JPH1173142A - 表示装置 - Google Patents

表示装置

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JPH1173142A
JPH1173142A JP9304634A JP30463497A JPH1173142A JP H1173142 A JPH1173142 A JP H1173142A JP 9304634 A JP9304634 A JP 9304634A JP 30463497 A JP30463497 A JP 30463497A JP H1173142 A JPH1173142 A JP H1173142A
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幸久 武内
Tsutomu Nanataki
七瀧  努
Iwao Owada
大和田  巌
Takayoshi Akao
隆嘉 赤尾
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Abstract

(57)【要約】 【課題】行走査にかかる時間を大幅に短縮できるように
して、高品位の画像表示に容易に対応させるようにす
る。 【解決手段】光源から出射される光10が導入される光
導波板12と、該光導波板12の背面の周囲に存在する
エバネッセント領域120への突入量tを変化させるこ
とによって表示階調を制御する。この場合、一対の電極
への電圧印加によって光導波板12に接近する方向に屈
曲変位するアクチュエータ部を設け、該アクチュエータ
部上に画素面積を決定する変位伝達部32の板部材32
aを設ける。そして、アクチュエータ部への電圧印加を
制御することで、前記エバネッセント領域120への板
部材32aの突入量tを変化させて当該アクチュエータ
部に対応する画素の表示階調を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、消費電力が小さ
く、画面輝度の大きな表示装置に関し、特に、入力され
る画像信号の属性に応じて光導波板に対するアクチュエ
ータ部の接触・離隔方向の変位動作を制御して、光導波
板の所定部位の漏れ光を制御することにより、光導波板
に画像信号に応じた映像を表示させる表示装置に使用し
て好適な表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、表示装置として、陰極線管
(CRT)、液晶表示装置、プラズマディスプレイ等の
表示装置が知られている。
【0003】陰極線管としては、通常のテレビジョン受
像機やコンピュータ用のモニタ装置等が知られている
が、画面は明るいものの、消費電力が大きく、また、画
面の大きさに比較して表示装置全体の奥行きが大きくな
るという問題がある。また、表示画像の周辺部で分解能
が低下し、像又は図形が歪む。記憶作用がない。大型表
示ができないなどの難点もある。
【0004】この理由は、電子銃から放射された電子ビ
ームを大きく偏向させることから、電子ビームがブラウ
ン管の蛍光面に斜めに到達する箇所では発光点(ビーム
スポット)が広がり、像が斜めに表示されるようにな
る。これにより、表示画像に歪みが生じることになる。
また、ブラウン管内部の大きな空間を真空に保つには限
度があるからである。
【0005】一方、液晶表示装置は、装置全体を小型化
でき、消費電力が少ないという利点があるものの、画面
の輝度が劣り、画面視野角度が狭いという問題がある。
また、電圧レベルにより階調表現を行うようにしている
ため、駆動回路の構成が非常に複雑になるという難点が
ある。
【0006】例えば、デジタルデータ線を用いた場合、
その駆動回路は、コンポーネントRGBデータ(各8ビ
ット)を所定期間保持するラッチ回路と、電圧セレクタ
と、階調数に応じた種類の電圧レベルに切り換えるマル
チプレクサと、該マルチプレクサからの出力データをデ
ジタルデータ線に加えるための出力回路を有して構成さ
れる。この場合、階調数が大きくなるとマルチプレクサ
において非常に多くのレベルの切換え動作が必要にな
り、それに伴って、回路構成が複雑になる。
【0007】アナログデータ線を用いた場合、その駆動
回路は、順次入力されるコンポーネントRGBデータ
(各8ビット)を水平方向に整列させるためのシフトレ
ジスタと、シフトレジスタからのパラレルデータを所定
期間保持するラッチ回路と、電圧レベルの調整をとるレ
ベルシフタと、レベルシフタからの出力データをアナロ
グ信号に変換するD/A変換器と、該D/A変換器から
の出力信号をアナログデータ線に加えるための出力回路
を有して構成される。この場合、D/A変換器におい
て、オペアンプを使用することにより、階調に応じた所
定の電圧を得るようにしているが、階調の範囲が広くな
ると、高精度の電圧を出力するオペアンプを使用する必
要があり、構造が複雑になると共に価格も高くなるとい
う欠点がある。
【0008】プラズマディスプレイは、液晶表示装置と
同様に、表示部自体の体積が小さいため、小型化が可能
であり、平板な表示面であるため、見やすいという長所
があり、特に、交流型プラズマディスプレイにおいて
は、セルの記憶作用により、リフレッシュメモリが不要
であるという長所も有する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記プラズ
マディスプレイにおいては、セルに記憶作用を持たせる
ために、印加電圧の極性を交番的に切り換えて放電を持
続させる必要がある。そのため、駆動回路に、X方向の
サスティンパルスを発生させるための第1のパルス発生
器と、Y方向のサスティンパルスを発生させるための第
2のパルス発生器を設ける必要があり、駆動回路の構成
がどうしても複雑になるという問題がある。また、行走
査にかかる時間も長くなることから、高速スキャンが困
難になり、高品位の画像表示に対応させることが難し
い。
【0010】本発明はこのような課題を考慮してなされ
たものであり、行走査にかかる時間を大幅に短縮でき、
高品位の画像表示に容易に対応させることができる表示
装置を提供することを目的とする。
【0011】また、本発明の他の目的は、前記条件に加
えて、表示階調の範囲を広くしても、複雑な電圧切換え
や電圧選択等を行う必要がなく、使用電圧の設定数を最
小限に抑えることができ、周辺回路系(駆動回路を含
む)の構成の簡略化を実現させることができる表示装置
を提供することを目的とする。
【0012】また、本発明の他の目的は、画素を構成す
るアクチュエータ部の形状保持層(圧電/電歪層や反強
誘電体層)の記憶作用を最大限に活用してディスプレイ
としての機能を発揮させることができ、発光の安定化、
表示輝度(階調)の安定化を実現させることができる表
示装置を提供することにある。
【0013】また、本発明の他の目的は、画素の選択期
間を最小にして消費電力の低減化を有効に図ることがで
きる表示装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係る表示装置
は、光源から出射される光が導入される光導波板と、前
記光導波板の一主面の周囲に存在するエバネッセント領
域への突入量を変化させることによって表示階調を制御
する駆動部とを設けて構成する。
【0015】これにより、光導波板の例えば端部から導
入される光は、光導波板の屈折率の大きさを調節するこ
とにより、全ての光が光導波板の前面及び背面において
透過することなく内部で全反射する(消光状態)。光導
波板の一主面に何らかの物体(散乱体等)が光の波長以
下の距離で接触すると、一旦、前記物体の表面に到達し
た光は、該物体の表面で反射して散乱光として、一部は
再度光導波板の中で反射するが、散乱光の大部分は光導
波板で反射されることなく、光導波板の前面を透過する
ことになる(発光状態)。
【0016】この状態において、光導波板の一主面の周
囲には、光のしみ出し(エバネッセント波)による領域
(エバネッセント領域)が存在する。このエバネッセン
ト領域での光エネルギー(エバネッセント波のエネルギ
ー)は、光導波板と外部空間との界面に近づくほど大き
く、前記界面から離れるに従って指数関数的に減衰す
る。
【0017】このエバネッセント領域に対して前記物体
(散乱体等)を突入させることにより、その突入量に応
じて発光量(輝度)が増大する。即ち、前記エバネッセ
ント領域への突入量を変化させることによって表示階調
を制御することができる。
【0018】この場合、画像の表示開始時点において前
記物体を光導波板に対して接近する方向及び離間する方
向に移動させるだけでよいため、行走査にかかる時間を
大幅に低減させることができ、高品位の画像表示に容易
に対応させることができる。
【0019】そして、前記駆動部として、該光導波板の
前記一主面に対向して設け、かつ多数の画素に対応した
数のアクチュエータ部を配列させて構成し、入力される
画像信号の属性に応じて前記光導波板に対する前記アク
チュエータ部の接触・離隔方向の変位動作を制御して、
前記光導波板の所定部位の漏れ光を制御することによ
り、前記光導波板に前記画像信号に応じた映像を表示さ
せるようにしてもよい。
【0020】また、本発明に係る表示装置においては、
光が導入される光導波板と、前記光導波板の一方の板面
に対向して設けられ、かつ、多数の画素に対応して設け
られた多数のアクチュエータ部と、前記アクチュエータ
部の変位動作を前記光導波板に伝達する変位伝達部と、
前記アクチュエータ部の変位動作により前記変位伝達部
の接触面積及び接触性を変化させることによって表示階
調を制御する駆動部を設けて構成することも可能であ
る。
【0021】この場合、アクチュエータ部が駆動部によ
って一方向に変位して変位伝達部が光導波板の一主面に
接近する際、一般に、変位伝達部の表面(光導波板の一
主面に対向した面)の一部が光導波板の一主面に接触
し、アクチュエータ部の変位量の増加に応じて変位伝達
部の表面の前記光導波板との接触部分が多くなる。この
