JPH1176179A - センサ機構付きカテーテル及びそのセンサ部本体の製造方法 - Google Patents
センサ機構付きカテーテル及びそのセンサ部本体の製造方法Info
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- JPH1176179A JPH1176179A JP9238334A JP23833497A JPH1176179A JP H1176179 A JPH1176179 A JP H1176179A JP 9238334 A JP9238334 A JP 9238334A JP 23833497 A JP23833497 A JP 23833497A JP H1176179 A JPH1176179 A JP H1176179A
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Abstract
する心配のないセンサ機構付きカテーテルを提供するこ
と。 【解決手段】 このセンサ機構付きカテーテル1を構成
するカテーテルチューブ2の先端には、センサ部本体4
が装着されている。センサ部本体4の内部には、感圧体
7及びそれに圧力の変動を伝達する圧力伝達媒体9が収
容されている。センサ部本体4は、先端受圧部21の基
端側にベローズ構造22を備える金属製管状部材であ
る。
Description
テーテル及びそのセンサ部本体の製造方法に関するもの
である。
としてカテーテルが知られている。カテーテルを構成す
る直径数mm以下のカテーテルチューブは、人体内にある
各種の管、例えば血管等の中に挿入される。カテーテル
チューブの先端は体内の所望の部位まで誘導され、その
部位において計測行為(例えば血圧の測定等)や治療行
為(例えば血管の拡張等)を行う。このため、カテーテ
ルのオペレータは、カテーテルチューブの先端を外部操
作によって所望の部位まで確実に誘導する必要がある。
ではなく、部分的に屈曲していたり分岐している場合が
多い。しかも、管の径は必ずしも一定ではなく、管自体
が細くなっていたり、内部にある障害物(例えば血栓)
によって管が細くなっていることがある。よって、カテ
ーテルチューブの進行方向前方の状況を検知する手段を
持たない従来のカテーテルでは、オペレータはチューブ
の操作を自分の勘のみに頼らざるを得なかった。そのた
め、チューブの先端を所望の部位まで誘導するのに熟練
を要する等の不都合が生じていた。
センサ機構付きのカテーテル41が提案されている。そ
の一例を図5に示す。このカテーテル41を構成するカ
テーテルチューブ42の先端側には、センサ部としての
センサアセンブリ43が取り付けられている。センサア
センブリ43は、センサ部本体としてのアウターチュー
ブ44内にインナーチューブ45を挿通させた構造を備
えている。インナーチューブ45の内部には、台座46
が設けられている。その台座46には半導体式圧力セン
サチップ47が載置されている。センサチップ47のダ
イアフラム部47aには、歪みゲージ47bが形成され
ている。ダイアフラム部47aの外周にある肉厚部分に
は、ワイヤボンディング用の図示しないパッドが複数形
成されている。アウターチューブ44内にある媒体収容
空間53には、シリコーンゲル等の圧力伝達媒体48が
充填されている。そして、アウターチューブ44の先端
側開口にはピストン49が移動可能に設けられている。
えばシース管と呼ばれる補助部材を用いて血管内に挿入
される。このようなシース管の内部には、血液の逆流を
防止するための逆流防止弁が設けられている。血管内に
センサアセンブリ43が挿入された状態で、受圧部であ
るピストン49の外側面に作用する圧力が変動すると、
その変動の影響は圧力伝達媒体48を介してダイアフラ
ム部47aに波及する。すると、歪みゲージ47bによ
って圧力変動が電気信号に変換されるとともに、その電
気信号がボンディングワイヤ50、中継タブ51及びフ
ラットケーブル52を介して外部に出力される。その結
果、カテーテルチューブ42の進行方向前方における障
害物等の有無が検知されるようになっている。
ンブリ43は、例えば以下のような手順で製造される。
まず、アウターチューブ44、インナーチューブ45、
ピストン49等をあらかじめ別々に作製しておく。次い
で、ワイヤボンディング済のセンサチップ47及び台座
