JPH1172646A - 多分岐光カプラの製造方法 - Google Patents
多分岐光カプラの製造方法Info
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- JPH1172646A JPH1172646A JP27690597A JP27690597A JPH1172646A JP H1172646 A JPH1172646 A JP H1172646A JP 27690597 A JP27690597 A JP 27690597A JP 27690597 A JP27690597 A JP 27690597A JP H1172646 A JPH1172646 A JP H1172646A
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- fiber
- fibers
- mask
- optical coupler
- stretching
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 複数本の光ファイバからなり、一括融着によ
り容易に製造することができる、小型で分岐特性が優れ
た多分岐光カプラの製造方法の提供。 【解決手段】 n本(nは2以上の整数を表す)の光フ
ァイバ1を、ファイバを通す穴をもつ対向する2つのマ
スク4a、4bに通し、マスクの外側に配置されている
対向する回転ステージ3a、3bにファイバ1を固定
し、回転ステージ3a、3bを互いに反対方向に回転さ
せてファイバ1を捻り、捻った部分を加熱・融着・延伸
する多分岐光カプラの製造方法。
り容易に製造することができる、小型で分岐特性が優れ
た多分岐光カプラの製造方法の提供。 【解決手段】 n本(nは2以上の整数を表す)の光フ
ァイバ1を、ファイバを通す穴をもつ対向する2つのマ
スク4a、4bに通し、マスクの外側に配置されている
対向する回転ステージ3a、3bにファイバ1を固定
し、回転ステージ3a、3bを互いに反対方向に回転さ
せてファイバ1を捻り、捻った部分を加熱・融着・延伸
する多分岐光カプラの製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分岐特性が優れた
多分岐光カプラの製造方法に関する。
多分岐光カプラの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光ファイバ伝送技術の急速な進歩に伴
い、コンピュータ・コンピュータ間、あるいはコンピュ
ータ・端末間におけるデータ伝送に光ファイバを使用す
る光データリンクの研究開発が盛んに行われている。上
記光データリンクを構成する上で、複数本の入力用光フ
ァイバから光信号をミキシングして複数本の出力用光フ
ァイバに低損失で、かつ、均等に分配し得る多分岐光カ
プラは必須のデバイスである。このような多分岐光カプ
ラとしては、中空ガラス管内に光ファイバ束を挿入し、
加熱、延伸して、各光ファイバがカプラの中心に対して
実質的に均等に配置されるようにした光スターカプラの
製造方法(特開昭60-24505号公報参照)があるが、この
方法は、特に治具を用いずにファイバを中心対称に配置
するのは難しく、再現性にも難がある。また3dB光カ
プラを多段に結合して多くの分岐点を実現した光スター
カプラの製造方法(特開昭63-205616 号公報参照)があ
るが、この方法は一括溶融型とは異なりカプラが多段に
結合しているため、この構成では全体が大きくなってし
まいコンパクトなものが得られない。また、光ファイバ
束をひねり・融着・延伸しこれをガラス管で覆った光フ
ァイバ型スターカプラ(特開昭63-70208号公報参照)が
あるが、ファイバの配置が決まっておらず、そのため光
の出力強度のバラツキを制御することが困難で、再現性
に問題がある。更にまた、対称性を考慮して5本のファ
イバを使って平面状に配置し、4分岐とする多分岐光カ
プラ(OEC ’94(1994)pp. 364 参照)が開示されてい
るが、この方法では出力に関与しない1本のファイバの
処理が難しく、また横一列にファイバが配置されている
