JPH1198089A - 電気ベクトルポテンシャルを用いた通信方法及び通信システム - Google Patents

電気ベクトルポテンシャルを用いた通信方法及び通信システム

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JPH1198089A
JPH1198089A JP25391797A JP25391797A JPH1198089A JP H1198089 A JPH1198089 A JP H1198089A JP 25391797 A JP25391797 A JP 25391797A JP 25391797 A JP25391797 A JP 25391797A JP H1198089 A JPH1198089 A JP H1198089A
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electric vector
communication
electric
signal
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JP25391797A
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Osamu Yamashita
治 山下
Makoto Kawakami
川上  誠
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Hitachi Metals Ltd
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Sumitomo Special Metals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電波障害発生個所又は有線回線の架設が困難
な場所の通信を可能とする。 【解決手段】 電波障害発生地域又は有線回線の架設が
困難な個所を挟んで一方に外部と無線回線3又は有線回
線4で繋がっている中継基地局1を、また他方に端末装
置2を設置し、この間に電気ベクトルポテンシャルを用
いた発信、受信装置にて双方向の通信が可能な無線回線
5を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電波障害が生じる
場所、又は電話等の有線の架設が困難な場所において、
従来の無線回線、有線回線に代えて透過性に優れた電気
ベクトルポテンシャルを利用した通信回線の中継基地局
を設けることで、電波障害場所、有線回線の架設が困難
な場所においても通信を可能とする通信方法及び通信シ
ステムに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
一般通信手段として電波の利用が広く知られている。し
かし電波は障害物によって遮蔽され易く、使用する場所
及び環境によって信号の送,受信に支障を生じることが
少なくない。
【0003】また電磁波を利用する通信システム、例え
ば携帯電話等は数百ミリガウスの漏洩電磁波があるた
め、至近距離では精密機器の誤動作を引き起こし、種々
のトラブルを招く虞れがある他、人体に与える悪影響の
可能性も無視出来ないものとなっている。
【0004】本発明者等は通信システムについての研究
過程で、従来その存在が既に立証されている磁気ベクト
ルポテンシャル(Phys. Rev. Lett.48,1443(1982))にヒ
ントを得て電気ベクトルポテンシャルなる新たなエネル
ギーの存在を予測するに至った。そしてこの電気ベクト
ルポテンシャルについての理論の構築及びその存在の立
証に務め、これを実現した。またこの過程を通じてその
実用的な用途を探索した結果、電気ベクトルポテンシャ
ルが比較的遠方まで伝播が可能であること、また金属等
電磁波に対し遮蔽物として機能する導電性物質の存在に
何らの影響を受けることなく伝播が可能であること等の
特性を備えており、電磁波に代わる新たな通信用媒体と
しての利用が可能であることを知見し、電気ベクトルポ
テンシャルを用いた通信システムについて既に特許出願