46をインナーチューブ45内に固定した後、同インナ
ーチューブ45をアウターチューブ44に挿通させる。
さらに、媒体収容空間53内に圧力伝達媒体48を充填
した後、アウターチューブ44の先端側開口をピストン
49で封止する。そして、最後にアウターチューブ44
の基端側をカテーテルチューブ42の先端に取り付ける
ことで、カテーテル41が完成する。
サ機構付きカテーテル41の場合、上述したようにセン
サアセンブリ43の組み付けに多くの工数を要していた
ため、より簡単に組み付けられる構造が望まれていた。
付時に圧力伝達媒体48中に気泡が混入しやすく、それ
が原因となってセンサ特性の悪化をもたらすことが問題
となっていた。
44とが別体である従来構成では、カテーテルチューブ
42をシース管から引き抜くときに、逆流防止弁に引っ
掛かってピストン49が脱落する可能性があった。従っ
て、あらかじめ脱落防止対策を講じておく必要があっ
た。
であり、その目的は、組み付けが簡単であってしかも受
圧部が脱落する心配のないセンサ機構付きカテーテルを
提供することにある。
カテーテルを実現するうえで好適なセンサ部本体を簡単
にかつ確実に得ることができる製造方法を提供すること
にある。
めに、請求項1に記載の発明では、カテーテルチューブ
の先端にセンサ部本体が装着され、前記センサ部本体の
内部に感圧体及びそれに圧力の変動を伝達する圧力伝達
媒体が収容されているセンサ機構付きカテーテルにおい
て、前記センサ部本体は先端受圧部の基端側にベローズ
構造を備える金属製管状部材であることを特徴とするセ
ンサ機構付きカテーテルをその要旨とする。
て、前記センサ部本体の先端受圧部には前記圧力伝達媒
体を充填するための充填口が設けられていることとし
た。この場合、前記センサ部本体の基端部外周面に凹凸
が設けられてもよく、また、前記センサ部本体の外表面
が生体適合性材料からなるものとしてもよい。
2において、前記センサ部本体はニッケルめっき層とそ
の外表面側に形成された金めっき層とからなる二層構造
であることとした。
備える金属製管状部材であり、感圧体及びそれに圧力の
変動を伝達する圧力伝達媒体をその内部に収容した状態
でカテーテルチューブの先端に装着されるセンサ部本体
を製造する方法であって、前記センサ部本体の外部形状
に対応する成形空間を有する樹脂成形型内にめっきを施
すことにより硬質材料からなる第1のめっき層を形成す
る工程と、前記樹脂成形型を溶解除去する工程と、前記
第1のめっき層の外表面側にめっきを施すことにより生
体適合性材料からなる第2のめっき層を形成する工程と
を含むことを特徴とするセンサ機構付きカテーテル用の
センサ部本体の製造方法をその要旨とする。
項1〜3に記載の発明によると、先端受圧部の外側面に
作用する圧力が変動した場合、それに伴ってベローズ構
造が伸長または収縮した状態になる。すると、圧力伝達
媒体の圧力に変動が生じ、その影響が感圧体にも波及す
る。つまり、圧力伝達媒体を介して感圧体に圧力の変動
が伝達される。
体と一体的に設けられているため、そもそも受圧部が脱
落するという心配がなく、よって特別に脱落防止対策を
講じる必要もない。また、本発明の構成であると、別体
として作製した受圧部をセンサ部本体に取り付ける工程
が不要になるため、少なくともその分だけ組み付けに要
する工数が減少する。従って、組み付けが簡単なカテー
テルとすることができる。
本体をカテーテルチューブに装着した状態であっても、
充填口を介してセンサ部本体の内部に圧力伝達媒体を充
填することが可能である。そのため、従来とは異なり圧
力伝達媒体中に気泡が混入しにくい。また、たとえ圧力
伝達媒体中に気泡が混入したとしても、充填口が先端受
圧部に位置していることから比較的簡単に脱泡を行うこ
とができる。
を設けた構成とすれば、センサ部本体とカテーテルチュ
ーブとの間の摩擦抵抗が増し、センサ部本体がカテーテ
ルチューブから抜けにくくなる。さらに、前記センサ部
本体の外表面を生体適合性材料からなる構成とすれば、
生体内物質と接触する箇所が生体適合性材料からなるも
のとなり、生体内での使用に適したセンサ部本体とする
ことができる。
は硬質であるため、センサ部本体に充分な強度が確保さ
れ、耐久性に優れたセンサ部本体となる。また、金は生
体内物質との反応性が極めて低いため、生体内での使用
