JPH1174605A - 窒化物系化合物半導体レーザ - Google Patents

窒化物系化合物半導体レーザ

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JPH1174605A
JPH1174605A JP23488397A JP23488397A JPH1174605A JP H1174605 A JPH1174605 A JP H1174605A JP 23488397 A JP23488397 A JP 23488397A JP 23488397 A JP23488397 A JP 23488397A JP H1174605 A JPH1174605 A JP H1174605A
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和彦 板谷
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玄一 波多腰
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 メサ幅を極端に狭くすることなく特性の優れ
た横モード制御を実現することができ、かつしきい値の
低減をはかる。 【解決手段】 サファイア基板11上に、MQW活性層
部16をAlGaNクラッド層15,17で挟んで形成
されたダブルヘテロ構造のメサを有する半導体レーザに
おいて、メサの側部に活性層部16よりも屈折率の高い
GaN層19を埋め込んで、基本横モードを得るための
反導波型の第1の導波構造を形成し、第1の導波構造の
側部に発振光に対して損失を有する材料であるAu電極
パッド22を配置し、高次のモードをカットオフするた
めの第2の導波構造を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化合物半導体材料
を用いた半導体素子に係わり、特にGaN,AlGa
N,InGaNなど窒素を含む化合物半導体からなる窒
化物系化合物半導体レーザに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高密度光ディスクシステム等への
応用を目的として短波長の半導体レーザの開発が進めら
れている。この種のレーザでは、記録密度を高めるため
に発振波長を短くすることが要求されている。短波長の
半導体レーザとしてInGaAlP材料による600n
m帯光源は、ディスクの読み込み、書き込みのどちらも
可能なレベルにまで特性改善され、既に実用化されてい
る。
【0003】また、さらなる記録密度向上を目指して青
色体半導体レーザの開発が盛んに行われており、既にII
−VI族系による半導体レーザは発振動作が確認された。
しかし、信頼性が100時間程度にリミットされるなど
実用化への障壁は多く、また波長も480nm以下は作
ることが困難であるなど、次世代の光ディスクシステム
等への応用には材料的なリミットが数多く存在する。
【0004】一方、GaN系半導体レーザは、350n
m以下まで短波長が可能で、信頼性に関してもLEDに
おいて1万時間以上の信頼性が確認されるなど有望であ
り盛んに研究、開発が行われている。室温での電流注入
によるレーザ発振も確認された。このようにナイトライ
ド系は、材料的に次世代の光ディスクシステム光源必要
な条件を満たす優れた材料である。
【0005】光ディスクシステム等へ応用可能にするた
めには、レーザの発振ビーム特性が重要となり、発光部
に接合平面に平行方向に横モード制御構造を形成するこ
とが必須となる。横モード制御構造は通常活性層を一部
残し、異なる屈折率を有する半導体層で埋め込むなどの
方法で作り付けることができる。
【0006】ところが、BH(Buried Hetero )構造の
ような実屈折率導波型では、高次モードがカットオフと
なるようにメサ幅を波長程度に低減する必要があるが、
発振波長がそもそも短いため、〜0.5μm程度の極め
て狭いメサ幅の制御が必要となる。このような狭い幅の
半導体レーザを製作すること自体プロセス上困難であ
り、歩留まりも極めて悪く、素子抵抗は50Ωを越える
大きなものとなり、レーザ発振自身が困難となる。そし
て、例え発振しても、著しく素子の信頼性は損なわれて
いた。
【0007】なお、埋め込み層を発振光に対して損失を
