、軟性管状シート部材12を有した他の実
施形態のものと組み合わせることも可能である。
【0094】図58(a)で示す如く、リング状部材1
3の外周にその全周にわたるリング状の係合溝137を
設ける。また、図58(b)で示す如く、軟性管状シー
ト部材12の嵌合内面部には全周にわたって凸形状13
8を形成する。前記凸形状138における内径はリング
状部材13の外径よりも小さく構成されている。軟性管
状シート部材12とリング状部材13との装着結合は、
図58(c)(d)で示す如く、リング状部材13の係
合溝137に軟性管状シート部材12の凸形状138を
嵌め込むことにより係合し、リング状部材13に軟性管
状シート部材12を取り付ける。凸形状138は係合溝
137に対して硬めの係合でもよいが、保持強度が保て
る範囲で、比較的大きな弾性を持たせることが望まし
い。凸形状138は通常以上の力で抜け方向に力を加え
ることにより係合溝137から外れるので、これにより
軟性管状シート部材12を容易に取り外すことができ
る。
【0095】これによれば、腔確保部としてのリング状
部材13と器具挿入ガイド手段としての軟性管状シート
部材12が分離できるので、例えば軟性管状シート部材
12にポート等を差し込む場合等、軟性管状シート部材
12が使用により損傷してしまう場合にはその軟性管状
シート部材12を使い捨て方式とし、他のリング状部材
13等の部材については再利用することができて経済的
なシステムを構築できる。
【0096】[第15の実施形態]図59を参照して、
本発明の第15の実施形態を説明する。この実施形態
は、腔確保具の軟性管状シート部材12をメッシュ構造
の変形可能なシートから構成したものである。その他は
前述した第9の実施形態のものと同様である。メッシュ
構造としては鋼線の編み込み構造のものが考えられる。
前記編み込み構造の網目が、例えば前述した第12の実
施形態で説明したポート121の外径よりも小さな構成
のものとする。このように、軟性管状シート部材12を
変形可能なメッシュ構造とすれば、前述した第12の実
施形態のような、ガイド針1で軟性管状シート部材12
を穿刺し、孔を開けずとも、前記網目を利用すれば、前
記ガイド用ポート121の先端を簡単に差し込むだけで
連結部139を作ることができる(図59(c)を参
照)。また、ガイド用ポート121の先端の大きさ形状
に合わせて網目が広がり密に係合させることができる。
また、シート部材は変形可能なメッシュ構造であるた
め、筋肉の圧により潰れ、筋肉を圧排することがない。
[第16の実施形態]図60を参照して、本発明の第1
6の実施形態を説明する。この実施形態の腔確保具は、
前述した第9の実施形態のものと次の点が異なる。ま
ず、操作部材17はその上端部から左側へ屈曲した把持
部101を形成している。また、係合手段103の舌片
状の部分104には組織剥離用圧排鈎(箆)141を形
成している。この圧排鈎141は、係合手段103を嵌
め込み係合しようとする骨部に付着した筋肉等の体組織
を剥がすことができる。圧排鈎141は刃付きへら状の
ものでよく、また、前記舌片状部分104に一体的に形
成しても別部材に設けてもよいものである。圧排鈎14
1は前記操作部材17とは肉厚部142を介して一体的
に連設されており、操作部材17からの操作力を圧排鈎
141に直接的に伝達できるようになっている。これに
よれば骨部から筋肉等の体組織を剥がし、骨部に係合手
段103を密着させて嵌め込むことができる。
【0097】[第17の実施形態]図61を参照して、
本発明の第17の実施形態を説明する。この実施形態は
前述した第12の実施形態におけるポート121と軟性
管状シート部材12を連結する手段の変形例を示すもの
である。軟性管状シート部材12にはポート連結部位に
位置して1つ又は複数のポート挿通孔145が形成され
ている。ポート挿通孔145に先端を差し込むポート1
21の先端部には凹凸、例えば太径の鍔(引掛り部)1
46を形成した。ポート挿通孔145の径は、鍔146
を除くポート121の外径に比べて同じか小さい。ポー
ト121はガイド針やダイレータを用いて導入され、そ
の先端がポート挿通孔145の周縁部を弾性的に広げて
そのポート挿通孔145に差し込まれる。ポート挿通孔
145に差し込まれると、図61(d)で示す如く、太
径の鍔146が、ポート挿通孔145の内側縁部に引っ
掛り、軟性管状シート部材12からのポート121の外
れをより効果的に防止する。
【0098】[第18の実施形態]図62を参照して本
発明の第18の実施形態を説明する。この実施形態は前
述した第12の実施形態において説明した挿入手段、つ
まりプッシャー100の変形例であり、この実施形態で
のプッシャー147は前記プッシャー100と同一形状
のプッシャー部材148の内部にダイレータで使用する
管と同様の円筒部材149を内挿して両者を一体的に形
成したものである。円筒部材149は図62(b)で示
す如く、プッシャー部材148の押当部106よりも先
端側に突き出しており、この円筒部材149の先端部外
周には図62(b)で示す如く、手術用シース4のリン
グ状部材13が密に被嵌するようになっている。
【0099】そこで、ダイレータで穿刺孔を開拡する最
後において、円筒部材149の先端部にリング状部材1
3を被嵌して手術用シース4を装着した状態で、プッシ
ャー147を、ダイレータの最後の管の外周に被嵌して
体組織内に差し込まれる。この挿入手段によれば、ダイ
レータの機能とプッシャーの機能が同時に発揮させるこ
とができる。また、プッシャー部材148が円筒部材1
49と一体になり、補強されるため、プッシャー部材1
48には操作部材係合手段用切欠き部105を設けた
が、このプッシャー部材148が単独の場合、その形状
により変形し易いが、この実施形態のものではそのプッ
シャー部材148の異常な変形が防止されると共に、材
質設計の自由度が増す。尚、この挿入手段の部材は比較
的軟性なものでもよい。
【0100】[第19の実施形態]図63を参照して、
本発明の第19の実施形態を説明する。この実施形態の
腔確保具はこれまで述べてきた実施形態とは適用対象
(骨)部位が異なる。腔確保具のリング状部材(腔確保
部)13の先端縁に形成した係合手段103の形状は処
置対象椎間板側壁に到達したとき、その周辺の骨の部分
に係合するような形状となっている。具体的には図63
(b)〜(d)で示す如く椎間板を含む椎体側面骨形状
に適合する形状になっている。このアクセス方法は、例
えば第9の実施形態のアクセス経路よりもやや腹側とな
る。これによれば、図63(a)で示す如く、側方向に
飛び出した椎間板ヘルニアの切除等に使用することがで
きる。その他は、例えば前述した第9の実施形態のもの
と同様である。
【0101】[第20の実施形態]図64を参照して本
発明の第20の実施形態を説明する。この実施形態の腔
確保具は前述した第9の実施形態においての腔確保手段
11のリング状部材13の変形例を示すものである。こ
こでのリング状部材13は帯状(板状)部材151を丸
めて略円筒形に形成してなり、その帯状部材151の一
端は操作部材17の下端に形成したへら状の圧排部15
2の溝153内に取着固定されている。帯状部材151
は最初、図64(a)(b)(c)で示す如く、小径な
渦巻き状態に巻かれているが、図64(b)で示す如
く、例えば板状の操作具155を用いて移動端154を
押し、図64(d)で示す如く、渦巻き状態に巻かれた
帯状部材151を広げ、通常の使用が行われる径の円筒
状に開拡した状態にすることができるようになってい
る。
【0102】従って、体内の処置対象部位まで挿入する
際には帯状部材151を小径にした状態で挿入し、処置
対象領域に達したところで帯状部材151を開拡させ
る。これによれば、腔確保具の挿入時の体組織に対する
ダメージを軽減し、一方、処置作業空間領域を広げるこ
とができる。
【0103】また、前記圧排部152と帯状部材151
により所定の処置対象部位においてその周辺の骨部に係
合する係合手段156を形成している。この係合手段1
56の形状は図64(a)で示す如く左右対称であり、
このため、右左のむきが変わらず、いずれのものにも兼
用することができる。
【0104】[第21の実施形態]図65及び図66を
参照して、本発明の第21の実施形態を説明する。この
実施形態は前述した第9の実施形態における手術用シー
ス(腔確保具)4の腔確保手段11におけるリング状部
材13の形状が真円形ではなく、長円形状に形成した点
が特徴であり、その他は前述した第9の実施形態のもの
と略同様である。リング状部材13は図66で示す如
く、楕円形状に形成されており、そのリング状部材13
の下端縁を、手術用腔を確保する所の周辺に位置する骨
の形態に合わせた形に形成して、腔確保部分の周辺の骨
部に当たり、その骨に係合する係合手段103を形成し
ている。先端形状が楕円形状であるため、同じ周長をも
つ円形状のものより椎弓間を含む処置対象部位の上下或
いは左右方向の視野が広く得られる。
【0105】[第22の実施形態]図67を参照して、
本発明の第22の実施形態を説明する。この実施形態の
腔確保具160は図67(d)で示す如く、操作部を兼
ねたシース部162の先端に腔確保手段として、長さの
異なる一対の圧排片163,164を連設したものであ
る。この腔確保部の各圧排片163,164は板状のも
のであり、変形アーム部163a,164aを介して弾
性的に広がり得るように設けられている。圧排片16
3,164の幅はシース部162の径より広い。また、
圧排片163,164はその先端に突き出す長さが異な
り、圧排片163の方が長い。また、圧排片163,1
64の先端には外側に突き出す折返し部166,167
が形成されている。そして、圧排片163,164の先
端部は位置決め対象部位の椎弓部に係合する手段を構成
している。
【0106】図67(a)中、170は腔確保具160
の圧排片163,164を開拡するための開拡器具であ
り、前記シース部162内に挿入できる挿入部本体17
1の先端にリンク172を介して開拡子173,174
が設けられている。開拡子173,174は挿入部本体
171の手元側に設けられた操作部175のハンドル1
76を操作することにより開拡させられるようになって
いる。
【0107】そこで、この腔確保具160を使用する場
合、まず、ガイド針、ダイレータ、軟性管等の挿入具を
用いて、圧排片163,164を閉じた状態の腔確保具
160を体組織内に挿入する。そして、処置対象部位に
位置決めされたところで、シース部162内に開拡器具
170を差し込み、圧排片163,164の内面に開拡
子173,174を位置決めしてからその開拡子17
3,174に開拡し、圧排片163,164を広げる
(図67(b)を参照)。そして、開拡子173,17
4を閉じ、シース部162から開拡器具170を引き抜
く(図67(c)を参照)。
【0108】すると、腔確保具160の圧排片163,
164は体組織内で広げられ、処置対象部位に手術作業
用空間177を形成する。圧排片163,164の先端
は位置決めする棘突起から関節突起にかけての椎弓部の
骨部分の形状に適合して係止する。
【0109】[第23の実施形態]図68乃至図70を
参照して、本発明の第23の実施形態を説明する。図6
8で示す如く、この実施形態での腔確保具180はシー
ス部181の先端に腔確保部182を設けたものであ
る。腔確保部182はリング状部材183からなり、こ
のリング状部材183はシース部162の先端から延出
する左右一対の支持アーム184の先端に取着した回転
軸185により回転自在に装着されている。
【0110】図69で示す如く、リング状部材183は
長円形状に形成され、その短軸側部分が回転軸185に
より軸支されている。このため、リング状部材183を
シース部181の長手方向に沿わせると、シース部18
1の長手方向に細長い形状になる。リング状部材183
の幅はシース部181の外径に略等しく形成されてい
る。
【0111】また、リング状部材183の長軸方向端の
一方には腔確保部操作用ワイヤ186の先端を接続して
ある。このワイヤ186はシース部181内を通じてシ
ース部181の手元側に導かれている。そして、ワイヤ
186を引くと、リング状部材183が回転して、シー
ス部181の長手方向に直交する向きに位置するように
なっている。
【0112】図69(a)はリング状部材183の短軸
方向に沿う腔確保部182の回転前の幅D1 を示し、こ
の幅D1 は体組織に挿入するときの幅である。図69
(b)はリング状部材183の長軸方向に沿う腔確保部
182の回転後の幅D2 を示しており、この幅D2 は腔
を確保する最大幅である。
【0113】この腔確保具180を体組織内に挿入する
場合、図70(a)で示す如く、例えばダイレータ等の
体内進入具(体内挿入具)で挿通孔を作り、所定の径に
広がったときのダイレータ管187または前述したよう
な軟性管等の部材をガイドとして腔確保具180を処置
対象部位まで挿入する。挿入後、腔確保具180以外の
ダイレータ等の部材を引き抜く。ついで、図70(b)
で示す如く、回転手段により腔確保部182のリング状
部材183を90度回転して、そのリング状部材183
により処置対象部位に手術作業用空間188を形成す
る。シース部162の先端から延出する支持アーム18
4も腔の確保に関与する。
【0114】尚、腔確保部182のリング状部材183
にその腔確保部分の周辺の骨部に当たりその骨に係合す
る係合手段を形成してもよい。この腔確保具180によ
れば、体組織に挿入孔を小さく形成して体組織内での処
置対象部位に大きな手術作業用空間を形成することがで
きる。
【0115】[第24の実施形態]図71を参照して本
発明の第24の実施形態を説明する。この実施形態では
体組織に挿通孔を形成する際に使用する体内進入具とし
てのダイレータの、腔確保具を案内する例えば最大外径
の管190に係るものであり、図70(b)で示す如
く、その管190の先端に斜めにカットした鋭利な刃部
191を形成したものである。この鋭利な刃部191を
形成するダイレータの管190としては、これを適用す
る腔確保部分の骨部における孔の径より大きな径のもの
であり、例えば椎弓間192の径dより大きな径Dの管
190のものに刃部191を形成する。椎弓間192の
径は個人差があるが、これは予めX線撮影やMRI等で
知ることができる。
【0116】これを使用する場合、体組織に形成された
挿通孔をダイレータの各管で次第に開拡して行く際、椎
弓間192の径dより大きな径Dの管190であって、
先端に鋭利な刃部191を形成したものを使用し、これ
を差し込み、図71(c)で示す如く、椎弓間192の
周辺の骨部分の表面に付着している組織を刃部191で
