JPH1171641A - 高強度耐熱鋼 - Google Patents
高強度耐熱鋼Info
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- JPH1171641A JPH1171641A JP23359297A JP23359297A JPH1171641A JP H1171641 A JPH1171641 A JP H1171641A JP 23359297 A JP23359297 A JP 23359297A JP 23359297 A JP23359297 A JP 23359297A JP H1171641 A JPH1171641 A JP H1171641A
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- Japan
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- steel
- strength
- temperature
- creep rupture
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 火力発電用ガスタービンに用いられるタービ
ンロータやタービンディスク等に好適な高強度耐熱鋼を
提供する。 【解決手段】 重量比で、C:0.09〜0.18%、
Si:0.01〜0.1%、Mn:0.01〜1%、N
i:2〜3.5%、Cr:8〜13%、V:0.1〜
0.3%、Nb及びTaの1種または2種で合計:0.
01〜0.1%、N:0.01〜0.1%、Mo:0.
01〜0.5%、W:0.9〜3%を含み、残部不可避
的不純物及び鉄からなることを特徴とし、さらにB:
0.001〜0.01%を含むことを特徴する高強度耐
熱鋼。
ンロータやタービンディスク等に好適な高強度耐熱鋼を
提供する。 【解決手段】 重量比で、C:0.09〜0.18%、
Si:0.01〜0.1%、Mn:0.01〜1%、N
i:2〜3.5%、Cr:8〜13%、V:0.1〜
0.3%、Nb及びTaの1種または2種で合計:0.
01〜0.1%、N:0.01〜0.1%、Mo:0.
01〜0.5%、W:0.9〜3%を含み、残部不可避
的不純物及び鉄からなることを特徴とし、さらにB:
0.001〜0.01%を含むことを特徴する高強度耐
熱鋼。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高温強度に優れた
高強度耐熱鋼に関するものであり、特に、火力発電用ガ
スタービンに用いられるタービンロータやタービンディ
スク等に好適な高強度耐熱鋼に係るものである。
高強度耐熱鋼に関するものであり、特に、火力発電用ガ
スタービンに用いられるタービンロータやタービンディ
スク等に好適な高強度耐熱鋼に係るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この分野での材料としては高強
度、高靭性を目的とした含Cr鋼が用いられている。例
えば、現在の火力発電用ガスタービンディスクとして、
特公昭60−8299号公報には2.25Cr−Mo−
V鋼が開示されている。すなわち該公報には、開示鋼を
従来用いられている3.5Ni−Cr−Mo−V鋼、C
r−Mo−V鋼、12Cr系ステンレス鋼やFe基耐熱
合金などの鍛造品が、クリープ特性と強度レベルとの関
係から使用温度を高々400℃としなければならないの
を改良し、最高使用温度が400〜450℃と高くし、
かつ、強度レベルも高い鋼としたことが記述されてい
る。
度、高靭性を目的とした含Cr鋼が用いられている。例
えば、現在の火力発電用ガスタービンディスクとして、
特公昭60−8299号公報には2.25Cr−Mo−
V鋼が開示されている。すなわち該公報には、開示鋼を
従来用いられている3.5Ni−Cr−Mo−V鋼、C
r−Mo−V鋼、12Cr系ステンレス鋼やFe基耐熱
合金などの鍛造品が、クリープ特性と強度レベルとの関
係から使用温度を高々400℃としなければならないの
を改良し、最高使用温度が400〜450℃と高くし、
かつ、強度レベルも高い鋼としたことが記述されてい
る。
【0003】また、特公平7−103447号公報に
は、ガスタービンディスクに用いられる12Cr鋼が開
示されている。該開示鋼は、Cr:9〜13%、Ni:
1.6〜3.6%、Mo:1.0〜3.0%、V:0.
1〜0.5%、N:0.02〜0.08%を含有し、し
かもMn,Siを夫々0.1%以下に低減することを基
本成分とするものであり、480℃×60kgf/mm2 での
破断時間が500時間以上の優れた高温クリープ特性を
有することが実施例に記述されている。
は、ガスタービンディスクに用いられる12Cr鋼が開
示されている。該開示鋼は、Cr:9〜13%、Ni:
1.6〜3.6%、Mo:1.0〜3.0%、V:0.