持つ材料で形成すれば、高次モードはカットオフとなる
ため、メサ幅を数μm程度にまで広くする設計は可能と
なる。しかし、この場合は基本モードも光損失を受ける
ため、しきい値が上昇する問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように従来、Ga
N系材料を用いた横モード制御レーザにおいては、メサ
幅を極めて狭くする必要があり、プロセスが非常に困難
であるという問題点があった。また、メサ幅を広くする
ために、埋め込み層として発振光に対して損失を持つ材
料を用いると、しきい値が上昇する問題があった。
【0009】本発明は、上記の事情を考慮してなされた
もので、その目的とするところは、メサ幅を極端に狭く
することなく特性の優れた横モード制御を実現すること
ができ、かつしきい値の低減をはかり得る窒化物系化合
物半導体レーザを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
(構成)本発明の骨子は、サファイアなどの基板上に構
成された窒化物系系半導体レーザ素子の構造に関して、
基本横モードを得るための導波構造とは別に高次のモー
ドをカットオフするための導波構造を別に作りつけ、基
本モードと高次モードを選択的に制御することにより、
プロセス上の許容度、再現性も確保したレーザの寸法を
実現し、良好な特性を得るようにするものである。
【0011】即ち本発明は、基板上に窒化物系化合物半
導体層を積層してなる窒化物系化合物半導体レーザであ
って、活性層を含むメサの外側を埋め込み層で埋め込
み、接合面と平行方向に屈折率差を利用して作り付けら
れた第1の導波構造と、発振光に対して損失を有する材
料、又は第1の導波構造を形成する埋め込み層とは異な
る屈折率を有する材料からなり、第1の導波構造の外側
に形成された第2の導波構造とを具備してなることを特
徴とする。
【0012】ここで、本発明の望ましい実施態様として
は次のものがあげられる。 (1) 第1の導波構造と第2の導波構造との間隔、即ち第
1の導波構造における埋め込み層の接合面と平行な方向
の厚さを、1〜10μmの範囲に設定したこと。 (2) 第1の導波構造と第2の導波構造との間隔、即ち第
1の導波構造における埋め込み層の接合面と平行な方向
の厚さを、1〜4μmの範囲に設定したこと。
【0013】(3) 第2の導波構造は、基本横モード以外
の高次のモードに対して大きな損失を有するように形成
されていること。 (4) 第1の導波構造は、反導波型の導波構造であるこ
と。
【0014】(5) 第1の導波構造が半導体層から形成さ
れており、第2の導波構造が半導体以外の材料から形成
されていること。 (6) 第1の導波構造及び第2の導波構造共に、半導体層
から形成されていること。
【0015】(7) 窒化物系化合物半導体層は、Inx
y Gaz N(x+y+z=1,0≦x,y,z≦1)
であること。 (8) 基板は、サファイア又はSiCであること。
【0016】(作用)本発明によれば、第1の導波構造
の外側に第2の導波構造を設け、この第2の導波構造に
より基本横モード以外の高次のモードに大きな損失を持
与えるか、モードが立ちにくくしているので、基本モー
ドに損失を与えることなく高次モードをカットオフする
ことができる。そしてこの場合、メサ幅を極端に狭くし
なくても高次モードがカットオフとなることから、メサ
幅は十分広くでき、歩留まりの向上と共に素子抵抗の低
減をはかることができる。さらに、基本モードは損失を
受けないため、しきい値が上昇する不都合もない。従っ
て、プロセスの再現性に優れ製造が優しく、低しきい値
動作が可能となり、その有用性は大である。
【0017】また、第1の導波構造を反導波構造とする
ことで、さらにプロセスの許容度を確保することができ
る。また、半導体層により導波構造を形成することで自
己整合型のプロセスを可能にしたり、一部半導体以外の
材料を適宜採用することで再成長などを省略化すること
も可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細を図示の実施
形態によつて説明する。 (第1の実施形態)図1は、本発明の第1の実施形態に
係わる青色半導体レーザの概略構成を示す断面図であ
る。