削り離す。その管190の径は椎弓間192の径dより
大きいので、椎弓間192内に入り込んで他の組織を不
要に傷付けることがない。その処理後、腔確保具を導入
すれば、その腔確保具の腔確保部を椎弓間192に密着
させることができると共に、良好な術野が得られる。
【0117】[第25の実施形態]図72を参照して、
本発明の第25の実施形態を説明する。この実施形態は
体組織に挿通孔を形成する際に使用する体内進入具のダ
イレータに係り、このダイレータ195は1本の針状部
材196からなり、ガイド針を兼ねるものである。針状
部材196の穿刺先端197は円錘形状に形成されてい
る。ダイレータ195の外径はこれを使用する腔確保具
を被嵌して案内するようになっている。これによれば、
体組織表面に穿刺先端197を当てて押し込めば体壁を
突き破り体組織内に刺入でき、一度に、開拡した挿入孔
を形成できる。例えば第1の実施形態のダイレータのよ
うに何本もの管を重ねて差し込む場合に比べて簡単であ
ると共に、体組織に与えるダメージも少ない。また、ガ
イド針の刺入も不要である。このダイレータ195の中
心にガイド針を通す孔を形成してガイド針を用いるよう
にしてもよい。
【0118】[第26の実施形態]図73を参照して本
発明の第26の実施形態を説明する。この実施形態は体
組織に挿通孔を形成する際に使用するダイレータに係
り、これは腔確保具を被嵌して案内する径の管、通常は
最大外径のダイレータ管201に前述したような係合手
段、つまり手術用腔を確保する所の周辺に位置する骨の
形態に合わせた形の係合部202を形成したものであ
る。係合部202は腔確保部分の周辺の骨部に当たりそ
の骨の形に適合して係合するようになっている。また、
この係合部202の位置に合わせてダイレータ管201
の外端外周にはその係合部202の位置を示す指標20
3がマーキングされている。
【0119】ダイレータ管201に腔確保具を被嵌して
押し込む前に、腔確保部分の周辺の骨部にダイレータ管
201の係合部202を係合させておけば、その後に挿
入する、前述したような骨部係合手段を有した腔確保具
を使用する場合、その係合位置がわかり簡単に係合させ
ることができる。また、ダイレータ管201により適合
する係合位置を求め、その後に挿入する腔確保具をいた
ずらに動かす必要がないので、体組織のダメージを軽減
することができる。
【0120】[第27の実施形態]図74を参照して本
発明の第27の実施形態を説明する。この実施形態は体
組織に挿通孔を形成する際に使用する体内進入具として
のダイレータに係り、このダイレータ205はその管2
06の全部または、ある管206以後のものを楕円形状
に形成したものである。図74(a)(b)は管206
の全てを楕円形状にしたものであり、図74(c)は最
大外径の管206のみを楕円形状にしたものである。こ
のようなダイレータ205によれば、体組織に形成する
挿通孔を偏平に形成できる。また、偏平な腔確保部を有
する腔確保具を被嵌して押し込むことができる。例えば
第21の実施形態での腔確保具のようにそのリング状部
材の形状が真円形ではなく、長円形状に形成したものを
挿入する場合に適する。
【0121】[第28の実施形態]図75を参照して、
本発明の第28の実施形態を説明する。この実施形態は
ポートを目的の部位にガイドするようにしたポートガイ
ド装置210に係るものである。これは、例えば前述し
た第12の実施形態で行ったように手術用シースの挿通
用チャンネルの他に、手術用器具誘導用ポートを設置す
る場合、そのポート121をガイドするガイド針の穿刺
位置及びその向きを規制するためのものである。
【0122】ポートガイド装置210は図75(b)で
示す如く、ダイレータ管211を有し、このダイレータ
管211の下端周壁部には対向する側壁部分をそれぞれ
切り欠いて形成した一対の側孔212a,212bが設
けられている。ダイレータ管211の上端部には第1の
ガイド部材213が着脱自在に取着されている。
【0123】第1のガイド部材213は前記ダイレータ
管211の上端開口部分に嵌合して接続される中央筒状
部214と、この中央筒状部214の上端から左右にそ
れぞれ均等に延出する板状アーム部215が設けられて
いる。この板状アーム部215の両端部には第2のガイ
ド部材216を嵌め込むガイド孔217a,217bが
形成されている。各ガイド孔217a,217bにはガ
イド針218を通す切欠き孔219がそれぞれ形成され
ている。中央筒状部214の内径はダイレータ管211
の内径に等しく、その内腔220は同軸的に設けられて
いる。
【0124】第2のガイド部材216は図75(a)で
示す如く、ガイド孔217a,217bに嵌め込む軸部
221と、その上端に形成される鍔部222を有してな
り、第1のガイド部材213のガイド孔217に軸部2
21のみを嵌め込み、鍔部222を係止させて取り付け
るようになっている。第2のガイド部材216の中心に
はガイド針218を挿通するガイド針孔223が形成さ
れている。
【0125】そして、図75(c)で示す如く、このガ
イド孔217a,217bに装着した第2のガイド部材
216のガイド針孔223の軸心は装着したガイド孔2
17a,217bの軸心に一致するように取り付けら
れ、各軸心はダイレータ管211の軸心上で一致し、か
つ同一平面内に位置するように設定されている。ガイド
針孔223の軸心はダイレータ管211の軸心に対して
斜めに鋭角な状態で、ダイレータ管211の軸心上で交
差し、各ガイド針孔223の軸心は前記ダイレータ管2
11の側孔212a,212b内を通るようになってい
る。
【0126】次に、このポートガイド装置210を用い
る場合には、体組織に挿通孔を形成するダイレータの最
後の管の代わりに、前記ダイレータ管211を使用し、
前述した如く軟性管やプッシャーとして使用して手術用
シースを体組織に挿入する。この後、前記ダイレータ管
211を位置決めしたまま、そのダイレータ管211の
外端部に第1のガイド部材213を嵌め込んで装着し、
ガイド孔217a,217bの両方または片方にを装着
する。そして、図75(b)で示す如く、第2のガイド
部材216のガイド針孔223にガイド針218を挿通
し、ガイド針孔223をガイドとして、ガイド針218
を、手術用シースの横から軟性管状シート部材12内ま
で刺し込む。この穿刺後、第2のガイド部材216から
ガイド針218をその軸心方向に沿って引き抜き、第1
のガイド部材213から第2のガイド部材216を取り
外す。
【0127】そして、ダイレータ管211から第1のガ
イド部材213を取り外す。このとき、ガイド針218
は切欠き孔219を通り抜けるので、ガイド針218が
ガイド孔217にひっかかることがない。このようにし
て、ガイド針218を、体組織及び内腔に適切な位置と
向きで穿刺することができる。この穿刺したガイド針2
18をガイドとして利用し、軟性管状シート部材12の
壁部に前述したようなポートを差し込んで連結し、処置
対象部位の作業空間領域内にポートを連通させる。従っ
て、この設置したポートを通じて手術用シース内のチャ
ンネルを通ることなく、その側方から作業空間領域内に
手術用器具を誘導することができるようになる。このこ
とから、ポートを処置内腔の適切な位置に導くことがで
き、常に良好な視野を得ることができる。
【0128】[第29の実施形態]図76を参照して、
本発明の第29の実施形態を説明する。この実施形態は
前記第28の実施形態でのポートガイド装置210の変
形例である。
【0129】第1のガイド部材213の板状アーム部2
15にはその長手方向に沿って移動孔225が形成され
ている。また、第2のガイド部材216は軸部221の
両端に鍔部222,226を有し、板状アーム部215
を両側から挟み込むようにして保持されながら移動孔2
25に沿ってガイドされるようになっている。つまり、
図76(a)(b)中の矢印で示す如く、第2のガイド
部材216はその移動孔231に嵌め込まれた状態で左
右に移動することができるように装着されている。
【0130】また、板状アーム部215は前記各軸心の
交差する点を中心とする円弧状に形成されており、第2
のガイド部材216は装着状態で移動孔231に沿って
移動できる。このため、第2のガイド部材216のガイ
ド針孔223の軸心は常に前記点に向き、その点を通る
ようになっている。移動孔231の中央部分には内腔2
20が形成され、移動孔231と内腔220が連通して
いる。第2のガイド部材216は内腔220の部分に位
置させることによりその内腔220内を通じて第1のガ
イド部材213から取り外せるようになっている。
【0131】この実施形態のポートガイド装置210に
よれば、第1のガイド部材213の移動孔231に沿っ
て第2のガイド部材216を移動させることにより、ガ
イド針孔223の位置及び傾きを選択することができ
る。ダイレータ管211の軸心に対して斜めに穿刺する
向きを選択できる。その他は前記実施形態のポートガイ
ド装置210と同様の作用効果が得られる。
【0132】[第30の実施形態]図77乃至図78を
参照して、本発明の第30の実施形態を説明する。この
実施形態は前記ダイレータの代わりに用いる体内進入具
に係るものである。この体内進入具240は図77で示
す如く、管状の操作部241の先端部にバルーン242
を設け、操作部241内に形成した図示しないチャンネ
ルを通じてバルーン242に流体を給排することにより
前記バルーン242を膨脹または収縮させるようになっ
ている。バルーン242は操作部241の先端部位にお
いて略球状に膨らむように形成されている。
【0133】この体内進入具240を使用して体組織に
挿通孔を形成する場合には、まず、図78(a)で示す
如く、バルーン242を膨らませた状態で、操作部24
1の先端を体組織表面に突き当て処置対象部位に向けて
押し付ける。すると、図78(b)で示す如く、バルー
ン242の部分が体壁を突き破り体組織内に進入し、腔
確保具を差し入れる通路を形成する。
【0134】この体内進入具240で通路を形成した
後、腔確保具を挿入する方法としてはその管状の操作部
241をガイドとして軟性管等の他のガイド管を挿入
し、そのガイド管を通じて腔確保具を挿入してもよい
し、また、通路に腔確保具を直接挿入してもよい。ま
た、腔確保具を挿入する際、前述したような軟性管やプ
ッシャー等の補助具を用いてもよい。
【0135】[第31の実施形態]図79を参照して、
本発明の第31の実施形態を説明する。この実施形態は
前記体内進入具240の変形例に係るものである。この
体内進入具240は操作部241に長いバルーン242
を設け、バルーン242は体組織内に形成する通路程度
の長さに形成したものである。この場合には拡大したバ
ルーン242の周面をガイドとして、軟性管等の他のガ
イド管や直接に腔確保具を挿入することもできる。その
他は前述した第30の実施形態と同じである。
【0136】[第32の実施形態]図80を参照して、
本発明の第32の実施形態を説明する。この実施形態の
腔確保具250は変形可能なシート材からなる管状シー
ス251を有し、この管状シース251によって器具挿
入ガイド手段を形成している。この腔確保具250を使
用する場合の一例は、まず、細径のガイド管や管状ガイ
ド針の体内進入具を体組織に穿刺し、この先端が処置対
象部位の領域Pに達するまで挿入する。ついで、管状シ
ース251を細く縮めて、これをガイド管または管状ガ
イド針を差し込み、処置対象部位まで挿入する。そし
て、管状シース251の先端部分を処置対象部位の領域
Pに位置させる。この後、ガイド管または管状ガイド針
のみを引き抜く。ついで、図80で示す如く、留置され
た管状シース251内に、例えばスコープ252を挿入
し、そのスコープ252のチャンネルを通じて送液し、
管状シース251の先端部分からなる腔確保部253を
拡大し、処置対象部位の領域Pに手術用空間を確保す
る。そして、管状シース251またはスコープ252を
通じて他の手術器具を導入して対象部位の手術を行う。
【0137】[第33の実施形態]図81を参照して、
本発明の第33の実施形態を説明する。この実施形態の
腔確保具265は比較的硬質であるが変形可能なパイプ
材によって操作部を兼ねたガイド部266を有してな
り、ガイド部266の先端部には図81(a)で示す如
く、複数のスリット状の切込み孔267を形成すること
により網目が形成され、これにより、図81(b)で示
す如く、塑性変形して膨らむことができる腔確保部26
8を形成する。
【0138】この腔確保具265を使用する場合には、
図81(a)で示す如く、腔確保部268が細い状態で
ガイド部266を、単独またはダイレータ等を利用して
体組織に穿刺し、腔確保部268を処置対象部位の領域
まで挿入する。この後、ガイド部266内に図示しない
拡大具またはバルーンを差し込んで、それにより図81
(b)で示す如く、腔確保部268を拡張する。これに
より処置対象部位の領域には手術用空間が確保され、ガ
イド部266内を通じて手術器具を導入し、その対象部
位の手術を行う。このことより、小さな挿入孔で処置対
象部位まで腔確保具を到達させることができ、術野及び
視野を広く得ることができる。
【0139】[第34の実施形態]図82を参照して、
本発明の第34の実施形態を説明する。この実施形態の
腔確保具270は軟性で変形可能な管状シート部材27
1と、この管状シート部材271の先端に設けられた腔
確保部272とからなり、腔確保部272は帯状板部材
を一重の管状に巻いて形成したものである。尚、腔確保
部272は帯状板部材を多重に巻いて形成してもよい。
腔確保部272は体組織内に挿入する場合には図82
(a)で示す如く細くなっている。
【0140】この腔確保具270を体組織に導入する方
法は、例えば第1の実施形態等において述べた方法が可
能である。そして、腔確保部272を処置対象部位の領
域に導入位置させた後、管状シート部材271内を通じ
て腔確保部272に図示しない拡大具またはバルーンを
差し込んで図82(b)で示す如く腔確保部272を塑
性変形させて拡張し、処置対象部位の領域に手術用空間
を確保する。そして、手術器具を導入して対象部位の手
術を行う。このことより、小さな挿入孔で処置対象部位
まで腔確保具を到達させることができ、術野及び視野を
広く得ることができる。
【0141】[第35の実施形態]図83を参照して、
本発明の第35の実施形態を説明する。この実施形態は
第34の実施形態の腔確保具の変形例であり、この腔確
保具275は腔確保部276が帯状板材からなる管状部
材の一部に折込み部277を形成して図83(a)で示
す如く折畳み、また、図83(b)で示す如く塑性変形