接触部分の面積が増えることによって、変位伝達部の表
面で反射する光(散乱光)の量が増加し、当該アクチュ
エータ部に対応する画素の輝度レベルが高くなる。反対
に、駆動部によってアクチュエータ部の変位量が減少
し、変位伝達部が光導波板から離間すると、その離間幅
に応じて画素の輝度レベルが低下する。即ち、駆動部の
アクチュエータ部に対する変位操作によって画素に対す
る表示階調の制御を行うことができる。
【0022】そして、これらの発明において、少なくと
も1行単位にアクチュエータ部を選択する第1の駆動回
路と、選択行に対して表示用情報を出力する第2の駆動
回路と、第1及び第2の駆動回路を制御する信号制御回
路とを具備させ、前記信号制御回路によって少なくとも
電圧変調方式で階調制御すべく前記第1及び第2の駆動
回路を制御するようにしてもよい。
【0023】これにより、信号制御回路による制御によ
って、第1の駆動回路は、少なくとも1行単位にアクチ
ュエータ部(画素)を選択し、第2の駆動回路は、選択
された行(選択行)の各画素に表示情報を出力する。こ
のとき、各画素の表示が少なくとも電圧変調方式で階調
表現されるように、第1及び第2の駆動回路が信号制御
回路を通じて制御される。
【0024】ここで、前記第1及び第2の駆動回路は、
次の点を特徴とすることが望ましい。 (1) アクチュエータ部が容量性負荷となるため、該容量
性負荷を駆動することを考慮に入れて、例えばアクチュ
エータ部を屈曲変位させる電圧(オン電圧)の印加終了
時に容量性負荷に加わる分圧比が50%以上であること
が望ましい。 (2) 画素のオン状態及びオフ状態が表現できるだけのア
クチュエータ部の変位量を得るために、20V以上の電
圧出力が可能であることが望ましい。 (3) 出力電流の向きが双方向にとられることを考慮に入
れることが望ましい。 (4) 行方向及び列方向の2電極構造の負荷を駆動するこ
とができることが望ましい。
【0025】そして、前記構成において、アクチュエー
タ部を、形状保持層と、該形状保持層に形成された少な
くとも一対の電極とを有する作動部と、該作動部を支持
する振動部と、該振動部を振動可能に支持する固定部と
を設けて構成し、前記駆動部に前記一対の電極への電圧
印加によって生じる前記アクチュエータ部の変位動作を
前記光導波板に伝達する変位伝達部を設けることが望ま
しい。
【0026】ここで、形状保持層を有するアクチュエー
タ部とは、同じ電圧レベルにおいて、2つ乃至それ以上
の変位状態を少なくとも有するアクチュエータ部を指
す。
【0027】これにより、光導波板の例えば端部から導
入される光は、光導波板の屈折率の大きさを調節するこ
とにより、全ての光が光導波板の前面及び背面において
透過することなく内部で全反射する(オフ状態)。この
状態において、光導波板の一主面に変位伝達部が光の波
長以下の距離で接触すると、一旦、変位伝達部の表面に
到達した光は、変位伝達部の表面で反射して散乱光とし
て、一部は再度光導波板の中で反射するが、散乱光の大
部分は光導波板で反射されることなく、光導波板の前面
を透過することになる(オン状態)。
【0028】このように、光導波板の背面にある変位伝
達部の接触の有無により、光導波板の前面における光の
発光(漏れ光)の有無を制御することができる。この場
合、光導波板に対して変位伝達部を接触・離隔方向に変
位動作させる1つの単位を1画素として考えれば、この
画素を多数マトリクス状に配列し、入力される画像信号
の属性に応じて各画素での変位動作を制御することによ
り、陰極線管や液晶表示装置と同様に、光導波板の前面
に画像信号に応じた映像(文字や図形等)を表示させる
ことができる。
【0029】また、形状保持層を有するアクチュエータ
部による特徴は以下の通りである。 (1) オフ状態からオン状態へのしきい値特性が形状保持
層が存在しない場合と比して急峻になるため、電圧の振
れ幅を狭くでき、回路側の負担を軽減することができ
る。 (2) オン状態及びオフ状態の差が明確になり、コントラ
ストの向上につながる。 (3) しきい値のばらつきが小さくなり、電圧の設定範囲
に余裕が生まれる。
【0030】なお、アクチュエータ部としては、制御の
容易性から、例えば上向きに変位するアクチュエータ部
(電圧無負荷で離隔状態、電圧印加時に接触するもの)
であることが望ましい。特に、表面に一対の電極をもつ
構造であることが望ましい。
【0031】前記形状保持層としては、例えば圧電/電
歪層や反強誘電体層が好ましく用いられる。
【0032】そして、前記構成において、前記アクチュ
エータ部への選択の際に、前記信号制御回路によって前
記第2の駆動回路を通じて印加される電圧を表示階調に
応じてアナログ制御するようにしてもよい。
【0033】特に、前記光導波板における表示面に静止
画像を表示させる場合にあっては、最小静止画像表示期
間の終了時に、前記第2の駆動回路を通じて、表示画像
に応じてアナログ調整されたリフレッシュ電圧を各アク
チュエータ部に印加するようにしてもよい。
【0034】この場合、各アクチュエータ部に対する定
期的なリフレッシュ電圧の印加により、各アクチュエー
タ部の変位状態がその階調レベルまで復元されるため、
前記最小静止画像表示期間以上に静止画像表示を維持さ
せることができる。これにより、静止画像表示の応用例
の一種であるいわゆる電子ポスタ等に用いて好適とな
る。
【0035】また、前記アクチュエータ部への選択の際
に、前記信号制御回路によって前記第2の駆動回路を通
じて印加される微小パルス信号の印加回数を表示階調に
応じて変化させるようにしてもよい。
【0036】この場合、画像の表示開始時点において、
アクチュエータ部に対してその階調に応じた分の微小パ
ルス信号を印加させるだけでよいため、非常に高速な行
走査が可能となり、高品位の画像表示に容易に対応させ
ることができる。
【0037】特に、デジタルデータをアナログ信号に変
換するためのD/A変換器が不要となり、しかも、表示
階調の範囲を広くしても、複雑な電圧切換えや電圧選択
等を行う必要がないため、使用電圧の設定数を最小限に
抑えることができ、周辺回路系(駆動回路を含む)の構
成の簡略化を実現させることができる。
【0038】前記微小パルス信号のパルス幅及び/又は
振幅は、最大の表示階調を考慮して設定するようにして
もよいし、前記光導波板に導入される光の波長に応じて
設定するようにしてもよい。
【0039】また、前記光導波板に対する光の入射角を
前記光導波板に導入される光の波長に応じて設定するよ
うにしてもよい。
【0040】一般に、エバネッセント領域の深さ(光導
波板と外部空間との界面におけるエバネッセント波のエ
ネルギー値が1/eになる深さ)は、光の波長が長くな
るに従って大きくなり、光導波板に対する光の入射角が
大きくなるほど小さくなる。
【0041】このことから、光源から赤色光、緑色光及
び青色光を導入した場合を想定したとすると、各光は波
長が異なるため、各光でのエバネッセント領域の深さ及
びエバネッセント波のエネルギー分布も異なる。
【0042】しかし、本発明では、光導波板に導入され
る光の波長に応じて入射角を変えるようにしているた
め、各光でのエバネッセント波のエネルギー分布をほぼ
同じにすることが可能となり、各光間での輝度ばらつき
を有効に補正することができる。
【0043】そして、前記光導波板における表示面に静
止画像を表示させる場合にあっては、最小静止画像表示
期間の終了時に、前記第2の駆動回路を通じて少なくと
も1つの前記微小パルス信号からなるリフレッシュパル
スを各アクチュエータ部に印加するようにしてもよい。
【0044】この場合、各アクチュエータ部に対する定
期的なリフレッシュパルスの印加により、各アクチュエ
ータ部の変位状態がその階調レベルまで復元されるた
め、前記最小静止画像表示期間以上に静止画像表示を維
持させることができる。これにより、静止画像表示の応
用例の一種であるいわゆる電子ポスタ等に用いて好適と
なる。
【0045】また、前記光導波板における表示面に動画
像を表示させる場合にあっては、前記動画像における1
枚の画像を表示させる期間を1フィールドとしたとき、
各フィールドの終了の際に、前記第2の駆動回路を通じ
て、前記アクチュエータ部の変位をリセットさせるに十
分なリセット電圧を印加するようにしてもよい。
【0046】この場合、1フィールドの開始時点におい
て微小パルス信号が階調に応じた回数ほど印加され、1
フィールドの終了時点においてリセット電圧が印加され
るだけであり、その間におけるアクチュエータ部への電
圧印加等は不要とされる。そのため、アクチュエータ部
を駆動するためにかかる消費電力を大幅に低減すること
ができ、信号処理における時間的な余裕を持たせること
ができ、より高速な処理、例えばハイビジョン画像の表
示やコンピュータグラフィックスの表示等への移行にも
容易に対応させることができる。
【0047】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る表示装置の実
施の形態例(以下、単に実施の形態に係る表示装置と記
す)を図1〜図21を参照しながら説明する。
【0048】この実施の形態に係る表示装置Dは、図1
に示すように、光源200から出射された光10が導入
される光導波板12と、該光導波板12の背面に対向し
て設けられ、かつ多数のアクチュエータ部14が画素に
対応して配列された駆動部16を有して構成されてい
る。 駆動部16は、例えばセラミックスにて構成され
た基体18を有し、該基体18の各画素に応じた位置に
アクチュエータ部14が配設されている。前記基体18
は、一主面が光導波板12の背面に対向するように配置
されており、該一主面は連続した面(面一)とされてい
る。基体18の内部には、各画素に対応した位置にそれ
ぞれ後述する振動部を形成するための空所20が設けら
れている。各空所20は、基体18の他端面に設けられ
た径の小さい貫通孔18aを通じて外部と連通されてい
る。
【0049】前記基体18のうち、空所20の形成され
ている部分が薄肉とされ、それ以外の部分が厚肉とされ