【0019】各窒化物層は全てMOCVD法(有機金属
気相成長法)により成長を行った。成長条件に関して、
圧力は常圧、バッファ層以外のGaN,AlGaN層の
成長は、基本的には窒素,水素,アンモニアを混合した
雰囲気で1000℃から1100℃の範囲、活性層を含
む成長は、窒素とアンモニア雰囲気で700℃から85
0℃の範囲とした。
【0020】図中11はサファイア基板であり、12は
低温成長(550℃)のGaNバッファ層(厚さ0.0
3μm)である。13は高温(1100℃)で成長した
n−GaNコンタクト層(Siドープ;5×1018cm
-3、厚さ3μm)、14はAl/Ti/Auからなるn
側電極、15はn−Al0.15Ga0.85Nクラッド層(S
iドープ;1×1018cm-3、厚さ0.32μm)であ
る。16は多重量子井戸構造(MQW)と光ガイド層を
含む活性層部であり、厚さ0.05μmのGaNからな
る光ガイド層を有し、井戸層は3nm厚のIn0.20Ga
0.80Nの5層からなり、バリヤ層は厚さ6nmのIn
0.03Ga0.97Nから構成される。
【0021】17はp−Al0.15Ga0.85Nクラッド層
(Mgドープ;5×1019cm-3、厚さ0.35μ
m)、18はp−GaN再成長用キャップ層(Mgドー
プ;5×1019cm-3、厚さ0.3μm)である。19
は再成長により形成したpーGaN埋め込みコンタクト
層(Mgドープ;8×1019cm-3、厚さ0.8μm)
であり、最上部を高濃度化(Mgドープ;2×1020
-3、厚さ0.1μm)している。20はPt/Ti/
Pt/Auからなるp側電極、21はSiO2 誘電体
膜、22はAu電極パッド。なお、サファイア基板11
には(0001)c面を用いており、レーザミラーはへ
き開により形成している。
【0022】本構造を実現するには、図中12から18
までの結晶成長後、光リソグラフィ技術とドライエッチ
ング技術を用いて図中16〜18が示すような第1のメ
サを形成後、19,20の層を再成長した。その後、光
リソグラフィ技術とドライエッチング技術を繰り返し用
いて、第1のメサの外側に第2のメサを形成し、さらに
開口部を有する誘電体膜21上に電極パッド22を形成
し、コンタクト層13上にn側電極14を形成した。
【0023】ここで、接合面と平行な方向において、第
1及び第2のメサ、即ち第1のメサと埋め込みコンタク
ト層19で第1の導波構造が形成され、電極パッド22
で第2の導波構造が形成されることになる。第1の導波
構造における第1のメサの幅、即ち残した活性層の幅は
3μm、外側のメサ(第2のメサ)の幅は6μmとし
た。第2のメサの外側には電極パッド22としてのAu
が接触している。
【0024】本構造は、活性層部分のクラッドを含む実
効屈折率は第1のメサの埋め込み層であるGaNよりも
小さい、反導波構造となっている。活性層部分で定常解
として立つモード光は基本モード、高次モード共にGa
N部分にしみ出すが、高次モードは基本モードよりも外
側に広がるため、その外側のAuで吸収を受け、カット
オフとなる。導波構造よりも反導波構造の方が高次モー
ドの広がりが大きいため、メサ幅を広くかつ外側のメサ
との間隔も広く取れる。一方でしきい電流値自身は電流
注入面積を小さくした方がある範囲までは低減できるの
で、プロセスの精度を高めれば、内側のメサ幅は1μm
程度にまでは狭くできる。
【0025】第1の導波構造と第2の導波構造の間隔、
即ち内側のメサと外側のメサの間隔(本実施形態ではG
aN埋め込みコンタクト層19の厚さとなる)は大きい
ほどプロセス許容度は増すが、しみ出した高次モード光
の電界強度が小さくなり過ぎるとカットオフが不可能と
なるため、適した領域が存在する。本実施形態のように
プロセスで作り付ける場合は1μm以上が再現性の上か
らも必要となり、上限としてカットオフが必要な10μ
m以下、更には発振波長の10倍程度以下、約4μm以
下が望ましい。なお、後述するような自己整合型の場合
は下限条件は断面構造にも依存し、1μm以下の設定も
可能である。
【0026】本実施形態では内側のメサ幅は3μmの場
合、しきい値65mAで室温連続発振した。発振波長は
415nm、動作電圧は5.5Vであった。メサ幅を1
μmとした場合、しきい値は35mAまで下がったが動
