JPH1188272A - 電気ベクトルポテンシャルを用いた通信システム及びこれに用いる発信装置 - Google Patents

電気ベクトルポテンシャルを用いた通信システム及びこれに用いる発信装置

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JPH1188272A
JPH1188272A JP23873597A JP23873597A JPH1188272A JP H1188272 A JPH1188272 A JP H1188272A JP 23873597 A JP23873597 A JP 23873597A JP 23873597 A JP23873597 A JP 23873597A JP H1188272 A JPH1188272 A JP H1188272A
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JP
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dielectric
vector potential
electric vector
signal
communication system
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Application number
JP23873597A
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English (en)
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Osamu Yamashita
治 山下
Makoto Kawakami
川上  誠
Tsunekazu Saigo
恒和 西郷
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Hitachi Metals Ltd
Original Assignee
Sumitomo Special Metals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気ベクトルポテンシャル発生のための装置
の小型、軽量化により、携帯を可能とする。 【解決手段】 誘電体12は比誘電率が500以上の材
料を用いて厚さ5mm以下の楕円形状、又は長方形状の薄
い板状に形成し、その長径と端径との比又は長辺と短辺
との比が4:1以上とし、これをその両側から電極1
3、14で挟んでコンデンサ型に組み立てる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なエネルギー
である電気ベクトルポテンシャル(エネルギー)を用い
た通信システム及びこれに用いる発信装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
エネルギー伝播手段として宇宙空間等におけるマイクロ
波の利用が、また一般通信手段として電波の利用が広く
知られている。しかしこれらは障害物によって遮蔽され
易く、使用する場所及び環境によってエネルギー又は信
号の送,受信に支障を生じることが少なくない。
【0003】また電磁波を利用する通信システム、例え
ば携帯電話等は数百ミリガウスの漏洩電磁波があるた
め、至近距離では精密機器の誤動作を引き起こし、種々
のトラブルを招く虞れがある他、人体に与える悪影響の
可能性も無視出来ないものとなっている。
【0004】本発明者等は通信システムについての研究
過程で、従来その存在が既に立証されている磁気ベクト
ルポテンシャル(Phys. Rev. Lett.48,1443(1982))にヒ
ントを得て電気ベクトルポテンシャルなる新たなエネル
ギーの存在を予測するに至った。そしてこの電気ベクト
ルポテンシャルについての理論の構築及びその存在の立
証に務め、これを実現した。またこの過程を通じてその
実用的な用途を探索した結果、電気ベクトルポテンシャ
ルが比較的遠方まで伝播が可能であること、また金属等
電磁波に対し遮蔽物として機能する導電性物質の存在に
何らの影響を受けることなく伝播が可能であること等の
特性を備えており、電磁波に代わる新たな通信用媒体と
しての利用が可能であることを知見した。
【0005】以下、電気ベクトルポテンシャルの概念に
ついて簡単に説明する。図1は電気ベクトルポテンシャ