ている。薄肉の部分は、外部応力に対して振動を受けや
すい構造となって振動部22として機能し、空所20以
外の部分は厚肉とされて前記振動部22を支持する固定
部24として機能するようになっている。
【0050】つまり、基体18は、最下層である基板層
18Aと中間層であるスペーサ層18Bと最上層である
薄板層18Cの積層体であって、スペーサ層18Bのう
ち、画素に対応する箇所に空所20が形成された一体構
造体として把握することができる。基板層18Aは、補
強用基板として機能するほか、配線用の基板としても機
能するようになっている。なお、前記基体18は、一体
焼成であっても、後付けであってもよい。
【0051】各アクチュエータ部14は、図1に示すよ
うに、前記振動部22と固定部24のほか、該振動部2
2上に直接形成された圧電/電歪層や反強誘電体層等の
形状保持層26と、該形状保持層26の上面に形成され
た一対の電極28(ロー電極28a及びカラム電極28
b)とを有するアクチュエータ部本体30と、図1に示
すように、該アクチュエータ部本体30上に接続され、
かつ光導波板12との接触面積を大きくして画素に応じ
た面積にする変位伝達部32とを有して構成されてい
る。
【0052】即ち、この表示装置Dは、基体18上に、
形状保持層26及び一対の電極28からなるアクチュエ
ータ部本体30を形成した構造を有する。一対の電極2
8は、形状保持層26に対して上下に形成した構造や片
側だけに形成した構造であってもかまわないが、基体1
8と形状保持層26との接合性を有利にするには、この
表示装置Dのように、基体18と形状保持層26とが段
差のない状態で直接接するように、形状保持層26の上
部(基体18とは反対側)のみに一対の電極28を形成
した方が好ましい。
【0053】ここで、各部材の形状について図2〜図1
0を参照しながら説明する。まず、図2に示すように、
基体18に形成される空所20の周面形状、即ち振動部
22の平面形状は円形状とされ(破線参照)、形状保持
層26の平面形状(一点鎖線参照)並びに一対の電極2
8にて形づくられる外周形状(実線参照)も円形状とさ
れている。この場合、振動部22の大きさが最も大き
く、次いで一対の電極28の外周形状とされ、形状保持
層26の平面形状が最も小さく設定されている。なお、
一対の電極28の外周形状が最も大きくなるように設定
してもよい。
【0054】形状保持層26上に形成される一対の電極
28(ロー電極28a及びカラム電極28b)の平面形
状は、例えば図3に示すように、これら一対の電極28
a及び28bが互いに並行し、かつ相互に離間された数
ターンの渦巻き状とされている。この渦巻きのターン数
は、実際は、5ターン以上であるが、図3の例では、図
面の複雑化を避けるために3ターンとして記載してあ
る。
【0055】そして、各電極28a及び28bに通じる
配線は、図2に示すように、多数の画素の行数に応じた
本数の垂直選択線40と、多数の画素の列数に応じた本
数の信号線42とを有する。各垂直選択線40は、各画
素(アクチュエータ部14:図1参照)におけるロー電
極28aに電気的に接続され、各信号線42は、各画素
14のカラム電極28bに電気的に接続されている。ま
た、前記各垂直選択線40は、前列の画素に関するロー
電極28aから導出されて当該画素に関するロー電極2
8aに接続されて、1つの行に関し、シリーズに配線さ
れた形となっている。信号線42は、列方向に延びる本
線42aと該本線42aから分岐して各画素14のカラ
ム電極28bに接続される支線42bからなる。
【0056】各垂直選択線40への電圧信号の供給は、
図示しない配線基板(基体18の他主面に貼り合わされ
ている)からスルーホール44を通じて行われ、各信号
線42への電圧信号の供給も、図示しない前記配線基板
からスルーホール46を通じて行われるようになってい
る。
【0057】スルーホール44及び46の配置パターン
としては種々のものが考えられるが、図2の例では、垂
直選択線40のスルーホール44は、行数をM、列数を
Nとしたとき、N=M又はN>Mの場合においては、n
行n列(n=1,2・・・)の画素の近傍で、かつ(n
−1)列の信号線(本線)寄りの位置に形成され、N<
Mの場合においては、(αN+n)行n列(α=0,1
・・・(M/Nの商−1))の画素の近傍で、かつ(n
−1)列の信号線(本線)寄りの位置に形成される。
【0058】一方、信号線42のスルーホール46は、
N=M又はN<Mの場合においては、各信号線42の本
線42a上であって、かつn行n列(n=1,2・・
・)の画素に近接する位置に形成され、N>Mの場合に
おいては、各信号線42の本線42a上であって、かつ
n行(βM+n)列(β=0,1・・・(N/Mの商−
1))の画素に近接する位置に形成される。また、垂直
選択線40のスルーホール44は、信号線42の場合と
異なって、垂直選択線40上に形成されないため、スル
ーホールと一方の電極28a間にそれらの電気的導通を
図るための中継導体48が形成される。
【0059】なお、各垂直選択線40と各信号線42と
が交差する部分には、互いの配線40及び42間の絶縁
をとるためにシリコン酸化膜、ガラス膜、樹脂膜等から
なる絶縁膜50(二点鎖線で示す)が介在されている。
【0060】前記一対の電極28の平面形状としては、
図3に示す渦巻き形状のほかに、図4に示すような形状
としてもよい。具体的には、一対の電極28a及び28
bが共に、前記形状保持層26上の中心に向かって延び
る幹部52及び54と該幹部52及び54から多数枝分
かれしてなる枝部56及び58を有する形状を具備し、
かつ一対の電極28a及び28bが、相互に離間されて
相補形に配列された形状(以下、便宜的に多枝形状と記
す)としてもよい。
【0061】上述のような構成を有する表示装置Dで
は、振動部22の平面形状、形状保持層26の平面形状
及び一対の電極28にて形づくられる外周形状を円形状
とした場合を示したが、その他、図5及び図6に示すよ
うに長円形状(トラック形状)や、図7に示すように楕
円形状としてもよい。
【0062】また、図8に示すように、振動部22の平
面形状及び形状保持層26の平面形状を共に矩形状と
し、コーナー部が角のとれた形状や、図9に示すよう
に、振動部22の平面形状及び形状保持層26の平面形
状を共に多角形状(例えば八角形状)とし、各頂角部分
が丸みを帯びた形状としてもよい。
【0063】また、振動部22の形状、形状保持層26
の平面形状、一対の電極28にて形づくられる外周形状
は、円と楕円の組み合わせでもよいし、矩形状と楕円の
組み合わせでもよく、特に限定されるものではない。ま
た、形状保持層26の平面形状は、ここでは図示しない
が、リング状とすることも好ましく採用される。この場
合も、外周形状として、円、楕円、矩形状など種々のも
のが挙げられる。形状保持層26の平面形状をリング状
とすることにより、中空部分に電極を形成する必要がな
いため、変位量を小さくすることなく静電容量を小さく
することができる。
【0064】図2、図8及び図9の例では、基体18上
での各アクチュエータ部14(画素)の配置をマトリク
ス状とした例を示したが、その他、図7で示すように、
各行に対して画素(アクチュエータ部14)を千鳥状に
配置するようにしてもよい。この図7の配置パターンの
場合は、各行に関するアクチュエータ部14(画素)の
配置が千鳥状となることから、各行に関し、それぞれ垂
直選択線40を結ぶライン(一点鎖線aで示す)はジグ
ザグ状とされる。信号線42は、図示しない配線基板に
おいて、破線bに示すように、前記千鳥状に配される画
素14のうち、例えば垂直方向上側に位置する画素(ア
クチュエータ部14)に対応する箇所に2本の信号線4
2を互いに近接させて配線したパターンを有する。そし
て、図7上、千鳥状に配される画素のうち、例えば垂直
方向上側に位置する画素(アクチュエータ部14)のカ
ラム電極28bが、前記互いに近接する2本の信号線4
2及び42のうち、右側の信号線42と中継導体60及
びスルーホール62を通じて電気的に接続され、垂直方
向下側に位置する画素(アクチュエータ部14)のカラ
ム電極28bが、前記互いに近接する2本の信号線42
及び42のうち、左側の信号線42と中継導体64及び
スルーホール66を通じて電気的に接続される。
【0065】次に、前記構成を有する表示装置Dの動作
を図1を参照しながら簡単に説明する。まず、光導波板
12の例えば端部から光10が導入される。この場合、
光導波板12の屈折率の大きさを調節することにより、
全ての光10が光導波板12の前面及び背面において透
過することなく内部で全反射する。この状態において、
あるアクチュエータ部14が選択状態とされて、光導波
板42の背面に前記アクチュエータ部14に対応する変
位伝達部32が光10の波長以下の距離で接触すると、
一旦、変位伝達部32の表面に到達した光10は、変位
伝達部32の表面で反射して散乱光70として、一部は
再度光導波板12の中で反射するが、散乱光70の大部
分は光導波板12で反射されることなく、光導波板12
の前面を透過することになる。
【0066】つまり、光導波板12の背面にある変位伝
達部32の接触の有無により、光導波板12の前面にお
ける光の発光(漏れ光)の有無を制御することができ
る。特に、本実施例に係る表示装置Dでは、光導波板1
2に対して変位伝達部32を接触・離隔方向に変位動作
させる1つの単位を1画素とし、更にこの画素を多数マ
トリクス状、あるいは各行に関し千鳥状に配列するよう
にしているため、入力される画像信号の属性に応じて各
画素での変位動作を制御することにより、陰極線管や液
晶表示装置並びにプラズマディスプレイと同様に、光導
波板の前面に画像信号に応じた映像(文字や図形等)を
表示させることができる。
【0067】ここで、光導波板12に入射される光10
としては、紫外域、可視域、赤外域のいずれでもよい。
光源200としては、白熱電球、重水素放電ランプ、蛍
光ランプ、水銀ランプ、メタルハライドランプ、ハロゲ