作電圧は7Vまで上昇した。ビーム特性は単峰であり、
非点隔差は5μmと十分小さな値が得られた。最高光出
力は連続発振で10mWまで得られ、信頼性に関しても
室温で1000時間以上安定に動作した。
【0027】これらの特性は、基板は下のままヒートシ
ンクにボンディングした構造で得られた。実際のプロセ
スでは内側のメサは必ずしも外側のメサの中心に位置せ
ず、フォトリソグラフィプロセスの際の位置ずれによ
り、偏心することもあるが、高次モードが立ちにくい方
向となるので素子特性上、大きな問題は生じない。
【0028】(第2の実施形態)図2は、本発明の第2
の実施形態に係わる青色半導体レーザの概略構成を示す
断面図である。ここではメサ構造付近の構造を拡大して
示している。また、図1と同一部分には同一符号を付し
て、その詳しい説明は省略する。
【0029】各窒化物層は、全て第1の実施形態と同様
に、MOCVD法により成長を行った。成長条件等も同
様である。そして、図中の13〜20までの各窒化物層
の形成を行った後に、第2のメサはチャネル型に掘り込
むことで形成した。誘電体膜21及び電極パッド22も
第1の実施形態と同様にして形成した。
【0030】本実施形態では、レーザ構造のp側部分は
比較的平坦にすることができる。そして、このレーザを
接合面(p側)をヒートシンクにマウントしたところ、
しきい電流値やビーム特性は第1の実施形態と同様であ
ったが、最高連続発振温度は50℃から80℃まで高く
することができた。信頼性試験も高温で試すことが可能
となり、50℃で1000時間以上安定に動作するのを
確認した。
【0031】(第3の実施形態)図3は、本発明の第3
の実施形態に係わる青色半導体レーザの概略構成を示す
断面図である。ここでも第2の実施形態と同様に、メサ
構造付近の構造を拡大して示している。また、図1と同
一部分には同一符号を付して、その詳しい説明は省略す
る。
【0032】各窒化物層は、全て第1、第2の実施形態
と同様に、MOCVD法により成長を行った。成長条件
等も同様である。本実施形態では、第2の実施形態と同
様に第2のメサをチャネル型に掘り込むことで形成した
が、これに加えてチャネル内にZnO膜23を形成し、
これを第2の導波路構造として用いた。
【0033】即ち、Auパッド22を形成する前に全面
にZnO膜23をスピンコートにより形成し、RIEに
よりバックエッチングすることでチャネル中のみにZn
O膜23を残した。ここで、ZnOのバンドギャップは
3.35eVとGaNと類似であるが、スピンコートに
よる膜形成ではバンドギャップにだれを生じ、発振波長
光に適度な吸収を持たせることができる。
【0034】本実施形態では、非常に横モードの制御性
が良くなり、キンクなどのモードの不安定性は殆ど観察
されなかった。これは、Auを用いて高次モードに吸収
を持たせるよりも、ZnOを用いることにより吸収がよ
り大きくなったためと考えられる。この吸収層はスピン
コートで形成するポリイミドなど有機系のものでも良
い。また、CVD法によりポリSiなどをつけても良
く、W,Moなどの金属を用いても良い。本構造では種
々の吸収層が適用可能である。
【0035】(第4の実施形態)図4は、本発明の第4
の実施形態に係わる青色半導体レーザの概略構成を示す
断面図である。なお、図1と同一部分には同一符号を付
して、その詳しい説明は省略する。
【0036】本実施形態が第1の実施形態と異なる点
は、第1のメサの埋め込みをGaNコンタクト層19で
はなく、p−Al0.07Ga0.93N層24(Mgドープ;
5×1019cm-3、厚さ0.45μm)で行ったことに
ある。このp−AlGaN埋め込み層24はp−GaN
コンタクト層19を成長する前に第1のメサ上にSiO
2 ストライプを残し、選択成長を行うことで形成した。
【0037】また、p−AlGaN埋め込み層24を形
成したことにより、p−GaNコンタクト層19の厚さ
は0.5μmと第1の実施形態よりも薄くした。さら
に、第1の導波構造における第1のメサの幅、即ち残し
た活性層16の幅は1.5μm、外側のメサ(第2のメ
サ)の幅は3μmとした。
【0038】本実施形態では、活性層部分のクラッドを
含む実効屈折率は第1のメサの埋め込み層であるAlG
aNよりも大きい、導波構造となっている。そしてこの
場合、しきい値25mAで室温連続発振した。発振波長