1〜0.5%、N:0.02〜0.08%を含有し、し
かもMn,Siを夫々0.1%以下に低減することを基
本成分とするものであり、480℃×60kgf/mm2 での
破断時間が500時間以上の優れた高温クリープ特性を
有することが実施例に記述されている。
【0004】従来、ガスタービンプラントはガス燃焼温
度が高温のもので1350℃、実際にタービンディスク
素材が加熱される温度は、特公昭60−8299号公報
にも示されているように高々450℃である。しかし、
近年発電効率の高効率化が求められており、これを達成
するためには、燃焼温度の高温化、圧縮比の向上が要求
され、より高温高強度のディスク材が必要となってい
る。使用温度が500℃程度までは、前記特公平7−1
03447号公報に示されているような従来の12Cr
鋼を使用することも可能であるが、これを超える温度に
対しては高温強度が不足することから、上記従来鋼をガ
スタービンディスクに適用することは難しく、さらに高
温強度の優れた材料の開発が望まれている。
度が高温のもので1350℃、実際にタービンディスク
素材が加熱される温度は、特公昭60−8299号公報
にも示されているように高々450℃である。しかし、
近年発電効率の高効率化が求められており、これを達成
するためには、燃焼温度の高温化、圧縮比の向上が要求
され、より高温高強度のディスク材が必要となってい
る。使用温度が500℃程度までは、前記特公平7−1
03447号公報に示されているような従来の12Cr
鋼を使用することも可能であるが、これを超える温度に
対しては高温強度が不足することから、上記従来鋼をガ
スタービンディスクに適用することは難しく、さらに高
温強度の優れた材料の開発が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような技術の現状
に鑑み、本発明は12Cr系鋼の材料で材料温度が50
0℃以上となるような高温環境においても使用できる高
温強度に優れ、かつ靭性にも優れた高強度耐熱鋼を提供
することを目的とするものである。
に鑑み、本発明は12Cr系鋼の材料で材料温度が50
0℃以上となるような高温環境においても使用できる高
温強度に優れ、かつ靭性にも優れた高強度耐熱鋼を提供
することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者は鋭意研究を重ねた結果、12Cr系鋼の
材料でも構成する合金成分を調整することにより、特に
WとMoの添加量を調整し、さらにはBを添加すること
により、以下に示すような優れた高温強度を有する耐熱
鋼を得ることができた。すなわち本発明は、(1)重量
比で、 C :0.09〜0.18%、 Si:0.01〜0.1%、 Mn:0.01〜1%、 Ni:2〜3.5%、 Cr:8〜13%、 V :0.1〜0.3%、 Nb及びTaの1種または2種で合計:0.01〜0.1%、 N :0.01〜0.1%、 Mo:0.01〜0.5%、 W :0.9〜3%を含み、残部不可避的不純物及び鉄
からなることを特徴とする高強度耐熱鋼。及び、(2)
上記の鋼に、さらに重量比で、B:0.001〜0.0
1%を含むことを特徴とする高強度耐熱鋼である。上記
組成にすることにより、本発明鋼は500℃×45kgf/
mm2 でのクリープ破断時間が1000時間以上で、かつ
20℃における衝撃値が10kgf/mm2 という優れた特性
を得ることができる。
に、本発明者は鋭意研究を重ねた結果、12Cr系鋼の
材料でも構成する合金成分を調整することにより、特に
WとMoの添加量を調整し、さらにはBを添加すること
により、以下に示すような優れた高温強度を有する耐熱
鋼を得ることができた。すなわち本発明は、(1)重量
比で、 C :0.09〜0.18%、 Si:0.01〜0.1%、 Mn:0.01〜1%、 Ni:2〜3.5%、 Cr:8〜13%、 V :0.1〜0.3%、 Nb及びTaの1種または2種で合計:0.01〜0.1%、 N :0.01〜0.1%、 Mo:0.01〜0.5%、 W :0.9〜3%を含み、残部不可避的不純物及び鉄
からなることを特徴とする高強度耐熱鋼。及び、(2)
上記の鋼に、さらに重量比で、B:0.001〜0.0
1%を含むことを特徴とする高強度耐熱鋼である。上記
組成にすることにより、本発明鋼は500℃×45kgf/
mm2 でのクリープ破断時間が1000時間以上で、かつ
20℃における衝撃値が10kgf/mm2 という優れた特性
を得ることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明者らは、上記したように1
2Cr系鋼を基本成分とし、添加する合金元素の厳選を
行って高温強度の改善を鋭意行い、優れた高温特性、靭
性を有する新しい高強度耐熱鋼を発明した。特に、本発
明はMoと共にWを添加し、クリープ破断強度の強化を
図り、さらにBを添加することによりその効果を助長す
る。
2Cr系鋼を基本成分とし、添加する合金元素の厳選を
行って高温強度の改善を鋭意行い、優れた高温特性、靭
性を有する新しい高強度耐熱鋼を発明した。特に、本発
明はMoと共にWを添加し、クリープ破断強度の強化を
図り、さらにBを添加することによりその効果を助長す
る。
【0008】以下に本発明の高強度耐熱鋼における成分
を限定した理由を述べる。C:CはNと共に炭窒化物を
形成し、クリープ破断強度の向上に寄与する。しかし、
0.09%未満では十分な効果が得られず、また0.1
8%を超えると使用中に炭窒化物が凝集粗大化し、高温
長時間側の強度を劣化させる。このため0.09〜0.