ンランプ、キセノンランプ、トリチウムランプ、発光ダ
イオード、レーザー、プラズマ光源、熱陰極管、冷陰極
管などが用いられる。
【0068】次に、形状保持層26として圧電層を用い
た場合の各アクチュエータ部14での動作原理を図10
の屈曲変位特性に基づいて説明する。図10に示す屈曲
変位特性は、アクチュエータ部14におけるロー電極2
8a及びカラム電極28b間に分極処理のための電圧を
印加して、形状保持層26を分極処理した後、アクチュ
エータ部14に加えられる電圧を連続的に変化させたと
きのアクチュエータ部14の屈曲変位をみたものであ
る。この例では、図1に示すように、アクチュエータ部
14が一方向(光導波板12に接近する方向)に屈曲変
位する場合を正方向としている。
【0069】具体的に前記屈曲変位特性の測定について
一例をあげて説明する。まず、形状保持層26を分極処
理するためにロー電極28a及びカラム電極28b間に
電圧をかけると、形状保持層26の一主面において面方
向に正方向の電界が生じる。
【0070】表示装置Dのアクチュエータ部14として
使用する電圧の使用範囲(Vr〜Vh)を超えた電圧を
例えば7時間、適度な温度下において印加することによ
って、発生した電界と同じ方向に分極処理される。
【0071】その後、ロー電極28a及びカラム電極2
8b間への電圧印加を停止して電圧無負荷状態とする。
そして、測定開始と共に、アクチュエータ部14のロー
電極28a及びカラム電極28b間に周波数が1kH
z、正側ピーク電圧がVh、負側ピーク電圧がVrのs
in波を印加し、各ポイント(点A〜点H)での変位量
を連続してレーザ変位計で測定する。このときの測定結
果を電界−屈曲変位グラフにプロットしたものが図10
の屈曲変位特性である。図10の矢印に示すように、屈
曲変位の変位量は、印加電圧の連続的な増減によってあ
る程度のヒステリシスをもって連続的に変化している。
【0072】具体的に、まず、測定を点Bで示す電圧無
負荷状態(印加電圧=0V)から開始したとすると、こ
の点Bにおいては、形状保持層26に分極処理による一
様の電界が生じているだけであるため、形状保持層26
に伸びは生じず、変位伝達部32と光導波板12とは離
隔された状態、即ち、オフ状態にある。
【0073】次に、アクチュエータ部14のロー電極2
8a及びカラム電極28b間に正側ピーク電圧(Vh)
が印加されると、点Eに示すように、アクチュエータ部
14は、一方向(光導波板12に接近する方向)に屈曲
変位する。このアクチュエータ部14の凸状変形によっ
て変位伝達部32が光導波板12側に変位し、該変位伝
達部32は光導波板12に接触することとなる。
【0074】変位伝達部32は、アクチュエータ部本体
30の屈曲変位に対応して光導波板12の背面に接触す
るものであるが、変位伝達部32が光導波板12の背面
に接触すると、例えば光導波板12内で全反射されてい
た光10が、光導波板12の背面を透過して変位伝達部
32の表面まで透過し、変位伝達部32の表面で反射す
る。これによって、当該アクチュエータ部14に対応す
る画素がオン状態となる。
【0075】なお、変位伝達部32は、光導波板12の
背面を透過した光を反射するため、更には光導波板12
との接触面積を所定以上に大きくするために設けられる
ものである。即ち、変位伝達部32と光導波板12との
接触面積により、発光面積が規定される。
【0076】そして、前記表示装置Dでは、変位伝達部
32は、実質的な発光面積を規定する板部材32aと、
アクチュエータ部14の変位を板部材32aに伝達する
ための変位伝達部材32bを有する。
【0077】また、光導波板12に接触する板部材32
a以外の部分をブラックマトリクスで覆うことが好まし
い。中でも、Cr、Al、Ni、Ag等の金属膜をブラ
ックマトリクスとして使うと光の吸収が小さいため、光
導波板12を伝搬する光の減衰、散乱を抑制することが
でき、特に好ましく用いられる。
【0078】次に、アクチュエータ部14の一対の電極
28a及び28b間への電圧印加を停止して、電圧無負
荷状態とした場合、アクチュエータ部14は、凸の状態
から元の状態(点Bの状態)に戻ろうとするが、ヒステ
リシス特性の関係から、完全に点Bの状態までは戻ら
ず、点Bよりも僅かに一方向に変位した状態(点Hの状
態)となる。この状態においては、変位伝達部32と光
導波板12とは隔離された状態、即ち、OFF状態とな
っている。
【0079】次に、アクチュエータ部14の一対の電極
28a及び28b間に負側ピーク電圧(Vr)が印加さ
れると、点Aに示すように、前記電圧無負荷状態での僅
かな一方向への変位が打ち消されて、完全に元の状態に
復元することになる。
【0080】従って、図10の屈曲変位特性からもわか
るように、正のピーク電圧Vhを動作電圧、負のピーク
電圧をリセット電圧として定義することが可能である。
以下、この定義に沿って説明を行う。
【0081】なお、前記形状保持層26を有するアクチ
ュエータ部14の特徴は以下の通りである。 (1) オフ状態からオン状態へのしきい値特性が形状保持
層26が存在しない場合と比して急峻になるため、電圧
の振れ幅を狭くでき、回路側の負担を軽減することがで
きる。 (2) オン状態及びオフ状態の差が明確になり、コントラ
ストの向上につながる。 (3) しきい値のばらつきが小さくなり、電圧の設定範囲
に余裕が生まれる。
【0082】なお、アクチュエータ部14としては、制
御の容易性から、例えば上向きに変位するアクチュエー
タ部14(電圧無負荷で離隔状態、電圧印加時に接触す
るもの)であることが望ましい。
【0083】次に、前記アクチュエータ部14の各構成
部材、特に各構成部材の材料等の選定について説明す
る。
【0084】まず、振動部22は、高耐熱性材料である
ことが好ましい。その理由は、アクチュエータ部14を
有機接着剤等の耐熱性に劣る材料を用いずに、固定部2
4によって直接振動部22を支持させる構造とする場
合、少なくとも形状保持層26の形成時に、振動部22
が変質しないようにするため、振動部22は、高耐熱性
材料であることが好ましい。
【0085】また、振動部22は、基体18上に形成さ
れる一対の電極28におけるロー電極28aに通じる垂
直選択線40とカラム電極28bに通じる信号線42と
の電気的な分離を行うために、電気絶縁材料であること
が好ましい。
【0086】従って、振動部22は、高耐熱性の金属あ
るいはその金属表面をガラス等のセラミック材料で被覆
したホーロー等の材料であってもよいが、セラミックス
が最適である。
【0087】振動部22を構成するセラミックスとして
は、例えば安定化された酸化ジルコニウム、酸化アルミ
ニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、スピネル、ム
ライト、窒化アルミニウム、窒化珪素、ガラス、これら
の混合物等を用いることができる。安定化された酸化ジ
ルコニウムは、振動部22の厚みが薄くても機械的強度
が高いこと、靭性が高いこと、形状保持層26及び一対
の電極28との化学反応性が小さいこと等のため、特に
好ましい。安定化された酸化ジルコニウムとは、安定化
酸化ジルコニウム及び部分安定化酸化ジルコニウムを包
含する。安定化された酸化ジルコニウムでは、立方晶等
の結晶構造をとるため、相転移を起こさない。
【0088】一方、酸化ジルコニウムは、1000℃前
後で、単斜晶と正方晶とで相転移し、この相転移のとき
にクラックが発生する場合がある。安定化された酸化ジ
ルコニウムは、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸
化イットリウム、酸化スカンジウム、酸化イッテルビウ
ム、酸化セリウム又は希土類金属の酸化物等の安定化剤
を、1〜30モル%含有する。振動部22の機械的強度
を高めるために、安定化剤が酸化イットリウムを含有す
ることが好ましい。このとき、酸化イットリウムは、好
ましくは1.5〜6モル%含有し、更に好ましくは2〜
4モル%含有することであり、更に0.1〜5モル%の
酸化アルミニウムが含有されていることが好ましい。
【0089】また、結晶相は、立方晶+単斜晶の混合
相、正方晶+単斜晶の混合相、立方晶+正方晶+単斜晶
の混合相などであってもよいが、中でも主たる結晶相
が、正方晶、又は正方晶+立方晶の混合相としたもの
が、強度、靭性、耐久性の観点から最も好ましい。
【0090】振動部22がセラミックスからなるとき、
多数の結晶粒が振動部22を構成するが、振動部22の
機械的強度を高めるため、結晶粒の平均粒径は、0.0
5〜2μmであることが好ましく、0.1〜1μmであ
ることが更に好ましい。
【0091】固定部24は、セラミックスからなること
が好ましいが、振動部22の材料と同一のセラミックス
でもよいし、異なっていてもよい。固定部24を構成す
るセラミックスとしては、振動部22の材料と同様に、
例えば、安定化された酸化ジルコニウム、酸化アルミニ
ウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、スピネル、ムラ
イト、窒化アルミニウム、窒化珪素、ガラス、これらの
混合物等を用いることができる。
【0092】特に、本実施の形態に係る表示装置で用い
られる基体18は、酸化ジルコニウムを主成分とする材
料、酸化アルミニウムを主成分とする材料、又はこれら
の混合物を主成分とする材料等が好適に採用される。そ
の中でも、酸化ジルコニウムを主成分としたものが更に
好ましい。
【0093】なお、焼結助剤として粘土等を加えること
もあるが、酸化珪素、酸化ホウ素等のガラス化しやすい
ものが過剰に含まれないように、助剤成分を調節する必
要がある。なぜなら、これらガラス化しやすい材料は、
基体18と形状保持層26とを接合させる上で有利では
あるものの、基体18と形状保持層26との反応を促進
し、所定の形状保持層26の組成を維持することが困難
となり、その結果、素子特性を低下させる原因となるか
らである。
【0094】即ち、基体18中の酸化珪素等は重量比で