は415nm、動作電圧は5.5Vであった。ビーム特
性は単峰であり、非点隔差は3μmと十分小さな値が得
られた。最高光出力は連続発振で10mWまで得られ、
信頼性に関しても室温で1000時間以上安定に動作し
た。
【0039】これらの特性は、基板は下のままヒートシ
ンクにボンディングした構造で得られた。本実施形態で
は、埋め込み層をp−AlGaNとしたためn−AlG
aNとの接合でのビルトインポテンシャルが大きくな
り、活性層外側でのリーク電流を低減できる。また、埋
め込み層のAlGaNはZnなどをドープした高抵抗層
としても良い。
【0040】(第5の実施形態)図5は、本発明の第5
の実施形態に係わる青色半導体レーザの概略構成を示す
断面図である。なお、図1と同一部分には同一符号を付
して、その詳しい説明は省略する。
【0041】図中の11〜22は第1の実施形態で説明
したのと同じであり、25はZnドープの高抵抗GaN
埋め込み層である。但し、Au電極パッド22はp側電
極を兼ねている。製造方法は今までの実施形態と類似で
ある。メサの幅、即ち残した活性層16の幅は2μmと
した。本構造は、活性層部分のクラッドを含む実効屈折
率はメサの埋め込み層25であるGaNよりも小さい、
反導波構造となっている。
【0042】本実施形態では、外側のメサをわざわざ設
けず、n面を出すためのメサと活性層を1.5μmまで
近接させた。活性層部分からしみ出した高次モードはn
面メサの外側のAuで吸収を受け、カットオフとなる。
このような非対称の吸収層設定であるが、高次モードを
立ちにくくする観点では問題ない。
【0043】本実施形態では、しきい値70mAで室温
連続発振した。発振波長は415nm、動作電圧は5.
5Vであった。本実施形態はプロセス上、n面出しメサ
を第2のメサと兼ねられるため大幅に工程を短縮でき
た。
【0044】(第6の実施形態)図6は、本発明の第6
の実施形態に係わる青色半導体レーザの概略構成を示す
断面図である。なお、図1と同一部分には同一符号を付
して、その詳しい説明は省略する。
【0045】本実施形態では、第1のメサの埋め込みを
26,27,28で行っている。即ち、第1のメサを形
成した後に、メサ上にSiO2 を残し、選択成長により
自己整合的に順次p−Al0.07Ga0.93Nの埋め込み層
26,n−In0.2 Ga0.8N電流狭窄・光吸収層2
7,GaN電流狭窄層28を形成することにより得られ
る。ここで、26は基本モード用の低屈折率層として、
27は高次モード用の光吸収層として、28は電流狭窄
の安定性のために設けたものである。
【0046】本実施形態では、第1のメサを形成した後
に、p−AlGaNの埋め込み層26,n−InGaN
電流狭窄・光吸収層27,GaN電流狭窄層28を形成
することにより、第1のメサの両側に、基本モード用の
低屈折率層と高次モード用の光吸収層を作り付けること
ができた。メサの幅、即ち残した活性層16の幅は2μ
mとした。本構造は、活性層部分のクラッドを含む実効
屈折率はメサの埋め込み層であるAlGaNよりも大き
い、導波構造となっている。
【0047】本実施形態では、しきい値30mAで室温
連続発振した。発振波長は415nm、動作電圧は5.
5Vであった。本実施形態は、プロセス上の再現性に著
しい再現性と工程数低減をもたらした。
【0048】(第7の実施形態)図7は、本発明の第7
の実施形態に係わる青色半導体レーザの概略構成を示す
断面図である。なお、図1と同一部分には同一符号を付
して、その詳しい説明は省略する。
【0049】本実施形態が第6の実施形態と異なる点
は、p−AlGaNの埋め込み層26の代わりにp−G
aNの埋め込み層29を用いたことにある。メサの幅、
即ち残した活性層16の幅は3μmとした。本構造は、
活性層部分のクラッドを含む実効屈折率はメサの埋め込
み層であるGaNよりも小さい、反導波構造となってい
る。
【0050】本実施形態でも、第1のメサを形成後、メ
サ上にSiO2 を残し、選択成長により自己整合的に順
次、29,27,28と基本モード制御用の埋め込み層
と、高次モード用の光吸収層をメサ側面に精度良く作り
付けることができた。
【0051】本実施形態では、しきい値38mAで室温
連続発振した。発振波長は415nm、動作電圧は4.