18%とする。
を限定した理由を述べる。C:CはNと共に炭窒化物を
形成し、クリープ破断強度の向上に寄与する。しかし、
0.09%未満では十分な効果が得られず、また0.1
8%を超えると使用中に炭窒化物が凝集粗大化し、高温
長時間側の強度を劣化させる。このため0.09〜0.
18%とする。
【0009】Si:Siは高温強度、特にクリープ破断
強さを低下させる。このため、本発明耐熱鋼においては
真空カーボン脱酸法を適用することも併せて考慮して、
製鋼において必要な最小限度の添加とし、その範囲を
0.01〜0.1%とする。
強さを低下させる。このため、本発明耐熱鋼においては
真空カーボン脱酸法を適用することも併せて考慮して、
製鋼において必要な最小限度の添加とし、その範囲を
0.01〜0.1%とする。
【0010】Mn:Mnも脱酸材として有用な元素であ
る。また、δフェライトの生成を抑制する作用がある。
一方、多量にこの元素を加えるとクリープ破断強度が劣
化するため、1%を超える量の添加は好ましくない。ま
た、Mnは不純物として混入するSの悪影響をMnSを
形成することで無害化する作用もある。従って、0.0
1%以上の添加は必要である。このため、0.01〜1
%とする。
る。また、δフェライトの生成を抑制する作用がある。
一方、多量にこの元素を加えるとクリープ破断強度が劣
化するため、1%を超える量の添加は好ましくない。ま
た、Mnは不純物として混入するSの悪影響をMnSを
形成することで無害化する作用もある。従って、0.0
1%以上の添加は必要である。このため、0.01〜1
%とする。
【0011】Cr:Crは炭化物を形成し、クリープ破
断強度の改善に寄与すると共に、マトリックス中に溶け
込みマトリックス自体を強化して高温長時間側の強度の
向上に寄与する。また、耐酸化性をも改善する。8%未
満であるとその効果が十分でなく、また13%を超える
量を添加するとδフェライトを生成しやすくなり、強度
の低下や靭性の劣化をもたきす。このため、8〜13%
とする。より好ましい範囲は9〜12%である。
断強度の改善に寄与すると共に、マトリックス中に溶け
込みマトリックス自体を強化して高温長時間側の強度の
向上に寄与する。また、耐酸化性をも改善する。8%未
満であるとその効果が十分でなく、また13%を超える
量を添加するとδフェライトを生成しやすくなり、強度
の低下や靭性の劣化をもたきす。このため、8〜13%
とする。より好ましい範囲は9〜12%である。
【0012】V:Vは炭窒化物となってクリープ破断強
度を改善する。0.1%未満では十分な効果が得られな
い。また、逆に0.3%を超える量を添加するとむしろ
クリープ破断強度は低下してしまう。このため、0.1
〜0.3%とする。
度を改善する。0.1%未満では十分な効果が得られな
い。また、逆に0.3%を超える量を添加するとむしろ
クリープ破断強度は低下してしまう。このため、0.1
〜0.3%とする。
【0013】NbまたはTa:NbまたはTaは炭窒化
物を形成して高温強度の改善に寄与する。また、高温で
析出する炭化物(M23C6 )を微細にして長時間クリー
プ破断強度の改善に寄与する。0.01%未満ではその
効果はなく、またその合計量が0.1%を超える量を添
加すると、鋼塊製造時に生成したNbまたはTaの炭窒
化物が熱処理(溶体化処理:950〜1150℃)時に
マトリックスに十分に固溶できず、使用中に粗大化して
長時間のクリープ破断強度を低下させる。このため、N
b及びTaの合計量を0.01〜0.1%とする。