3%以下、更に好ましくは1%以下となるように制限す
ることが好ましい。ここで、主成分とは、重量比で50
%以上の割合で存在する成分をいう。
【0095】形状保持層26は、上述したように、圧電
/電歪層や反強誘電体層等を用いることができるが、形
状保持層26として圧電/電歪層を用いる場合、該圧電
/電歪層としては、例えば、ジルコン酸鉛、マグネシウ
ムニオブ酸鉛、ニッケルニオブ酸鉛、亜鉛ニオブ酸鉛、
マンガンニオブ酸鉛、マグネシウムタンタル酸鉛、ニッ
ケルタンタル酸鉛、アンチモンスズ酸鉛、チタン酸鉛、
チタン酸バリウム、マグネシウムタングステン酸鉛、コ
バルトニオブ酸鉛等、又はこれらの何れかの組合せを含
有するセラミックスが挙げられる。
【0096】これらの化合物が50重量%以上を占める
主成分であってもよいことはいうまでもない。また、前
記セラミックスのうち、ジルコン酸鉛を含有するセラミ
ックスは、形状保持層26を構成する圧電/電歪層の構
成材料として最も使用頻度が高い。
【0097】また、圧電/電歪層をセラミックスにて構
成する場合、前記セラミックスに、更に、ランタン、カ
ルシウム、ストロンチウム、モリブデン、タングステ
ン、バリウム、ニオブ、亜鉛、ニッケル、マンガン等の
酸化物、若しくはこれらの何れかの組合せ、又は他の化
合物を、適宜、添加したセラミックスを用いてもよい。
例えば、マグネシウムニオブ酸鉛とジルコン酸鉛及びチ
タン酸鉛とからなる成分を主成分とし、更にランタンや
ストロンチウムを含有するセラミックスを用いることが
好ましい。
【0098】圧電/電歪層は、緻密であっても、多孔質
であってもよく、多孔質の場合、その気孔率は40%以
下であることが好ましい。
【0099】形状保持層26として反強誘電体層を用い
る場合、該反強誘電体層としては、ジルコン酸鉛を主成
分とするもの、ジルコン酸鉛とスズ酸鉛とからなる成分
を主成分とするもの、更にはジルコン酸鉛に酸化ランタ
ンを添加したもの、ジルコン酸鉛とスズ酸鉛とからなる
成分に対してジルコン酸鉛やニオブ酸鉛を添加したもの
が望ましい。
【0100】特に下記の組成のようにジルコン酸鉛とス
ズ酸鉛からなる成分を含む反強誘電体膜をアクチュエー
タ部14のような膜型素子として適用する場合、比較的
低電圧で駆動することができるため、特に好ましい。
【0101】Pb0.99Nb0.02[(Zrx Sn1-x
1-y Tiy 0.983 但し、0.5 <x< 0.6,0.05<y< 0.063,0.01<Nb
< 0.03 また、この反強誘電体膜は、多孔質であってもよく、多
孔質の場合には気孔率30%以下であることが望まし
い。
【0102】そして、前記基体18における振動部22
の厚みと該振動部22上に形成される形状保持層26の
厚みは、同次元の厚みであることが好ましい。なぜな
ら、振動部22の厚みが極端に形状保持層26の厚みよ
り厚くなると(1桁以上異なると)、形状保持層26の
焼成収縮に対して、振動部22がその収縮を妨げるよう
に働くため、形状保持層26と基体18界面での応力が
大きくなり、はがれ易くなる。反対に、厚みの次元が同
程度であれば、形状保持層26の焼成収縮に基体18
(振動部22)が追従し易くなるため、一体化には好適
である。具体的には、振動部22の厚みは、1〜100
μmであることが好ましく、3〜50μmが更に好まし
く、5〜20μmが更になお好ましい。一方、形状保持
層26は、その厚みとして5〜100μmが好ましく、
5〜50μmが更に好ましく、5〜30μmが更になお
好ましい。
【0103】前記形状保持層26上に形成される一対の
電極28は、用途に応じて適宜な厚さとするが、0.0
1〜50μmの厚さであることが好ましく、0.1〜5
μmが更に好ましい。また、前記一対の電極28は、室
温で固体であって、導電性の金属で構成されていること
が好ましい。例えば、アルミニウム、チタン、クロム、
鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ニオブ、モリブデ
ン、ルテニウム、ロジウム、銀、スズ、タンタル、タン
グステン、イリジウム、白金、金、鉛等を含有する金属
単体又は合金が挙げられる。これらの元素を任意の組合
せで含有していてもよいことはいうまでもない。
【0104】変位伝達部32の変位伝達部材32bは、
アクチュエータ部14の変位を直接光導波板12に伝達
できる程度の硬度を有するものが好ましい。従って、前
記変位伝達部材32bの材質としては、ゴム、有機樹
脂、有機接着フイルム、ガラス等が好ましいものとして
挙げられるが、電極層そのものあるいは圧電体ないしは
上述したセラミックス等の材質であってもかまわない。
最も好ましくは、エポキシ系、アクリル系、シリコーン
系、ポリオレフィン系等の有機樹脂又は有機接着フイル
ムがよい。更に、これらにフィラーを混ぜて硬化収縮を
抑制することも有効である。
【0105】板部材32aの材質としては、前記変位伝
達部材32bの材料のほか、エポキシ系、アクリル系、
シリコーン系等の有機樹脂に高屈折率を有するセラミッ
ク粉末、例えばジルコニア粉末、チタニア粉末、酸化鉛
粉末、それらの混合粉末等を高分散させた材料が、発光
効率、平坦性維持の点で望ましい。この場合、樹脂重
量:セラミック粉末重量=1:(0.1〜10)がよ
い。更に、前記組成に平均粒径0.5〜10μmのガラ
ス粉末をセラミック粉末に対して1:(0.1〜1.
0)の割合で添加すると、光導波板12の面との接触
性、離型性が改良されるため好ましい。
【0106】なお、前記板部材32aは、光導波板12
と接触する部分(面)の平坦度、平滑度が、アクチュエ
ータ部14の変位量に比較して十分小さくすることが好
ましく、具体的には、1μm以下、更に好ましくは0.
5μm以下、特に好ましくは0.1μm以下である。但
し、変位伝達部32の光導波板12と接触する部分
(面)の平坦度は、変位伝達部32が光導波板12に接
触した状態での隙間を減ずるために重要であって、接触
した状態で当該接触部分が変形するものであれば前記平
坦度に必ずしも限定されるものではない。
【0107】前記変位伝達部32のアクチュエータ部本
体30への接続は、変位伝達部32として上述した材料
を使用する場合には、接着剤を使って上述した材料の変
位伝達部32を積層するか、上述した材料の溶液、ペー
ストないしスラリーをコーティングする等の方法により
アクチュエータ部本体30の上部、あるいは光導波板1
2上に形成することにより行えばよい。
【0108】前記変位伝達部32をアクチュエータ部本
体30に接続する場合は、好ましくは、変位伝達部材3
2bの材料を接着剤として兼ねる材料とすればよい。特
に、有機接着フイルムを用いれば、熱をかけることで接
着剤として使えるため、好ましい。
【0109】光導波板12は、その内部に導入された光
10が前面及び背面において光導波板12の外部に透過
せずに全反射するような光屈折率を有するものであり、
導入される光10の波長領域での透過率が均一で、かつ
高いものであることが必要である。このような特性を具
備するものであれば、特にその材質は制限されないが、
具体的には、例えばガラス、石英、アクリル等の透光性
プラスチック、透光性セラミックスなど、あるいは異な
る屈折率を有する材料の複数層構造体、又は表面にコー
ティング層を設けたものなどが一般的なものとして挙げ
られる。
【0110】そして、この実施の形態に係る表示装置D
の周辺回路は、図11に示すように、多数のアクチュエ
ータ部14がマトリクス状、あるいは千鳥状に配列され
た駆動部16における前記垂直選択線40に選択的に駆
動信号を供給して、1行単位にアクチュエータ部14を
順次選択する垂直選択線駆動回路100と、前記駆動部
16の垂直選択線40にパラレルにデータ信号を出力し
て、前記垂直選択線駆動回路100にて選択された行
(選択行)の画素(アクチュエータ部)14にそれぞれ
データ信号を供給するデータ線駆動回路102と、入力
される映像信号Sv及び同期信号Ssに基づいて垂直選
択線駆動回路100及びデータ線駆動回路102を制御
する信号制御回路104とを有して構成されている。
【0111】従って、前記垂直選択線駆動回路100に
て1つの行が選択され、データ線駆動回路102からデ
ータ信号が出力されると、選択行に関する各画素に対し
て、それぞれの階調に応じた電圧が印加されることにな
る。
【0112】そして、前記垂直選択線駆動回路100に
は、内部のロジック回路での論理演算のためのロジック
電源電圧と、2種類の垂直選択線用電源電圧が電源部1
06を通じて供給され、データ線駆動回路62には、前
記ロジック電源電圧と、2種類のデータ線用電源電圧が
同じく電源部106を通じて供給されている。
【0113】信号制御回路104は、その内部にタイミ
ングコントローラ、フレームメモリ及びI/Oバッファ
を有し、垂直選択線駆動回路100に通じる制御線10
8並びにデータ線駆動回路102に通じる制御線110
を通じてこれら垂直選択線駆動回路100及びデータ線
駆動回路102を電圧変調方式で階調制御するように構
成されている。
【0114】前記垂直選択線駆動回路100及びデータ
線駆動回路102は、次の点を特徴とすることが望まし
い。 (1) アクチュエータ部14が容量性負荷となるため、該
容量性負荷を駆動することを考慮に入れて、例えばアク
チュエータ部14を屈曲変位させる電圧(動作電圧)の
印加終了時に容量性負荷に加わる分圧比が50%以上で
あることが望ましい。 (2) 画素のオン状態及びオフ状態が表現できるだけのア
クチュエータ部14の変位量を得るために、20V以上
の電圧出力が可能であることが望ましい。 (3) 出力電流の向きが双方向にとられることを考慮に入
れることが望ましい。 (4) 行方向及び列方向の2電極構造の負荷を駆動するこ
とができるものとすることが望ましい。
【0115】ここで、電圧変調方式による階調制御の2
つの方式(第1及び第2の駆動方式)について、図12
〜図19を参照しながら説明する。
【0116】まず、第1の駆動方式は、図12に示すよ