ルの説明図であり、図1(a) は楕円柱状の誘電体棒、図
1(b) は誘電体棒1の上,下1/2 の点Oを通り誘電体棒
と直交する面での断面図、図1(c) は同じく楕円柱状の
永久棒磁石を示している。いま図1(a)に示す如き細長
い分極した楕円柱状の誘電体棒1について、その楕円の
長径をa、短径をb、長さをL (L≫a, b) 、断面積
をS (=abπ) とし、その両端に+Qと−Qの分極電
荷がある場合の誘電体棒1の内, 外の電場及び電束密度
の分布を求める。なお、誘電体棒1の軸方向をz軸方向
とし、その上,下1/2 の中点Oを含みz軸と直交する平
面上に直交座標軸としてのx軸、y軸をとるものとす
る。
【0006】誘電体棒1は軸方向に一様に分極している
と仮定し、その電気分極ベクトルを*P (ベクトルであ
る符号Pは明細書中では*Pの如く表わす) とすると、
誘電体棒の中心位置での外部と内部との電束密度*D及
び電場*Eは、下記(1) 式で表わせる。
【0007】
【数1】
【0008】ここで電気分極ベクトル*Pの絶対値は、
P=Q/Sであるから、外部及び内部夫々の電束密度*
Dは、下記(2) 式で表わされる。
【0009】
【数2】
【0010】一方z軸上に中心軸をもつ細長い永久棒磁
石2による上,下1/2 の点Oを含み、z軸と直交する平
面上の磁束密度*Bは図1(c) に示すように磁気ベクト
ルポテンシャル*Aによって下記(3) 式として表わされ
る。 *B= rot×*A …(3) そこでこれと対応して磁気と電気との近似的な性質から
電束密度*Dは電気ベクトルポテンシャル*Cにより、
上記(3) 式に対応して下記(4) 式で表わせる。 *D= rot×*C …(4) (2) 式と(4) 式とから電気ベクトルポテンシャル*Cは
下記(5) 式で表わせる。
【0011】
【数3】
【0012】なお、(5) 式中*e1 , *e2 はx, y直
交座標における単位ベクトルを夫々表す。電荷を含まな
い面、つまり誘電体棒1を上,下に2等分する面では電
束密度*Dは(4) 式のように電気ベクトルポテンシャル
*Cによって表わすことが出来、一方、この(4) 式はス
トークスの定理より(6) 式に示す如き線積分の形で書換
えられる。これから電気ベクトルポテンシャル*Cの線
積分は電荷量Qを表わすことが解る。
【0013】
【数4】
【0014】(6) 式が成立することは(2) 式の*D、
(5) 式の*Cとを夫々(6) 式に代入することによって容
易に確かめられる。つまり電気分極した誘電体棒1の中
心近傍では磁束密度*Bと同様に、電束密度*Dもz軸
に平行であるために、図1(a),(b) に示すような連続的
な楕円形の電気ベクトルポテンシャル*Cが誘電体棒1
の外側に誘電体棒1の横断面形状を反映した楕円状に存
在する。換言すればストークスの定理が成立するために
は、電気ベクトルポテンシャル*Cは常に楕円状に連続
である必要があり、従ってこれを物理的に遮蔽すること
は不可能であって、通信媒体としては非常に透過性の良
い信号となる。またこのような電気ベクトルポテンシャ
ル*Cの分布の異方性を積極的に利用すると、低出力で
長距離を伝播させることが可能になる。
【0015】次にこのような電気ベクトルポテンシャル
*Cは電磁気学的に可観測な物理量たり得るかについて
検討する。下記(7) 式は磁場*Hと電束密度*Dに関す
るマクスウエルの電磁方程式であるが、 rot×*H=*i+∂*D/∂t …(7) 電流密度*iがない場合には、(8) 式の如くに表わせ
る。 rot×*H=∂*D/∂t …(8) 更に(4) 式の*Dを(8) 式に代入すると、ゲージ関数 g
rad ・φを用いて(9)式が導かれる。
【0016】 *H=∂*C/∂t+grad・φ …(9) (9) 式から電気ベクトルポテンシャル*Cの時間変化量
が磁場*Hと関連していることが解る。上述の如く電流
密度*i=0、即ち電流及び電荷が存在しない場合には
放射ゲージを採用することで、ゲージ関数 grad ・φ=
0とすることができる。従って(9) 式は(10)式の如くに
表わすことが出来、電気ベクトルポテンシャル*Cの時
間変化は直接磁場*Hを与えることが解る。 *H=∂*C/∂t …(10) このことから誘電体棒1の両端の電荷量を時間変化させ
ることにより観測される磁場*Hは、(5) 式の外部にお
ける電気ベクトルポテンシャル*Cを(10)式に代入する