物を形成して高温強度の改善に寄与する。また、高温で
析出する炭化物(M23C6 )を微細にして長時間クリー
プ破断強度の改善に寄与する。0.01%未満ではその
効果はなく、またその合計量が0.1%を超える量を添
加すると、鋼塊製造時に生成したNbまたはTaの炭窒
化物が熱処理(溶体化処理:950〜1150℃)時に
マトリックスに十分に固溶できず、使用中に粗大化して
長時間のクリープ破断強度を低下させる。このため、N
b及びTaの合計量を0.01〜0.1%とする。
【0014】N:NはCや合金元素と共に炭窒化物を形
成して高温強度の改善に寄与する。0.01%未満で
は、十分な炭窒化物を形成することができないために、
クリープ破断強度が十分に得られない。また、0.1%
を超える量を添加すると、長時間側で炭窒化物が凝集粗
大化して、十分なクリープ破断強度を得ることができな
くなる。このため、0.01〜0.1%とする。
成して高温強度の改善に寄与する。0.01%未満で
は、十分な炭窒化物を形成することができないために、
クリープ破断強度が十分に得られない。また、0.1%
を超える量を添加すると、長時間側で炭窒化物が凝集粗
大化して、十分なクリープ破断強度を得ることができな
くなる。このため、0.01〜0.1%とする。
【0015】Mo:MoはWと共にマトリックス中に固
溶してクリープ破断強度を改善する。また、Moは焼入
性を向上させ、強度、靭性の改善に寄与する。Moの単
独の添加であれば1.5%程度添加することが可能であ
るが、本発明材のようにWを複合添加する場合、Wの方
が高温強度の改善に有効であり、またMo及びWを多量
に添加するとδフェライトが形成されてクリープ破断強
度を劣化させる。このため、Wの添加量とのバランスか
ら0.5%以下の添加とする。また、焼入性の面からは
WよりもMo添加の方が有効であるが、高温強度を考慮
して僅かな添加でも必要であり、その量を0.01%以
上とする。従って、Moの添加量は0.01〜0.5%
とし、より好ましくは0.1〜0.3%とする。
溶してクリープ破断強度を改善する。また、Moは焼入
性を向上させ、強度、靭性の改善に寄与する。Moの単
独の添加であれば1.5%程度添加することが可能であ
るが、本発明材のようにWを複合添加する場合、Wの方
が高温強度の改善に有効であり、またMo及びWを多量
に添加するとδフェライトが形成されてクリープ破断強
度を劣化させる。このため、Wの添加量とのバランスか
ら0.5%以下の添加とする。また、焼入性の面からは
WよりもMo添加の方が有効であるが、高温強度を考慮
して僅かな添加でも必要であり、その量を0.01%以
上とする。従って、Moの添加量は0.01〜0.5%
とし、より好ましくは0.1〜0.3%とする。
【0016】W:Wは前述のようにMoと共にマトリッ
クス中に固溶してクリープ破断強度を改善する。WはM
oよりも固溶体強化機能が強く、有効な元素である。し
かし多量に添加するとδフェライトや多量のラーベス相
を生成するため、逆にクリープ破断強度を劣化させる。
このため、Moの添加量とのバランスを考慮して0.9
〜3%の添加とする。より好ましい範囲は1.5〜3.
0%である。
クス中に固溶してクリープ破断強度を改善する。WはM
oよりも固溶体強化機能が強く、有効な元素である。し
かし多量に添加するとδフェライトや多量のラーベス相
を生成するため、逆にクリープ破断強度を劣化させる。
このため、Moの添加量とのバランスを考慮して0.9
〜3%の添加とする。より好ましい範囲は1.5〜3.