に適したセンサ部本体となる。
に記載の発明のような二層構造からなるセンサ部本体を
簡単にかつ確実に得ることができる。
ンサ機構付きカテーテルに具体化した一実施形態を図1
〜図3に基づき詳細に説明する。
テーテルチューブ(本実施形態ではポリ塩化ビニル製,
直径1.6mm)2や、それを体外において操作するた
めにチューブ2の基端部に設けられる操作手段などを備
えている。操作手段は、例えばチューブ2内に挿入され
た複数本のワイヤと、それらを操作するワイヤ操作部と
によって構成される。チューブ2の基端部には、チュー
ブ2の先端側に薬液や造影剤等の液体を圧送するための
注射器が接続されるとともに、障害物の有無に関する情
報を可視化するディスプレイ装置が接続されている。
ーテル1では、カテーテルチューブ2と別体に形成され
たセンサアセンブリ3がチューブ2の先端側に取り付け
られている。
センサ部本体としてのセンサボディ4、インナーチュー
ブ5、台座6、半導体式圧力センサチップ7、フラット
ケーブル8、シリコーンゲル9、圧力隔壁10等からな
る。
であるインナーチューブ5は、センサボディ4内に摺動
不能に嵌入されている。インナーチューブ5の一方側の
端部には、切り欠き部11が形成されている。この切り
欠き部11の内壁面には、台座6が接着剤A1 により接
合されている。台座6は縦長の矩形状をしたシリコン製
部材であって、その上面側中央部にチップ搭載凹部12
を備えている。そのチップ搭載凹部12の部分には、感
圧手段としての半導体式圧力センサチップ7が載置され
ている。前記接着剤A1 は、a)絶縁材料からなるこ
と、b)硬質であること、c)生体適合性材料であるこ
と、という3つの要件を満たすものであることが望まし
い。本実施形態では、上記条件を満たす接着剤A1 とし
てエポキシ樹脂等のような熱硬化性樹脂を選択してい
る。
は、台座6の下面及び側面とインナーチューブ5の切り
欠き部11の内壁面との隙間を封止している。その結
果、台座6がインナーチューブ5に固定されている。こ
れに加えて、台座6及びセンサチップ7の基端部寄り領
域において前記接着剤A1 は上方にも回り込み、インナ
ーチューブ5の貫通孔を非貫通状態に封止している。従
って、インナーチューブ5の内部において切り欠き部1
1よりもやや基端寄りの位置には、圧力障壁10が形成
されている。そして、この圧力障壁10によりセンサボ
ディ4内に媒体収容空間13が区画されている。媒体収
容空間13の中には、圧力伝達媒体としてのシリコーン
ゲル9が充填されている。なお、圧力障壁10はシリコ
ーンゲル9のチューブ2の基端側への流動を阻止する役
割を果たしている。
て使用される半導体式圧力センサチップ7は、台座6と
同様に縦長の矩形状を呈している。同センサチップ7の
基体であるシリコン基板には、肉薄部分であるダイヤフ
ラム部14がエッチングによって形成されている。シリ
コン基板の表面(即ちエッチされていない面)側におい
て前記ダイヤフラム部14には、拡散歪みゲージ15が
4つ形成されている。短辺がある側をシリコン基板の端
部であると定義すると、端部のうちの一方には複数のパ
ッド( 図示略) が形成されている。前記パッドは矩形状
であって、例えばアルミニウム等の金属材料をスパッタ
すること等により形成されている。各パッドと拡散歪み
ゲージ15とは、図示しない配線パターンを介して接続
されている。そして、前記各パッドはフラットケーブル
8の先端部に設けられた端子に対して直接接続されてい
る。
インナーチューブ5の内径よりも小さく、長辺の大きさ
はインナーチューブ5の内径よりも少なくとも大きくな
っている。従って、シリコン基板を搭載した状態の台座
6は、細長いインナーチューブ5内に挿入可能となって
いる。その際、シリコン基板においてパッドが形成され
ている側の端部はチューブ2の基端側に配置され、そう
でない側の端部はチューブ2の先端側に配置される。つ
まり、センサチップ7の長手方向とチューブ軸線方向と
は並行な関係になる。よって、センサチップ7の表面は
チューブ軸線方向と直交する方向、即ちチューブ外周方
向を向く。
手順について述べる。図1,図2に示されるように、セ
ンサボディ4は金属製かつ管状の部材であって、その断
面は円形状である。センサボディ4の基端側は開口して
いる反面、先端側は閉口している。同センサボディ4に