させて略矩形状に開拡できるようにしたものである。そ
の使用方法等は前記実施形態と同様である。
【0142】[第36の実施形態]図84及び図85を
参照して、本発明の第36の実施形態を説明する。この
実施形態は腹腔内の手術において腔確保具を適用する場
合のものであって、具体的には前述した第33の実施形
態に係る腔確保具と略同様の腔確保具290を用いて腹
腔内の手術を行う例である。
【0143】図84は腔確保具290を使用して、腹腔
鏡下手術を行っている状態である。腔確保具290の、
操作部を兼ねたガイド部291は、腹壁292を貫通し
ており、ガイド部291の先端部に形成されている腔確
保部293は拡張させられている。そして、拡張した腔
確保部293によって、腹腔内における処置対象部位の
領域に手術用空間294を確保している。また、ガイド
部291内を通じてスコープ(腹腔鏡)289の先端が
手術用空間294内まで導入されている。また、腔確保
部293の側壁の網目開口には腹壁292に貫通させた
ポート295の先端が接続されており、このポート29
5を通じて別の手術用器具296が前記手術用空間内に
導入されている。
【0144】腹腔鏡下手術において、腔確保具290を
使用すれば、一旦、腹腔内に腔確保具290を設置すれ
ば、その後の気腹や吊上げ術、または腹腔内臓器の圧排
処理が必ずしも必要ではなくなる。また、手術用腔を確
保して確実かつ迅速に手術を行うことができる。
【0145】一方、前記腔確保具290のガイド部29
1及びポート295の、体外に位置する外端部は図85
で示す支持器具297によって保持されている。支持器
具はポートと体内で確保された腔の体外での連絡手段を
形成する。支持器具297は前記ガイド部291を挾持
して保持する第1の保持管298と、ポート295を挾
持して保持する第2の保持管299を有してなり、第1
の保持管298と第2の保持管299は連結部材300
によって連結されると共に、腔確保具290のガイド部
291に対する各ポート295の距離や角度の調整がで
きるようになっている。第1の保持管298と第2の保
持管299にはそれぞれ固定ねじ301が設けられてい
る。このような支持器具297は他の実施形態の器具に
も適用できるものである。
【0146】[第37の実施形態]図86及び図87を
参照して、腔確保具の他の例を示すものである。この腔
確保具310は図86で示す如く、比較的硬めの材質か
らなるへら状の本体部材311を有し、この本体部材3
11の前面部分には樋状の凹部312が形成されてい
る。そして、この凹部312によって、器具挿入ガイド
チャンネルを形成すると共に、その先端部付近により手
術用空間を確保する腔確保手段を構成するようになって
いる。
【0147】本体部材311の先端縁部は円弧状に比較
的薄く形成されると共に、手術用空間を確保しようとす
る部位周辺に位置する骨の形態に合わせた形に形成さ
れ、これにより、腔を確保する部分の周辺の骨部に当た
りその骨に係合する係合部313を形成している。ま
た、本体部材311の基端部には凹部312に連通する
スコープ用挿入口314が形成されている。
【0148】そして、この腔確保具310を使用する場
合には、まず、図87(a)で示す如く、別の剥離子3
15を差し込み、その刃部で棘突起から椎弓部にわたる
骨部分の表面を擦り体組織を骨部から剥離する。つい
で、図87(b)で示す如く、剥離子315の背面に沿
わせて腔確保具310を、体組織内に手術用空間を確保
すべき処置対象部位の領域まで挿入する。そして、手術
用空間を確保する所の周辺に位置する骨の形態に合わせ
て本体部材311の係合部313を骨部に係合して位置
決めする。このように位置決めされた腔確保具310の
凹部312を案内として、これによって確保した手術用
空間に、スコープ317や手術用器具318を導入し、
手術を行う。図87(c)はその手術している状況を示
す。
【0149】[第38の実施形態]図88乃至図98を
参照して第38の実施形態を説明する。図88はこの実
施形態に係る腔確保具システムに属する各器具を示す。
腔確保具システムには、ガイド針401、体内進入具と
してのダイレータ402、処置対象部位の上に腔を確保
をするための腔確保部(腔確保具)403と手術器具ガ
イド手段としての筒状の軟性シート部材404を備えた
手術用シース405、手術用シース405を体内に押し
込むためのプッシャー406、手術用シース405の挿
入をガイドするためのマンドリン408、このマンドリ
ン408と組み合わせて手術対象部位の位置を検索する
位置検知手段に用いる棒状の探触子409、及びポート
410が備えられている。
【0150】ダイレータ402は径の異なる複数の管4
02a〜402dを順次密に積み重ねて嵌合した、いわ
ゆる多重管アンテナ形式のものであり、その中で最も細
い管402aには上記ガイド針401が挿入できるよう
になっている。ガイド針401は他のいずれの器具より
も長い。また、各管402a〜402dの体内挿入側に
位置する先端縁はいずれも面取りがなされている。そし
て、ダイレータ402は、生体に穿刺したガイド針40
1に最も細い管402aを被せ、さらに管402b〜4
02dの順で積み重ねて嵌合することによりガイド針4
01の穿刺孔を開拡する。ダイレータ402の管402
a〜402dのうち細い径のもの、例えば管402a,
402bは、それより太い径の管402c,402dの
ものよりも長く形成されている。この長いもののうち例
えば管402bはマンドリン408を生体組織に挿入す
る際の挿入ガイド手段を構成する。
【0151】図89(a)で示す如く、手術用シース4
05は前述した如くの腔確保部403と筒状の軟性シー
ト部材404を有してなり、その腔確保部403には軟
性シート部材404内を通じて体外側へ延びる偏平な操
作部材412が連設されている。操作部材412は板状
(帯状)の部材により形成され、関節突起側に位置して
腔確保部403のリング部材に連設されている。また、
操作部材412の延出先端部は関節突起側に屈曲して突
き出していて、この横向きに突き出した部分によって操
作把持部413を形成している。この偏平な操作部材4
12は先端側程、幅が狭く形成されている。また、操作
把持部413の部分は特に幅が広く操作するときに手で
持ち易い形状になっている。
【0152】上記腔確保部403は硬質の帯状部材から
長円または楕円の偏平なリング状に形成されている。こ
の帯状リング状部材の先端縁は骨部と係合する特別な形
状に形成されていて、骨との係合手段414を構成して
いる。骨との係合手段414は、図89(b)で示す如
く、比較的尾側に位置する凸部414aと、棘突起側の
比較的頭側に位置する凹部414bを有している。そし
て、骨との係合手段414は、図90(a)で示す脊椎
において、点線で示す部分の骨部に適合する輪郭形状に
形成され、その骨部と係合するようになっている。
【0153】ここで、図90(a)において、点線部分
で囲む領域Aが処置対象部位であり、棘突起から椎弓部
にかけての傾斜部Cが骨との係合手段414の凹部41
4bと係合する部分である。これと略反対側に位置する
比較的広い窪み部分が骨との係合手段414の凸部41
4aが入り込んで係合する部位となっている。図90
(a)の矢印Bで示す向きから見た図90(b)におい
て示すように、一般に椎弓間は、矢印Dの如く、大きく
上下に起伏する。また、椎弓部から棘突起まである勾配
をもつ形状になっている。
【0154】ところで、手術用シース405の腔確保部
403の内腔は楕円または長円形状のいわゆる偏平な形
状に構成されており、その周長は前記実施形態の真円形
状とした腔確保部の周長に略一致する。このため、図8
9(b)で示す如く、その処置腔は前述した実施形態の
ものに比べて細長くなる。このようにした理由は次の通
りである。手術の際の処置は椎弓間から頭尾側方向へ展
開していく事が多い。こういった場合、処置対象部位は
頭尾側方向に細長い領域(図90(a)での点線で示す
領域)となるので、腔確保部の周長と真円形状の周長を
一致させ、腔確保部内腔を楕円または長円にする事は真
円形状と略同等の侵襲で内腔により多くの処置領域を収
める事ができる点で有利である。また、図89(c)で
示すように、真円形状の腔では棘突起とぶつかるため、
棘突起側に腔を移動させることはできず、A部の処置領
域を腔内に収めることが出来ない。しかしながら、長円
または楕円形状の腔では真円形状の腔よりも前記A部の
処置領域内に収める事が出来る。また、関節突起と棘突
起の間が狭い椎弓部(個人差もしくは椎体のレベルによ
る)の場合、真円形状の腔ではその腔内の略中心に処置
対象部位を配置させる事が出来ない場合が考えられる
が、楕円または長円形状の腔では短径側の内腔が短いの
で余計な部位が腔内に入らず、内腔の略中心に処置対象
部位を配置させる事ができる。以上の事から楕円形状で
腔の周長を真円形状の周長と一致させると、真円形状の
腔と略同等の侵襲で効率的に処置対象部位をその内腔に
捕らえる事ができる。
【0155】一方、腔確保部403には骨との係合手段
である凸部414a、凹部414bを備え、この凹部4
14bは椎弓部から棘突起にかけての勾配に入り込む形
状になっている。例えば、人や椎体レベルによってはこ
の勾配が急な人がおり、係合手段である棘突起への凹部
を持たない腔確保部403は前記勾配に当接し、これを
押し込むとその勾配に沿って関節突起側へ流れ、結果的
に内腔に処置対象部位を配置出来ない場合が考えられ
る。しかしながら、本実施形態の腔確保部403は係合
手段である棘突起側の凹部414bによって前記勾配に
嵌まり込むため、勾配が急な人も処置対象部位を腔内に
配置する事ができる。また、シース挿入時、前記勾配と
前記凹部414bが嵌まり込むので、腔確保部403の
位置決めが容易である。さらに係合手段である凸部41
4aと凹部414bにより、処置対象部周辺の形状とほ
ぼ適合して腔内に不必要な筋組織の侵入を防止すること
ができる。
【0156】以上により腔確保部403は楕円形状の内
腔と骨との係合手段である、前記凸部414aと凹部4
14bを備える事によって処置領域を効率よく内腔内に
捕らえて留置する事ができ、椎弓部が狭く勾配の急な人
や椎体レベルであっても良好な腔を保持することが可能
である。もちろん、椎弓部が広い場合や勾配がそれ程付
いていない人の場合でも問題なく使用できる。従って、
腔確保部403を構成する帯状リング部材の形状は長円
または楕円に限らず、長方形、丸みのある菱形などの偏
平な異形状のものであってもよいものである。
【0157】上記手術用シース405の軟性シート部材
404はこれを組織内に留置したときにその周囲の組織
の圧力によって容易に押し潰される程度の柔軟なもので
あるが、この軟性シート部材404は内腔側から外側に
位置する組織や器具の動きを内視鏡で透かして見ること
が可能な透明な材質のもので形成されている。また、少
なくとも生体組織内に位置する領域部分の内面には例え
ば梨地等の光の反射防止手段を施しておくことが望まし
い。また、軟性シート部材404の壁の一部分にはポー
ト410の先端部を差し込め得る1つまたは複数のポー
ト連結用孔416が設けられている。また、軟性シート
部材404は例えば漏斗状に外側が広がるフレアー状に
形成したものであってもよい。
【0158】上記マンドリン408はその外周が腔確保
部403の内周に略密に嵌合する外形状のものであり、
その断面形状は当然、腔確保部403と対応した同一形
状の、長円または楕円等の偏平な形状に形成されてい
る。図91で示す如く、マンドリン408の中央には挿
通孔421がその全長にわたり軸方向に貫通して設けら
れている。挿通孔421はダイレータ402の長い管4
02a,402bのうちで例えば最大径の管402bが
比較的密に嵌入し、かつマンドリン408の挿入位置を
探触する探触子409を挿通することができるようにな
っている。なお、挿通孔421を設置する位置はマンド
リン408の中央部分に限らず、図91(c)で示す如
く、長円の長軸側にずれて偏位する位置に設けたもので
あってもよい。また、マンドリン408の外周には操作
部材412を嵌め込む際のガイドを兼ねた操作部用逃げ
溝422が形成されている。マンドリン408の先端面
は滑らかな曲面状に形成されている。また、マンドリン
408の太さは椎弓間(椎弓間孔)の幅内に入り込ま
ず、骨部に止まる大きさに形成されている。そして、マ
ンドリン408の先端面は探触子409により手術対象
部位の形状を体外から検知する探索を行うときの基準面
423となる。
【0159】探触子409は図91(b)で示すよう
に、マンドリン408の挿通孔421に挿通されるもの
であり、探触子409の先端部分はマンドリン408の
基準面423から突き出す検出部425を構成してい
る。また、探触子409の他端部にはマンドリン408
の基準面423から突き出す検出部425の突出量、つ
まり探触子409の挿入深さを示す、線からなる位置表
示用指標426が付設されている。つまり、位置表示用
指標426はマンドリン408の基準面423から突き
出す探触子409の挿入深さを示し、これにより手術対
象部位の深さを検出することができる。そして、マンド
リン408の先端が位置する挿入部位の形状状態を体外
から検知する体外検知手段の一例を構成している。な
お、上記指標426としては色分けまたは線と色分けな
どを適宜組み合わせたものでもよい。
【0160】次に、この実施形態の腔確保具システムを
用いて、背中側からアクセスしてヘルニアを除去する外
科手術の方法の手順を説明する。まず、第1の実施形態
や第9の実施形態の場合と同様に、処置対象部位に向け
て皮膚から筋肉内にガイド針401を穿刺し、ガイド針
401の先端を棘突起基部めがけて突き刺し、その位置
をX線透視等により確認する。ついで、ガイド針401
にダイレータ402を被嵌する。ダイレータ402の複
数の管402a〜402dを順次積み重ねることにより
ガイド針401の穿刺部分の周辺生体組織を拡張し、穿
刺孔を拡大する。ガイド針401は最も細い管401a
を挿入した後に早々に引く抜く。ダイレータ402の必
要な数の管402a〜402dを挿入した後、例えば長
い管402a,bを残して他の管402c,402dを
引き抜く。
【0161】そして、残したダイレータ402の長い管
402a,bがマンドリン408の挿通孔421に差し
込まれるように調整しながら、その管402bをガイド
として、マンドリン408を組織内に押し込む。アクセ
スする穿刺孔はこれより先にあらかじめダイレータ40
2により拡張してあったこともあり、比較的太く断面形
状が異形のマンドリン408でも容易に挿入することが
できる。
【0162】次に、マンドリン408の挿通孔421か