0%である。
【0017】Ni:Niは焼入性を向上させ、靭性を改
善する上で有効な元素であり、Cr当量を下げてδフェ
ライトの生成を抑制する効果もある。2%未満では所望
の靭性が得られず、また、3.5%を超える量を添加す
るとクリープ破断強度を劣化させてしまうため、2〜
3.5%の添加とする。
善する上で有効な元素であり、Cr当量を下げてδフェ
ライトの生成を抑制する効果もある。2%未満では所望
の靭性が得られず、また、3.5%を超える量を添加す
るとクリープ破断強度を劣化させてしまうため、2〜
3.5%の添加とする。
【0018】B:Bは粒界強度を高くする作用があり、
このため、クリープ破断強度の改善に寄与する。かかる
目的を達成するために必要に応じて添加する。しかし、
0.001%より少ない量ではBの効果が十分に得られ
ない。一方、0.01%を超える量を添加すると熱間加
工性や靭性が低下する。このため、0.001〜0.0
1%とする。
このため、クリープ破断強度の改善に寄与する。かかる
目的を達成するために必要に応じて添加する。しかし、
0.001%より少ない量ではBの効果が十分に得られ
ない。一方、0.01%を超える量を添加すると熱間加
工性や靭性が低下する。このため、0.001〜0.0
1%とする。
【0019】
[実施例1]以下に本発明請求項1に係る発明の実施例
について説明する。表1には試験に供した材料の化学成
分を示す。全ての材料は、50kg真空高周波溶解炉にて
溶製し、試験材とした。この試験材を加熱温度1200
℃にて75mm角材に熱間鍛造を行い、その後に以下の熱
処理を施した。熱処理は1000℃にて5時間加熱保持
し、直径1800mm、肉厚500mmのガスタービンディ
スク材を油冷したときの中心部を模擬した冷却速度にて
焼入処理を行い、次いで焼もどしは各材料の0.2%耐
力がおよそ79〜85kgf/mm2 になるように630〜6
60℃にて5時間の焼もどし処理を行った。
について説明する。表1には試験に供した材料の化学成
分を示す。全ての材料は、50kg真空高周波溶解炉にて
溶製し、試験材とした。この試験材を加熱温度1200
℃にて75mm角材に熱間鍛造を行い、その後に以下の熱
処理を施した。熱処理は1000℃にて5時間加熱保持
し、直径1800mm、肉厚500mmのガスタービンディ
スク材を油冷したときの中心部を模擬した冷却速度にて
焼入処理を行い、次いで焼もどしは各材料の0.2%耐
力がおよそ79〜85kgf/mm2 になるように630〜6
60℃にて5時間の焼もどし処理を行った。
【0020】表2に本発明鋼1及び比較鋼の機械的性質
並びにクリープ破断強さを示す。常温引張試験の結果に
はほとんど差はない。一方、衝撃特性の点では、比較鋼
の材料番号5,6,9,10,11,12,13,1
5,18が低い値を示しており、本発明鋼に比べて靭性
が低いことが明らかとなっている。
並びにクリープ破断強さを示す。常温引張試験の結果に
はほとんど差はない。一方、衝撃特性の点では、比較鋼
の材料番号5,6,9,10,11,12,13,1
5,18が低い値を示しており、本発明鋼に比べて靭性
が低いことが明らかとなっている。
【0021】また、500℃、45kgf/mm2 のクリープ
破断時間では、比較鋼の材料番号5,15,18につい
ては本発明鋼とほぼ同等のクリープ破断時間を示してい
るが、衝撃特性が本発明鋼に対して著しく低い値を示し
ている。この結果から明らかなように、本発明鋼は優れ
た衝撃特性及びクリープ破断強さの両方を兼ね備えてお
り、比較鋼に比べて格段に優れていることがわかる。
破断時間では、比較鋼の材料番号5,15,18につい
ては本発明鋼とほぼ同等のクリープ破断時間を示してい
るが、衝撃特性が本発明鋼に対して著しく低い値を示し
ている。この結果から明らかなように、本発明鋼は優れ
た衝撃特性及びクリープ破断強さの両方を兼ね備えてお
り、比較鋼に比べて格段に優れていることがわかる。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】[実施例2]以下に本発明請求項2に係る
発明の実施例について説明する。表3には試験に供した
材料の化学成分を示す。材料番号1〜4は表1に記載し
た本発明請求項1の発明に係る材料(本発明鋼1)であ
り、材料番号19〜22は本発明請求項2の発明に係る
材料(本発明鋼2)である。全ての材料は、実施例1と
同様に50kg真空高周波溶解炉にて溶製し、試験材とし
た。この試験材を加熱温度1200℃にて75mm角材に
熱間鍛造を行い、その後実施例1と同様の熱処理を施し
た。
発明の実施例について説明する。表3には試験に供した
材料の化学成分を示す。材料番号1〜4は表1に記載し
た本発明請求項1の発明に係る材料(本発明鋼1)であ
り、材料番号19〜22は本発明請求項2の発明に係る
材料(本発明鋼2)である。全ての材料は、実施例1と
同様に50kg真空高周波溶解炉にて溶製し、試験材とし
た。この試験材を加熱温度1200℃にて75mm角材に
熱間鍛造を行い、その後実施例1と同様の熱処理を施し
た。
【0025】表4に本発明鋼1及び2の機械的性質並び
にクリープ破断強さを示す。本結果から明らかであるよ
うに、本発明鋼1、本発明鋼2とも機械的性質において
ほとんど差はない。クリープ破断時間を比較すると、B
を添加した本発明鋼2はそれぞれ本発明鋼1よりも明ら
かにクリープ破断時間が向上していることがわかる。
(材料番号19材は同様な成分の1材にBを添加したも
のである。同様に、材料番号20材は2材に、21材は
3材に、22材は4材にそれぞれBを添加したものであ
る。)
にクリープ破断強さを示す。本結果から明らかであるよ
うに、本発明鋼1、本発明鋼2とも機械的性質において
ほとんど差はない。クリープ破断時間を比較すると、B
を添加した本発明鋼2はそれぞれ本発明鋼1よりも明ら
かにクリープ破断時間が向上していることがわかる。
(材料番号19材は同様な成分の1材にBを添加したも
のである。同様に、材料番号20材は2材に、21材は
3材に、22材は4材にそれぞれBを添加したものであ
る。)
【0026】
【表3】
【0027】
【表4】
【0028】
【発明の効果】本発明の高強度耐熱鋼は、優れた高温強
度及び靭性を有するため、使用温度が450℃を超える
ガスタービン発電プラント用の高温用ガスタービンディ
スク材として有用である。本発明により、現在のガスタ
ービン発電プラントの燃焼温度の上昇が可能となり、更
なる高効率化を達成し、化石燃料の節約に寄与すると共
に、二酸化炭素の発生量を低<抑える上で有用なもので
あるといえる。
度及び靭性を有するため、使用温度が450℃を超える
ガスタービン発電プラント用の高温用ガスタービンディ
スク材として有用である。本発明により、現在のガスタ
ービン発電プラントの燃焼温度の上昇が可能となり、更
なる高効率化を達成し、化石燃料の節約に寄与すると共
に、二酸化炭素の発生量を低<抑える上で有用なもので
あるといえる。
Claims (2)
- 【請求項1】 重量比で、 C :0.09〜0.18%、 Si:0.01〜0.1%、 Mn:0.01〜1%、 Ni:2〜3.5%、 Cr:8〜13%、 V :0.1〜0.3%、 Nb及びTaの1種または2種で合計:0.01〜0.
1%、 N :0.01〜0.1%、 Mo:0.01〜0.5%、 W :0.9〜3% を含み、残部不可避的不純物及び鉄からなることを特徴
とする高強度耐熱鋼。 - 【請求項2】 請求項1記載の鋼に、さらに重量比で、 B :0.001〜0.01% を含むことを特徴とする高強度耐熱鋼。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23359297A JPH1171641A (ja) | 1997-08-29 | 1997-08-29 | 高強度耐熱鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23359297A JPH1171641A (ja) | 1997-08-29 | 1997-08-29 | 高強度耐熱鋼 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1171641A true JPH1171641A (ja) | 1999-03-16 |
Family
ID=16957482
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23359297A Pending JPH1171641A (ja) | 1997-08-29 | 1997-08-29 | 高強度耐熱鋼 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1171641A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009280901A (ja) * | 2008-02-25 | 2009-12-03 | Alstom Technology Ltd | 耐クリープ性鋼 |
-
1997
- 1997-08-29 JP JP23359297A patent/JPH1171641A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009280901A (ja) * | 2008-02-25 | 2009-12-03 | Alstom Technology Ltd | 耐クリープ性鋼 |
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