おける先端側の端面(即ち先端受圧部21)は、曲面状
であって外側に向かって凸になっている。先端受圧部2
1の最大径はカテーテルチューブ2の外径にほぼ等し
い。先端受圧部21のすぐ基端側には、ベローズ構造2
2が設けられている。本実施形態で採用したベローズ構
造22は、複数の襞部22aからなる蛇腹状のものであ
る。各襞部22aは、センサボディ4の周方向全体にわ
たって環状に形成されている。ベローズ構造22がある
箇所よりも基端側となる部分は、カテーテルチューブ2
よりも小径である。従って、当該部分はカテーテルチュ
ーブ2の先端側開口に嵌着可能である。先端受圧部21
の中心部には、シリコーンゲル9を充填するための充填
口23が透設されている。その充填口23は、シリコー
ンゲル9が充填された状態で封止栓24により封止され
ている。
からなることが好ましい。そのため、本実施形態のセン
サボディ4では二層構造を採用し、ベースであるニッケ
ルめっき層L1 の外表面側に金めっき層L2 を形成する
こととしている。第1のめっき層であるニッケルめっき
層L1 は硬質である反面、生体に適合したものとは必ず
しもいえないからである。その点、第2のめっき層であ
る金めっき層L2 は、生体内物質(ここでは主として血
液)との反応性が極めて低く、生体に適合したものとい
えるからである。
内物質と接触するものであることから、その材料として
例えばシリコーンゴム等のような生体適合性材料が使用
されることがよい。なお、センサアセンブリ3を構成す
る各部品のうち外部に露出していないものについても、
同じく生体適合性材料によって形成されていることが望
ましい。
製造されることができる。図3(a)に示されるよう
に、まず、センサボディ4の外部形状に対応する成形空
間26を有する樹脂成形型25を用意する。なお、樹脂
成形型25は後述する溶解除去工程の作業性を悪化させ
ない程度の厚さであることがよい。
っきを施すことにより、硬質材料からなるニッケルめっ
き層L1 を形成する(図3(b) 参照)。具体的には、無
電解ニッケルめっき浴を用いた無電解めっきが行われ
る。ニッケルめっき層L1 の厚さは50μm 〜300μ
m 、好ましくは100μm 〜200μm であることがよ
い。ニッケルめっき層L1 が薄すぎると、センサボディ
4に充分な強度が確保されないおそれがある。従って、
伸縮部分であるベローズ構造22に破壊が起こりやすく
なる。逆にニッケルめっき層L1 が厚すぎると、充分な
強度が確保される反面、ベローズ構造22に伸縮が起こ
りにくくなるおそれがある。
を処理することにより樹脂成形型25を溶解除去する
(図3(c) 参照)。その結果、ニッケルめっき層L1 を
露出させる。この場合に使用される溶解液としては、樹
脂成形型25のみを溶解しかつニッケルめっき層L1 を
溶解しないものであることが好ましい。例えば、樹脂成
形型25の材料がアクリル系樹脂である場合には、アセ
トンを溶解液として選択すればよい。
L1 の外表面側にめっきを施すことにより、生体適合性
材料からなる金めっき層L2 を形成する(図3(d) 参
照)。具体的には、無電解金めっき浴を用いた無電解め
っきや、電解金めっき浴を用いた電解めっきが行われ
る。金めっき層L2 の厚さは1μm 〜10μm 、好まし
くは3μm 〜5μm であることがよい。金めっき層L2
が薄すぎると、その下層にあるニッケルめっき層L1 が
外表面に露出してしまうおそれがある。逆に金めっき層
L2 が厚すぎると、ニッケルめっき層L1 の露出のおそ
れはなくなる反面、高コスト化を招くおそれがある。
1の中心部をドリル加工すること等により充填口23を
透設する。二層構造からなるセンサボディ4は、上記の
ようにめっきという比較的安価かつ簡便な技術を用いて
簡単にかつ確実に得ることができる。また、かかるめっ
き法は、ベローズ構造22のように入り組んだ構造でも
微細かつ肉薄に形成できるという点において有利であ
る。
順を説明する。まず、センサアセンブリ3を構成する各
部品をあらかじめ用意する。センサチップ7は、フラッ
トケーブル8と接続した状態で台座6に載置しておく。
次に、台座6及びセンサチップ7を、圧力障壁10形成
用の接着剤A1 を用いてインナーチューブ5内に固定す
る。次に、前記インナーチューブ5をセンサボディ4の
内部に挿入しかつ接着剤を用いて固定する。台座6及び
センサチップ7の位置はベローズ構造22よりも基端側
であることがよい。このような位置であれば、センサボ
ディ4の伸縮時にそれらが襞部22aの邪魔にならない
からである。
端側をカテーテルチューブ2の先端側開口に差し込むよ
うにして装着する。このとき、装着の確実化を図るため
に接着剤を用いることが好ましい。
1にある充填口23を介して、センサボディ4の内部に
ある媒体収容空間13にシリコーンゲル9を充填する。
そのとき、先端受圧部21を上に向けることにより、シ
リコーンゲル9中への気泡の混入をある程度防止するこ
とができる。気泡混入防止をより完全なものとするため
に真空脱泡を行ってもよい。
止栓24で充填口23を封止する。以上のようにしてセ
ンサアセンブリ3の組み付けが完了する。次に、このカ
テーテル1によるセンシングについて説明する。
は、シース管と呼ばれる補助部材を用いて血管内に挿入
される。シース管はその内部に血液の逆流を防止するた
めの逆流防止弁を備えており、カテーテルチューブ2の
挿入に先立って血管内に挿入される。
方の状況が変わった場合、チューブ2の挿入抵抗が変化
し、それに伴って先端受圧部21の外側面に作用する圧
力も変動する。例えば、チューブ2が挿入されている血
管の内部に障害物(血栓や腫瘍など)や狭窄部位がある
場合には、先端受圧部21の外側面が同部位に押し付け
られることにより、挿入抵抗が増加する。従って、先端
受圧部21に作用する圧力もそれに伴って増加する。す
ると、ベローズ構造22に収縮が生じて、図2(a)の
ような通常状態から図2(b)のような変形状態にな
る。このような変形が起きた場合、媒体収容空間13内
に充填されているシリコーンゲル9の圧力が増加し、そ
の結果としてセンサチップ7のダイアフラム部14に加
わる圧力も増加する。つまり、センサアセンブリ3の外
部で起こった圧力変動は、シリコーンゲル9を介してセ
ンサチップ7に間接的に伝達される。すると、センサチ
ップ7のダイアフラム部14の歪みが大きくなり、その
上にある歪みゲージ15の抵抗値が変化する。即ち、歪
みゲージ15によって圧力変動が電気信号に変換され
る。このような電気信号は、フラットケーブル8を経て
外部に出力される。フラットケーブル8はチューブ2の
基端部にあるディスプレイ装置に接続されていて、前記
電気信号はそこで処理されかつ可視化される。よって、
オペレータは、その可視化されたデータを判断材料とし
て、進行方向前方の状況、即ち障害物や狭窄の有無等を
確実に検知することができる。つまり、オペレータは、
上記の場合にワイヤを操作することによって、圧力が減
少するような方向にセンサアセンブリ3の頭部を向けれ
ばよいことになる。
作用効果を列挙する。 (イ)本実施形態のカテーテル1では、先端受圧部21
がセンサボディ4と一体的に設けられているため、従来
のものとは異なりそもそも引き抜き時に受圧部が脱落す
るという心配がない。よって、特別に脱落防止対策を講
じる必要もなく、それによる構造の複雑化や組み付けの
困難化を回避することができる。また、このカテーテル
1の構成であると、別体として作製した受圧部をセンサ
部本体に取り付ける工程が不要になるため、少なくとも
その分だけ組み付けに要する工数が減少する。従って、
組み付けが簡単なカテーテル1とすることができる。ま
た、組み付けが簡単になることによって製造コストの低
減を図ることができる。
端受圧部21にシリコーンゲル9を充填するための充填
口23を設けている。従って、センサボディ4をカテー
テルチューブ2に装着した状態であっても、充填口23
を介して媒体収容空間13内にシリコーンゲル9を充填
することが可能である。そのため、充填後にピストンに
よる封止を行う従来とは異なり、シリコーンゲル9中に
気泡が混入しにくいという利点がある。また、たとえシ
リコーンゲル9中に気泡が混入したとしても、充填口2
3が先端受圧部21に位置していることから比較的簡単
に脱泡を行うことができる。即ち、センサボディ4自体
を取り外すまでもなく、先端受圧部21を上に向けるだ
けで気泡を充填口23からある程度抜け出させることが
できるからである。ゆえに、気泡混入に起因するセンサ
特性の悪化を未然に防止することができる。
ンサボディ4がニッケルめっき層L1 とその外表面側に
形成された金めっき層L2 とからなる二層構造になって
いる。従って、耐久性及び生体適合性に優れたセンサボ
ディ4とすることができる。
されることはなく、例えば次のように変更することが可
能である。 ◎ 図4(a)に示されるカテーテル31のように、そ
の基端部外周面に凹凸としての複数本の抜け止め溝33
を備えるセンサボディ32としてもよい。この構成であ
ると、センサボディ32とカテーテルチューブ2との間
の摩擦抵抗が増すため、センサボディ4がカテーテルチ
ューブ2から抜けにくくなる。よって、組み付け強度が
よりいっそう向上する。凹凸は抜け止め溝33に限定さ
れることはなく、例えば突起等であってもよい。また、
凹凸を設けるとともに両者2,32の接合に接着剤を用
いれば、より確実な抜け止めを図ることができる。
のように、インナーチューブ5を省略して、センサボデ
ィ4の内壁面に直かに台座6を設置してもよい。このよ
うにすると、構造の簡略化及び部品点数の低減を図るこ
とができる。
との間に背圧室を形成してもよい。また、かかる背圧室
は、台座6に形成される背圧孔を介して相対圧領域に連
通されていてもよい。
9に代えて、シリコーン以外のゲル状物質を選択しても
よく、さらにはシリコーンオイル等のような流動性のあ
る物質を使用してもよい。なお、いわゆる媒体に「おど
り」現象が起こりにくいということを鑑みると、シリコ
ーンゲル9のようなゲル状物質を選択することがより好
ましい。
される生体適合性材料からなる第2のめっき層は、金め
っき層L2 のみに限定されることはなく、例えば白金め
っき層、イリジウムめっき層等であってもよい。また、
これらの層をめっき法により形成するのではなく、例え
ばスパッタやCVD等の手法によって形成することも可
能である。
ッケルめっき層L1 のみに限定されることはなく、例え
ばブロンズめっき層、鉄めっき層等であってもよい。 ◎ 充填口23は先端受圧部21以外の箇所に、例えば
ベローズ構造22がある箇所など設けられることも可能
である。ただし、脱泡の容易さや封止栓24の設置のし
やすさのことを考慮すると、充填口23は実施形態のご
とく先端受圧部21の箇所に設けられていることが望ま
しい。
的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される
技術的思想をその効果とともに以下に列挙する。 (1) 請求項1乃至3のいずれか1項において、前記
圧力伝達媒体はシリコーンゲルであることを特徴とする
センサ機構付きカテーテル。この構成であると、いわゆ
るおどり現象が起こらなくなる。
いずれか1項において、前記先端受圧部は曲面状であっ
て外側に向かって凸になっていることを特徴とするセン
サ機構付きカテーテル。この構成であると、センサ部本
体の引っ掛かりがなくなることで挿入抵抗が低減される
ため、カテーテルチューブをスムーズに進行させること
ができる。
2のいずれか1項において、前記先端受圧部の最大径は
前記カテーテルチューブの外径にほぼ等しいことを特徴
とするセンサ機構付きカテーテル。この構成であると、
シース管からチューブを引き抜く際に逆流防止弁に先端
受圧部が引っ掛からなくなる。
至3のいずれか1項において、前記感圧体は半導体式圧
力センサチップであり、同センサチップは台座に載置さ
れた状態で前記ベローズ構造よりも基端側位置に固定さ
れていることを特徴とするセンサ機構付きカテーテル。
この構成であると、センサ部本体の伸縮時にセンサチッ
プ等が邪魔にならなくなる。
4のいずれか1項において、前記充填口はシリコーンゴ
ム製の封止栓により封止されていることを特徴とするセ
ンサ機構付きカテーテル。この構成であると、より生体
適合性に優れたセンサ部本体とすることができる。
付きカテーテルを製造する方法であって、金属製管状部
材からなり先端受圧部の基端側にベローズ構造を備えか
つ前記先端受圧部に前記圧力伝達媒体を充填するための
充填口を備えるセンサ部本体の内部に前記感圧体を収容
する工程と、前記センサ部本体を前記カテーテルチュー
ブの先端に接着剤を用いて装着する工程と、前記先端受
圧部にある前記充填口を介して前記センサ部本体の内部
に前記圧力伝達媒体を真空脱泡しながら充填する工程
と、前記充填口を封止する工程とを含むことを特徴とす
るセンサ機構付きカテーテルの製造方法。この方法によ
ると、本発明のカテーテルを確実にかつ簡単に、しかも
圧力伝達媒体中に気泡を混入させることなく製造するこ
とができる。
サ部本体の基端部外周面には凹凸が設けられていること
を特徴とするセンサ機構付きカテーテル。この構成であ
ると、センサ部本体がカテーテルチューブから抜けにく
くなるため、組み付け強度の向上が図られる。
おいて、前記センサ部本体の外表面は生体適合性材料か
らなることを特徴とするセンサ機構付きカテーテル。こ
の構成であると、生体内での使用に適したセンサ部本体
とすることができる。
語を次のように定義する。 「生体適合性材料:血液、体液、リンパ液、その他の生
体内物質との反応性が低い材料をいい、例えばシリコー
ン樹脂、エポキシ樹脂、ポリ塩化ビニル等の樹脂、ステ
ンレスや金等の金属、アルミナやジルコニア等のセラミ
ックスなどがある。」
載の発明によれば、組み付けが簡単であってしかも受圧
部が脱落する心配のないセンサ機構付きカテーテルを提
供することができる。
媒体中に気泡が混入しにくくなるため、センサ特性の悪
化を未然に防止することができる。請求項3に記載の発
明によれば、耐久性及び生体適合性に優れたセンサ部本
体とすることができる。
からなるセンサ部本体を簡単にかつ確実に得ることがで
きる。
きカテーテルのセンサアセンブリを示す分解斜視図。
ていない通常状態)を示す部分概略断面図、(b)は同
カテーテル(ベローズ構造が収縮している変形状態)を
示す部分概略断面図。
明するための概略図。
カテーテルを示す部分概略断面図。
略断面図。
ーテルチューブ、4,32…センサ部本体としてのセン
サボディ、7…感圧体としての半導体式圧力センサチッ
プ、9…圧力伝達媒体としてのシリコーンゲル、21…
先端受圧部、22…ベローズ構造、23…充填口、25
…樹脂成形型、33…凹凸としての抜け止め溝、L1 …
第1のめっき層としてのニッケルめっき層、L2 …第2
のめっき層としての金めっき層。
Claims (4)
- 【請求項1】カテーテルチューブの先端にセンサ部本体
が装着され、前記センサ部本体の内部に感圧体及びそれ
に圧力の変動を伝達する圧力伝達媒体が収容されている
センサ機構付きカテーテルにおいて、 前記センサ部本体は先端受圧部の基端側にベローズ構造
を備える金属製管状部材であることを特徴とするセンサ
機構付きカテーテル。 - 【請求項2】前記センサ部本体の先端受圧部には前記圧
力伝達媒体を充填するための充填口が設けられているこ
とを特徴とする請求項1に記載のセンサ機構付きカテー
テル。 - 【請求項3】前記センサ部本体はニッケルめっき層とそ
の外表面側に形成された金めっき層とからなる二層構造
であることを特徴とする請求項1または2に記載のセン
サ機構付きカテーテル。 - 【請求項4】ベローズ構造を備える金属製管状部材であ
り、感圧体及びそれに圧力の変動を伝達する圧力伝達媒
体をその内部に収容した状態でカテーテルチューブの先
端に装着されるセンサ部本体を製造する方法であって、 前記センサ部本体の外部形状に対応する成形空間を有す
る樹脂成形型内にめっきを施すことにより硬質材料から
なる第1のめっき層を形成する工程と、前記樹脂成形型
を溶解除去する工程と、前記第1のめっき層の外表面側
にめっきを施すことにより生体適合性材料からなる第2
のめっき層を形成する工程とを含むことを特徴とするセ
ンサ機構付きカテーテル用のセンサ部本体の製造方法。
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---|---|---|---|
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JPH1176179A true JPH1176179A (ja) | 1999-03-23 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015529522A (ja) * | 2012-08-31 | 2015-10-08 | ヴォルカノ コーポレイションVolcano Corporation | 血管内装置のコンポーネントの取り付け構造 |
-
1997
- 1997-09-03 JP JP23833497A patent/JP3737613B2/ja not_active Expired - Fee Related
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