5Vであった。本実施形態も第6の実施形態と同様に、
プロセス上の再現性に著しい再現性と工程数低減をもた
らした。
【0052】なお、本発明は上述した各実施形態に限定
されるものではない。実施形態では基板としてサファイ
アを用いたが、これに限らず単結晶であればSiCなど
も適用可能で、さらにII−VI族化合物半導体、Si,G
eなどを用いても良い。実施形態では、対象層をAlG
aN等の窒化ガリウム系材料として記述したが、In,
Ti,Si,C,Niなどの元素を混晶にならない不純
物程度の量、含んでいても良い。さらに、必ずしも基板
側をn型にする必要はなく、p,n導電型を全て逆にし
てもよい。
【0053】実施形態では、活性層までエッチングして
メサを形成し、メサ側部を埋め込むいわゆるBH構造を
中心に詳述したが、活性層をエッチングせず、活性層面
より上の導波構造を用いる構造としても良い。さらに、
発光部上のクラッドを凹部にエッチングし高屈折率層で
埋め込む構造に適用も可能である。また、高次モードに
吸収を与える層、構造もレーザのしきい値に悪影響を与
えないものであれば種々の適用が可能である。さらに
は、導波路構造、受光素子、トランジスタなどの光デバ
イス分野へも適用が可能である。その他、本発明の要旨
を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することができ
る。
【0054】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、基
本横モードを得るための導波構造とは別に高次のモード
をカットオフするための導波構造を別に作り付け、基本
モードと高次モードを選択的に制御することによって、
メサ幅は十分広く取れ、素子抵抗が十分に低く、製造方
法も簡単な優れた窒化ガリウム系横モード型半導体レー
ザが実現できる。この半導体レーザは、低しきい値化が
可能で、ビーム特性も良く、信頼性も大幅に向上するこ
とから、その有用性は絶大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係わる青色半導体レーザの概
略構成を示す断面図。
【図2】第2の実施形態に係わる青色半導体レーザの概
略構成を示す断面図。
【図3】第3の実施形態に係わる青色半導体レーザの概
略構成を示す断面図。
【図4】第4の実施形態に係わる青色半導体レーザの概
略構成を示す断面図。
【図5】第5の実施形態に係わる青色半導体レーザの概
略構成を示す断面図。
【図6】第6の実施形態に係わる青色半導体レーザの概
略構成を示す断面図。
【図7】第7の実施形態に係わる青色半導体レーザの概
略構成を示す断面図。
【符号の説明】
11…サファイア基板 12…GaNバッファ層 13…n−GaNコンタクト層 14…n側電極 15…n−Al0.15Ga0.85Nクラッド層 16…MQW及び光ガイド層を含む活性層部 17…p−Al0.15Ga0.85Nクラッド層 18…p−GaN再成長用キャップ層 19…p−GaNコンタクト層 20…p側電極 21…SiO2 誘電体膜 22…Au電極パッド 23…ZnO埋め込み層 24…p−Al0.07Ga0.93N埋め込み層 25…高抵抗GaN埋め込み層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に窒化物系化合物半導体層を積層し
    てなる窒化物系化合物半導体レーザであって、 活性層を含むメサの外側を埋め込み層で埋め込み、接合
    面と平行方向に屈折率差を利用して作り付けられた第1
    の導波構造と、発振光に対して損失を有する材料、又は
    第1の導波構造を形成する埋め込み層とは異なる屈折率
    を有する材料からなり、第1の導波構造の外側に形成さ
    れた第2の導波構造とを具備してなることを特徴とする
    窒化物系化合物半導体レーザ。
  2. 【請求項2】第1の導波構造における埋め込み層の接合
    面と平行な方向の厚さを、1〜4μmの範囲に設定した
    ことを特徴とする請求項1記載の窒化物系化合物半導体
    レーザ。
  3. 【請求項3】第2の導波構造は、基本横モード以外の高
    次のモードに対して大きな損失を有するように形成され
    ていることを特徴とする請求項1記載の窒化物系化合物
    半導体レーザ。
  4. 【請求項4】第1の導波構造は、反導波型の導波構造で
    あることを特徴とする請求項1記載の窒化物系化合物半
    導体レーザ。
  5. 【請求項5】第1の導波構造が半導体層から形成されて
    おり、第2の導波構造が半導体層又は半導体以外の材料
    から形成されていることを特徴とする請求項1記載の窒
    化物系化合物半導体レーザ。
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