ために幅が広くなり、カプラケースサイズが大きくなっ
てしまう。また、N本のファイバをガラスチューブに入
れ、全体をコラプスして加熱延伸するファイバ・オプテ
ィック・カプラ及び1×Nファイバ・オプティック・カ
プラの製造方法(特開平7-140346号公報)が開示されて
いるが、この方法はチューブに入れる工程、コラプスす
る工程などがあり、製造が容易ではない。また、ファイ
バに歪みを与えずにコラプスすることは極めて難しく、
更にコラプスされたファイバは変形し、光伝送特性、例
えば偏波依存性に影響を及ぼす場合がある。
い、コンピュータ・コンピュータ間、あるいはコンピュ
ータ・端末間におけるデータ伝送に光ファイバを使用す
る光データリンクの研究開発が盛んに行われている。上
記光データリンクを構成する上で、複数本の入力用光フ
ァイバから光信号をミキシングして複数本の出力用光フ
ァイバに低損失で、かつ、均等に分配し得る多分岐光カ
プラは必須のデバイスである。このような多分岐光カプ
ラとしては、中空ガラス管内に光ファイバ束を挿入し、
加熱、延伸して、各光ファイバがカプラの中心に対して
実質的に均等に配置されるようにした光スターカプラの
製造方法(特開昭60-24505号公報参照)があるが、この
方法は、特に治具を用いずにファイバを中心対称に配置
するのは難しく、再現性にも難がある。また3dB光カ
プラを多段に結合して多くの分岐点を実現した光スター
カプラの製造方法(特開昭63-205616 号公報参照)があ
るが、この方法は一括溶融型とは異なりカプラが多段に
結合しているため、この構成では全体が大きくなってし
まいコンパクトなものが得られない。また、光ファイバ
束をひねり・融着・延伸しこれをガラス管で覆った光フ
ァイバ型スターカプラ(特開昭63-70208号公報参照)が
あるが、ファイバの配置が決まっておらず、そのため光
の出力強度のバラツキを制御することが困難で、再現性
に問題がある。更にまた、対称性を考慮して5本のファ
イバを使って平面状に配置し、4分岐とする多分岐光カ
プラ(OEC ’94(1994)pp. 364 参照)が開示されてい
るが、この方法では出力に関与しない1本のファイバの
処理が難しく、また横一列にファイバが配置されている
ために幅が広くなり、カプラケースサイズが大きくなっ
てしまう。また、N本のファイバをガラスチューブに入
れ、全体をコラプスして加熱延伸するファイバ・オプテ
ィック・カプラ及び1×Nファイバ・オプティック・カ
プラの製造方法(特開平7-140346号公報)が開示されて
いるが、この方法はチューブに入れる工程、コラプスす
る工程などがあり、製造が容易ではない。また、ファイ
バに歪みを与えずにコラプスすることは極めて難しく、
更にコラプスされたファイバは変形し、光伝送特性、例
えば偏波依存性に影響を及ぼす場合がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、複数本の光
ファイバからなり、一括融着により容易に製造すること
ができる、小型で分岐特性が優れた多分岐光カプラの製
造方法の提供を課題とする。
ファイバからなり、一括融着により容易に製造すること
ができる、小型で分岐特性が優れた多分岐光カプラの製
造方法の提供を課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、多分岐光カプ
ラの製造方法において、n本(nは2以上の整数を表
す、以下同じ)の光ファイバを、ファイバを通す穴をも
つ対向するマスクに通し、マスクの外側に配置されてい
る対向する回転ステージにファイバを固定し、2つの回
転ステージを互いに反対方向に回転させてファイバを捻
り、捻った部分を加熱・融着・延伸することを特徴とす
るものである。
ラの製造方法において、n本(nは2以上の整数を表
す、以下同じ)の光ファイバを、ファイバを通す穴をも
つ対向するマスクに通し、マスクの外側に配置されてい
る対向する回転ステージにファイバを固定し、2つの回
転ステージを互いに反対方向に回転させてファイバを捻
り、捻った部分を加熱・融着・延伸することを特徴とす
るものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に基づいて説明
する。図1は本発明に用いられる多分岐光カプラの製造
装置の平面図で、n本のファイバ1はマスク4a、4b
の穴に通され、ファイバクランプ2a、2b、6a、6
bで固定され、回転ステージ3a、3bで捻られ、捻り
部分をバーナ(図示せず)で加熱・融着されながら、延
伸ステージ5a、5bで延伸される。図2はマスクの一
例の平面図で、ファイバを通すためのマスク穴7がその
中心とそれを取り巻くように対称の位置に設けられてい
る。図3は回転ステージ部分の詳細図で、ファイバクラ
ンプ2a、6a、回転ステージ3a、マスク4aが一体
になっており、一緒に回転できるような構造になってい
る。
する。図1は本発明に用いられる多分岐光カプラの製造
装置の平面図で、n本のファイバ1はマスク4a、4b
の穴に通され、ファイバクランプ2a、2b、6a、6
bで固定され、回転ステージ3a、3bで捻られ、捻り
部分をバーナ(図示せず)で加熱・融着されながら、延
伸ステージ5a、5bで延伸される。図2はマスクの一
例の平面図で、ファイバを通すためのマスク穴7がその
中心とそれを取り巻くように対称の位置に設けられてい
る。図3は回転ステージ部分の詳細図で、ファイバクラ
ンプ2a、6a、回転ステージ3a、マスク4aが一体
になっており、一緒に回転できるような構造になってい
る。
【0006】以下本発明をn=8のシングルモード光フ
ァイバの場合を例に説明するが、本発明はこれに限定さ
れるものではない。直径1.25μm のシングルモード用石
英系のファイバ1を8本準備し、一部の被覆部を除去し
て図2に示すマスク穴7に通す。このマスク穴は中心と
それを取り巻く7回対称の位置に形成されている。そし
て、ファイバ束を回転ステージ3a、3bの中央の穴に
通した後ファイバ束をファイバクランプ2a、2b、6
a、6bで固定する。ここで図3に示すように、ファイ
バクランプ、回転ステージ、マスクは一体になっており
共に回転できるような構造になっている。従って両側の
回転ステージをそれぞれ反対方向に回すことによりファ
イバは捻られる。このようにファイバの初期配置をマス
ク穴を通すことにより決定し、その状態からファイバ束
を捻るため、マスク穴の位置によりファイバの捻れ方が
異なるので、マスク穴の位置を変えることによって光の
分岐比を変えることができる。また、対向するマスクの
穴の配置を変えることによってもファイバにアンバラン
スな捻れが生じ同様の効果が得られる。
ァイバの場合を例に説明するが、本発明はこれに限定さ
れるものではない。直径1.25μm のシングルモード用石
英系のファイバ1を8本準備し、一部の被覆部を除去し
て図2に示すマスク穴7に通す。このマスク穴は中心と
それを取り巻く7回対称の位置に形成されている。そし
て、ファイバ束を回転ステージ3a、3bの中央の穴に
通した後ファイバ束をファイバクランプ2a、2b、6
a、6bで固定する。ここで図3に示すように、ファイ
バクランプ、回転ステージ、マスクは一体になっており
共に回転できるような構造になっている。従って両側の
回転ステージをそれぞれ反対方向に回すことによりファ
イバは捻られる。このようにファイバの初期配置をマス
ク穴を通すことにより決定し、その状態からファイバ束
を捻るため、マスク穴の位置によりファイバの捻れ方が
異なるので、マスク穴の位置を変えることによって光の
分岐比を変えることができる。また、対向するマスクの
穴の配置を変えることによってもファイバにアンバラン
スな捻れが生じ同様の効果が得られる。
【0007】この様にして、8本のファイバに捻りを生
じさせ、その捻り部分をバーナで加熱・融着・延伸し
て、これを中心ファイバにモニター光を入力しながら行
い、出力側のモニター光の分岐度が所定の値を示したと
ころで延伸を停止してカプラ素線を得、このカプラ素線
は石英ガラス基板に樹脂固定された後、円筒金属ケース
におさめられ、8分岐光カプラが製造される。本発明で
は、この様に光ファイバを一括融着の際、マスクを使用
することによって、各ファイバ間の分岐特性が優れた多