を行っている(特願平9−176189号)。
【0005】以下、電気ベクトルポテンシャルの概念に
ついて簡単に説明しておく。先ず細長い円柱状の分極し
た誘電体棒を考える。図1は電気ベクトルポテンシャル
の説明図であり、図1(a) は分極した誘電体棒を示す説
明図、図1(b) は棒磁石を示す説明図である。図1(a)
において円柱状の誘電体棒における半径r0はその軸方
向の長さaに比較して十分小さいものとし (r0 ≪a)
、円柱状誘電体の断面積をSとし、両端に+Qと−Q
の分極電荷があるものとして、これに基づく誘電体棒の
内, 外の電場及び電束密度の分布を求める。
【0006】なお誘電体棒の軸方向をz軸方向とし、そ
の上, 下1/2 の中点Oを含み、z軸と直交する平面上に
直交座標としてのx軸、y軸をとるものとする。誘電体
棒は軸方向に一様に分極していると仮定し、その電気分
極ベクトルを*P (ベクトルである符号Pは明細書中で
は*Pの如く表わす) とすると、誘電体棒の上,下の中
心位置での外部と内部との電束密度*D及び電場*E
は、下記(1) 式で表わせる。
【0007】
【数1】
【0008】ここで電気分極ベクトル*Pの絶対値は、
P=Q/Sであるから、外部及び内部夫々の電束密度*
Dは、下記(2) 式で表わされる。
【0009】
【数2】
【0010】一方図1(b) に示すようにz軸上に中心軸
をもつ細長い永久棒磁石による上,下1/2 の点Oを含
み、z軸と直交する平面上の磁束密度*Bは磁気ベクト
ルポテンシャル*Aによって下記(3) 式として表わされ
る。 *B= rot×*A …(3) そこでこれと対応して磁気と電気との近似的な性質から
電束密度*Dは電気ベクトルポテンシャル*Cにより、
上記(3) 式に対応して下記(4) 式で表わせる。 *D= rot×*C …(4) (2) 式と(4) 式とから電気ベクトルポテンシャル*Cは
下記(5) 式で表わせる。
【0011】
【数3】
【0012】なお、(5) 式中*e1 , *e2 はx, y直
交座標における単位ベクトルを夫々表す。このことから
電荷を含まない面、つまり誘電体棒を上,下に2等分す
る面では電束密度*Dは(4) 式のように電気ベクトルポ
テンシャル*Cによって表わすことが出来、一方、この
(4) 式はストークスの定理より(6) 式に示す如き*Cの
線積分の形で書換えられ、電気ベクトルポテンシャル*
Cの線積分が電荷量Qを表わすことが解る。
【0013】
【数4】
【0014】なお(6) 式が成立することは(2) 式の*D
と、(5) 式の*Cとを夫々(6) 式に代入することによっ
て容易に確かめられる。つまり電気分極した誘電体棒の
中心近傍では、磁束密度*Bと同様に、電束密度*Dも
z軸に平行であるために、図1(a) に示すような連続的
な円形の電気ベクトルポテンシャル*Cが誘電体棒の外
側に同心円状に存在する。換言すればストークスの定理
が成立するためには、電気ベクトルポテンシャル*Cは
常に連続である必要があり、従ってこれを物理的に遮蔽
することは不可能となり、通信媒体としては非常に透過
性の良い信号となる。
【0015】次にこのような電気ベクトルポテンシャル
*Cは電磁気学的に可観測な物理量たり得るかについて
検討する。下記(7) 式は磁場*Hと電束密度*Dに関す
るマクスウエルの電磁方程式であるが、 rot×*H=*i+∂*D/∂t …(7) 電流密度*iがない場合には、(8) 式の如くに表わせ
る。 rot×*H=∂*D/∂t …(8) 更に(4) 式の*Dを(8) 式に代入すると、ゲージ関数 g
rad ・φを用いて(9)式が導かれる。
【0016】 *H=∂*C/∂t+grad・φ …(9) (9) 式から電気ベクトルポテンシャル*Cの時間変化量
が磁場*Hと直接的に関連していることが解る。 上述の如く電流密度*i=0、即ち電流及び電荷が存在
しない領域では放射ゲージを採用することで、ゲージ関
数 grad ・φ=0とすることができるから(9)式は(10)
式の如くに表わすことが出来、電気ベクトルポテンシャ
ル*Cの時間変化は直接磁場*Hを与えることが解る。 *H=∂*C/∂t …(10) このことから誘電体棒の両端の電荷量を時間変化させる