ことで、下記(11)式で表わせる。 *H= (∂Q/∂t)(−y*e1 +x*e2 ) /2π (x2 /a2 +y2 /b2 ) ab …(11)
【0017】(10)又は(11)式から、受信側において観測
される磁場強度は、距離に対し略反比例して低下するか
ら遠距離通信を可能にするためには、∂Q/∂tを出来
る限り大きくすればよいこととなる。しかし発信装置に
おいて誘電体に高周波、高電圧を印加すると、誘電体か
らの放射電磁波の強度が増加し、結果的に電気ベクトル
ポテンシャル*Cの発信効率が低下する。また放射電磁
波は人体にも悪影響を与える可能性があるので、電磁波
の遮蔽が必要になり、更に遮蔽材にはアースを設置する
ことも必要となるので、発信装置を軽量化し、携帯でき
るようにするには、低周波、低電圧の印加電圧でいかに
効率よく電気ベクトルポテンシャル*Cを発生させるか
が大きな課題となる。
【0018】本発明者らは、既に定義された電気ベクト
ルポテンシャルを利用する発信装置を検討した結果、電
気分極した誘電体棒の代わりに電圧を印加したときに誘
起電荷が増幅されるコンデンサ型の発信装置を想到する
に至った。そこでこの発信装置についての実験、研究の
過程で次のような事実を知見した。即ち、平行平板状の
金属電極板の間に肉厚が薄く、比誘電率の高い誘電体を
介装することによって電源からの印加電圧、又は周波数
を下げても比較的レベルの高い電気ベクトルポテンシャ
ルが発生すること また受信装置としては微弱な磁場を検知することが可能
な高感度の磁気センサを用いることで発信装置において
低電圧、又は低周波の電圧を印加しても電気ベクトルポ
テンシャルによる送, 受信が可能であること 更に印加電圧に垂直な方向における誘電体の形状を楕円
形、又は長方形の板状とすることにより、長径、又は長
辺方向に伝播される電気ベクトルポテンシャルはその信
号強度が低下し難いこと等である。
【0019】本発明はかかる知見に基づきなされたもの
であり、その目的とするところは低電圧、低周波の印加
で十分離れた距離においても電気ベクトルポテンシャル
による通信が可能な通信システム及びこれに用いる発信
装置を提供することにある。本発明の第2の目的は電気
ベクトルポテンシャルの伝播距離を犠牲にすることな
く、発信装置の小型、軽量化を達成することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係る通信シ
ステムは、厚さ5mm以下、比誘電率500以上の誘電体
に振動電圧を印加し、前記誘電体より電気ベクトルポテ
ンシャルを発生させ、これを信号伝播媒体として送出す
る発信装置と、電気ベクトルポテンシャルの伝播により
生じた磁場を信号として捕捉する受信装置とを備えるこ
とを特徴とする。
【0021】第2の発明に係る発信装置は、厚さ5mm以
下、比誘電率500以上の板状誘電体と、該誘電体に振
動電圧を印加するための電源と、前記振動電圧を信号と
して、送出すべき信号に対応して変調する手段とを有す
ることを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】実施の形態は、本発明を通信シス
テムに適用した場合であり、図面に基づき具体的に説明
する。図2は本発明の実施の形態である通信システムの
構成を示す模式図であり、図中11は発信装置、21は
受信装置を示している。発信装置11は、誘電体12の
相対向する両面にこれと一体的に電極13、14を設け
たもの(構造的にはコンデンサに対応しているので以下
これをコンデンサと称す)における前記電極13、14
にリード線15a、15bの各一端を接続し、その各他
端は変調部17に接続し、また変調部17は交流電源1
8及び信号発生部19に接続してある。変調部17は交
流電源18からの交流電圧を信号発生部19からの信号
に対応させてAM変調又はFM変調又はPCM、例えば
パルス幅変調させて誘電体12に印加させる。これによ
ってコンデンサから送出される電気ベクトルポテンシャ
ル*Cを、例えば大,小変化、又は断続 (パルス状) 変
化させる。
【0023】なお、図面には1個のコンデンサを備える
場合を示してあるが、これから発生される電気ベクトル
ポテンシャルの伝播方向は誘電体12の対角線を結ぶ2
本の直線の挟む角度θの範囲に限られるから、全方向を
カバーするには図3に示す如くO1 点を中心にして略半
円周以上の範囲に亘って複数個のコンデンサを、夫々電
極13、14を設けていない誘電体12の側面を外方に