らダイレータ402の長い管402a,bを引き抜き、
代わりに探触子409を挿入する。ダイレータ402の
長い管402a,bおよび探触子409はいずれもマン
ドリン408よりも長いのでその操作が容易である。そ
して、図92で示すように、マンドリン408に挿通し
た探触子409を用いて目的とする処置対象部位を探索
する。すなわち、マンドリン408の基準面423から
探触子409の先端にある検出部425を突き出し、そ
の検出部425で椎弓間部位を探る。探触子409の検
出部425を差し込む操作を繰り返すことにより、その
検出部425がその椎弓間の孔部分に比較的深く入り込
む位置を探す。椎弓間の孔部分に探触子409が比較的
深く差し込まれたことは指標426の位置により体外か
ら容易に知ることができる。つまり、マンドリン408
の基準面423からの探触子409の検出部425が突
き出す量はマンドリン408の後端面に対する指標42
6の位置により分かり、処置対象部位の形状や位置が確
認できる。図93(a)は椎弓間部位の位置を検出する
前の指標426の状態であり、図93(b)は椎弓間部
位の位置が検出された状態である。
【0163】このようにして、探触子409により椎弓
間部位の位置の検出がなされると、その探触子409に
追従してマンドリン408も移動し、そのマンドリン4
08の先端に位置する基準面423がその処置対象部位
に位置する。マンドリン408の径はその椎弓間孔の幅
径よりも太く、基準面423は比較的広い面となってい
るので、マンドリン408が椎弓間内に入り込むことが
なく安全に位置決めされる。このように処置対象部位
に、マンドリン408を容易に位置決めすることができ
ると共に、マンドリン408の基準面423を所定の処
置対象部位に確実に位置させることができる。
【0164】マンドリン408の位置が決まったらその
マンドリン408を残して探触子409を引き抜く。そ
して、第9の実施形態の場合と同様、体外で手術用シー
ス405内にプッシャー406を挿入し、これらをマン
ドリン408に被せる。マンドリン408をガイドとし
て、一番奥深く入る位置まで手術用シース405を挿入
する。一番深く入ったときにはマンドリン408の後端
とプッシャー406の後端が一致することで確認する。
そして、図97(a)(b)で示すように、処置対象部
位の周辺骨部に、腔確保部403の係合手段414を係
合させる。腔確保部403の係合手段414の形状は手
術用腔を確保する所の周辺に位置する骨部分の形態に合
わせて形成してあるので、その所定部位に腔確保部40
3を正しく確実に係合させることができる。探触子40
9による処置対象部の位置検出手段とこの位置検出手段
で適切な位置に導かれたマンドリン408をガイドとし
て手術用シース405を体内に留置させるステップを組
み合わせる事によって、容易に手術用シース405の腔
確保部403を適切な位置に留置させることができる。
【0165】なお、図91(c)で示す如く、挿通孔4
21を設ける位置はマンドリン408の中央でなくとも
よい。例えば図91(c)で示すように、挿通孔421
を下側にずらして設けた場合にはマンドリン408を頭
側にシフトさせて位置させることが可能となる。その結
果、マンドリン408に添わせて挿入する手術用シース
405も頭側に位置する。つまり、挿通孔421の位置
が異なる複数のマンドリン408から椎弓部等の手術領
域の状況に応じて、または個人差に応じて適切なものを
選択して使用すれば、マンドリン408に添わせてより
適切な位置に手術用シース405をガイドすることが可
能となる。
【0166】ついで、手術用シース405を体内の手術
領域に位置決めした後、プッシャー406を引く抜く。
このときの腔確保部403内を内視鏡で観察した視野の
状況は図96(c)で示すようになる。引き抜いた直後
の軟性シート部材404は図96(a)で示す如く、周
囲の筋肉の圧力によって収縮する。このため、手術用シ
ース405により周囲組織にダメージを与えることがな
い。また、操作部材412は関節突起側に位置し、その
把持部413が関節突起側へ屈曲して延びているので、
これが棘突起側に位置する場合に比べて、手術用シース
405内に処置器具を挿入する際において操作部材41
2が邪魔になり難い。つまり、図96(b)で示すよう
に、操作部材412を関節突起側のAの向きに引いて軟
性シート部材404の処置具挿入口404aを開くよう
にすれば、処置器具を挿入する際の干渉を極力避けるこ
とができ、処置器具を容易に挿入可能である。
【0167】ここで、体外に出ている軟性シート部材4
04の露出部分が邪魔であるときには図94で示す如
く、その露出している部分に複数の切り込みを入れ、複
数の片部404bに分け、これらの片部404bを体皮
に縫合したり、テープで固定したり、また、図95で示
す如く、軟性シート部材404の体外露出部分を切除す
るようにしてもよい。
【0168】この後の処置等は前述した他の実施形態の
場合と同様である。また、軟性シート部材404の側方
から器具をアプローチさせたい場合にはガイド針401
を刺入し、ガイド針401の先端をポート連結用孔41
6に挿入させる。このとき、ガイド針401の先端は軟
性シート部材404内に挿入した内視鏡427によりそ
のガイド針401の先端を透かして観察できるため、ポ
ート連結用孔416にガイド針401の先端を容易かつ
確実に誘導することができる。このガイド針401にダ
イレータ402を被嵌し、軟性シート部材404内に挿
入した内視鏡で観察しながら腔確保部403内に通じる
経路を形成し、ダイレータ402をガイド手段としてポ
ート410を軟性シート部材405内まで誘導でき、ポ
ート410と軟性シート部材405が係合される。そし
て、このポート410を通じて処置具を挿入し、処置を
行うことが可能となる。
【0169】なお、ポート連結用孔416としては図9
8(b)で示す如く、スリット状のものでもよい。スリ
ット状のものは加工が容易である。また、図98(c)
で示す如く、ポート連結用孔416の周囲部分404c
だけが透明で他の部分404dは非透明に形成してもよ
い。軟性シート部材404に非透明な部分を形成したも
のではその部分から組織が透けて見えず、その光反射が
起きることを防止し、また、非透明部分の内面に梨地等
の十分な反射防止手段を容易に施すことができる。
【0170】[第39の実施形態]図99を参照して第
39の実施形態を説明する。この実施形態では同図
(a)で示す如く、マンドリン408の先端周縁部分
に、骨との係合手段414の機能を損なわない形でカッ
トした鋭利部428を形成したものである。そして、こ
のマンドリン408を使用する場合には前述した実施形
態の場合と同様にして、マンドリン408を体内に挿入
した後、手術用シース405を誘導する前において、図
99(b)で示す如く、マンドリン408の鋭利部42
8を利用し、椎弓部に付着している筋肉等の組織を剥離
する作業を行う。前記同様、マンドリン408の先端部
は椎弓間(椎弓間孔)の幅に入り込まない大きさに形成
されているため、マンドリン408が椎弓間内に不用意
に入り込み、不必要な部位の組織等にダメージを与える
虞を回避できる。
【0171】このようにマンドリン408によって椎弓
部に付着している筋肉等の組織を剥離する事によって感
覚的に位置が分かり、きれいに剥離する事で、手術用シ
ース405の位置決めが容易で前記シース留置後の術野
を良好に観察できる。また、これを行わない場合、手術
用シース405の留置直後の処置部位の骨に筋肉が付着
しており、電気メス等で、その組織を切り、鉗子で除去
しなければならなず、処置対象部周辺骨部の露出作業が
面倒であったが、この実施形態の場合には前記作業が比
較的減少し、手術の作業がかなり簡便なものにすること
ができる。
【0172】[第40の実施形態]図100を参照して
第40の実施形態を説明する。この実施形態は手術用シ
ース405の変形例を示すものである。手術用シース4
05の腔確保部403の係合手段414は凸部414a
の部分がなく、腔確保部403の先端縁は平坦であり、
ただ棘突起側に位置する部分に凹部414bを設けたも
のである。これ以外は第38の実施形態のものと同様に
構成されている。
【0173】このように係合手段414に凸部414a
を設けない構成としたので、手術用シース405の腔確
保部403を一旦挿入した後、例えば尾側にずらすこと
が可能になる。凸部414aがある場合にはその凸部4
14aが椎弓部に当たって、それ以上、尾側にずらすこ
とがほとんど不可能であったが、この実施形態の手術用
シース405のものではその移動を阻害する凸部414
aがないので、尾側への移動がスムーズになる。このた
め、手術用シース405を動かして周辺の領域まで広く
観察して周辺部分の状況を知り、手術部位の確認を容易
に行うことができるようになる。
【0174】[第41の実施形態]図101を参照して
第41の実施形態を説明する。前述した第38の実施形
態の手術用シース405では腔確保部403を形成する
リング状部材の形状が頭尾方向に長い偏平な形状であっ
たが、この第41の実施形態での腔確保部403のリン
グ状部材は左右横方向に長い偏平な形状としたものであ
る。つまり、腔確保部403のリング形状を棘突起側と
関節突起側に長い偏平な形状とした。このような形状に
すれば関節突起部分を左右に広く見ることが可能であ
り、切除すべき骨の領域を確認し易くなり、手術作業も
容易になる。また、この実施形態の腔確保部403は棘
突起から椎弓部にかけての傾斜部Cに係合する凹部41
4bを設けているだけだが、前述した第38の実施形態
と同様に凸部414aを設けてもよい。
【0175】[第42の実施形態]図102を参照して
第42の実施形態を説明する。この手術用シース405
は腔確保部431と器具ガイド部432を1本の硬質シ
ース433によって一体に形成したものである。腔確保
部431は前記同様に楕円または長円等の偏平な断面形
状に形成されており、腔確保部431の先端縁には骨と
の係合手段414が形成されている。器具ガイド部43
2の側壁にはポート挿入孔(ポート挿入部)434が形
成されている。器具ガイド部432の上端部には関節突
起側へ向かって突出する操作把持部435が連設されて
いる。この手術用シース405もダイレータ402やマ
ンドリン408を利用して体内に挿入され、マンドリン
408を抜いて代わりに手術器具を導入して手術を行
う。本実施形態は先端の腔確保部が楕円であり、骨との
係合手段を設けているため、前記シース同様、効率よく
処置領域を確保できる。また、側方の壁に孔を設けてお
り、そこから腔確保具に器具を挿入する事ができるの
で、器具の干渉を減ずることができる。
【0176】[第43の実施形態]図103乃至図10
5を参照して第43の実施形態を説明する。前述した第
38の実施形態ではマンドリン408と探触子409に
より手術部位を検索する位置検出手段を構成したが、こ
の第43の実施形態の位置検出手段としては次のような
検索具440を用いるようにした。すなわち、検索具4
40はパイプ状の本体441を有してなり、この本体4
41内には、例えばファイバー製で、等しい長さの複数
の線材442を整列して束ねてなるパイプ束443を収
容する。また、本体441の両端にはそれぞれキャップ
状の軟性部444,445が取着され、パイプ束443
の各端部がそれぞれに対応する軟性部444,445に
より覆われている。パイプ束443の各端部はそれぞれ
の軟性部444,445の内面に接触して密に覆われて
いる。線材442は中空のものでも中実のものでもよい
が、各線材442はその軸方向に個別的に移動自在に収
納されている。このため、検索具440の一方の軟性部
444を押し込み変形させると、その変形に応じて各線
材442が個別的に軸方向に移動し、他方の軟性部44
5を内側から押し、一方の軟性部444の形状に対応す
る形状に他方の軟性部445を変形させるようになって
いる。つまり、検索具440の一方の軟性部444と他
方の軟性部445の外形は同一の凹凸が逆向きの反転し
た転写形状を維持するものであり、一方の軟性部444
の形状が他方の軟性部445の形状に映出させる映出手
段を構成している。また、検索具440の中央にはガイ
ド部材を挿入する孔446が長軸方向に貫通して設けら
れている。
【0177】そこで、図105で示す脊椎の起伏した任
意の部位に検索具440の一方の軟性部444を押し当
てると、その部位の形状が、他方の軟性部445の外形
状にとなって現れる。例えば図105で示す脊椎のA,
B,Cに検索具440の一方の軟性部444を押し当て
ると、他方の軟性部445にはそのA,B,Cの部位の
形状に応じた形状が現れる。図104(a)はAの部位
の形状に対応した転写形状を示し、図104(b)はB
の部位の形状に対応した転写形状を示し、図104
(c)はCの部位の形状に対応した転写形状を示す。
【0178】そして、この検索具440は上述した手技
において、ダイレータ402を挿入し終わった後、ダイ
レータ402を引き抜き、その穿刺孔に差し込んで使用
したり、ダイレータ402の管402a〜402dのう
ち適当なものを残し、これを孔446に差し込むように
して検索具440を体内に挿入する。この検索具440
により手術部位を検索し、手術部位が見つかると、その
ダイレータ402に手術用シース405を被せて体内に
挿入することができる。なお、検索具440は孔446
がないものであってもよい。
【0179】[第44の実施形態]図106を参照して
第44の実施形態を説明する。これは前述した第38の
実施形態のシステムの変形例である。この腔確保具シス
テムにおいて、準備される器具は第38の実施形態の場
合と同様、ガイド針401、ダイレータ402、手術用
シース405、プッシャー406、マンドリン408、
探触子409およびポート410を備える。その中でダ
イレータ402とマンドリン408は次の如くのもので
ある。まず、ダイレータ402はマンドリン408のガ
イドとする管402bまでの少ない本数の管402a,
402bのみが用意されている。管402a,402b
の長さは手術用シース405やマンドリン408よりも
長い。マンドリン408はその一端部が前述した第39
の実施形態のものと同様、その先端周縁部分には鋭利部
428を形成する。また、マンドリン408の他端部は
例えば凸面の鈍な形状に形成されている。
【0180】この実施形態の腔確保具システムを用いて
手術を行う場合、第38の実施形態の場合と共通する点
が多いので、この実施形態の特徴点を中心にして手術手
順を説明する。まず、穿刺する体皮部位の筋膜まで切開
してこれに前述した第38の実施形態で述べた手順で、
ガイド針401及びダイレータ402をその順に挿入す