とことにより観測される磁場*Hは、(5) 式の外部にお
ける電気ベクトルポテンシャル*Cを(10)式に代入する
ことで、下記(11)式で表わせる。 *H= (∂Q/∂t) /2πr …(11)
【0017】(10)式又は(11)式から、受信側において観
測される磁場強度は、距離rに略反比例して低下するか
ら∂Q/∂tを出来る限り大きくすることで遠距離通信
が可能となる。
【0018】本発明者らは、上述した如き電気ベクトル
ポテンシャルを利用する発信, 受信装置を検討した結
果、電気分極した誘電体棒に代わる、電圧を印加したと
きに誘起電荷が増幅されるコンデンサ型の発信装置を想
到し、これについての実験、研究の結果、次のような事
実を知見した。即ち、 平行平板状の電極板の間に誘電率の高い誘電体を介
装して周波数変調した電圧を印加すると、その周波数に
応じた電気ベクトルポテンシャルが発生すること、 受信装置としては高感度の磁気センサを用いること
で十分離れた距離でも変調された電気ベクトルポテンシ
ャルによる振動磁場の観測が可能であること、 印加電圧に垂直な方向における誘電体の形状を楕円
形、又は長方形の板状とすることにより、長径、又は長
辺方向に伝播される電気ベクトルポテンシャルはその信
号強度が低下し難いこと、を知見した。
【0019】本発明はかかる知見に基づきなされたもの
であり、第1の目的は電波障害を生じる場所、また有線
回線の架設が困難な場所に中継基地局として電気ベクト
ルポテンシャルを用いた発,受信設備を設置することで
従来の有線回線又は無線回線による通信をバックアップ
することにある。また第2の目的は電気ベクトルポテン
シャルと音声との双方向の変換を可能とすることで、通
信用端末としての使い勝手を高めた端末装置を提供する
ことにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係る通信方
法は、有線回線又は電磁波を伝播媒体に用いる無線回線
に、電気ベクトルポテンシャルを伝播媒体に用いる無線
回線を接続して通信を行うことを特徴とする。
【0021】第2の発明に係る通信システムは、入力さ
れた信号を電圧信号に変換して誘電体に印加し、電気ベ
クトルポテンシャルを発生させる発信装置と、前記電気
ベクトルポテンシャルを捉えてこれを電気的信号に変換
して出力する受信装置とを備えることを特徴とする。
【0022】第3の発明に係る通信システムは、伝播媒
体である電気ベクトルポテンシャルを捉え、これを音声
に変換して出力する第1の変換装置と、音声を伝播媒体
である電気ベクトルポテンシャルに変換して発信する第
2の変換装置とを備えることを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】以下本発明をその実施の形態を示
す図面に基づき具体的に説明する。図2は本発明を適用
した通信システムの概要を示す模式図であり、図中1は
中継基地局、2は端末装置を示している。中継基地局1
と端末装置2との間が、例えば電波障害発生地域又は有
線回線の架設が困難な場所である。中継基地局1には、
他の基地局を含めて外部との間に電磁波(光を含む)を
用いる双方向の無線回線3、電話等の有線回線4が設け
られている。また中継基地局1には端末装置2との間に
電気ベクトルポテンシャルを用いた双方向の無線回線5
が設けられている。
【0024】図3は中継基地局1における主要設備を示
すブロック図である。他の基地局等から無線回線3を通
じて伝播された信号電磁波(光信号を含む)は先ず振幅
制限器11にて振幅を制限され、周波数弁別器12にて
高周波域を濾波され、所定周波数に低下させた電圧信号
として電圧増幅器15にて増幅され、電気ベクトルポテ
ンシャルを用いた発信装置16へ入力される。また有線
回線4を通じて伝送されてきた信号電流は先ず周波数変
調器13にて周波数変調され、次いで電圧変換器14に
て電圧信号に変換され、電圧増幅器15にて増幅された
後、電気ベクトルポテンシャルを伝播媒体とする発信装
置16へ入力される。この発信装置16により端末装置
2との間に電気ベクトルポテンシャルによる通信が行わ
れる。
【0025】図4は発信装置16の構成を示す模式図で
あり、発信装置16は、PLZT等を材料(比誘電率5
00以上)にして楕円形又は長方形の板状(厚さ5mm以
下)に形成された誘電体22の相対向する両面にこれと
一体的に電極23、24を設けたもの(構造的にはコン
デンサに対応しているので以下これをコンデンサと称
す)における前記電極23、24にリード線25a、2
5bの各一端を接続し、その各他端は変調部27に接続
し、また変調部27は交流電源28及び信号発生部29
に接続してある。変調部27は交流電源28からの交流
電圧を信号発生部29からの信号に対応させて、その周
波数をAM変調、又はFM変調、又はPCM、例えばパ
ルス幅変調させて誘電体22に印加させる。これによっ
てコンデンサから送出される電気ベクトルポテンシャル
*Cを、例えば大,小変化、又は断続 (パルス状) 変化
させる。
【0026】なお、図面には1個のコンデンサを備える
場合を示してあるが、これから発生される電気ベクトル
ポテンシャルの伝播方向は誘電体22の対角線を結ぶ2
本の直線の挟む角度θの範囲に限られるから、全方向を
カバーするには図5に示す如くO1 点を中心にして略半
円周以上の範囲に亘って複数個のコンデンサを、夫々電
極23、24を設けていない誘電体22の側面を外方に
向けた状態で放射状に配設するのが望ましい。この場合
各コンデンサは並列的に変調部27に接続される。
【0027】発信装置の誘電体22の電極23,24間
に周波数fで最大電圧V0 の電圧を印加したとすると、
ω=2πfとして、誘電体22に印加される電圧Vは(1
2)式で表わせる。 V=V0 sinωt …(12) 従って電荷量の時間変化量は(13)式となり、 ∂Q/∂t=εSV0 2πf cosωt/a …(13) 誘電体22をその電極23,24間で2等分した面内の
中心軸からrの距離で発生する磁場*Hは(11)式より(1
4)式で与えられる。 *H=εSV0 f cosωt/ar …(14) 一方磁気センサで観測する磁場は磁束密度であるため
に、*B=μ0 *Hの関係式から(15)式の如く書き換え
られる。この*Bを磁気センサで観測することとなる。 *B=μ0 εSV0 f cosωt/ar …(15)
【0028】更に中継基地局1には端末装置2から発生
され、伝播されてきた電気ベクトルポテンシャルによる
磁場を捉えてこれを無線回線3用の信号電磁波(光信号
を含む)又は有線回線4用の信号電流に変換して伝送す
る設備が設けられている。
【0029】図6は中継基地局1に設置されている他の
送受信設備の構成を示すブロック図であり、図中31は
伝播されてきた電気ベクトルポテンシャルによる磁場を
検出するための磁気センサである。磁気センサ31は電
気ベクトルポテンシャルによる振動磁場を検出し、これ
に対応した電流を出力する。この出力電流は電気ベクト
ルポテンシャルの微分値であるから積分して元の信号に
戻すため積分器32へ出力する。積分器32は電流を積
分し、その積分値を周波数増幅変調器33及び周波数変
調器34へ出力する。周波数増幅変調器33は周波数増
幅を行ってマイクロ波発信器35へ出力し、ここから無
線回線3を通じてマイクロ波を送信する。また、周波数
変調器34は積分値の周波数を低下させた後、電圧増幅
器36にて増幅し、有線回線4を通じて外部へ送信す
る。
【0030】一方端末装置2は図4に示す如き電気ベク
トルポテンシャルの発信装置及び図7に示す如き受信装
置を備えている。受信装置は磁気センサ31の出力を積
分器32にて時間積分し、積分値を周波数変調器34に
て周波数を低下させた後、電圧増幅器36にて増幅し、
スピーカ37及びマイクロフォン38に接続されてい
る。また発信装置は図4に示す信号発生部29に、例え
ばマイクロフォン38を接続したのと実質的に同じ構成
としてあり、マイクロフォン38を通じて音声により発
信をすることができるようにしてある。これによって利
用者は音声として伝送信号を受信することが出来、また
端末装置2を通じて音声信号による信号の送信が可能と
なっている。
【0031】図2に示すように、該電気ベクトルポテン