うに、1枚の画像の表示期間を1フィールドとしたと
き、例えば図13に示すように、形状保持機能を有する
アクチュエータ部14が印加電圧のレベルに応じてアナ
ログ的に変位することを利用するものであり、画素への
印加電圧を階調表現の分解能に応じて複数に分割(等分
割あるいは任意の分割)し、画素の階調に合わせた電圧
をアクチュエータ部14に印加することで電圧制御方式
による階調制御を達成することができる。
【0117】具体的には、図12の選択期間Tsに、図
11に示す垂直選択線駆動回路100にて、例えば1つ
の行を選択している場合において、当該選択行に配列さ
れる多数のアクチュエータ部14に対し、データ線駆動
回路102を通じて各アクチュエータ部14の階調に応
じた電圧が印加される。各アクチュエータ部14は、印
加された電圧のレベルに応じて一方向に変位し、図13
の例では、電圧V1 ,V2 ,・・・Vn に対して変位量
がZ1 ,Z2 ,・・・Zn というように、線形的に変位
することになる。
【0118】そして、例えばアクチュエータ部14が変
位量Z1 ほど変位した時点で、例えば図14に示すよう
に、変位伝達部32の板部材32aの一主面と光導波板
12の背面との間の距離Dが光10(光導波板12に導
入される光10)の波長λに相当する距離となり、例え
ば変位量Zn ほど変位した時点で、理想的には板部材3
2aの一主面が光導波板12の背面に完全に密着する。
【0119】変位伝達部32が光導波板12の裏面に向
かって接近し、該変位伝達部32の板部材32aの一主
面と光導波板12の背面間の距離が光10の波長λ以下
となった場合、その距離が短くなるにつれて光導波板1
2の表面から放射される散乱光の光量が多くなり、当該
アクチュエータ部14に対応する画素の輝度レベルが高
くなる。
【0120】この現象は、以下の2つの根拠から説明で
きる。即ち、まず、第1の根拠は、画素のドット面積と
接触性である。アクチュエータ部14が一方向に変位し
て変位伝達部32の板部材32aの一主面が光導波板1
2の背面に接近する際、一般に、該板部材32aの一部
が光導波板12の背面に接触し、アクチュエータ部14
の変位量の増加に応じて板部材32aの前記光導波板1
2との接触部分が多くなる。この接触部分の面積が増え
ることによって、板部材32aの表面で反射する光(散
乱光)の量が増加し、当該アクチュエータ部14に対応
する画素の輝度レベルが高くなる。反対に、アクチュエ
ータ部14の変位量が減少して、板部材32aが光導波
板12から離間すると、その離間幅Dに応じて画素の輝
度レベルが低下する。
【0121】第2の根拠は、以下のエバネッセント効果
で説明することができる。一般に、光導波板12におけ
る例えば背面の周囲には、図14に示すように、光のし
み出し(エバネッセント波)による領域(エバネッセン
ト領域)120が存在する。そして、このエバネッセン
ト領域120の深さdpは、光導波板12と外部空間と
の界面(この例では、光導波板12の背面)におけるエ
バネッセント波のエネルギー値が1/eになる深さを示
し、以下の(1)式で与えられ、また、エバネッセント
波のエネルギーEは、以下の(2)式で与えられる。
【0122】 dp=λ/[2πn1 √{sin2 θ−(n2 /n1 2 }] …(1) E=exp{−(D/dp)} …(2) ここで、λは光10の波長を示し、θは図14に示すよ
うに、光導波板12から外部空間に光10が入射すると
きの角度(入射角)を表す。また、n1 は光導波板12
の光屈折率を示し、n2 は外部空間の光屈折率を示す。
【0123】前記(1)式により、前記深さdpは、光
10の波長λが増加するにつれて大きくなり、入射角θ
が臨界角に近づくほど大きくなることが予想できる。一
方、エバネッセント波のエネルギーEは、(2)式に示
すように、光導波板12の裏面に近づくほど大きく、前
記光導波板12の裏面から離れるに従って指数関数的に
減衰する。変位伝達部32の板部材32aの表面にて反
射される光(散乱光70)の光量は、前記エバネッセン
ト波のエネルギーEに比例することから、散乱光70の
光量も、板部材32aが光導波板12の裏面に近づくほ
ど多くなり、前記光導波板12の裏面から離れるに従っ
て指数関数的に減少することになる。
【0124】前記選択期間Tsの終了時点からリセット
パルスPrの印加時点までの非選択期間Tuにおいて
は、アクチュエータ部14における形状保持層26の形
状保持効果により、当該アクチュエータ部14は、非選
択期間Tuにわたって選択期間終了時の変位量を保持し
続け、当該画素の発光状態が一定期間維持される。
【0125】次に、第2の駆動方式について図15〜図
19を参照しながら説明する。この第2の駆動方式は、
光導波板12の表面に静止画像を表示させるか、あるい
は動画像を表示させるかによって、その時間制御が異な
る。
【0126】具体的には、静止画像を表示させる場合に
おいては、図15Aに示すように、動画像における1枚
の画像を表示する期間を1フィールドとしたとき、静止
画像の最小表示期間Tsi(最小静止画像表示期間)
は、図15Bに示すように、前記1フィールドよりもか
なり長い期間が設定される。この最小静止画像表示期間
Tsiは、1枚の画像の表示開始時点tsから最初のリ
フレッシュを行う時点trまでの期間が相当し、表示装
置の構造(CRT、液晶ディスプレイ、プラズマディス
プレイ等)によって左右される。例えば記憶作用のない
CRTでは動画像を表示する場合と同様の1フィールド
が設定され、液晶ディスプレイ及びプラズマディスプレ
イでは、液晶及びプラズマの放電時間を考慮して最小静
止画像表示期間Tsiが設定される。
【0127】液晶ディスプレイ及びプラズマディスプレ
イは、CRTと異なって記憶作用があるため、一般に、
前記最小静止画像表示期間Tsiは、1フィールドより
も長い期間が設定される。
【0128】そして、本実施の形態に係る表示装置Dの
第2の駆動方式においては、図16A〜図16Cに示す
ように、垂直選択線駆動回路100を通じて選択された
画素群に対応する各アクチュエータ部14に対し、行走
査の開始時点t0で1つ又はそれ以上の微小パルスP1
〜P6を有する駆動信号をデータ線駆動回路102を通
じて供給する。図16Aは、ある列の画素群に対して1
行単位に駆動信号を供給している例のタイミングチャー
トを示し、図16Bは当該列の任意の行におけるアクチ
ュエータ部(画素)14に対して前記駆動信号を供給す
る場合の波形図を示す。また、図16Cは駆動信号の供
給による画素の表示輝度の変化を示し、この例では、例
えば最大階調6(微小パルスP1〜P6)に対して、階
調レベル4(P1〜P4)を表示する場合を示してい
る。
【0129】前記駆動信号は、図16Bからもわかるよ
うに、その画素が表示すべき階調レベルに応じた個数の
微小パルスを有し、そのパルス周期Tpcは、垂直選択
線駆動回路100によって全行(第1行〜第n行)を選
択する期間(微小パルス走査期間)Tssか、あるいは
該微小パルス走査期間Tssよりも短い期間とされてい
る。もちろん、前記微小パルス走査期間Tssよりも長
く設定してもよい。図16A及び図16Bの例では、微
小パルスのパルス周期Tpcを微小パルス走査期間Ts
sと同じに設定してある。
【0130】この場合、アクチュエータ部14に印加さ
れるパルス信号としてパルス幅が非常に短い微小パルス
を用いているため、各微小パルス走査期間(Tss)は
非常に短く、走査開始時点t0から最大階調6に対応す
る微小パルスP6の走査期間(Tss)の終了時点t6
(=ts)までの期間(微小パルス印加期間)Tpiも
最小静止画像表示期間Tsiと比して非常に短いものと
なる。
【0131】そして、1つの微小パルスがアクチュエー
タ部14に印加されると、アクチュエータ部14は、そ
のパルスのエネルギー(電力)に応じた分だけ一方向に
変位する。この現象を図17に示す。この図17は、光
導波板12の表面のうち、測定対象のアクチュエータ部
14に対応する箇所にフォトダイオードを設置し、当該
アクチュエータ部14に種々の電圧を印加した場合のフ
ォトダイオードの出力強度をみたものである。
【0132】この図17からもわかるように、ピーク値
が130Vである微小パルスPが当該アクチュエータ部
14に印加された時点で当該アクチュエータ部14に対
応した画素が発光し、また、ピーク値が−50Vのリセ
ットパルスPrが印加された時点で当該画素が消光して
いる。
【0133】このように、微小パルスPの電力に応じた
分だけアクチュエータ部14が変位することから、図1
8に示すように、1つの微小パルスP1の印加によるア
クチュエータ部14の変位量を1オフセット量Zo1と
定義した場合、アクチュエータ部14は、2つの微小パ
ルスP1及びP2の印加によって2オフセット量Zo2
ほど変位し、3つの微小パルスP1〜P3の印加によっ
て3オフセット量Zo3ほど変位し、4つの微小パルス
P1〜P4の印加によって4オフセット量Zo4ほど変
位する。一般的には、アクチュエータ部14は、n個の
微小パルスP1〜Pnの印加によってnオフセット量Z
onだけ変位することになる。
【0134】この場合、上述したように、アクチュエー
タ部14の変位量が多くなるに従って光導波板12の裏
面に対する板部材32aの接触面積が増え、あるいは図
14に示すように、光導波板12の裏面周囲に存在する
エバネッセント領域120への突入量tが増加すること
から、図16Cに示すように、当該アクチュエータ部1
4に対応する画素の表示輝度もE1〜E4というように
増加することになる。即ち、当該画素の階調が微小パル
スPの個数によって制御されることになる。
【0135】また、微小パルス印加期間Tpi(図16
A参照)を過ぎた段階では、アクチュエータ部14にお
ける形状保持層26の形状保持効果により、当該アクチ
ュエータ部14は、微小パルス印加期間Tpi終了時の
変位量を保持し続け、当該画素の発光状態が一定期間維
持される。
【0136】そして、光導波板12の表面に静止画像を