る。この手技を行った後、鈍な形状の端部を先方にして
マンドリン408をダイレータ402の管402bに被
嵌し、マンドリン408を生体組織内に押し込む。する
と、マンドリン408の鈍な形状の端部が筋肉を裂きな
がら押し入り、マンドリン408を処置部位まで深く挿
入することができる。つまり、筋膜まで切開しているの
で、ダイレータ402は太い管のものまで使用する必要
がなく、穿刺孔を開拡できる。また、ガイド針401や
ダイレータ402を用いることなく、体皮の切開部から
マンドリン408を直接に挿入することも可能である。
【0181】ついで、マンドリン408を引き抜き、今
度は鋭利部428を先にして再びマンドリン408を先
に形成した穿刺孔に沿って体内に挿入し、鋭利部428
を利用して椎弓部に付着している筋肉等の組織を剥離す
る作業を行う。ついで、探触子409を用いて処置対象
部位にマンドリン408を正しく位置させる操作を行
う。この後は第38の実施形態の場合と同様の手順で作
業が行われる。この実施形態のものにあってはダイレー
タ402が不要であったり、ダイレータ402を使用す
る場合にも太い管を使用せずに済み、簡便な穿刺作業と
なる。
【0182】[第45の実施形態]図107を参照して
第45の実施形態を説明する。これは前述した第13の
実施形態の腔確保具の変形例である。すなわち、腔確保
部451を構成するリング状部材452と、これに連結
される一対のアーム部材453a,453bとよりな
り、一対のアーム部材453a,453bによって手術
用器具を誘導する器具挿入ガイド手段を構成するように
したものである。一対のアーム部材453a,453b
はリング状部材452とは別の硬質な材料、例えば金属
材料によって作られている。一対のアーム部材453
a,453bの上端部は互いに逆向きで外側へ向かって
略直角に屈曲して操作部454a,454bを形成して
いる。上記リング状部材452は体組織内で手術用腔を
確保する硬さは十分にあるが、一対のアーム部材453
a,453bを変位させる程度の変形を行う柔らかさが
ある材料と形で作られている。また、第38の実施形態
と同様、その先端縁には骨部と係合する特別な形状の、
骨との係合手段455が形成されている。
【0183】この腔確保具を体組織内に挿入したときに
は、図107(b)で示すように、一対のアーム部材4
53a,453bは体組織に押され、上記リング状部材
452の部分の変形により押し潰される。また、手術用
器具を導入する場合には、図107(c)で示すよう
に、操作部454a,454bを互いに外側に引いて、
一対のアーム部材453a,453bの間を広げる。そ
して、広げた一対のアーム部材453a,453bの間
を通じて手術用器具456を導入する。
【0184】[第46の実施形態]図108を参照して
第46の実施形態を説明する。この実施形態は手術用シ
ースの変形例であり、この手術用シース460は筒状の
軟性シート部461の先端に偏平リング状の腔確保部4
62を連設してなり、軟性シート部461の下部周壁に
は長軸方向側にそれぞれ位置して2つのポート連結用孔
463が設けられている。腔確保部462の先端縁には
骨との係合手段が形成されるが、この先端縁には凸部が
なく全体的に平らに形成され、その一部には棘突起の基
部に係合する凹部464が形成されている。この凹部4
64の幅は前述した第40の実施形態の凹部などのもの
に比べて広く形成した。尚、棘突起側の凹部の高さ方向
は先端水平面から1〜10mm程度が望ましい。
【0185】このように骨との係合手段においての棘突
起の基部に係合する凹部464を幅広く形成したので手
術用シース460を椎体の左右どちら側にも用いること
ができる。また、骨との係合手段が凸部がなく凹部46
4を幅広く形成したので、頭尾側方向に容易に移動させ
ることができる。
【0186】[第47の実施形態]図109を参照して
第47の実施形態を説明する。この実施形態は第46の
実施形態の手術用シースの変形例であり、この手術用シ
ース460は腔確保部462の先端縁に、棘突起側の凹
部464aの他に関節突起側に位置した凹部464bを
設け、これらにより骨との係合手段を構成したものであ
る。関節突起側にも位置する凹部464bを設けたこと
によって手術部位の骨部位に対する座りが良好になり、
所定の部位に位置が決まり易い。また、必要な場合、例
えば関節突起側への移動が必要な場合、その向きへの移
動が容易になる。
【0187】[第48の実施形態]図110を参照して
第48の実施形態を説明する。この実施形態は例えば前
述した第38の実施形態のマンドリン408の先端に形
成された基準面423に探触部(探触子)465を一体
に形成したものである。この実施形態によれば、マンド
リン408とは別部材の探触子を用意しなくてもよく、
また、別部材の探触子が不要なので、その出入れ操作が
不要となり、手術対象部位を探る検索操作がマンドリン
408のみで行うことができる。このため、それらの作
業が簡便になる。
【0188】[第49の実施形態]図111乃至図11
4を参照して第49の実施形態を説明する。図111は
腔確保具470の説明図、図112は指標部材480の
斜視図、図113は腔確保具470と指標部材480と
を組み合わせた状態の斜視図、図114は体組織を拡張
するダイレータ490の斜視図である。
【0189】図111で示すように、腔確保具470は
生体組織内に腔を確保する腔確保手段としての腔確保部
471と、この腔確保部471に連なる器具挿入ガイド
手段としての器具挿入ガイド部472を形成し、全長に
わたり等径で断面形状が長円もしくは楕円形状で剛体の
筒状部材473を本体部材としてなる。腔確保部471
と器具挿入ガイド部472はその内周及び外周が同じ形
状であり、その全長にわたり連続的に連なって形成され
ている。また、腔確保部471の先端縁には、骨との係
合手段が形成されている。この骨との係合手段は、平坦
な基準面474と、これの一部に形成され、棘突起基部
と当たり骨との結合手段である凹部475とによって構
成されている。筒状部材473の側壁にはポート挿入用
孔476が開口されており、筒状部材473の上端側壁
部には操作把持部477が関節突起側に突き出して一体
的に設けられている。そして、この腔確保具470は体
組織に最後に挿入するダイレータ自体を兼ねるものであ
る。
【0190】図112で示すように、指標部材480は
腔確保具470の腔確保部471の内腔と同じ形状と断
面積を持ち、腔確保具470の内腔内に、密に挿入可能
なものであって、その先端面からなる基準面481の中
央の一部が突出し、この突出部により体組織と接触させ
るための探触部483を形成している。また、基端部外
周には指標部484が形成されている。そして、この指
標部材480と腔確保具470は図113で示すよう
に、組み合わせが可能なものである。
【0191】図114で示すように、ダイレータ490
は、複数の管491a〜491cを、いわゆる多重管ア
ンテナ形式の構造に組み合わせて構成されるものであ
る。上記腔確保具470と組み合わすことができる管4
91cはその外周形状が腔確保部471の内腔と同じ形
状に形成されている。
【0192】本実施形態のシステムを使用する場合、図
114で示すダイレータ490の複数の管491a〜4
91cで順次、体組織の穿刺孔を拡張した後、図111
で示す腔確保具470を、その腔確保具470の内腔と
同じ外周形状をもつダイレータ490の管491cの外
周に被せて、腔確保具470を処置部位に突き当たるま
で体組織内に挿入する。腔確保具470を挿入後、その
腔確保具470を残して、ダイレータ490の管491
a〜491cを抜去する。次に、腔確保具470の内腔
に図112で示す指標部材480を挿入し、操作把持部
477を手で持ってその腔確保具470を移動させ、指
標部材480の探触部483で処置対象部位を探す。所
望の位置になると指標部材480の指標部484が腔確
保部471の後端よりも下がるため、これにより処置対
象部位を検出することができる。腔確保具470及び指
標部材480の先端部は椎弓間の孔より太いので、その
孔内に入り込むことがなく、安全である。その後、腔確
保具470から指標部材480を抜去し、器具挿入ガイ
ド部472に処置器具を差し入れ、以下、体組織に対し
て外科的な処置を行う。この実施形態によれば、容易に
処置対象部位を検出でき、腔確保具470を適切な位置
に留置することができる。
【0193】<付記>本発明はその主旨に反しない限
り、前述した各実施形態を互いに組み合わせて適用する
ことを妨げない。また、前述した各実施形態、及びその
組み合わせによれば、以下の事項を含むものである。本
発明に関連する以下の発明明は適宜、組み合わせること
が可能なものである。
【0194】(軟性管状部材と腔確保手段を組み合わせ
た外科手術用腔確保具のシリーズ) 1.体組織を通じて体内に挿入されて用いられる外科手
術用腔確保具であって、体内に手術作業用腔を確保する
腔確保手段と、この腔確保手段で形成する腔に連通し、
その腔を体外に連絡する軟性管部材とを備えてなり、軟
性管状部材内を通じて腔確保手段で形成した腔に内視鏡
や手術用処置具等の器具を挿入して外科手術を行うよう
にしたことを特徴とした外科手術用腔確保具。 2.第1項において、腔確保手段は、腔側の内壁面と体
組織側の外壁面を有する腔確保部材より形成される。 3.2において、腔確保手段は、リング状部材である。 4.2において、腔確保手段は、変形可能な部材で形成
され、他の腔拡大手段により拡大して腔を確保するよう
にした。 5.1,2において、腔確保手段を生体内の所定の位置
に保持する位置保持手段を有する。 6.5において、位置保持手段は、腔確保手段と接続
し、体外まで延びる操作部材であり、操作部材の断面積
は、腔確保手段により形成される断面積よりも小さく構
成される。 7.6において、操作部材は、腔確保手段により形成さ
れる腔内に連通するチャンネルを有する。 8.5において、位置保持手段は、腔確保部材の外壁面
に設けられた凹凸部である。 9.5において、位置保持手段は、腔確保部材の先端よ
り、外壁面側にのびる体組織に引っ掛かる返し部を有す
る。 10.2において、腔確保部材の壁の少なくとも一部
に、内視鏡もしくは器具を腔内に導くための孔が設けら
れている。 11.1において、軟性管状部材は、樹脂製シート状部
材をチューブ状に構成してなる軟性管状シート部材であ
る。 12.1において、軟性管状部材は、先端側が狭く、手
元側にいくに従って、内径が大きくなるように形成され
ている軟性管状シート部材である。 13.1において、軟性管状部材は、内部が複数のチャ
ンネルに仕切られている。 14.1において、軟性管状部材の壁の少なくとも1ケ
所に、内視鏡もしくは器具を腔内に導く孔が設けられて
いる。 15.1において、腔確保手段に接続され、軟性管部材
内を通じて体外に延びた器具挿入ガイド部材を有し、器
具挿入ガイド部材には、上記腔確保手段で形成する腔内
につながるガイド面を有した。 16.15において、器具挿入ガイド部材は、第6,7
項での操作部材を兼ねる。 17.1において、腔確保手段は、生体組織内に流体を
注入して腔を確保するものである。 18.1において、生体組識内で腔を確保する腔確保手
段に連結され確保した腔に導かれる少なくとも一つのポ
ートを設けた。 19.18において、腔確保手段とポートを連結する連
結手段を設けた。
【0195】(腔確保具のシリーズ) 1.体内に挿入されて用いられる腔確保具であって、体
内に手術作業用腔を確保する腔確保手段と、この腔確保
手段に接続され、体外に延びた器具挿入ガイド部材を有
し、器具挿入ガイド部材には、腔確保手段で形成する腔
内につながるガイド面を有したことを特徴とした腔確保
具。 2.1において、腔確保具の内腔が円形状を備えてなる
もの。 3.1において、腔確保具の内腔が偏平な形状を備えて
なるもの。 4.3において、腔確保具の内腔が楕円形状を備えてな
るもの。 5.3において、腔確保具の内腔が長円形状を備えてな
るもの。 6.1、2、3、4、5において、腔確保手段の先端に
処置対象周辺組織に係合する係合手段を備えてなるも
の。 7.6において、腔確保手段の先端に脊椎後部に係合す
る係合手段を備えてなるもの。 8.7において、係合手段は、腔確保部の先端が椎体後
部、椎弓部の形状に適合する形状を備えてなるもの。 9.8において、係合手段は、腔確保部先端の棘突起側
に凹部を備えてなるもの。 10.1、2、3、4、5、6、7、8、9において、
腔確保手段又は器具挿入ガイド部材の壁に少なくとも1
ケ所に内視鏡もしくは器具を内腔に導く孔が設けられて
いる。 11.1において、腔確保手段は変形可能である。
【0196】(腔を拡大確保する機構のシリーズ) 1.生体組識内に挿入される先端に設けられた、生体内
で腔を確保する変形可能な腔確保手段と腔拡大手段を有
する内視鏡下手術用器具。 2.1において、腔確保手段と連なり体外に連絡する少
なくとも1つの管状部材を有する。 3.2において、腔確保手段が、圧排面と腔側面とを有
する塑性変形可能な部材からなる。 4.2において、腔確保手段が、前記管状部材より広が
るように湾曲された圧排面と腔側面とを有する弾性部材
からなり、腔拡大手段が前記弾性部材を覆う外管と前記
外管が少なくとも前記弾性部材の先端から前記管状部材
まで摺動自在の構造を有し前記外管が前記管状部材まで
摺動したとき前記弾性部材の先端が広がるようにした。 5.3において、腔確保手段が、少なくとも1部に複数
の切り欠き構造(メッシュ構造)を有する円又は楕円形
状のものとした。 6.3において、腔確保手段が、複数の板状部材よりな
る。 7.3において、腔確保手段が、板状部材よりなる円又
は楕円形状の1部を折り畳んだ部材を有する。 8.4において、腔確保手段が、弾性部材よりなる複数
枚の板を有する。 9.2において、腔確保手段が、線材の編み込み構造に
より構成される。 10.3において、軸部とバルーン部とバルーン部に流
体を導く手段を具備する腔拡大具を、腔確保具の内側に
挿入可能にしてなる腔拡大手段を設けた。 11.3において、先端に少なくとも一つの押面を有
し、前記押面を広げる手段を具備する腔拡大具を、腔確
保具の内側に挿入可能にしてなる腔拡大手段を設けた。 12.1において、挿入部先端に折り返し部を設けた。
【0197】(ポートの連結手段のシリーズ) 1.生体組識内で腔を確保する腔確保手段と前記腔に導
かれる少なくとも一つのポートと生体内でポートと腔を
連結する連結手段からなる内視鏡的手術システム。 2.腔確保手段が腔確保部材と前記腔確保部材に連なり
体外に連絡する少なくとも1つの管状部材からなる内視
鏡的手術システム。 3.第1,2項において、前記腔確保部材に処置腔間と