シャルを用いた発信、受信装置と、電磁波(光を含む)
を用いた無線回線3による発信、受信装置、又は有線回
線の発信、受信装置を基地局として設置し、更に端末に
該電気ベクトルポテンシャルと音声との双方向への変換
を可能とした発信、受信装置を設置することで、中継基
地局1と端末装置2とで電気ベクトルポテンシャルによ
る双方向の通信が可能になり、しかも基地局を従来の有
線又は無線の回線と接続することで従来の通信システム
の弱点である通信障害のある場所等でもS/N比の良好
な通信が可能になる利点があり、更に混信等による電波
障害も大幅に緩和される。なお観測する磁場は交番磁場
のために、地球磁場等の静磁場の影響は全く無視するこ
とができる利点もある。
【0032】(試験例1)中継基地局1から発信して端
末装置2で受信する通信システムが可能であるか否かの
実験を行ったので以下にその内容を説明する。まず中継
基地局1でマイクロ波を受信するために、市販の携帯電
話(PHS)で検波し、増幅された電圧を取り出し、周
波数10kHz に周波数調整した後、500V に電圧増幅
し、図4に示す如き電気ベクトルポテンシャルの発信装
置に接続した。発信装置は平行電極23,24間に比誘
電率5000、厚み1mmで直径20mmの誘電体22を介
装し、電極23,24を通じて誘電体22に電圧を印加
し、信号に対応して変調した電気ベクトルポテンシャル
を発生させる発信装置とした。なお誘電体22からの放
射電磁波をシールドするために、図8に示す如く誘電体
22の周囲に同軸状にパーマロイの円筒26 (外径32
mm×内径30mm×30mm) を設置した。またリード線2
5a,25bは絶縁材26a及びパーマロイ製のパイプ
26b内を通して電圧増幅器に接続した。
【0033】一方、受信装置を構成する磁気センサ31
は、図9に示すように、高感度 (分解能:2μG) の磁
気センサの検知部全体を肉厚2mmのパーマロイの箱41
で覆って磁気シールドし、またリード線31aも金属パ
イプ42内を通して図6に示す如く積分器32等と接続
した。これによって電気ベクトルポテンシャルの時間変
化による磁場を測定すると同時に、磁場で誘起された信
号電流を積分器32に通して元の信号に戻した。この信
号を増幅してスピーカ37に接続して音声に変換するよ
うにした。
【0034】実験としては電話回線を利用して中継基地
局1である携帯電話(PHS)に接続し、電話の音声が
電気ベクトルポテンシャルを媒体とし、端末装置2にお
ける図7に示す如く結線した磁気センサ31に接続した
スピーカ37から出力されるか否かの確認実験を行っ
た。また有線回線4にて中継基地局1で受信した信号を
端末装置2に送信する実験としては電話線の電流を電圧
変換して電圧増幅し、図4に示す如く電気ベクトルポテ
ンシャルの発信装置における信号発生部29に入力し、
電話の音声が端末装置2である磁気センサ31に接続し
たスピーカ37から出力されるか否かの実験を行った。
なお電気ベクトルポテンシャルの受信装置における、ス
ピーカ37は電波暗室の中に置き、電気ベクトルポテン
シャルの発信装置は屋外に置いた。測定距離は電気ベク
トルポテンシャルの発信装置と電波暗室内の電気ベクト
ルポテンシャルの受信装置との間の距離である。測定結
果を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】(試験例2)試験例1の実験と逆に端末装
置2から電気ベクトルポテンシャルを発信し、中継基地
局1で受信する通信システムが可能であるか否かの実験
を行った。まずマイクロフォン38で受けた音声の信号
電流を電圧に変換して500V に電圧増幅した後、周波
数10kHz に周波数変調して試験例1と同じく図4に示
す如き電気ベクトルポテンシャルの発信装置における信
号発生部29へ入力し、電気ベクトルポテンシャルを発
生させた。発生された電気ベクトルポテンシャルを試験
例1と同じ磁気センサ31で受信した信号電流を市販の
携帯電話(PHS)に入力してマイクロ波を発信させる
ようにした。実験としてはマイクロフォン38の音声が
電気ベクトルポテンシャルとして伝播し、それを磁気セ
ンサ31で受信した後、携帯電話からマイクロ波として
発信されて電話回線へ音声がつながるか否かの実験を行
った。
【0037】また磁気センサ31で受信した後、電流増
幅して電話回線に直接つないで電話の受話器で音声が聞
けるか否かの実験も行った。なお実験としてはマイクロ
フォン38と電気ベクトルポテンシャルの発信装置とを
電波暗室の中に置き、電気ベクトルポテンシャルの受信
装置と携帯電話(PHS)を屋外に置いた。測定距離は
電波暗室内の電気ベクトルポテンシャルの発信装置と屋
外の電気ベクトルポテンシャルの受信装置との間の距離
である。測定結果は表2に示す。
【0038】
【表2】
【0039】表1と表2から明らかなように、電気ベク
トルポテンシャルを通信媒体として使用すれば、電波暗
室の内外間でも容易に通信することが可能であり、試験
例1と2とから、電波障害のある場所や有線回線による
交信が不可能な場所でも交信が可能になることが解る。
【0040】
【発明の効果】第1、第2、第3の発明の電気ベクトル
ポテンシャルを通信媒体とした通信では、電波障害の問
題もなく、また携帯電話の如く漏洩磁場が悪影響を与え
る可能性もなく、また電気ベクトルポテンシャルは磁気
双極子をもった粒子(例えば電子)の位相を変える相互
作用しかないために、その相互作用は非常に弱く、導電
体等により遮蔽されることなく透過性に優れ、従来の通
信媒体よりも非常に優れた通信システムが得られる等、
本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電気ベクトルポテンシャルの概念の説
明であり、(a) は本発明に係る誘電体棒の分極ベクトル
による電気ベクトルポテンシャルの説明図である。(b)
は永久棒磁石の磁気ベクトルポテンシャルの説明図であ
る。
【図2】本発明の実施の形態の構成を示す模式図であ
る。
【図3】中継基地局の設備を示すブロック図である。
【図4】中継基地局に設けられる電気ベクトルポテンシ
ャルの発信装置を示す模式図である。
【図5】発信装置を構成するコンデンサの配置を示す説
明図である。
【図6】中継基地局の他の設備の構成を示すブロック図
である。
【図7】端末装置の設備の構成を示すブロック図であ
る。
【図8】試験に用いた発信装置におけるコンデンサの構
成を示す拡大断面図である。
【図9】試験に用いた受信装置における磁気センサの構
成を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
1 中継基地局 2 端末装置 3 無線回線 4 有線回線 5 無線回線 37 スピーカ 38 マイクロフォン

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有線回線又は電磁波を伝播媒体に用いる
    無線回線に、電気ベクトルポテンシャルを伝播媒体に用
    いる無線回線を接続して通信を行うことを特徴とする通
    信方法。
  2. 【請求項2】 入力された信号を電圧信号に変換して誘
    電体に印加し、電気ベクトルポテンシャルを発生させる
    発信装置と、前記電気ベクトルポテンシャルを捉えてこ
    れを電気的信号に変換して出力する受信装置とを備える
    ことを特徴とする通信システム。
  3. 【請求項3】 伝播媒体である電気ベクトルポテンシャ
    ルを捉え、これを音声に変換して出力する第1の変換装
    置と、音声を伝播媒体である電気ベクトルポテンシャル
    に変換して発信する第2の変換装置とを備えることを特
    徴とする通信システム。
JP25391797A 1997-07-01 1997-09-18 電気ベクトルポテンシャルを用いた通信方法及び通信システム Pending JPH1198089A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100710249B1 (ko) * 2005-02-07 2007-04-20 엘지전자 주식회사 디지털 영상 조합 장치

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