表示させる場合においては、前記微小パルス印加期間T
piの終了後一定期間が経過する前に、即ち、アクチュ
エータ部14の変位量が低減する前に、1つの微小パル
ス(リフレッシュパルス)Prfをアクチュエータ部1
4に印加する。この操作は、全てのアクチュエータ部1
4に対して順次行われる。
【0137】このアクチュエータ部14に対するリフレ
ッシュパルスPrfの印加によって、各アクチュエータ
部14の変位量が微小パルス印加期間Tpiの終了時点
における変位量まで復元され、アクチュエータ部14の
変位は、更に一定期間維持されることになる。この操作
を順次繰り返すことによって、光導波板12の表面には
静止画像が表示されることになる。
【0138】なお、図11及び図12に基づいて説明し
た前記第1の駆動方式において、例えば静止画像を表示
させる場合は、例えば図15Bに示すように、最小静止
画像表示期間Tsiの終了時に、前記データ線駆動回路
102を通じて、表示画像に応じてアナログ調整された
リフレッシュ電圧を各アクチュエータ部14に印加すれ
ばよい。
【0139】次に、この第2の駆動方法において、光導
波板12の表面に動画像を表示させる場合について説明
すると、この動画像を表示する場合も、基本的には、上
述の静止画像を表示する場合とほとんど同じであるが、
図19に示すように、1枚の画像を表示する期間を1フ
ィールドとしたとき、各フィールドの終了の際に、前記
データ線駆動回路102を通じて、前記アクチュエータ
部14の変位をリセットさせるに十分な電圧を有するリ
セットパルスPrが印加される点で異なる。
【0140】この場合、微小パルス印加期間Tpiがす
ぐに終了するため、全画素に対してリセットパルスPr
を印加する期間(リセット走査期間)Trsと前記微小
パルス印加期間Tpiとは干渉することがなく、前記リ
セット走査期間Trsを前記微小パルス印加期間Tpi
よりも長く設定することができる。これは、各画素に対
するリセットパルスPrの印加期間を長くできることに
つながり、各画素の変位を確実にリセットすることがで
きる。
【0141】このように、この第2の駆動方法において
は、アクチュエータ部14に対してその階調に応じた分
の微小パルス信号を印加させるだけでよいため、非常に
高速な行走査が可能となり、高品位の画像表示に容易に
対応させることができる。
【0142】特に、デジタルデータをアナログ信号に変
換するためのD/A変換器が不要となり、しかも、表示
階調の範囲を広くしても、複雑な電圧切換えや電圧選択
等を行う必要がないため、使用電圧の設定数を最小限に
抑えることができ、周辺回路系(第1及び第2の駆動回
路を含む)の構成の簡略化を実現させることができる。
【0143】また、前記光導波板12の表示面に静止画
像を表示させる場合にあっては、各アクチュエータ部1
4に対する定期的なリフレッシュパルスPrfの印加に
より、各アクチュエータ部14の変位状態がその階調レ
ベルまで復元されるため、前記最小静止画像表示期間T
si以上に静止画像表示を維持させることができる。こ
れにより、静止画像表示の応用例の一種である、いわゆ
る電子ポスタ等に用いて好適となる。これは、第1の駆
動方式で静止画像を表示させる場合も同様である。
【0144】また、前記光導波板12の表示面に動画像
を表示させる場合にあっては、1フィールドの開始時点
t0において微小パルス信号が階調に応じた回数ほど印
加され、1フィールドの終了時点においてリセットパル
スPrが印加されるだけであり、その間におけるアクチ
ュエータ部14への電圧印加等は不要とされる。そのた
め、アクチュエータ部14を駆動するためにかかる消費
電力を大幅に低減することができ、しかも、信号処理に
おける時間的な余裕を持たせることができる。その結
果、より高速な処理、例えばハイビジョン画像の表示や
コンピュータグラフィックスの表示等への移行にも容易
に対応させることができる。
【0145】この実施の形態では、最大階調を6とした
が、最大階調を7以上にしてもよい。一定のパルス幅及
び一定の振幅とした場合には、最大階調の数に応じて、
微小パルス印加期間Tpiが長くなるため、動画像表示
において輝度不足になるおそれがある。そのため、各微
小パルス信号のパルス幅及び/又は振幅は、最大の表示
階調と許容できる微小パルス印加期間Tpiを考慮して
設定することが好ましい。
【0146】また、上述したように、エバネッセント領
域120の深さdpは、光10の波長λが長くなるに従
って大きくなり、光導波板12に対する光10の入射角
θが臨界角に近づくほど大きくなることから、光源20
0から光導波板12に赤色光、緑色光及び青色光を導入
した場合を想定した場合、各光は波長が異なるため、各
光でのエバネッセント領域120の深さdp及びエバネ
ッセント波のエネルギー分布も異なる。
【0147】このことから、R/G/B別に微小パルス
Pのパルス幅及び振幅を設定することにより、1つの微
小パルスの印加によるアクチュエータ部14の変位量
(1オフセット量Zo1)をR/G/B別に任意に調整
することができ、輝度の向上及びコントラストの向上を
容易に図ることができる。
【0148】また、前記光導波板12に対する光の入射
角θを前記光導波板12に導入される光の波長λに応じ
て設定するようにしてもよい。例えば、R/G/B別に
光源200の位置をずらす、あるいはR/G/Bに対応
して3種の光源200を設置する。これによって、各光
(R/G/B)でのエバネッセント波のエネルギー分布
をほぼ同じにすることが可能となり、各光(R/G/
B)間での輝度ばらつきを有効に補正することができ
る。
【0149】R/G/Bの切り換えは、熱陰極管、冷陰
極管、発光ダイオード、レーザー等のRGB光源に対し
て、機械的シャッタやスイッチのON/OFFを利用す
ることにより実現できる。また、RGB以外の紫外、単
色可視光、赤外光源に対しては、例えば三原色フィル
タ、補色フィルタ、不透明体で例えば樹脂等に顔料など
の色素を散乱させたもの、蛍光体等を組み合わせて使用
することにより実現できる。
【0150】ところで、光源200から出射され、光導
波板12に導入される光10が可視光である場合、光導
波板12内の欠陥(傷や異物等)によって散乱光が発生
するおそれがあり、コントラストを損ねる場合がある。
【0151】また、実施の形態に係る表示装置Dにおい
ては、光導波板12に対するアクチュエータ部14の接
触・離隔方向の変位動作を制御して、光導波板12の所
定部位の漏れ光70を制御することにより画像を表示し
ているが、画素の接触が不完全になると、表示輝度が小
さくなるおそれがある。これを解決するには、変位伝達
部32として柔軟性をもったもので構成する方法が考え
られるが、応答性の点で不利になるという問題がある。
【0152】そこで、以下に示す本実施の形態に係る表
示装置Dの変形例Da及びDbにおいては、図20及び
図21に示すように、光源200から出射されて光導波
板12に導入される光10を不可視光とし、この不可視
光10によって励起されて所定の可視光204が発光さ
れる蛍光体(図20及び図21の例では蛍光体層20
2)を画素に形成して構成する。
【0153】図20の第1の変形例に係る表示装置Da
では、変位伝達部32の板部材32aの上面に蛍光体層
202を形成した場合を示し、図21の第2の変形例に
係る表示装置Dbでは、前記板部材32aの代わりに蛍
光体層202を形成した場合を示す。また、前記不可視
光10としては紫外光や赤外光があるが、いずれを使用
してもよい。なお、その他の構成は、図1に示す本実施
の形態に係る表示装置Dと同じであるため、その詳細な
説明を省略する。
【0154】前記第1及び第2の変形例に係る表示装置
Da及びDbの具体例を示すと、光源200として、例
えば赤外線光源を使用でき、画素に形成する発光体(図
20及び図21の例では蛍光体層202)として赤外光
励起による蛍光体を用いることができる。この場合、赤
外光励起蛍光体について特に限定はなく、赤外輝尽効果
を利用するものや、量子計数作用を利用するもの、多段
エネルギー伝達によるもの等を用いることができる。
【0155】また、この表示装置Da及びDbにおいて
は、赤外光とともに輝尽励起光源を併用することで輝尽
性蛍光体を用いることが可能であり、カラー表示を行う
場合、光の三原色である赤、緑及び青色発光をそれぞれ
示す3種類の蛍光体材料を用いて、それらを2次元的な
パターンに並べて形成することが可能である。
【0156】光源200としては、蛍光体を励起するの
に必要な波長の光を含み、励起に十分なエネルギー密度
を有していれば、特に制限はない。例えば、赤外光励起
蛍光体に対しては、赤外線レーザー、ハロゲンランプ等
が好ましく用いられる。
【0157】このように、前記第1及び第2の変形例に
係る表示装置Da及びDbにおいては、光導波板12に
導入される光10として不可視光を用いるようにしたの
で、画素発光以外での光導波板12内での可視光の発光
が皆無となり、コントラストの向上に有利になる。
【0158】また、光源200から出射される不可視光
10のエネルギー密度、波長、入射角を調整することに
より、有効なエバネッセント領域120の深さdp(図
14参照)を大きくとることができ、画素の接触が不完
全でも輝度の大きい表示が可能となる。
【0159】この場合、画素の接触性を考慮した設計
(柔軟性のある材料を用いた設計)から、応答性を重視
した剛性の高い設計に改善することができる。これは、
行走査の更なる高速化につながり、高品位の画像表示へ
の実現が非常に容易になる。
【0160】また、階調制御の変調方式については、上
述した電圧変調方式や時間変調方式の全てが適用できる
が、特に電圧変調方式を用いた場合、有効なエバネッセ
ント領域120の深さdpが大きくなるため、多階調化
に有利になる。
【0161】特に、例えば図20に示すように、光導波
板12の側面に対する光源200からの不可視光10の
入射角をθ、この不可視光10が光導波板12の表面に
達したときの空気に対する入射角をθwとしたとき、エ