腔確保面とを連絡する少なくとも1つの孔を設け、前記
ポートの先端にねじ部を設け、前記孔に前記ポートのね
じ部をねじ込むことにより連結する。 4.1,2において、前記腔確保部材に処置腔間と腔確
保面とを連絡する少なくとも1つの孔を設け、前記ポー
トの先端に半径方向外方に延出した係止め部を設け、前
記穴に前記ポートの係止め部を挿入することにより連結
する。 5.1,2において、腔内にポートを誘導するガイド部
材を設けた。
【0198】(腔確保具導入ガイド部材のシリーズ) 1.体組織内に挿入され、体組織内に腔を確保し、その
中で手術を行うための手術用シースを、体組織内に挿入
するためのガイド手段であって、このガイド手段は内壁
と外壁を有する部材により手術用シースを挿入する内腔
を形成するガイド部材を有し、少なくとも一部が手術用
シースの形状に応じて変形可能なものである。 2.1において、体組織内に手術用シースを挿入するた
めの経路を作成する体内進入具に外装可能である。 3.1において、ガイド部材は管状部材である。 4.3において、管状部材は軟性管よりなる。 5.4において、管状部材の内周長は、手術用シースの
最大外周長とほぼ等しい。 6.1において、ガイド部材は対抗する複数枚の翼状部
材からなり、それぞれの翼状部材は後端外壁側にて変形
可能な弾性体を介して結合されている。
【0199】(筋切開具と軟性シースの組み合わせより
なるシステム) 1.筋繊維の走行に沿って筋肉内に進入する手段を有す
る体内進入具と、その進入路に配置される、腔確保手段
と、軟性管状部材を具備した手術用シースとよりなる体
内手術システム。 2.1において、体内進入具は段階的に径の大きくなる
複数の管状部材の組み合わせよりなる。 3.1において、体内進入具はその内部に内視鏡が挿入
可能な管状部材からなり、先端に観察窓を設け、凝固、
切開、剥離のいずれかの手段を先端に設けてなる。 4.1において、さらに体内進入具に外装可能であり、
内腔に手術用シースを挿入し、体組織内に手術用シース
を導入可能なガイド部材を含む。 5.1において、手術用シースは体内進入具に外装可能
である。
【0200】(方法) 1.体内に腔を確保する腔確保手段と、腔に連通し、体
外に連絡する軟性管状部材よりなる手術用シースを用い
る方法において、 a.体組織の所定の位置、角度に、進入経路を作成し、 b.その経路に前記手術用シースを留置し、 c.手術用シースを通し、手術用シースにて確保された
腔内に、内視鏡を入れ、ついで、手術用器具を挿入し、 d.内視鏡下に手術を行う方法。
【0201】(方法) 1.先端に腔確保手段を設けた手術用シースと複数のポ
ートからなる内視鏡下手術用システムの使用方法におい
て、 a.体組織の所定の位置、角度に、進入経路を作成し、 b.その経路に手術用シースを留置し、腔確保手段にて
腔を確保し、 c.手術用シースを留置した後、腔確保手段にて確保し
た腔内に内視鏡及び器具挿入用シースを挿入し、 d.手術用シースもしくは器具挿入用シースのいずれか
を通し、手術用シースにて確保された腔内に、内視鏡を
入れ、ついで、手術用器具を挿入し、 e.内視鏡下に手術を行う方法。
【0202】(変形可能な器具挿入ガイド手段と腔確保
手段を組み合わせた第1の外科手術用腔確保具のシリー
ズ) 1.体組織を通じて体内に挿入されて用いられる外科手
術用腔確保具であって、体組織内に手術作業用腔を確保
する腔確保手段と、この腔確保手段で形成する腔に連通
し、その腔を体外に連通する変形可能な器具挿入ガイド
手段とを備えてなり、前記器具挿入ガイド手段を通じて
前記腔確保手段で形成した腔内に内視鏡や手術用処置具
等の器具を挿入して外科手術を行うようにしたことを特
徴とした外科手術用腔確保具。 2.1において、器具挿入ガイド手段が鋼線の編み込み
構造で構成される外科手術用腔確保具。 3.1において、器具挿入ガイド手段が少なくとも1つ
の変形可能な板構造で構成される腔確保具。
【0203】4.1において、腔確保部先端の一部が凸
形状で鋭利な先端を持つ構造を備える外科手術用腔確保
具。 5.1において、器具挿入ガイド手段と腔確保部が分離
する分離手段を有する外科手術用腔確保具。 6.5において、分離手段は腔確保部先端に設けた溝
と、器具挿入ガイド手段内腔に設けた凸形状と、器具挿
入ガイド部材の弾性である。 7.1において、器具挿入ガイド手段は軟性管状部材で
ある。 8.7において、軟性管状部材は樹脂製シート状部材を
チューブ状に構成してなる軟性管状シート部材であり、
該部材は透明又は非透明である。 9.8において、軟性管状部材は樹脂製シート状部材を
チューブ状に構成してなる軟性管状シート部材であり、
該部材は弾性または非弾性である。 10.1において、腔確保手段の先端に処置対象周辺組
織部位に係合する係合手段を備えてなるもの。 11.10において腔確保手段の先端に脊椎後部に係合
する係合手段を備えてなるもの。 12.11において係合手段は腔確保部の先端が椎体後
部、椎弓部の形状に適合する形状を備えてなるもの。 13.10において、腔確保手段が略円筒形部材であ
り、先端で円筒形状部材壁の一片が突き出している。 14.10において、腔確保手段が略円筒形部材であ
り、壁の一部より先端方向に伸びる圧排部材を備える。 15.10において、腔確保手段が略円筒形部材であ
り、先端で円筒形状部材壁の一部が欠けている。 16.体組織を通じて体内に挿入されて用いられる外科
手術用腔確保具であって、半円または半楕円断面を有す
る腔確保手段と、腔確保手段の先端側面に設けた湾曲部
によって骨と係合する係合手段と、腔確保手段よりつな
がり、体外に伸びる器具挿入ガイド手段と、腔確保手段
で形成する腔に内視鏡を導く、内視鏡チャンネルとを備
える外科手術用腔確保具。
【0204】(変形可能な器具挿入ガイド手段と腔確保
手段を組み合わせた第2の外科手術用腔確保具のシリー
ズ) 1.体組織を通じて体内に挿入されて用いられる外科手
術用腔確保具であって、体組織内に手術作業用腔を確保
する腔確保手段と、この腔確保手段で形成する腔に連通
し、その腔を体外に連通する変形可能な器具挿入ガイド
手段とを備えてなり、器具挿入ガイド手段内を通じて腔
確保手段で形成した腔に内視鏡や手術用処置器具等の器
具を挿入して外科手術を行うようにした事を特徴とした
外科手術用腔確保具。 2.1において、腔確保手段の内腔が長軸と短軸を有し
長軸が頭尾側方向である。 3.1において、腔確保手段の内腔が長軸と短軸を有し
長軸が側方向である。 4.1、2、3において、腔確保手段の内腔が楕円形状
である。 5.1、2、3において、腔確保手段の内腔が長円形状
である。 6.4、5において、腔確保手段の先端に処置対象周辺
組織に係合する係合手段を備えてなるもの。 7.6において、腔確保手段の先端に脊椎後部に係合す
る係合手段を備えてなるもの。 8.7において、係合手段は腔確保部の先端が椎体後
部、椎弓部の形状に適合する形状を備えてなるもの。 9.8において、係合手段は腔確保部先端のが棘突起側
に凹部を備えてなるもの。 10.1において、器具挿入ガイド手段は軟性管状部材
である。 11.10において、軟性管状部材は樹脂製シート状部
材をチューブ状に構成してなる弾性管状シート部材であ
り、該部材は透明または一部透明である。
【0205】(腔を拡大確保する機構のシリーズ) 1.生体組織内に挿入される先端に設けられた、生体内
で腔を確保する腔確保手段と、腔確保手段と連なり体外
に連絡する少なくとも一つの器具ガイド手段と、腔拡大
手段とを有する外科手術用腔確保具。 2.1において、腔確保手段が圧排面と腔側面とを有す
る塑性変形可能な部材からなり、腔確保手段に骨との係
合手段を有する。 3.2において、腔確保手段が複数枚の板形状であり、
係合手段は前記板の長さの違いによることの外科手術用
腔確保具。 4.1において、略楕円形状でその短軸を回転軸とする
腔確保部と、回転軸と連結する器具ガイド手段と、腔確
保部を回転させる手段とを有する外科手術用腔確保具。
【0206】(ポートの連結手段のシリーズ) 1.生体組織内で腔を確保する腔確保手段と、前記腔に
導かれる少なくとも一つのポートと生体内でポートと、
腔を連結する手段からなる内視鏡的手術システム。 2.1において、連結手段は壁に腔確保手段で形成する
腔に連通する孔を有し、前記孔にポートを挿入すること
によってなされる。 3.2において、連結手段は伸縮自在の壁に予め孔を開
けポート外径が壁の孔より大きいことによってなされ
る。 4.2において、連結手段はポートの先端に引っ掛かり
部を設けることによってなされる。 5.4において、引っ掛かり部は凹凸である。 6.3において、連結手段は孔が鋼線の編み込み目であ
る。 7.3において、連結手段は孔が弾性部材に予め開けら
れた孔である。 8.3において、孔を開大する手段を設ける。 9.8において、開大する手段は段階的に径が大きくな
るダイレータである。 10.8において、開大する手段は先端が円錐状のダイ
レータである。
【0207】11.1において、連結手段は、壁を突き
破る穿刺手段と、腔を確保する壁の一部に設けられた前
記穿刺腔確保手段で穿刺可能な壁部材とからなるポート
連結システム。 12.11において、さらに突き破った壁を開大する手
段とからなるポート連結システム。 13.12において、突き破った壁を開大する手段は段
階的に径が大きくなるダイレータである。 14.12において、先端が円錐状で壁を突き破る手段
と突き破った壁を開大する手段をかねる内針。 15.11において、壁を突き破る手段は先端が円錐状
のガイド針である。
【0208】16.11において突き破られる壁は伸縮
可能である。 17.1において、さらに、ポートを目的部位にガイド
するポートガイド手段からなる内視鏡手術システム。 18.17において、ポートガイド手段は、生体組織内
で腔を確保する腔確保手段と、ポートをガイドするポー
トガイド部材と、前記腔確保手段と前記ポートガイド部
材の位置関係を決める位置決め手段とからなる。 19.18において、位置決め手段は、腔確保具と係合
する係合部と、ポートガイド部材と連結する連結部と、
腔確保具軸心と同じ軸心を有し内腔を有す位置決め部材
である。 20.18において、ポートガイド部材は、位置決め手
段と連結する連結部と、位置決め手段と同じ軸を有する
軸心と、前記軸心上をある角度をもって通過する軸を有
し、一部切り欠きを有するガイド孔と、前記ガイド孔の
軸心と同軸でガイド針を挿通させる孔を持つガイド針挿
入部材と、ガイド針挿入部材とガイド孔を係合する係合
手段とからなる。 21.18,20において、ポートガイド部材は、ガイ
ド針挿入部材の軸心と腔確保部の軸心との交点と、前記
交点からガイド針挿入部材までの距離が一定の軌跡上を
移動する移動手段を設けてなる。 22.17において、ガイド手段は壁にX線不透過のマ
ーキング部とを有することによってなる。 23.17において、ガイド針がMRI(磁気核共鳴映
像)下で観察できる素材からなる、ポートガイド手段。 24.1において、連結手段は体外でポートと腔確保手
段とを連結する。
【0209】(腔確保具の位置決め手段のシリーズ) 1.生体組織内で腔を確保する腔確保手段と、腔確保具
挿入位置検出手段からなる内視鏡手術システム。 2.1において、腔確保具挿入位置検出手段は腔確保具
先端に設けた目的部位の骨形状に適合する形状と深さ検
出手段とからなる。 3.2において、深さ検出手段は、腔確保手段先端から
連なり体外に伸びる剛体部と、前記剛体部に連結する把
持部とからなる。 4.2において、深さ検出手段は、腔確保具と組み合わ
せ可能な指標部材である。 5.2,3,4において、深さ検出手段は、腔確保手段
先端の骨形状に適合する形状の最も浅い部分から腔確保
手段の操作部最高位までの距離と指標の全長を一致させ
たことによってなる。 6.2,3,4において、深さ検出手段は骨形状に適合
する形状の最も浅い部分の基準部と、前記基準部から任
意の距離に設けたマーキングと、指標側面のマーキング
とからなる。 7.1において、腔確保手段は、生体組織内で腔を確保
する腔確保具と、腔確保具を体組織内に挿入させる挿入
手段とからなる。
【0210】(腔確保具導入ガイド部材のシリーズ) 1.体組織内に挿入され、体組織内に腔を確保し、その
中で手術を行う為の手術用腔確保具を体組織内に挿入す
る為のガイド手段であって、このガイド手段は外壁に腔
確保具を被せて挿入することによってなる。 2.1において、ガイド手段は先端が骨との係合手段を
備える。 3.2において、ガイド手段は後端にマーキング部を備
える。
【0211】(挿入手段のシリーズ) 1.体組織内に挿入され、体組織内に腔を確保する腔確
保部を有する手術用腔確保具と、筋繊維の走行に沿って
筋肉内に進入する手段を有する体内進入具と、前記腔確
保具を体組織内に挿入する為の挿入手段とからなり、こ
の挿入手段は腔確保部後端を押す押面部と、手術用腔確
保具と係合する係合手段とからなる。 2.1において、挿入手段は押面部外径が腔確保部後端
外径より小さい。 3.1において、挿入手段は軟性である。 4.1において、挿入手段は、筋繊維の走行に沿って筋
組織内を進入する体内侵入手段とからなる。
【0212】(体内進入具と腔確保具との組み合わせシ
リーズ) 1.筋繊維の走行に沿って筋肉内に進入する手段を有す
る体内進入具と、その進入路に配置される、腔確保具か
らなる体内手術システム。 2.1において、体内進入具は段階的に径が大きくなる
複数の管状部材の組み合わせよりなる。 3.2において、管状部材の断面が略楕円形状である体
内進入具。 4.2において、最大外径の管状部材のみ断面が楕円形
状である体内進入具。 5.2,3,4において、外径が椎間孔の幅よりも大き
く管状部材の先端に鋭利形状を設けた体内進出具。 6.1において、先端が円錐形状であり、外径が腔確保
具内径と同等である体内進入具。
【0213】(腔確保具と内視鏡との手術システムのシ
リーズ) 1.体組織内に手術作業用腔を確保する腔確保手段と、
この腔確保手段で形成する腔に連通し、その腔を体外に
連通する変形可能な器具挿入ガイド手段とを備えてな
り、器具挿入ガイド手段内を通じて腔確保手段で形成し
た腔に内視鏡や手術用処置具等の器具を挿入して外科手
術を行うようにしたことを特徴とした外科手術用腔確保
具と内視鏡とからなる内視鏡外科手術システム。
【0214】(腔確保具の位置検出手段のシリーズ) 1.生体組織内の処置対象及びその周辺部位の形状状態
を体外の操作にて探り生体組織内の処置対象部位を検出
(探索)する検出手段と、検出した処置対象部位に腔を
確保する腔確保手段を有する内視鏡手術システム。 2.1において、体外検知手段は腔確保手段の挿入位置
検出手段からなる。 3.2において、挿入位置検出手段は、深さ検出手段か