向けた状態で放射状に配設するのが望ましい。この場合
各コンデンサは並列的に変調部17に接続される。
【0024】図4はコンデンサを構成する誘電体12の
形状を示す模式的平面図、側面図である。誘電体12は
PLZT等を材料にして形成されており、図4(a) は平
面視で楕円形の、また図4(b) は同じく長方形の夫々板
(厚さL) 状誘電体を示している。図4(a) に示す楕円
形の誘電体にあっては、その長径aと短径bとの比は
4:1以上に、また図4(b) に示す長方形の誘電体にあ
ってはその長辺aと短辺bとの比が同じく4:1以上に
夫々設定されており、その長径又は長辺の方向が夫々放
射状の内外方向となるようにして図3に示す如く配設す
る。
【0025】誘電体12の形状は発生せしめた電気ベク
トルポテンシャルの伝播による観測磁場強度がアスペク
ト比 (a/b) の2乗に比例するため、観測磁場強度の
観点からみると出来る限り棒状に近い方が望ましいが、
印加電圧、周波数の値を低くする観点からは上記した如
き楕円形、長方形とするのが望ましい。また長径と短径
又は長辺と短辺の比を4以上とするのは次の理由によ
る。
【0026】誘電体に印加する交流電圧Vは(12)式で与
えられることから V=V0 sinωt …(12) 図2に示すコンデンサから発生される電気ベクトルポテ
ンシャル*Cの時間変化量∂Q/∂tは、下記(13)式で
表わせる。 ∂Q/∂t=εSV0 2πf cosωt/L …(13) 従って、図5に示す如く (x, y) の位置 (誘電体のな
す楕円形の長軸方向をx軸、短軸方向をy軸とした) で
発生する磁場*Hのx, y成分は、(13)式を(11)式に代
入することで下記(14)式で表わせる。図5は楕円形状の
誘電体からの電気ベクトルポテンシャルが伝播されるこ
とによる振動磁場 (地磁気である静磁場に対しての概
念) の方向を示す説明図である。
【0027】
【数5】
【0028】受信装置21は磁気センサで構成され、磁
気センサで観測する磁場は磁束密度であるから、*B=
μ0 *Hの関係式より(14)式は夫々下記(15)式で表わせ
る。
【0029】
【数6】
【0030】ここでx軸(a軸)上とy軸(b軸)上の
磁束密度のx,y成分はx軸上、即ちy=0として、ま
たy軸上、即ちx=0として、下記(16)式で表わせる。
【0031】
【数7】
【0032】従って印加する電圧を低周波又は低電圧と
するためには、まず比誘電率(ε/ε0 )の高い誘電体
を使用し、かつ誘電体の厚みLを極力薄くし、更に長径
(又は長辺) と短径 (又は短辺) の比、つまりa/bの
比を大きくすればよく、これによってx軸上の磁束密度
のy成分が大きくなり、x軸上で観測する磁場強度を高
めることができる。このように誘電体の形状に、方向に
よる異方性をもたせることにより、印加電圧をより低周
波、低電圧化することができ、輻射される電磁波が弱く
なり、ひいては電気ベクトルポテンシャルの発信効率も
向上し、またコンデンサ及びリード線をシールドしてい
る金属に誘起される電荷量も減少し、アース設置が不要
になり、軽量化出来て発信装置の携帯が可能になる利点
がある。
【0033】一方、受信装置21の観測対象は電気ベク
トルポテンシャルの時間的変化による磁束密度の変化で
あるから、感度の高い磁気センサとして構成され、磁場
の変化に対応した電流を誘起させるコイル、このコイル
に通電する電源及びコイルの電流を検出する電流センサ
等を備えており、上記した磁場*H又は磁束密度*Bを
捕捉し、これを電流又は電圧に変換し、磁場又は磁束密
度に対応した出力信号が得られるようにしたものであれ
ばよく、市販の高感度磁気センサ(例えば、ホール素子
を用いたもの、電流式のもの、SQUID系等でいずれ
も、5μG程度の検出が可能なもの)をそのまま用いて
もよい。ただ受信装置21の場合も周辺の電気製品、各
種機器等から発生する電磁波による磁場を観測してしま
うため、結果的にS/N比が低下する恐れがあり、周囲
を軟磁性金属又はこれを含む材料で磁気シールドしてお
くのが望ましい。
【0034】このような実施の形態の動作を説明する。
変調部17によって電極13、14を介して誘電体12
へ送信すべき信号に対応した周波数fの電圧Vを印加す
る。これによって発信装置11の誘電体12からは図3
に示す如くその対角線を結ぶ2本の線分12a,12b
で囲われた角度θの範囲内で電気ベクトルポテンシャル
が送出され、受信装置21に到達する。一方受信装置2