分岐光カプラを容易に製造することができる。
じさせ、その捻り部分をバーナで加熱・融着・延伸し
て、これを中心ファイバにモニター光を入力しながら行
い、出力側のモニター光の分岐度が所定の値を示したと
ころで延伸を停止してカプラ素線を得、このカプラ素線
は石英ガラス基板に樹脂固定された後、円筒金属ケース
におさめられ、8分岐光カプラが製造される。本発明で
は、この様に光ファイバを一括融着の際、マスクを使用
することによって、各ファイバ間の分岐特性が優れた多
分岐光カプラを容易に製造することができる。
【0008】また、ファイバ束を回転させたときの引っ
張り応力、ねじれ応力を開放し適度の張力を与える応力
及び張力調整手段を設けてもよい。応力及び張力調整手
段は、回転時にファイバ束が切れないように均等に引っ
張り、適度な張力をファイバに与え、加熱延伸後に張力
・ねじり応力を解放しさらに適度の張力を加えるもの
で、例えばバネかネジが用いられる。これにより、熱安
定性に優れた多分岐光ファイバカプラを製造できる。一
括融着型カプラの製造方法の例を以下に説明する。コア
径、比屈折率差がSMFとほぼ等しい中心ファイバをマ
スクの中心に、通常のSMFをその外周に規則正しく配
列させ、回転ステージを互いに逆に回転させ、ファイバ
束に数回転のねじりを加える。このとき、回転ステージ
の張力を応力及び張力調整手段により調整し、それぞれ
のファイバが均等に引っ張られ、かつファイバが切れな
いように張力を与える。続いて、この状態でファイバ束
の部分を加熱し、延伸を行い、中心ファイバの光量と任
意の1本の周辺ファイバの光量がおよそ等しくなった時
点で加熱延伸を止める。その後、応力及び張力調整手段
によりねじり応力を解放し、さらに、一定の張力を加え
た状態で、石英ガラス板にファイバ束融着部分の両端を
接着剤で固定し、多分岐一括融着型光ファイバカプラを
完成させる。
張り応力、ねじれ応力を開放し適度の張力を与える応力
及び張力調整手段を設けてもよい。応力及び張力調整手
段は、回転時にファイバ束が切れないように均等に引っ
張り、適度な張力をファイバに与え、加熱延伸後に張力
・ねじり応力を解放しさらに適度の張力を加えるもの
で、例えばバネかネジが用いられる。これにより、熱安
定性に優れた多分岐光ファイバカプラを製造できる。一
括融着型カプラの製造方法の例を以下に説明する。コア
径、比屈折率差がSMFとほぼ等しい中心ファイバをマ
スクの中心に、通常のSMFをその外周に規則正しく配
列させ、回転ステージを互いに逆に回転させ、ファイバ
束に数回転のねじりを加える。このとき、回転ステージ
の張力を応力及び張力調整手段により調整し、それぞれ
のファイバが均等に引っ張られ、かつファイバが切れな
いように張力を与える。続いて、この状態でファイバ束
の部分を加熱し、延伸を行い、中心ファイバの光量と任
意の1本の周辺ファイバの光量がおよそ等しくなった時
点で加熱延伸を止める。その後、応力及び張力調整手段
によりねじり応力を解放し、さらに、一定の張力を加え
た状態で、石英ガラス板にファイバ束融着部分の両端を
接着剤で固定し、多分岐一括融着型光ファイバカプラを
完成させる。
【0009】加熱・融着・延伸終了後に一定の張力を加
える方法は、例えば延伸ステージ移動距離をモニターし
ながらファイバ部を引っ張り光結合部に張力を与え、所
定の長さ移動した位置でステージ移動による延伸工程を
終了すればよい。図1を用いて説明すると、加熱延伸工
程においては延伸ステージ5a、5bがモータにより基
台(図示せず)上を移動する。加熱延伸工程終了時には
加熱源(図示せず)による加熱及びステージ移動は停止
する。続いて、作製された光カプラはこの装置上で張力
が加えられる(非加熱延伸工程)。製造装置は延伸手段
を予め持っているのでこのまま延伸を行うことができ
る。このとき装置に接続されたコンピュータによりモー
タの回転数からステージ移動量がモニターできるので予
め設定された移動量まで延伸が行われる。この方法によ
れば、従来のような質量で張力を制御する重りを取り付
ける新たな装置の改良や、重りで急激な張力が掛かるの
を避けるストッパーなどが不要となる。また、延伸長さ
の制御性に優れる。
える方法は、例えば延伸ステージ移動距離をモニターし
ながらファイバ部を引っ張り光結合部に張力を与え、所
定の長さ移動した位置でステージ移動による延伸工程を
終了すればよい。図1を用いて説明すると、加熱延伸工
程においては延伸ステージ5a、5bがモータにより基
台(図示せず)上を移動する。加熱延伸工程終了時には
加熱源(図示せず)による加熱及びステージ移動は停止
する。続いて、作製された光カプラはこの装置上で張力
が加えられる(非加熱延伸工程)。製造装置は延伸手段
を予め持っているのでこのまま延伸を行うことができ
る。このとき装置に接続されたコンピュータによりモー
タの回転数からステージ移動量がモニターできるので予
め設定された移動量まで延伸が行われる。この方法によ
れば、従来のような質量で張力を制御する重りを取り付
ける新たな装置の改良や、重りで急激な張力が掛かるの
を避けるストッパーなどが不要となる。また、延伸長さ
の制御性に優れる。
【0010】
(実施例1)直径125 μm の同一のシングルモード用光
ファイバを16本用意し、そのファイバ上を覆うコーティ
ングを一部除去し、図1に示す装置を使用して、中心と
そのまわりの15回対称の位置に約126 μm の穴が設けら
れた2つのマスクにファイバを貫通し、クランプにファ
イバ束を固定して初期のファイバ配置を決定した。2台
の回転ステージをそれぞれ反対方向に3回転させてファ
イバ同士を捻り、捻り戻りがないように回転ステージを
ストッパーで固定した。そしてファイバが互いに捻られ
た部分を酸水素炎バーナで加熱しながらファイバを延伸
した。延伸は中心ファイバの一端から光を入力し、その
ファイバの出力端からの出力と他の15本のうちの任意の
1本の光ファイバからの出力をモニターしながら行い、
光分岐比が6.25(=100 /16)%になったとき加熱・融
着・延伸を停止してカプラ素線を作製した。このカプラ
素線は石英ガラス基板に樹脂固定された後、円筒金属ケ
ースにおさめられ16分岐光カプラが製造された。このカ
プラのケースサイズは外径3.5 mm×65mmLであり、一括
融着しているため、従来の多段接続されたカプラケース
サイズに比べて格段に小さくなった。
ファイバを16本用意し、そのファイバ上を覆うコーティ
ングを一部除去し、図1に示す装置を使用して、中心と
そのまわりの15回対称の位置に約126 μm の穴が設けら
れた2つのマスクにファイバを貫通し、クランプにファ
イバ束を固定して初期のファイバ配置を決定した。2台
の回転ステージをそれぞれ反対方向に3回転させてファ
イバ同士を捻り、捻り戻りがないように回転ステージを
ストッパーで固定した。そしてファイバが互いに捻られ
た部分を酸水素炎バーナで加熱しながらファイバを延伸
した。延伸は中心ファイバの一端から光を入力し、その
ファイバの出力端からの出力と他の15本のうちの任意の
1本の光ファイバからの出力をモニターしながら行い、
光分岐比が6.25(=100 /16)%になったとき加熱・融
着・延伸を停止してカプラ素線を作製した。このカプラ
素線は石英ガラス基板に樹脂固定された後、円筒金属ケ
ースにおさめられ16分岐光カプラが製造された。このカ
プラのケースサイズは外径3.5 mm×65mmLであり、一括
融着しているため、従来の多段接続されたカプラケース
サイズに比べて格段に小さくなった。
【0011】図4は上記の実施例1によって製造された
16分岐光カプラの各出力ポートの挿入損失を示したグラ
フで、この16分岐光カプラの各出力ポートの挿入損失は
平均で13.14 dB、標準偏差が0.53dBとなり、出力バラン
スの良い多分岐光カプラが得られた。
16分岐光カプラの各出力ポートの挿入損失を示したグラ
フで、この16分岐光カプラの各出力ポートの挿入損失は
平均で13.14 dB、標準偏差が0.53dBとなり、出力バラン
スの良い多分岐光カプラが得られた。
【0012】(実施例2)1×8分岐一括融着型カプラ
の製造方法の例を示す。コア径、比屈折率差がSMFと
ほぼ等しい外径168μm のファイバを、ファイバ配列
治具の中心に、外径125μm の通常のSMFをその外
周に規則正しく配列させ、配列治具同士を逆に回転さ
せ、ファイバ束に3回転のねじりを加えた。このとき、
ファイバ配列治具の張力を応力及び張力調整手段により
調整し、それぞれのファイバが均等に引っ張られ、かつ
ファイバが切れないように張力を与えた。続いて、この
状態で、ファイバ束の部分をプロパン/酸素炎を振り幅
5000μm で加熱をし、毎秒120μm の速度で延伸を行
い、中心ファイバの光量と任意の1本の周辺ファイバの
光量がおよそ等しくなった時点で加熱延伸を止めた。そ
の後、応力及び張力調整手段によりねじり応力を解放
し、さらに、張力を加えた状態で、石英ガラス板にファ
イバ束融着部分の両端を接着剤で固定し、多分岐一括融
着型光ファイバカプラを完成させた。
の製造方法の例を示す。コア径、比屈折率差がSMFと
ほぼ等しい外径168μm のファイバを、ファイバ配列
治具の中心に、外径125μm の通常のSMFをその外
周に規則正しく配列させ、配列治具同士を逆に回転さ
せ、ファイバ束に3回転のねじりを加えた。このとき、
ファイバ配列治具の張力を応力及び張力調整手段により
調整し、それぞれのファイバが均等に引っ張られ、かつ
ファイバが切れないように張力を与えた。続いて、この
状態で、ファイバ束の部分をプロパン/酸素炎を振り幅
5000μm で加熱をし、毎秒120μm の速度で延伸を行
い、中心ファイバの光量と任意の1本の周辺ファイバの
光量がおよそ等しくなった時点で加熱延伸を止めた。そ
の後、応力及び張力調整手段によりねじり応力を解放
し、さらに、張力を加えた状態で、石英ガラス板にファ
イバ束融着部分の両端を接着剤で固定し、多分岐一括融
着型光ファイバカプラを完成させた。
【0013】(実施例3)波長1.31μm の光を等分岐す
るカプラの製造方法を示す。まず直径125μmの同一
光ファイバを2本用意し、そのファイバ上を覆うコーテ
ィングを一部除去し互いに裸ファイバ部を接触させた状
態のまま接触させた部分を酸水素炎で加熱しながら、フ
ァイバを延伸した。この加熱・延伸中に出力光強度はモ
ニターされており、所定の分岐比になった所で加熱延伸
を停止した。この時点でカプラ素線状態での分岐比は5
0.2%、過剰損失は 0.04dB のカプラが作製された。次
に、カプラ製造機の延伸ステージを非加熱状態でゆっく
り(およそ100 μm/sec)移動させ、予め決められた長
さである0.02mmまでカプラ素線部を引っ張った。このよ
うに張力を加えた後に、石英ガラス基板に樹脂で固定し
た後、金属ケースに入れた。このようにして製造された
カプラを−40〜85℃のヒートサイクル試験にかけ、その
間における挿入損失の変化量を測定し、非加熱延伸をし
なかった場合の結果と比較した。結果を表1に示す。
るカプラの製造方法を示す。まず直径125μmの同一
光ファイバを2本用意し、そのファイバ上を覆うコーテ
ィングを一部除去し互いに裸ファイバ部を接触させた状
態のまま接触させた部分を酸水素炎で加熱しながら、フ
ァイバを延伸した。この加熱・延伸中に出力光強度はモ
ニターされており、所定の分岐比になった所で加熱延伸
を停止した。この時点でカプラ素線状態での分岐比は5
0.2%、過剰損失は 0.04dB のカプラが作製された。次
に、カプラ製造機の延伸ステージを非加熱状態でゆっく
り(およそ100 μm/sec)移動させ、予め決められた長
さである0.02mmまでカプラ素線部を引っ張った。このよ
うに張力を加えた後に、石英ガラス基板に樹脂で固定し
た後、金属ケースに入れた。このようにして製造された
カプラを−40〜85℃のヒートサイクル試験にかけ、その
間における挿入損失の変化量を測定し、非加熱延伸をし
なかった場合の結果と比較した。結果を表1に示す。
【0014】
【表1】
【0015】
【発明の効果】本発明によると、規則正しく配列して一
括融着されているため小型でしかも分岐特性が優れ、特
性再現性のよい多分岐光カプラが得られる。また、適度
な張力を制御性良く与えることにより、熱安定性に優れ
た多分岐光カプラを製造できる。
括融着されているため小型でしかも分岐特性が優れ、特
性再現性のよい多分岐光カプラが得られる。また、適度
な張力を制御性良く与えることにより、熱安定性に優れ
た多分岐光カプラを製造できる。
【図1】本発明に用いられる多分岐光カプラの製造装置
の平面図である。
の平面図である。
【図2】マスクの平面図である。
【図3】図1の製造装置の回転ステージ部分の詳細図で
ある。
ある。
【図4】本発明の実施例によって製造された16分岐光カ
プラの各出力ポートの挿入損失を示したグラフである。
プラの各出力ポートの挿入損失を示したグラフである。
1…ファイバ 2a、2b、6a、6b…ファイバクランプ 3a、3b…回転ステージ 4a、4b…マスク 5a、5b…延伸ステージ 7…マスク穴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 江島 正毅 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越化 学工業株式会社精密機能材料研究所内 (72)発明者 前田 早百合 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越化 学工業株式会社精密機能材料研究所内
Claims (5)
- 【請求項1】 n本(nは2以上の整数を表す)の光フ
ァイバを、ファイバを通す穴をもつ対向する2つのマス
クに通し、マスクの外側に配置されている対向する回転
ステージにファイバを固定し、回転ステージを互いに反
対方向に回転させてファイバを捻り、捻った部分を加熱
・融着・延伸することを特徴とする多分岐光カプラの製
造方法。 - 【請求項2】 ファイバ束に発生する張力及びねじれ応
力を解放する請求項1記載の多分岐光カプラの製造方
法。 - 【請求項3】 張力及びねじれ応力の解放手段としてバ
ネを用いる請求項2記載の多分岐光カプラの製造方法。 - 【請求項4】 張力及びねじれ応力の解放手段としてネ
ジを用いる請求項2記載の多分岐光カプラの製造方法。 - 【請求項5】 加熱・融着・延伸終了後に、延伸ステー
ジ移動距離をモニターしながらファイバ部を引っ張り光
結合部に張力を与え、所定の長さ移動した位置で延伸工
程を終了する請求項1記載の多分岐光カプラの製造方
法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27690597A JPH1172646A (ja) | 1997-06-27 | 1997-10-09 | 多分岐光カプラの製造方法 |
US09/106,019 US6301412B1 (en) | 1997-06-27 | 1998-06-29 | Apparatus and method for making multi-branching optical coupler |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9-171755 | 1997-06-27 | ||
JP17175597 | 1997-06-27 | ||
JP27690597A JPH1172646A (ja) | 1997-06-27 | 1997-10-09 | 多分岐光カプラの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1172646A true JPH1172646A (ja) | 1999-03-16 |
Family
ID=26494371
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27690597A Pending JPH1172646A (ja) | 1997-06-27 | 1997-10-09 | 多分岐光カプラの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1172646A (ja) |
-
1997
- 1997-10-09 JP JP27690597A patent/JPH1172646A/ja active Pending
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