ネルギー密度が大きいほど、波長が大きいほど、入射角
θ(但し、入射角θwが臨界角より大きいことが必須条
件)が大きいほど有利になる。
【0162】なお、この発明に係る表示装置は、上述の
実施の形態に限らず、この発明の要旨を逸脱することな
く、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【0163】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る表示
装置によれば、行走査にかかる時間を大幅に短縮でき、
高品位の画像表示に容易に対応させることができる。ま
た、表示階調の範囲を広くしても、複雑な電圧切換えや
電圧選択等を行う必要がなく、使用電圧の設定数を最小
限に抑えることができ、周辺回路系(駆動回路を含む)
の構成の簡略化を実現させることができる。
【0164】また、画素を構成するアクチュエータ部の
形状保持層(圧電/電歪層や反強誘電体層)の記憶作用
を最大限に活用してディスプレイとしての機能を発揮さ
せることができ、発光の安定化、表示輝度(階調)の安
定化を実現させることができる。また、画素の選択期間
を最小にして消費電力の低減化を有効に図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る表示装置を示す構成図であ
る。
【図2】本実施の形態に係る表示装置におけるアクチュ
エータ部(画素)の配置を拡大して示す平面図である。
【図3】本実施の形態に係る表示装置における一対の電
極の平面形状(渦巻き状)を示す平面図である。
【図4】本実施の形態に係る表示装置における一対の電
極の平面形状(多枝形状)を示す平面図である。
【図5】本実施の形態に係る表示装置における振動部、
形状保持層及び一対の電極の平面形状(長円形状、渦巻
き状)を示す平面図である。
【図6】本実施の形態に係る表示装置における振動部、
形状保持層及び一対の電極の平面形状(長円形状、多枝
形状)を示す平面図である。
【図7】本実施の形態に係る表示装置におけるアクチュ
エータ部(画素)の他の配置例を拡大して示す平面図で
ある。
【図8】本実施の形態に係る表示装置におけるアクチュ
エータ部(画素)の他の配置例を拡大して示す平面図で
ある。
【図9】本実施の形態に係る表示装置におけるアクチュ
エータ部(画素)の他の配置例を拡大して示す平面図で
ある。
【図10】本実施の形態に係る表示装置におけるアクチ
ュエータ部(画素)の屈曲変位特性を示す図である。
【図11】本実施の形態に係る表示装置の周辺回路を示
す構成図である。
【図12】本実施の形態に係る表示装置の第1の駆動方
式を説明するためのタイミングチャートである。
【図13】第1の駆動方式による階調制御を説明するた
めのアクチュエータ部の変位特性図である。
【図14】画素のドット面積と接触性並びにエバネッセ
ント効果による階調制御の原理を示す説明図である。
【図15】図15Aは動画像における1枚の画像を表示
する期間(1フィールド)を示すタイミングチャートで
あり、図15Bは最小静止画像表示期間を説明するため
のタイミングチャートである。
【図16】図16Aはある列の画素群に対して1行単位
に駆動信号を供給している例のタイミングチャートを示
し、図16Bは当該列の任意の行におけるアクチュエー
タ部(画素)に対して前記駆動信号を供給する場合の波
形図を示し、図16Cは駆動信号の供給による画素の表
示輝度の変化を示す図である。
【図17】図17Aは第2の駆動方式において微小パル
スとリセットパルスの印加タイミング及び印加電圧を示
す波形図であり、図17Bは図17Aに示す電圧が印加
された場合の画素の発光強度分布を示す図である。
【図18】微小パルスの数に対するアクチュエータ部の
変位量(オフセット量)の変化を示す特性図である。
【図19】第2の駆動方式にて動画像を表示させる場合
のタイミングチャートである。
【図20】本実施の形態に係る表示装置の第1の変形例
を示す構成図である。
【図21】本実施の形態に係る表示装置の第2の変形例
を示す構成図である。
【符号の説明】
10…光 12…光導波
板 14…アクチュエータ部 16…駆動部 18…基体 20…空所 22…振動部 24…固定部 26…形状保持層 28…一対の
電極 28a…ロー電極 28b…カラ
ム電極 30…アクチュエータ部本体 32…変位伝
達部 32a…板部材 32b…変位
伝達部材 40…垂直選択線 42…信号線 100…垂直選択線駆動回路 102…デー
タ線駆動回路 104…信号制御回路 200…光源 202…蛍光体層 D、Da、D
b…表示装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 赤尾 隆嘉 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光源から出射される光が導入される光導波
    板と、 前記光導波板の一主面の周囲に存在するエバネッセント
    領域への突入量を変化させることによって表示階調を制
    御する駆動部とを有することを特徴とする表示装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の表示装置において、 前記駆動部は、該光導波板の前記一主面に対向して設け
    られ、かつ多数の画素に対応した数のアクチュエータ部
    が配列されて構成され、 入力される画像信号の属性に応じて前記光導波板に対す
    る前記アクチュエータ部の接触・離隔方向の変位動作を
    制御して、前記光導波板の所定部位の漏れ光を制御する
    ことにより、前記光導波板に前記画像信号に応じた映像
    を表示させることを特徴とする表示装置。
  3. 【請求項3】請求項2記載の表示装置において、 前記アクチュエータ部は、形状保持層と、該形状保持層
    に形成された少なくとも一対の電極とを有する作動部
    と、該作動部を支持する振動部と、該振動部を振動可能
    に支持する固定部とを有して構成され、 前記一対の電極への電圧印加によって生じる前記アクチ
    ュエータ部の変位動作を前記光導波板に伝達する変位伝
    達部とを有することを特徴とする表示装置。
  4. 【請求項4】光が導入される光導波板と、 前記光導波板の一方の板面に対向して設けられ、かつ、
    多数の画素に対応して設けられた多数のアクチュエータ
    部と、 前記アクチュエータ部の変位動作を前記光導波板に伝達
    する変位伝達部と、 前記アクチュエータ部の変位動作により前記変位伝達部
    の接触面積及び接触性を変化させることによって表示階
    調を制御する駆動部を有することを特徴とする表示装
    置。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれか1項に記載の表示
    装置において、 少なくとも1行単位にアクチュエータ部を選択する第1
    の駆動回路と、選択行に対して表示用情報を出力する第
    2の駆動回路と、第1及び第2の駆動回路を制御する信
    号制御回路とを具備し、 前記信号制御回路は、少なくとも電圧変調方式で階調制
    御すべく前記第1及び第2の駆動回路を制御することを
    特徴とする表示装置。
  6. 【請求項6】請求項5記載の表示装置において、 前記信号制御回路は、前記アクチュエータ部への選択の
    際に、前記第2の駆動回路を通じて印加される電圧を表
    示階調に応じてアナログ制御することを特徴とする表示
    装置。
  7. 【請求項7】請求項6記載の表示装置において、 前記光導波板における表示面に静止画像を表示させる場
    合であって、 最小静止画像表示期間の終了時に、前記第2の駆動回路
    を通じて、表示画像に応じてアナログ調整されたリフレ
    ッシュ電圧が各アクチュエータ部に印加されることを特
    徴とする表示装置。
  8. 【請求項8】請求項5記載の表示装置において、 前記信号制御回路は、前記アクチュエータ部への選択の
    際に、前記第2の駆動回路を通じて印加される微小パル
    ス信号の印加回数を表示階調に応じて変化させることを
    特徴とする表示装置。
  9. 【請求項9】請求項8記載の表示装置において、 前記微小パルス信号のパルス幅及び/又は振幅は、最大
    の表示階調を考慮して設定されることを特徴とする表示
    装置。
  10. 【請求項10】請求項8又は9記載の表示装置におい
    て、 前記微小パルス信号のパルス幅及び/又は振幅は、前記
    光導波板に導入される光の波長に応じて設定されている
    ことを特徴とする表示装置。
  11. 【請求項11】請求項6〜10のいずれか1項に記載の
    表示装置において、 前記光導波板に対する光の入射角が、前記光導波板に導
    入される光の波長に応じて設定されていることを特徴と
    する表示装置。
  12. 【請求項12】請求項8〜11のいずれか1項に記載の
    表示装置において、 前記光導波板における表示面に静止画像を表示させる場
    合であって、 最小静止画像表示期間の終了時に、前記第2の駆動回路
    を通じて少なくとも1つの前記微小パルス信号からなる
    リフレッシュパルスが各アクチュエータ部に印加される
    ことを特徴とする表示装置。
  13. 【請求項13】請求項6〜11のいずれか1項に記載の
    表示装置において、 前記光導波板における表示面に動画像を表示させる場合
    であって、 前記動画像における1枚の画像を表示させる期間を1フ
    ィールドとしたとき、 各フィールドの終了の際に、前記第2の駆動回路を通じ
    て、前記アクチュエータ部の変位をリセットさせるに十
    分なリセット電圧が印加されることを特徴とする表示装
    置。
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