JP3798526B2 - センサ機構付きカテーテル - Google Patents

センサ機構付きカテーテル Download PDF

Info

Publication number
JP3798526B2
JP3798526B2 JP23275097A JP23275097A JP3798526B2 JP 3798526 B2 JP3798526 B2 JP 3798526B2 JP 23275097 A JP23275097 A JP 23275097A JP 23275097 A JP23275097 A JP 23275097A JP 3798526 B2 JP3798526 B2 JP 3798526B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piston
tube
catheter
pressure
gripping claws
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP23275097A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1156794A (ja
Inventor
貢一 糸魚川
仁 岩田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokai Rika Co Ltd
Original Assignee
Tokai Rika Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokai Rika Co Ltd filed Critical Tokai Rika Co Ltd
Priority to JP23275097A priority Critical patent/JP3798526B2/ja
Publication of JPH1156794A publication Critical patent/JPH1156794A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3798526B2 publication Critical patent/JP3798526B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Measuring Pulse, Heart Rate, Blood Pressure Or Blood Flow (AREA)
  • Media Introduction/Drainage Providing Device (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、センサ機構付きカテーテルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、体内挿入式の医療器具の一種としてカテーテルが知られている。カテーテルを構成する直径数mm以下のカテーテルチューブは、人体内にある各種の管、例えば血管等の中に挿入される。カテーテルチューブの先端は体内の所望の部位まで誘導され、その部位において計測行為(例えば血圧の測定等)や治療行為(例えば血管の拡張等)を行う。このため、カテーテルのオペレータは、カテーテルチューブの先端を外部操作によって所望の部位まで確実に誘導する必要がある。
【0003】
ところで、体内にある管は必ずしも直線状ではなく、部分的に屈曲していたり分岐している場合が多い。しかも、管の径は必ずしも一定ではなく、管自体が細くなっていたり、内部にある障害物(例えば血栓)によって管が細くなっていることがある。よって、カテーテルチューブの進行方向前方の状況を検知する手段を持たない従来のカテーテルでは、オペレータはチューブの操作を自分の勘のみに頼らざるを得なかった。そのため、チューブの先端を所望の部位まで誘導するのに熟練を要する等の不都合が生じていた。
【0004】
そして、最近では前記不都合を解消すべくセンサ機構付きのカテーテル41が提案されている。その一例を図5に示す。このカテーテル41を構成するカテーテルチューブ42の先端側には、センサアセンブリ43が取り付けられている。センサアセンブリ43は、アウターチューブ44内にインナーチューブ45を挿通させた構造を備えている。インナーチューブ45の内部には、台座46が設けられている。その台座46には感圧手段としての半導体式圧力センサチップ47が載置されている。センサチップ47のダイアフラム部47aには、歪みゲージ47bが形成されている。ダイアフラム部47aの外周にある肉厚部分には、ワイヤボンディング用の図示しないパッドが複数形成されている。アウターチューブ44の内部には、シリコーンゲル等の圧力伝達媒体48が充填されている。そして、アウターチューブ44の先端側開口にはピストン49が移動可能に設けられている。
【0005】
このセンサ機構付きカテーテル41は、図6に示されるようなシース管54と呼ばれる補助部材を用いて血管内に挿入される。同図において右端側が体内挿入側となる。シース管54の内部には、血液の逆流を防止するための逆流防止弁55が設けられている。血管内にセンサアセンブリ43が挿入された状態で、受圧部であるピストン49の頭部49aの外側面に作用する圧力が変動すると、その変動の影響は圧力伝達媒体48を介してダイアフラム部47aに波及する。すると、歪みゲージ47bによって圧力変動が電気信号に変換されるとともに、その電気信号がボンディングワイヤ50、中継タブ51及びフラットケーブル52を介して外部に出力される。その結果、カテーテルチューブ42の進行方向前方における障害物等の有無が検知されるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
カテーテルチューブ42をシース管54に挿入する場合、図6(b)に示されるように、センサアセンブリ43は逆流防止弁55を押し広げながら前進する。よって、ピストン49が逆流防止弁に挟まれるといった問題は起こらない。しかしながら、カテーテルチューブ42をシース管54から引き抜く場合、図6(c)に示されるように、センサアセンブリ43は逆流防止弁55を窄めながら後退する。よって、ピストン49が逆流防止弁55に挟まれてしまい、この状態でカテーテルチューブ42を無理に引っ張ろうとすると、アウターチューブ44からピストン49が脱落する可能性があった。従って、何らかの脱落防止対策が必要であると考えられていた。
【0007】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ピストンが脱落する心配のないセンサ機構付きカテーテルを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、ピストンと圧力伝達媒体と感圧手段とを備えるチューブ部材がカテーテルチューブの先端に装着され、前記ピストンが受ける圧力の変動を前記圧力伝達媒体を介して前記感圧手段に伝達するように構成されたセンサ機構付きカテーテルにおいて、前記ピストンは先端に行くほど細くなるテーパ部を備え、前記チューブ部材は先端部に複数の把持爪が形成され、該複数の把持爪はチューブ中心軸線方向に折り曲げられて前記ピストンのテーパ部を把持することを特徴とするセンサ機構付きカテーテルをその要旨とする。
【0009】
請求項2に記載の発明では、請求項1において、前記ピストンの頭部に複数の切欠部を形成するとともに、前記各切欠部に前記各把持爪の先端部を配置することとした。
【0010】
請求項3に記載の発明では、ピストンと圧力伝達媒体と感圧手段とを備えるチューブ部材がカテーテルチューブの先端に装着され、前記ピストンが受ける圧力の変動を前記圧力伝達媒体を介して前記感圧手段に伝達するように構成されたセンサ機構付きカテーテルにおいて、前記ピストンの頭部には複数の切欠部が形成され、前記チューブ部材は先端部にチューブ中心軸線方向に折り曲げられる複数の把持爪が形成され、それら把持爪の先端部は前記各切欠部に配置されて前記ピストンを把持することとした。
【0011】
請求項4に記載の発明では、請求項1乃至3のいずれか1項において、前記チューブ部材の外周面には凹凸が設けられていることとした。
請求項5に記載の発明では、請求項1乃至4のいずれか1項において、前記ピストンと前記チューブ部材との接合部分は封止材で封止されていることとしている。
【0012】
以下、本発明の「作用」を説明する。
請求項1〜5に記載の発明によると、チューブ中心軸線方向に折り曲げられた複数の把持爪によってピストンが把持されることにより、ピストンを引き抜く方向に力が加わった場合の抵抗が大きくなる。よって、同ピストンがチューブ部材から脱落しにくくなる。
【0013】
特に、請求項1または2に記載の発明によるように、先端に行くほど細くなるテーパ部が設けられていると、チューブ中心軸線方向に折り曲げられた複数の把持爪によってピストンが無理なく確実に把持される。
【0014】
請求項2または3に記載の発明によるように、ピストンの頭部に複数の切欠部を形成するとともに、それら切欠部に各把持爪を配置する構成によれば、各把持爪をピストンの頭部の方向に長く形成することができるため、ピストンがチューブ部材からより脱落しにくくなる。また、各把持爪が各切欠部に係止することで、ピストンの回り止めも図られる。
【0015】
請求項4に記載の発明によると、チューブ部材の基端部外周面に凹凸を設けることにより、チューブ部材とカテーテルチューブとの間の摩擦抵抗が増加する。ゆえに、チューブ部材がカテーテルチューブから脱落しにくくなる。
【0016】
請求項5に記載の発明によると、ピストンとチューブ部材との接合部分を封止材で封止することにより、圧力伝達媒体の漏出が確実に回避されるとともに、ピストンの脱落防止がより確実なものとなる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を障害物検知用のセンサ機構付きカテーテルに具体化した一実施形態を図1,図2に基づき詳細に説明する。
【0018】
このカテーテル1は、血管に挿入されるカテーテルチューブ(本実施形態ではポリ塩化ビニル製,直径1.6mm)2や、それを体外において操作するためにチューブ2の基端部に設けられる操作手段などを備えている。操作手段は、例えばチューブ2内に挿入された複数本のワイヤと、それらを操作するワイヤ操作部とによって構成される。チューブ2の基端部には、チューブ2の先端側に薬液や造影剤等の液体を圧送するための注射器が接続されるとともに、障害物の有無に関する情報を可視化するディスプレイ装置が接続されている。
【0019】
図2に示されるように、本実施形態のカテーテル1では、カテーテルチューブ2と別体に形成されたセンサアセンブリ3がチューブ2の先端側に取り付けられている。
【0020】
センサアセンブリ3は、アウターチューブ4、インナーチューブ5、ピストン6、封止材7、台座8、半導体式圧力センサチップ9、シリコーンゲル10、圧力隔壁11、フラットケーブル12等からなる。
【0021】
図2に示されるように、内側のチューブ部材であるインナーチューブ5は、アウターチューブ4よりも外径が小さくて長さの短い筒状部材である。前記インナーチューブ5は、アウターチューブ4内に摺動不能に嵌入されている。インナーチューブ5の一方側の端部には、切り欠き部13が形成されている。この切り欠き部13の内壁面には、台座8が接着剤A1 により接合されている。台座8は縦長の矩形状をしたシリコン製部材であって、その上面側中央部にチップ搭載凹部14を備えている。そのチップ搭載凹部14の部分には、感圧手段としての半導体式圧力センサチップ9が載置されている。前記接着剤A1 は、a)絶縁材料からなること、b)硬質であること、c)生体適合性材料であること、という3つの要件を満たすものであることが望ましい。本実施形態では、上記条件を満たす接着剤A1 としてエポキシ樹脂等のような熱硬化性樹脂を選択している。
【0022】
前記接着剤A1 は、台座8の下面及び側面とインナーチューブ5の切り欠き部13の内壁面との隙間を封止している。その結果、台座8がインナーチューブ5に固定されている。これに加えて、台座8及びセンサチップ9の基端部寄り領域において前記接着剤A1 は上方にも回り込み、インナーチューブ5の貫通孔を非貫通状態に封止している。従って、インナーチューブ5の内部において切り欠き部13よりもやや基端寄りの位置には、圧力障壁11が形成されている。そして、この圧力障壁11によりアウターチューブ4内に媒体収容空間15が区画されている。媒体収容空間15の中には、圧力伝達媒体としてのシリコーンゲル10が充填されている。なお、圧力障壁11はシリコーンゲル10のチューブ2の基端側への流動を阻止する役割を果たしている。
【0023】
本実施形態において使用される半導体式圧力センサチップ7は、台座8と同様に縦長の矩形状を呈している。センサチップ9の基体であるシリコン基板には、肉薄部分であるダイヤフラム部16がエッチングによって形成されている。シリコン基板の表面(即ちエッチされていない面)側において前記ダイヤフラム部16には、拡散歪みゲージ17が複数個形成されている。短辺がある側をシリコン基板の端部であると定義すると、端部のうちの一方には複数のパッド( 図示略) が形成されている。前記パッドは矩形状であって、例えばアルミニウム等の金属材料をスパッタすること等により形成されている。各パッドと拡散歪みゲージ17とは、図示しない配線パターンを介して接続されている。そして、前記各パッドは、ボンディングワイヤ18を介して中継タブ19に接続されている。また、中継タブ19はフラットケーブル12の先端部に接続されている。
【0024】
シリコン基板及び台座8の短辺の大きさはインナーチューブ5の内径よりも小さく、長辺の大きさはインナーチューブ5の内径よりも少なくとも大きくなっている。従って、シリコン基板を搭載した状態の台座8は、細長いインナーチューブ5内に挿入可能となっている。その際、シリコン基板においてパッドが形成されている側の端部はチューブ2の基端側に配置され、そうでない側の端部はチューブ2の先端側に配置される。つまり、センサチップ9の長手方向とチューブ軸線方向とは並行な関係になる。よって、センサチップ9の表面はチューブ軸線方向と直交する方向、即ちチューブ外周方向を向く。
【0025】
図1(b),図1(c),図2(a)に示されるように、外側のチューブ部材であるアウターチューブ4は把持爪22を備えている。同アウターチューブ4は、例えばSUS304等のような金属材料、即ち生体適合性の金属材料を用いて形成される。把持爪22は複数(本実施形態では2つ)であって、アウターチューブ4の先端部に突出するようにして形成されている。これらの把持爪22は、アウターチューブ4の中心軸線を基準として回転対称となるように対向形成されている。各把持爪22はアウターチューブ4の中心軸線方向に折り曲げられた状態で使用される。図1(b)は折り曲げ前の状態を示し、図1(c)は折り曲げ後の状態を示している。金属からなる各把持片22にはばね性が付与されている。アウターチューブ4の外周面には凹凸としての抜け止め溝21が形成されている。前記抜け止め溝21は複数本であって、アウターチューブ4の周方向に沿って環状に形成されている。このようなアウターチューブ4は、カテーテルチューブ2の先端開口に差し込むようにして装着される。
【0026】
図1(a),図2(a)等に示されるように、ピストン6は頭部24、テーパ部25及び胴部26を備えている。最も先端側に位置する頭部24は半円状に形成されていて、カテーテルチューブ2の外径とほぼ等しい最大径を有する。頭部24の外表面は受圧面としての役割を果たす。胴部26はアウターチューブ4の内径とほぼ等しい直径を有する。胴部26は把持爪22よりも基端側に位置している。テーパ部25は頭部24と胴部26とをつなぐ位置に存在する。同テーパ部25は先端に行くほど細くなっている。図1(c)に示されるように、把持爪22はそのテーパ部25を二方向から把持するようになっている。この状態において、前記ピストン6はチューブ2の長手方向に沿ってある程度は移動可能である。
【0027】
ピストン6は切欠部としての切欠溝23を頭部24に備えている。切欠溝23は複数(本実施形態では2つ)であって、各把持爪22に対応する位置にある。これらの切欠溝23はピストン6の中心軸線方向に沿って形成されている。図1(c)に示されるように、これらの切欠溝23には各把持爪22の先端部が配置されている。
【0028】
図2(a),図2(b)に示されるように、ピストン6とアウターチューブ4との接合部位、具体的にはピストン6における各切欠溝23の内部及びテーパ部25の外周側領域は、封止材7によって封止されている。従って、両把持爪22はその封止材7の下に完全に隠れている。ここで、封止材7やピストン6は、センサアセンブリ3を構成する部品のうち外部に露出しているものであるため、生体適合性材料によって形成されていることが望ましい。よって、本実施形態ではピストン6をPTFE(ポリテトラフロロエチレン)製にし、封止材7をシリコーンゴム製にしている。なお、センサアセンブリ3を構成する部品のうち外部に露出していないものについても、アウターチューブ4のように生体適合性材料を用いることが望ましい。
【0029】
続いて、センサアセンブリ3の組み付け手順を説明する。
まず、センサアセンブリ3を構成する各部品をあらかじめ用意する。センサチップ9は、ボンディングワイヤ18、中継タブ19及びフラットケーブル12と接続した状態で台座8に載置しておく。次に、台座8及びセンサチップ9を、圧力障壁11形成用の接着剤A1 を用いてインナーチューブ5内に固定する。次に、前記インナーチューブ5をアウターチューブ4の内部に挿入しかつ接着剤を用いて固定する。次いで、アウターチューブ4の基端側をカテーテルチューブ2の先端側開口に差し込むようにして装着する。このとき、装着の確実化を図るために接着剤を用いることが好ましい。次に、アウターチューブ4の内部に区画された媒体収容空間15にシリコーンゲル10を充填する。そして、各把持爪22間にピストン6のテーパ部25を挿入することにより、各把持爪22によりピストン6を把持させる。その結果、アウターチューブ4の先端開口が封止され、センサアセンブリ3の組み付けが完了する。なお、各把持片22はピストン取付工程の事前に折り曲げられていてもよいほか、ピストン取付工程の際に折り曲げられてもよい。また、ゲル充填工程及びピストン取付工程を先に行い、その後でアウターチューブ4をカテーテルチューブ2に装着してもよい。
【0030】
次に、このカテーテル1によるセンシングについて説明する。
このカテーテル1のカテーテルチューブ2は、シース管と呼ばれる補助部材を用いて血管内に挿入される。シース管はその内部に血液の逆流を防止するための逆流防止弁を備えており、カテーテルチューブ2の挿入に先立って血管内に挿入される。
【0031】
カテーテルチューブ2の先端の進行方向前方の状況が変わった場合、チューブ2の挿入抵抗が変化し、それに伴ってピストン6に作用する圧力も変化する。例えば、チューブ2が挿入されている血管の内部に障害物(血栓や腫瘍など)や狭窄部位がある場合には、センサアセンブリ3の頭部が同部位に押し付けられることにより、挿入抵抗が増加する。従って、ピストン6に作用する圧力も、それに伴って増加する。このような変化が起きた場合、媒体収容空間15内に充填されているシリコーンゲル10の圧力が増加し、その結果としてセンサチップ9のダイアフラム部16に加わる圧力も増加する。つまり、センサアセンブリ3の外部で起こった圧力変動は、シリコーンゲル10を介してセンサチップ9に間接的に伝達される。すると、センサチップ9のダイアフラム部16の歪みが大きくなり、その上にある歪みゲージ17の抵抗値が変化する。即ち、歪みゲージ17によって圧力変動が電気信号に変換される。このような電気信号は、ボンディングワイヤ18、中継タブ19及びフラットケーブル12を経て外部に出力される。フラットケーブル12はチューブ2の基端部にあるディスプレイ装置に接続されていて、前記電気信号はそこで処理されかつ可視化される。よって、オペレータは、その可視化されたデータを判断材料として、進行方向前方の状況、即ち障害物や狭窄の有無等を確実に検知することができる。つまり、オペレータは、上記の場合にワイヤを操作することによって、圧力が減少するような方向にセンサアセンブリ3の頭部を向ければよいことになる。
【0032】
さて、以下に本実施形態において特徴的な作用効果を列挙する。
(イ)本実施形態のカテーテル1では、アウターチューブ4の先端部に2つの把持爪22を形成するとともに、チューブ中心軸線方向に折り曲げられた両把持爪22によりピストン6を把持させる、という脱落防止対策を講じている。ゆえに、ピストン6を引き抜く方向に力が加わった場合には、両把持爪22がピストン6のテーパ部25によって押し広げられる方向に押圧される。両把持爪22には上記のごとくばね性が付与されているので、そのばね力がピストン6に対する抗力として作用する。その結果、ピストン6を引き抜く際の抵抗が大きくなる。従って、カテーテルチューブ2をシース管から引き抜くときにピストン6が逆流防止弁に挟まれたとしても、ピストン6がアウターチューブ4の先端開口から脱落しにくくなる。また、本実施形態では先端に行くほど細くなるテーパ部25をピストン6に設け、そこに両把持爪22を把持させている。このため、両把持爪22がピストン6を無理なく確実に把持することができる。即ち、テーパ部25の外周面に対して把持爪22の内側面全体が接触した状態となるからである。
【0033】
(ロ)本実施形態のカテーテル1では、ピストン6の頭部24に切欠溝23を2つ対向して形成するとともに、それらに両把持爪22の先端部をそれぞれ配置している。ゆえに、両把持爪22を頭部24の方向に長く形成することができるため、ピストン6がアウターチューブ4からより脱落しにくい構造となっている。また、両把持爪22が両切欠溝23に係止することで、ピストン6の回り止めも図られている。このことも脱落防止の確実化に貢献している。
【0034】
(ハ)本実施形態のカテーテル1では、アウターチューブ4の外周面に凹凸としての抜け止め溝21を設けている。従って、アウターチューブ4とカテーテルチューブ2との間の摩擦抵抗が増加する。それゆえ、カテーテルチューブ2をシース管から引き抜くときにピストン6が逆流防止弁に挟まれたとしても、ピストン6とともにアウターチューブ4がカテーテルチューブ2の先端開口から脱落することが回避される。
【0035】
(ニ)本実施形態のカテーテル1では、ピストン6とアウターチューブ2との接合部分が封止材7で封止されている。このため、前記接合部位を介して媒体収容空間15からシリコーンゲル10が漏出するという事態が確実に回避される。また、ピストン6の脱落防止がより確実なものとなる。
【0036】
なお、本発明は上記の実施形態のみに限定されることはなく、例えば次のように変更することが可能である。
◎ 把持爪22の数は2つに限定されない。例えば、図3(b),図3(c)に示される別例のアウターチューブ31のように、把持爪22を3つ備えるものとしてもよい。これらの把持爪22は、アウターチューブ32の中心軸線方向に折り曲げられた状態で使用される。各把持爪22は、アウターチューブ31の中心軸線を基準として回転対称となるように形成されている。この場合には、図3(a)に示されるように、切欠溝23を3つ備えるピストン32が用いられる。かかる別例の構成であると、アウターチューブ31及びピストン32の形状が若干複雑になる。その反面、ピストン6のテーパ部25が各把持爪22によって三方向から把持されるので、よりいっそう確実な脱落防止対策とすることができる。勿論、把持爪22の数を4つ以上にすることも許容される。
【0037】
◎ 図4に示される別例のカテーテル36のように、切欠溝23を持たないピストン38を用いてもよい。この場合、アウターチューブ37に形成された各把持爪22は実施形態のものよりも短くなっている。
【0038】
◎ 各把持爪22はアウターチューブ4の中心軸線を基準として必ずしも回転対称に形成されていなくてもよい。ただし、確実な脱落防止を図るうえでは、回転対称であるほうが好ましい。
【0039】
◎ 切欠部は必ずしも実施形態のような溝状でなくてもよく、例えば単なる凹部のようなものであってもよい。
◎ アウターチューブ4の外周面に形成される凹凸は実施形態のような抜け止め溝21に限定されることはなく、例えば突起等であってもよい。この場合、凹凸を設けるとともにカテーテルチューブ2との接合に接着剤を用いれば、より確実な脱落防止を図ることができる。
【0040】
◎ アウターチューブ4の材料はSUS304以外のステンレスでもよく、ステンレス以外の金属であってもよい。また、樹脂材料を用いてもよい。
◎ インナーチューブ5を省略して、アウターチューブ4の内壁面に直かに台座8を設置してもよい。このようにすると、構造の簡略化及び部品点数の低減を図ることができる。
【0041】
◎ 台座8の上面とセンサチップ9の下面との間に背圧室を形成してもよい。また、かかる背圧室は、台座8に形成される背圧孔を介して相対圧領域に連通されていてもよい。
【0042】
◎ 圧力伝達媒体としてのシリコーンゲル10に代えて、シリコーン以外のゲル状物質を選択してもよく、さらにはシリコーンオイル等のような流動性のある物質を使用してもよい。なお、いわゆる媒体に「おどり」現象が起こりにくいということを鑑みると、シリコーンゲル10のようなゲル状物質を選択することがより好ましい。
【0043】
ここで、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想をその効果とともに以下に列挙する。
(1) 請求項乃至5のいずれか1項において、前記切欠部は前記ピストンの中心軸線方向に沿って形成された切欠溝であることを特徴とするセンサ機構付きカテーテル。
【0044】
(2) 請求項1乃至5、技術的思想1のいずれか1項において、前記把持爪は前記アウターチューブの中心軸線を基準として回転対称に形成されていることを特徴とするセンサ機構付きカテーテル。この構成であると、回転対称でない場合に比べ、確実な脱落防止を図ることができる。
【0045】
(3) 請求項4,5、技術的思想1,2のいずれか1項において、前記凹凸は複数の抜け止め溝であることを特徴とするセンサ機構付きカテーテル。この構成であると、チューブ部材とカテーテルチューブとの間の摩擦抵抗が増加することで、チューブ部材が脱落しにくくなる。
【0046】
(4) 請求項5、技術的思想1乃至3のいずれか1項において、前記ピストン、前記チューブ部材及び前記封止材はいずれも生体適合性材料からなることを特徴とするセンサ機構付きカテーテル。この構成であると、生体内での使用に適したものとすることができる。
【0047】
なお、本明細書中において使用した技術用語を次のように定義する。
「生体適合性材料:血液、体液、リンパ液、その他の生体内物質との反応性が低い材料をいい、例えばシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリ塩化ビニル等の樹脂、ステンレスや金等の金属、アルミナやジルコニア等のセラミックスなどがある。」
【0048】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1〜5に記載の発明によれば、ピストンが脱落する心配のないセンサ機構付きカテーテルを提供することができる。
【0049】
請求項1または2に記載の発明によれば、複数の把持爪によってピストンが無理なく確実に把持されることができる。
請求項2または3に記載の発明によれば、ピストンがチューブ部材からより脱落しにくくなる。
【0050】
請求項4に記載の発明によれば、チューブ部材がカテーテルチューブから脱落しにくくなる。
請求項5に記載の発明によれば、圧力伝達媒体の漏出が確実に回避されるとともに、ピストンの脱落防止がより確実なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明を具体化した一実施形態のセンサ機構付きカテーテルのピストンを示す斜視図、(b)は同カテーテルのアウターチューブを示す斜視図、(c)はピストンをアウターチューブに把持させた状態を示す斜視図。
【図2】(a)は同カテーテルのセンサアセンブリの部分概略断面図、(b)は同じくその正面図。
【図3】(a)は別例のセンサ機構付きカテーテルのピストンを示す斜視図、(b)は同カテーテルのアウターチューブを示す斜視図、(c)はピストンをアウターチューブに把持させた状態を示す斜視図。
【図4】(a)は別例のカテーテルのセンサアセンブリの部分概略断面図、(b)は同じくそのピストンの斜視図。
【図5】(a)は従来のセンサ機構付きカテーテルのセンサアセンブリの部分概略断面図、(b)は同じくそのピストンの斜視図。
【図6】(a)〜(c)はシース管を用いた場合の問題点を説明するための概略図。
【符号の説明】
1,36…センサ機構付きカテーテル、2…カテーテルチューブ、4,31,37…チューブ部材としてのアウターチューブ、6,32,38…ピストン、7…封止材、9…感圧手段としての半導体式圧力センサチップ、10…圧力伝達媒体としてのシリコーンゲル、21…凹凸としての抜け止め溝、22…把持爪、23…切欠部としての切欠溝、24…頭部、25…テーパ部。

Claims (5)

  1. ピストンと圧力伝達媒体と感圧手段とを備えるチューブ部材がカテーテルチューブの先端に装着され、前記ピストンが受ける圧力の変動を前記圧力伝達媒体を介して前記感圧手段に伝達するように構成されたセンサ機構付きカテーテルにおいて、
    前記ピストンは先端に行くほど細くなるテーパ部を備え、前記チューブ部材は先端部に複数の把持爪が形成され、該複数の把持爪はチューブ中心軸線方向に折り曲げられて前記ピストンのテーパ部を把持することを特徴とするセンサ機構付きカテーテル。
  2. 前記ピストンの頭部に複数の切欠部を形成するとともに、前記各切欠部に前記各把持爪の先端部を配置することを特徴とする請求項1に記載のセンサ機構付きカテーテル。
  3. ピストンと圧力伝達媒体と感圧手段とを備えるチューブ部材がカテーテルチューブの先端に装着され、前記ピストンが受ける圧力の変動を前記圧力伝達媒体を介して前記感圧手段に伝達するように構成されたセンサ機構付きカテーテルにおいて、
    前記ピストンの頭部には複数の切欠部が形成され、前記チューブ部材は先端部にチューブ中心軸線方向に折り曲げられる複数の把持爪が形成され、それら把持爪の先端部は前記各切欠部に配置されて前記ピストンを把持することを特徴とするセンサ機構付きカテーテル。
  4. 前記チューブ部材の外周面には凹凸が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のセンサ機構付きカテーテル。
  5. 前記ピストンと前記チューブ部材との接合部分は封止材で封止されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のセンサ機構付きカテーテル。
JP23275097A 1997-08-28 1997-08-28 センサ機構付きカテーテル Expired - Fee Related JP3798526B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23275097A JP3798526B2 (ja) 1997-08-28 1997-08-28 センサ機構付きカテーテル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23275097A JP3798526B2 (ja) 1997-08-28 1997-08-28 センサ機構付きカテーテル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1156794A JPH1156794A (ja) 1999-03-02
JP3798526B2 true JP3798526B2 (ja) 2006-07-19

Family

ID=16944179

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23275097A Expired - Fee Related JP3798526B2 (ja) 1997-08-28 1997-08-28 センサ機構付きカテーテル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3798526B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SE0302097L (sv) * 2003-07-18 2005-03-08 Radi Medical Systems Sensor- och styrtrådsanordning för intravaskulär mätning av fysiologiska variabler

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1156794A (ja) 1999-03-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6019729A (en) Sensor mechanism-equipped catheter
JP3570800B2 (ja) センサ機能を備えたカテーテル
JP3737554B2 (ja) センサ機能を備えたカテーテル
JP3675835B2 (ja) 圧力センサとガイドワイヤの組立体
JP3705458B2 (ja) センサ機構付きカテーテル
JP5347656B2 (ja) カテーテル
EP0712294B1 (en) Coaxial cable vascular access system
US7520858B2 (en) Catheter with pressure sensor and guidance system
US4941473A (en) Guide for mechanical guiding of a catheter in connection with cardio and vascular examination
JP4222775B2 (ja) 生物の体内に挿入可能な測定装置
US6264612B1 (en) Catheter with mechano-responsive element for sensing physiological conditions
JP3638066B2 (ja) センサ機構付きカテーテル
JP2007511308A (ja) センサ・ガイドワイヤ・アセンブリ
JPH06190050A (ja) 触覚機能を具備する体内挿入用医療器具
JP2017501755A (ja) センサ・ガイド・ワイヤ装置及びセンサ・ガイド・ワイヤ装置を備えたシステム
JP3798526B2 (ja) センサ機構付きカテーテル
JP6429001B2 (ja) カテーテル
JP3737613B2 (ja) センサ機構付きカテーテル及びそのセンサ部本体の製造方法
JP3922671B2 (ja) センサ機構付きカテーテル
JP3565982B2 (ja) センサ機能を備えたカテーテル
JP3771553B2 (ja) 化学検査装置
JP2001170013A (ja) 圧力検知機構付きカテーテル
US20230010079A1 (en) Disposable pressure transducer
EP0377943A1 (en) Intrauterine catheter
JPH10234855A (ja) カテーテル

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040312

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050822

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060110

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060217

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060411

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060420

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100428

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110428

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120428

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130428

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees