JPH1171657A - 電磁シールド用網および電磁シールド用シート - Google Patents

電磁シールド用網および電磁シールド用シート

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JPH1171657A
JPH1171657A JP24993497A JP24993497A JPH1171657A JP H1171657 A JPH1171657 A JP H1171657A JP 24993497 A JP24993497 A JP 24993497A JP 24993497 A JP24993497 A JP 24993497A JP H1171657 A JPH1171657 A JP H1171657A
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JP
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soft magnetic
electromagnetic shielding
alloy
atomic
based soft
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JP24993497A
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Inventor
Takao Mizushima
隆夫 水嶋
Hisato Koshiba
寿人 小柴
Teruhiro Makino
彰宏 牧野
Akihisa Inoue
明久 井上
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Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価で取り扱いやすく長期安定性に優れた電
磁波のシールド材を提供する。 【解決手段】 本発明の電磁シールド用網および電磁シ
ールド用シートは、ΔTx=Tx−Tg(ただしTxは
結晶化開始温度、Tgはガラス遷移温度を示す)の式で
表される過冷却液体の温度間隔ΔTxが20K以上であ
り、比抵抗が1.5μΩm以上であるFe基軟磁性金属
ガラス合金からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種電子機器から
の電磁波の漏洩放射を抑制するための電磁シールドに関
し、特に網状あるいはシート状に加工された電磁シール
ドに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体技術の著しい進歩に伴い、
電子機器のさらなる小型化、薄型化が進行することで、
電子部品間の距離は狭まり、筐体内に電子部品が一杯に
詰め込まれるようになってきている。このため、例えば
電子機器内のスイッチング素子などから発生する電磁波
が、他の素子を誤動作させる、あるいは筐体の外まで漏
洩し、人体に悪影響を与えるなどとして問題となってい
る。
【0003】これまでに、電磁波吸収能力のある磁性金
属もしくはそれと同等の性能を有する磁性材料を利用し
て、以下のような試みが行われてきた。 これらの磁性材料を用いて電子機器筐体を構成する
ことにより、電子機器内から発生する電磁波の拡散を防
止する。 粉末形状あるいは短繊維形状をしたこれらの磁性材
料をプラスチックなどに分散させて電子機器筐体を構成
することにより、電子機器内から発生する電磁波の拡散
を防止する。 これらの磁性材料を細線状に加工した後、金網状に
織布してシールド網を作成し、電子機器筐体内壁面に配
置して電子機器内から発生する電磁波の拡散を防止す
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の対策は、電子機
器内から発生する電磁波の筐体外への拡散を防止すると
いう観点からのものであるので、筐体内に閉じこめられ
た電磁波が他の電子部品へ悪影響を及ぼすという恐れが
あった。これまで、電磁波のシールド材としてはパーマ
ロイという金属が多く使われてきた。パーマロイはニッ
ケルと鉄との合金で、透磁率が大きいという特徴を有し
ており、電磁波のシールド材として適しているが、高価
で取り扱いが難しく経年変化をおこしてしまうという問
題点があった。上記の点に鑑み、本発明は、安価で取り
扱いやすく長期安定性に優れた電磁波のシールド材を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る電磁シール
ド用網は、ΔTx=Tx−Tg(ただしTxは結晶化開
始温度、Tgはガラス遷移温度を示す)の式で表される
過冷却液体の温度間隔ΔTxが20K以上であり、比抵
抗が1.5μΩm以上であるFe基軟磁性金属ガラス合
金からなることを特徴とする。このFe基軟磁性金属ガ
ラス合金は、Fe以外の他の金属元素と半金属元素とを
含有してもよい。
【0006】本発明に係る電磁シールド用網に好適に用
いられるFe基軟磁性金属ガラス合金の組成は、Al:
1〜10原子%、Ga:0.5〜4原子%、P:0〜1
5原子%、C:2〜7原子%、B:2〜10原子%、F
e:残部であることを特徴とする。また、前記Fe基軟
磁性金属ガラス合金の組成は、Al:1〜10原子%、
Ga:0.5〜4原子%、P:0〜15原子%、C:2
〜7原子%、B:2〜10原子%、Si:0〜15原子
%、Fe:残部であってもよい。これらのようなFe基
軟磁性金属ガラス合金からなる電磁シールド用網は、充
分な透磁率と高い飽和磁束密度を有しており、電磁波吸
収能力に優れている。
【0007】本発明に係る電磁シールド用シートは、Δ
Tx=Tx−Tg(ただしTxは結晶化開始温度、Tg
はガラス遷移温度を示す)の式で表される過冷却液体の
温度間隔ΔTxが20K以上であり、比抵抗が1.5μ
Ωm以上であるFe基軟磁性金属ガラス合金からなるこ
とを特徴とする。このFe基軟磁性金属ガラス合金は、
Fe以外の他の金属元素と半金属元素とを含有してもよ
い。
【0008】本発明に係る電磁シールド用シートに好適
に用いられるFe基軟磁性金属ガラス合金の組成は、A
l:1〜10原子%、Ga:0.5〜4原子%、P:0
〜15原子%、C:2〜7原子%、B:2〜10原子
%、Fe:残部であることを特徴とする。あるいは、前
記Fe基軟磁性金属ガラス合金の組成は、Al:1〜1
0原子%、Ga:0.5〜4原子%、P:0〜15原子
%、C:2〜7原子%、B:2〜10原子%、Si:0
〜15原子%、Fe:残部であってもよい。これらのよ
うなFe基軟磁性金属ガラス合金からなる電磁シールド
用シートは、充分な透磁率と高い飽和磁束密度を有して
おり、電磁波吸収能力に優れている。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面により本発明について
詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態例のみに
限定されるものではない。図1は、本発明の電磁シール
ド用網の実施形態例を示す平面図である。このような電
磁シールド用網を製造するには、まず前記組成範囲から
なる合金を用いて細線を作成し、次いでこの細線を網状
に織って織布1とすることが好ましい。ここで、細線を
形成するには、重力を利用して溶融金属をノズルから冷
却流体中に噴射して冷却固化する方法、液体冷却媒体を
回転ドラムの中に入れ、ドラムを回転させることでドラ
ム内壁に液体層を形成させ、ここに溶融金属を噴射して
冷却固化する方法などを例示することができる。これら
の方法によれば、円形の断面形状を有する細線が得られ
るが、本発明においては細線の断面形状は円形でなくて
も差し支えない。得られた電磁シールド用網は、例えば
電子機器の筐体の内側全面に貼付する、あるいは積層状
態に配置された基板と基板の間に配設するなどの態様で
使用することができる。
【0010】図2は、本発明の電磁シールド用シートの
実施形態の一例を示す斜視図である。本実施形態におい
ては、前記電磁シールド用網の製造において得られた細
線2を可撓性フィルム3などに並設状態に固定すること
で、電磁シールド用シートを得ることができる。得られ
た電磁シールド用シートは、例えば電子機器の筐体の内
面に貼付する、あるいは積層状態などに配置された基板
と基板の間に配設するなどの態様で使用することができ
る。
【0011】図3は、本発明の電磁シールド用シートの
実施形態の他の例を示す斜視図である。このような電磁
シールド用シート4を製造するには、例えば前記組成範
囲からなる合金を粉末状とし、次いでこの合金粉末を樹
脂などに分散させ、これをシート状に加工してもよい
し、後述する放電プラズマ焼結法により合金粉末を成型
してもよい。この時、好適に使用される樹脂としては、
PET樹脂、ABS樹脂、メタクリル樹脂などを例示す
ることができる。
【0012】本発明の電磁シールド用シートは、平面状
のまま使用することもできるし、箱型などの立体的な形
状に加工して使用することもできる。図4は、本発明の
電磁シールド用シートの実施形態の別の例を示す斜視図
である。これは、上記の電磁シールド用シートを箱型に
組み上げたものであり、この箱5を例えばLSIなどの
電子部品を覆うようにかぶせることで、LSIから電磁
波が放出されてもこれをシールドすることができるとと
もに、他の電子部品から放出される電磁波からLSIを
保護することもできる。このように個々の電子部品を覆
う場合、本発明の電磁シールド用シートをそれぞれの電
子部品に適した形状に加工することで対応することがで
きる。
【0013】次に、本発明の電磁シールド用シートの、
放電プラズマ焼結法による成型について説明する。図5
は、放電プラズマ焼結装置の一例の要部を示すもので、
この例の放電プラズマ焼結装置は、筒型のダイ11と、
このダイ11の内部に挿入される上パンチ12および下
パンチ13と、下パンチ13を支え、後述するパルス電
流を流す際の一方の電極ともなるパンチ電極14と、上
パンチ12を下側に押圧し、パルス電流を流す他方の電
極となるパンチ電極15と、上下のパンチ12、13に
挟まれた粉末原料16の温度を測定する熱電対17を主
体として構成されている。
【0014】図7に、前記放電プラズマ焼結装置の全体
構造を示す。図7に示す放電プラズマ焼結装置20は、
住友石炭工業株式会社製のモデルSPS−2050と称
される放電プラズマ焼結機の一種であり、図5に示す構
造を要部とするものである。図7に示す装置において
は、上部基盤21と下部基盤22を有し、上部基盤21
に接してチャンバ23が設けられ、このチャンバ23の
内部に図6に示す構造の大部分が収納されて構成され、
このチャンバ23は図示略の真空排気装置および雰囲気
ガスの供給装置に接続されていて、上下のパンチ12、
13の間に充填される原料粉末(粉粒体)16を不活性
ガス雰囲気などの所望の雰囲気下に保持できるように構
成されている。なお、図5と図7では通電装置が省略さ
れているが、上下のパンチ12、13およびパンチ電極
14、15は別途設けた通電装置が接続されていて、こ
の通電装置から図6に示すようなパルス電流を上下のパ
ンチ12、13を介して通電できるように構成されてい
る。
【0015】前記記載の放電プラズマ焼結装置を用いて
電磁シールド用シートを製造するには、成型用の原料粉
末を用意する必要がある。この原料粉末は、所定の組成
の合金を、溶製してから鋳造法により、あるいは単ロー
ルもしくは双ロールによる急冷法によって、さらには液
中紡糸法や溶液抽出法によって、あるいは高圧ガス噴霧
法によって、バルク状、リボン状、線状体、粉末状など
の種々の形状として製造する工程と、粉末状以外のもの
は粉砕して粉末化する工程により得られる。
【0016】次に、前記組成の原料粉末16を図5ある
いは図7に示す放電プラズマ焼結装置の上下のパンチ1
2、13の間に投入し、チャンバ23の内部を真空引き
するとともに、上下のパンチ12、13で上下から圧力
を加えて成型すると同時に、例えば図6に示すようなパ
ルス電流を原料粉末に印加して加熱し、成型する。この
放電プラズマ焼結処理においては、通電電流により原料
粉末を所定の速度で素早く昇温することができ、また、
通電電流の値に応じて原料粉末16の温度を厳格に管理
できるので、ヒータによる加熱などよりも遥かに正確に
温度管理ができ、これによりあらかじめ設計した通りの
理想に近い条件で焼結ができる。
【0017】本発明に好適に用いられるFe基軟磁性金
属ガラス合金は、その組成については、Feを主成分と
し、さらに他の金属と半金属とを含有したものとして表
すことができる。このうち他の金属とは、周期律表のI
IA族、IIIA族およびIIIB族、IVA族および
IVB族、VA族、VIA族、VIIA族、VIIIA
族のうちから選択できるものであるが、中でもIIIB
族、IVB族の金属元素が好適なものとして示される。
例えば、Al(アルミニウム)、Ga(ガリウム)、I
n(インジウム)、Sn(スズ)を挙げることができ
る。
【0018】また、本発明に好適に用いられるFe基軟
磁性金属ガラス合金に対し、Ti、Hf、Cu、Mn、
Nb、Mo、Cr、Ni、Co、Ta、W、Zrの中か
ら選択される1種以上の金属元素を配合することができ
る。前記半金属元素としては、例えばP(リン)、C
(炭素)、B(ほう素)、Si(ケイ素)、Ge(ゲル
マニウム)を挙げることができる。より具体的に例示す
ると、本発明にはその組成が、Al:1〜10原子%、
Ga:0.5〜4原子%、P:0〜15原子%、C:2
〜7原子%、B:2〜10原子%、Fe:残部であっ
て、不可避不純物が含有されていてもよいFe基軟磁性
金属ガラス合金が好適に用いられる。
【0019】また、さらにSiを加えることにより、過
冷却液体の温度間隔ΔTxを向上させ、アモルファス単
相となる臨界板厚を増大させることができる。その結
果、室温で優れた軟磁気特性を有するバルク状のFe基
軟磁性金属ガラス合金の厚さをさらに厚くすることが可
能となる。Siの含有量は、多すぎると過冷却液体の温
度間隔ΔTxが消滅するので、15原子%以下が好まし
い。より具体的に例示すると、本発明にはその組成が、
Al:1〜10原子%、Ga:0.5〜4原子%、P:
0〜15原子%、C:2〜7原子%、B:2〜10原子
%、Si:0〜15原子%、Fe:残部であって、不可
避不純物が含有されていてもよいFe基軟磁性金属ガラ
ス合金が好適に用いられる。
【0020】なお、前記の組成において、さらにGeを
0〜4原子%、好ましくは0.5〜4原子%の範囲で含
有していてもよい。また、前記組成において、さらにN
b、Mo、Cr、Hf、W、Zrの少なくとも1種を7
原子%以下含有していてもよく、さらにNi10原子%
以下、Co30原子%以下を含んでいてもよい。さら
に、より大きな過冷却液体の温度間隔ΔTxを得るため
に、上述の2つの組成中にPとCを、P:6〜15原子
%、C:2〜7原子%含有するとより好ましく、35K
以上の過冷却液体の温度間隔ΔTxを得ることができ
る。これらのいずれの場合の組成においても、本発明に
好適に用いられるFe基軟磁性金属ガラス合金の過冷却
液体の温度間隔ΔTxは少なくとも20K以上、好まし
くは35K以上、さらに組成によっては40〜50K以
上が得られる。
【0021】本発明に好適に用いられるFe基軟磁性金
属ガラス合金は、溶製してから鋳造法により、あるいは
単ロールもしくは双ロールによる急冷法によって、さら
には液中紡糸法や溶液抽出法によって、あるいは高圧ガ
ス噴霧法によって、バルク状、リボン状、線状体、粉末
状などの種々の形状として製造される。これらの製造方
法によって、従来公知のアモルファス合金の場合に比べ
て10倍以上の厚さと径の大きさのFe基軟磁性金属ガ
ラス合金を得ることができる。
【0022】これらの方法により得られた前記の組成の
Fe基軟磁性金属ガラス合金は、室温において磁性を有
し、また熱処理により、より良好な磁性を示す。このた
め、優れたSoft magnetic特性(軟磁気特
性)を有する材料として各種の応用に有用なものとな
る。なお、製造方法について付言すると、合金の組成、
そして製造のための手段と製品の大きさ、形状などによ
って好適な冷却速度が決まるが、通常は1〜104K/
s程度の範囲を目安とすることができる。そして、実際
にはガラス相(glassy phase)に、結晶相
としてのFe3B、Fe2B、Fe3Pなどの相が析出す
るかどうかを確認することで決めることができる。
【0023】次に、前記Fe基軟磁性金属ガラス合金を
熱処理した場合の変化について説明する。図8は、Fe
73Al5Ga21154なる組成の試料について、単ロ
ール法にて得られた4種類の厚さのリボンを300〜4
50℃の温度範囲で熱処理した場合の磁気特性の熱処理
温度依存性について示したグラフである。熱処理条件は
赤外線イメージ炉を用い、真空中で昇降温速度180℃
/分、保持時間10分の条件で測定した。このグラフか
ら、35〜180μmの範囲の板厚試料のσs(飽和磁
化)については、熱処理なしの試料と変わらずに400
℃までほぼ一定の値を示したが、450℃熱処理におい
ては、劣化する傾向を示した。
【0024】次に、保磁力Hcについては、各板厚試料
とも350℃熱処理において最小値を示し、熱処理なし
の試料よりも特性が向上した。さらに熱処理温度を上昇
させると、保磁力は増大する傾向を示した。透磁率μ’
(1kHz)については、熱処理を施すことによって向
上し、350℃で最大値を示した。
【0025】以上のように、本発明の電磁シールド用網
および電磁シールド用シートは、充分な透磁率と高い飽
和磁束密度を有するFe基軟磁性金属ガラス合金からな
り、電磁波吸収能力に優れている。本発明の電磁シール
ド用網または電磁シールド用シートを、電子機器の筐体
の内面に貼付するなどの態様で使用することで、電子機
器からの電磁波の漏洩を効果的に防止することが可能と
なる。また、上述のように本発明の電磁シールド用網も
しくは電磁シールド用シートに使用するFe基軟磁性金
属ガラス合金は、100μm以上と厚くても、あるいは
径が太くても単相のアモルファスを得ることができ、ま
た磁気特性にも優れているため、より高い電磁シールド
効果が期待できる。さらに、本発明の電磁シールド用シ
ートは、前記の効果に加えて、種々の電子部品に適した
形状に加工することで、個々の電子部品を覆うようにす
ることができる。個々の電子部品を覆うことで、電磁波
の放出を防ぐことができるとともに、他の電子部品の放
出する電磁波から個々の電子部品を保護することもでき
る。なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定さ
れるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲にお
いて種々の変更を加えることが可能である。
【0026】
【発明の効果】上述のごとく、本発明の電磁シールド用
網および電磁シールド用シートは、ΔTx=Tx−Tg
(ただしTxは結晶化開始温度、Tgはガラス遷移温度
を示す)の式で表される過冷却液体の温度間隔ΔTxが
20K以上であり、比抵抗が1.5μΩm以上であるF
e基軟磁性金属ガラス合金からなることを特徴とするも
のであって、充分な透磁率と高い飽和磁束密度を有し、
電磁波吸収能力に優れ、安価で取り扱いやすく長期安定
性に優れている。この電磁シールド用網または電磁シー
ルド用シートを、電子機器の筐体の内面に貼付するなど
の態様で使用することで、電子機器からの電磁波の漏洩
を効果的に防止することが可能となる。
【0027】また、本発明の電磁シールド用シートは、
種々の電子部品に適した形状に加工することで、個々の
電子部品を覆うようにすることができる。個々の電子部
品を覆うことで、電磁波の放出を防ぐことができるとと
もに、他の電子部品の放出する電磁波から個々の電子部
品を保護することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電磁シールド用網の実施形態例を示
す平面図である。
【図2】 本発明の電磁シールド用シートの実施形態の
一例を示す斜視図である。
【図3】 本発明の電磁シールド用シートの実施形態の
他の例を示す斜視図である。
【図4】 本発明の電磁シールド用シートの実施形態の
別の例を示す斜視図である。
【図5】 本発明の電磁シールド用シートの製造に用い
ることのできる放電プラズマ焼結装置の一例の要部構造
を示す断面図である。
【図6】 図5に示す放電プラズマ焼結装置で原料粉末
に印加するパルス電流波形の一例を示す図である。
【図7】 放電プラズマ焼結装置の一例の構成を示す正
面図である。
【図8】 Fe73Al5Ga21154なる組成の試料
について、単ロール法にて得られた4種類の厚さのリボ
ンを300〜450℃の温度範囲で熱処理した場合の磁
気特性の熱処理温度依存性について示したグラフであ
る。
【符号の説明】
1 織布 2 細線 3 可撓性フィルム 4 電磁シールド用シート 5 箱
フロントページの続き (72)発明者 小柴 寿人 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内 (72)発明者 牧野 彰宏 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内 (72)発明者 井上 明久 宮城県仙台市青葉区川内元支倉35番地 川 内住宅11−806

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ΔTx=Tx−Tg(ただしTxは結晶
    化開始温度、Tgはガラス遷移温度を示す)の式で表さ
    れる過冷却液体の温度間隔ΔTxが20K以上であり、
    比抵抗が1.5μΩm以上であるFe基軟磁性金属ガラ
    ス合金からなることを特徴とする電磁シールド用網。
  2. 【請求項2】 前記Fe基軟磁性金属ガラス合金が、F
    e以外の他の金属元素と半金属元素とを含有することを
    特徴とする請求項1記載の電磁シールド用網。
  3. 【請求項3】 前記Fe基軟磁性金属ガラス合金の組成
    が原子%で、 Al: 1〜10% Ga: 0.5〜 4% P: 0〜15% C: 2〜 7% B: 2〜10% Fe: 残部 であることを特徴とする請求項1または2に記載の電磁
    シールド用網。
  4. 【請求項4】 前記Fe基軟磁性金属ガラス合金の組成
    が原子%で、 Al: 1〜10% Ga: 0.5〜 4% P: 0〜15% C: 2〜 7% B: 2〜10% Si: 0〜15% Fe: 残部 であることを特徴とする請求項1または2に記載の電磁
    シールド用網。
  5. 【請求項5】 ΔTx=Tx−Tg(ただしTxは結晶
    化開始温度、Tgはガラス遷移温度を示す)の式で表さ
    れる過冷却液体の温度間隔ΔTxが20K以上であり、
    比抵抗が1.5μΩm以上であるFe基軟磁性金属ガラ
    ス合金からなることを特徴とする電磁シールド用シー
    ト。
  6. 【請求項6】 前記Fe基軟磁性金属ガラス合金が、F
    e以外の他の金属元素と半金属元素とを含有することを
    特徴とする請求項5記載の電磁シールド用シート。
  7. 【請求項7】 前記Fe基軟磁性金属ガラス合金の組成
    が原子%で、 Al: 1〜10% Ga: 0.5〜 4% P: 0〜15% C: 2〜 7% B: 2〜10% Fe: 残部 であることを特徴とする請求項5または6に記載の電磁
    シールド用シート。
  8. 【請求項8】 前記Fe基軟磁性金属ガラス合金の組成
    が原子%で、 Al: 1〜10% Ga: 0.5〜 4% P: 0〜15% C: 2〜 7% B: 2〜10% Si: 0〜15% Fe: 残部 であることを特徴とする請求項5または6に記載の電磁
    シールド用シート。
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