1はコイルに通電した状態としておく。これによって前
記電気ベクトルポテンシャルが到達すると、これに伴う
磁束密度の変化によりコイルに電流が誘起される。また
誘起される電流は電気ベクトルポテンシャルの時間微分
に対応するから、時間積分して元の信号に戻した後、マ
イクロ波として発信させ、またスピーカに入力して音声
を得るようにしてもよい。
【0035】このような実施の形態にあっては電気ベク
トルポテンシャルを用いた通信であるから、その優れた
透過性のために、通信環境による信号強度の低下、周囲
の電磁波によるS/N比の低下等の心配が全くなく、ま
た電気ベクトルポテンシャルは電磁波のように直進せず
に閉曲線の軌跡を描くために、その透過性と併せて無線
通信が不可能な環境でも通信が可能になるという利点が
ある。
【0036】(試験例1)次に誘電体32として比誘電
率εが100,500,1000,3000,5000
の強誘電体(PLZT)を厚みを異ならせて直径68mm
の円形状に加工し、これを図6に示す如くリード線35
a、35bを予め設けてある銅製の金属板(電極) 3
3、34に銀ペーストを付けて挟み、このようなコンデ
ンサ1個を更に全体を軟質磁性金属であるパーマロイの
円筒40(外径:82mm、内径:80mm、長さ:30m
m、肉厚:1mm)に挿入し、放射電磁波をシールドを施
した発信装置31を構成した。
【0037】なおリード線35a、35bの周囲も絶縁
体36aで覆った後、その外周を肉厚0.5mmの金属パ
イプ36bでシールドし、更に電極に交番電圧を印加す
ることによってシールド用金属円筒、金属パイプに誘起
された電荷を地中に逃がす必要があるか否かを調べるた
めにアースを円筒40に接続した場合と、しない場合と
で発信強度を調べた。一方受信装置41たる磁気センサ
は、分解能5μGの高感度のものを、図7に示す如くコ
イル42を備えた検知部全体を肉厚0.5mmのパーマロ
イのケース43で覆って磁気シールドし、またコイル4
2に連なるリード線44の引出し部には、ケース43に
同じ材料の金属パイプ45の一端を連結し、この内部を
通してリード線44を外部に引き出した。
【0038】上述した如き発信装置31、受信装置41
を用いてコンデンサに対する印加交番電圧は20V 〜1
0kVの範囲内で、またその周波数は2kHz 〜10kHz の
範囲内で変化させ、誘電体の中心から一定距離離れた位
置で磁場*B(μG)の測定を行なった。結果は表1、
表2に示すとおりである。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】表1、表2中の測定角度は誘電体の厚み方
向の2等分点を含む電圧印加方向と直交する平面とのな
す角度θ/2 (図2、図3参照) である。また背景磁場
は磁気センサの角度を90°回転して電気ベクトルポテ
ンシャル*Cの伝播方向と直交する向きに傾けて測定し
たバックグラウンドの磁場である。適否の判断は観測磁
場/背景磁場 (S/N)の比が10を越えた場合は適と
し、10未満の場合を否とした。
【0042】表1、表2から明らかなように誘電体の比
誘電率を500以上、誘電体の厚さ5mm以下、望ましく
は0.1mmにまで薄くすると、円筒におけるアースの有
無、測定角度によって適否に若干のばらつきはあるもの
の、電圧と周波数は、夫々50V と4kHz まで下げら
れ、電源も大幅に小型化できる。またアースも不要にな
り、携帯用発信装置の作製も可能であることがわかる。
【0043】(試験例2)誘電体として比誘電率が10
0,500,3000,5000の強誘電体(PLZ
T)を厚み、形状、寸法を変えて加工した後、図6に示
す如き平板コンデンサを作製し、更にパーマロイの円筒
に挿入し、放射電磁場を磁気シールドして全体を図2に
示す如く結線して発生装置を組み立てた。
【0044】一方受信装置たる磁気センサは、高感度
(分解能:2μG)の検知部全体を図7に示す如く肉厚
2.0mmのパーマロイの箱43で覆って磁気シールドし
た。なおコンデンサに印加した交番電圧は、20V から
10kVまでの範囲で変更し、更に周波数は2kHz 〜10
kHz までの範囲で変更し、振動磁場の振幅測定を行っ
た。測定は誘電体の中心から誘電体の長軸と短軸の方向
別に一定距離(m) での観測磁場*B (μG) を調べるこ
とによって行った。他の要件は試験例1の場合と同じで
ある。測定結果を表3、表4に示す。
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】表3、表4においてa、bは楕円形状の誘
電体にあっては長軸、短軸寸法を、また長方形状の誘電
体にあっては長辺、短辺の長さを夫々示している。他は
表1、表2の場合と同じである。表3、表4から明らか
なように、誘電体の比誘電率を500以上、誘電体の形
状異方性 (a/b) を大きく、望ましくは4以上とし、
その厚みLを0.2mmまで薄くすると、電圧と周波数は
夫々50V と5kHz まで下げた状態においても発信装置
と受信装置の距離を300m 離しても通信できることが
解った。また試験例 No.10の観測磁場からそれらの間
の距離を1000m 離しても通信が可能であるとの結果
が得られた。更に誘電体の形状は円形であってもその条
件によっては「適」となる場合があることも解る。
【0048】
【発明の効果】第1、第2の発明にあっては誘電体の厚
さを5mm以下、比誘電率を500以上としたから低電
圧、低周波を誘電体に印加して十分遠距離にわたって電
気ベクトルポテンシャルを伝播させることが出来る。ま
た発信のための電源の電圧及び周波数を下げることが出
来て、アースの設置も不要となり、軽量化を図れ、発信
装置の携帯が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電気ベクトルポテンシャルの概念の説
明であり、(a) は誘電体棒の電気分極ベクトルによる電
気ベクトルポテンシャルの説明図である。(b) は本発明
に係る楕円形の誘電体とそれによる電気ベクトルポテン
シャルの分布図である。(c) は永久棒磁石の磁気ベクト
ルポテンシャルの説明図である。
【図2】本発明の実施の形態の構成を示す模式図であ
る。
【図3】電気ベクトルポテンシャルを発生するコンデン
サの配置を示す模式的平面図である。
【図4】本発明の誘電体の形状を示す平面図及び側面図
である。
【図5】電気ベクトルポテンシャルによる振動磁場の説
明図である。
【図6】試験に用いた発信装置の模式的断面図である。
【図7】試験に用いた受信装置の模式的断面図である。
【符号の説明】
11 発信装置 12 誘電体 13、14 電極 15a、15b リード線 17 変調部 18 交流電源 19 信号発生部 21 受信装置 31 発信装置 32 誘電体 33、34 電極 35a、35b リード線 36a 絶縁体 36b 金属パイプ 40 円筒 41 受信装置 42 コイル 43 ケース 44 リード線 45 金属パイプ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚さ5mm以下、比誘電率500以上の誘
    電体に振動電圧を印加し、前記誘電体より電気ベクトル
    ポテンシャルを発生させ、これを信号伝播媒体として送
    出する発信装置と、電気ベクトルポテンシャルの伝播に
    より生じた磁場を信号として捕捉する受信装置とを備え
    ることを特徴とする通信システム。
  2. 【請求項2】 前記誘電体は楕円形又は長方形の板状で
    あって、相対向する楕円形面又は長方形面夫々に電極が
    固定されている請求項1記載の通信システム。
  3. 【請求項3】 前記誘電体は長軸と短軸との比が4以上
    となる楕円形に形成されている請求項1又は2記載の通
    信システム。
  4. 【請求項4】 前記誘電体は長辺と短辺との比が4以上
    となる長方形に形成されている請求項1又は2記載の通
    信システム。
  5. 【請求項5】 厚さ5mm以下、比誘電率500以上の板
    状誘電体と、該誘電体に振動電圧を印加するための電源
    と、前記振動電圧を信号として、送出すべき信号に対応
    して変調する手段とを有することを特徴とする発信装
    置。
  6. 【請求項6】 前記誘電体は楕円形又は長方形であっ
    て、相対向する楕円形面又は長方形面夫々に電極が固定
    されている請求項5記載の発信装置。
  7. 【請求項7】 前記誘電体は長軸と短軸との比が4以上
    となる楕円形に形成されている請求項5又は6記載の発
    信装置。
  8. 【請求項8】 前記誘電体は長辺と短辺との比が4以上
    となる長方形に形成されている請求項5又は6記載の発
    信装置。
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