らなり、例えばマンドリンと探触子を用いてマンドリン
の基準面からの探触子の進入深さにより位置を検出する
もの。 4.2において、深さ検出手段は先端に処置対象部位近
傍に接する基準面を有する基準部材と、基準面より小さ
な断面積を有する検出部を先端に有す指標部材(例えば
探触子)と、指標部材と基準部材の両者が長軸方向に互
いに移動可能で平行に配されるものからなり、指標部材
と基準部材の変化量から検出部の挿入深さを検知する。 5.3において、深さ検出手段は、先端に処置対象部位
近傍に接する基準面を有する腔確保手段と、基準面より
小さな断面積を有する検出部を先端に有する指標部材
と、指標部材と基準部材の長軸方向に互いに移動可能で
平行に配されることからなり、指標部材と基準部材の変
化量から深さを検知する(例えば第の49実施形態を参
照)。 6.3において、深さ検出手段は先端に処置対象部位近
傍に接する基準面を有する基準部材と、基準面より小さ
な断面積を有する検出部を先端に有する腔確保具とから
なり、指標部材と基準部材の長軸方向に互いに移動可能
で平行に配されることからなり、指標部材と基準部材の
変化量から深さを検知する(第9の実施形態を参照)。 7.4において、指標部材はダイレータである。 8.6において、基準部材がダイレータである。 9.4において、基準部材は先端に鋭利部を備えてな
る。 10.2において、挿入位置検出手段は処置対象部位周
辺部の形状を体外に転写する手段からなる。 11.10において、転写する手段は、処置対象周辺部
位の形状を検知する手段と体外に映出する手段と検知手
段からの信号を映出手段に伝達する手段からなる。 12.11において、伝達手段は連続する棒状部材の束
を備えてなる。 13.11において、該検知手段は弾性部材と棒状部材
の束の組み合わせである。 14.11において、映出手段は、弾性部材と棒状部材
の束の組み合わせである。 15.3において、深さ検出手段は先端に凸部を設けた
指標部材からなる。
【0215】(腔確保具と剥離手段との手術システム) 1.体組織内に手術用作業腔を確保する腔確保手段と、
この腔確保手段で形成する腔に連通し、その腔を体外に
連通する器具挿入ガイド手段とを備えた腔確保具と、前
記腔確保具と組み合わせ可能な体組織を剥離する剥離手
段からなり、(a) 剥離手段を体内に挿入し、(b) 椎体上
面の体組織を剥離手段で剥離し、(c) 腔確保具を前記剥
離手段をガイドとして体内に挿入留置し、(d) 剥離手段
のみを抜去して器具ガイド手段より処置器具を挿入して
外科手術を行なう事を特徴とした手術システム。
【0216】
【発明の効果】以上説明したように本発明の外科手術用
腔確保具によれば、圧排が局部的で必要最低限の程度で
済むにも拘らず、十分な視野と十分な手術作業の空間が
得られて低侵襲の外科手術を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は第1の実施形態に係る外科手術用腔確
保システムに属する各器具の斜視図、(b)は同じくそ
のシステムの手術用シースを(a)中のA方向から見た
矢視図。
【図2】人体の脊椎を後方から見た解剖図。
【図3】図2中A−A線に沿って断面した解剖図
【図4】第1の実施形態に係る外科手術用腔確保システ
ムのダイレータを体組織の処置対象部位の領域まで差し
込んだ状態の解剖図。
【図5】第1の実施形態に係る外科手術用腔確保システ
ムの軟性管を体組織の処置対象部位の領域まで差し込ん
だ状態の解剖図。
【図6】第1の実施形態に係る外科手術用腔確保システ
ムの軟性管を通じて手術用シースを体組織の処置対象部
位の領域まで差し込んだ状態の解剖図。
【図7】第1の実施形態に係る外科手術用腔確保システ
ムの手術用シースを体組織の処置対象部位の領域まで差
し込んで留置した状態の解剖図。
【図8】(a)は第1の実施形態に係る外科手術用腔確
保システムの手術状況の説明図、(b)はその手術用シ
ース途中位置部分の断面図、(c)は手術作業空間の腔
の状況の説明図。
【図9】前記手術用シース腔確保手段によって確保され
た処置対象部位の領域の作業空間をスコープによって観
察される視野の状況図。
【図10】前記外科手術用腔確保システムによる切除手
術の手順の説明図。
【図11】前記外科手術用腔確保システムによる切除手
術の手順の説明図。
【図12】前記外科手術用腔確保システムによる切除手
術の手順の説明図。
【図13】前記外科手術用腔確保システムによる切除手
術の手順の説明図。
【図14】前記外科手術用腔確保システムによる切除手
術の状況の説明図。
【図15】第2の実施形態に係る手術用シースの一例の
斜視図。
【図16】第2の実施形態に係る手術用シースの他の例
の斜視図。
【図17】第2の実施形態に係る手術用シースのさらに
他の例の斜視図。
【図18】第3の実施形態に係る手術用シースの斜視
図。
【図19】(a)は第3の実施形態に係る手術用シース
を体組織に挿入する途中の状況を示す横断面図、(b)
は同じくその縦断面図。
【図20】第3の実施形態に係る手術用シースを体組織
に挿入した途中の状況を示す横断面図。
【図21】第3の実施形態に係る手術用シースを案内す
るガイド手段の斜視図。
【図22】同じくそのガイド手段の使用状況の断面図。
【図23】同じくそのガイド手段の使用状況の断面図。
【図24】同じくそのガイド手段の使用状況の断面図。
【図25】(a)は第5の実施形態に係る手術用シース
の先端部の側面図、(b)は同じくその手術用シースの
先端部の平面図。
【図26】同じく第5の実施形態に係る手術用シースを
体組織に挿入するときの説明図。
【図27】(a)は第6の実施形態に係る刺通具の斜視
図、(b)はその刺通具に手術用シースを装着した状態
の斜視図。
【図28】(a)は同じく第6の実施形態に係る手術用
シースを体組織に挿入したときの断面図、(b)は
(a)中B−B線に沿う部分の断面図、(c)は(a)
中C−C線に沿う部分の断面図。
【図29】第7の実施形態に係る外科手術用腔確保シス
テムに属する各種器具を示す斜視図。
【図30】同じくその手術用シースを体組織に留置した
説明図。
【図31】同じくそのポートガイドを使用した手術状態
の説明図。
【図32】同じくその手術状態の全体的状況の説明図。
【図33】第8の実施形態に係る手術用シースを示す斜
視図。
【図34】同じくその手術用シースの一例のリング状部
材を示す斜視図。
【図35】同じくその手術用シースの他の例のリング状
部材を示す斜視図。
【図36】同じくその手術用シースのさらに他の例のリ
ング状部材を示す斜視図。
【図37】(a)(b)は第8の実施形態に係る腔拡大
具を示す斜視図、(c)は腔拡大具に手術用シースを装
着した状態の斜視図。
【図38】同じくその手術用シースを体組織に挿入する
ときの説明図。
【図39】同じくそのポートの斜視図。
【図40】同じくその手術用シース及びポートを体組織
に挿入した断面図。
【図41】同じくその手術用シース及びポートを体組織
に挿入して手術する状況説明図。
【図42】同じくその手術用シース及びポートを体組織
に挿入して手術する状況説明図。
【図43】同じくその手術用シース及びポートを体組織
に挿入して手術する状況説明図。
【図44】同じくその手術用シース及びポートを体組織
に挿入して手術する状況説明図。
【図45】第9の実施形態に係る手術用シースの斜視
図。
【図46】同じくその手術用シースの腔確保部の説明
図。
【図47】(a)は同じくその実施形態に係るプッシャ
ーの斜視図、(b)はそのプッシャーの下面図、(c)
はプッシャーの使用状態の説明図。
【図48】同じくその実施形態の使用状態の説明図。
【図49】同じくその実施形態の使用状態の説明図。
【図50】同じくその実施形態におけるダイレータの後
端とプッシャーの後端の位置関係の説明図。
【図51】同じくその実施形態の使用状態の説明図。
【図52】第10の実施形態におけるダイレータの説明
図。
【図53】第11の実施形態に係るプッシャーの説明
図。
【図54】第12の実施形態に係る手術用シース、及ダ
イレータの使用説明図。
【図55】同じくその実施形態に係る手術用シース及ポ
ートの留置状態の説明図。
【図56】第13の実施形態に係る腔確保具の説明図。
【図57】同じくその実施形態に係る腔確保具の使用状
態の説明図。
【図58】第14の実施形態に係る腔確保具の説明図。
【図59】第15の実施形態に係る腔確保具の説明図。
【図60】第16の実施形態に係る腔確保具の斜視図。
【図61】第17の実施形態におけるポートと管状シー
ト部材を連結する手段の説明図。
【図62】第18の実施形態に係るプッシャーの説明
図。
【図63】第19の実施形態に係る腔確保具の説明図。
【図64】第20の実施形態に係る腔確保具の説明図。
【図65】第21の実施形態に係る腔確保具の説明図。
【図66】同じく第21の実施形態に係る腔確保具の係
合手段の説明図。
【図67】第22の実施形態に係る腔確保具と開拡器具
の説明図。
【図68】第23の実施形態に係る腔確保具の説明図。
【図69】同じく第23の実施形態に係る腔確保具の腔
確保部の説明図。
【図70】同じく第23の実施形態に係る腔確保具の使
用状態の説明図。
【図71】第24の実施形態に係るダイレータとその使
用状態の説明図。
【図72】第25の実施形態に係る体内進入具の説明
図。
【図73】第26の実施形態に係る体内進入具の説明
図。
【図74】第27の実施形態に係る体内進入具の説明
図。
【図75】第28の実施形態に係るポートガイド装置の
説明図。
【図76】第29の実施形態に係るポートガイド装置の
説明図。
【図77】第30の実施形態に係る体内進入具の説明
図。
【図78】同じく第30の実施形態に係る体内進入具の
使用状態の説明図。
【図79】第31の実施形態に係る体内進入具とその使
用状態の説明図。
【図80】第32の実施形態に係る腔確保具の説明図。
【図81】第33の実施形態に係る腔確保具の説明図。
【図82】第34の実施形態に係る腔確保具の説明図。
【図83】第35の実施形態に係る腔確保具の説明図。
【図84】第36の実施形態に係る腔確保具の使用説明
図。
【図85】同じく第36の実施形態に係る支持器具の使
用説明図。
【図86】第37の実施形態に係る他の腔確保具の説明
図。
【図87】同じくその腔確保具の使用状態の説明図。
【図88】第38の実施形態に係る腔確保具システムに
属する各器具の斜視図。
【図89】(a)はその第38の実施形態に係る手術用
シースの側面図、(b)はその手術用シースの腔確保部
の下面図。
【図90】(a)は処置対象の脊椎を後ろから見た解剖
図、(b)はその脊椎の斜視図。
【図91】同じくそのマンドリン及び探触子の説明図。
【図92】同じくそのマンドリン及び探触子の使用状態
の説明図。
【図93】同じくそのマンドリン及び探触子により位置
検出を行う際の指標の状態の説明図。
【図94】同じくその手術用シースの体外部分の状態の
説明図。
【図95】同じくその手術用シースの体外部分の状態の
説明図。
【図96】(a)(b)はその手術用シースの使用説明
図、(c)(d)は(a)中X−X線に沿う部分の断面
図。
【図97】同じくその手術用シースの使用説明図。
【図98】同じくその手術用シースの変形例の説明図。
【図99】(a)は第39の実施形態に係るマンドリン
の先端部の斜視図、(b)はそのマンドリンの使用説明
図。
【図100】(a)は第40の実施形態に係る手術用シ
ースの斜視図、(b)はその手術用シースの腔確保部の
下面図。
【図101】(a)は第41の実施形態に係る手術用シ
ースの腔確保部の斜視図、(b)はその腔確保部の下面
図。
【図102】(a)は第42の実施形態に係る手術用シ
ースの腔確保部の斜視図、(b)はその腔確保部の下面
図。
【図103】(a)は第43の実施形態に係る検索具の
斜視図、(b)はその検索具の端部の展開斜視図。
【図104】同じく第43の実施形態に係る検索具の作
用の説明図。
【図105】(a)は処置対象の脊椎を斜め上ろから見
た解剖図、(b)はその脊椎の部位に検索具を当てる使
用状態の説明図。
【図106】第44の実施形態に係る腔確保具システム
に属する各器具の斜視図。
【図107】(a)は第45の実施形態の腔確保具の斜
視図、(b)(c)はその使用状態の説明図である。
【図108】第46の実施形態に係る手術用シースの斜
視図。
【図109】第47の実施形態に係る手術用シースの斜
視図。
【図110】第48の実施形態に係るマンドリンの斜視
図。
【図111】(a)は第49の実施形態に係る腔確保具
の斜視図、(b)はその下面図。
【図112】第49の実施形態に係る指標部材の斜視
図。
【図113】同じく第49の実施形態に係る腔確保具と
指標部材とを組み合わせ状態の斜視図、
【図114】同じく第49の実施形態に係る体組織を拡
張するダイレ−タの斜視図。
【符号の説明】
1…ガイド針、2…ダイレータ、3…軟性管、4…手術
用シース、11…腔確保手段、12…軟性管状シート部
材、13…リング状部材。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】体組織を通じて体内に挿入されて用いられ
    る外科手術用腔確保具であって、体組織内に手術作業用
    腔を確保する腔確保手段と、この腔確保手段で形成する
    腔に連通し、その腔を体外に連通する変形可能な器具挿
    入ガイド手段とを備えてなり、前記器具挿入ガイド手段
    を通じて前記腔確保手段で形成した腔内に内視鏡や手術
    用処置具等の器具を挿入して外科手術を行うようにした
    ことを特徴とした外科手術用腔確保具。
JP33559297A 1996-12-17 1997-12-05 外科手術用腔確保具 Expired - Fee Related JP4002649B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33559297A JP4002649B2 (ja) 1996-12-17 1997-12-05 外科手術用腔確保具
US09/095,848 US5976146A (en) 1997-07-11 1998-06-11 Surgical operation system and method of securing working space for surgical operation in body
EP98110936A EP0890341A1 (en) 1997-07-11 1998-06-15 Apparatus and method for percutaneaously securing a working space, e.g. in lumbar discectomy

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33681096 1996-12-17
JP9-186799 1997-07-11
JP18679997 1997-07-11
JP8-336810 1997-07-11
JP33559297A JP4002649B2 (ja) 1996-12-17 1997-12-05 外科手術用腔確保具

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007121781A Division JP4709801B2 (ja) 1996-12-17 2007-05-02 外科手術用腔確保具及び外科手術用腔確保システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1176246A true JPH1176246A (ja) 1999-03-23
JP4002649B2 JP4002649B2 (ja) 2007-11-07

Family

ID=27325799

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33559297A Expired - Fee Related JP4002649B2 (ja) 1996-12-17 1997-12-05 外科手術用腔確保具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4002649B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007283101A (ja) * 2006-04-13 2007-11-01 General Electric Co <Ge> 低侵襲脊椎手術のための経皮的な位置合せおよびアクセスツール
JP2008259873A (ja) * 2000-06-20 2008-10-30 Kyphon Inc 椎体を治療するシステムおよび方法
JP2009279406A (ja) * 2008-05-19 2009-12-03 Olympus Medical Systems Corp 手術装置
JP2012501695A (ja) * 2008-09-09 2012-01-26 オリンパス・ウィンター・アンド・イベ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング 調整可能な軸部を有する腹腔鏡
WO2013018770A1 (ja) * 2011-08-01 2013-02-07 テルモ株式会社 ダイレータ、イントロデューサ組立体、及び医療器具
JP2014008243A (ja) * 2012-06-29 2014-01-20 Olympus Corp 医療用デバイス
US9295502B2 (en) 2001-11-03 2016-03-29 DePuy Synthes Products, Inc. Device for straightening and stabilizing the vertebral column

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8403889B2 (en) * 2008-06-25 2013-03-26 Covidien Lp Access assembly

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008259873A (ja) * 2000-06-20 2008-10-30 Kyphon Inc 椎体を治療するシステムおよび方法
US9295502B2 (en) 2001-11-03 2016-03-29 DePuy Synthes Products, Inc. Device for straightening and stabilizing the vertebral column
US11051862B2 (en) 2001-11-03 2021-07-06 DePuy Synthes Products, Inc. Device for straightening and stabilizing the vertebral column
US10357291B2 (en) 2001-11-03 2019-07-23 DePuy Synthes Products, Inc. Device for straightening and stabilizing the vertebral column
US9861401B2 (en) 2001-11-03 2018-01-09 DePuy Synthes Products, Inc. Device for straightening and stabilizing the vertebral column
JP2007283101A (ja) * 2006-04-13 2007-11-01 General Electric Co <Ge> 低侵襲脊椎手術のための経皮的な位置合せおよびアクセスツール
JP2009279406A (ja) * 2008-05-19 2009-12-03 Olympus Medical Systems Corp 手術装置
US8764630B2 (en) 2008-05-19 2014-07-01 Olympus Medical Systems Corp. Endoscopic surgical procedure and surgical apparatus
JP2012501695A (ja) * 2008-09-09 2012-01-26 オリンパス・ウィンター・アンド・イベ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング 調整可能な軸部を有する腹腔鏡
CN103717254A (zh) * 2011-08-01 2014-04-09 泰尔茂株式会社 扩张器、插管器组装体及医疗器具
CN103717254B (zh) * 2011-08-01 2016-03-23 泰尔茂株式会社 扩张器、插管器组装体及医疗器具
US9248264B2 (en) 2011-08-01 2016-02-02 Terumo Kabushiki Kaisha Dilator, introducer assembly, and medical tool
JPWO2013018770A1 (ja) * 2011-08-01 2015-03-05 テルモ株式会社 ダイレータ、イントロデューサ組立体、及び医療器具
WO2013018770A1 (ja) * 2011-08-01 2013-02-07 テルモ株式会社 ダイレータ、イントロデューサ組立体、及び医療器具
JP2014008243A (ja) * 2012-06-29 2014-01-20 Olympus Corp 医療用デバイス

Also Published As

Publication number Publication date
JP4002649B2 (ja) 2007-11-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5976146A (en) Surgical operation system and method of securing working space for surgical operation in body
US6371968B1 (en) Cavity retaining tool for bone surgery, a cavity retaining tool for general surgery, an endoscopic surgery system involving the use of a cavity retaining tool, and a procedure for surgery
US10293147B2 (en) Telescopic percutaneous tissue dilation systems and related methods
US5468251A (en) Surgical suturing device
EP1006888B1 (en) Systems and instruments for minimally invasive surgery
US5253659A (en) Method and system for performing endoscopic surgery at locations where tissue inserts into bone
EP3205371B1 (en) Telescopic percutaneous tissue dilation systems and related methods of producing
US5899919A (en) Miniature endoscopic surgical instrument assembly and method of use
EP0920280B1 (en) Fingertip-mounted minimally invasive surgical instruments
US6165184A (en) Systems methods and instruments for minimally invasive surgery
US6960172B2 (en) Surgical biopsy device
JP2005503847A (ja) 椎間の診断用および処置用機器
AU2002258866A1 (en) Surgical biopsy device
US11805999B2 (en) Specimen retrieval device
US20030018340A1 (en) Method and apparatus for installing cannula
JPH1176247A (ja) 外科手術システム
JP2007050269A (ja) 骨手術用腔確保器具
JPH10192297A (ja) 骨手術用腔確保器具
JP4709801B2 (ja) 外科手術用腔確保具及び外科手術用腔確保システム
US11191559B2 (en) Specimen retrieval device
JP4002649B2 (ja) 外科手術用腔確保具
Renee Nemitz Surgical instrumentation: An interactive approach
Chachan et al. Endoscopic System for Transforaminal Approach of Thoracic Spine
Liehn et al. Special Instruments
JP2000229085A (ja) 外科手術システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041027

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061128

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070129

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070306

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070502

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20070514

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070619

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070705

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070807

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070820

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100824

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100824

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100824

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110824

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120824

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130824

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees