JPH1174849A - 電気ベクトルポテンシャル発生方法及びこれを用いたエネルギー伝播システム、通信システム並びにこれに用いる発信、受信装置 - Google Patents

電気ベクトルポテンシャル発生方法及びこれを用いたエネルギー伝播システム、通信システム並びにこれに用いる発信、受信装置

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JPH1174849A
JPH1174849A JP9188698A JP18869897A JPH1174849A JP H1174849 A JPH1174849 A JP H1174849A JP 9188698 A JP9188698 A JP 9188698A JP 18869897 A JP18869897 A JP 18869897A JP H1174849 A JPH1174849 A JP H1174849A
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vector potential
dielectric
power supply
energy
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JP9188698A
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Osamu Yamashita
治 山下
Makoto Kawakami
川上  誠
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Proterial Ltd
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Sumitomo Special Metals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は全く新しい電気ベクトルポテンシャ
ルの発生方法及びこれを用いたエネルギー伝播システ
ム、通信システム並びにこれに用いる発信、受信装置を
提供するにある。 【解決手段】 発信装置11は誘電体12の両端に電極
13、14を固定し、この電極13、14を介して交流
電源17から所定周波数f、交流電圧Vの振動電圧を印
加するよう構成する。一方、受信装置21は磁気センサ
で構成し、前記誘電体12から送出される電気ベクトル
ポテンシャルによって生じる磁場を捕捉するようにす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は全く新規なエネルギ
ーである電気ベクトルポテンシャル(エネルギー)の発
生方法及びこれを用いた新規なエネルギー伝播システ
ム、通信システム、並びにこれに用いる発信、受信装置
に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
エネルギー伝播手段として宇宙空間等におけるマイクロ
波の利用が、また一般通信手段として電波の利用が広く
知られている。しかしこれらは障害物によって遮蔽され
易く、使用場所、環境によってエネルギー、信号の送受
信に支障を生じることが少なくない。
【0003】また電磁波を利用する通信システム、例え
ば携帯電話等は至近距離では数百ミリガウスの漏洩電磁
波があるため、精密機器の誤動作を引き起こし、更に人
体に与える悪影響の可能性も無視出来ないものとなって
いる。
【0004】本発明者等は通信システムについての研究
過程で、従来その存在が既に立証されている磁気ベクト
ルポテンシャルにヒントを得て電気ベクトルポテンシャ
ルなる全く新たなエネルギーの存在を予測するに至っ
た。そしてこの電気ベクトルポテンシャルについての理
論の構築及びその存在の立証に務め、これを実現するに
至った。またこの過程を通じてその実用的な用途を探索
した結果、電気ベクトルポテンシャルが比較的遠方まで
伝播が可能であること、また金属等電磁波において遮蔽
物として機能する導電性物質に影響を受けることなく伝
播が可能であること等の特性を備えており、電磁波に代
わる新たな通信用媒体としての利用が可能であることが
立証出来た。
【0005】本発明はかかる発見を基礎にして、これを
実用的な技術として結実させたものであり、第1の目的
は電気ベクトルポテンシャルそれ自体を効率的に発生さ
せる方法を提供することにある。第2の目的は電気ベク
トルポテンシャルの伝播システム、即ちエネルギー伝播
システム又は電気ベクトルポテンシャルを伝播媒体とす
る通信システムを提供することにある。更に第3の目的
は電気ベクトルポテンシャルを用いた通信システムに用
いる発信装置、受信装置を得ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係る電気ベ
クトルポテンシャル発生方法は、誘電体に振動電圧を印
加することを特徴とする。
【0007】第2の発明に係るエネルギー伝播システム
は、電気ベクトルポテンシャルをエネルギーの伝播体と
することを特徴とする。
【0008】第3の発明に係るエネルギー伝播システム
は、電気ベクトルポテンシャルを発生し、送出するエネ
ルギー送出装置と、電気ベクトルポテンシャルの発生に
より生じた磁場を捕捉するエネルギー捕捉装置とを含む
ことを特徴とする。
【0009】第4の発明に係る通信システムは、電気ベ
クトルポテンシャルを信号伝播媒体として用いることを
特徴とする。
【0010】第5の発明に係る通信システムは、電気ベ
クトルポテンシャルは断続的に発生し、伝播されること
を特徴とする。
【0011】第6の発明に係る通信システムは、電気ベ
クトルポテンシャルは大,小変化することを特徴とす
る。
【0012】第7の発明に係る通信システムは、電気ベ
クトルポテンシャルを発生し、送出する手段を有する発
信装置と、送出された電気ベクトルポテンシャルによる
磁場を捕捉する手段を有する受信装置を備えることを特
徴とする。
【0013】第8の発明に係る通信システムは、誘電
体、該誘電体に振動電圧を印加するための電源及び振動
電圧を送出すべき信号に対応して変調する手段からなる
発信装置と、該発信装置から送出される電気ベクトルポ
テンシャルによる磁場を捕捉する受信装置とを備えるこ
とを特徴とする。
【0014】第9の発明に係る発信装置は、電気ベクト
ルポテンシャルを発生し、送出する手段を備えることを
特徴とする。
【0015】第10の発明に係る発信装置は、誘電体
と、該誘電体に振動電圧を印加するための電源と、該電
源から前記誘電体に印加すべき電圧を送信信号に対応し
てFM変調する手段とを備えることを特徴とする。
【0016】第11の発明に係る発信装置は、誘電体
と、該誘電体に振動電圧を印加するための電源と、該電
源から前記誘電体に印加すべき電圧を送信信号に対応し
てAM変調する手段とを備えることを特徴とする。
【0017】第12の発明に係る発信装置は、誘電体
と、該誘電体に振動電圧を印加するための電源と、該電
源から前記誘電体に印加すべき電圧を送信信号に対応し
て断続させる手段とを備えることを特徴とする。
【0018】第13の発明に係る請求項10、11又は
12記載の発信装置は、前記誘電体はその外囲を電磁波
シールド材料で覆ってあることを特徴とする。
【0019】第14の発明に係る受信装置は、電気ベク
トルポテンシャルの発生に伴う磁場を捕捉することを特
徴とする。
【0020】第15の発明に係る受信装置は、電気ベク
トルポテンシャルは断続的に発生するようにしてあるこ
とを特徴とする。
【0021】第16の発明に係る受信装置は、電気ベク
トルポテンシャルは大,小変化するようにしてあること
を特徴とする。
【0022】第17の発明に係る受信装置は、コイル
と、該コイルに通電する電流と、コイルに通流する電流
を検出する手段とを備えることを特徴とする。
【0023】第18の発明に係る請求項17に記載の受
信装置は、前記コイルはその外囲を磁気シールド材料で
覆ってあることを特徴とする。
【0024】
【発明の原理】以下に本発明の原理を説明する。本発明
の基礎となっている電気ベクトルポテンシャルに似た物
質量として磁気ベクトルポテンシャルがある。この磁気
ベクトルポテンシャルについては、既に電子線ホログラ
フィーによる電子線の干渉実験によってその存在が確認
されている(Phys. Rev. Let.48, 1443(1982))。ところ
が、電気ベクトルポテンシャルについては従来その概念
自体が全く存在せず、またその存在が予測されたことも
ない。
【0025】図1は本発明の原理説明図である。電荷量
が+Qと−Qとの荷電粒子が距離aだけ隔てて存在して
いる電気双極子を示している。いま、両荷電粒子を結ぶ
線分L(+Q側をz軸方向とする)の2等分点Oを含む
線分Lと直交する平面S上に、O点を原点として互いに
直交する2方向にx軸、y軸をとると、平面S上におけ
る原点Oから距離rの位置における電荷Qから発生する
電束密度*D(以下ベクトルについては*印を付して示
すこととし、ベクトルDは*Dと表す)はそのx軸方向
成分Dx 、y軸方向成分Dy はいずれも零であって、z
軸方向成分Dzのみであり、*D(Dx ,Dy ,Dz
における各Dx ,Dy 、Dz は下記(1)、(2) 式の値と
なる。 Dx =Dy =0 …(1) Dz =−Q・a/4π{(a/2)2 +r2 3/2 …(2)
【0026】ところで磁気ベクトルポテンシャル*A
(以下ベクトルAを*Aと表す)については、磁束密度
*B(以下ベクトルBを*Bと表す)がdiv *B=0の
条件を満足するよう*B=rot *Aとして定義してい
る。そこで、本発明者等がその存在を予測している電気
ベクトルポテンシャル*C(以下ベクトルCを*Cと表
す)について、磁気と電気との類似性から、これを磁気
ベクトルポテンシャル*Aに対応させてみると、(1) 、
(2) 式から div Dz =∂Dz /∂z=0 即ち、div *D=0の条件が成立する。従って、電気ベ
クトルポテンシャル*Cは磁気ベクトルポテンシャル*
Aと同様に下記(3) 式の如くに定義することが出来るこ
とが解った。 *D=rot *C …(3) (3) 式中の電気ベクトルポテンシャル*Cは次の如くに
求められる。即ち、(3) 式は(4) 、(5) 、(6) 式の如く
に書き直せる。
【0027】
【数1】
【0028】
【数2】
【0029】となり、(4) 、(5) 、(6) 式に対応する関
係である(7) 、(8) 、(9) 式が成立し、従って電気ベク
トルポテンシャル*Cは下記(10)式で表せることとな
る。 *C=Q・a(−y*e1 +x*e2 )/4πr2 {(a/2)2 +r2 1/2 …(10) 但し、*e1 ,*e2 :平面Sの面内座標 なおa≫rとすると電気ベクトルポテンシャル*Cは下
記(11)式の如くより簡単に表わされる。 *C=Q(−y*e1 +x*e2 )/2πr2 …(11)
【0030】ベクトル場における有限な面Sについてス
トークスの定理に依れば、電気ベクトルポテンシャル*
Cはポテンシャルとして下記(12)式を満足する必要があ
るが、
【0031】
【数3】
【0032】電気ベクトルポテンシャル*Cが、例えば
閉ループ状に連続であるとすれば、(12)式を満足するこ
とは以下の如くに証明出来る。即ち、
【0033】
【数4】
【0034】
【数5】
【0035】となり、両者は等しくなる。つまり、電気
ベクトルポテンシャル*Cは連続したループ状となって
いることが解る。このことから、電気ベクトルポテンシ
ャル*Cは常に連続、換言すれば、物理的に遮蔽するこ
とが不可能な媒体であり、エネルギーとしての伝送は勿
論、通信用の信号媒体として極めて透過性に優れた伝播
媒体であるということが出来る。
【0036】またマクスウェルの電磁方程式である(13)
式において、 rot *H=*i+ (∂*D/∂t) …(13) *i=0、即ち、電流零で電圧のみが印加されている場
合には、磁場*Hと電束密度*Dとの間には rot *H=∂*D/∂t の関係が成立するから、 *H=∂*C/∂t となり、電気ベクトルポテンシャル*Cの時間変化が直
接磁場を形成することとなることが解る。磁場*Hの絶
対値は、 *H=(∂Q/∂t)/2πr となり、電気双極子の中心からの距離rに反比例して減
少するから、電気ベクトルポテンシャル*Cのレベルを
上げる、換言すれば*Cの発生に伴う磁場*Hを大きく
するには∂Q/∂tを大きくすればよいこととなる。
【0037】つまり良好なエネルギーの伝播又は通信信
号の伝播を行うには電荷量±Qの時間変化量を出来るだ
け大きくするのが望ましい。なお地磁気等の影響が考え
られるが、これは静磁場であるのに対し、電気ベクトル
ポテンシャルによる磁場は変動しているため、識別は容
易に行うことが出来る。
【0038】以上の如く本発明者等が予測した電気ベク
トルポテンシャルの存在は理論上矛盾なく説明出来たこ
ととなり、しかも、エネルギー伝播又は通信信号の伝播
媒体に用いて、従来の電磁波を利用した通信システムで
は通信が不可能な環境下、例えば水中、地中、導電材料
で囲われた空間の内,外間においても通信が可能な通信
システムが得られることとなる。なお電気ベクトルポテ
ンシャルについての実験的な存在の立証は後述する。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明をエネルギー伝播シ
ステムに適用した場合を示す実施の形態につき図面に基
づき具体的に説明する。
【0040】(実施の形態1)図2は本発明の実施の形
態1であるエネルギー伝播システムの構成を示す模式図
であり、図中11はエネルギー送出装置、21はエネル
ギー捕捉装置を示している。エネルギー送出装置11と
しては、本発明の原理において説明した電気双極子に対
応するものとして誘電体12の両面に電極13、14を
設け、電極13、14にリード線15、16の一端を接
続し、各他端は交流電源17を含む制御部18に接続し
てあるが、リード線16の途中にはスイッチWを介装し
てある。交流電源17からは、制御部18による制御に
従って電極13、14を介して誘電体12に対し調整さ
れた所定周波数fの交流電圧Vが印加されるようにして
ある。制御部18は誘電体12に印加すべき振動電圧、
具体的には交流電圧V、周波数fを変え、また交流電源
17から誘電体12に対する交流電圧の印加を断続させ
送出する電気ベクトルポテンシャル*Cを大,小変化さ
せ、また断続させて、エネルギー捕捉装置21に対して
エネルギーを伝播させ得るようにしてある。
【0041】エネルギー送出装置11を構成する誘電体
12はPLZT等を材料にして円柱形又は円板形に形成
されているが、材質(誘電率ε)、断面積、厚さ、形状
等については適宜に設定すればよい。また交流電源17
から誘電体12に印加する交流電圧V(=V0 sin ω
t)及び周波数f(ω=2πf)の値についても特に限
定するものではなく、電気ベクトルポテンシャルを発生
し得る値以上において、伝播距離r、エネルギー捕捉装
置21の感度等を勘案して下記(14)式又は(15)式を満足
するよう定めればよい。このための条件である電荷量Q
の時間的変化量∂Q/∂tは下記(14)式で与えられる。 ∂Q/∂t=εSV0 2πf cosωt/a …(14) この場合における誘電体12の2等分点Oを含む平面S
における前記O点からの距離rにおける磁場*Hは下記
(15)式となる。 *H=εSV0 f cosωt/a・r …(15)
【0042】また磁束密度*Bは*B=μ0 *Hである
から(15)式を用いて下記(16)式で与えられる(μ0 は真
空の透磁率である)。 *B=μ0 εSV0 f cosωt/a・r …(16) この磁場の磁束密度をエネルギー捕捉装置たる磁気セン
サにて捕捉することとなる。磁束密度*Bは(16)式から
も明らかなように周波数f及びその電圧V0 (又はV)
を高くすれば大きくなるから、これを高めることによっ
て捕捉可能な磁場強度が得られることとなる。
【0043】ただ周波数fを高くし過ぎると、電磁波が
輻射され、また発生磁場が過大になると周辺機器に与え
る影響も大きく、誤動作の原因となり、また人体への悪
影響も考えられるから、電磁波の輻射防止のためのエネ
ルギー送出装置11は全体を金属筒等にて覆っておくの
が望ましく、また発生磁場は数十ミリガウス程度に抑え
るのが望ましい。
【0044】一方、エネルギー捕捉装置21は磁気セン
サとして構成され、磁場の変化に対応した電流を誘起さ
せるコイル、このコイルに通電する電源及びコイルの電
流を検出する電流センサ等を備えており、上記した磁場
*H又は磁束密度*Bを捕捉し、これを電流又は電圧に
変換し、磁束密度に対応した出力信号が得られるように
したものであればよく、市販の高感度磁気センサ(5μ
G程度の検出が可能なもの)をそのまま用いてもよい。
ただエネルギー捕捉装置21の場合も周辺の電気製品、
各種機器等から発生する電磁波による磁場を観測してし
まうため、結果的にS/N比が低下する恐れがあり、周
囲を軟磁性金属で磁気シールドしておくのが望ましい。
【0045】このような実施の形態1の動作を説明す
る。スイッチWをオンし、交流電源17から制御部18
によって設定された周波数f、電圧Vの交流電圧を電極
13、14を介して誘電体12へ印加する。これによっ
てエネルギー送出装置11の誘電体12からはその対角
線を結ぶ2本の線分で囲われた角度θの範囲内で電気ベ
クトルポテンシャルが送出され、エネルギー捕捉装置2
1に到達する。エネルギー捕捉装置21はコイルに通電
した状態としておく。これによって前記電気ベクトルポ
テンシャルが到達すると、これに伴う磁束密度の変化に
よりコイルに電流が誘起され、コイルに流れる電流が変
化する。この変化は電流センサによって検出され、電流
センサとしての出力相当分が捕捉エネルギーとなる。
【0046】(実施の形態2)図3は本発明の実施の形
態2である通信システムの構成を示す模式図である。発
信装置31は電気ベクトルポテンシャル発生装置として
構成されており、円柱状の誘電体32の軸方向における
両端面に銅製の電極33、34を銀ペースト等にて接合
固定してある。各電極33、34にはリード線35、3
6の各一端が接続され、その他端部は変調部37を介在
させて交流電源38及び信号発生部39へ接続されてい
る。
【0047】誘電体32としては比誘電率が5000のPL
ZTを直径28mm、長さ10mmの円柱状に加工したもの
を用いている。誘電体32の材質、比誘電率、形状につ
いては特に上記のものに限るものではなく、材質につい
ては他にチタン酸バリウム等が、また比誘電率について
は50〜10000 の範囲内であればよく、更に形状について
は円板形、円筒形等であってもよい。図4は発信装置3
1の具体的構成を示す模式的断面図であり、誘電体32
及び電極33、34はリード線35a、35bの一部を
含めて全体を軟質磁性金属であるパーマロイ製の円筒体
40内に収納し、またリード線35a、35bのうち円
筒体40の外に引き出されている部分は、その周囲を絶
縁材36aにて、更にその外側を肉厚2mmの金属パイプ
36bにて二重にシールドしてある。
【0048】図5は受信装置41の具体的構成を示す模
式的断面図である。受信装置41は磁束密度を検出して
電気的信号として出力する磁気センサ42にて構成され
ており、分解能が5μG程度以上の高感度のものであ
る。また磁気センサ42はリード線44の引出し部を除
いて略全周囲を肉厚0.5mmのパーマロイ製のケース4
3で覆って磁気シールドを施してある。リード線44の
引出し部には、ケース43に同じ材料の磁気シールドパ
イプ45の一端を連結してあり、この内部を通してリー
ド線44が外部に引き出されている。ケース43の材質
等については特にこれに限るものではなく、磁気シール
ド作用を備えるものであれば何でもよい。
【0049】次にこのような通信システムの動作を説明
する。図3においてスイッチWをオンし、交流電源38
にて両電極33、34に所定周波数(例えば、10kHz
)、所定電圧(例えば、10kV)を印加することで誘
電体32の周囲には電気ベクトルポテンシャルを発生さ
せるが、信号発生部39にて送信信号に対応した信号を
変調部37へ出力する。変調部37は交流電源38から
の交流電圧を、信号発生部39からの信号に応じて変調
(FM変調又はAM変調、又はパルス変調)し、これを
誘電体32へ印加する。これによって、誘電体32から
は大,小変化された電気ベクトルポテンシャル又は断続
した電気ベクトルポテンシャルが送出され、受信装置4
1へ伝播される。
【0050】受信装置41はコイルを電源により通電状
態に保持されており、電気ベクトルポテンシャルが到達
すると、これに伴う磁場*H、具体的には磁束密度*B
が変化し、これに伴ってコイルに電流が誘起され、コイ
ルに流れる電流が変化する。この変化を電流センサにて
検出し、変化に対応した電圧又は電流信号を出力する。
これによって通信が可能となる。このような通信システ
ムにおいては発信装置31は誘電体32、電極33、3
4からは電磁波が発生しても、この電磁波は円筒体40
及び金属パイプ36bによってシールドされており、外
部に放射されることはない。
【0051】また受信装置41にあっては周辺の電気機
器から発せられる電磁波は磁気シールド材料にてシール
ドしているから、発信装置31からの電気ベクトルポテ
ンシャルの伝播による磁束密度の変化のみを正確に捕捉
することが可能となる。
【0052】次に本発明に係る通信システムの試験結果
を示す。試験の対象としては発信装置31、受信装置4
1は図3、4に示した構成のものであって、周波数が1
0kHz 、電圧が10kVの交番電圧を電極33、34に印
加し、また円筒体40及び金属パイプ36bに誘起され
た電荷を逃がすため、これらには夫々アースを接続し
た。
【0053】一方、受信装置41は分解能5μGのもの
を用い、発信装置31からの距離rを変化させて磁束密
度*Bを測定した。結果は表1に示すとおりである。な
お比較例として一対の電極間を直接接続し、これに実施
の形態2に示したのと同じ大きさの磁場を発生し得るよ
うに調整し、周波数10kHz の電流を流すようにした発
信装置を構成し、また受信装置は検知部の略全体をパー
マロイで覆った場合と、覆わなかった場合とについて磁
場の振幅を測定した。
【0054】
【表1】
【0055】表1から明らかなように距離rは100m
であっても磁場は再現性よく受信装置に捕捉されている
ことが解る。また電気ベクトルポテンシャルによる磁場
は受信装置である磁気センサの検知部を磁気シールドす
るか否かにかかわらず計算値と一致しており、磁気シー
ルドによる影響は全くなく、磁気シールドは周辺電気機
器からの電磁波をシールドする機能のみを司っているこ
とが解る。これに対して比較例では、電流によって発生
させた磁場は電磁波をシールドした場合と、しない場合
との結果に大きな差異が存在することが解る。
【0056】
【発明の効果】第1の発明にあっては電気ベクトルポテ
ンシャルを効率的に発生することが出来、しかも金属等
の導電体の存在に影響されることなく、エネルギーの伝
播が出来る。
【0057】第2、第3の発明にあっては電気ベクトル
ポテンシャルを伝播させてエネルギーの伝播が可能とな
る。
【0058】第4〜第8の発明にあっては誘電体に周波
数、電圧の異なる振動電圧を印加して電気ベクトルポテ
ンシャルを信号伝播媒体として用いることで全体の設備
が簡略となり、しかも遮蔽されることなく屋、内外での
送受信が可能な通信システムが得られる。
【0059】第9〜第18の発明にあっては発信装置又
は受信装置として構成が極めて簡単で安価に済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明図である。
【図2】本発明におけるエネルギー伝播システムの構成
を示す模式図である。
【図3】本発明における通信システムの構成を示す模式
図である。
【図4】本発明の通信システムに用いる発信装置の構成
を示す模式的断面図である。
【図5】本発明の通信システムに用いる受信装置の構成
を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
11 エネルギー送出装置 12 誘電体 13、14 電極 15、16 リード線 17 交流電源 18 制御部 21 エネルギー捕捉装置 31 発信装置 32 誘電体 33、34 電極 35、36 リード線 36a 絶縁体 36b 金属パイプ 38 交流電源 40 円筒体 41 受信装置 42 磁気センサ 43 ケース

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体に振動電圧を印加することを特徴
    とする電気ベクトルポテンシャル発生方法。
  2. 【請求項2】 電気ベクトルポテンシャルをエネルギー
    の伝播体とすることを特徴とするエネルギー伝播システ
    ム。
  3. 【請求項3】 電気ベクトルポテンシャルを発生し、送
    出するエネルギー送出装置と、電気ベクトルポテンシャ
    ルの発生により生じた磁場を捕捉するエネルギー捕捉装
    置とを含むことを特徴とするエネルギー伝播システム。
  4. 【請求項4】 電気ベクトルポテンシャルを信号伝播媒
    体として用いることを特徴とする通信システム。
  5. 【請求項5】 電気ベクトルポテンシャルは断続的に発
    生し、伝播されることを特徴とする請求項4記載の通信
    システム。
  6. 【請求項6】 電気ベクトルポテンシャルは大,小変化
    することを特徴とする請求項4記載の通信システム。
  7. 【請求項7】 電気ベクトルポテンシャルを発生し、送
    出する手段を有する発信装置と、送出された電気ベクト
    ルポテンシャルによる磁場を捕捉する手段を有する受信
    装置を備えることを特徴とする通信システム。
  8. 【請求項8】 誘電体、該誘電体に振動電圧を印加する
    ための電源及び振動電圧を送出すべき信号に対応して変
    調する手段からなる発信装置と、該発信装置から送出さ
    れる電気ベクトルポテンシャルによる磁場を捕捉する受
    信装置とを備えることを特徴とする通信システム。
  9. 【請求項9】 電気ベクトルポテンシャルを発生し、送
    出する手段を備えることを特徴とする発信装置。
  10. 【請求項10】 誘電体と、該誘電体に振動電圧を印加
    するための電源と、該電源から前記誘電体に印加すべき
    電圧を送信信号に対応してFM変調する手段とを備える
    ことを特徴とする発信装置。
  11. 【請求項11】 誘電体と、該誘電体に振動電圧を印加
    するための電源と、該電源から前記誘電体に印加すべき
    電圧を送信信号に対応してAM変調する手段とを備える
    ことを特徴とする発信装置。
  12. 【請求項12】 誘電体と、該誘電体に振動電圧を印加
    するための電源と、該電源から前記誘電体に印加すべき
    電圧を送信信号に対応して断続させる手段とを備えるこ
    とを特徴とする発信装置。
  13. 【請求項13】 前記誘電体はその外囲を電磁波シール
    ド材料で覆ってあることを特徴とする請求項10、11
    又は12記載の発信装置。
  14. 【請求項14】 電気ベクトルポテンシャルの発生に伴
    う磁場を捕捉することを特徴とする受信装置。
  15. 【請求項15】 電気ベクトルポテンシャルは断続的に
    発生するようにしてあることを特徴とする請求項14記
    載の受信装置。
  16. 【請求項16】 電気ベクトルポテンシャルは大,小変
    化するようにしてあることを特徴とする請求項14記載
    の受信装置。
  17. 【請求項17】 コイルと、該コイルに通電する電流
    と、コイルに通流する電流を検出する手段とを備えるこ
    とを特徴とする受信装置。
  18. 【請求項18】 前記コイルはその外囲を磁気シールド
    材料で覆ってあることを特徴とする請求項17記載の受
    信装置。
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